JPH05255457A - 共重合体ラテックス及びその製造方法 - Google Patents

共重合体ラテックス及びその製造方法

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JPH05255457A
JPH05255457A JP9029692A JP9029692A JPH05255457A JP H05255457 A JPH05255457 A JP H05255457A JP 9029692 A JP9029692 A JP 9029692A JP 9029692 A JP9029692 A JP 9029692A JP H05255457 A JPH05255457 A JP H05255457A
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JP
Japan
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ethylenically unsaturated
weight
monomer
copolymer
latex
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Application number
JP9029692A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Sato
一宏 佐藤
Takaaki Sugimura
孝明 杉村
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成膜性、耐溶剤性及び耐水性に優れた塗膜を
与え、かつ貯蔵安定性に優れる共重合体ラテックスを提
供する。 【構成】 ブタジエン60重量%、メタクリル酸2重量
%及びスチレン38重量%を乳化重合して得られる共重
合体のラテックス15部(固形分換算)の存在下に、ア
クリロニトリル17部、メタクリル酸10部、グリシジ
ルメタクリレート5部、スチレン50部及びメチルメタ
クリレート18部を滴下して乳化重合する製造方法及び
これにより得られる共重合体ラテックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は共重合体ラテックス及び
その製造方法に関し、更に詳しくは、成膜性、耐溶剤性
及び耐水性に優れた塗膜を与え、かつ貯蔵安定性に優れ
る共重合体ラテックス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種素材の塗工(コーティング)用途又
は薬剤担体用途に使用される共重合体ラテックスには種
々の特性が要求されるが、とりわけ、耐溶剤性に優れて
いることが重要である。耐溶剤性を改良する一方法とし
て、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体を含有する単
量体を共重合することが行われている。しかし、共重合
体ラテックスに高度の耐溶剤性を付与するためにはシア
ノ基含有エチレン性不飽和単量体の割合を通常30〜4
0重量%と高くすることが必要である。ところが、シア
ノ基含有エチレン性不飽和単量体を高い比率で含有する
単量体の共重合を安定に行うことは一般に困難であり、
また、得られた共重合体ラテックスを安定に使用するた
めには乳化剤を多量に使用する必要がある。しかしなが
ら、この乳化剤を多量に含む共重合体ラテックスを用い
てできる塗膜は、耐水性が悪いという欠点がある。耐溶
剤性を改良する他の方法として、ジビニル化合物単量体
を共重合させる方法も提案されている。しかし、ジビニ
ル化合物単量体を多量に共重合させようとすると多量の
凝固物が発生するため、使用量に限界があり、この方法
でも耐溶剤性の優れた塗膜を与える共重合体ラテックス
を得ることができない。また、本発明者らは、先に、シ
アノ基含有エチレン性不飽和単量体、エチレン性不飽和
カルボン酸単量体、グリシジル基含有エチレン性不飽和
単量体及びその他のエチレン性不飽和単量体の混合物を
乳化重合して得られる水分散性樹脂組成物を用いると、
耐溶剤性と耐水性とを両立させ得る塗膜が得られること
を見出した(特開平2−107437号公報)。しかし
ながら、この水分散性樹脂組成物で、滑らかな塗膜を形
成させるためには多量の成膜助剤が必要であるため、経
済的でなかった。また、各種薬剤担体として使用した場
合、その粒子比重が高いため貯蔵時に沈降を生じ易い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成膜
性、耐溶剤性及び耐水性に優れた塗膜を与え、かつ貯蔵
安定性に優れる共重合体ラテックスを提供することにあ
る。本発明者らは、この目的を達成すべく鋭意研究を重
ねた結果、芯部が共役ジエン単量体、エチレン性不飽和
カルボン酸単量体及びその他のエチレン性不飽和単量体
を重合して得られる共重合体から構成され、殻部がシア
ノ基含有エチレン性不飽和単量体、エチレン性不飽和カ
ルボン酸単量体、グリシジル基含有エチレン性不飽和単
量体及びその他のエチレン性不飽和単量体を重合して得
られる共重合体から構成される、芯殻構造の共重合体の
