JPH07119247B2 - 塩化ビニル系重合体の製造法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造法

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JPH07119247B2
JPH07119247B2 JP33003187A JP33003187A JPH07119247B2 JP H07119247 B2 JPH07119247 B2 JP H07119247B2 JP 33003187 A JP33003187 A JP 33003187A JP 33003187 A JP33003187 A JP 33003187A JP H07119247 B2 JPH07119247 B2 JP H07119247B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は塩化ビニル系重合体の製造法に関し、さらに詳
しくは、高品質の塩化ビニル系重合体を高能率で製造す
るための塩化ビニル系重合体の製造法に関する。
(従来の技術) 従来、塩化ビニル系重合体をバッチ式の懸濁重合法によ
り製造するに際し、重合器に水,懸濁剤,重合開始剤,
単量体およびその他の添加助剤を仕込み、ジャケットに
温水を循環させるなどの手段により内容物を所定の重合
温度まで昇温し重合を実施している。しかし、とくに大
型の重合器においては仕込み量が多いため仕込み時間が
長くなり、また重合器の容量に対してジャケットの伝熱
面積が相対的に少ないため昇温に長時間を要するので、
これらが重合器の稼動率を阻害する要因のひとつになっ
ていた。
このような問題点を解決する方法として、あらかじめ加
温された水性媒体(懸濁剤を水に溶解した混合物)と、
単量体と重合開始剤との均一混合物とを同時に仕込む方
法(特公昭62-39601号)、懸濁剤の全量を溶解した水と
重合開始剤の全量を溶解した単量体の両者の全量の仕込
み終了時に所定の重合温度になるように調節する方法
(特公昭60-26488号)、単量体と重合開始剤を仕込ん
で、均一混合した後、あらかじめ50〜80℃に加温脱気さ
れた水を仕込む方法(特開昭58-21408号)が知られてい
る。
しかし、あらかじめ単量体に重合開始剤を溶解させ、そ
の混合物を仕込む方法(特公昭62-39601号,同60-26488
号)では、混合物を調製するためのタンクや混合器など
の設備を必要とし、仕込みのための操作が煩雑になるば
かりではなく、調製中に重合が開始するのを防止するた
めに混合物を低温に保持するか、重合開始剤の単量体に
対する仕込み割合を少なくするか、または分解温度が高
い重合開始剤しか使用できないという制約があった。さ
らに仕込み中にその混合物が重合器内で油滴として水性
媒体中に均一に懸濁し安定化する以前に温水と接触する
と同時に急激に重合が開始するためと考えられるが、得
られる重合体粒子には粗粒分が多く、フィッシュアイが
増加するという不都合があり、また前記混合物の一部が
重合器の内壁面に付着してスケールが増加し重合反応熱
を除去するための除熱能力が低下するという欠点があっ
た。特開昭58-21408号による方法のように、重合器に単
量体と重合開始剤を仕込み、均一混合した後に加温され
た水を仕込む方法にも、単量体混合物が仕込み中に重合
器の内壁面と直接接触しそこで重合が開始するためにス
ケールが著しく増加し、また粒度,フィッシュアイが劣
る低品質の重合体粒子しか得られないという欠点があっ
た。
これらの欠点は単量体に溶解した重合開始剤の濃度が高
いほど、すなわち重合時間が短いほど、またあらかじめ
加温した水の温度が高いほど、すなわち所定の重合温度
までの昇温に要する時間が短いほど顕著である。
一方、特公昭60-26488号のように懸濁剤を溶解した水
(懸濁剤水溶液)を加温する方法では、加温により懸濁
剤の界面活性能が低下するためと考えられるが重合器の
内壁面にスケールが多量に付着し、フィッシュアイが増
加するばかりでなく、得られる重合体粒子は粗粒化し、
著しい場合には塊状に固結して重合器からの排出が困難
になるという欠点があった。これに対して特公昭58-506
03号には、粗粒の生成および重合体粒子のフィッシュア
イの増加を防止する方法として、懸濁剤と重合系に存在
させる水の一部とを冷水の状態で仕込み、次いで単量体
を仕込み、最後に加温された水を仕込む方法が提案され
ている。しかし、この方法によれば、粗粒の生成および
