JPH08245706A - 機械的安定性に優れた水性エマルジョンの製造方法 - Google Patents

機械的安定性に優れた水性エマルジョンの製造方法

Info

Publication number
JPH08245706A
JPH08245706A JP7845195A JP7845195A JPH08245706A JP H08245706 A JPH08245706 A JP H08245706A JP 7845195 A JP7845195 A JP 7845195A JP 7845195 A JP7845195 A JP 7845195A JP H08245706 A JPH08245706 A JP H08245706A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emulsion
polymerization
weight
parts
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7845195A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Kasai
将利 河西
Tei Ishida
禎 石田
Takashi Nakajima
中島  隆
Hiroshi Noguchi
博司 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Chemical Co Ltd
Original Assignee
Unitika Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Chemical Co Ltd filed Critical Unitika Chemical Co Ltd
Priority to JP7845195A priority Critical patent/JPH08245706A/ja
Publication of JPH08245706A publication Critical patent/JPH08245706A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/22Emulsion polymerisation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクリル系単量体、スチレン系単量体および
ジエン系単量体の乳化重合を阻害することなく、安定に
行うことができ、しかも粘着剤およびモルタル改質剤等
に必要な機械的安定性に優れたエマルジョンを得ること
のできる方法を提供する。 【構成】 アクリル系単量体、スチレン系単量体、ジエ
ン系単量体より選ばれた少なくとも1種以上のエチレン
性不飽和単量体の乳化重合に際して、重合反応が開始し
て以後、熟成を開始するまでの間に、単量体100重量
部に対して0.1〜20重量部のポリビニルアルコール
を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合安定性および機械
的安定性などに優れ、粘着剤やモルタル添加剤などに適
した水性エマルジョンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系単量体、スチレン系単
量体、ジエン系単量体の乳化重合に際し、乳化剤として
はアニオン系およびノニオン系界面活性剤が用いられて
いるが、酢酸ビニル単量体の乳化重合の際に用いられる
ポリビニルアルコール等の保護コロイド剤は使用されて
いない。このような方法で製造されたエマルジョンは、
機械的安定性が劣り、またエマルジョンの粘度が低いた
め、一部の用途を除き増粘剤を添加する必要があり、そ
のための操作が複雑になるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に酢酸ビニル単
量体の乳化重合で行われるように、エマルジョン粒子表
面にポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を化学的
に吸着させることにより、安定性が優れたエマルジョン
を得ることができ、ポリビニルアルコールの重合度、鹸
化度を変えることにより、所望のエマルジョン粘度が得
られることが知られている。しかしながら、アクリル系
単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体は酢酸
ビニル単量体と比べてラジカル反応性が小さく、ポリビ
ニルアルコールの存在下では乳化重合の初期反応が起こ
りにくいため、重合時の安定性にも乏しく、得られたエ
マルジョンも機械的安定性が得られないという問題があ
った。
【0004】特開平6ー179705号公報には、アク
リル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体
の乳化重合の際に、保護コロイド剤として末端にメルカ
プト基を有するポリビニルアルコールを用い、エマルジ
ョン粒子と化学的に反応させることにより、上記の単量
体よりエマルジョンを製造する方法が提案されている
が、メルカプト基を有するポリビニルアルコールは汎用
ポリビニルアルコールに比較して原料が高価であり、し
かも製造工程が煩雑になることからコストが高くなり、
このような方法で得られたエマルジョンの用途が限定さ
れるという問題があり、汎用のポリビニルアルコールを
保護コロイド剤として用いたアクリル系、スチレン系お
よびジエン系のエマルジョンが望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の機械的安定性の
優れた水性エマルジョンの製造方法は、かかる課題を解
決するものであって、アクリル系単量体、スチレン系単