ラテックスを用いることによって、本目的を達成できる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、芯殻構造の共重合体のラテックスであって、芯部が
共役ジエン単量体10〜80重量%、エチレン性不飽和
カルボン酸単量体0.5〜10重量%及びその他のエチ
レン性不飽和単量体10〜89.5重量%を重合して得
られる共重合体から構成され、殻部がシアノ基含有エチ
レン性不飽和単量体5〜30重量%、エチレン性不飽和
カルボン酸単量体1〜20重量%、グリシジル基含有エ
チレン性不飽和単量体1〜10重量%及びその他のエチ
レン性不飽和単量体40〜93重量%を重合して得られ
る共重合体から構成されることを特徴とする共重合体ラ
テックスが提供される。また、本発明によれば、共役ジ
エン単量体10〜80重量%、エチレン性不飽和カルボ
ン酸単量体0.5〜10重量%及びその他のエチレン性
不飽和単量体10〜89.5重量%を乳化重合して得ら
れる共重合体のラテックスの存在下に、シアノ基含有エ
チレン性不飽和単量体5〜30重量%、エチレン性不飽
和カルボン酸単量体1〜20重量%、グリシジル基含有
エチレン性不飽和単量体1〜10重量%及びその他のエ
チレン性不飽和単量体40〜93重量%を乳化重合する
ことを特徴とする共重合体ラテックスの製造方法が提供
される。
【0005】(共重合体ラテックス)本発明の共重合体
ラテックスは、芯部が共役ジエン単量体、エチレン性不
飽和カルボン酸単量体及びその他のエチレン性不飽和単
量体を重合して得られる共重合体から構成され、殻部が
シアノ基含有エチレン性不飽和単量体、エチレン性不飽
和カルボン酸単量体、グリシジル基含有エチレン性不飽
和単量体及びその他のエチレン性不飽和単量体を重合し
て得られる共重合体から構成される、芯殻構造の共重合
体のラテックスである。
【0006】本発明の共重合体ラテックスにおいて、芯
部は共役ジエン単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単
量体及びこれらと共重合可能なその他のエチレン性不飽
和単量体を重合して得られる共重合体から構成される。
【0007】芯部の共重合体に使用する共役ジエン単量
体は特に限定されず、その具体例としては1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペ
ンタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。共役ジエ
ン単量体の使用量は、芯部の共重合体に使用する全単量
体の10〜80重量%、好ましくは25〜70重量%で
ある。10重量%未満では、成膜性が不十分になり、貯
蔵安定性も低下する。逆に、80重量%超では、塗膜の
耐溶剤性が低下し、べたつきも発生する。
【0008】芯部の共重合体に使用するエチレン性不飽
和カルボン酸単量体は特に限定されず、その具体例とし
てはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカ
ルボン酸単量体;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、
ブテントリカルボン酸等の多価カルボン酸単量体;マレ
イン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル等の多価カル
ボン酸単量体の部分エステル化物;などが挙げられる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、芯部の
共重合体に使用する全単量体の0.5〜10重量%、好
ましくは1〜5重量%である。0.5重量%未満では、
塗膜の耐溶剤性が不十分となり、貯蔵安定性も不十分と
なる。逆に10重量%超では、共重合体ラテックスの粘
度が高くなり、塗膜の耐水性も不十分となる。
【0009】芯部の共重合体に使用するその他の単量体
としては、共役ジエン単量体及びエチレン性不飽和カル
ボン酸単量体と共重合可能なその他のエチレン性不飽和
単量体を用いる。その具体例としては、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルトル
エン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n
−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)ア
クリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸
エステル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド単量
体;などが挙げられる。特に、芳香族ビニル単量体及び
(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましく用いられ
る。
【0010】なお、芯部の共重合体に使用するその他の
単量体として、後述するシアノ基含有エチレン性不飽和
単量体又はグリシジル基含有エチレン性不飽和単量体も
挙げられるが、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体の
使用量が、芯部の共重合体に使用する全単量体の5重量
