JP3898073B2 - アルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法 - Google Patents

アルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
増粘剤等に好適に使用され、低乳化剤量でかつ高酸価のアルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カルボキシル基を多く持つポリマーを含有したエマルションは、水に分散されているポリマー粒子が、アルカリの添加により溶解または、膨潤して著しく増粘する。このことを応用して、従来、アルカリ可溶性エマルションは粘性改良剤、ゲル化剤、チクソトロピー添加剤等として水系の塗料、紙の塗工液、水性インク等の用途に利用されている。
【0003】
このアルカリ可溶性エマルションは、一般に、アクリル酸エチルを主成分としておりこれに、メタクリル酸を5質量%以上共重合し、乳化重合にて製造されている。メタクリル酸とアクリル酸エチルを主成分とすることは、乳化重合時の安定性とエマルションポリマーのアルカリ可溶性とが優れるためで、乳化重合の工程としては、重合性単量体滴下やプレエマルション滴下法により、固形分20〜40質量%程度のものが製造され販売されている。また、メタクリル酸の使用量も増粘性と重合安定性のバランスから、20〜50質量%のものが一般的である。さらに乳化剤の使用量も、重合安定性を向上・維持する目的から、全重合性単量体100質量部に対して3〜10質量部のものが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の組成では、アルカリ添加による溶解性や溶解速度、増粘性に限界があるため、アクリル酸エチルより更に親水性の高い重合性単量体に一部又は全量、変更して共重合したり、メタクリル酸の量を増やすこと等が考えられている。一方、乳化剤については、ポリマー粒子がアルカリ添加によって溶解または膨潤した際に遊離し、例えば塗料用途においては、発泡により塗膜に斑が発生したりレベリング性が低下する等の悪影響があるため、その使用量を低減することが考えられる。しかし、これらの変更を行うと一般に重合安定性が損なわれ、凝集物の大量発生や、最悪の場合、重合系全体が固まってしまう。このため高固形分化が難しく、重合できたとしても固形分10質量%程度の低固形分のものしかできないため、商業的に流通させるには問題が多い。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決するために、鋭意検討を行った。
【0006】
その結果、主成分として、親水性が高い重合性単量体成分、具体的には、カルボキシル基含有重合性単量体と、20℃の水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性重合性単量体とを含む単量体成分を乳化重合し、アルカリ可溶性ポリマー水分散体を製造する方法において、強酸基含有重合性単量体と連鎖移動剤とを乳化重合の初期重合工程時に集中的に配合することによって、さらに好ましくは、その初期重合反応液中の重合性単量体濃度を5〜45質量%とし、滴下工程においてもプレエマルション作成時の水の量を多くし、重合性単量体濃度を50質量%以下にして滴下することによって、乳化重合時の安定性を著しく向上させることができることを見出した。さらに、上記の方法が、乳化剤量を全重合性単量体100質量部に対して2質量部以下にまで低減した場合においても、乳化重合時の安定性向上に有効であることを見出した。
【0007】
この方法を用いることで、従来では難しかった、上記組成のポリマー水分散体が、固形分30質量%以上という高濃度で製造することが可能となった。ただし、上記組成のポリマーは、水溶性が高ければ、水分散体とはなり得ないため、そのポリマーの20℃における水への溶解度が10質量%以上となるようなものは、事実上乳化重合ができない。
【0008】
即ち本発明は、カルボキシル基含有重合性単量体、20℃の水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性重合性単量体、及び、強酸基含有重合性単量体を必須成分とする重合性単量体成分を乳化重合し、20℃の水への溶解度が10質量%未満であるポリマーの水分散体を得る、アルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法であって、該カルボキシル基含有重合性単量体の量が全重合性単量体の10〜90質量%であり、該乳化重合は初期重合工程と滴下工程を含むものであり、該強酸基含有重合性単量体および連鎖移動剤を、乳化重合の初期重合工程で添加し、
a)該初期重合工程における該強酸基含有重合性単量体の使用量が全重合性単量体量の0.5〜10質量%であること
及び、
b)該初期重合工程における該連鎖移動剤の使用量が全重合性単量体量100質量部に対して0.0001〜1質量部であること
を特徴とする、アルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のアルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法は、重合性単量体成分全体の親水性が高く、乳化剤だけでは乳化活性が低下または不足し、乳化重合時の安定性が低下してしまうような場合に有効な製造方法である。すなわち本発明の製造方法においては、強酸基含有重合性単量体を特に初期重合工程時に集中させ、水に分散するポリマー自身に乳化安定効果を持たせたポリマーを作ることによって、これが核となり分散安定化に寄与する。また、初期重合中に強酸基を多く含む水溶性ポリマーも生成するため、これが、保護コロイド的な働きをする。更に、初期重合工程時に連鎖移動剤を使用することによって、水溶性ポリマーが多くなり、保護コロイド的な働きがより高くなる。これらの結果、乳化重合中のポリマー粒子の安定性が向上する。さらに本発明者らは、乳化重合中の滴下工程においても、プレエマルション中の重合性単量体濃度を低くすることにより重合系へのプレエマルション滴下の際のショックを軽減することが重合安定性を更に向上させることを見出した。
【0010】
本発明のアルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法で用いる、重合性単量体成分の一つである、カルボキシル基含有重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらカルボキシル基含有重合性単量体は、一種類のみが含まれていてもよく、また、二種類以上が含まれていてもよい。上記例示のカルボキシル基含有重合性単量体のうち、重合安定性とアルカリ可溶性のバランスが良好であるメタクリル酸が最も好ましい。
【0011】
