JP2001278905A - 重合体の水分散液の製造方法 - Google Patents

重合体の水分散液の製造方法

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JP2001278905A
JP2001278905A JP2000094287A JP2000094287A JP2001278905A JP 2001278905 A JP2001278905 A JP 2001278905A JP 2000094287 A JP2000094287 A JP 2000094287A JP 2000094287 A JP2000094287 A JP 2000094287A JP 2001278905 A JP2001278905 A JP 2001278905A
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aqueous dispersion
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monomer
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Sho Ryu
祥 劉
Tomomi Onitake
智美 鬼武
Toshihiro Inoue
利洋 井上
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合時に凝固物が発生せず、抑泡性に優れ、
かつ耐水性に優れたフィルムを与える重合体の水分散液
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリビニルアルコールの存在下でメタク
リル酸27重量%及びメタクリル酸メチル73重量%か
らなる単量体混合物を重合して得られたアルカリ可溶性
共重合体をアンモニアにより中和したアルカリ可溶性共
重合体の中和物70重量部の存在下で、単量体を重合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体の水分散液
の製造方法に関し、更に詳しくは抑泡性に優れ、かつ耐
水性に優れたフィルムを与える重合体の水分散液の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、重合体の水分散液は、乳化剤の存
在下、水媒体中で、単量体を重合して得られるが、水分
散液の抑泡性やフィルムの耐水性が低いという問題があ
る。この問題を解決するために、乳化剤に代えてアルカ
リ可溶性共重合体の中和物を使用することが提案されて
いる。アルカリ可溶性共重合体は、アルカリによって水
媒体において可溶となる共重合体であり、通常、塩基性
物質で中和して、水溶液として使用される。アルカリ可
溶性共重合体の製造方法としては、低級アルコールやケ
トン類等の有機溶媒中あるいはグリコール類と水との混
合溶媒中で重合する方法(例えば、特開昭57−108
103号、特開昭57−108113号、特開平3−2
69001号など)、ラウリル硫酸ナトリウム等の非重
合性乳化剤を溶解した水媒体中で乳化重合する方法(特
開平4−7309号公報)、ポリオキシエチレンアルキ
ルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウ
ム等の重合性乳化剤を溶解した水媒体中で乳化重合する
方法(特開平6−271779号公報)等が知られてい
る。
【0003】しかし、有機溶媒を用いて製造したアルカ
リ可溶性共重合体の中和物を分散安定化剤として使用し
た場合には、脱有機溶媒が不十分であると重合時の分散
安定性が低下して凝固物が発生し、また有機溶媒が連鎖
移動効果を示して重合を阻害することがあった。また、
非重合性乳化剤又は重合性乳化剤を用いて製造したアル
カリ可溶性共重合体の中和物を分散安定化剤として使用
した場合は、得られる重合体の水性分散液の抑泡性及び
該水性分散液を塗布して得られるフィルムの耐水性は、
ある程度改善されるものの未だ不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、重合時に凝固
物が発生せず、抑泡性に優れ、かつ耐水性に優れるフィ
ルムを与える重合体の水分散液が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題のない重合体の水分散液を得るべく、鋭意検討
した結果、特定の重合法により得られたアルカリ可溶性
共重合体の中和物を用いればよいことを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】かくして、本発明によれば、アルカリ可溶
性共重合体の中和物の存在下で、単量体を重合する重合
体の水分散液の製造方法であって、該アルカリ可溶性共
重合体が、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
の存在下でエチレン性不飽和カルボン酸単量体5〜80
重量%及びこれと共重合可能なその他の単量体20〜9
5重量%からなる単量体混合物を重合して得られるもの
であることを特徴とする重合体の水分散液の製造方法が
提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明の重合体の水分散液の製造方法は、特定のアルカ
