JPH09194506A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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Abstract
系重合体の製造方法。 【解決手段】 還流凝縮器を付設した反応器にて、塩化
ビニル系重合体を製造する方法において、イ)還流凝縮
器として、塩化ビニル系単量体との接触部分を全面冷却
できる構造を有する還流凝縮器を用い、該還流凝縮器を
塩化ビニル系単量体の転化率5%以上に達するまでの間
重合温度以上に保ち、ロ)水性媒体の温度が30℃以
上、溶存酸素濃度が2ppm以上であり、ニ)水性媒体
/塩化ビニル系単量体=0.9〜1.2として重合を開
始することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方
法。
Description
体の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは混練
時にゲル化しやすく、かつ、かさ比重も高い改良された
塩化ビニル系重合体を製造する方法に関するものであ
る。
う)は、優れた物理的、機械的性質などを有しているた
め、多方面の分野にわたり使用されている。市場の動向
として、硬質配合として押出成形する場合、成形機の押
出量の増大を図るため、かさ比重の高いPVCの開発が
要望されている。しかしながら、従来知られている懸濁
重合法ではかさ比重またはゲル化性のどちらか一方のみ
に優れるPVCしか得られず、いずれも押出加工への使
用には不十分なものであった。
ルキルヒドロキシセルロースの存在下で重合を行う方法
が提案されてる。
度が500以下で、かつ鹸化度が60モル%以下のポリ
ビニルアルコール存在下で、重合を開始させ、重合率が
5〜40%に達した時点で、水溶性セルロース誘導体を
添加する方法が提案されている。
は、初期の水/モノマー比を低くする方法が提案されて
いる。
504号公報に提案された方法により得られたPVC
は、球形で高かさ比重であるが、非多孔性でゲル化性の
不十分なものであった。
た方法により得られたPVCは、多孔質でゲル化性に優
れたものであるが、かさ比重が低く、押出加工には不十
分なものであった。
提案された方法により得られたPVCは、十分なかさ比
重が得られなかった。
しやすく、かつ、かさ比重も高いPVCを製造すること
ができる方法を提供することにある。
を解決するために鋭意検討した結果、特定の重合装置を
用い、特定の条件で重合を行うことにより混練時にゲル
化しやすく、かつ、かさ比重も高いPVCが得られるこ
とを見出だし本発明を完成させるに至った。
塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤の存在下で水性
媒体中で懸濁重合を行いPVCを製造する方法におい
て、 イ)還流凝縮器として、上部、下部及び反応器との連結
部にもジャケットを有し、塩化ビニル系単量体との接触
部分を全面ジャケット冷却できる構造を有する還流凝縮
器を用い、該還流凝縮器を塩化ビニル系単量体の重合を
開始する昇温前に加熱して、塩化ビニル系単量体の転化
率5%以上に達するまでの間重合温度以上に保ち、 ロ)懸濁重合に用いる水性媒体としては、該水性媒体の
温度が30℃以上であり、該水性媒体中の溶存酸素濃度
が2ppm以上である水性媒体であり、 ニ)懸濁重合の際に、該水性媒体(A)の塩化ビニル系
単量体(B)の比率をA/B=0.9〜1.2として重
合を開始することを特徴とするPVCの製造方法に関す
るものである。
上部、下部及び反応器との連結部にもジャケットを有
し、塩化ビニル系単量体との接触部分を全面ジャケット
冷却できる構造を有する還流凝縮器である。
ニル系単量体の重合を開始する昇温前に加熱され、塩化
ビニル系単量体の転化率が5%以上に達するまでの間重
合温度以上に保たれる。そして、還流凝縮器を重合温度
以上に保つ時間としては、混練時にゲル化しやすく、か
つ、かさ比重も高いPVCを生産性効率良く製造するこ
とができることから塩化ビニル系単量体の転化率が5%
以上20%以下となるまでとすることがより好ましい。
本発明においては、本操作により凝縮性の塩化ビニル系
単量体ガスの蒸発に伴う反応初期の粒子の破壊が抑制さ
れ、その結果、高かさ比重のPVCが得られる。そし
て、塩化ビニル系単量体の転化率が5%に達するまでの
間に還流凝縮器の温度が重合温度より低くなった場合
は、粒子の破壊によりかさ比重の低いPVCしか得られ
ない。
転化率が5%を越えてから還流凝縮器を作動させる場
合、作動時点での反応器のジャケット温度で一定となる
ように、還流凝縮器のジャケット温度を制御することが
好ましい。
水性媒体の温度が30℃以上であり、溶存酸素濃度は2
ppm以上、さらに好ましくは6ppm以上である水性
媒体である。そして、水性媒体の温度が30℃より低い
場合には、かさ比重の低いPVCしか得られない。ま
た、水性媒体の溶存酸素濃度が2ppmより低い場合に
は低かさ比重のPVCしか得られない。また、本発明に
おいて用いられる水性媒体とは水又は水を主成分とする
媒体であり、本発明の目的を逸脱しない限りにおいてい
かなるものも含んでも問題はない。
る水性媒体(A)と塩化ビニル系単量体(B)の比率
は、A/B=0.9〜1.2である。そして、A/B>
1.2である場合、得られるPVCのかさ比重が低くな
る。一方、A/B<0.9である場合、得られるPVC
の粒子が粗粒化する問題がある。そして、本発明におい
ては、重合時の懸濁液の流動状態を一定に保ち、安定的
に混練時にゲル化しやすく、かつ、かさ比重も高いPV
Cを製造するために重合進行に伴う体積収縮分と同等容
量の水を追加することが好ましい。
量体とは、塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体と塩
化ビニル単量体と共重合可能なビニル系単量体との混合
物であり、塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル系単
量体としては、例えばエチレン、プロピレン等のオレフ
ィン化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類;アクリル酸,α−アルキルアクリル酸等
の不飽和モノカルボン酸、そのアルキルエステル類又は
そのアミド類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル
類;マレイン酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸
類、そのアルキルエステル類又はその無水物;N−置換