20℃における水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性重合性単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、アクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、イソプロペニルオキサゾリン、ポリエチレングリコール(2−(1−プロペニル)−4−ノニル)フェニルエーテル、ポリエチレングリコール(2−(1−プロペニル))フェニルエーテル、ポリエチレングリコール2−プロペニルエーテル、ポリエチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、アリルアルコール、ポリオキシエチレンアリルエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら非イオン性重合性単量体は、一種類のみが含まれていてもよく、また、二種類以上が含まれていてもよい。上記例示の非イオン性重合性単量体のうち、共重合性と親水性のバランスが良好である(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体がより好ましく、その中でもアクリル酸メチルが最も好ましい。
【0012】
強酸基含有重合性単量体としては例えば、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸−3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸−4−スルホブチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、等の不飽和スルホン酸類、並びにそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスフェート、等の酸性リン酸エステル基含有重合性単量体;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら強酸基含有重合性単量体は、一種類のみが含まれていてもよく、二種類以上を併用するとより好ましい。上記例示の強酸基含有重合性単量体のうち、重合安定性が良好であるスルホン酸系が好ましく、更に、共重合性も良い、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸−3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸−4−スルホブチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、並びにそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩が特に好ましい。
【0013】
連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプト基含有化合物;四塩化炭素;イソプロピルアルコール;トルエン;等の連鎖移動係数の高い化合物が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら連鎖移動剤は、一種類のみが含まれていてもよく、また、二種類以上が含まれていてもよい。
【0014】
更に、上記重合性単量体以外に他の重合性単量体をポリマー自体のアルカリ可溶性が著しく低下しない範囲で共重合しても良い。他の重合性単量体としては例えば、メタクリル酸メチル;(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18のアルコール(環式アルコールを除く)とのエステルである(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、エチルビニルベンゼン、等のスチレン系重合性単量体;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、等のシクロヘキシル基含有重合性単量体;クロトン酸メチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、などの不飽和エステル類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1、3−ブタジエン、2−クロル−1、3−ブタジエン、などのジエン類;(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコールとのモノエステル;(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、等の塩基性重合性単量体類;ビニルフェノール、等の石炭酸系重合性単量体;(メタ)アクリル酸2−アジリジニルエチル、(メタ)アクリロイルアジリジン、等のアジリジン基含有重合性単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル、等のエポキシ基含有重合性単量体類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、等のケイ素原子に直結する加水分解性ケイ素基含有重合性単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、等のハロゲン含有重合性単量体;(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、等の多価アルコールとのエステル化物、等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸エステル類;ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有する多官能アリル化合物;(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メタリル、ジビニルベンゼン、等の多官能重合性単量体;トリアリルシアヌレート、等のシアヌレート類;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの重合性単量体は、一種類のみが含まれていてもよく、また、二種類以上が含まれていてもよい。
【0015】
これらの重合性単量体を共重合したポリマーが、安定な水分散体として存在するには、20℃における水への溶解度が、10質量%未満でなければならない。溶解度が10質量%以上となるポリマーは、安定な水分散体状態として存在できないため、本発明の製造方法を用いても、安定に乳化重合できない。
【0016】
本発明の製造方法においては、上記重合性単量体を必須成分とし、該カルボキシル基含有重合性単量体の量が全重合性単量体の10〜90質量%である重合性単量体成分を乳化重合して、20℃の水への溶解度が10質量%未満であるアルカリ可溶性ポリマー水分散体を製造するにあたり、該強酸基含有重合性単量体および連鎖移動剤を、乳化重合の初期重合工程で添加し、該初期重合工程における該強酸基含有重合性単量体の使用量が、全重合性単量体量の0.5〜10質量%とする、及び、該初期重合工程における該連鎖移動剤の使用量が、全重合性単量体量100質量部に対して0.0001〜1質量部とする、ことによって安定に重合を行い、固形分をできるだけ高くする。