リ可溶性共重合体の中和物の存在下に、単量体を重合す
ることを特徴とする。
【0008】本発明の製造方法において使用するアルカ
リ可溶性共重合体の中和物は、アルコール性水酸基含有
水溶性高分子化合物の存在下で、エチレン性不飽和カル
ボン酸単量体5〜80重量%及びこれと共重合可能なそ
の他の単量体20〜95重量%からなる単量体混合物を
重合して得られたアルカリ可溶性共重合体を塩基性物質
で中和することによって得られるものである。
【0009】アルカリ可溶性共重合体の製造に用いるア
ルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物は、水溶性高
分子化合物のうち、分子量1000当りにアルコール性
水酸基を5〜25個含有しているものをいい、例えば、
ポリビニルアルコール及びその各種変性物などのビニル
アルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタク
リル酸又は無水マレイン酸との共重合体のけん化物;ア
ルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ア
ルキルヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロース
誘導体;アルキル澱粉、カルボキシルメチル澱粉、酸化
澱粉などの澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴ
ム;ポリアルキレングリコールなどを挙げることができ
る。中でも、工業的に品質が安定したものを入手しやす
い点から、ビニルアルコール系重合体が好ましい。アル
コール性水酸基含有水溶性高分子化合物の分子量は、特
に限定されないが、通常1,000〜500,000、
好ましくは2,000〜300,000以上である。分
子量が1,000より小さいと、分散安定効果が低くな
り、逆に500,000より大きいとこれの存在下で重
合するときの粘度が高くなり、重合が困難になる。
【0010】アルカリ可溶性共重合体の製造に使用する
アルコール性水酸基含有水溶性高分子の量は、単量体1
00重量部に対して、通常、0.05部〜20重量部、
好ましくは1〜10重量部である。0.05重量部より
少ないと分散安定効果が低くなるので、重合時に凝集物
が発生し、逆に20重量部より多くなると、重合すると
きの粘度が高くなり、重合が困難になる。
【0011】アルカリ可溶性共重合体の製造に使用する
エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、特に限定され
ず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性
不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不
飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレ
イン酸モノブチル、マレイン酸モノ2−ヒドロキシプロ
ピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステ
ル単量体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の多価
カルボン酸無水物;などを挙げることができる。これら
のエチレン性不飽和酸単量体のうち、(メタ)アクリル
酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸が好適である。
【0012】エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用
量は、アルカリ可溶性共重合体の製造に使用する単量体
混合物の5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%
である。この量が5重量%より少なくなると、共重合体
がアルカリに可溶とならず、逆に80重量%より多くな
ると、分散安定効果が低下する。
【0013】アルカリ可溶性共重合体の製造に使用する
ことのできる、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共
重合可能なその他の単量体は、特に限定されず、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ア
ミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリ
ル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエ
チレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)ア
クリルニトリル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量
体;アリルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和グ
リシジルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、 N−ブトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和ア
