JP3696541B2 - 複合樹脂エマルジョンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョンにエチレン性不飽和単量体を添加し重合して得られる複合樹脂エマルジョンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン−ビニルエステル共重合体にポリビニルアルコールなどの水溶性保護コロイドを加えた乳化重合品は、一般的にエチレン−酢ビ(以下、「EVA」と称する。)エマルジョンと呼称され、優れた初期接着性、安定性、作業性を示す。特に酢酸ビニル系エマルジョンと比較すると、耐熱性、強靭性に特長を有しており、接着剤分野でのベースエマルジョンとして汎用的な地位を確立している。一方、汎用樹脂エマルジョンである(メタ)アクリル系エマルジョンとの比較ではEVAエマルジョンは耐久性と親水性が強いため耐水性が劣り、又ポリマーのハード化、ソフト化の自由度が低いといった問題点を有している。
【0003】
ところで、最近、接着する対象の拡大と共に、接着性能レベルをさらに向上する必要も生じてきている。例えば、構造用接着剤用途においては、更に高度な耐久性、初期接着性、接着強度、耐水性等が要求されるようになってきた。
【0004】
これに対し、特開平5−78643号公報に、(メタ)アクリル酸エステルのガラス転移温度が50℃未満で、1級水酸基含有エチレン性不飽和単量体を1%以上のEVAと(メタ)アクリル酸重合体との複合樹脂エマルジョンが開示されている。この複合樹脂エマルジョンは、初期接着性に優れ、接着強度及び耐水性が向上するという特徴を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の複合樹脂エマルジョンは、EVAの存在下に(メタ)アクリル酸エステルを重合する際に、水溶性重合開始剤を用いているため、(メタ)アクリル酸エステル重合体のみからなる粒子が新たに発生し、また、それが一部凝集して重合時の安定性や、得られる複合樹脂エマルジョンの物性が安定せず、十分な初期接着性、接着強度及び耐水性が得られない場合がある。
【0006】
そこで、この発明は、重合安定性に優れ、かつ均一に分散した複合樹脂エマルジョンを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ガラス転移温度(以下、「Tg」と略する。)−30〜10℃のエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)の存在下でエチレン性不飽和単量体(B)を重合する複合樹脂エマルジョンの製造方法において、上記エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)は、部分ケン化ポリ酢酸ビニル系乳化剤を含有し、上記エチレン性不飽和単量体(B)は、それを単独重合して得られるエチレン性重合体のガラス転移温度が30〜120℃のものであり、上記のエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中の重合体とエチレン性不飽和単量体(B)との混合比を、(A)/(B)=9/1〜5/5とし、上記エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中の重合体に含まれるビニルエステル単位を100重量部としたとき、該重合体に含まれるエチレン単位をα重量部、上記重合において、重合反応終了時の重合反応液中に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニル系乳化剤の量をβ重量部、上記エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中の重合体及びエチレン性不飽和単量体(B)の合計量に対するエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中の重合体の重量分率をγとしたとき、下記式(1)を満たし、
2(100−α)/γβ2 <10 (1)
上記重合に際して重合開始剤として油溶性重合開始剤を使用し、かつ、この重合開始剤を上記エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)に添加・分散した後に、上記エチレン性不飽和単量体(B)を添加して重合を開始することにより、上記の課題を解決したのである。
【0008】
酢酸ビニル系乳化剤を含有するエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)に、油溶性重合開始剤を添加・分散した後に、エチレン性不飽和単量体(B)を添加して重合を開始するので、得られるエチレン性重合体をエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中で均一に分散させることができ、均一な複合樹脂エマルジョンを得ることができる。
【0009】
また、重合開始剤として油溶性重合開始剤を用い、これをエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)に添加・分散させるので、このエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中の重合体の粒子中でエチレン性不飽和単量体(B)の重合が進行し、親水性重合開始剤を用いた場合に比べて、エチレン性不飽和単量体(B)の単独重合体・単独粒子の生成が抑えられ、エマルジョン中の粒子の均質性・均一性が確保される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を説明する。