【0017】
なお、ここで言う初期重合とは、本発明の乳化重合方法を大きく初期重合工程、滴下工程、熟成工程の3段階の工程に分けた場合の最初の工程のことで、水又は、乳化剤水溶液の仕込まれた初期の釜に一定量の重合性単量体を一括して投入し、一定時間重合を行うものである。この工程は、乳化重合における粒子数、粒子径、安定性に大きな影響を与える重要な工程である。通常、初期重合工程における重合性単量体の組成は、如何なる組成もとりうるが、一般に滴下工程の重合性単量体の組成に近いことが多い。
【0018】
本発明の製法は、上記初期重合工程において強酸基含有重合性単量体と連鎖移動剤とを集中的に添加する、すなわち、該初期重合工程における該強酸基含有重合性単量体の使用量が、全重合性単量体量の0.5〜10質量%とする、及び、該初期重合工程における該連鎖移動剤の使用量が、全重合性単量体量100質量部に対して0.0001〜1質量部とする、ことを特徴とする。
【0019】
初期重合工程において、重合性単量体に一定量の強酸基含有重合性単量体を添加することにより、初期重合時に生成するポリマー粒子に強酸基を多く導入する。これにより、粒子同士の反発力を高め、また、強酸基含有重合性単量体は水溶性が高いため一部水溶性ポリマーを生成し、それが保護コロイドとして働くため、それ以降の乳化重合安定性を改良するものと考えられる。更に、初期重合工程において連鎖移動剤を使用することによって、水溶性ポリマーが多くなり、保護コロイド的な働きがより高くなる。このような理由によって、乳化重合全体の安定性が大きく向上すると考えられる。
【0020】
この初期重合工程における重合反応液中の重合性単量体濃度は、5〜45質量%とするのがよく、8〜35質量%がより好ましく、10〜25質量%が更に好ましい。初期重合反応液濃度が5質量%未満の場合は、最終的に得ようとするエマルションの固形分を30質量%以上とするためには、滴下工程で使用するプレエマルション濃度を50質量%を超えるものにしなければならず、滴下時にショックを起こし凝集物を発生する可能性がある。また、初期重合反応液濃度が45質量%を超えると、初期重合時の発熱が著しく、反応温度を制御することが非常に困難となる。
【0021】
本発明の重合体におけるカルボキシル基含有重合性単量体の共重合量については、10〜90質量%である必要があり、35〜90質量%が好ましく、40〜85質量%がより好ましく、50〜80質量%が更に好ましい。カルボキシル基含有重合性単量体の共重合量が10質量%未満では、重合安定性は向上するが、アルカリ溶解性、増粘性は低下する。また、90質量%を超えると、重合安定性が著しく低下すると共に、20℃の水に対するポリマーの溶解度が、10質量%以上となる場合が多くなり、水分散体として存在できなくなる。すなわち本発明の重合性単量体成分中の、カルボキシル基含有重合性単量体の量は、全重合性単量体の10〜90質量%である必要があり、35〜90質量%が好ましく、40〜85質量%がより好ましく、50〜80質量%が更に好ましい。
【0022】
20℃における水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性重合性単量体の共重合量は、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。60質量%以下では、アルカリ可溶性が良好となる点で好ましい。非イオン性重合性単量体の共重合量が5質量%未満の場合は、本発明の製造方法を用いなくてもそのような組成のエマルションは一般的な方法で製造できる。すなわち本発明の重合性単量体成分中の、20℃における水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性重合性単量体の量は、全重合性単量体の5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。
【0023】
強酸基含有重合性単量体の使用量は、全重合性単量体量の0.5〜10質量%である必要があり、1〜7質量%がより好ましい。強酸基含有重合性単量体の使用量が0.5質量%未満であると重合安定性を向上させる効果が低く、10質量%を超える場合は、水溶性ポリマーが多くできるため、エマルション自体の粘度が上がり、ハンドリング性が悪くなるので好ましくない。また、増粘性を担う成分が減少するため、増粘性が低下してしまう。すなわち本発明の重合性単量体成分中の、強酸基含有重合性単量体の量は、全重合性単量体の0.5〜10質量%である必要があり、1〜7質量%がより好ましい。
【0024】
その他の重合性単量体の共重合量については0〜30質量%が好ましく、30質量%以下とすることで、アルカリ溶解性が良好となる。すなわち本発明の重合性単量体成分中の、その他の重合性単量体の量は、全重合性単量体の0〜30質量%が好ましい。
【0025】
初期重合工程において添加される連鎖移動剤の使用量は、全重合性単量体100質量部に対して0.0001〜1質量部である必要があり、0.001〜0.1質量部が好ましく、0.003〜0.07質量部がより好ましい。連鎖移動剤の使用量が全重合性単量体100質量部に対して0.0001質量部未満であると、保護コロイドとして働く水溶性ポリマーが少なく、エマルション粒子の安定性が低下し、1質量%を超える場合は、重合安定性を向上させる効果が低下して、凝集物が多く発生したりエマルション粒子が沈降する恐れがあるので好ましくない。すなわち、本発明の製造方法において、主成分として、親水性が高い重合性単量体成分、具体的には、カルボキシル基含有重合性単量体と、20℃の水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性重合性単量体とを含む単量体成分を、安定にかつ高固形分で乳化重合するためには、該初期重合工程において保護コロイドとして働く水溶性ポリマーを多く生成させることが重要であり、この目的で、該連鎖移動剤は該初期重合工程において添加される。なお、連鎖移動剤については、エマルション粒子を形成するポリマーの分子量を調節する目的として、別途、滴下工程において用いることもできる。
【0026】
