JP2001146695A - 紙塗工用水性エマルション及び紙塗工組成物 - Google Patents
紙塗工用水性エマルション及び紙塗工組成物Info
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Abstract
を有するとともにドライ強度、印刷光沢等とのバランス
にも優れた塗工紙を与える紙塗工用組成物及びそのため
の水性エマルションを提供すること。 【解決手段】 共役ジエン単量体30〜70重量%、芳
香族ビニル単量体10〜70重量%及びこれらと共重合
可能なその他のエチレン性不飽和単量体0〜60重量%
からなる単量体を共重合して得られる共重合体の水性エ
マルションであって、アルコ−ル性水酸基を含有する重
量平均分子量2,000以上の水溶性高分子化合物で分
散安定化されており、分散安定化に使用した該アルコ−
ル性水酸基を含有する水溶性高分子化合物の少なくとも
一部が該共重合体にグラフトしていて、そのグラフト率
が0.5〜30重量%であることを特徴とする共重合体
の水性エマルションから成る紙塗工用水性エマルション
及びこの紙塗工用水性エマルションと顔料とを必須成分
とする紙塗工組成物。
Description
塗工用水性エマルションに関し、更に詳しくは、ドライ
ピック強度、ウェットピック強度、印刷光沢、白紙光
沢、ウェット着肉性及び耐ブロッキング性に優れ且つそ
れらのバランスがよい塗工紙を得るための紙塗工組成物
及びこれに用いる水性エマルションに関する。
工紙に要求される性能も厳しくなっており、例えば、ド
ライピック強度とウェットピック強度との相矛盾した特
性を両方とも向上させ、更には、ウェット着肉性に優れ
且つこれらのバランスのよい塗工紙が求められている。
これらの要求を満たすべく、種々の検討がなされてお
り、例えば、紙塗工用エマルションとしては、エチレン
性不飽和カルボン酸単量体、共役ジエン単量体及びこれ
らと共重合可能な単量体を共重合してなる共重合体エマ
ルションの存在下に、メタクリロニトリル及びメタアク
リルアミドを共重合して得られる共重合体エマルション
(特開平5−239113号公報)、エチレン性不飽和
カルボン酸単量体、共役ジエン単量体及びこれらと共重
合可能な単量体を共重合してなる共重合体エマルション
の存在下に、アクリロニトリル及びブタジエンを共重合
して得られる共重合体エマルション(特開平5−596
93号公報)等が提案されている。しかしながら、これ
らの共重合体エマルションを用いた塗工組成物を用いて
得られる塗工紙は、ドライピック強度、ウェットピック
強度、白紙光沢、ウェット着肉性などの特性のいずれか
が悪く、各特性のバランスが十分でなかった。
イピック強度、ウェットピック強度、印刷光沢、ウェッ
ト着肉性、白紙光沢及び耐ブロッキング性に優れ且つこ
れらのバランスがよい塗工紙を得るための紙塗工組成物
及びこれに用いる水性エマルションを提供することにあ
る。
研究を行った結果、共役ジエン単量体単位等から成る共
重合体の水性エマルションであって、アルコ−ル性水酸
基を含有する水溶性高分子化合物で分散安定化されてお
り、分散安定化に使用した該アルコ−ル性水酸基を含有
する水溶性高分子化合物の少なくとも一部が該共重合体
にグラフトしていて、しかも、そのグラフト率が特定の
範囲にある水性エマルションを用いることによって本目
的を達成できることを見出し、この知見に基いて本発明
を完成するに到った。
ば、共役ジエン単量体30〜70重量%、芳香族ビニル
単量体10〜70重量%及びこれらと共重合可能なその
他のエチレン性不飽和単量体0〜60重量%からなる単
量体を共重合して得られる共重合体の水性エマルション
であって、アルコ−ル性水酸基を含有する重量平均分子
量2,000以上の水溶性高分子化合物で分散安定化さ
れており、分散安定化に使用した該アルコ−ル性水酸基
を含有する水溶性高分子化合物の少なくとも一部が該共
重合体にグラフトしていて、そのグラフト率が0.5〜
30重量%であることを特徴とする共重合体の水性エマ
ルションから成る紙塗工用水性エマルションが提供され
る。また、本発明によれば、前記水性エマルションと顔
料とを必須成分とする紙塗工組成物が提供される。
ョンは、共役ジエン単量体、芳香族ビニル単量体及びこ
れらと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体か
らなる単量体を共重合してなる共重合体水性エマルショ
ンである。
としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−
ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
