JPH101503A - ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

ビニル系樹脂の製造方法

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JPH101503A
JPH101503A JP8357997A JP8357997A JPH101503A JP H101503 A JPH101503 A JP H101503A JP 8357997 A JP8357997 A JP 8357997A JP 8357997 A JP8357997 A JP 8357997A JP H101503 A JPH101503 A JP H101503A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 懸濁重合用分散安定剤(A)の存在下で
ビニル系化合物の懸濁重合を行うに際し、リフラックス
コンデンサー付きの重合槽を用いて、重合転化率30〜
90%の時点で、該ビニル系化合物100重量部に対し
てけん化度85モル%以下のポリビニルアルコール系重
合体(B)0.001〜0.5重量部を添加することを
特徴とするビニル系樹脂の製造方法。 【効果】 本発明によると、生産性に優れたリフラック
スコンデンサー付きの重合槽を使用し、重合の中期〜後
期に発生するドライフォームに対する消泡効果に優れ、
かつ充填比重の高いビニル系樹脂が得られるビニル系樹
脂の製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性に優れたリ
フラックスコンデンサー付きの重合槽を用いたビニル系
化合物の懸濁重合によるビニル系樹脂の製造方法に関す
る。さらに詳しくは、重合槽内における発泡が少ないこ
とを特徴とするビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂(以下、PVCと略記
する)の工業的な製造は、分散安定剤の存在下で、塩化
ビニルモノマー(以下、VCMと略記する)を水性媒体
中に分散させ、油溶性の重合開始剤を重合槽に仕込んだ
後、昇温して重合を行うバッチ式の懸濁重合が一般的で
ある。
【0003】最近では、生産性を向上させるために重合
1バッチに要する時間を短縮することが求められてお
り、重合反応熱の除去速度を増加させるためにリフラッ
クスコンデンサー付きの重合槽を用いたり、昇温時間を
短縮するために予め加熱した水性媒体を仕込む方法(ホ
ットチャージ法)が提案されている。しかしながら、リ
フラックスコンデンサー付きの重合槽を用いる場合に
は、VCMの気体が凝縮することに伴ってリフラックス
コンデンサー付近の圧力が低下することから、ウェット
フォームやドライフォームが激しくなるという問題があ
った。ウェットフォームとは、主としてポリビニルアル
コール(以下、PVAと略記する)に起因する水を主成
分とする発泡である。ドライフォームとは、PVCやV
CMを主成分とする発泡であり、主として重合の中期〜
後期に発生する。ウェットフォームやドライフォームが
発生した場合には、重合槽内の有効容積が減少して生産
性が低下する。また、ドライフォームが発生した場合に
は、リフラックスコンデンサーにスケールが付着して重
合槽の温度コントロールができなくなる。特開平2−1
80908号(以下、公知事項Aと略記する)には、リ
フラックスコンデンサーにおける重合反応熱の除去量が
全重合反応熱量の10%以下の時点で、ジメチルポリシ
ロキサンなどのシリコーンオイルや低けん化度PVAな
どを添加する方法が開示されている。特開平3−212
409号(以下、公知事項Bと略記する)には、リフラ
ックスコンデンサーにおける重合反応熱の除去量が全重
合反応熱量の10%を越えない時点で、VCM100重
量部に対してけん化度20〜50モル%および重合度2
00〜400の水不溶性の部分けん化PVA0.002
〜0.007重量部およびジメチルポリシロキサンなど
の消泡剤0.001〜0.01重量部を添加する方法が
開示されている。しかしながら、公知事項AおよびBの
方法は、ドライフォームの発生が激しくなり、PVCの
充填比重が低下しやすいという問題があった。
【0004】尚、リフラックスコンデンサーを使用しな
い場合には、ドライフォームは発生しないが、重合時間
が長くなり生産性が低いという問題があった。特開昭5
5−137105号(以下、公知事項Cと略記する)に
は、重合開始前に、けん化度60〜80モル%のイオン
変性PVAを添加することが開示されている。WO 9
1/15518(以下、公知事項Dと略記する)には、
重合開始前に、けん化度60〜90モル%の末端イオン
変性PVAを添加することが開示されている。特開平7
−179507号(以下、公知事項Eと略記する)に
は、重合転化率5〜50%の時点で、けん化度70〜8
5モル%および重合度700〜3000の水溶性PVA
