JPH1036408A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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- JPH1036408A JPH1036408A JP20898496A JP20898496A JPH1036408A JP H1036408 A JPH1036408 A JP H1036408A JP 20898496 A JP20898496 A JP 20898496A JP 20898496 A JP20898496 A JP 20898496A JP H1036408 A JPH1036408 A JP H1036408A
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Abstract
質に優れた塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 (a)温水と塩化ビニル系単量体とを同
時か又は温水を僅かに先に仕込み、(b)上記単量体の
仕込み開始と同時に、油溶性開始剤、水溶性高分子分散
剤の水溶液を仕込み、(c)前記(b)工程の操作と同
時に、攪拌翼周速が12.0m/sec 以上の攪拌を開始
し、(d)前記(b)工程を前記(a)工程の操作時間
の40%以内に終了する。
Description
体の製造方法に関するものであり、さらに詳細には、重
合安定性に優れ、フィッシュアイなどの品質に優れた塩
化ビニル系重合体を高い生産性を維持しながら製造する
方法に関する。
ランスに優れているため、軽質分野、硬質分野等種々の
広汎な分野で利用されている。例えば、硬質分野では、
パイプ、窓枠、フィルムなどで利用され、軽質分野では
電線被覆、シートなどで利用され、品質についても多岐
に亘って高度な品質が要求されている。
系樹脂に課せられた使命であり、従来から安価に製造す
るための技術的検討が種々なされてきている。例えば、
重合器の容量を大きくして生産性を上げる方法、塩化ビ
ニル系単量体を先に仕込み、続いて脱気された温水を仕
込むことにより昇温時間を短縮して生産性を上げる方
法、さらに、塩化ビニル系単量体と脱気された温水を同
時に仕込むことにより昇温時間を短縮して生産性を上げ
る方法などが提案されている。
は、予め加温された水性媒体(分散剤を水に溶解した混
合物)と、塩化ビニル系単量体と開始剤の均一混合物と
を同時に仕込むことにより昇温時間を短縮して生産性を
上げる方法、特公昭60−26488号には、分散剤
の全量を溶解した水と開始剤の全量を溶解した塩化ビニ
ル系単量体の仕込み時期に若干の時差を設け、両者の仕
込み終了時に所定温度になるようにして生産性を上げる
方法、特開昭60−158207号には、開始剤を含
有する塩化ビニル系単量体と分散剤を含有する水とを5
0℃以下で予備混合し、この混合物を熱交換器にて反応
温度迄昇温しながら重合器に仕込む方法、特開平1−
172407号には、塩化ビニル系単量体の仕込み中に
分散剤の少なくとも20%を、重合器内の塩化ビニル系
単量体の水に対する重量比が1.5以下の間に開始剤を
全量仕込む方法などが開示されている。
方法では、開始剤の均一混合にタンク、特殊な混合器を
必要とし、仕込み操作が複雑化するばかりでなく、重合
器に仕込むと同時に開始反応が急激に始まると共に、分
散剤が懸濁油滴表面に均一に拡散して安定な保護層を形
成する時間的余裕がないため、重合安定性に乏しく、粗
粒分が多かったり、フィッシュアイが増加するという不
都合がある。
開始剤の全量を溶解した塩化ビニル系単量体の仕込み時
期に若干の時差を設けてはいるものの、前記特公昭62
−39601号の方法と同様、重合安定性に乏しく、粗
粒分が多かったり、フィッシュアイが増加するという不
都合がある。
備混合し、この混合物を熱交換器にて反応温度迄昇温す
るため、熱交換に時間が掛かり、生産性向上効果が小さ
いという問題があり、特開平1−172407号の方法
は上記、の改良であるが、、と同様、重合安定
性に乏しく、粗粒分が多かったり、フィッシュアイが増
加するという課題が十分には解決されず、問題が残され
たままであった。このように、加温された分散剤含有温
水と開始剤含有塩化ビニル系単量体とを同時に、または
若干の時差を設けて仕込む方法は、生産性向上効果があ
るものの、重合安定性に乏しい、粗粒分が多い、フィッ
