JP2008050413A - ラテックス及びその重合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エチレン性不飽和モノマーを重合して得られるラテックスを提供する。
【解決手段】 分子主鎖中に、下記一般式で表される結合単位を含有する変性ポリビニルアルコールと、油溶性触媒とを用いる。
Figure 2008050413

【選択図】なし

Description

本発明は、主鎖に特定モノマー由来の二重結合を有する変性ポリビニルアルコールと油溶性触媒を用いて、エチレン性不飽和モノマーを重合して得られるラテックス及びその重合方法に関するものである。
エチレン性不飽和モノマーを重合して得られるラテックスとしては、親水性基と疎水基とラジカル反応性基とからなる反応性乳化剤の存在下で、乳化重合して得られるものや(例えば、特許文献1参照)、性媒体中で3段階以上の工程で乳化重合して得られるもの(例えば、特許文献2参照)、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂エマルジョンの存在下においてエチレン性不飽和モノマーを乳化重合させて得られるもの(例えば、特許文献3参照)などが知られている。
特開2006−188601号公報 特開2005−187675号公報 特開2006−037294号公報
本発明は、分子内の主鎖にカルボニル基を含有するモノマー由来の不飽和二重結合を有する変性ポリビニルアルコールと油溶性触媒とを用いて、エチレン性不飽和モノマーを重合して得られるラテックスおよびその重合方法を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、分子主鎖中に、一般式(化3)で表される結合単位を含有する変性ポリビニルアルコールと油溶性触媒とを用いてエチレン性不飽和モノマーを重合して得られるラテックスである。変性ポリビニルアルコール中の未変性ポリビニルアルコールの含有量が、25モル%以下であることが好ましく、変性ポリビニルアルコールが、カルボニル基を有するモノマーと、ビニルエステル単位を有するモノマーとを共重合させた後ケン化して得られたものであることが好ましい。さらに、変性ポリビニルアルコールが、アニオン性基を有する結合単位を含有することが好ましく、アニオン性基を有する結合単位の含有量が変性ポリビニルアルコール中の0.05〜10モル%の範囲であることが好ましい。油溶性触媒が、変性ポリビニルアルコール100質量部に対して0.01質量部〜5.0質量部配合されていることが好ましく、油溶性触媒が、アゾ化合物、過酸化物、レドックスから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
また、ラテックスを重合する際には、エチレン性不飽和モノマーの重合率が50%〜99%になった時点から重合終了までの間に、変性ポリビニルアルコールを添加することが出来る。
Figure 2008050413
(式中、X1とX2は、炭素数1〜12の低級アルキル基、水素原子または金属塩を表す。gは、0〜3の整数を表す。hは、0〜12の整数を表す。Y1は、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸金属塩または水素原子を表す。)
分子内の主鎖にカルボニル基を含有するモノマー由来の不飽和二重結合を有する変性ポリビニルアルコールと油溶性触媒を用いエチレン性不飽和モノマーを重合することにより、粗粒が少なく、かつ分散性に優れたラテックスが得られる。
変性ポリビニルアルコールは、特定のカルボニル基を含有するモノマーと、ビニルエステル単位を有するモノマーを共重合させた後に、ケン化させてカルボニル基含有ポリビニルアルコールを得、洗浄、乾燥を行って得られるものであり、主鎖にカルボキシル基を起点とする不飽和二重結合をランダムに導入させたものである。
特定のカルボニル基を含有するモノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、シトラコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等がある。
これらモノマーの含有量(共重合量)は、特に限定するものではないが、0.1〜50モル%の範囲、より好ましくは0.1〜10モル%の範囲とすると、得られる変性ポリビニルアルコールの分子内の不飽和二重結合量と水溶性のバランスが向上するため好ましい。
ビニルエステル単位を有するモノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル及びバーサティック酸ビニル等がある。これらの中でも、酢酸ビニルを用いると、変性ポリビニルアルコールの重合が安定して行えるため好ましい。
変性ポリビニルアルコール中の未変性ポリビニルアルコールの含有量は、特に限定するものではないが、25モル%以下の範囲とすると、グラフト性が向上するため好ましい。未変性ポリビニルアルコールの含有量は0モル%であってもよい。未変性ポリビニルアルコールの含有量は、重合させるエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとビニルエステル単位を有するモノマーの割合を変化させることで、調整できる。未変性ポリビニルアルコールの含有量を低減させるにはビニルエステル単位を有するモノマーの割合を多くすればよく、未変性ポリビニルアルコールの含有量を増加させるにはエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの割合を多くすればよい。
