JP5171696B2 - 変性ポリビニルアルコールおよびその製造方法 - Google Patents

変性ポリビニルアルコールおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、変性ポリビニルアルコールおよびその製造方法に関するものである。
分子内に反応性の不飽和二重結合を導入したポリビニルアルコールとして、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールを、重合性二重結合を含有する反応性分子で後変性して、側鎖にこれを導入したもの(例えば、特許文献1参照)が知られている。また、保護されたエチレン性不飽和二重結合を有するポリビニルエステル系共重合体を得た後で保護を外して得られたもの(例えば、特許文献2参照)や、アルデヒド類を連鎖移動剤として用いてポリビニルアルコール分子末端に不飽和二重結合を導入させたもの(例えば、特許文献3参照)などが知られている。
さらに、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーと、ビニルエステル単位を有するモノマーを共重合させた後に、ケン化させて得られるもの(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
特開平04−283749号公報 特開2001−072720号公報 特開2004−250695号公報 国際公開第WO2006/095462号公報
本発明は、分子内の主鎖に特定モノマー由来の不飽和二重結合を有し、側鎖に疎水基を有する変性ポリビニルアルコールおよびその製造方法を提供することを課題とする。
特定のモノマーを共重合し、ケン化反応をすることにより、上記の課題を解決できる。
すなわち本発明は、分子主鎖中に一般式(化1)で表される結合単位を有し、分子側鎖に疎水基を有する変性ポリビニルアルコールである。
Figure 0005171696
(式中、X1とX2は、炭素数1〜12の低級アルキル基、水素原子または金属塩を表す。gは、0〜3の整数を表す。hは、0〜12の整数を表す。Y1は、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸金属塩または水素原子を表す。)
分子内の主鎖に特定モノマー由来の不飽和二重結合を有し、側鎖に疎水基を有する変性ポリビニルアルコールが得られる。
変性ポリビニルアルコールは、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーと、酢酸ビニルと、長鎖ビニルエステルまたは長鎖ビニルエーテルまたは長鎖アクリルから選ばれる少なくとも一種のモノマーを共重合させた後に、ケン化させて、洗浄、乾燥を行って得られるものである。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、変性ポリビニルアルコールの主鎖に反応性の不飽和二重結合を導入するために共重合させるモノマーである。
エチレン性不飽和二重結合を含有するモノマーは、酢酸ビニルと共重合反応させて鹸化反応させた際に、これに隣接するモノマーから脱ラジカル反応を起こし、分子主鎖に不飽和二重結合を発生させることができる。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、シトラスコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水シトラスコン酸等がある。
これらエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの含有量(共重合量)は、分子内の不飽和二重結合量と水溶性を確保する観点から、0.1〜50モル%が好ましく、0.1〜10モル%がより好ましい。なお、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの含有量を増加させると、得られる変性ポリビニルアルコールは、分子内の不飽和二重結合量が増加するため水酸基の量が減少し、水溶性が低下する。
酢酸ビニルは、得られる変性ポリビニルアルコールのビニルアルコールユニットを形成するために共重合させるモノマーである。酢酸ビニルの含有量(共重合量)は、不飽和二重結合量と水溶性を確保する観点から、50〜99.9モル%が好ましく、90〜99.9モル%がより好ましい。
長鎖ビニルエステル、長鎖アクリルおよび長鎖ビニルエーテルは、変性ポリビニルアルコールの側鎖に疎水基を導入するために共重合させるモノマーである。
これらのモノマーは、分子中に不飽和二重結合と酢酸基より分子量が大きな疎水基を有するものであり、変性ポリビニルアルコールの界面活性能を調整することができるものである。
変性ポリビニルアルコールは、疎水基の導入量が増加するとともにその表面張力が低下し逆に親油性が向上する。
長鎖ビニルエステルとは、一般式(化2)で表されるモノマーである。Rの炭素数が7以下では、ケン化反応でエステル結合が切断されやすく、疎水基を確実に導入することが難しい。また、Rの炭素数が21以上では、未反応モノマーの回収が難しくなり、あまり好ましくない。長鎖ビニルエステルは、例えば、ノナン酸ビニル(Rの炭素数8)、デカン酸ビニル(Rの炭素数9)、ネオデカン酸ビニル(Rの炭素数9)、ラウリン酸ビニル(Rの炭素数11)、パルミチン酸ビニル(Rの炭素数15)、ステアリン酸ビニル(Rの炭素数17)などがある。
Figure 0005171696
