JP3569971B2 - 重合体粒子、その製法及びこれを用いた重合体ラテックス - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は重合体粒子及びその製法に関し、さらに詳しくは、凝集物がなく且つ粒子径分布が小さい重合体ラテックスを得るためのシード重合法用シード粒子に好適な微小な重合体粒子及びそれを安定に重合して得るための製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
重合体ラテックスの製造方法として、シード粒子の存在下に、単量体を重合する方法(シード重合法)がよく知られている。
このシード重合法に使用するシード粒子は、従来、平均粒子径が60nm以上のものであったが、ラテックスを使用した接着剤の接着力、浸透力などを高くするために、またラテックスを用いて得られる塗布膜をより平滑なものにするためにシード粒子の平均粒子径を小さくする研究が行われている。
一般に、乳化重合法においては、乳化剤を多量に使用すれば小さい粒子径の重合体粒子が得られることがわかっているが、この重合体粒子をシード粒子として用いて得られるラテックスは粒子径分布のばらつき及び粘度が大きくなることが知られている。またこのラテックスを用いて得られる塗膜は耐水性が著しく低くなることも知られている。
最近、エチレン性不飽和カルボン酸単量体1〜20重量部を含有する単量体を重合して得られる平均粒子径10〜30nmの重合体粒子のラテックス(特開平5−32710号公報)、シアン化ビニル化合物単量体5〜50重量部を含有する単量体を重合して得られる平均粒子径5〜50nmの重合体粒子のラテックス(特開平5−39824号公報)が提案されている。しかし、これらの重合体粒子をシード粒子として用いて重合すると、得られるラテックスの粘度が著しく上昇し、重合安定性が極めて低くなる問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、重合安定性が高く且つ粒子径分布が狭い共重合体ラテックスをシード重合法で得るのに適した微小粒子径で粒子径分布の狭いの重合体粒子を提供することにある。
本発明の第二の目的は、上記特性を有する重合体粒子を安定に得るための製法を提供することにある。
本発明者らは、これらの目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定の界面活性剤、遷移金属化合物及び重合開始剤の存在下に重合することによって、本発明の目的を達成できることを見いだし、この知見に基いて本発明を完成するに到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、遷移金属化合物0.001〜1重量部、重合開始剤0.01〜13重量部及び反応性界面活性剤5〜30重量部の存在下に、共役ジエン単量体25〜75重量%およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜10重量%を含む単量体100重量部を重合してなる重量平均粒子径10〜50nmの重合体粒子が提供される。
また、本発明によれば、反応性界面活性剤5〜30重量部及び共役ジエン単量体25〜75重量%およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜10重量%を含む単量体100重量部を混合して乳化物を得、次に遷移金属化合物0.001〜1重量部及び重合開始剤0.01〜13重量部を添加して乳化重合する前記の重合体粒子の製法が提供される。
【0005】
本発明の重合体粒子は、特定量の遷移金属化合物、重合開始剤及び反応性界面活性剤の存在下に、共役ジエン単量体およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体を含む単量体を重合してなるものである。
【0006】
本発明の重合体粒子において用いる遷移金属化合物は、重合体粒子を重合して得る際の反応系において還元剤として作用するものである。
遷移金属化合物としては、硫酸鉄、塩化鉄、硝酸鉄のごとき鉄化合物;塩化ニッケル、硝酸ニッケルのごときニッケル化合物;塩化銅、硫酸銅、硝酸銅のごとき銅化合物;塩化コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルトのごときコバルト化合物;クロム化合物;酸化モリブデンのごときモリブデン化合物などが挙げられる。これら遷移金属化合物のうち鉄化合物は毒性が低いので好適である。
遷移金属化合物の量の下限は、単量体100重量部に対して0.001重量部、好ましくは0.01重量部であり、上限は単量体100重量部に対して1重量部、好ましくは0.3重量部である。0.001重量部未満で重合体粒子の平均粒子径が大きくなり、逆に1重量部を超えると重合体粒子を得る際の重合安定性が低下する。
【0007】
本発明の重合体粒子において用いる重合開始剤は、重合体粒子を重合して得る際の反応系においてラジカルを発生し、酸化剤として作用するものである。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムのごとき過硫酸塩;過酸化水素、t−ブチルヒドロキシペルオキシド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイルのごとき過酸化物などが挙げられる。これらのうち過硫酸塩は、これを用いることによって重合体粒子を得る際の重合安定性が高くなるので好適に用いられる。