シュアイが増加する、等の問題点を有する上、重合安定
性を維持するために多量の分散剤を必要としコストアッ
プになる、など問題点がある。
予め50〜80℃に加温脱気された水を仕込む方法、特
公昭58−50603号には、分散剤と冷水を重合器に
仕込み、次いで塩化ビニル系単量体を仕込み、最後に、
加温された水を仕込む方法が開示されている。しかし乍
ら、前者(特開昭58−21408号)は、開始剤を含
んだ塩化ビニル系単量体が仕込み中に重合器内面と直接
接触するため、膜状スケールを発生し易く、重合熱の除
熱能力が著しく低下するため、重合時間短縮などが不可
能となり、稼働率アップによる生産性アップができない
という問題がある。また後者(特公昭58−50603
号)は、フィッシュアイの改良効果はあるものの、塩化
ビニル系単量体、温水と順次仕込んでいくため、仕込み
時間が長くなり、稼働率アップによる生産性アップがで
きないという問題があった。
ビニル系単量体と温水との同時仕込み法、塩化ビニル系
単量体の先仕込み法が抱える課題、即ち重合器内面への
スケール付着、重合安定性の低下、粗粒の発生、フィッ
シュアイの発生など品質上の諸問題を生じることなく、
仕込み時間の短縮を行ない、重合稼働率を向上し、生産
性の高い塩化ビニル系重合体の製造方法を提供すること
にあり、換言すれば、品質上の諸問題と生産性の相反す
る関係のバランスを向上させることを目的としている。
諸問題と生産性の相反する関係のバランスを向上するべ
く種々検討した結果、特定の仕込み方法を採用するとと
もに、特定の攪拌条件を採用することにより、攪拌混合
効果、重合初期段階の分散力を高め、品質上の諸問題を
発生することなく、生産性向上が可能であることを見出
し本発明を完成した。
性媒体中で、油溶性開始剤、水溶性高分子分散剤を用い
て懸濁重合するに際し、(a)脱気した重合器に脱気さ
れた温水と、塩化ビニル系単量体とを同時に又は温水を
僅かに早く仕込み、(b)塩化ビニル系単量体の仕込み
開始と同時に、油溶性開始剤、水溶性高分子分散剤の水
溶液をそれぞれ専用計量ラインを通じて、それぞれ塩化
ビニル系単量体ライン、温水ラインに導入して仕込み、
(c)前記(b)工程の操作と同時に攪拌翼周速が1
2.0m/sec 以上の攪拌を開始し、(d)前記(b)
工程の操作を前記(a)工程の操作時間の40%以内に
終了することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方
法を内容とする。
た温水を先に仕込み始めてから、1〜2分以内の時差を
取って、塩化ビニル系単量体を仕込み始めると重合安定
性が顕著に改善される。また上記(c)工程において、
使用する攪拌翼がスクリュー翼、傾斜パドル翼、ブマー
マージン翼の如く、攪拌混合効果、分散力の高い攪拌翼
を使用すると、本発明の効果が一層顕著に発現される。
して、脱気した重合器に脱気された温水、塩化ビニル系
単量体を仕込む。その際、温水、塩化ビニル系単量体
は、同時に仕込み初めても良いが、温水を若干早く仕込
むのが好ましい。この時差が長くなると、仕込み終了時
間が長くなるので好ましくない。従って、好ましくは、
1〜2分程度が良い。脱気した温水を先に仕込むことに
より重合が安定化され、粗粒、微粉が少なく、粒度分布
がシャープな重合体が得られる。温水の仕込み、塩化ビ
ニル系単量体の仕込みに要する時間は、ポンプ能力にも
依るが、それぞれ25分以内に終了することが好まし
い。
水溶性高分子分散剤の水溶液をそれぞれ専用計量ライン
を通じて、それぞれ塩化ビニル系単量体ライン、温水ラ
インに導入して仕込み始める。本発明では、油溶性開始
剤、水溶性高分子分散剤水溶液を塩化ビニル系単量体の
仕込みと実質的に同時に開始し、全仕込み時間の40%
(全仕込み時間を25分とした場合は10分)以内に終
了する。全仕込み時間の40%を越えると、開始剤の仕
込みが遅くなり過ぎ、重合時間が長くなって、生産性が
劣る結果となり、また、分散剤の仕込みが遅くなり過ぎ
るため、初期分散油滴を保護する保護力が不足し、異常
重合となったり、粗粒の発生をきたす。従来、油溶性開
始剤、水溶性高分子分散剤水溶液は、塩化ビニル系単量
体又は温水に均一化して仕込むという提案がなされてい
るが、均一化するためには、別のタンクを必要とした
り、均一性を制御するための特別の計量設備を必要とし
実用的ではない。油溶性開始剤、水溶性高分子分散剤水
溶液の計量にはそれぞれ専用のラインを使用し、それぞ