(式中、Rは、炭素数8〜20のアルキル基を表す)
長鎖アクリルとしては、例えば、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸3-メトキシブチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどがある。
長鎖ビニルエーテルとしては、例えば、ビニルドデシルエーテル、ビニルオクタデシルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニルプロピオネート、ビニルステアレートシクロヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、イソアミルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、イソオクチルビニルエーテルなどがある。
これら長鎖ビニルエステルモノマー、長鎖アクリルモノマーおよび長鎖ビニルエーテルモノマーの含有量(共重合量)は、得られる変性ポリビニルアルコール界面活性特性を向上させるため、0.05〜10モル%が好ましく、0.1〜5モル%がより好ましい。
また、必要に応じて、これらのモノマーと共重合可能なモノマーを共重合させてもよい。共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フタル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和酸類、またはその塩類、または炭素数1〜18のモノアルキルエステル類もしくはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩などのアクリルアミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩などのメタクリルアミド類、炭素数1〜18のアルキル鎖長を有するアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミド類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシランなどのビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール等のアリル化合物、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニル等がある。これら共重合可能なモノマーの使用量は、使用する全モノマーに対して0.001〜20モル%が好ましい。
変性ポリビニルアルコールの数平均分子量(以下Mnと略記する。)は、一般に使用されている1900〜66500の範囲がよく、水溶性、保護コロイド性のバランスを向上させる観点から3800〜28500の範囲がより好ましい。
モノマーの重合方法は、公知の重合方法が用いられる。通常、メタノール、エタノールあるいはイソプロピルアルコールなどのアルコールを溶媒とする溶液重合が行なわれる。バルク重合、乳化重合、懸濁重合を行なうことも可能である。かかる溶液重合において、連続重合でもバッチ重合でもよく、モノマーは、分割して仕込んでもよいし、一括で仕込んでもよく、あるいは連続的にまたは断続的に添加するなど任意の手段を用いてよい。
溶液重合において使用する重合開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルパレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルパレロニトリル)等のアゾ化合物、アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート等の過酸化物、ジイソプピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート等のパーエステル化合物、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシバレロニトリルなどの公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。重合反応温度は、通常30℃〜90℃程度の範囲から選択される。
ケン化は、モノマーを共重合させて得られた共重合体をアルコールに溶解し、アルカリ触媒又は酸触媒の存在下で分子中のエステルを加水分解するものである。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等がある。アルコール中の共重合体の濃度は、10〜80重量%の範囲から選ばれる。アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いることができ、酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸水溶液、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を用いることができる。これら触媒の使用量は、共重合体に対して1〜100ミリモル当量にすることがよい。ケン化温度は、10〜70℃、好ましくは30〜40℃の範囲がよい。反応時間は、30分〜3時間にわたって行われる。
変性ポリビニルアルコールのケン化度は、十分な不飽和二重結合を生成させるという観点から60モル%〜99.9モル%がよい。