%以下で、かつグリシジル基含有エチレン性不飽和単量
体の使用量が、芯部の共重合体に使用する全単量体の1
重量%以下であると、貯蔵安定性がさらに良好になり、
成膜性も良くなるので好ましい。
【0011】本発明の共重合体ラテックスにおいて、殻
部は、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体、エチレン
性不飽和カルボン酸単量体、グリシジル基含有エチレン
性不飽和単量体及びこれらと共重合可能なその他のエチ
レン性不飽和単量体を重合して得られる共重合体から構
成される。
【0012】殻部の共重合体に使用するシアノ基含有エ
チレン性不飽和単量体は特に限定されず、その具体例と
してはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロ
ニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエ
チルアクリロニトリルなどが挙げられる。シアノ基含有
エチレン性不飽和単量体の使用量は、殻部の共重合体に
使用する全単量体の5〜30重量%、好ましくは10〜
25重量%である。5重量%未満では、耐溶剤性が不十
分になる。逆に、30重量%超では、乳化重合時の安定
性が低下し、これを防止するために乳化剤の使用量を増
加すると塗膜の耐水性が低下する。
【0013】殻部の共重合体に使用するグリシジル基含
有エチレン性不飽和単量体は特に限定されず、その具体
例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル等のエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエ
ステル;アリルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽
和アルコールのグリシジルエーテル;などを挙げること
ができる。グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体の
使用量は、殻部の共重合体に使用する全単量体の1〜1
0重量%、好ましくは2〜8重量%である。1重量%未
満では、耐溶剤性が不十分となり、逆に10重量%超で
は、共重合体ラテックスの粘度が高くなり、塗膜の耐水
性も不十分となる。
【0014】殻部の共重合体に使用するエチレン性不飽
和カルボン酸単量体としては、前述のエチレン性不飽和
カルボン酸単量体が挙げられる。その使用量は殻部の共
重合体に使用する全単量体の1〜20重量%、好ましく
は5〜15重量%である。1重量%未満では、耐溶剤性
や貯蔵安定性が不十分となる。逆に、20重量%超で
は、共重合体ラテックスの粘度が高くなり、塗膜の耐水
性も不十分となる。
【0015】本発明の共重合体ラテックスにおいて、殻
部の共重合体に使用するエチレン性不飽和カルボン酸単
量体/グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体の重量
比が、25/75〜75/25であると、密着性、強
度、耐溶剤性、耐水性などの塗膜物性のバランスが優れ
ているため好ましく、30/70〜70/30であると
さらに好ましい。
【0016】殻部の共重合体に使用するその他の単量体
としては、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体、グリ
シジル基含有エチレン性不飽和単量体及びエチレン性不
飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他のエチレン
性不飽和単量体を用いる。その具体例としては、前述の
芯部の共重合体に使用するその他のエチレン性不飽和単
量体が挙げられる。なお、殻部の共重合体に使用するそ
の他の単量体として、共役ジエン単量体も挙げられる
が、殻部の共重合体に使用する共役ジエン単量体の使用
割合が、芯部の共重合体に使用する共役ジエン単量体の
使用割合よりも少なければ、塗膜の耐油性、耐水性がよ
り良好になるので好ましい。
【0017】本発明の共重合体ラテックスにおいて、芯
部の共重合体/殻部の共重合体の重量比率が、6/94
〜50/50であると、貯蔵安定性が良好で、成膜性、
耐溶剤性、耐水性等の塗膜特性のバランスに優れるので
好ましく、10/90〜40/60であるとさらに好ま
しい。
【0018】本発明の共重合体ラテックスにおいて、全
単量体の組成が、共役ジエン単量体5〜28重量%、シ
アノ基含有エチレン性不飽和単量体5〜25重量%、エ
チレン性不飽和カルボン酸単量体1〜14重量%、グリ
シジル基含有エチレン性不飽和単量体1〜8重量%、そ
の他のエチレン性不飽和単量体25〜88重量%である
と、密着性、耐溶剤性、成膜性、耐水性等の塗膜物性の
バランスが優れているので好ましく、特に、全単量体の
組成が、共役ジエン単量体10〜22重量%、シアノ基
含有エチレン性不飽和単量体8〜20重量%、エチレン
性不飽和カルボン酸単量体3〜10重量%、グリシジル
基含有エチレン性不飽和単量体2〜5重量%、その他の
エチレン性不飽和単量体45〜73%であるとさらに好
ましい。
【0019】(共重合体ラテックスの製造方法)本発明
の共重合体ラテックスは、共役ジエン単量体、エチレン