ミド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン等の共役ジエン単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビ
ニルエステル等が挙げられる。これらの単量体は単独で
又は2種以上を組合せて用いることができる。
【0014】アルカリ可溶性共重合体の製造に用いる単
量体混合物のうち、20℃における水100gへの溶解
度が0.2gより小さい単量体の使用量は、通常、30
重量%以下とする。この量が30重量%より多くなる
と、共重合体がアルカリに可溶とならなくなる恐れがあ
り、分散安定化剤として適さなくなる。
【0015】アルカリ可溶性共重合体は、上記単量体混
合物を水媒体中で、アルコール性水酸基含有水溶性高分
子の存在下に重合することによって得る。この際、アル
コール性水酸基含有水溶性高分子及び単量体混合物は、
いずれも、重合開始前に反応器に一括して添加してもよ
く、重合開始後に分割添加または連続添加してもよい。
分割添加または連続添加する場合、添加量は均等にして
も、一定にしてもよく、重合の進行段階に応じて変える
こともできる。
【0016】アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物と単量体混合物とは、それぞれ別々に添加しても、ア
ルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物、単量体混合
物及び水とを混合して分散体の形態で添加しても構わな
い。アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量
体とを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に
開始するのが望ましい。単量体混合物のみが先に多量に
添加されると凝集物が発生しやすく、逆に、アルコール
性水酸基含有水溶性高分子化合物のみが先に多量に添加
されると重合系が増粘する、又は凝集物が発生しやすく
なるなどの問題が起きやすい。両者の添加終了は、必ず
しも同時である必要はないがほぼ同時であることが望ま
しい。アルコール性水酸基含有水溶性高分子と単量体混
合物の添加方法のうち、アルコール性水酸基含有水溶性
高分子、単量体混合物及び水とを混合して分散体とし
て、重合開始後に反応器に添加する方法が、アルカリ可
溶性共重合体の高分子鎖におけるエチレン性不飽和酸単
量体の連鎖分布が均一になるので好ましい。
【0017】アルカリ可溶性共重合体の製造に用いるこ
とのできる重合開始剤は、特に限定されない。具体例と
しては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過
酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイド
ロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾ
ビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物等を挙げることがで
きる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、あるい
は2種類以上を組み合わせて使用することができる。重
合開始剤の使用量は、その種類によって異なるが、重合
体の水分散液の製造で使用する全単量体混合物に対し
て、0.5〜5重量%、好ましくは0.8〜4重量%で
ある。
【0018】また、これらの重合開始剤は還元剤との組
み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用するこ
ともできる。レドックス系重合開始剤の還元剤は特に限
定されず、その具体例としては、硫酸第一鉄、ナフテン
酸第一銅等の還元状態にある金属イオンを含有する化合
物;メタンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸化合
物;ジメチルアニリン等のアミン化合物;などが挙げら
れる。これらの還元剤は単独で又は2種以上を組合せて
用いることができる。還元剤の使用量は、還元剤によっ
て異なるが、重合開始剤1重量部に対して0.03〜1
0重量部であることが好ましい。
【0019】アルカリ可溶性共重合体の製造に際して
は、必須ではないが、連鎖移動剤を使用することができ
る。連鎖移動剤に特に制限はないが、連鎖移動の効率の
点でメルカプト基を有する化合物が好ましい。その中で
も、炭素数20以下の化合物であるn−オクチルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメル
カプタンなどのアルキルメルカプタン、チオグリコール
酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸等が特に好ま
しい。
【0020】連鎖移動剤を使用する場合、その添加量
は、アルカリ可溶性共重合体の製造に単量体100重量
部に対して、通常、1〜15重量部、好ましくは5〜1
2重量部である。連鎖移動剤が、1重量部より少ない
と、中和後の粘度が高くなり取扱いが困難になり、ま
た、15重量部より多くなると、得られる重合体の分子
量が著しく低下し、分散安定化剤として機能しなくな
