JPH05295007A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH05295007A
JPH05295007A JP15024291A JP15024291A JPH05295007A JP H05295007 A JPH05295007 A JP H05295007A JP 15024291 A JP15024291 A JP 15024291A JP 15024291 A JP15024291 A JP 15024291A JP H05295007 A JPH05295007 A JP H05295007A
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靖道 石井
Masahisa Okawa
正久 大川
Isao Ouchi
勲 大内
Hideki Wakamori
秀樹 若森
Tamio Yamato
多実男 大和
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SAN AROO KAGAKU KK
SUN ARROW KAGAKU KK
Kureha Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】重合器内壁へのスケール付着及びジャケットの
伝熱面へのスラッジやスケールの付着を生ずることな
く、フィッシュアイや粒度などの品質が優れた塩化ビニ
ル系重合体を高生産性で製造する方法を提供する。 【構成】塩化ビニル単量体、または塩化ビニルと共重合
し得る単量体と塩化ビニルとの混合物から選ばれた塩化
ビニル系単量体を重合開始剤および界面活性剤の存在下
に水性媒体中で温度40〜70℃で重合するに際し、重
合器に仕込まれた水および単量体を所定の重合温度に昇
温するにあたって、重合器本体内面に冷熱媒体の通路を
設けた内部ジャケット式重合器を用い、ジャケットに循
環させる熱媒体の温度(Θ)が所定の重合温度(T)に
対し、T+5≦Θ<80(℃)となるように調節して昇
温し、引続き重合を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル系重合体の製
造方法に関し、さらに詳しくは、重合開始のため重合器
の内容物を所定の重合温度に昇温するに際し、内部ジャ
ケット式重合器を用い、ジャケットに特定温度の熱媒体
を循環させることによりスケールの付着を防止し、かつ
昇温に要する時間を大幅に短縮して高生産性にて高品質
の塩化ビニル系重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は工業的には内容積
40m3 以上のバッチ式大型重合器で製造されており、
製造の際の生産性を高めるためには、重合反応に要する
時間(重合時間)、および重合器への主副原料の仕込
み、重合器の内容物の昇温、重合終了後の重合器の洗浄
操作などに要する時間(操作時間)を短縮することが要
求されていた。
【0003】重合時間を短縮するには、一般的には6時
間以上を要していた重合反応を高速で行って3〜6時間
で重合を完結させる方法が採用されるが、このような高
速重合を行うと重合反応熱の発生速度も必然的に大きく
なる。したがって、発生する多量の反応熱を除去するた
めに、重合器およびジャケットの伝熱面へのスケールの
付着を防止し、重合器の伝熱性能の改善をはかることが
従来にも増して重要な技術課題とされていた。
【0004】従来、重合器内壁面への重合体スケールの
付着を防止する方法として、フェノール系縮合物などの
スケール防止剤を重合器に塗布する方法(特公昭63−
56883号)、重合抑制剤を重合系に添加する方法
(特開昭61−72002号)、特定の材質の重合器を
使用する方法(特公昭58−8405号)など多種提案
されていた。しかしこれらのいずれの方法も、現在工業
的規模で採用されている内容積40m3 以上の大型重合
器を用いて6時間以内に重合を完結させる高速重合法に
適用した場合には、除熱能力を改善する効果が未だ充分
ではなく、重合体スケールの付着により重合器の温度制
御が困難になったり、スケール除去のための洗浄操作に
多大の時間を要するなどの問題点があった。
【0005】一方、重合を実施するにあたり、水、単量
体、重合開始剤および界面活性剤などを重合器に仕込ん
だ後、ジャケットに熱媒体を循環させるなどの手段によ
り重合器の内容物を所定の重合温度まで昇温して重合を
開始するのであるが、従来は大型重合器でこの昇温操作
に1時間以上もの長時間を要していたため、これが重合
器の稼働率を高める上での阻害因子となっていた。
【0006】昇温時間の短縮は昇温の際に使用する熱媒