性不飽和カルボン酸単量体及びその他のエチレン性不飽
和単量体を乳化重合して芯部の共重合体のラテックスを
得(以下、第1段階の乳化重合という。)、この共重合
体のラテックスの存在下に、シアノ基含有エチレン性不
飽和単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、グリ
シジル基含有エチレン性不飽和単量体及びその他のエチ
レン性不飽和単量体を乳化重合して殻部の共重合体を得
る(以下、第2段階の乳化重合という。)ことにより製
造される。
【0020】本発明において、乳化重合の重合転化率
は、各々80%以上にすることが好ましく、90%以上
にすることがさらに好ましい。
【0021】各々の乳化重合に用いる単量体の添加方法
は特に限定されず、各単量体を重合反応器に一括して仕
込む方法、単量体を重合反応器に連続的に供給する方
法、単量体の一部を重合反応器に仕込み、残りの単量体
を重合反応器に連続的に供給する方法等のいずれを採用
しても良い。
【0022】乳化重合に使用する乳化剤は、特に限定さ
れず、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルアリルスルホン酸塩等のアニオン
性界面活性剤;ポリエチレングリコールのアルキルエス
テル型、アルキルフェニルエーテル型又はアルキルエー
テル型等のノニオン性界面活性剤などを挙げることがで
きる。これらの乳化剤は単独で又は二種以上を組合せて
使用することができる。なお、第1段階又は第2段階の
乳化重合後、必要に応じて乳化剤をさらに添加すること
ができる。
【0023】乳化重合に使用する重合開始剤は、特に限
定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性開始
剤;過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、アゾイソブチロニトリル等の油溶性開始剤;過酸化
物を重亜硫酸ナトリウム等の還元剤と組み合わせたレド
ックス開始剤等を使用できる。
【0024】乳化重合に使用する水の量は特に限定され
ないが、第1段階の乳化重合の際には、第1段階に使用
する全単量体100重量部に対して150〜900重量
部であり、第2段階の乳化重合の際には、第1段階及び
第2段階に使用する全単量体100重量部に対して65
〜230重量部であることが好ましい。特に、第2段階
の乳化重合に際して、水の量を第1段階及び第2段階に
使用する全単量体100重量部に対して120重量部以
下とするのがより好ましい。
【0025】なお、乳化重合の際、必要に応じて、分子
量調整剤、粒径調整剤、酸素捕捉剤などを使用すること
ができる。なお、分子量調整剤としては、例えばメルカ
プタン類、キサントゲンジスルフィド類、ハロゲン化炭
化水素類等を挙げることができる。
【0026】第2段階の乳化重合後、必要に応じて残留
単量体を除去し、その後、用途に応じてそのpHを調整
することができる。そのための中和剤としては、例え
ば、アンモニア、有機アミン又はアルカリ金属水酸化物
(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)が挙げられ
る。本発明の共重合体ラテックスはpHによって殆ど粘
度変化がなく、取り扱いが容易なので2〜10の広いp
H範囲で使用できる。
【0027】また、第2段階の乳化重合後に残留してい
る重合開始剤の影響を排除するために、亜硝酸ナトリウ
ム、硫酸ヒドロキシルアミン等を添加してもよい。
【0028】本発明の共重合体ラテックスには、必要に
応じて、消泡剤、増粘剤、顔料、染料、充填剤、水混和
性溶剤、成膜助剤、老化防止剤、架橋促進剤等を添加す
ることができる。なお、架橋促進剤としては、例えばジ
メチルアミノエタノールを挙げることができる。
【0029】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、成膜性、耐
溶剤性及び耐水性に優れた塗膜を与え、かつ、貯蔵安定
性に優れる共重合体ラテックス及びその製造方法が提供
される。
【0030】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的
に説明する。なお、これらの例中の部及び%は特に断ら
ない限り重量基準である。
【0031】共重合体ラテックスの物性及びこれを用い
て得られた塗膜の物性の評価方法は以下のとおりであ
る。
【0032】<共重合体ラテックスの物性評価> (粒子径)レーザー散乱式粒径測定機(NICOMP社
製、モデル370)で測定した。
【0033】(固形分濃度)精秤した共重合体ラテック
ス(W0 )を赤外線オーブン中で30分間乾燥後、得ら
れた乾燥固形分の重量(W1 )を精秤し、W1 のW0
対する割合で表した。
【0034】(重合後凝固物量)精秤した固形分濃度4
5%の共重合体ラテックス(W2 )を100メッシュの
金網で濾過し、金網に残る凝固物を赤外線オーブン中で
20分間乾燥後、その重量(W3 )を精秤し、W3 のW
2 に対する割合で表した。
【0035】(貯蔵安定性試験)固形分濃度45%の共
重合体ラテックスを容器に入れ、60℃の恒温槽中で2
0日間静置した後の重合体粒子の沈降の状態を目視で観