フィッシュアイの増加を防ぐことができるという効果は
あるが、水および単量体を順次仕込むために仕込み時間
を短縮することができず、その上、仕込水も冷水を使用
したり温水を使用したりするので仕込み作業が煩雑にな
るという欠点があった。
これら公知のいずれの方法にも仕込み時間および/また
は昇温時間を短縮できるという利点はあるが、重合器の
壁面にスケールが付着することにより重合反応熱の除去
能力が低下するので、重合時間を短縮することは困難と
なり、重合器の稼動率を高めるという効果は不十分であ
った。また、得られる重合体粒子は粗粒分が多くフィッ
シュアイが増加するなど品質の低下を招くという欠点も
あった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、重合器の内壁面へのスケールの付着を
防止し、重合体粒子の粗粒化およびフィッシュアイの増
加を招くことなく、重合開始のための仕込み時間および
昇温時間を短縮することにより、重合器の稼動率を大巾
に向上させる塩化ビニル系重合体の製造法を提供するこ
とにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明のかかる目的は、塩化ビニル系単量体すなわち塩
化ビニル単量体または塩化ビニルと共重合し得る単量体
と塩化ビニル単量体との混合物を油溶性重合開始剤の存
在下に水性媒体中で懸濁重合するに際し、重合器に単量
体およびあらかじめ加温された水の両者の各々の全仕込
み量の70重量%以上を同時に仕込むと共に、この単量体
の仕込み中に懸濁剤の全仕込み量の少なくとも20重量%
を仕込み、単量体の仕込み量が全仕込み量の30%に達し
たとき以後100%に達するまでの間でかつ重合器内の単
量体の水に対する重量比が1.5以下の時点で重合開始剤
の全量を仕込み、引続いて重合を実施することによって
達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の実施にあたり、まず脱気した重合器に単量体お
よびあらかじめ加温された水の両者の各々の全仕込み量
の70重量%以上を同時に仕込む。
前記の値が70重量%未満であると重合系の温度が急激に
変化するため粗粒を生じ、また仕込み時間の短縮につな
がらないので、本発明の目的を達成することが困難にな
る。両者の仕込みは、まず水の仕込みを開始し、その仕
込み中に単量体の仕込みを開始してもよく、あるいはそ
の逆でもよい。
本発明において重合に使用する仕込水は、水および単量
体の全量の仕込み終了時の重合器の内温(t)が所定の
重合温度(T)に対し T−10≦t≦T+5 (℃) となるように、あらかじめ重合器外で加温しておくこと
が必要である。内温が(T−10)℃未満であると昇温時
間を短縮する効果が不十分であり、また(T+5)℃を
越えると重合器の圧力が急激に上昇し重合反応が暴走す
るので危険である。水の温度は通常、約40〜80℃の範囲
で実施される。水は加温する前に脱気処理しておくこと
が望ましい。
本発明において用いられる懸濁剤は、その全仕込み量の
少なくとも20重量%の単量体の仕込み中に仕込むことが
必要である。前記の値が20重量%未満であると仕込み
中、単量体を油滴とする懸濁系を安定化させることがで
きず、スケールの生成、粗粒分およびフィッシュアイの
増加などの悪影響が生じる。懸濁剤は1〜5重量%の常
温の水溶液として直接重合器に仕込む方法が好ましい。
懸濁剤水溶液は、加温されることにより難溶性になり界
面活性能が低下するという性質を有することはよく知ら
れており、塩化ビニルの懸濁重合においても懸濁剤を加
温することにより単量体油滴を懸濁させ安定化させると
いう作用効果が低下するので、重合器外で懸濁剤と温水
を接触させる仕込み方法は不適切である。懸濁剤は仕込
水とは別の水溶液として、その全仕込み量の50〜100重
量%を単量体と同時に、撹はん下に懸濁系を形成させつ
つ連続して仕込む態様が最も好ましい。
本発明において使用される油溶性重合開始剤は、単量体
の仕込み量が全仕込み量の30%に達したときから100%
に達するまでの間で、かつ重合器内の単量体の水に対す
る重量比が1.5以下の時点で重合開始剤の全量を仕込む
ことが必要である。単量体の仕込み量が30%未満の時点
で重合開始剤を仕込むと、単量体の全量の仕込み終了後
の重合開始剤の個々の単量体油滴への分配が不均質とな
り、スケールおよびフィッシュアイが悪化するので好ま
しくない。また単量体の全量の仕込み終了後に重合開始
剤を仕込む方法では、仕込み時間が長くなり重合反応の