れの計量ラインは、塩化ビニル単量体ライン、温水ライ
ンに接続され、重合器に導入される。油溶性開始剤の導
入と同時に重合反応が開始するが、同時に比較的濃厚な
水溶性高分子分散剤水溶液が存在するため、この比較的
濃厚な分散剤によって、重合系が安定化され、粗粒、微
粉が少なく、粒度分布がシャープな重合体が容易に得ら
れる。また、開始剤の導入と同時に重合反応が進行する
ため、昇温時間を含めた重合時間が短縮され、高生産性
を維持する上で、重要な意味を持つ。
の操作と実質的に同時に、攪拌翼周速が12.0m/se
c 以上の攪拌を開始する。この攪拌操作は、重合器に仕
込まれた成分の均質化に極めて重要である。攪拌翼速度
が12.0m/sec 未満であると、均質化が不完全とな
り、フィッシュアイの増加、粒度分布のブロード化、粗
粒、微粉の増大、異常重合などの不都合をきたし好まし
くない。また、本発明においては、(c)工程に使用す
る攪拌形式は重要な意味を持つ。好ましい攪拌翼はスク
リュー翼、ブルーマージン翼、傾斜パドル翼であり、傾
斜パドルの傾斜角は、10°以下の攪拌トルクの小さい
パドル翼が好ましい。これらの攪拌形式を採用すれば、
容易に攪拌翼周速を12.0m/sec 以上にすることが
でき、本発明の効果を容易に発現させることができる。
特に好ましい攪拌形式は、ブルーマージン翼である。
するが、脱気された温水の温度は、50〜80℃が好ま
しく、重合制御が可能な限り高い温度であることが好ま
しい。(b)工程の途中で所定重合温度に到達し、重合
が開始された状態となっているが、従来の除熱方式、例
えば、ジャケット除熱、リフラックスコンデンサー除
熱、内部ジャケット除熱を使用して、重合反応を制御す
れば良い。
制御したり、(b)工程でのH(水)/M(モノマー)
比をコントロールしたりする必要はなく、重合発熱状態
に合わせて、除熱を実施すれば良い。特別な分散剤系を
選択することにより、十分な均質化が達成され、重合安
定性の低下、粗粒、微粉の発生、粒度分布のブロード
化、フィッシュアイの発生などが容易に抑制されるもの
と考えられる。
の開始剤を使用できる。従来公知の開始剤のうち、10
時間半減期が30〜65℃のものを1種又は2種以上使
用するのが好ましい。開始剤の使用量は、その種類や重
合温度によっても異なるが、仕込み単量体100重量部
に対して、0.005〜0.5重量部が良い。この量の
開始剤を使用することにより、重合時間を6時間以下に
することができる。このような重合開始剤としては、ア
セチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシネオ
デカノエート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカ
ーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの
有機過酸化物開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化
合物を使用でき、これらは単独又は2種以上組み合わせ
て用いられる。
散剤を使用できる。例えば、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性セルロース
系分散剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニル系分散剤、ポリア
クリル酸系分散剤、デンプン、ゼラチン、ポリオキシエ
チレン、ポリビニルピロリドンなどの水溶性分散剤を1
種又は2種以上使用することができる。分散剤の使用量
は、特に限定はされないが、仕込み単量体100重量部
に対して、0.0005〜0.2重量部が良い。0.0
005重量部未満では分散剤が少な過ぎ、重合安定性が
不十分となるので好ましくなく、また0.2重量部を越
えると初期分散時の油滴保護力が強くなり過ぎ、微粉の
増加、分散不足によるフィッシュアイの増加、発泡によ
る液面上昇などの不都合を生じるので好ましくない。
剤を適宜使用することが可能である。例えば、グリセリ
ンモノオレエートなどのグリセリン系乳化剤、ソルビタ
ントリステアレートなどのソルビタン系乳化剤、エチレ
ンオキサイドプロピレンオキサイドブロックコポリマー
などの油溶性乳化剤を1種又は2種以上使用することが
できる。該乳化剤の使用量は、特に限定されないが、仕
込み単量体100重量部に対して、0.0001〜0.