体の温度を高めることによって達成可能ではあるが、こ
の方法によれば、昇温中に重合器の壁面温度が所定の重
合温度よりも著しく高温になり、壁面に付着した単量体
が高温下で急激に重合するためと推測されるが、重合体
スケールの生成が避けられなかった。また、特に熱媒体
として80℃以上に加熱した工業用水を用いる場合に
は、水中のカルシウム塩などの塩類の溶解度が低下して
析出物が生成し、ジャケットの冷熱媒体通路の内壁に軟
質のスラッジや硬質のスケールとなって付着するので、
熱伝導率を著しく低下させるばかりでなくジャケットの
腐食の原因にもなっいた。更にこの場合、昇温中は高温
の熱媒体を、また重合中は熱除去のため低温の熱媒体を
ジャケットに循環させることとなってその温度差が大き
いため、重合器に熱応力が繰返し発生して溶接線などの
部位に応力腐食割れが発生するという問題があった。
【0007】また、仕込み終了時の重合器の内温が所定
の重合温度となるよう予め水および/または単量体を加
温して仕込み、ジャケットによる昇温操作を省略する方
法(特公昭60−26488号)が開示されているが、
この方法にも、仕込み中に重合器の圧力が急激に上昇し
たり、得られる塩化ビニル系重合体のフィッシュアイや
粒度などの品質の低下を招く欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前記欠点
を解決すべく鋭意研究の結果、重合開始のため重合器の
内容物を所定の重合温度に昇温するに際し、内部ジャケ
ット式重合器を用い、ジャケットに特定温度の熱媒体を
循環させることにより、重合器およびジャケットの伝熱
面へのスケールの付着を防止することができ、重合器の
伝熱性能を大幅に改善するとともに、昇温に要する時間
およびスケール除去のための洗浄時間を大幅に短縮でき
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち本発明の目的は、重合器内壁への
スケール付着及びジャケットの伝熱面へのスラッジやス
ケールの付着を生ずることなく、フィッシュアイや粒度
などの品質が優れた塩化ビニル系重合体を高生産性で製
造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、塩化ビニル単量体、または塩化ビニルと共重合し得
る単量体と塩化ビニルとの混合物から選ばれた塩化ビニ
ル系単量体を重合開始剤および界面活性剤の存在下に水
性媒体中で温度40〜70℃で重合するに際し、重合器
に仕込まれた水および単量体を所定の重合温度に昇温す
るにあたって、重合器本体内面に冷熱媒体の通路を設け
た内部ジャケット式重合器を用い、ジャケットに循環さ
せる熱媒体の温度(Θ)が所定の重合温度(T)に対
し、T+5≦Θ<80(℃)となるように調節して昇温
し、引続き重合を行う塩化ビニル系重合体の製造方法が
提供される。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用する重合器は、特公平3−4249号公報に
記載されたような、重合器本体内面に冷熱媒体の通路を
設けることにより伝熱性能を向上させた重合器であり、
一般には内部ジャケット式重合器と呼ばれているもので
ある。内部ジャケット式重合器としては、重合時の平均
総括伝熱係数が700kcal/m2・hr・℃以上の伝熱性能
を有するものが好ましい。これが従来の外部ジャケット
式重合器である場合には、伝熱性能が劣るため昇温に要
する時間が長くなって本発明の目的が達成できない。ま
たこの場合、昇温時間を短縮するためには高温の熱媒体
を使用することが必要であり、熱媒体として水を用いる
通常の昇温方法では、ジャケットの熱媒体通路における
スケールの生成が促進されるという問題が生じる。
【0012】本発明の実施にあたり、まず予め脱気した
重合器に水および単量体を慣用の仕込み方法に従って仕
込み、重合器のジャケットに熱媒体を循環させることに
より、重合器の内容物を攪拌下に所定の重合温度に昇温
する。重合開始剤および界面活性剤の仕込み時期は特に
限定されず、昇温の前、途中、または昇温後に仕込むこ
とができる。本発明においては、この昇温操作の際に使
用する熱媒体の温度(Θ)が所定の重合温度(T)に対
し、T+5≦Θ<80(℃)となるように調節して昇温
を行う。熱媒体としては、加熱した工業用水を用いる方
法が経済的であり、取扱も容易である。熱媒体の循環流
量などその他の昇温条件は、従来、一般的に採用されて
いた条件でよく、特に限定されない。
【0013】重合器やジャケットの伝熱面へのスケール
の付着を防止するためには、昇温に使用する熱媒体の温
度が低いほど有利であるが、この温度がT+5(℃)に
満たない場合には昇温時間が長くなるという不利が生じ