2−エチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3
−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、置換直鎖共役ペ
ンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類などを
挙げることができる。これら共役ジエン単量体のうち
1,3−ブタジエンが好適である。共役ジエン単量体の
量の下限は、共重合体の合成に使用する全単量体の30
重量%、好ましくは40重量%であり、上限は共重合体
の合成に使用する全単量体の70重量%、好ましくは5
5重量%である。30重量%未満ではドライピック強度
が低下する。逆に70重量%を超えるとウェットピック
強度及び耐ブロッキング性が低下する。
体としては、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロ
ルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、
モノメチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルス
チレン、ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスル
ホン酸及びそのナトリウム塩やカリウム塩などが挙げら
れる。これら芳香族ビニル単量体のうちスチレンが好適
である。芳香族ビニル単量体の量の下限は共重合体の合
成に使用する全単量体の10重量%、好ましくは20重
量%であり、上限は共重合体の合成に使用する全単量体
の70重量%、好ましくは60重量%である。10重量
%未満ではウェットピック強度が低下する。70重量%
を超えるとドライピック強度が低下する。
には、上記単量体以外のエチレン性不飽和単量体を用い
ることができる。その具体例としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、2−エチルプロペンニトリ
ル、2−プロピルプロペンニトリル、2−クロロプロペ
ンニトリル、2−ブテンニトリルなどのエチレン性不飽
和ニトリル単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル及
びこれらの四級化物、エチレングリコールジメタクリレ
ートなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;
ニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル、酢酸
イソプロペニルなどのカルボン酸ビニルエステル単量
体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル単量体;アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モ
ノカルボン酸;フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、
無水マレイン酸、無水イタコン酸等のエチレン性不飽和
多価カルボン酸及びその無水物;マレイン酸ブチル、イ
タコン酸ブチルなどの多価カルボン酸の部分エステル
等;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンな
どのオレフィン系単量体;メチルビニルエーテル、n−
プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエー
テルなどのビニルエーテル系単量体;酢酸アリル、酢酸
メタリル、塩化アリル、塩化メタリルなどのアリル化合
物及びメタリル化合物;ビニルトリメトキシシランなど
のビニルシリル化合物;ビニルピリジン、N−ビニルピ
ロリドンなどなどが挙げられる。
は、共重合体の合成に使用する全単量体の、60重量%
以下、好ましくは40重量%以下である。これらの単量
体のうち、エチレン性不飽和ニトリル単量体を用いると
塗工紙の印刷光沢、ドライピック強度及びウェットピッ
ク強度が高くなる。エチレン性不飽和ニトリル単量体を
使用する場合、その使用量は、通常、共重合体の合成に
使用する全単量体の2〜20重量%、好ましくは5〜1
5重量%である。また、塗工紙のインク受理性及び耐候
性を高くする目的の為にはエチレン性不飽和カルボン酸
エステル単量体が好適に用いられる。エチレン性不飽和
カルボン酸エステル単量体を使用する場合、その使用量
は、共重合体の合成に使用する全単量体の、通常、3〜
40重量%、好ましくは、5〜20重量%である。エチ
レン性不飽和カルボン酸エステル単量体の量が多すぎる