る。連鎖移動剤の添加方法は、特に限定されず、一括添
加しても、断続的に又は連続的に重合系に添加してもよ
い。
【0021】アルカリ可溶性共重合体を製造する時の重
合温度は、通常、0〜100℃、好ましくは30〜90
℃である。
【0022】本発明でいうアルカリ可溶性共重合体の中
和物の中和度に、特に限定はないが、通常、その中和度
(エチレン性不飽和酸単量体のモル当量に対する塩基性
物質のモル当量)が70%以上、好ましくは95%以上
である。
【0023】アルカリ可溶性共重合体を中和するために
用いる塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化
物;アンモニア;トリエチルアミン、トリエタノールア
ミン等のアミン類;等、もしくはこれらの混合物が用い
られる。これらのうち、アンモニアが好適である。
【0024】本発明の製造方法を適用することのできる
単量体は、特に限定されない。その具体例としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロ
スチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、
(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n
−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエチレン
性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリル
ニトリル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;ア
リルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和グリシジ
ルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メチロ
ール(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミ
ド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン
等の共役ジエン単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニ
ルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マ
レイン酸、マレイン酸モノエチル等のエチレン性不飽和
カルボン酸単量体;ジビニルベンゼン、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート等の架橋性単量体等が挙げら
れる。これらの単量体は単独で又は2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0025】アルカリ可溶性共重合体の中和物と単量体
との比率は、特に限定されない。通常、単量体100重
量部に対して、アルカリ可溶性共重合体の中和物を、固
形分換算で10〜200重量部、好ましくは30〜15
0重量部、更に好ましくは50〜100重量部とする。
アルカリ可溶性共重合体の中和物が10重量部より少な
いと、単量体の分散安定効果が低くなり、凝集物が発生
し、重合体の水分散液が安定的に得られず、逆に、20
0重量部より多くなると、重合体の水分散液の粘度が高
くなり、取扱いが困難になる恐れがある。
【0026】重合体の水分散液は、単量体を水媒体中
で、アルカリ可溶性共重合体の中和物の存在下に重合す
ることによって得る。この際、アルカリ可溶性共重合体
の中和物及び単量体は、いずれも、重合開始前に反応器
に一括して添加してもよく、重合開始後に分割添加また
は連続添加してもよい。分割添加または連続添加する場
合、添加量は均等にしても、一定にしてもよく、重合の
進行段階に応じて変えることもできる。
【0027】また、アルカリ可溶性共重合体の中和物と
単量体とは、それぞれ別々に添加しても、アルカリ可溶
性共重合体の中和物、単量体及び水とを混合して分散体
の形態で添加しても構わない。アルカリ可溶性共重合体
の中和物と単量体とを別々に添加する場合は、単量体の
みが先に多量に添加されると凝集物が発生しやすくなる
恐れがあるので、両者の添加をほぼ同時に開始するか、
予めアルカリ可溶性共重合体の中和物を先に添加した後
に単量体の添加を開始することが望ましい。
【0028】重合体の水分散液を製造する時の重合温度
は、通常、0〜100℃、好ましくは30〜90℃であ
る。
【0029】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、アルコール
性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下でエチレン性
不飽和カルボン酸を必須成分とする単量体混合物を重合
して得られるアルカリ可溶性共重合体の中和物の存在下
で、単量体を重合することによって、抑泡性に優れ、か
つ耐水性に優れたフィルムを与える重合体の水分散液を
製造することができる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでな
い。なお、実施例中の「%」及び「部」は特に断りのな
い限り、それぞれ「重量%」及び「重量部」を示す。な