本発明の乳化重合に用いられる重合開始剤は、熱または酸化還元反応によって分解し、ラジカル分子を発生させる化合物であればよく、水溶性を備えた重合開始剤が好ましい。該重合開始剤としては、具体的には、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;2,2’アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’アゾビス−(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過酸化水素等の熱分解性開始剤;過酸化水素およびアスコルビン酸、t−ブチルハイドロパーオキサイドおよびロンガリット、過硫酸カリウムおよび金属塩、過硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素ナトリウム、等の組み合わせからなるレドックス系重合開始剤;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら重合開始剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。尚、重合開始剤の使用量は、重合性単量体成分の組成や重合条件等に応じて適宜設定すればよい。
【0027】
本発明の乳化重合に用いる乳化剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、或いはこれらの反応性界面活性剤等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら乳化剤は、必要に応じて、一種類を用いてもよく、また、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
乳化剤の使用量は、全重合性単量体100質量部に対して2質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下がさらに好ましい。乳化剤の使用量が全重合性単量体100質量部に対して2質量部を超える場合は、重合安定性は向上するが、使用時の発泡を促し作業性や物性を低下させるので好ましくない。
【0029】
アニオン系界面活性剤としては、具体的には、例えば、カリウムドデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェート、アンモニウムラウリルサルフェート等のアルキル硫酸エステル塩;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート等のポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン置換フェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩;アルキルアリルポリエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンアルケニルアリールサルフェート塩、α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン塩等の、不飽和基を有する反応性アニオン乳化剤;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらアニオン系界面活性剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0030】
ノニオン系界面活性剤としては、具体的には、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセロールモノラウレート、ソルビタン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等の脂肪族と多価アルコールのエステル;ポリオキシエチレン、オキシエチレンオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級アルコール・ポリエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸モノエステル・ポリエチレングリコール縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルグリセリンホウ酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミドまたは酸との縮合生成物、アルキルアミド・ポリエチレングリコール縮合物、アルキルアミン・ポリエチレングリコール縮合物等のポリオキシエチレン鎖を分子内に有し、界面活性能を有する化合物;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらノニオン系界面活性剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0031】
高分子界面活性剤としては、具体的には、例えば、ポリビニルアルコールおよびその変性物;(メタ)アクリル酸系水溶性高分子、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート系水溶性高分子、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート系水溶性高分子(但し、本発明にかかる共重合体とは異なる高分子);ポリビニルピロリドン;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら高分子界面活性剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0032】
本発明のアルカリ可溶性エマルションの製造方法における乳化重合には、大きく分けて3段階の工程がある。その工程は、前述の初期重合工程、滴下重合工程、熟成工程で、滴下工程の滴下方法においては、モノマー滴下、プレエマルション滴下があり、特に制限はないが、プレエマルション滴下が好ましい。また、その滴下スケジュールにも、一括添加、均一滴下、多段滴下、パワーフィード等があるが、特に制限はない。
【0033】
本発明の製造方法で滴下されるプレエマルションとは、重合性単量体を、水又は乳化剤水溶液に加え、撹拌混合することにより予めプレ乳化した重合性単量体分散体を言う。このプレエマルションを初期重合後の反応系に滴下投入して行くわけであるが、この時のプレエマルション中の重合性単量体濃度は、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。プレエマルションの濃度を50質量%以下とする利点は、滴下時にショックを起こし凝集物を発生する可能性を小さくすることにある。なお、プレエマルションの濃度が低すぎると最終の固形分が低下するため、ショックを起こさない範囲で、できるだけプレエマルション中の重合性単量体濃度を上げることが好ましい。
【0034】
最終工程である熟成工程については、従来の方法に比べ特に特徴はないが、残存重合性単量体量が充分低減するまで行い、場合によっては、後添加触媒を加えることがある。
【0035】
反応温度や反応時間等の重合条件は、重合性単量体の組成や重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、反応温度は0〜100℃の範囲内であることがより好ましく、40〜95℃の範囲内であることがさらに好ましい。また、反応時間は初期重合工程、滴下工程、熟成工程全てを総合して1〜15時間程度が好適である。