開始が遅れるので本発明の目的を達成する上で不利にな
る。重合開始剤の仕込みは、単量体の仕込み末期、好ま
しくは単量体の70〜100重量%が仕込まれほぼ懸濁系が
完成した時点で、その全量を一括して仕込むことによ
り、単量体油滴に均質に吸着させ溶解させる態様が最も
好ましい。
一方、重合器内に存在する単量体の水に対する重量比が
1.5を超えると単量体を連続相とするいわゆる転相した
懸濁系が形成される。この時点で重合開始剤を添加する
と、重合開始剤が溶解した単量体が連続相になって直接
重合器の内壁面と接触しそこで重合が行われるためと考
えられるが、スケールが著しく増加し重合器の除熱能力
が低下するので本発明の目的を達成することができな
い。
このようにして各成分の重合器に仕込み重合を開始させ
た後、反応熱を除去しながら重合器の内温を所定の重合
温度に保持し重合を完結させるのであるが、勿論、リフ
ラックスコンデンサーにより熱除去は慣用のごとく採用
することができ、また所望に応じてその他の添加助剤を
使用することもできる。
本発明において塩化ビニル単量体と共重合し得る単量体
としては、例えば酢酸ビニルなどのアルキルビニルエス
テル、セチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエー
テル、エチレンまたはプロピレンなどのα−モノオレフ
ィン類、アクリル酸メチル,メタクリル酸メチルなどの
アクリル酸アルキルエステル類が例示されるが、これら
に限定されない。
また本発明において使用される懸濁剤、重合開始剤は、
通常の塩化ビニルの懸濁重合において使用されるもので
ある。懸濁剤としては例えばポリビニルアルコール、ポ
リ酢酸ビニルの部分ケン化物、メチルセルロース,ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導
体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体などの合成高
分子物質等が例示される。重合開始剤としては例えばジ
−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート,ジエ
トキシエチルパーオキシジカーボネート,α−クミルパ
ーオキシネオデカネート,t−ブチルパーオキシネオデカ
ネート,t−ブチルパーオキシピバレート,3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキサイドおよびアセチルシクロ
ヘキシルスルフォニルパーオキサイドなどのような有機
過酸化物ならびにα,α′−アゾビスイソブチロニトリ
ルおよびα,α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニ
トリルなどのアゾ化合物の一種または二種以上の混合物
が挙げられる。
本発明において所望に応じて使用されるその他の添加助
剤としては、メルカプトアルカノール、チオグリコール
酸アルキルエステルなどの連鎖移動剤、高級脂肪酸のグ
リセリンエステルまたはソルビタンエステルなどの非イ
オン系界面活性剤、ポリビニルアルコール類などの油溶
性懸濁助剤、PH調整剤および重合禁止剤などが挙げられ
る。前記のようなその他の添加助剤は仕込み開始時に一
括して重合系に添加してもよいし、重合中に連続または
分割して添加することもできる。重合は通常35〜80℃の
温度で撹はん下に行われ、仕込み終了時の単量体の水に
対する重量比は約0.5〜1.0の範囲で実施される。各成分
の仕込み量および仕込み部数などは、従来塩化ビニルの
懸濁重合で行なわれている慣用の条件でよく、特に限定
されるものではない。
(発明の効果) かくして本発明によれば、従来技術に比較して重合器の
内壁面へのスケールの付着を防止し、重合体粒子の粗粒
化およびフィッシュアイの増加などの悪影響を招くこと
なく、重合開始のための仕込み時間および昇温時間を短
縮することができるので、重合器の稼動率が大巾に向上
し極めて有用である。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例、比較例の中の%はとくに断りのない
かぎり重量基準である。なお、各実施例で示した塩化ビ
ニル系重合体の物性値は次の方法により測定した。
(1)フィッシュアイ 塩化ビニル系重合体100gにジオクチルフタレート45g、
ステアリン酸カドミウム2g、ステアリン酸バリウム1g、
およびグリーントナー1gを加えて混合した後、145℃の