05重量部が良い。0.0001重量部未満では界面張
力の低下が不十分で、初期油滴分散が不足し、フィッシ
ュアイの増加などの不都合を生じるので好ましくなく、
また0.05重量部を越えると初期油滴分散が過剰とな
り、微粉の増加、過剰分散による重合安定性の低下など
の不都合を生じるので好ましくない。
性乳化剤を目的に応じて、使用することができる。例え
ば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレングリセリンオレエートなどのポリオキ
シエチレン系水溶性乳化剤、ラウリン酸ナトリウムなど
の脂肪酸金属塩系水溶性乳化剤を1種又は2種以上使用
することができる。該乳化剤の使用量は、特に限定はさ
れないが、仕込み単量体100重量部に対して、0.0
001〜0.05重量部が良い。0.0001重量部未
満では界面張力の低下が不十分で、初期油滴分散が不足
し、フィッシュアイの増加などの不都合を生じるので好
ましくなく、また0.05重量部を越えると初期油滴分
散が過剰となり、微粉の増加、過剰分散による重合安定
性の低下などの不都合を生じるので好ましくない。尚、
上記油溶性乳化剤と水溶性乳化剤とを併用しても差し支
えない。
モル%、重合度1000〜2500の部分ケン化ポリ酢
酸ビニルの1種又は2種以上を0.02〜0.08重量
部使用する系であり、さらに、特に好ましいのは、これ
に加えて、グリセリン系油溶性乳化剤、ソルビタン系油
溶性乳化剤、ポリオキシエチレン系水溶性乳化剤、脂肪
酸金属塩系水溶性乳化剤から選択される1種又は2種以
上の乳化剤を0.0001〜0.005重量部という極
く少量使用し、分散効率を高めた分散剤系である。
主成分とする単量体であり、具体的には、塩化ビニル単
量体単独、又は塩化ビニルを70%以上含有し塩化ビニ
ルと共重合可能な単量体との混合物である。
は、従来公知の単量体を使用できる。例えば、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピルな
どの(メタ)アクリル酸エステル類、エチレン、プロピ
レンなどのオレフィン類、1−クロロプロピレン、2−
クロロブチレンなどのクロル化オレフィン類、マレイン
酸ブチルなどのマレイン酸エステル類又は酸無水物、ア
クリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデンなどの単量
体が例示される。この他、従来塩化ビニル系単量体の重
合又は共重合に使用される重合調整剤、連鎖移動剤、p
H調整剤、ゲル化性改良剤、帯電防止剤、架橋剤などの
添加剤は、その目的に応じて任意に使用することがで
き、その使用量も従来と同様である。
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。なお、実施例、比較例において、%は、
特に指定のない限り重量%を表示し、部数は、重量部を
表示する。得られた塩化ビニル系重合体の特性値は次の
方法により測定した。
0部、ステアリン酸カルシウム2部、ステアリン酸バリ
ウム1部、及びカーボンブラック0.02部を添加し十
分混合ドライアップした後、表面温度が150℃に調整
された8インチロールに投入混練りし、4分、5分、6
分で0.3mmのシートを途中サンプリングした。そのサ
ンプリングしたそれぞれのシートの表面100mm2 中に
観察される透明粒子の数を計数して示した。
ASS分 JIS K−6721に準拠し、42,60,80,1
00,120,145,200メッシュの篩を使用し、
篩振盪器にて篩分けを行い、50%通過径をもって平均
粒子径とした。また、粒度分布は、各メッシュに残留し
た塩化ビニル系重合体の重量を測定し、100分率にて
表示した。さらに、粗粒分は、42メッシュの篩上の残
留量(100分率、粒度分布の分率には計数せず)、P
ASS分は200メッシュを通過した量(100分率)
で表示した。
常圧から1000psiまで加圧した際、約0.2gのP
VCに圧入される水銀容量を測定し、塩化ビニル系重合
体(PVC)100g当たりに換算した値をポロシティ
ーと定義した。
に保持した容器内に、PVC500gを投入し、2分間
攪拌しながら予熱し、80℃に加熱したジ−2−ウンデ
シルフタレート300gを投入器を用いて一定速度で投
入する。そのまま100rpm の攪拌を続け、混合トルク
が低下し安定する迄の時間を求めた。
ら、所定重合温度に到達するまでの時間を仕込み時間と
定義し、所定重合温度到達時から、重合圧力が定常圧か
ら1Kg/cm2 低下し、重合停止、未反応単量体を回収し
始めた時点までを重合時間と定義した。
000Lのステンレス製重合器内を真空ポンプにて脱気
し、その中に脱気した65℃に温度調節した温水を約4
5L/分の速度で仕込み始め、1分後、塩化ビニル単量
体を約45L/分の速度で仕込み始めた。温水850L
を約19分で、塩化ビニル単量体790Lを約18分で