と、水性エマルションの粘度が高くなる傾向になる。
ボン酸単量体を使用することによって、紙塗工組成物の
機械的安定性を向上させることができる。この単量体を
使用する場合、その使用量は、全単量体の0.5〜5重
量%、好ましくは1〜4重量%である。この使用量が多
すぎると水性エマルションの粘度が高くなって紙塗工組
成物の調製が困難になる。
する共重合体粒子の重量平均粒子径は、通常、0.06
〜0.50μm、好ましくは0.07〜0.40μmで
ある。平均粒子径が小さすぎると、紙塗工用水性エマル
ションの粘度が高くなりすぎるので、紙塗工組成物の調
製が困難になる。逆に平均粒子径が大きすぎると塗工紙
のドライピック強度及びウェットピック強度が低下す
る。なお、平均粒子径は水性エマルションを電子顕微鏡
で観察し、撮影した写真からエマルション粒子を無作為
に500個選び、粒子径を測定し、その数平均値で示し
た値である。
する共重合体のガラス転移温度は、通常、−30〜+3
0℃、好ましくは−15〜+20℃である。ガラス転移
温度が低すぎると、塗工紙のウェットピック強度が低下
する。逆にガラス転移温度が高くなりすぎると塗工紙の
ドライピック強度が低下する。ガラス転移温度は水性エ
マルションを枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相
対湿度65%の恒温恒湿室に48時間放置してフィルム
を得、このフィルムについて示差走査熱量計(DSC、
セイコー電子工業(株)社製:SSC5200)を用い
て、開始温度−100℃、昇温速度5℃/分の条件で測
定して得られる値である。
単量体、芳香族ビニル単量体及びこれらと共重合可能な
その他のエチレン性不飽和単量体からなる単量体を共重
合して得られる共重合体の水性エマルションであって、
重合時に分散安定化剤として添加したアルコール性水酸
基含有水溶性高分子化合物の少なくともその一部が該共
重合体にグラフト結合している。本発明の水性エマルシ
ョンの優れた安定性は、このグラフト結合されたアルコ
ール性水酸基含有水溶性高分子化合物によるものと考え
られる。
有する水溶性高分子化合物がグラフト結合した共重合体
の重量(グラフト結合した該アルコール性水酸基を含有
する水溶性高分子化合物の重量を除く。)と該アルコー
ル性水酸基を含有する水溶性高分子化合物がグラフト結
合していない共重合体の重量との合計量に対する、共重
合体にグラフトした該アルコール性水酸基含有水溶性高
分子化合物の重量の比率を、グラフト率という。
5〜30重量%であることが必要であり、好ましくは1
〜20重量%、更に好ましくは5〜15重量%である。
このグラフト率が0.5重量%未満では、ウエットピッ
ク強度及びウエット着肉性が悪くなる。逆に30重量%
を超えると、同様にウエットピック強度及びウエット着
肉性が悪くなる上に白紙光沢も低下し、更に水性エマル
ションの粘度が高くなって取り扱いが困難になり、粘度
を低くする為に重合濃度を低くすると生産性が悪くな
る。
のアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と、アル
コール性水酸基含有水溶性高分子化合物がグラフト結合
した共重合体とは、例えば、遠心分離によって、分離す
ることができる。即ち、遊離のアルコール性水酸基含有
水溶性高分子化合物は水層中に残り、アルコール性水酸
基含有水溶性高分子化合物がグラフト結合した共重合体
は、沈殿する。アルコール性水酸基含有水溶性高分子化
合物がグラフト結合した共重合体は、例えば、これを更
に過酸化物ラジカルで処理をして不溶化することによ
り、該水溶性高分子化合物がグラフト結合していない共
重合体と分離することができる。ここで、アルコール性
水酸基含有水溶性高分子化合物がグラフト結合した共重
合体中の該水溶性高分子化合物の量は、例えば、水酸基
をアセチル化するなどの手法により適切な誘導体に変換
した後、例えば、NMRなどにより分析することができ
る。
適には、以下のようにして製造することができる。即
ち、水性媒体(水又は水と所望により併用するアルコー
ルなどの水溶性有機溶媒との混合物をいう。)中におい
て、分解して過酸化物ラジカルを発生する重合開始剤を
用いて、アルコール及びアルコール性水酸基を含有する
重量平均分子量2,000以上の水溶性高分子化合物
(以下、「アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物」という。)の存在下で、単量体を重合させる。
は、重合をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
の存在下で行うことが重要である。界面活性剤を用いた
乳化重合又は後乳化法によって得られた水性エマルショ