6インチロールで6分間混練して厚さ0.4mmのシートに
引出し、そのシートの表面100cm2中に観察される透明粒
子の数をもって示した。
(2)平均粒径 タイラーメッシュ基準の金網を使用した篩分析により、
50%通過径として示した。
(3)粗粒分 タイラーメッシュ基準の金網を使用した篩分析により、
60メッシュの金網に残留する割合をもって示した。
(4)多孔性 米国アミンコ社製の水銀圧入式ポロシメーター(5-7121
B型)を使用し、常圧から14000psiまでの加圧の間に粉
粒状塩化ビニル系重合体1gあたり圧入された水銀の容量
で示した。
(5)可塑剤吸収性 東洋精機製作所製のラボプラストミル(P-600型)を使
用し、86℃に保った容器内に塩化ビニル系重合体400g、
ポリエステル系高分子可塑剤PN-250(アデカ・アーガス
化学社製)240gを投入し、60回転で撹拌しながらトルク
を記録し、混合トルクが低下し安定するまでの時間で示
した。
また、各実施例で示した重合器壁面のスケール付着状態
は下記の基準をもって示した。
○:スケールの付着がほとんどない △:局部的にスケール付着が認められた ×:内壁全面に付着物が発生した 実施例1 実験1(本発明例): 内容積950lのステンレス製重合器を脱気した後、あらか
じめ加温された67℃の水350kgを25kg/分の速度で撹はん
下に連続して仕込み(所要時間14分)、水と同時に塩化
ビニル単量体250kgおよび部分ケン化ポリビニルアルコ
ールの2%水溶液7kgを連続して前記時間をかけて仕込
んだ。
また、単量体200kgを仕込んだ時点でジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液17
0gを30秒間で一括して仕込んだ。
全成分の仕込み終了時57.5℃であった重合器の内温を5
7.0℃に保持しながら重合反応を行わせ、重合開始時8.7
kg/cm2であった重合器の圧力が7.0kg/cm2に降下した時
点で重合を停止し、未反応の単量体を回収して内容物を
脱水乾燥した。
実験2(比較例): 懸濁剤の2%水溶液を用いる代りに部分ケン化ポリビニ
ルアルコール140gを溶解した仕込水350kgをあらかじめ6
7℃に加温し25kg/分の速度で撹はん下に連続して仕込み
(所要時間14分)、これと同時にジ−2−エチルヘキシ
ルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液170gを
溶解した単量体250kgを仕込んだ以外は実験1と同様に
して重合を行った。
実験3(比較例): 単量体250kgを25kg/分の速度で、撹はん下に連続して仕
込み(所要時間10分)、その仕込み中にジ−2−エチル
ヘキシルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液
170gの仕込み、単量体の仕込み終了後、引続きあらかじ
め加温された67℃の水350kgを25kg/分の速度で連続して
仕込み(所要時間14分)、水の仕込み中に部分ケン化ポ
リビニルアルコールの2%水溶液7kgを仕込んだ以外は
実験1と同様にして重合を行った。
実験4(比較例): 常温の水350kgを25kg/分の速度で撹はん下に連続して仕
込み(所要時間14分)、その仕込み中に部分ケン化ポリ
ビニルアルコールの2%水溶液7kgおよびジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶
液170gを仕込み、水の仕込み終了後、引続き単量体250k
gを25kg/分の速度で連続して仕込み(所要時間10分)、
全成分の仕込み終了時20℃であった重合器の内温をジャ
ケットに温水を循環させ、57.0℃に昇温した(所要時間
35分)以外は実験1と同様にして重合を行った。
このようにして得られた重合体粒子の物性値および重合
器の内壁面のスケール付着状態は、第1表に示すとおり
であった。
第1表から明らかであるように、本発明の方法による実
験1の場合のみ、従来、塩化ビニルの懸濁重合で一般的
に採用されていた仕込み方法(実験4)と比較してほぼ
同等の物性値の重合体粒子が得られ、また、仕込み時間
および昇温時間を大巾に短縮することができた。
実験2では、あらかじめ加温された水と懸濁剤の混合物
と、単量体と重合開始剤の混合物とを同時に仕込んだ
が、この仕込み方法では粗粒分が12%と顕著に多く、フ
ィッシュアイ特性およびその他の加工特性の良好な重合
体粒子が得られないことが明らかである。
実験3では、単量体と重合開始剤を均一混合した後、あ