を添加する方法が開示されている。特開平7−5360
7号(以下、公知事項Fと略記する)には、重合転化率
5〜50%の時点で、けん化度70〜85モル%および
重合度700〜3000の水溶性PVAを添加する方法
が開示されている。特開平7−18007号(以下、公
知事項Gと略記する)には、重合転化率30〜60%の
時点で、けん化度75〜85モル%および重合度150
0〜2700の水溶性PVAを添加する方法が開示され
ている。しかしながら、公知事項C〜Gの方法は、リフ
ラックスコンデンサーを使用していないことから、重合
時間が長くなり生産性が低いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生産
性に優れたリフラックスコンデンサー付きの重合槽を使
用し、特に重合の中期〜後期に発生するドライフォーム
に対する消泡効果に優れ、かつ充填比重の高いビニル系
樹脂が得られるビニル系樹脂の製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、懸濁重合用分散
安定剤(A)の存在下でビニル系化合物の懸濁重合を行
うに際し、リフラックスコンデンサー付きの重合槽を用
いて、重合転化率30〜90%の時点で、該ビニル系化
合物100重量部に対してけん化度85モル%以下のポ
リビニルアルコール系重合体(B)0.001〜0.5
重量部を添加することを特徴とするビニル系樹脂の製造
方法を見出し、本発明を完成させるに到った。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるリフラックスコン
デンサーは、ビニル系化合物の懸濁重合により生じる重
合反応熱を効率よく除去するために使用される。すなわ
ち、重合槽中の懸濁液から発生する未反応のVCMの気
体は、リフラックスコンデンサーにより液化される。リ
フラックスコンデンサーにおいて液化されたVCMは、
重合槽に返されることにより、重合熱が除去される。リ
フラックスコンデンサーの冷却水の温度は、通常10〜
50℃程度である。重合槽の温度制御は、リフラックス
コンデンサーによる除熱の他に、通常は重合槽のジャケ
ットまたはコイルによる温度制御が併用される。リフラ
ックスコンデンサーにおける重合反応熱の除去量につい
ては特に制限はないが、全重合反応熱量の10〜80%
が好ましく、20〜60%がより好ましい。
【0008】本発明におけるビニル系化合物の懸濁重合
は、懸濁重合用分散安定剤(A)の存在下で行われる。
懸濁重合用分散安定剤(A)としては特に制限はなく、
けん化度60〜95モル%および重合度500〜360
0の水溶性PVAあるいは水溶性セルロースなどの水溶
性ポリマーが使用される。水溶性セルロースとしては、
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースなどが挙げられる。その他の水溶性ポリマー
としては、ゼラチンなどが挙げられる。これらの水溶性
ポリマーの2種以上を組み合わせてもよい。懸濁重合用
分散安定剤(A)の添加量については特に制限はない
が、ビニル系化合物100重量部に対して0.01〜
1.0重量部が好ましく、0.02〜0.2重量部がよ
り好ましい。また、ソルビタンモノラウレート、ソルビ
タントリオレート、グリセリントリステアレート、エチ
レンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマーな
どの油溶性乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、
ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤などを併用し
ても良い。
【0009】本発明におけるビニル系化合物の懸濁重合
は、懸濁重合用分散安定剤(A)100重量部に対して
けん化度60モル%未満のポリビニルエステル(以下、
PVESと略記する)系重合体1〜100重量部を分散
助剤として併用してもよい。分散助剤として使用するP
VES系重合体としては、無変性PVESの他に、側鎖
あるいは末端にカルボキシル基などのイオン性基を10
モル%以下含有するPVES系重合体でもよい。
【0010】本発明におけるビニル系化合物の懸濁重合
には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
各種添加剤としては、アセトアルデヒド、ブチルアルデ
ヒド、トリクロロエチレン、パークロロエチレンあるい
はメルカプタン類などの重合度調節剤、フェノール化合
物、イオウ化合物、N−オキシド化合物などの重合禁止
剤、pH調整剤、スケール防止剤、架橋剤、従来公知の
消泡剤などが挙げられる。これらの各種添加剤は、2種
以上を併用してもよく、その添加時期には制限はない。
【0011】本発明のビニル系化合物の懸濁重合に使用