【0036】
重合の安定性については、一般に、全重合工程を通じて発生する凝集物量が目安となり、該凝集物量は、全重合性単量体量に対して0.1質量%以下であることが好ましい。凝集物量が全重合性単量体量に対して0.1質量%を超えると、反応釜の汚れを引き起こしたり、場合によっては重合系全体が固まってしまう恐れがある。
【0037】
本発明の製造方法で得られたアルカリ可溶性ポリマー水分散体は、粘性改良剤、ゲル化剤、チクソトロピー添加剤等として、水系の塗料、紙の塗工液、水性インク等の用途に好適に用いられる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例に記載の「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。
【0039】
〔実施例1〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水179.0部と、強酸基含有重合性単量体としてスチレンスルホン酸ナトリウム11.9部とを仕込んだ。次いで、75℃まで攪拌しながら昇温しつつ、フラスコ内を窒素ガスで置換した。一方、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸179.4部と、20℃の水に対する溶解度が3%以上の非イオン性重合性単量体としてのアクリル酸メチル107.6部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)1.0部をイオン交換水482.9部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルション(重合性単量体濃度37.2%)を調製した。そして、該プレエマルションを滴下ロートに仕込んだ。
【0040】
次いで、フラスコ内の水溶液に、上記プレエマルションのうちの54.0部と、連鎖移動剤としての3−メルカプトプロピオン酸0.02部(すなわち、全重合性単量体100部に対して0.007部)を一括投入し、75℃で5分間攪拌した。続いて、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液14.0部をフラスコに投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートから残りのプレエマルション716.9部を2時間かけて滴下した。滴下ロートからの滴下終了後、イオン交換水10.2部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。さらに30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム14.0部を一括添加し、さらに60分間重合させた。得られた反応液を冷却して、重合を終了した。この時の固形分は、30.0%であり、使用重合性単量体に対する凝集物量は0.07%で、安定に重合できた。
【0041】
〔実施例2〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水192.7部と、強酸基含有重合性単量体としてスチレンスルホン酸ナトリウム11.9部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換した。一方、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸179.4部と、20℃の水に対する溶解度が3%以上の非イオン性重合性単量体としてのアクリル酸メチル107.6部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)1.0部をイオン交換水467.2部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルション(重合性単量体濃度38.0%)を調製した。該プレエマルションを滴下ロートに仕込んで、このうちの52.9部をフラスコ内の水溶液に投入し、75℃まで攪拌しながら昇温した。
【0042】
次いで、連鎖移動剤としての1%3−メルカプトプロピオン酸水溶液2.0部(すなわち、全重合性単量体100部に対して0.007部)をフラスコに一括投入し、続いて、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液14.0部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートから残りのプレエマルション702.3部を2時間かけて滴下した。滴下ロートからの滴下終了後、イオン交換水10.2部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。さらに30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム14.0部を一括添加し、さらに60分間重合させた。得られた反応液を冷却して、重合を終了した。この時の固形分は、30.0%であり、使用重合性単量体に対する凝集物量は0.08%で、安定に重合できた。
【0043】
〔実施例3〕
実施例2で、滴下工程におけるプレエマルションの滴下時間を3時間とした以外は、実施例2と同様にして重合させた。この時の固形分は、30.0%であり、使用重合性単量体に対する凝集物量は0.07%で、安定に重合できた。
【0044】
〔実施例4〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水161.3部と、強酸基含有重合性単量体としてスチレンスルホン酸ナトリウム10.0部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換した。一方、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸149.6部と、20℃の水に対する溶解度が3%以上の非イオン性重合性単量体としてのアクリル酸メチル89.7部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)0.8部をイオン交換水389.6部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルション(重合性単量体濃度38.0%)を調製した。該プレエマルションを滴下ロートに仕込んで、このうちの44.1部をフラスコ内の水溶液に投入し、75℃まで攪拌しながら昇温した。
【0045】