仕込み完了した。塩化ビニル単量体を仕込み始めると同
時に、部分ケン化ポリ酢酸ビニルの5%水溶液を約2L
/分の速度で計量ラインを通じて、温水ラインに導入し
て仕込み始め、約5分で仕込みを完了した。部分ケン化
ポリ酢酸ビニルの仕込み量は、塩化ビニル単量体100
部に対して0.07部とした。また、部分ケン化ポリ酢
酸ビニルの種類は、ケン化度78%、重合度2000の
ものを使用した。塩化ビニル単量体を仕込み始めると同
時に、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
トを溶解した50%のトルエン溶液を約0.2L/分の
速度で計量ラインを通じて、塩化ビニル単量体ラインに
導入して仕込み始め、約3分で仕込みを完了した。ジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートの仕込み
量は、塩化ビニル単量体100部に対して0.045部
とした。さらに、傾斜角4°の傾斜パドル翼を取付けた
攪拌機を塩化ビニル単量体を仕込み始めると同時に稼働
し、攪拌翼周速が12.6m/sec となるように回転数
を調節した。仕込み開始と同時に内温は徐々に上昇し始
めるが、ジャケット温調、及びリフラックスコンデンサ
ーによる温調を行い、仕込み完了前5分で内温が57℃
になるように調整した。この仕込み完了前5分の時点を
所定温度到達時(重合開始時間)とした。このまま内温
を57℃に維持し、重合器内圧が定常圧より1Kg/cm2
低下した時点で重合を停止し、未反応単量体を回収して
重合を終了した。得られたスラリーを脱水、乾燥して、
塩化ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供した。
エチレンソルビタンモノラウレートを塩化ビニル単量体
100部に対して0.002部溶解した水溶液とした以
外は、実施例1とまったく同様の仕込み操作で、同様の
重合条件にて、塩化ビニル重合体を得て、各種特性の測
定に供した。
モノオレエートを塩化ビニル単量体100部に対して
0.002部懸濁した水溶液とした以外は、実施例1と
まったく同様の仕込み操作で、同様の重合条件にて、塩
化ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供した。
3.2m/sec とした以外は、実施例1とまったく同様
の仕込み操作で、同様の重合条件にて、塩化ビニル重合
体を得て、各種特性の測定に供した。
とまったく同様の仕込み操作で、同様の重合条件にて、
塩化ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供した。
約0.6L/分の速度に低下し、計量ラインを通じて、
温水ラインに導入して仕込み始め、約15分で仕込みを
完了した以外は、実施例1とまったく同様の仕込み操作
で、同様の重合条件にて、塩化ビニル重合体を得て、各
種特性の測定に供した。
解した50%のトルエン溶液を約0.04L/分の速度
で計量ラインを通じて、塩化ビニル単量体ラインに導入
して仕込み始め、約15分で仕込みを完了した以外は、
実施例1とまったく同様の仕込み操作で、同様の重合条
件にて、塩化ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供
した。
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートを溶解した
50%のトルエン溶液を約0.2L/分の速度で計量ラ
インを通じて、塩化ビニル単量体ラインに導入して仕込
み始め、約3分で仕込みを完了した以外は、実施例1と
まったく同様の仕込み操作で、同様の重合条件にて、塩
化ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供した。
時にジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート
を溶解した50%のトルエン溶液を約0.2L/分の速
度で約3分で仕込みを完了し、また同時に、部分ケン化
ポリ酢酸ビニルの5%水溶液を約2L/分の速度で仕込
み始め、約5分で仕込みを完了した。塩化ビニル単量体
790Lを約18分で仕込み完了した後、65℃に温度
調整した温水を仕込み始め、温水850Lを約19分で
仕込み完了した。開始剤、分散剤などの種類、添加量な
どは、実施例1と同様とし、温水仕込み完了前約5分に
重合開始となる。そのまま実施例1と全く同様の重合操
作にて、塩化ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供
した。
仕込み、次いで、重合器内を脱気後、塩化ビニル単量体
を仕込み始め、同時にジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネートを溶解した50%のトルエン溶液を約