重合開始剤の量の下限は、単量体100重量部に対して0.01重量部、好ましくは0.1重量部であり、上限は単量体100重量部に対して13重量部、好ましくは5重量部、さらに好ましくは1.5重量部である。0.01重量部未満では重合反応が遅くなるほかに、目的とする平均粒子径の重合体粒子が得られない。逆に13重量部を超えると重合体粒子を得る際の重合安定性が低下する。
【0008】
遷移金属化合物と、重合開始剤との比率は、重合開始剤100モルに対して、遷移金属化合物が、通常0.1〜100モル、好ましくは1〜30モルである。0.1モル未満では目標とする平均粒子径の重合体粒子が得られない。逆に100モルを超えると重合体粒子を得る際の重合安定性が低下する。
【0009】
本発明の重合体粒子において用いる反応性界面活性剤は、エチレン性不飽和結合を有する界面活性剤である。
反応性界面活性剤の具体例としては、プロペニル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム、アリルスルホコハク酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステル燐酸エステル等のアニオン性反応性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アク酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステル等のノニオン性反応性界面活性剤が挙げられる。これらのうちエチレン性不飽和結合を有するスルホコハク酸塩を用いると狭い粒子径分布及び小さい平均粒子径の重合体粒子を安定的に得ることができる他に、この重合体粒子をシード粒子として用いてシード重合する際の重合安定性が高くなる。
【0010】
反応性界面活性剤の量の下限は単量体100重量部に対して5重量部、好ましくは10重量部であり、上限は単量体100重量部に対して30重量部、好ましくは20重量部である。5重量部未満では、重合体粒子の平均粒子径が大きくなり、逆に30重量部を超えると重合体粒子を得る際の反応系の粘度が高くなって重合安定性が低下するか、あるいは重合体粒子の平均粒子径が大きくなる。
【0011】
本発明の重合体粒子においては、反応性界面活性剤とこれ以外の界面活性剤を併用して用いることができる。
反応性界面活性剤とこれ以外の界面活性剤との合計量は、単量体100重量部に対して、通常、30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。反応性界面活性剤とこれ以外の界面活性剤との合計量が多くなると重合体粒子を得る際の反応系の粘度が高くなって重合安定性が低下する。また、反応性界面活性剤とこれ以外の界面活性剤との比率は、反応性界面活性剤が、反応性界面活性剤とこれ以外の界面活性剤との合計量の、通常、30重量%以上、好ましくは50重量%以上になるものである。反応性界面活性剤が占める割合が低くなると、重合体粒子をシード粒子として用いて重合する際の重合安定性が低くなる。
【0012】
本発明の重合体粒子を構成する単量体は、3種以上の単量体の組み合わせからなり、必須成分として共役ジエン単量体を25〜75重量%およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜10重量%を含むものである。共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及びクロロプレンなどが挙げられる。
共役ジエンと組み合わせて用いるエチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチルなどが挙げられる。
前記の単量体と共重合されるその他の単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−エチルプロペンニトリル、2−プロピルプロペンニトリル、2−クロロプロペンニトリル、2−ブテンニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル単量体;メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸メチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、モノクロルスチレン、p−メチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル単量体;メタクリルアミド、アクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体およびその誘導体;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル単量体;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル単量体;ビニルピリジン;などが挙げられる。
【0013】
本発明で用いる共役ジエン単量体とエチレン性不飽和カルボン酸単量体とを必須とする単量体は、さらに、芳香族ビニル単量体を含むことが好ましい。本発明の単量体を重合して得られる重合体粒子をシード粒子としてシード重合することによって粒子径分布の狭い重合体ラテックスを得ることができる。
【0014】