次いで、連鎖移動剤としての2%3−メルカプトプロピオン酸水溶液0.8部(すなわち、全重合性単量体100部に対して0.007部)をフラスコに一括投入し、続いて、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液11.7部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートから残りのプレエマルション585.6部を3時間かけて滴下した。滴下ロートからの滴下終了後、イオン交換水10.0部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。さらに30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム11.7部を一括添加し、さらに60分間重合させた。その後、30%ポリアクリル酸水溶液(株式会社日本触媒製,商品名;HL−415)164.8部を一括添加し、得られた反応液を冷却して、重合を終了した。この時の固形分は、30.0%であり、使用重合性単量体に対する凝集物量は0.05%で、安定に重合できた。
【0046】
〔実施例5〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水239.3部、強酸基含有重合性単量体としてのスチレンスルホン酸ナトリウム12.0部、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸28.7部、および、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)0.1部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換しつつ、75℃まで攪拌しながら昇温した。一方、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸150.6部と、20℃の水に対する溶解度が3%以上の非イオン性重合性単量体としてのアクリル酸メチル107.6部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)0.9部をイオン交換水420.5部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルション(重合性単量体濃度38.0%)を調製した。
【0047】
次いで、連鎖移動剤としての2%3−メルカプトプロピオン酸水溶液2.0部(すなわち、全重合性単量体100部に対して0.014部)をフラスコに一括投入し、続いて、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液14.0部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートからプレエマルション(679.6部)を3時間かけて滴下した。滴下ロートからの滴下終了後、イオン交換水10.3部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。さらに30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム14.0部を一括添加し、さらに60分間重合させた。得られた反応液を冷却して、重合を終了した。この時の固形分は、30.0%であり、使用重合性単量体に対する凝集物量は0.08%で、安定に重合できた。
【0048】
〔実施例6〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水186.0部と、強酸基含有重合性単量体としてスチレンスルホン酸ナトリウム8.8部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換した。一方、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸194.6部と、20℃の水に対する溶解度が3%以上の非イオン性重合性単量体としてのアクリル酸メチル91.4部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)14.7部をイオン交換水465.7部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルション(重合性単量体濃度37.3%)を調製した。該プレエマルションを滴下ロートに仕込んで、このうちの76.6部をフラスコ内の水溶液に投入し、75℃まで攪拌しながら昇温した。
【0049】
次いで、連鎖移動剤としての2%3−メルカプトプロピオン酸水溶液1.0部(すなわち、全重合性単量体100部に対して0.007部)をフラスコに一括投入し、続いて、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液13.8部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートから残りのプレエマルション689.8部を3時間かけて滴下した。滴下ロートからの滴下終了後、イオン交換水10.2部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。さらに30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム13.8部を一括添加し、さらに60分間重合させた。得られた反応液を冷却して、重合を終了した。この時の固形分は、30.0%であり、使用重合性単量体に対する凝集物量は0.04%で、安定に重合できた。
【0050】
〔実施例7〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水185.0部と、強酸基含有重合性単量体としてスチレンスルホン酸ナトリウム8.8部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換した。一方、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸193.6部と、20℃の水に対する溶解度が3%以上の非イオン性重合性単量体としてのアクリル酸メチル90.9部とを、40%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール1020SN)14.7部をイオン交換水468.3部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルション(重合性単量体濃度37.1%)を調製した。該プレエマルションを滴下ロートに仕込んで、このうちの76.8部をフラスコ内の水溶液に投入し、75℃まで攪拌しながら昇温した。
【0051】