察した。 ○:沈降物は認められない。 ×:沈降物が認められる。
【0036】<塗膜の物性評価> (成膜性試験)No.6のワイヤーバーを用いて固形分
濃度45%の共重合体ラテックスをガラス板に塗布し、
50℃で5分間乾燥後の塗膜の状態を目視で観察し下記
の基準で評価した。 ○:滑らかな連続塗膜を形成する。 △:亀裂、穴などの有る不連続な塗膜を形成する。 ×:粉状となり塗膜にならない。
【0037】(耐溶剤性試験)固形分濃度45%の共重
合体ラテックス0.2部をガラス板に塗布し70℃で3
0分間乾燥して乾燥塗膜を得た。これを20℃のテトラ
ヒドロフラン(THF)25部に一日間浸漬した後、塗
膜の状態を目視で観察した。 ○:塗膜に膨潤は認められない。 △:塗膜の形状に変化が認められる。 ×:溶媒中に完全に溶解している。
【0038】(耐水性試験)No.6のワイヤーバーを
用いて固形分濃度45%の共重合体ラテックスを普通紙
に塗布し70℃で30分間乾燥して乾燥塗膜を得た。こ
の塗膜面を20℃の水道水に30分間浸漬した後、塗膜
の状態を目視で観察した。 ○:塗膜の剥離は認められない。 ×:塗膜が普通紙から剥離している。
【0039】参考例1 窒素置換した撹拌機付きオートクレーブに、ブタジエン
60部、スチレン38部、メタクリル酸2部、軟水27
0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.0
部、重炭酸ナトリウム0.2部、エチレンジアミン四酢
酸四ナトリウム塩0.05部、過硫酸カリウム0.5部
及びt−ドデシルメルカプタン0.15部を仕込み、撹
拌混合しながら80℃で6時間保持し、芯部の共重合体
のラテックスA1 を得た。この共重合体のラテックスの
重合転化率及び固形分濃度を表1に示す。
【0040】参考例2 表1に示す組成の単量体(A)及びt−ドデシルメルカ
プタンを用いた他は参考例1と同じ方法で芯部の共重合
体のラテックスA2 〜A4 を得た。これらの共重合体の
ラテックスの重合転化率及び固形分濃度を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例1 軟水32部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.2部、アクリロニトリル17部、メタクリル酸10
部、グリシジルメタクリレート5部、スチレン50部及
びメチルメタクリレート18部を混合して20分間攪拌
機で撹拌してモノマーエマルジョンを作製した。この一
方、窒素置換した撹拌機付きオートクレーブ(以下、反
応器という。)に参考例1で得られた芯部の共重合体の
ラテックスA1 15部、軟水66部及びドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム2.5部を仕込み、80℃に昇
温した。次に、反応器内を80℃に保持し攪拌機で攪拌
しながら、反応器に過硫酸アンモニウムの5%水溶液1
4部を添加し、さらに前述のモノマーエマルジョンを3
時間かけて反応器内に滴下した。モノマーエマルジョン
の滴下終了後、更に2時間、反応器内を80℃に保った
まま攪拌し続けた後、亜硝酸ナトリウム0.1部を添加
し、反応器内を20℃まで冷却した。最後に、反応器内
を減圧して残留単量体を除去し、共重合体ラテックス
(1)を得た。この共重合体ラテックスの評価結果を表
3に示す。
【0043】実施例2 実施例1のモノマーエマルジョンに代えて、表2に示す
組成の単量体(B)を軟水32部及びドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.2部と混合して得られるモノ
マーエマルジョンを用い、芯部の共重合体ラテックスA
1 及び軟水の仕込量を変えた他は実施例1と同じ方法で
共重合体ラテックス(2)〜(8)を得た。これらの共
重合体ラテックスの評価結果を表3に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】実施例3 実施例1のモノマーエマルジョン及び芯部の共重合体の
ラテックスA1 に代えて、表4に示す組成の単量体
(B)を軟水32部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0.2部と混合して得られるモノマーエマルジ
ョン及び芯部の共重合体のラテックスA2 又はA3 を用
い、軟水の仕込量を変えた他は実施例1と同じ方法で共
重合体ラテックス(9)〜(11)を得た。これらの共
重合体ラテックスの評価結果を表5に示す。
【0047】比較例1 実施例1のモノマーエマルジョンに代えて、表4に示す
組成の単量体(B)を軟水32部及びドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.2部と混合して得られるモノ
マーエマルジョンを用い、芯部の共重合体のラテックス
1 及び軟水の仕込量を変えた他は実施例1と同じ方法
で共重合体ラテックス(12)〜(15)を得た。これ
らの共重合体ラテックスの評価結果を表5に示す。
【0048】比較例2 芯部の共重合体のラテックスA1 に代えて芯部の共重合
体のラテックスA4 を用い、軟水の仕込量を変えた他は
実施例1と同じ方法で共重合体ラテックス(16)を得