この発明は、エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)(以下、「共重合体エマルジョン(A)」と称する。)の存在下でエチレン性不飽和単量体(B)(以下、「単量体(B)」と称する。)を重合する複合樹脂エマルジョンの製造方法に関する。
【0011】
上記共重合体エマルジョン(A)は、エチレン単位とビニルエステル単位からなる重合体を含む共重合体エマルジョンである。上記エチレン単位としては、エチレンがあげられる。
【0012】
また、上記ビニルエステル単位としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、炭素数8〜10の3級カルボン酸のビニルエステル、いわゆるバーサチック酸ビニル(例えばシェル化学社製、商品名:Veova10)等のアルキル酸ビニルエステルなどがあげられる。ビニルエステル単位のなかでも酢酸ビニルが好ましい。ビニルエステル単位として酢酸ビニルを用いた場合、共重合体エマルジョン(A)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」と略する。)エマルジョンとなる。
【0013】
上記共重合体エマルジョン(A)中の重合体におけるエチレン単位とビニルエステル単位との重量比率は、ビニルステル単位を100重量部としたとき、この重合体に含まれるエチレン単位は、5〜70重量部がよく、10〜50重量部が好ましい。エチレン単位が5重量部未満の場合は初期接着性、耐水性が低下する場合があり、70重量部を超える場合は接着強度が悪化する場合がある。
【0014】
上記共重合体エマルジョン(A)中の重合体の単量体単位としてエチレン単位、ビニルエステル単位の他にこれらと共重合可能な単量体単位を含有してもよい。この単量体単位としては、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル、少量のカルボキシル基やアミド基等の官能基を持つ単量体、(メタ)アクリル酸エステル等があげられる。
【0015】
上記共重合体エマルジョン(A)中のエチレン−ビニルエステル共重合体のTgは、−30〜10℃である。Tgが−30℃以上とすることで、初期接着性、耐熱性及び耐水性が向上するので好ましい。一方Tgが10℃以下とすることで、成膜性が改良され接着強度が向上するので好ましい。
【0016】
共重合体エマルジョン(A)は、通常、上記のエチレン単位、ビニルエステル単位を構成する単量体を乳化重合することによって製造することができる。
【0017】
上記乳化重合に使用される乳化剤としては、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子化合物、部分ケン化或いは完全ケン化されたポリ酢酸ビニル系乳化剤等の保護コロイド等があげられる。本発明においては、上記部分ケン化ポリ酢酸ビニル系乳化剤を用いる。この部分ケン化ポリ酢酸ビニル系乳化剤の中でも、平均重合度が100〜3000程度、平均ケン化度が80〜98モル%の割合で部分ケン化されたものがより好ましい。
【0018】
この乳化剤の使用量は、上記のエチレン単位、ビニルエステル単位を構成する単量体の合計量100重量部に対し、0.5〜10重量部がよく、1〜8重量部が好ましい。
また、上記乳化重合にノニオン系界面活性剤を併用する場合は、上記単量体の合計量100重量部に対し、10重量部以下が好ましく、6重量部以下がより好ましい。上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等があげられる。
【0019】
上記共重合体エマルジョン(A)の製造方法としては、耐圧容器にイオン交換水及び乳化剤を仕込み、ビニルエステル系単量体、及び必要に応じて、エチレンと共重合可能な単量体を添加して乳化液を調製する。次に、窒素雰囲気とした後、30〜80℃程度、エチレン圧力0.5〜15MPa程度に調整し、重合触媒として過硫酸塩、過酸化水素水などの過酸化物、亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどの還元剤を添加して重合する方法等があげられる。
【0020】
上記共重合体エマルジョン(A)の具体例としては、スミカフレックス400、401、305、455、500、510、700、751、900(以上、住友化学(株)製)、バンフレックスOM−4000、OM−4200(以上、(株)クラレ製)、ポリゾールEVA AD−2、AD−3、AD−4、AD−5、AD−51、AD−56、AD−59、P−900(以上、昭和高分子(株)製)、デンカEVAテックス #20、#30、#40M、#60、#81、#82(以上、電気化学工業(株)製)等、市販のエチレン−ビニルエステル共重合体の水性エマルジョンをそのまま使用してもよい。
【0021】
上記単量体(B)は、上記の共重合体エマルジョン(A)に添加し、重合して複合樹脂エマルジョンを製造するために使用される。
上記単量体(B)としては、(メタ)アクリル酸エステル、上記のビニルエステル単位と称されたビニル化合物、芳香族ビニル、不飽和ニトリル、アクリルアミド類、アリル化合物、(メタ)アクリル酸、α、β−不飽和ジカルボン酸類等があげられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステルを用いるのが好ましく、上記単量体(B)中に(メタ)アクリル酸エステルが20重量%以上含まれるのが特に好ましい。(メタ)アクリル酸エステルが20重量%未満だと、接着性が不足する場合がある。なお、上記単量体(B)中の(メタ)アクリル酸エステルの含有量の特に好ましい範囲の上限は100重量%である。
【0022】
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等があげられる。この中でもメタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルがより好ましい。なお、上記の(メタ)アクリル系とは、アクリル系又はメタクリル系を意味する。