量体、ジエン系単量体より選ばれた少なくとも1種以上
のエチレン性不飽和単量体の乳化重合に際して、重合反
応が開始して以後、熟成を開始するまでの間に、前記単
量体100重量部に対して0.1〜20重量部のポリビ
ニルアルコールを添加することを特徴とするものであ
る。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
水性エマルジョンの製造において用いられるエチレン性
不飽和単量体は、アクリル系単量体、スチレン系単量
体、ジエン系単量体より選ばれた少なくとも1種以上で
あって、まず、アクリル系単量体としては、アクリル酸
およびアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステルおよびア
クリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチル
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスル
ホン酸などのアクリルアミド系単量体、アクリロニトリ
ル等のニトリル系単量体等およびその誘導体、メタクリ
ル酸およびメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタ
クリル酸エステルおよびメタクリルアミド等のメタクリ
ルアミド系単量体、メタクリロニトリル等のニトリル系
単量体等およびその誘導体が挙げられる。さらに、スチ
レン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−スチレンスルホン酸などのスチレン系単量体お
よびその誘導体などが挙げられ、ジエン系単量体として
は、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエ
ン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0007】さらに、本発明の水性エマルジョンの製造
において用いられるポリビニルアルコールは、水溶性で
あれば、平均重合度、鹸化度に制限はないが、重合度5
0〜10,000、さらには100〜3,000が好ま
しい。また、鹸化度は50以上、さらには65モル%以
上が好ましい。
【0008】前記ポリビニルアルコールの使用量は、エ
チレン性不飽和単量体100重量部に対して0.1〜2
0重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好まし
くは1〜10重量部である。ポリビニルアルコールの使
用量が0.1重量部より小さい場合には、得られたエマ
ルジョンの良好な機械的安定性が得られず、また20重
量部より大きくしても、添加効果が少なく、重合系の粘
度が高くなり、均一に重合を進行することができなくな
ったり、重合熱の除去が不十分になってしまう。
【0009】アクリル系単量体、スチレン系単量体およ
びジエン系単量体の乳化重合の場合には、重合開始時に
界面活性剤が使用される場合が多いが、必要に応じてこ
れらの界面活性剤を用いてもよい。このとき用いる界面
活性剤も特に制限はなく、従来公知のアニオン性界面活
性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を
単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
【0010】本発明の効果を損なわない範囲で、乳化重
合の際に使用される他の保護コロイド剤および増粘剤、
可塑剤、消泡剤などを重合時あるいは重合後に添加して
もよく、エマルジョンに望まれる特性を付与することが
できる。
【0011】本発明において乳化重合の際に使用される
重合開始剤としては、乳化重合に通常用いられる水溶性
の単独開始剤あるいは水溶性のレドックス系開始剤が使
用される。単独開始剤の例としては過酸化水素および過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム
等の過硫酸塩が挙げられ、レドックス系開始剤としては
(a)過酸化水素、クメンヒドロパーオキシド、t−ブ
チルヒドロパーオキシド、過硫酸塩、過酢酸t−ブチ
ル、過安息香酸t−ブチル等の中から選ばれた少なくと
も1種、(b)Fe2+、Cr2+、V2+、Co2+、T
3+、Cu+ 等の1電子移動を受けることのできる金属
イオン、(c)ロンガリット、1−アスコルビン酸等の
還元性物質が挙げられ、(a)と(b)、(a)と
(b)と(c)の組み合わせで使用される。
【0012】本発明の水性エマルジョンの製造における
アクリル系単量体、スチレン系単量体、ジエン系単量体
より選ばれた少なくとも1種以上のエチレン性不飽和単
量体の乳化重合においては、通常、前記単量体を連続添
加しながら重合反応を進行させ、単量体の連続添加終了
後に未反応の単量体の重合を促進するため反応系を重合
温度あるいはそれ以上に加熱して残存する単量体を減少
させる熟成と呼ばれる工程を行うが、本発明において
は、ポリビニルアルコールの添加時期が重要であって、
重合反応が開始して以後、熟成を開始するまでの間でな
ければならない。
【0013】熟成開始後にポリビニルアルコールを添加
した場合やポリビニルアルコールを増粘剤として重合終
了後に添加した場合には、ポリビニルアルコールは乳化
重合したポリマーと物理的にしか吸着せず、得られたエ
マルジョンは機械的安定性に乏しいものになってしまう
ので、ポリビニルアルコールの添加時期は重合反応の反
応中でなければならないのである。なお、ポリビニルア
ルコールの添加は例えば水溶液として添加することが望
ましく、添加手段は連続、分割、あるいは一括のいずれ
でもよい。
【0014】このようにして、本発明の方法によりポリ
ビニルアルコールを重合反応が開始して以後、熟成を開