本発明の変性ポリビニルアルコールは、分子内に不飽和二重結合を有する。不飽和二重結合の量は、希薄水溶液の紫外線領域での吸光度で定量できる。波長280nmにおける吸光度が、0.05〜1.80(ABS)であることが好ましい。この範囲であれば、塩化ビニル懸濁重合で分散剤として使用した際に、粒径や見掛け密度などの特性バランスが良いポリ塩化ビニル樹脂粉体を得ることができる。
このようにして得られた変性ポリビニルアルコールは、塩化ビニルの懸濁重合用の分散剤として好適に利用されるものである。
塩化ビニルの懸濁重合は、種々のケン化度のポリビニルアルコールを併用して行われる。これは、得られるポリ塩化ビニルの見かけ比重やポロシティを調整するためであり、ケン化度の高いポリビニルアルコールを用いると見かけ比重が高くなり、逆にケン化度の低いポリビニルアルコールを用いるとポロシティが高くなる。
これらは、得られるポリ塩化ビニルの用途に合わせて適宜選択されるものである。
本願の変性ポリビニルアルコールは、主鎖に導入された特定モノマー由来の二重結合が塩化ビニル油滴との反応点となり、側鎖に導入された疎水基が塩化ビニル油滴への吸着効果を発揮し、さらに、側鎖に存在するビニルアルコール単位の水酸基が媒体である水中への親和力を発揮する。
このため、塩化ビニルを水中に安定的に分散できるものである。
以下、表1を用いて実施例を比較例を示す。本願はこれらの実施例により限定されるものではない。
Figure 0005171696
〈変性ポリビニルアルコールA,Bの製造〉
酢酸ビニル834質量部、メタノール700質量部、マレイン酸ジメチル0.37質量部、ネオデカン酸ビニル0.25質量部、及び酢酸ビニルに対して0.10%のアゾビスイソブチロニトリルを重合缶に仕込み、窒素置換後加熱して沸点まで昇温し、更に、酢酸ビニル260質量部、メタノール39質量部、マレイン酸ジメチル3.28質量部、及びネオデカン酸ビニル2.27質量部の混合液を重合率75%に達するまで連続的に添加して重合させ、重合率93%に達した時点で重合を停止した。次いで常法により未重合の酢酸ビニルを除去し、得られた重合体のメタノール溶液に、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えて40℃に保った。その後、90℃で90分乾燥させて、重合度850、ケン化度72.0モル%、マレイン酸ジメチル0.2モル%、ネオデカン酸ビニル0.1モル%である、変性ポリビニルアルコールAを得た。この変性ポリビニルアルコールAの0.2%水溶液の、20℃、波長280nmにおける吸光度は、0.17(ABS)であった。
また、ケン化反応時間以外は、全て変性ポリビニルアルコールAと同じ方法で、重合度850、ケン化度80.5モル%、マレイン酸ジメチル0.2モル%、ネオデカン酸ビニル0.1モル%である、変性ポリビニルアルコールBを得た。この変性ポリビニルアルコールBの0.2%水溶液の、20℃、波長280nmにおける吸光度は、0.16(ABS)であった。
〈変性ポリビニルアルコールC,Dの製造〉
酢酸ビニル834質量部、メタノール615質量部、マレイン酸ジメチル1.1質量部、ステアリン酸ビニル1.19質量部、及び酢酸ビニルに対して0.10%のアゾビスイソブチロニトリルを重合缶に仕込み、窒素置換後加熱して沸点まで昇温し、更に、酢酸ビニル260質量部、メタノール116質量部、マレイン酸ジメチル9.84質量部、及びステアリン酸ビニル10.65質量部の混合液を重合率75%に達するまで連続的に添加して重合させ、重合率93%に達した時点で重合を停止した。次いで常法により未重合の酢酸ビニルを除去し、得られた重合体のメタノール溶液に、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えて40℃に保った。その後、90℃で90分熱風乾燥し、重合度840、ケン化度72.6モル%、マレイン酸ジメチル0.6モル%、ステアリン酸ビニル0.3モル%の変性ポリビニルアルコールCを得た。この変性ポリビニルアルコールCの0.2%水溶液の、20℃、波長280nmにおける吸光度は、0.47(ABS)であった。
また、ケン化反応時間以外は、全て変性ポリビニルアルコールCと同じ方法で、重合度840、ケン化度81.2モル%、マレイン酸ジメチル0.2モル%、ネオデカン酸ビニル0.1モル%である、変性ポリビニルアルコールDを得た。この変性ポリビニルアルコールDの0.2%水溶液の、20℃、波長280nmにおける吸光度は、0.44(ABS)であった。
〈変性ポリビニルアルコールE,Fの製造〉
酢酸ビニル834質量部、メタノール615質量部、マレイン酸ジメチル1.1質量部、及び酢酸ビニルに対して0.10%のアゾビスイソブチロニトリルを重合缶に仕込み、窒素置換後加熱して沸点まで昇温し、更に、酢酸ビニル260質量部、メタノール116質量部、マレイン酸ジメチル9.84質量部の混合液を重合率75%に達するまで連続的に添加して重合させ、重合率93%に達した時点で重合を停止した。次いで常法により未重合の酢酸ビニルを除去し、得られた重合体のメタノール溶液に、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えて40℃に保った。その後、90℃で90分熱風乾燥し、重合度880、ケン化度72.5モル%、マレイン酸ジメチル0.6モル%の変性ポリビニルアルコールEを得た。この変性ポリビニルアルコールEの0.2%水溶液の、20℃、波長280nmにおける吸光度は、0.48(ABS)であった。