【0023】
上記の(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体(B)としては、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なものが好ましく、芳香族ビニル、(メタ)アクリル酸がより好ましく、とりわけスチレンが好適である。
【0024】
また、上記単量体(B)として、上記以外にアリルアルコール、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル、α、β−不飽和カルボン酸のN−アルキロールアミド類(N−メチロールアクリルアミド等)等の1級水酸基含有エチレン性不飽和単量体を用いることができる。この1級水酸基含有エチレン性不飽和単量体の使用量は、単量体(B)の固形分重量に対し、1重量%以下がよく、0.1重量%以下が好ましい。この範囲とすることにより、耐水性を向上させることができる。
【0025】
上記単量体(B)として、これを単独重合して得られる重合体のガラス転移温度が30℃〜120℃のものを使用する。このガラス転移温度の好ましい範囲は、45℃〜110℃であり、より好ましい範囲は、50℃〜100℃である。これらの範囲を満たすと、耐熱性、耐水性が向上する傾向にあるので好ましい。ガラス転移温度を高くするためには、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸低級アルキルエステルやスチレンなどの使用量を多くすればよい。なお、上記単量体(B)を二種類以上組み合わせて用いる場合のガラス転移温度は、各単量体の単独重合体のガラス転移温度から、FOXの式により求めることができる。
【0026】
上記の複合エマルジョンの製造方法としては、共重合体エマルジョン(A)の存在下、窒素雰囲気で50〜80℃に昇温し、重合触媒として油溶性の重合開始剤、及び必要に応じて、ロンガリットや亜硫酸塩等の還元剤を添加して単量体(B)のエチレン性不飽和単量体、及び必要に応じて共重合可能な単量体を添加して重合する方法があげられる。
【0027】
重合触媒として用いる油溶性重合開始剤としては、有機過酸化物やアゾ化合物等が用いられるが、その中でも油溶性アゾ化合物の使用が好ましい。この油溶性アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などがあげられる。開始剤の使用量は単量体(B)の全量に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%程度とすれば良い。重合反応時間は通常1〜8時間、好ましくは2〜5時間程度とすればよい。又必要に応じて部分ケン化ポリ酢酸ビニルを共重合体エマルジョン(A)に追添加することもできる。
【0028】
上記共重合体エマルジョン(A)中の重合体と、添加される単量体(B)との混合比(重量比)としては、通常、(A)/(B)として、9/1〜5/5であり、好ましくは8/2〜6/4の範囲である。重量比率が9/1より単量体(B)が少ないと、耐熱性や耐水性が劣る傾向となる。一方、5/5より単量体(B)が多い場合は、初期接着性が低下することがある。
【0029】
上記共重合体エマルジョン(A)中の重合体に含まれるビニルエステル単位を100重量部としたときの、該重合体に含まれるエチレン単位をα重量部、上記重合において、重合反応終了時の重合反応液中に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニル系乳化剤の量をβ重量部、上記共重合体エマルジョン(A)中の重合体及び単量体(B)の合計量に対する共重合体エマルジョン(A)中の重合体の重量分率をγとしたとき、下記式(1)を満たす。
2(100−α)/γβ2 <10 (1)
この条件を満たすことにより、得られる複合樹脂エマルジョンの重合安定性をより向上させることができる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における「部」及び「%」は、特に断らない限り重量基準を意味する。
まず実施例及び比較例で行った試験及び評価方法について説明する。
<ガラス転移温度>
共重合物のガラス転移温度は、単量体の単独重合体のガラス転移温度から、FOXの式により求めた。なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて常法により測定することもできる。
<重合安定性>
重合反応工程での凝集物の発生、得られた複合エマルジョンの外観、粘度の状態から判断した。
○:全体的に良好
×:凝集・固化した
<粘度>
ブルックフィールド型BH型回転粘度計((株)トキメック製)を用いて、23℃で、No.3ロータ、10rpmにて測定した。
【0031】
(実施例1)
耐圧容器に、水に酢酸ビニル100部、PVA(重合度800、ケン化度88%)5部、硫酸第一鉄七水和物0.002部、酢酸ナトリウム0.06部および酢酸0.1部を溶解した溶液を添加した。次に、耐圧容器内を窒素ガスで置換し、容器内を50℃まで昇温した後、エチレンで5MPaまで加圧し、過硫酸ナトリウム0.138部を含む水溶液とロンガリット0.375部を含む水溶液とを耐圧容器にほぼ連続的に添加して重合を開始させ、さらに容器内の液温を50℃に維持して5時間重合を続けた。耐圧容器を冷却し、未反応のエチレンガスを除去した後、生成物を取り出した。酢酸ビニル単位100部に対してエチレン単位22部、固形分が55%、粘度1200mPa.s、ガラス転移温度(Tg)0℃のエチレン・酢酸ビニル(重合体A)を含有するエマルジョンを得た。
【0032】