変性ポリビニルアルコールは、分子中にアニオン性基を有する結合単位を含有させることによって、エチレン性不飽和モノマーの重合活性が向上するため好ましい。
分子中にアニオン性基を有する結合単位を含有させるには、特に限定するものではないが、変性ポリビニルアルコールを重合する際にアニオン性基を有するモノマーを共重合させる方法や、ポリビニルアルコール中の水酸基との反応性を利用して後変性させる方法がある。
分子中のアニオン性基を有する結合単位の含有量は、変性ポリビニルアルコール中の0.05〜10モル%の範囲とすると、溶媒中への分散性が向上するため好ましく、0.1〜3モル%の範囲とするとより好ましい。
アニオン性基を有するモノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、カルボン酸基含有ビニル単量体やスルホン酸基含有ビニル単量体等があり、カルボン酸基含有ビニル単量体を用いると取り扱いが容易なため好ましい。
カルボン酸基含有ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の重合性モノカルボン酸やそのエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の重合性ジカルボン酸、無水マレイン酸等の重合性ジカルボン酸無水物、脂肪族ビニルエステル等がある。これらの中でも、イタコン酸を用いると、溶媒中への分散性がより向上するため好ましい。
スルホン酸基含有ビニル単量体としては、例えば、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等がある。
変性ポリビニルアルコールには、必要に応じて、これらのモノマーと共重合可能なモノマーを共重合させてもよい。共重合可能なモノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フタル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和酸類、またはその塩類、または炭素数1〜18のモノアルキルエステル類もしくはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩またはその4級塩などのアクリルアミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩またはその4級塩などのメタクリルアミド類、炭素数1〜18のアルキル鎖長を有するアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミド類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシランなどのビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール等のアリル化合物、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニル等があり、2種類以上を併用することもできる。
これらの共重合可能なモノマーの使用量は、特に限定するものではないが、使用する全モノマーに対して0.001〜20モル%が好ましい。
変性ポリビニルアルコールの数平均分子量(以下Mnと略記する。)は、特に限定するものではないが、一般に使用されている1900〜66500の範囲がよく、3800〜28500の範囲とすると水溶性、保護コロイド性のバランスが向上するため好ましい。
モノマーの重合方法は、バルク重合、乳化重合、懸濁重合、溶液重合などの公知の重合方法が用いられ、特に限定するものではないが、メタノール、エタノールあるいはイソプロピルアルコールなどのアルコールを溶媒とする溶液重合を採用すると重合の制御が容易になるため好ましい。溶液重合は、連続重合でもバッチ重合でもよく、重合させるモノマーは、分割して仕込んでもよいし、一括で仕込んでもよく、あるいは連続的にまたは断続的に添加するなど任意の手段を用いることができる。
溶液重合において使用する重合開始剤は、公知のラジカル重合開始剤を使用することができ、特に限定するものではないが、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルパレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルパレロニトリル)等のアゾ化合物、アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート等の過酸化物、ジイソプピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート等のパーエステル化合物、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシバレロニトリルなどがある。重合反応温度は、通常30℃〜90℃程度の範囲から選択される。
ケン化は、モノマーを共重合させて得られた共重合体をアルコールに溶解し、アルカリ触媒又は酸触媒の存在下で分子中のエステルを加水分解するものである。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等がある。アルコール中の共重合体の濃度は、特に限定するものではないが、10〜80重量%の範囲から選ばれる。
アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いることができる。
酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸水溶液、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を用いることができる。
これら触媒の使用量は、共重合体に対して1〜100ミリモル当量にすることがよい。ケン化温度は、特に限定するものではないが、10〜70℃、好ましくは30〜40℃の範囲がよい。反応時間は、特に限定するものではないが、30分〜3時間にわたって行われる。
変性ポリビニルアルコールのケン化度は、特に限定するものではないが、30〜99.9モル%の範囲とすると、分子内に十分な量の不飽和二重結合が生成されるため好ましい。
油溶性触媒は、エチレン性不飽和モノマーを重合させる際に、得られるラテックスを低粘度化させるために含有させるものであり、変性ポリビニルアルコールと重合させるモノマーとの活性を調整するものである。
油溶性触媒は、特に限定するものではないが、例えば、アゾ化合物、過酸化物、レドックス等があり、これらを併用することもできる。油溶性触媒の配合量は、特に限定するものではないが、変性ポリビニルアルコール100質量部に対して0.01〜5.0質量部の範囲とすると、得られるラテックスの粘度を調整しやすいため好ましい。
エチレン性不飽和モノマーとは、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、ビニルエステル単位を有するモノマー、スチレンモノマー、ブタジエンモノマー及び(メタ)アクリル酸モノマーや、これらのモノマーと共重合可能なモノマーなどがあり、これらは単独で重合させてもよく、複数のモノマーを共重合させてもよい。
変性ポリビニルアルコールの添加方法は、特に限定するものではないが、重合初期に重合させるモノマーとともに全量を添加する方法(初期添加)や、重合させるモノマーの重合率が50%〜99%になった時点から重合終了までの間に添加する方法(後添加)、重合初期に10質量%〜99質量%を添加し、残りを重合させるモノマーの重合率が10%〜99%になった時点から重合終了までの間に添加する方法(分散添加)がある。得られる重合粒子の機械的安定性を向上させるという観点からは、変性ポリビニルアルコールを後添加や分散添加する方法が好ましい。
変性ポリビニルアルコールの吸光度は、特に限定するものではないが、0.2質量%の、水溶液、メタノール溶液または水メタノール混合溶液の紫外線吸収スペクトルによる270nmの吸光度が、0.05以上のものが好ましい。この吸光度は、ケン化工程において使用する触媒の量、ケン化時間、ケン化温度を変更することによって任意の値に調整することができる。
ここで、紫外線吸収スペクトルの帰属については、特開2004−250695公報等に、215nmの吸収はポリビニルアルコール系樹脂中の−CO−CH=CH−の構造に帰属し、280nmの吸収はポリビニルアルコール系樹脂中の−CO−(CH=CH)−の構造に帰属し、320nmの吸収はポリビニルアルコール系樹脂中の−CO−(CH=CH)−の構造に帰属に関するという記載がある。
一般的なアルデヒド類を連鎖移動剤として用いたポリビニルアルコールの不飽和二重結合の二連鎖構造(−CO−(CH=CH)−)由来の紫外線吸収スペクトルは、280nm近傍にピークトップがくるが、本発明の変性ポリビニルアルコールにおける、一般式(化4)の構造に由来し270nm中心で265〜275nmの範囲に含まれるピークを有するものである。比較のチャートを(図1)に示す。
Figure 2008050413
以下、本発明について実施例を挙げて更に詳しく説明する。
尚、特に断りがない限り、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を意味する。
実施例1
〈変性ポリビニルアルコールの合成〉
酢酸ビニル17部、メタノール14部、マレイン酸ジメチル0.023部及び酢酸ビニルに対して0.10%のアゾビスイソブチロニトリルを重合缶に仕込み、窒素置換後加熱して沸点まで昇温し、更に、酢酸ビニル6部、メタノール5部及びマレイン酸ジメチル0.207部の混合液を重合率75%に達するまで連続的に添加して重合させ、重合率90%に達した時点で重合を停止した。次いで常法により未重合の酢酸ビニルを除去し、得られた重合体を水酸化ナトリウムで常法によりケン化した。その後、90℃で90分熱風乾燥し、分子量(Mn)11000、ケン化度88.0モル%、マレイン酸ジメチル0.6モル%、0.2%水溶液の波長270nmにおける吸光度0.9、無変性ポリビニルアルコール量13%の変性ポリビニルアルコールを得た。
〈分析方法〉
変性ポリビニルアルコールのケン化度は、JIS K 6276「3.5ケン化度」に準じて測定したものであり、変性ポリビニルアルコールの分子量は、GPCを使用し、試料濃度0.25w/v%水溶液を40℃で測定し、標準ポリエチレングリコール換算でMnを計算しものである。無変性ポリビニルアルコールの含有量は、変性ポリビニルアルコールをメタノール中でアルカリ触媒にて完全ケン化し、ソックスレー抽出した試料を濃度0.01w/v%水溶液に調整し、イオン排除のHPLCを使用し、IR検出器の面積比で計算したものである。270nm吸光度は、変性ポリビニルアルコールを0.2質量%の水溶液に調整し、270nmの紫外線の吸光度を測定したものである。マレイン酸ジメチルの含有量はNMRにより測定したものである。
〈エチレン性不飽和モノマーの重合〉