る。昇温時間を短縮するためには、T+10(℃)以上
とすることが好ましい。ただし、この温度が80℃以上
になると、昇温中にジャケット壁面に付着した単量体が
高温下で急激に重合するためスケールが増加し、また、
熱媒体として水を用いる場合には、水中に溶解した塩類
が析出し、これがジャケットの熱媒体通路内壁に軟質の
スラッジや硬質のスケールとなって付着するので、本発
明において使用する熱媒体の温度は80℃未満とするこ
とが必須である。また、この温度範囲とすることによっ
て、重合器材質の応力腐食割れを防止することができ
る。
【0014】本発明の目的を一層効果的に達成するため
には、重合器への水および/または単量体の仕込み中に
重合器ジャケットに熱媒体を循環させ昇温を開始する。
この方法によれば、仕込み終了後に昇温を開始する方法
に比較して、一層の操作時間の短縮が可能である。昇温
を開始する時期は、重合に使用する水および単量体の両
者の全量の1/3〜2/3が重合器に仕込まれた時点が
好ましい。勿論、これ以前に昇温を開始してもよいが、
重合器の内容物が少ない場合にはジャケットの有効伝熱
面積が減少するので、昇温の効率が低下する。
【0015】また、予め加温した水および/または単量
体を重合器に仕込むことによって昇温時間をさらに短縮
することができる。この際の水および単量体の温度は、
重合に使用する両者の全量の混合時の温度(t)が、所
定の重合温度(T)に対し、T−20≦t≦T−5
(℃)となる範囲が好ましい。この温度tがT−20
(℃)に満たない場合には昇温時間を短縮する効果が不
十分であり、またT−5(℃)を越える場合には、フィ
ッシュアイや粒度など得られる重合体の品質の低下を招
くほか、仕込み時に重合器の圧力が急激に上昇するなど
の危険が伴う。水は単量体に比較して比熱が大きく、ま
た加温時の取扱性や安全性に優れるので、水を加温して
仕込む方法が有利である。
【0016】本発明を実施するにあたり、水、単量体、
重合開始剤および界面活性剤などの仕込み方法は特に限
定されない。しかしながら、本発明の目的を達成するた
めの最も効果的な方法は、これらの全量を同時に仕込む
方法である。この方法によれば、仕込み時間を短縮でき
るとともに水を媒体とする単量体の懸濁・乳化液滴に重
合開始剤や界面活性剤を均一に分配させることができる
ので、スケール防止効果が発揮され、一層高品質の塩化
ビニル系重合体を得ることができる。
【0017】このようにして各成分を重合器に仕込み、
重合器の内容物を所定の重合温度に昇温して重合を開始
させた後、反応熱を除去しながら重合器の内温を所定の
重合温度に保持し重合を行なうのであるが、勿論、還流
凝縮器による熱除去は慣用のごとくに採用することがで
き、また所望に応じてスケール防止のための薬剤を重合
器に塗布したり添加することもできる。
【0018】本発明による方法は水性媒体中での重合、
すなわち懸濁重合、乳化重合、微細懸濁重合に適用でき
る。本発明において塩化ビニルと共重合し得る単量体と
しては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のア
ルキルビニルエステル類、ラウリルビニルエーテル、セ
チルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、エ
チレン、プロピレン等のα−モノオレフィン類、アクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル等のアクリル酸アルキ
ルエステル類などが例示されるが、これらに限定されな
い。
【0019】また本発明において使用される懸濁剤・乳
化剤などの界面活性剤および重合開始剤は、通常の塩化
ビニルの懸濁重合又は乳化重合において使用されるもの
である。懸濁剤としては例えばポリビニルアルコール、
ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、メチルセルロースやヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導
体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体等の合成高分
子物質などが例示される。また、乳化剤としては、高級
脂肪酸のソルビタンエステルまたはグリセリンエステル
およびこれらのポリオキシエチレン付加物等のノニオン
性界面活性剤類、ラウリル硫酸ナトリウムやドデシルベ
ンゼンスルフォン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性
剤類などが例示される。
【0020】油溶性重合開始剤としては例えばジ−2−
エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシ
エチルパーオキシジカーボネート、α−クミルパーオキ
シネオデカノエート、2,4,4−トリメチルペンチル
−2−パーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオ
キシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイ
ドおよびアセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキ
サイド等のような有機過酸化物類、α,α′−アゾビス
イソブチロニトリルおよびα,α′−アゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物類、クメンハ
イドロパーオキサイドのようなハイドロパーオキサイド
類などの油溶性の重合開始剤や、過硫酸カリウム、過酸
化水素などの水溶性重合開始剤が挙げられ、これらの一
種または二種以上の混合物が用いられる。
【0021】また、所望に応じてメルカプトアルカノー
ル、チオグリコール酸アルキルエステル等の連鎖移動
剤、ケン化度20〜55モル%のポリ酢酸ビニル類等の
油溶性懸濁助剤、pH調整剤、レドックス重合開始剤系
としての還元剤または重合禁止剤などを使用することも
できる。各成分の仕込み量および仕込み部数などは、従
来塩化ビニル系の重合で行なわれている慣用の条件でよ
く、特に限定されるものではない。
【0022】
【発明の効果】かくして本発明によれば、特定構造の重
合器を用い、特定温度の熱媒体を用いて昇温操作を行う
ことにより、重合液の接液面およびジャケットの冷熱媒
体通路内壁へのスケールの生成を防止し、重合開始のた
めの仕込みや昇温に要する操作時間を大幅に短縮できる
という、従来技術では達成困難であった課題を解決する
ことができ、工業的見地から極めて有用である。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例、比較例および参考例の中の
部および%はとくに断りのないかぎり重量基準である。
また、各実施例で示した塩化ビニル系重合体の物性値は
次の方法により測定した。
【0024】(1)フィッシュアイ 塩化ビニル系重合体100gに、ジオクチルフタレート
45g、ステアリン酸カドミウム2g、ステアリン酸バ
リウム1g、およびグリーントナー1gを加えて混合し
た後、145℃の6インチロールで6分間混練して厚さ
0.4mmのシートに引出し、そのシートの100cm2
に観察される透明粒子の数をもって示した。
【0025】(2)粗粒分 JIS基準の金網を使用した篩分析により、60メッシ
ュの金網に残留する割合をもって示した。
【0026】実験番号1(実施例) 内容積65m3の内部ジャケット式ステンレス製重合器を
脱気した後、塩化ビニル単量体100部(23.5ト
ン)、水120部、部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.06
部およびジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネ
ート0.032部を25分間で連続して同時に重合器に
仕込み、各成分の仕込み終了後、重合器のジャケットに
熱媒体として温度70〜72℃に調節した工業用水を循
環させることにより、重合器の内容物を攪拌しながら5
7℃に昇温して重合を開始させた。
【0027】引続きジャケットに冷却水を循環させて反
応熱を除去しながら重合器の内温を57℃に保持し、攪
拌下に重合を行った。重合器の圧力が6.7Kg/cm2
降下した時点で重合器から未反応単量体を回収して重合
を終了させ、重合器の内容物を排出し脱水乾燥すること
により、塩化ビニル重合体を得た。以上の操作を15バ
ッチ繰り返した。重合時間は6.9〜7.2時間、重合
転化率は84〜85%であった。
【0028】実験番号2(実施例)、および実験番号3
〜5(比較例) 表1に示した重合器を用い、単量体の仕込み量、および
昇温のために用いた熱媒体(工業用水)の温度を表1に
示した値とした以外は、すべて実験番号1と同一の条件
で各々15バッチの重合を繰り返し行い、塩化ビニル重
合体を得た。
【0029】このようにして実施した実験番号1〜5の
結果を表1に示す。
【表1】
【0030】実験番号6(実施例) 重合開始剤として、ジー2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカ−ボネートの代わりに2,4,4−トリメチルペン
チル−2−パーオキシネオデカノエートを0.050部
用い、各成分の仕込み終了後熱媒体として温度75℃の