らかじめ加温された水と懸濁剤を仕込んだが、この方法
では仕込み時間を短縮することができず、また、重合器
の内壁面の全面にわたってスケールが付着した。
実験4は、従来一般的に採用されていた仕込み方法、す
なわち常温の水,懸濁剤および重合開始剤を仕込み、次
いで単量体を仕込む方法によるものであるが、この方法
では物性値およびスケールは良好であるが、仕込み時間
および昇温時間が長いため重合器の稼動率を向上させる
ことができない。
実施例2 内容積4m3のステンレス製重合器を脱気した後、あらか
じめ加温した61℃の水2000kgを100kg/分の速度で連続し
て仕込み、水の仕込み開始から5分後、重合器内の液面
が撹はん翼より高くなった時点で撹はんを開始するとと
もに、塩化ビニル単量体1500kgを100kg/分の速度で連続
して仕込んだ。
また、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
トの70%トルエン溶液(重合開始剤)0.7kgおよび部分
ケン化ポリビニルアルコールの2%水溶液(懸濁剤)50
kgを、水の仕込み開始を起点として第2表に示した時点
でそれぞれ仕込んだ。重合開始剤は30秒間で一括して仕
込み、懸濁剤は5kg/分の速度で10分間で連続して仕込ん
だ。
全成分の仕込み終了時51.0℃であった重合器の内温を5
1.5℃に保持しながら重合反応を行わせ、重合開始時7.3
kg/cm2であった重合器の圧力が6.5kg/cm2に降下した時
点で重合を停止し、未反応の単量体を回収して内容物を
脱水乾燥した。
結果を第2表に示した。第2表には参考として、重合開
始剤の仕込み開始時においてすでに重合器に仕込まれた
単量体のその全仕込み量に対する割合(単量体の仕込み
割合)、および単量体の仕込み中に仕込まれた懸濁剤の
その全仕込み量に対する割合(懸濁剤の仕込み割合)を
示した。
第2表より、本発明による方法(実験7および8)によ
れば、単量体の仕込み割合が30%未満の時点で重合開始
剤を仕込んだ場合(実験5および6)、および単量体の
仕込み中に仕込まれた懸濁剤の割合が20%に満たない場
合(実験9)に比較して、粗粒分,フィッシュアイが良
好でスケールの付着がなく、かつ多孔性,可塑剤吸収性
に優れた重合体粒子が得られることが明らかである。
フロントページの続き (72)発明者 石井 靖道 岡山県倉敷市児島塩生字新浜2767―1 日 本ゼオン株式会社水島支社内 (72)発明者 安田 光男 岡山県倉敷市児島塩生字新浜2767―1 日 本ゼオン株式会社水島支社内 (72)発明者 和田 昭 岡山県倉敷市児島塩生字新浜2767―1 日 本ゼオン株式会社水島支社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル単量体または塩化ビニルと共重
    合し得る単量体と塩化ビニル単量体との混合物を油溶性
    重合開始剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合するに際
    し、重合器に単量体およびあらかじめ加温された水の両
    者の各々の全仕込み量の70重量%以上を同時に仕込むと
    共に、この単量体の仕込み中に懸濁剤の全仕込み量の少
    なくとも20重量%を仕込み、単量体の仕込み量が全仕込
    み量の30%に達したとき以後100%に達するまでの間で
    かつ重合器内の単量体の水に対する重量比が1.5以下の
    時点で重合開始剤の全量を仕込み、引続いて重合を実施
    することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造法。
  2. 【請求項2】単量体および水の全量の仕込み終了時の重
    合器の内温(t)が、所定の重合温度(T)に対し T−10≦t≦T+5 (℃) となるようにあらかじめ水を加温することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の塩化ビニル系重合体の製造
    法。
  3. 【請求項3】単量体、あらかじめ加温された水、懸濁剤
    および重合開始剤の各々を、撹はん下に連続または一括
    して仕込むことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の塩化ビニル系重合体の製造法。
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