共役ジエン単量体の量は、重合体粒子を得るために用いる全単量体の25〜75重量%である。25重量%未満又は75重量%を超えると、重合体粒子をシード粒子として用い、シード重合することによって得られる重合体ラテックスの粒子径の制御が困難である。エチレン性不飽和カルボン酸単量体の量は、重合体粒子を得るために用いる全単量体の0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。0.1重量%未満では、重合体粒子の貯蔵安定性が低下する。逆に10重量%を超えると重合時の安定性が低下し、凝集物が多く発生する。芳香族ビニル単量体の量は、重合体粒子を得るために用いる全単量体の、好ましくは、10〜74.9重量%、より好ましくは24.9〜74.9重量%である。芳香族ビニル単量体の量が過少又は過大であると重合体粒子をシード粒子として用い、シード重合することによって得られる重合体ラテックスの粒子径の制御が困難になりやすい。
【0015】
本発明の重合体粒子は、その重量平均粒子径が、10〜50nmのものである。10nm未満になると、この重合体粒子を用いてシード重合して得られるラテックス粒子の粒子径のばらつきが大きくなる。逆に50nmを超えるとこの重合体粒子を用いてシード重合して得られるラテックス粒子の粒子径の制御が困難になる。なお、重量平均粒子径は後記の方法で得られる値である。
【0016】
本発明の重合体粒子は、通常、分散液の状態であるので、重合体粒子同士で凝集することがなく、幅広い分野で使用できる。
【0017】
本発明の重合体粒子の製法は、反応性界面活性剤及び単量体を混合して乳化物を得、これに遷移金属化合物及び重合開始剤を添加して乳化重合して得るものである。
【0018】
反応性界面活性剤及びラジカル重合性単量体を混合して乳化物を得るには、水に反応性界面活性剤を溶解した後、ラジカル重合性単量体を添加し攪拌する。
【0019】
遷移金属化合物及び重合開始剤を添加するには、遷移金属化合物と重合開始剤とを同時または相前後して、別個に添加するか、遷移金属化合物と重合開始剤とを混合した後添加する。重合安定性を高めるためには、遷移金属化合物と重合開始剤とを同時又は相前後して、別個に添加するのが好ましい。
【0020】
乳化重合温度は、通常、5〜90℃、好ましくは30〜85℃である。温度が低いと重合反応が遅くなるので、逆に90℃を超えると反応器の保温性を高める必要になるので、工業的生産に適さない。遷移金属化合物及び重合開始剤を添加する時期は、前記の乳化物を乳化重合温度に昇温前、昇温中あるいは昇温後のどちらでもよい。
【0021】
なお、本発明の重合体粒子の製法においては、分子量調整剤、pH調整剤、反応遅延剤、酸素捕捉剤、キレート化剤などを用いることができる。
【0022】
本発明の重合体ラテックスの製法は、前記の重合体粒子の存在下に、単量体を重合するものである。
【0023】
重合体粒子の存在下に重合する単量体は、前記重合体粒子を得るために用いる単量体と同じものが挙げられる。
【0024】
重合体粒子と、該重合体粒子の存在下に重合する単量体との重量比率は、重合体粒子の量が、単量体100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、更に好ましくは1〜10重量部の割合になるものである。
【0025】
本発明の重合体粒子の態様を以下に示す。
(1) 遷移金属化合物0.001〜1重量部、重合開始剤0.01〜13重量部及び反応性界面活性剤5〜20重量部の存在下に、共役ジエン単量体25〜75重量%およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜10重量%を含む単量体100重量部を重合してなる重量平均粒子径10〜50nmの重合体粒子。
(2) 遷移金属化合物が鉄化合物である前記(1)記載の重合体粒子。
(3) 重合開始剤が過硫酸塩である前記(1)記載の重合体粒子。
(4) 反応性界面活性剤がエチレン性不飽和結合を有するスルホコハク酸塩である前記(1)記載の重合体粒子。
(5) 単量体が、共役ジエン単量体とエチレン性不飽和カルボン酸単量体のほかに、芳香族ビニル単量体を含む前記(1)記載の重合体粒子。
(6) 鉄化合物0.001〜1重量部、過硫酸塩0.01〜5重量部及びエチレン性不飽和結合を有するスルホコハク酸塩5〜30重量部の存在下に、共役ジエン単量体25〜75重量%およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜10重量%を含む単量体100重量部を重合してなる重量平均粒子径10〜50nmの重合体粒子。
【0026】
【発明の効果】
本発明の重合体粒子を、シード重合法におけるシード粒子として用いることによって、重合安定性が高く且つ粒子径が小さい重合体ラテックスを得ることができる。
本発明の重合体粒子は、その他に、本発明の重合体粒子の分散液単独であるいは他の重合体ラテックスと混合して、塗料、紙塗被用バインダー、接着剤、粘着剤、カーペット用裏打ち剤、不織布用バインダー、セメント混和剤、フロアーポリシュー、内添含浸バインダー、樹脂改質剤、植毛用バインダーなどとして使用することもできる。
【0027】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の部及び%は重量基準である。
【0028】
本実施例において行った評価方法を以下に説明する。
【0029】
(重合安定性)
▲1▼凝集物の付着状態
重合体粒子を得るために重合をした後、反応器の内壁に付着した凝集物を目視で観察し、5段階(◎(良:凝集物が全く付着しない)〜○〜□〜△〜×(悪:凝集物が反応器壁一面に付着する))評価した。