た。この共重合体ラテックスの評価結果を表5に示す。
【0049】比較例3 軟水32部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.5部、スチレン48部、メチルメタクリレート18
部、アクリロニトリル17部、グリシジルメタクリレー
ト5部及びメタクリル酸10部を混合して攪拌機で20
分間撹拌してモノマーエマルジョンを作製した。撹拌機
付きオートクレーブ(以下、反応器という。)の内部を
窒素置換した後、軟水88部及びドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム1.5部を仕込み、80℃に昇温し
た。次に反応器内を80℃に保持し攪拌機で攪拌しなが
ら、スチレン2部を添加し、10分後、過硫酸アンモニ
ウムの5%水溶液10部を反応器に添加した。さらに1
時間後、前述のモノマーエマルジョン及び過硫酸アンモ
ニウムの5%水溶液6部を3時間かけて反応器に滴下し
た。モノマーエマルジョンの滴下終了後、更に2時間、
反応器を80℃に保ったまま攪拌し続けた後、亜硝酸ナ
トリウム0.1部を添加し、反応器内を20℃まで冷却
した。最後に、反応器内を減圧して残留単量体を除去
し、共重合体ラテックス(16)を得た。この共重合体
ラテックスの評価結果を表5に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】表3及び表5から、シアノ基含有エチレン
性不飽和単量体が30重量%超の単量体(B)から得ら
れた共重合体ラテックス(12)は貯蔵安定性が低く、
塗膜の耐水性が低い、逆に5重量%未満の単量体(B)
から得られた共重合体ラテックス(13)は耐溶剤性が
低いことがわかる。グリシジル基含有エチレン性不飽和
単量体が10重量%超の単量体(B)から得られた単量
体ラテックス(14)は成膜性、耐水性が不十分にな
る、逆に1重量%未満の単量体(B)から得られた単量
体ラテックス(15)は成膜性、耐溶剤性が不十分であ
ることがわかる。共役ジエン単量体が10重量%未満の
芯部の共重合体のエマルジョンA4 から得られた共重合
体ラテックス(16)では、貯蔵安定性が低く、塗膜の
成膜性が不十分であることがわかる。芯殻構造でない共
重合体ラテックス(17)では貯蔵安定性が低い上に、
成膜性が不十分であることがわかる。
【0053】これに対して、本発明の共重合体ラテック
スは、貯蔵安定性に優れていることがわかり、しかも、
これを用いて得られる塗膜は、成膜性、耐溶剤性及び耐
水性に優れていることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯殻構造の共重合体のラテックスであっ
    て、芯部が共役ジエン単量体10〜80重量%、エチレ
    ン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%及びそ
    の他のエチレン性不飽和単量体10〜89.5重量%を
    重合して得られる共重合体から構成され、殻部がシアノ
    基含有エチレン性不飽和単量体5〜30重量%、エチレ
    ン性不飽和カルボン酸単量体1〜20重量%、グリシジ
    ル基含有エチレン性不飽和単量体1〜10重量%及びそ
    の他のエチレン性不飽和単量体40〜93重量%を重合
    して得られる共重合体から構成されることを特徴とする
    共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】 共役ジエン単量体10〜80重量%、エ
    チレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%及
    びその他のエチレン性不飽和単量体10〜89.5重量
    %を乳化重合して得られる共重合体のラテックスの存在
    下に、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体5〜30重
    量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体1〜20重量
    %、グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体1〜10
    重量%及びその他のエチレン性不飽和単量体40〜93
    重量%を乳化重合することを特徴とする請求項1記載の
    共重合体ラテックスの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003277455A (ja) * 2002-03-25 2003-10-02 Jsr Corp ポリマー粒子の製造方法、ポリマー粒子および生理活性物質担体
JP2010144163A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Lg Chem Ltd カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス、これを含むディップ成形用ラテックス組成物

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