される重合開始剤は、従来塩化ビニルなどのビニル系化
合物の懸濁重合に使用されているものでよく、例えば、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエ
チルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート
化合物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−ク
ミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシ
ネオデカネートなどのパーオキシエステル化合物、アセ
チルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,
4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシア
セテートなどの過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)などのアゾ化合物などが挙げられる。これら
の開始剤には、さらに、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム、過酸化水素などを組み合わせて使用することも
できる。
【0012】本発明の懸濁重合に供されるビニル系化合
物としては、塩化ビニル単独のほか、塩化ビニルを主体
とする単量体混合物(塩化ビニル50重量%以上)、塩
化ビニル以外のビニル系化合物が包含される。塩化ビニ
ルと共重合される単量体としては、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニルなどのビニルエステル、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)ア
クリル酸エステル、エチレン、プロピレンなどのオレフ
ィン、無水マレイン酸、アクリロニトリル、イタコン
酸、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルエーテルなどが
挙げられる。
【0013】本発明の懸濁重合においては、各成分の仕
込み割合、各成分の仕込み順序および重合温度などにつ
いては特に制限はなく、従来塩化ビニルなどのビニル系
化合物の懸濁重合において採用されている条件から適宜
選択される。また、ビニル系化合物を重合槽に仕込む前
に、ビニル系化合物を加熱しておく方法も好適に用いら
れる。
【0014】本発明の懸濁重合においては、生産効率を
高めるために、温度40℃以上(好ましくは70℃以
上)に加熱された水性媒体を重合開始前に重合槽に仕込
む方法も好適に用いられる。
【0015】次に、重合転化率30〜90%の時点で、
重合槽に添加されるPVA系重合体(B)について説明
する。PVA系重合体のけん化度は、85モル%以下で
あり、40〜82モル%が好ましく、55〜75モル%
がより好ましく、60〜73モル%が特に好ましい。な
お、PVA系重合体に変性基が導入されている場合に
は、けん化度には変性基は含まれない。すなわち、けん
化度はビニルエステル基とビニルアルコール基のみから
求められる。PVA系重合体の粘度平均重合度(以下、
重合度と略記する)は、50〜2500が好ましく、7
0〜1500がより好ましく、100〜700がより好
ましく、150〜550が特に好ましい。
【0016】PVA系重合体は、PVES系重合体をけ
ん化触媒を用いてけん化することにより得られる。ビニ
ルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられ、これら
の中でも酢酸ビニルが特に好ましい。けん化触媒として
は、従来公知の酸あるいはアルカリが用いられる。
【0017】PVA系重合体には、イオン性基などを導
入することにより更に性能を向上させることができる。
イオン性基としては、スルホン酸基、アミノ基、アンモ
ニウム基、カルボキシル基などのアニオン性基やカチオ
ン性基が挙げられる。これらのイオン性基の含有量とし
ては、0.01〜10モル%が好ましく、0.1〜2モ
ル%がより好ましい。PVA系重合体にイオン性基を導
入する方法としては特に制限はないが、イオン性基を含
有する単量体とビニルエステルとの共重合体を部分的に
けん化することにより得れらる。スルホン酸基を有する
単量体としては、エチレンスルホン酸、(メタ)アリル
スルホン酸、スルホアルキルマレート、スルホアルキル
(メタ)アクリルアミド、スルホアルキル(メタ)アク
リレート、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸およびこれらの塩が挙げられる。アミノ基およびア
ンモニウム基を有する単量体としては、N−(1,1ー
ジメチルー3ージメチルアミノプロピル)(メタ)アク
リルアミド、N−(1,1ージメチルー3ージメチルア