【0030】
▲2▼凝集物の含有量
重合体粒子分散液1000cm3を325メッシュの金網を用いて濾過し、金網に残った固形分の恒量を測定し、重合体粒子分散液中の固形分の恒量に対する百分率で表した。
【0031】
(平均粒子径及び粒子径分布)
重合体粒子を透過型電子顕微鏡で撮影し、粒子像を無作為に300個選びその重量平均値及び数平均値を求めた。平均粒子径は重量平均値で示した。粒子径分布は重量平均値を数平均値で除した値で示した(商が1に近いほど分布が狭いことを示す。)。
【0032】
実施例1
1,3−ブタジエン60部、スチレン36部、メタクリル酸4部及び界面活性剤A(化1で表される化合物)15部を軟水300部に添加し攪拌して乳化物を得た。
この乳化物の温度を50℃に加熱した後、過硫酸ナトリウム0.3部、硫酸第一鉄0.03部、重亜硫酸ナトリウム0.05部、重炭酸ナトリウム0.2部、t−ドデシルメルカプタン0.32部、α−メチルスチレンダイマー1部及びエチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム0.1部を添加して55℃で10時間攪拌しながら重合した。重合終了後、25℃に冷却して重合体粒子の分散液を得た。この重合体粒子の評価結果を表1に示す。
【0033】
【化1】
【0034】
但し、Rはヘキシル基である。
【0035】
実施例2〜5及び比較例1〜5
実施例1において用いた単量体、界面活性剤又は重合開始剤を、表1及び表2の重合処方に代えた他は実施例1と同じ方法で重合体粒子の分散液を得た。これらの重合体粒子の評価結果を表1及び表2に示す。なお、界面活性剤Bは化2で表される化合物、界面活性剤cはラウリル硫酸ナトリウム、界面活性剤dは化3で表される化合物
【0036】
【化2】
【0037】
但し、R1及びR2はエチレン基である。
【0038】
【化3】
【0039】
但し、Arはアリールを表し、nは平均重合度を表し、13である。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
実施例6
実施例1において得られた重合体粒子3.5部、1,3−ブタジエン42部、スチレン35部、アクリロニトリル10部、メタクリル酸メチル10部、メタクリル酸1部及びラウリル硫酸ナトリウム0.5部を軟水150部に添加し攪拌乳化し、温度65℃に加温した後、過硫酸カリウム0.5部、重炭酸ナトリウム0.2部、t−ドデシルメルカプタン0.85部、α−メチルスチレンダイマー1.2部及びエチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム0.1部を添加し、65℃で10時間攪拌しながら重合した。重合終了後、25℃に冷却して共重合体ラテックスを得た。このラテックスの評価結果を表3に示す。
【0043】
実施例7〜10及び比較例6〜7
実施例6において用いた重合体粒子の種類及び量を、表3又は表4に示す重合処方に代えた他は実施例6と同じ方法で共重合体ラテックスを得た。これらラテックスの評価結果を表3及び表4に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
以上のことから、反応性界面活性剤を使用しないと(比較例1)、重合体粒子の粒子径分布が広くなり(単分散性比が大きくなり)、また凝集物の含有量が増えることがわかる(比較例6)。30重量部を超える量の反応性界面活性剤を使用して得られた重合体粒子(比較例2)をシード粒子として用いて、重合体ラテックスを得た場合(比較例7)には凝集物が多量に発生することがわかる。一方、本発明の重合体粒子をシード粒子として用いて、重合体ラテックスを得た場合には、凝集物が少なく(重合安定性が高く)且つ粒子径分布が狭いことがわかる。特に、鉄化合物0.001〜1重量部、過硫酸塩0.01〜5重量部及びエチレン性不飽和結合を有するスルホコハク酸塩5〜20重量部の存在下に、共役ジエン単量体25〜75重量%およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜10重量%を含む単量体100重量部を重合してなる平均粒子径10〜50nmの重合体粒子(実施例1〜2)を用いて、重合体ラテックスを得た場合には、凝集物がさらに少なく(重合安定性が高く)且つ粒子径分布が狭いことがわかる。
Claims (3)
- 遷移金属化合物0.001〜1重量部、重合開始剤0.01〜13重量部及び反応性界面活性剤5〜30重量部の存在下に、共役ジエン単量体25〜75重量%およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜10重量%を含む単量体100重量部を重合してなる重量平均粒子径10〜50nmの重合体粒子。
- 反応性界面活性剤5〜30重量部及び共役ジエン単量体25〜75重量%およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜10重量%を含む単量体100重量部を混合して乳化物を得、これに遷移金属化合物0.001〜1重量部及び重合開始剤0.01〜13重量部を添加して乳化重合することを特徴とする請求項1記載の重合体粒子の製法。
- 請求項1記載の重合体粒子の存在下に、単量体を重合することを特徴とする重合体ラテックスの製造方法。
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