次いで、連鎖移動剤としての2%3−メルカプトプロピオン酸水溶液1.0部(すなわち、全重合性単量体100部に対して0.007部)をフラスコに一括投入し、続いて、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液13.8部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートから残りのプレエマルション690.7部を3時間かけて滴下した。滴下ロートからの滴下終了後、イオン交換水10.1部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。さらに30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム13.8部を一括添加し、さらに60分間重合させた。得られた反応液を冷却して、重合を終了した。この時の固形分は、30.0%であり、使用重合性単量体に対する凝集物量は0.07%で、安定に重合できた。
【0052】
〔実施例8〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水185.0部と、強酸基含有重合性単量体としてスチレンスルホン酸ナトリウム8.8部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換した。一方、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸193.6部と、20℃の水に対する溶解度が3%以上の非イオン性重合性単量体としてのアクリル酸メチル90.9部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)9.8部と40%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール1020SN)7.3部をイオン交換水465.9部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルション(重合性単量体濃度37.1%)を調製した。該プレエマルションを滴下ロートに仕込んで、このうちの76.8部をフラスコ内の水溶液に投入し、75℃まで攪拌しながら昇温した。
【0053】
次いで、連鎖移動剤としての2%3−メルカプトプロピオン酸水溶液1.0部(すなわち、全重合性単量体100部に対して0.007部)をフラスコに一括投入し、続いて、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液13.8部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートから残りのプレエマルション690.7部を3時間かけて滴下した。滴下ロートからの滴下終了後、イオン交換水10.1部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。さらに30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム13.8部を一括添加し、さらに60分間重合させた。得られた反応液を冷却して、重合を終了した。この時の固形分は、30.0%であり、使用重合性単量体に対する凝集物量は0.04%で、安定に重合できた。
【0054】
〔実施例9〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水230.3部、強酸基含有重合性単量体としてのスチレンスルホン酸ナトリウム8.8部、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸28.5部、および、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)2.0部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換しつつ、75℃まで攪拌しながら昇温した。一方、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸176.9部と、20℃の水に対する溶解度が3%以上の非イオン性重合性単量体としてのアクリル酸メチル79.2部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)17.7部をイオン交換水416.9部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルション(重合性単量体濃度37.1%)を調製した。
【0055】
次いで、連鎖移動剤としての2%3−メルカプトプロピオン酸水溶液2.0部(すなわち、全重合性単量体100部に対して0.014部)をフラスコに一括投入し、続いて、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液13.8部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートからプレエマルション(690.7部)を3時間かけて滴下した。滴下ロートからの滴下終了後、イオン交換水10.1部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。さらに30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム13.8部を一括添加し、さらに60分間重合させた。得られた反応液を冷却して、重合を終了した。この時の固形分は、30.0%であり、使用重合性単量体に対する凝集物量は0.05%で、安定に重合できた。
【0056】
〔比較例1〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水194.7部と、強酸基含有重合性単量体としてスチレンスルホン酸ナトリウム11.9部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換した。一方、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸179.4部と、20℃の水に対する溶解度が3%以上の非イオン性重合性単量体としてのアクリル酸メチル107.6部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)1.0部をイオン交換水467.2部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルション(重合性単量体濃度38.0%)を調製した。該プレエマルションを滴下ロートに仕込んで、このうちの52.9部をフラスコ内の水溶液に投入し、75℃まで攪拌しながら昇温した。
【0057】