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入口を備えたガラス製重合容器にイオン交換水500部を加え、変性ポリビニルアルコールを添加して、加熱攪拌し溶解した。その後、重合容器内温度を70℃にして、メタクリル酸メチル20部とアクリル酸2エチルヘキシル20部を添加し、重合開始剤として油溶性触媒アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.26重量部をメタクリル酸メチル3部とアクリル酸2エチルヘキシル3部に溶解し連続添加し30分重合した。次に重合容器内温度を80℃に昇温して、メタクリル酸メチル207部とアクリル酸2エチルヘキシル207部とAIBN1.74重量部を3時間かけて連続的に添加した。連続添加終了後1時間熟成反応を行い、重合を完結した。得られたラテックスの物性を下記の方法に従い測定した。
〈ラテックスの平均粒子径〉
レーザー回折粒度分布計「SALD 3000」(株式会社島津製作所製)を使用し、超音波5分間照射後に測定を実施した。
〈ラテックスの粘度〉
ラテックスを30℃に温調した後、BH型粘度計(ローターNo.6またはNo.7)を使用し4rpmで粘度を測定した。
〈粗粒〉
ラテックス10gを純水300gで希釈し、80メッシュ(180μm)の金網で洗浄ろ過し110℃の機やオーブンで2時間乾燥し下記計算式で機械安定性を求めた。
粗粒(wt%/ラテックス)=乾燥重量/ラテックス純分重量×100
実施例2〜6 、比較例1〜3
ケン化度、分子量(Mn)、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの種類、変性量、エチレン性不飽和モノマー乳化重合時のポリビニルアルコールの添加量、油溶性触媒の種類と重合温度をそれぞれ表1に記載したように変えた以外は、実施例1と同様にして変性ポリビニルアルコールを作成し、実施例1と同様に評価を行った。
Figure 2008050413
表1中、変性モノマーの欄におけるAはマレイン酸ジメチル、Bは無水マレイン酸を表す。また、油溶性触媒種類の欄におけるiはジボスイソブチロニトリル(AIBN)、iiはイソブチルパーオキサイドを表す。
実施例2、実施例4の紫外線吸収スペクトルと、従来のアルデヒド変性ポリビニルアルコールの紫外線吸収スペクトルを比較した図
符号の説明
1 実施例2の紫外線吸収スペクトル
2 実施例4の紫外線吸収スペクトル
3 従来のアルデヒド変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製L−8)の紫外線吸収スペクトル
4 従来のアルデヒド変性ポリビニルアルコール(シンソマー・リミテッド製アルコテックス72.5)の紫外線吸収スペクトル

Claims (10)

  1. 分子主鎖中に一般式(化1)で表される結合単位を含有する変性ポリビニルアルコールと、油溶性触媒とを用いて、エチレン性不飽和モノマーを重合して得られるラテックス。
    Figure 2008050413
    (式中、X1とX2は、炭素数1〜12の低級アルキル基、水素原子または金属塩を表す。gは、0〜3の整数を表す。hは、0〜12の整数を表す。Y1は、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸金属塩または水素原子を表す。)
  2. 変性ポリビニルアルコール中の未変性ポリビニルアルコールの含有量が、25モル%以下であることを特徴とする請求項1に記載したラテックス。
  3. 変性ポリビニルアルコールが、カルボニル基を有するモノマーと、ビニルエステル単位を有するモノマーとを共重合させた後ケン化して得られたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載したラテックス。
  4. 変性ポリビニルアルコールが、さらにアニオン性基を有する結合単位を含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載したラテックス。
  5. アニオン性基を有する結合単位の含有量が、変性ポリビニルアルコール中の0.05〜10モル%の範囲であることを特徴とする請求項4に記載したラテックス。
  6. 0.2質量%の、水溶液、メタノール溶液または水メタノール混合溶液の紫外線吸収スペクトルによる270nmの吸光度が0.05以上の変性ポリビニルアルコールを用いることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載したラテックス。
  7. 一般式(化2)で表される不飽和二重結合由来の紫外線吸収スペクトルのピークトップが265〜275nmの間にある変性ポリビニルアルコールを用いることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載したラテックス。
    Figure 2008050413
  8. 油溶性触媒が、アゾ化合物、過酸化物、レドックス、から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載したラテックス。
  9. 油溶性触媒が、変性ポリビニルアルコール100質量部に対して0.01〜5.0質量部配合されたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載したラテックス。
  10. エチレン性不飽和モノマーの重合率が50%〜99%になった時点から重合終了までの間に、変性ポリビニルアルコールを添加することを特徴とするラテックスの重合方法。
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