また、ケン化反応時間以外は、全て変性ポリビニルアルコールEと同じ方法で、重合度880、ケン化度80.3モル%、マレイン酸ジメチル0.2モル%である、変性ポリビニルアルコールFを得た。この変性ポリビニルアルコールFの0.2%水溶液の、20℃、波長280nmにおける吸光度は、0.45(ABS)であった。
〈塩化ビニルの懸濁重合〉
翼幅37.5mmのパドル撹拌翼を備えた内容量30リットルの反応器に、水12000gと、表1に示す量の変性ポリビニルアルコールを入れて溶解した。次いで、重合開始剤としてクミルパーオキシネオデカノエート0.5gとt−ブチルパーオキシネオデカノエート2.3gを仕込み、系内の窒素置換を行った後、塩化ビニル単量体5000gを仕込み、回転数650rpmで撹拌しながら、温度57.5℃で4時間反応させた。内圧が0.78MPa以下になったら重合反応を終了させ、反応器から樹脂スラリーを取り出し、脱水乾燥して樹脂粉末を得た。
得られた塩化ビニル系樹脂の平均粒子径、嵩比重を測定した。結果を表1に示す。
<嵩比重>
JIS K6720−2に準拠して測定した。
<平均粒径>
JIS Z8801規定の試験用ふるいのうち、呼び寸法が300μm、250μm、180μm、150μm、106μmおよび75μmのふるいをロータップ型ふるい分け装置に取り付け、最上段に樹脂試料100gを静かに入れて、10分間振とう後、各ふるい上に残った試料の質量を測定し、下記に示す総質量(100g)に対する百分率(イ〜ヘ)を求めた。求めた各ふるいの篩上率および篩下率に基づき、累積頻度50%の粒径を計算して、平均粒径とした。
イ:呼び寸法250μmのふるいでの篩上率(質量%)
ロ:呼び寸法180μmのふるいでの篩上率(質量%)
ハ:呼び寸法150μmのふるいでの篩上率(質量%)
ニ:呼び寸法106μmのふるいでの篩上率(質量%)
ホ:呼び寸法75μmのふるいでの篩上率(質量%)
ヘ:呼び寸法75μmのふるいでの篩下率(質量%)
本発明の変性ポリビニルアルコール(実施例1〜4)は、主鎖に不飽和二重結合を導入しただけのポリビニルアルコール(比較例1〜2)よりも、ポリ塩化ビニル粉体の平均粒径を小さくして、見掛け密度を高くする効果が認められた。

Claims (3)

  1. 分子主鎖中に一般式(化1)で表される結合単位を0.1〜50モル%と、分子側鎖に長鎖ビニルエステル、長鎖アクリル酸エステル、長鎖ビニルエーテルから選ばれる少なくとも一種の化合物由来の疎水基を有する単位を0.05〜10モル%と、ビニルアルコール単位を40〜99.85モル%有する、ケン化度70モル%以上80モル%未満の変性ポリビニルアルコールであり、
    長鎖ビニルエステルが一般式(化2)で表されるものであり、
    長鎖アクリル酸エステルがアクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルから選ばれるものであり、
    長鎖ビニルエーテルがビニルドデシルエーテル、ビニルオクタデシルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニルプロピオネート、ビニルステアレートシクロヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、イソアミルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、イソオクチルビニルエーテルから選ばれるものである変性ポリビニルアルコール。
    Figure 0005171696
    (式中、X1とX2は、炭素数1〜12の低級アルキル基、水素原子または金属塩を表す。gは、0〜3の整数を表す。hは、0〜12の整数を表す。Y1は、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸金属塩または水素原子を表す。)
    Figure 0005171696
    (式中、Rは、炭素数8〜20のアルキル基を表す。)
  2. ケン化度が70モル%以上72.6モル%以下であることを特徴とする請求項1記載の変性ポリビニルアルコール。
  3. マレイン酸ジメチルと、酢酸ビニルと、長鎖ビニルエステルまたは長鎖ビニルエーテルまたは長鎖アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一種のモノマーを連続的に添加して共重合させた後に、ケン化させて、洗浄、乾燥を行う変性ポリビニルアルコールの製造方法であり、
    長鎖ビニルエステルが一般式(化2)で表されるものであり、
    長鎖アクリル酸エステルがアクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルから選ばれるものであり、
    長鎖ビニルエーテルがビニルドデシルエーテル、ビニルオクタデシルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニルプロピオネート、ビニルステアレートシクロヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、イソアミルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、イソオクチルビニルエーテルから選ばれるものである変性ポリビニルアルコールの製造方法。
    Figure 0005171696
    (式中、Rは、炭素数8〜20のアルキル基を表す。)
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