始するまでの間で添加することにより、アクリル系単量
体、スチレン系単量体およびジエン系単量体等の乳化重
合を阻害することなく、安定に行うことができ、しかも
粘着剤およびモルタル改質剤等に必要な機械的安定性に
優れたエマルジョンを得ることが可能である。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、エマルジョンの物性および性能は次のよう
にして求めた。
【0016】1.固形分濃度 エマルジョンを105℃で16時間乾燥して固形分重量
を測定し、全エマルジョン重量に対する百分率で濃度を
求めた。
【0017】2.粘度 エマルジョンの粘度をBH型粘度計を用いて30℃、1
0rpmの条件下で測定した。
【0018】3.平均粒子径 エマルジョン中の平均粒子径を遠心沈降式分布測定装置
により測定した。
【0019】4.重合安定性 エマルジョンを100メッシュ金網でろ過し、金網上に
残留した凝固物を乾燥させ、凝固物の固形分重量を測定
し、次式により凝固率(%)を算出した。凝固率=(凝
固物の固形分重量/エマルジョン中の全ポリマー重量)
×100
【0020】5.機械的安定性 マロン式機械的安定性測定装置を用いて、試料50g、
荷重10kg、15分間の条件下でエマルジョンに機械
的負荷を与えた後、80メッシュの金網でろ過し、金網
上に残留した凝固物の固形分重量を測定し、次式により
凝固率(%)を求めた。 凝固率=〔凝固物の固形分重量/(50×エマルジョンの
固形分濃度)]×100
【0021】本発明の実施例で用いるポリビニルアルコ
ールは酢酸ビニル単量体の溶液重合で得たポリ酢酸ビニ
ルをアルカリで鹸化することにより得たもので、重合度
が480、1000、1700で鹸化度がそれぞれ8
8.0%、96.0%、98.5%のものを使用した。
【0022】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水147重量部、アニ
オン性界面活性剤NEWCOL707SF(日本乳化剤
(株)製)1.5重量部、重合開始剤として過硫酸アン
モニウム0.5重量部を入れ、窒素雰囲気下で加熱して
80℃に昇温した。次に、アクリル酸ブチル100重量
部を2時間かけて連続的に添加し、添加開始後、10〜
20分の間に反応液が青白く変色し、内温が一旦上昇す
ることを確認し、その時点をもって重合開始時点とし
た。重合が開始して1時間後に3重量部のポリビニルア
ルコール(重合度1000、鹸化度96.0%)を水溶
液として添加し、アクリル酸ブチルの連続添加終了後2
時間、熟成反応を行い、乳化重合を完結した。乳化重合
に際しては、重合は安定に進行し、しかも表1に示すよ
うに、機械的安定性の優れた固形分濃度41.2重量
%、粘度8,900mPa・s、平均粒子径0.5μの
良好なポリアクリル酸ブチルエマルジョンが得られた。
【0023】実施例2 ポリビニルアルコールを重合度1700、鹸化度98.
5重量%のものに代えて使用した以外は実施例1と同様
にして乳化重合を行った。この際、重合は安定に進行
し、しかも表1に示すように、機械的安定性の優れた固
形分濃度41.2重量%、粘度13,500mPa・
s、平均粒子径0.55μのポリアクリル酸ブチルエマ
ルジョンが得られた。
【0024】実施例3 ポリビニルアルコールを重合度480、鹸化度88.0
重量%のものに代えて使用した以外は実施例1と同様に
して乳化重合を行った。この際、重合は安定に進行し、
しかも表1に示すように、機械的安定性の優れた固形分
濃度41.2重量%、粘度4,300mPa・s、平均
粒子径0.48μのアクリル酸ブチルエマルジョンが得
られた。
【0025】実施例4 アクリル酸ブチル100重量部に代えて49重量部のメ
タクリル酸メチルと49重量部のアクリル酸2ーエチル
ヘキシルと2重量部のアクリル酸を使用した以外は実施
例1と同様にして乳化重合を行った。この際、重合は安
定に進行し、しかも表1に示すように、機械的安定性の
優れた固形分濃度41.1重量%、粘度16,000m
Pa・s、平均粒子径0.48μの良好なアクリル系共
重合エマルジョンが得られた。
【0026】実施例5 アクリル酸ブチル100重量部に代えて50重量部のス
チレンと50重量部のアクリル酸2ーエチルヘキシルの
共重合単量体を使用した以外は実施例1と同様にして乳
化重合を行った。この際、重合は安定に進行し、しかも
表1に示すように、機械的安定性の優れた固形分濃度4
1.0重量%、粘度6,200mPa・s、平均粒子径
0.33μのアクリルースチレン系共重合エマルジョン
が得られた。
【0027】実施例6 ポリビニルアルコールの添加量をアクリル酸ブチル10
0重量部に対して0.1重量部に代えた以外は実施例1
と同様にして乳化重合を行った。この際、重合は安定に
進行し、しかも表1に示すように、機械的安定性の優れ
た固形分濃度40.8重量%、粘度820mPa・s、
平均粒子径0.24μのポリアクリル酸ブチルエマルジ
ョンが得られた。
【0028】実施例7 ポリビニルアルコールの添加量をアクリル酸ブチル10
0重量部に対して20重量部に代えた以外は実施例1と
同様にして乳化重合を行った。この際、重合は安定に進
行し、しかも表1に示すように、機械的安定性の優れた
固形分濃度45.3重量%、粘度97,300mPa・
s、平均粒子径0.98μのポリアクリル酸ブチルエマ
ルジョンが得られた。
【0029】比較例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水147重量部、アニ
オン性界面活性剤NEWCOL707SF(日本乳化剤
(株)製)1.5重量部の他に、ポリビニルアルコール
(重合度1000、鹸化度96.0%)3重量部を水溶
液として添加し、さらに重合開始剤として過硫酸アンモ
ニウム0.5重量部を添加し、窒素雰囲気下で加熱して