工業用水を重合器のジャケットに循環させて昇温を行っ
た以外は、すべて実験番号1と同一の条件で重合を行
い、塩化ビニル重合体を得た。重合時間は4.4時間、
重合転化率は85%であった。
【0031】実験番号7(実施例) 各成分の仕込み開始から10分後に重合器の内容物の昇
温を開始した以外は、すべて実験番号6と同一の条件で
重合を行い、塩化ビニル重合体を得た。
【0032】実験番号8(実施例) 予め温度58℃に加温した水(重合に使用する水と単量
体の両者の全量の混合温度49℃)を用いた以外は、す
べて実験番号6と同一の条件で重合を行い、塩化ビニル
重合体を得た。
【0033】実験番号9(実施例) 予め温度58℃に加温した水を用い、各成分の仕込み開
始から10分後に重合器の内容物の昇温を開始した以外
は、すべて実験番号6と同一の条件で重合を行い、塩化
ビニル重合体を得た。
【0034】実験番号10(参考例) 予め温度69℃に加温した水(重合に使用する水と単量
体の両者の全量の混合温度57℃)を用い、各成分の仕
込み終了後、昇温操作を行わずに重合を行った以外は、
すべて実験番号6と同一の条件で重合を行い、塩化ビニ
ル重合体を得た。
【0035】このようにして実施した実験番号6〜10
の結果を表2に示す。
【表2】
【0036】実験番号11(実施例) 内部ジャケット式65m3重合器を脱気した後、水、単量
体、重合開始剤および界面活性剤を仕込み、各成分の仕
込み終了後に重合器ジャケットに温度73〜77℃の工
業用水を循環させることにより、重合器の内容物を攪拌
しながら57℃に昇温して重合を開始させた。引続きジ
ャケットに冷却水を循環させて反応熱を除去し、重合器
の内温を57℃に保持しながら重合を終了させた。以上
の操作を900バッチ繰り返し行った後、ジャケットの
冷熱媒体通路の内部点検を実施したところ、スケールの
付着は皆無であった。
【0037】実験番号12(比較例) 外部ジャケット式55m3重合器を用い、温度110〜1
15℃の工業用水を用いて昇温した以外は実験番号11
と同一の操作を600バッチ繰返し行った後、ジャケッ
トの冷熱媒体通路の内部点検を実施したところ、冷熱媒
体入口近傍を中心に、膜厚0.02〜0.1mmの硬質状
のスケールの付着が観察された。
【0038】これらの表1および2、ならびに実験番号
11〜12の結果より、本発明の方法によって重合器の
伝熱面へのスケールの付着を防止でき、昇温や仕込みに
要する操作時間を大幅に短縮できることが明らかであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 靖道 岡山県倉敷市児島塩生字新浜2767の1 日 本ゼオン株式会社内 (72)発明者 大川 正久 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 大内 勲 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社内 (72)発明者 若森 秀樹 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社内 (72)発明者 大和 多実男 山口県徳山市晴海町1番2号 サン・アロ ー化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体、または塩化ビニルと
    共重合し得る単量体と塩化ビニルとの混合物から選ばれ
    た塩化ビニル系単量体を重合開始剤および界面活性剤の
    存在下に水性媒体中で温度40〜70℃で重合するに際
    し、重合器に仕込まれた水および単量体を所定の重合温
    度に昇温するにあたって、重合器本体内面に冷熱媒体の
    通路を設けた内部ジャケット式重合器を用い、ジャケッ
    トに循環させる熱媒体の温度(Θ)が所定の重合温度
    (T)に対し、T+5≦Θ<80(℃)となるように調
    節して昇温し、引続き重合を行うことを特徴とする塩化
    ビニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 水および/または単量体の重合器への仕
    込み中に昇温を開始することを特徴とする請求項1記載
    の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 予め加温した水および/または単量体を
    重合器に仕込み、昇温することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
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