お、ラテックスの重量は固形分換算である。
【0031】重合体の水分散液特性の評価方法は下記の
通りである。 〔重合体の水分散液特性〕 (重合安定性)重合後の水分散液を200メッシュの金
網で濾過し、金網に残る凝固物を赤外線オーブン中で乾
燥して恒量値を求め、該水分散液の固形分に対する重量
百分率で表した。 (抑泡性)1000cmメスシリンダーに、固形分濃
度20%に調整した重合体の水分散液を100cm
れ、次に滴下ロートから同様に調整した水分散液を20
0cmを、1mの高さから水分散液に一気に滴下して
発泡させ、この時の泡の体積をメスシリンダーの目盛で
読んだ。 (耐水性)ガラス板上に、固形分濃度10%に調整した
重合体の水分散液を流延し、室温下で48時間放置し乾
燥した後、得られたフィルムに水を滴下し、2時間後、
フィルムの水を滴下した部分を肉眼で観察した。 ○:透明のままであった。 △:曇りが生じた。 ×:完全に白化した。
【0032】(製造例1)メタクリル酸メチル73部、
メタクリル酸27部、チオグリコール酸オクチル7部、
重合度550けん化度88モル%のポリビニルアルコー
ル4部及びイオン交換水50部を混合、攪拌して、単量
体混合物の分散物を得た。一方、攪拌機付き反応器の内
部を窒素置換した後、イオン交換水230部を仕込み、
80℃に加熱、5%過硫酸カリウム水溶液40部を反応
器に添加後、80℃に保持された反応器に、前記単量体
混合物の分散物を2時間かけて連続添加して重合させ
た。単量体混合物の分散物添加終了後、更に30分間8
0℃に保持して、アルカリ可溶性共重合体の水分散液を
得た。得られたアルカリ可溶性共重合体の水分散液に、
共重合体を構成するメタクリル酸と当モル量となるよう
に28%のアンモニア水を添加後、固形分濃度を調整し
て、25%のアルカリ可溶性共重合体の中和物水溶液と
した。
【0033】(製造例2〜5)単量体組成、乳化剤の種
類を表1に示す処方に変えた他は、製造例1と同様の方
法で、固形分濃度25%のアルカリ可溶性共重合体の中
和物の水溶液を得た。ただし、製造例5では固形分濃度
が25%であると、粘度が高く取扱いが不便なので、1
0%の水溶液とした。
【0034】
【0035】(実施例1)メタクリル酸メチル30部、
アクリル酸ブチル69.2部及びテトラエチレングリコ
ールジメタクリレート0.8部を混合し単量体混合物を
得た。一方、攪拌機付き反応器の内部を窒素置換した
後、製造例1で得られたアルカリ可溶性共重合体中和物
の水溶液(A)を固形分換算で70部仕込み、80℃に
加熱、5%過硫酸カリウム水溶液12.6部を反応器に
添加後、80℃に保持された反応器に前記単量体混合物
を2時間かけて連続添加して重合させた。単量体混合物
添加終了後、更に3時間重合させてから30℃に冷却
し、固形分濃度44%、pH7.0の重合体の水分散液
を得た。この重合体の水分散液の評価結果を表2に示し
た。
【0036】
【0037】(実施例2及び比較例1〜3)アルカリ可
溶性共重合体の中和物の種類及び量を表2に示すように
変えた他は、実施例1の方法と同様にして、固形分濃度
40〜50%、pH7.0〜7.5の重合体の水分散液
を得た。これらの重合体の水分散液の評価結果を表2に
示した。
【0038】表2の重合体の水分散液の評価結果から、
以下のことがわかる。アルカリ可溶性共重合体の製造に
重合性乳化剤を使用した比較例1の重合体の水分散液
は、得られる重合体の水分散液の抑泡性及び該水分散液
を塗布して得られるフィルムの耐水性に劣る。アルカリ
可溶性共重合体のメタクリル酸量が少ない比較例2の重
合体の水分散液は、重合安定性に劣る。アルカリ可溶性
共重合体のメタクリル酸量が多い比較例3の重合体の水
分散液は、該水分散液を塗布して得られるフィルムの耐
水性に劣る。
【0039】これに対して、本発明の製造方法によって
得られた重合体の水分散液は、得られる重合体の水分散
液の抑泡性及び該水分散液を塗布して得られるフィルム
の耐水性に優れていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 PA53 PA54 PA65 PA67 PA68 PA69 PA70 PA76 PA90 4J026 AA02 AA03 AA06 AA17 AA21 AA30 AA38 AA43 AA45 AA48 AA50 AA53 AA54 AA55 AA67 AA68 AA69 AB19 AC15 BA05 BA07 BA08 BA16 BA25 BA27 BA28 BA30 BA31 BA32 BA34 BA36 BA45 BA46 BA47 BA50 BB01 DA12 DA15 DA16 DB08 FA04 GA06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ可溶性共重合体の中和物の存在
    下で、単量体を重合する重合体の水分散液の製造方法で
    あって、該アルカリ可溶性共重合体が、アルコール性水
    酸基含有水溶性高分子化合物の存在下でエチレン性不飽
    和カルボン酸単量体5〜80重量%及びこれと共重合可
    能なその他の単量体20〜95重量%からなる単量体混
    合物を重合して得られるものであることを特徴とする重
    合体の水分散液の製造方法。
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