ミノブチル)(メタ)アクリルアミド、N−ビニルイミ
ダゾール、2ーメチルーN−ビニルイミダゾール、ビニ
ルー3ージメチルアミノプロピルエーテル、ビニルー2
ージメチルアミノエチルエーテル、アリルー3ージメチ
ルアミノプロピルエーテル、アリルジメチルアミン、メ
タアリルジメチルアミンおよびこれらの四級化した単量
体等が挙げられる。カルボキシル基を有する単量体とし
ては、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。また、チオ
ール酢酸、メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト−
1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩などのチオール化
合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単
量体を重合し、それをけん化することによって得られる
末端にイオン性基を有するPVA系重合体も用いること
ができる。
【0018】PVA系重合体は、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共
重合しても良い。エチレン性不飽和単量体としては、エ
チレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニル
ピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエ
チレンなどが挙げられる。これらのエチレン性不飽和単
量体の含有量は、通常10モル%以下が好ましい。
【0019】PVA系重合体は、炭素数2〜20のヒド
ロキシアルキル基を側鎖に有していても良い。炭素数2
〜20のヒドロキシアルキル基を側鎖に有する単量体と
しては、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−
オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1
−オール、9−デセン−1−オール、11−ドデセン−
1−オールなどが挙げられる。これらの単量体のほか
に、PVA系重合体の原料であるポリビニルエステル系
重合体のけん化反応時に、ヒドロキシル基の生成が可能
なエステル基を含有する単量体であってもよい。こられ
らの単量体の含有量は、通常10モル%以下が好まし
い。また、本発明に使用されるPVA系重合体は、ノニ
オン性基または(長鎖)アルキル基などを10モル%以
下有していても良い。
【0020】PVA系重合体(B)の添加時期は、ビニ
ル系化合物の重合転化率が30〜90%の時点であり、
40%〜87%が好ましく、50%〜85%がより好ま
しく、60%〜80%が特に好ましい。また、重合槽の
内圧が低下し始める直前あるいは重合槽の内圧が低下し
始めた直後に、ドライフォームによる発泡が生じる場合
には、この時点で添加するのも好ましい。PVA系重合
体の添加方法は特に制限はないが、水溶液、水性分散
液、メタノールなどの有機溶剤溶液、メタノール・水混
合溶液などの形態で添加する方法が挙げられる。PVA
系重合体の溶液の濃度は通常0.01〜30重量%であ
る。PVA系重合体の溶液の温度は特に制限はなく、室
温または重合温度まで昇温したものでも良い。PVA系
重合体の添加量は、懸濁重合に供されるビニル系化合物
100重量部に対して0.001〜0.5重量部であ
り、0.01〜0.1重量部が好ましい。
【0021】次に、ビニル系化合物の懸濁重合用消泡剤
について説明する。ビニル系化合物の懸濁重合用消泡剤
としては、上記のPVA系重合体(B)が挙げられる。
その中でも、けん化度85モル%以下および重合度25
00以下の水溶性PVA系重合体が特に好ましい。ビニ
ル系化合物の懸濁重合用消泡剤として使用される水溶性
PVA系重合体は、水溶性であることが必要であり、け
ん化度が70モル%未満の場合にはイオン性基を導入す
ることなどにより水溶性にする必要がある。なお、「水
溶性」とは、PVA系重合体の4重量%水溶液が20℃
において透明であることをいう。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限
定されるものではない。なお、以下の実施例において
「%」および「部」は特に断りのない限り、重量基準を
意味する。
【0023】実施例1〜23、比較例1〜6 リフラックスコンデンサー付の重合槽(高さ:125c
m)に、けん化度72モル%、重合度720のPVA
(A)0.08部の脱イオン水の溶液1部およびスルホ
ン酸ナトリウム基含有量0.8モル%、けん化度35モ
ル%、重合度300のPVES 0.03部の脱イオン
水の溶液1部を仕込んだ。次に、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネートの70%トルエン溶液(以下、開始