次に攪拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた反応容器に、得られた共重合体エマルジョン(A)100部(これに含まれる重合体55部)と水10部を仕込み、攪拌しながら75℃に昇温し、アゾ系触媒2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)(大塚化学(株)製ADVN)0.028部を添加した。次いでメチルメタクリレート(以下,MMA)/ブチルアクリレ−ト(以下、BA)=76/24の重量比率で混合した単量体(B)混合液13.8部を滴下ロートにて、上記反応容器内に2時間かけて連続滴下して重合反応を行った。この間、温度は75℃に保ち、単量体滴下終了後は80℃に昇温し、更に3時間熟成反応を行った。反応容器を冷却してTg50℃の単量体(B)を重合した固形分56.4%、粘度2330mPa.sの複合エマルジョンを得た。
【0033】
(実施例2〜5、比較例1,2)
表1に記載の配合量で、実施例1に準じて複合エマルジョンを製造した。
【0034】
【表1】
Figure 0003696541
【0035】
なお、表1における略称は、下記の意である。
PVA:部分ケン化ポリ酢酸ビニル(平均重合度800、ケン化度88%)
MMA:メタクリル酸メチル(単独重合体のTg105℃)
BA :アクリル酸n−ブチル(単独重合体のTg−52℃)
St :スチレン(単独重合体のTg100℃)
尚、Tgはエマルジョン工業会の所定値を用いた。また、「−」は、重合中に系が凝集・固化したため測定できなかったものである。
【0036】
【発明の効果】
この発明にかかる複合樹脂エマルジョンの製造方法は、酢酸ビニル系乳化剤を含有するエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)に、油溶性重合開始剤を添加・分散した後に、エチレン性不飽和単量体(B)を添加して重合を開始するので、得られるエチレン性重合体をエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中で均一に分散させることができ、均一な複合樹脂エマルジョンを得ることができる。
【0037】
また、重合開始剤として油溶性重合開始剤を用い、これをエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)に添加・分散させるので、このエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)の粒子中でエチレン性不飽和単量体(B)の重合が進行し、エチレン性不飽和単量体(B)の単独重合体や単独粒子の生成が抑えられ、エマルジョン中の粒子の均質性・均一性が確保され、重合安定性や接着性を向上させることができる。
【0038】
さらに、エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)やエチレン性不飽和単量体(B)、油溶性重合開始剤等の使用量と、乳化剤である部分ケン化ポリ作酸ビニルの量とが特定の関係式を満足するように調整することにより、重合安定性を著しく向上させることができる。

Claims (3)

  1. ガラス転移温度−30〜10℃のエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)の存在下でエチレン性不飽和単量体(B)を重合する複合樹脂エマルジョンの製造方法において、
    上記エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)は、平均重合度100〜3000、平均ケン化度が80〜98モル%の部分ケン化ポリ酢酸ビニル系乳化剤を含有し、
    上記エチレン性不飽和単量体(B)は、それを単独重合して得られるエチレン性重合体のガラス転移温度が30〜120℃のものであり、
    上記のエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中の重合体と、エチレン性不飽和単量体(B)との混合比を、(A)/(B)=9/1〜5/5とし、
    上記エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中の重合体に含まれるビニルエステル単位を100重量部としたとき、該重合体に含まれるエチレン単位をα重量部、上記重合において、重合反応終了時の重合反応液中に含まれる部分ケン化ポリ酢酸ビニル系乳化剤の量をβ重量部、上記エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中の重合体及びエチレン性不飽和単量体(B)の合計量に対するエチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中の重合体の重量分率をγとしたとき、下記式(1)を満たし、
    2(100−α)/γβ <10 (1)
    上記重合に際して重合開始剤として油溶性重合開始剤を使用し、かつ、この重合開始剤を上記エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)に添加・分散した後に、上記エチレン性不飽和単量体(B)を添加して重合を開始する複合樹脂エマルジョンの製造方法によって製造される接着剤
  2. 上記エチレン−ビニルエステル共重合体エマルジョン(A)中の重合体に含まれるビニルエステル単位を100重量部としたとき、該重合体に含まれるエチレン単位が5〜70重量部である請求項1に記載の接着剤
  3. 上記エチレン性不飽和単量体(B)中に、(メタ)アクリル酸エステル系単量体が、20重量%以上含有されている請求項1又は2に記載の接着剤
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