次いで、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液14.0部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートから残りのプレエマルション702.3部を2時間かけて滴下した。この間、フラスコの内壁や温度計の表面に凝集物の付着が見られた。滴下ロートからの滴下終了後、イオン交換水10.2部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。さらに30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム14.0部を一括添加し、さらに60分間重合させた。得られた反応液を冷却して、重合を終了した。この時の使用重合性単量体に対する凝集物量は0.5%で、安定に乳化重合ができなかった。
【0058】
〔比較例2〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水189.5部と、強酸基含有重合性単量体としてスチレンスルホン酸ナトリウム11.9部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換した。一方、カルボキシル基含有重合性単量体としてのメタクリル酸179.4部と、20℃の水に対する溶解度が3%以上の非イオン性重合性単量体としてのアクリル酸メチル102.5部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤株式会社製,商品名;ニューコール707SF)1.0部をイオン交換水467.2部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルション(重合性単量体濃度37.6%)を調製した。該プレエマルションを滴下ロートに仕込んで、このうちの52.5部をフラスコ内の水溶液に投入し、75℃まで攪拌しながら昇温した。
【0059】
次いで、連鎖移動剤としての50%3−メルカプトプロピオン酸水溶液10.3部(すなわち、全重合性単量体100部に対して1.753部)をフラスコに一括投入し、続いて、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液14.0部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートから残りのプレエマルション701.9部を、総滴下時間が2時間となるように滴下した。プレエマルション滴下開始10分後から凝集物が発生し始め、70分後に凝集物がかなり増加したため、滴下を中止した。よって、安定に乳化重合ができなかった。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、主成分として、親水性が高い重合性単量体成分、具体的には、カルボキシル基含有重合性単量体と、20℃の水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性重合性単量体とを含み、重合性単量体組成全体の親水性が高く、乳化剤だけでは乳化活性が低下または不足し、乳化重合時の安定性が低下してしまうような重合性単量体成分を乳化重合し、アルカリ可溶性ポリマー水分散体を安定に製造するための方法である。
【0061】
本発明の製造方法は、強酸基含有重合性単量体および連鎖移動剤を特に初期重合工程時に集中させ、分散するポリマー自身に乳化安定効果を持たせたポリマーを作ることによって、これが核となり分散安定化に寄与する。更に、初期重合中に強酸基を多く含む水溶性ポリマーも生成するため、これが、保護コロイド的な働きをする。更に、初期重合工程時に連鎖移動剤を使用することによって、水溶性ポリマーが多くなり、保護コロイド的な働きがより高くなる。これらの結果、乳化剤の使用量を全重合性単量体100質量部に対して2.0質量部以下にしても、乳化重合中のポリマー粒子の安定性が向上する。
【0062】
更に、その初期重合反応液中の重合性単量体濃度を5〜45質量%とし、乳化重合中の滴下工程においてもプレエマルション作成時の水の量を多くし、重合性単量体濃度を50質量%以下にして滴下することによって、重合系へのプレエマルション滴下の際のショックが軽減され、重合安定性がより向上する。これらの方法を用いることで、乳化重合時の安定性を著しく向上させることができ、従来では難しかった、上記組成のポリマー水分散体が、固形分30質量%以上という高濃度で製造することが可能となった。ただし、上記組成のポリマーは、水溶性が高ければ、水分散体とはなり得ないため、そのポリマーの20℃における水への溶解度が10質量%以上となるようなものは、事実上乳化重合ができない。

Claims (5)

  1. カルボキシル基含有重合性単量体、20℃の水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性重合性単量体、および、強酸基含有重合性単量体を必須成分とする重合性単量体成分を乳化重合し、20℃の水への溶解度が10質量%未満であるポリマーの水分散体を得る、アルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法であって、該カルボキシル基含有重合性単量体の量が全重合性単量体の10〜90質量%であり、該乳化重合は、初期重合工程と滴下工程を含むものであり、該強酸基含有重合性単量体および連鎖移動剤を、乳化重合の初期重合工程で添加し、該初期重合工程における該強酸基含有重合性単量体の使用量が全重合性単量体量の0.5〜10質量%であり、該初期重合工程における該連鎖移動剤の使用量が全重合性単量体100質量部に対して0.0001〜1質量部であることを特徴とする、アルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法。
  2. 上記重合性単量体成分が、(a)カルボキシル基含有重合性単量体10〜90質量%、(b)非イオン性重合性単量体5〜60質量%、(c)強酸基含有重合性単量体0.5〜10質量%、および(d)その他の重合性単量体0〜30質量%(ただし、a,b,c,dの合計は100質量%である)からなるものである、請求項1に記載のアルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法。
  3. 上記乳化重合の滴下工程において、重合性単量体濃度が50質量%以下のプレエマルションを滴下することを特徴とする、請求項1または2に記載のアルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法。
  4. 上記乳化重合において、使用する乳化剤の量が全重合性単量体100質量部に対して2質量部以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のアルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法。
  5. 上記初期重合工程において、初期重合反応液中の重合性単量体濃度が5〜45質量%であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法。
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