剤溶液と略記する)0.04部を仕込み、オートクレー
ブ内を50mmHgとなるまで脱気して酸素を除いた
後、撹拌下で80℃の温水39部およびVCM30部を
同時に仕込んだ。仕込みが終了した時点での液面は重合
槽の底面から75cmの高さであり、内温は57℃であ
った。重合開始時、重合槽内の圧力は7.0kg/cm
2 Gであった。引き続き、リフラックスコンデンサーお
よび重合槽のジャケットの水温を調整することにより、
重合槽の内温を57℃に保ってVCMの懸濁重合を継続
した。表1〜3に示す重合転化率の時点で、表1〜3に
示すPVA系重合体(B)(消泡剤)を添加した。重合
開始5時間後に、重合槽の内圧が4.0kg/cm2
となった時点で重合を停止した。VCMの重合転化率は
92%であった。リフラックスコンデンサーにおける重
合反応熱の除去量は、全重合反応熱量の45%であっ
た。得られたPVCの平均重合度は1030であった。
【0024】重合槽内のドライフォームの発生状態およ
び得られたPVCの性能評価は下記の方法で行った。結
果を表1〜3に示す。 [重合槽内のドライフォームの発生状態]重合終了後、
未反応のVCMをパージする前に、オートクレーブ側面
の覗き窓より、重合槽内のドライフォームの発生状態を
観察した。液面よりドライフォームの最高部までの高さ
を実測した。 [PVCの充填比重]JIS K6721−1959に
準拠して測定した。
【0025】比較例7〜8 リフラックスコンデンサーの運転を停止し、重合槽のジ
ャケットのみにより重合反応熱を除去したこと以外は、
実施例1〜23と同様にしてVCMの懸濁重合を行っ
た。但し、表3に示す重合転化率の時点で、表3に示す
PVA系重合体(B)(消泡剤)を添加した。また、重
合反応熱の除去が可能なように、開始剤溶液の仕込量を
0.033部に変更した。重合開始9時間後に、重合槽
の内圧が4.0kg/cm2 Gとなった時点で重合を停
止した。VCMの重合転化率は92%であった。リフラ
ックスコンデンサーにおける重合反応熱の除去量は、全
重合反応熱量の0%であった。得られたPVCの平均重
合度は1050であった。重合槽内のドライフォームの
発生状態および得られたPVCの性能評価は実施例1〜
23と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】(表1〜3の脚注) 1)AMPS: 2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸ナトリウム 2)MPSNa: 3−メルカプト−1−プロパンスルホ
ン酸ナトリウム 3)MAPTAC: 3−メタクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド 4)7OEA: 7−オクテン−1−オール 5)MP: 3−メルカプトプロピオン酸 6)水不溶性のため、水/メタノール(1/1)混合溶媒
に溶解して仕込んだ。 (*1): リフラックスコンデンサーにPVCが詰ま
っていた。
【0030】
【発明の効果】本発明によると、生産性に優れたリフラ
ックスコンデンサー付きの重合槽を使用し、重合の中期
〜後期に発生するドライフォームに対する消泡効果に優
れ、かつ充填比重の高いビニル系樹脂が得られるビニル
系樹脂の製造方法が提供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 懸濁重合用分散安定剤(A)の存在下で
    ビニル系化合物の懸濁重合を行うに際し、リフラックス
    コンデンサー付きの重合槽を用いて、重合転化率30〜
    90%の時点で、該ビニル系化合物100重量部に対し
    てけん化度85モル%以下のポリビニルアルコール系重
    合体(B)0.001〜0.5重量部を添加することを
    特徴とするビニル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合開始前に重合槽内に仕込む水性媒体
    の温度が40℃以上であることを特徴とする請求項1記
    載のビニル系樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 けん化度85モル%以下および重合度2
    500以下の水溶性ポリビニルアルコール系重合体から
    なるビニル系化合物の懸濁重合用消泡剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008050413A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Denki Kagaku Kogyo Kk ラテックス及びその重合方法
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