マレイミド類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル等のビニルアルキルエーテル類;各種ビニリデン
化合物等が例示される。
剤としては、例えばアセチルシクロヘキシルスルホニル
パーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、(α,
α−ビスネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベ
ンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエ
チル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキ
シル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレー
ト、t−ブチルパーオキシピバレート、ラウリルパーオ
キサイド等の有機過酸化物;アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、アゾビス−(4−メトキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物等が挙げられ、その他の公知のものを
含めて単独又は数種のものを併用して使用できる。
剤を使用することができ、分散安定剤としては、一般的
なものが用いられ、例えば部分ケン化ポリ酢酸ビニル、
セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体、デンプン、ゼラチン、ノニ
オン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の水溶性高
分子が挙げられ、これらは単独又は併用して用いること
ができる。
剤、酸化防止剤等を重合開始前及び/又は重合後に重合
系に添加してもよく、重合中にその一部を分割又は連続
的に重合系に添加してもよい。
き説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
方法により評価を行った。
ステアリン酸鉛1部を加えてよく混合したのち、この混
合物64gをブラベンダー社製のプラストグラフ試験機
に入れ、ローラーの回転数60rpm、チャンバー温度
190℃の条件下で混練を行い混合物を投入してから最
高トルクに達するまでの時間をゲル化時間として測定し
た。
する伝熱面積6m2の還流凝縮器を有する反応器の該還
流凝縮器に70℃の熱水を通水した後、35℃で溶存酸
素濃度が9.8ppmである脱イオン水100部、部分
ケン化ポリ酢酸ビニル0.1部、重合開始剤としてジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート0.04
8部、塩化ビニル単量体100部(515Kg)を反応
器に仕込み撹拌を開始し、57℃まで昇温した。
時点で還流凝縮器のジャケット温度を低下させ、反応器
のジャケット温度が一定となるように還流凝縮器のジャ
ケット温度を制御しながら重合を継続した。そして、重
合中に22リットル/時で水を連続的に注入した。重合
終了後、未反応の単量体を回収した後、重合体スラリー
を取り出し、脱水乾燥を行い塩化ビニル重合体を得た。
1に示す。
以外は、実施例1と同じ条件で重合を行い塩化ビニル重
合体を得た。
1に示す。
以外は、実施例1と同じ条件で重合を行い塩化ビニル重
合体を得た。
1に示す。
実施しなかった以外は、実施例1と同じ条件で重合を行
い塩化ビニル重合体を得た。
1に示す。
外は、実施例1と同じ条件で重合を行い塩化ビニル重合
体を得た。
1に示す。
1と同じ条件で重合を行い塩化ビニル重合体を得た。
1に示す。
ル単量体(419Kg)の仕込み比率を変えた以外は、
実施例1と同じ条件で重合を行い塩化ビニル重合体を得
た。
1に示す。
ル単量体(597Kg)の仕込み比率を変えた以外は、
実施例1と同じ条件で重合を行い塩化ビニル重合体を得
た。
1に示す。
チルヘキシルパーオキシジカーボネートを0.034部
に変更した以外は、実施例1と同じ条件で重合を行い塩
化ビニル重合体を得た。
1に示す。
く、かつ、かさ比重も高いPVCが得られ、その工業的
価値は非常に高いものである。
Claims (1)
- 【請求項1】還流凝縮器を付設した反応器にて、塩化ビ
ニル単量体又は塩化ビニル単量体と塩化ビニル単量体と
共重合し得る単量体との混合物(以下、塩化ビニル系単
量体という。)を油溶性重合開始剤の存在下で水性媒体
中で懸濁重合を行い塩化ビニル系重合体を製造する方法
において、 イ)還流凝縮器として、上部、下部及び反応器との連結
部にもジャケットを有し、塩化ビニル系単量体との接触
部分を全面ジャケット冷却できる構造を有する還流凝縮
器を用い、該還流凝縮器を塩化ビニル系単量体の重合を
開始する昇温前に加熱して、塩化ビニル系単量体の転化
率5%以上に達するまでの間重合温度以上に保ち、 ロ)懸濁重合に用いる水性媒体としては、該水性媒体の
温度が30℃以上であり、該水性媒体中の溶存酸素濃度
が2ppm以上である水性媒体であり、 ニ)懸濁重合の際に、該水性媒体(A)と塩化ビニル系
単量体(B)の比率をA/B=0.9〜1.2として重
合を開始することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00714496A JP3601156B2 (ja) | 1996-01-19 | 1996-01-19 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00714496A JP3601156B2 (ja) | 1996-01-19 | 1996-01-19 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09194506A true JPH09194506A (ja) | 1997-07-29 |
JP3601156B2 JP3601156B2 (ja) | 2004-12-15 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3601156B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1308359C (zh) * | 2005-08-19 | 2007-04-04 | 宜宾天原股份有限公司 | 本体聚氯乙烯树脂聚合中的冷却方法 |
-
1996
- 1996-01-19 JP JP00714496A patent/JP3601156B2/ja not_active Expired - Fee Related
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