0.2L/分の速度で約3分で仕込みを完了し、また同
時に、部分ケン化ポリ酢酸ビニルの5%水溶液を約2L
/分の速度で仕込み始め、約5分で仕込みを完了した。
開始剤、分散剤などの種類、添加量などは、実施例1と
同様とし、塩化ビニル単量体仕込み完了後、約25分か
けてジャケット昇温を行い、重合開始とした。そのまま
実施例1とまったく同様の重合操作にて、塩化ビニル重
合体を得て、各種特性の測定に供した。
に、攪拌翼周速が12.0m/sec よりも低い場合、粗
粒分、フィッシュアイが多く、可塑剤吸収性が劣り(吸
収時間が長い)、粒度分布もブロートなPVCとなる。
実施例1と比較例2の比較から判るように、分散剤の投
入を長時間に亘って行い、温水仕込みと同等時間かける
と、初期分散時に分散剤が不足し異常重合となる。
に、開始剤の投入を長時間に亘って行い、温水仕込みと
同等時間をかけると、初期重合速度が遅くなり、重合時
間が長くなるばかりでなく、粗粒分、フィッシュアイが
多く、可塑剤吸収性に劣り(吸収時間が長い)、粒度分
布もブロードなPVCとなる。また、実施例1と比較例
4の比較から判るように、開始剤を単量体仕込みの末期
に一括投入すると、初期重合速度が遅くなり、重合時間
が長くなるばかりでなく、粗粒分、フィッシュアイが多
く、可塑剤吸収性に劣り(吸収時間が長い)、粒度分布
もブロードなPVCとなる。
に、温水よりも単量体を先に仕込むと、仕込み時間が長
くなるとともに、粗粒分、フィッシュアイが多く、可塑
剤吸収性に劣り(吸収時間が長い)、粒度分布もブロー
ドなPVCとなる。さらに、実施例1と比較例6の比較
から判るように、通常の冷水先仕込み法では、仕込み時
間が大幅に長くなると共に、粗粒分、フィッシュアイが
多く、可塑剤吸収性に劣り(吸収時間が長い)、粒度分
布もブロードなPVCとなる。
較して、生産性と、品質、特に、フィッシュアイ、粒度
分布、可塑剤吸収性などとのバランスが大幅に向上し、
従来品質より優れたPVCを高生産性で生産でき、その
工業的価値は極めて大である。また本発明の中でも、実
施例1〜4の比較から判るように、水溶性乳化剤又は油
溶性乳化剤を使用した実施例2、3、及びブルーマージ
ン翼を使用した実施例4は、品質バランスが特に優れて
おり、効果の発現が顕著である。
Claims (4)
- 【請求項1】 塩化ビニル単量体、又は塩化ビニルと共
重合し得る単量体と塩化ビニル単量体との混合物(以
下、両者を塩化ビニル系単量体と記す)を水性媒体中
で、油溶性開始剤、水溶性高分子分散剤を用いて懸濁重
合するに際し、(a)脱気した重合器に脱気された温水
と、塩化ビニル系単量体とを同時に又は温水を僅かに早
く仕込み、(b)塩化ビニル系単量体の仕込み開始と同
時に、油溶性開始剤、水溶性高分子分散剤の水溶液をそ
れぞれ専用計量ラインを通じて、それぞれ塩化ビニル系
単量体ライン、温水ラインに導入して仕込み、(c)前
記(b)工程の操作と同時に攪拌翼周速が12.0m/
sec 以上の攪拌を開始し、(d)前記(b)工程の操作
を前記(a)工程の操作時間の40%以内に終了するこ
とを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 脱気された温水を仕込み始めた後1〜2
分以内に塩化ビニル系単量体を仕込み始める請求項1記
載の製造方法。 - 【請求項3】 攪拌翼がブルーマージン翼である請求項
1又は2記載の製造方法。 - 【請求項4】 水溶性高分子分散剤が部分ケン化ポリ酢
酸ビニルと、水溶性乳化剤及び油溶性乳化剤よりなる群
から選ばれる少なくとも1種とからなる請求項1〜3の
いずれか1項に記載の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005522538A (ja) * | 2002-04-12 | 2005-07-28 | アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ | 重合反応の間の有機開始剤及び保護コロイドの同時計量供給 |
JP2006321946A (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-30 | Shin Dai-Ichi Vinyl Corp | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
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JP2005522538A (ja) * | 2002-04-12 | 2005-07-28 | アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ | 重合反応の間の有機開始剤及び保護コロイドの同時計量供給 |
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