80℃に昇温した。次に、アクリル酸ブチル100重量
部を2時間かけて連続的に添加した。連続添加終了後、
熟成反応を2時間行い、乳化重合を完結した。乳化重合
に際しては、重合は開始したが、重合中にポリマーの融
着が起こり、凝固物が生成し、重合は安定に進行しなか
った。また、表1に示すように、エマルジョンの固形分
濃度も35.6重量%と低く、機械的安定性も劣るもの
であった。
【0030】比較例2 アクリル酸ブチル100重量部に代えて49重量部のメ
タクリル酸メチルと49重量部のアクリル酸2ーエチル
ヘキシルと2重量部のアクリル酸を使用した以外は比較
例1と同様にして乳化重合を行った。この際、重合は安
定に進行せず、表1に示すようにエマルジョンの固形分
濃度も38.4重量%と低く、また機械的安定性も劣る
ものであった。
【0031】比較例3 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水147重量部、アニ
オン性界面活性剤NEWCOL707SF(日本乳化剤
(株)製)1.5重量部、重合開始剤として過硫酸アン
モニウム0.5重量部を入れ、窒素雰囲気下で加熱して
80℃に昇温した。次に、アクリル酸ブチル100重量
部を2時間かけて連続的に添加した。連続添加終了後、
熟成反応を2時間行い、乳化重合を完結した。乳化重合
に際しては、重合は安定に進行し、エマルジョンの固形
分濃度も40.0重量%であったが、表1に示すよう
に、粘度は20mPa・sと低く、平均粒子径も0.1
4μと小さく、しかも機械的安定性も劣るものであっ
た。
【0032】比較例4 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水147重量部、アニ
オン性界面活性剤NEWCOL707SF(日本乳化剤
(株)製)1.5重量部、重合開始剤として過硫酸アン
モニウム0.5重量部を入れ、窒素雰囲気下で加熱して
80℃に昇温した。次に、アクリル酸ブチル100重量
部を2時間かけて連続的に添加した。連続添加終了後、
ポリビニルアルコール(重合度1000、鹸化度96.
0%)3重量部を水溶液として添加し、その後、熟成反
応を2時間行い、乳化重合を完結した。乳化重合に際し
ては、重合中に凝固物が生成し、重合は安定に進行しな
かった。このようにして得られたエマルジョンの固形分
濃度は表1に示すように、41.1重量%で、機械的安
定性も劣るものであった。
【0033】比較例5 比較例3で得られたエマルジョンの増粘を目的とし、ポ
リビニルアルコール(重合度1000、鹸化度96.0
%)3重量部を水溶液として添加した。この際、エマル
ジョンとポリビニルアルコール水溶液との混合中に凝固
物が生成した。得られたエマルジョンの固形分濃度は表
1に示すように、36.5重量%で、機械的安定性も劣
るものであった。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、アクリル系単量体、スチレン系単量体および
ジエン系単量体等の乳化重合を阻害することなく、安定
に行うことができ、しかも従来のものに比べて粘度が高
く、機械的安定性の優れた水性エマルジョンを得ること
ができる。得られた水性エマルジョンは粘着剤やモルタ
ルへの添加剤などに有用であり、産業上の価値はきわめ
て大きいものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系単量体、スチレン系単量体、
    ジエン系単量体より選ばれた少なくとも1種以上のエチ
    レン性不飽和単量体の乳化重合に際して、重合反応が開
    始して以後、熟成を開始するまでの間に、前記単量体1
    00重量部に対して0.1〜20重量部のポリビニルア
    ルコールを添加することを特徴とする水性エマルジョン
    の製造方法。
JP7845195A 1995-03-10 1995-03-10 機械的安定性に優れた水性エマルジョンの製造方法 Pending JPH08245706A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7845195A JPH08245706A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 機械的安定性に優れた水性エマルジョンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7845195A JPH08245706A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 機械的安定性に優れた水性エマルジョンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08245706A true JPH08245706A (ja) 1996-09-24

Family

ID=13662410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7845195A Pending JPH08245706A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 機械的安定性に優れた水性エマルジョンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08245706A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999061484A1 (fr) * 1998-05-28 1999-12-02 Nippon Zeon Co., Ltd. Emulsion aqueuse et procede permettant de la preparer
JP2001146695A (ja) * 1999-11-15 2001-05-29 Nippon Zeon Co Ltd 紙塗工用水性エマルション及び紙塗工組成物
US7396868B2 (en) 2002-02-25 2008-07-08 Nitto Denko Corporation Aqueous dispersion type pressure-sensitive adhesive composition and pressure-sensitive adhesive product
US8030398B2 (en) 2003-04-09 2011-10-04 Kuraray Co., Ltd. Method for producing a (meth)acrylic resin emulsion
US8058341B2 (en) * 2002-02-25 2011-11-15 Nitto Denko Corporation Aqueous dispersion type pressure-sensitive adhesive composition and pressure-sensitive adhesive product

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999061484A1 (fr) * 1998-05-28 1999-12-02 Nippon Zeon Co., Ltd. Emulsion aqueuse et procede permettant de la preparer
JPH11335490A (ja) * 1998-05-28 1999-12-07 Nippon Zeon Co Ltd 水性エマルションおよびその製造方法
US6448330B1 (en) * 1998-05-28 2002-09-10 Zeon Corporation Aqueous emulsion and process for producing the same
JP2001146695A (ja) * 1999-11-15 2001-05-29 Nippon Zeon Co Ltd 紙塗工用水性エマルション及び紙塗工組成物
US7396868B2 (en) 2002-02-25 2008-07-08 Nitto Denko Corporation Aqueous dispersion type pressure-sensitive adhesive composition and pressure-sensitive adhesive product
US8058341B2 (en) * 2002-02-25 2011-11-15 Nitto Denko Corporation Aqueous dispersion type pressure-sensitive adhesive composition and pressure-sensitive adhesive product
US8030398B2 (en) 2003-04-09 2011-10-04 Kuraray Co., Ltd. Method for producing a (meth)acrylic resin emulsion

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2676672B2 (ja) コアとシェルの間に改善された相結合を有するコア/シェル分散粒子のグラフト共重合体ラテックスの製造方法
JP2007204747A (ja) コポリマーと疎水性キャビティを有する高分子有機化合物とを含む組成物
AU2015333655B2 (en) Vinyl acetate-ethylene / acrylic polymer emulsions and products and methods relating thereto
JPH0250923B2 (ja)
JPH08337608A (ja) 離散した固体のポリマー粒子を形成させる方法
JPH08245706A (ja) 機械的安定性に優れた水性エマルジョンの製造方法
JP2975580B2 (ja) t−ドデシルメルカプタンを連鎖移動剤として用いるカルボキシル化スチレン−ブタジエンラテックスのための重合法
JPS60197229A (ja) 乳化重合用分散安定剤
JP2003105007A (ja) アクリル系エマルジョンの製造方法
JP3898073B2 (ja) アルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法
JP3668692B2 (ja) アルカリ可溶性ポリマー水分散体の製造方法
JP4473998B2 (ja) ビニル系化合物の乳化重合方法
JP3417583B2 (ja) 高酸価アクリル樹脂の製造方法
JPS6039686B2 (ja) 乳化重合体の製造法
JP3297110B2 (ja) カルボキシ変性ブタジエン系共重合体ラテックスの製造方法
JPS61271339A (ja) 共重合体ラテツクス
JPS5883012A (ja) 1―アセトキシ―1,3―ブタジエンの重合体組成物
JPS6128686B2 (ja)
JPH0649108A (ja) コア・シェル型エマルジョンの製造方法
JP4265713B2 (ja) ビニル系化合物の乳化重合方法
JPH04227904A (ja) シード重合用ビニルエステル系重合体エマルジョンの製法
JPH09279084A (ja) 含浸加工紙用乳化重合組成物
DE10316615A1 (de) Restmonomerreduzierung in der Emulsionpolymerisation von Acrylaten und Styrolacrylaten
JP2000256408A (ja) ビニル系化合物の乳化重合方法
JPH10245407A (ja) ラジカル重合方法