ンに該水溶性高分子化合物を後添加する方法や乳化重合
以外の方法で得られた共重合体又はそれらの水溶液を水
に後乳化(強制乳化又は自己乳化)分散させる時に分散
安定剤としてアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物を用いる方法で得られるエマルションは、各種の安定
性が上記方法で得られたものよりも遥かに劣る。
は、重合の進行と並行して単量体を反応系に添加してい
くことが重要である。単量体の全量を重合初期に一括し
て重合容器に投入して重合を開始する方法では、反応系
が不安定化するなどの問題が生じるので、望ましくな
い。
セスでは、重合の進行と並行してアルコール性水酸基含
有水溶性高分子化合物を反応系に添加していくことが重
要である。
分子化合物とは、それぞれ別々に添加しても、単量体、
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物及び水を混
合して得られる単量体乳化物の形態で添加しても構わな
い。単量体とアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物とを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に
開始するのが望ましい。単量体のみが先に多量に添加さ
れると凝集物が発生しやすく、逆に、アルコール性水酸
基含有水溶性高分子化合物のみが先に多量に添加される
と重合系が増粘する、又は凝集物が発生しやすくなるな
どの問題が起きやすい。両者の添加終了は、必ずしも同
時である必要はないがほぼ同時であることが望ましい。
単量体及びアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
の添加は、連続的又は断続的に行われる。
ける開始剤ラジカルの発生は、アルコールの存在下に行
われることが必須である。重合開始時にアルコールを系
中に存在させるためには、重合開始剤添加前に反応容器
にアルコールを添加しておく、アルコールを重合開始剤
の溶媒又はその一部として重合系に添加する等の方法を
採用することができる。重合の開始が、アルコールの不
存在下、かつ、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化
合物の存在下に行われると、重合系が凝集する等の問題
が起きる。また、上記水性エマルションの製造方法にお
いては、重合の進行をアルコールの存在下に行うことが
各種安定性に優れた水性エマルションを得るために必須
である。
て、アルコールを存在させない場合又はアルコールの使
用量が過少である場合は、安定性に優れた水性エマルシ
ョンを得ることができない。アルコールの存在により水
性エマルションの安定性が向上する理由は、本願発明を
何ら限定するものではないが、以下のような機構による
と解される。即ち、過酸化物ラジカルは、アルコール性
水酸基含有水溶性高分子化合物から水素を容易に引き抜
いて、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物ラジ
カルを生成する。また、過酸化物ラジカルは、アルコー
ルから水素を引き抜いて、アルコールラジカルを生成す
る。この過酸化物ラジカルによるアルコール性水酸基含
有水溶性高分子化合物ラジカルの生成速度とアルコール
ラジカルの生成速度とでは、アルコールラジカルの生成
速度の方が圧倒的に大きい。このため、アルコールの不
存在下では、過酸化物ラジカルによって生成したアルコ
ール性水酸基含有水溶性高分子化合物ラジカル同士の結
合により容易に不溶化物が生じるのに対して、アルコー
ルの存在下では、アルコール性水酸基含有水溶性高分子
化合物が反応するよりも速くアルコールが過酸化物ラジ
カルと反応して、アルコールラジカルが生成するため、
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物ラジカルの
生成が抑制される。従って、アルコール性水酸基含有水
溶性高分子化合物ラジカル同士の結合による不溶化物の
生成が抑制される。これにより、重合反応系の不安定化
が起こり難くなると考えられる。
格別限定されることはなく、1価及び多価のいずれでも
よいが、水溶性のものが好ましい。このようなアルコー
ルの具体例としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセロールなどを挙げること
ができる。アルコールの使用量は単量体100重量部に
対して1〜50重量部、好ましくは3〜20重量部であ
る。
過酸化物ラジカルを発生するものを使用することが必須
である。過酸化物ラジカルとは、過酸化物のO−O結合
が切断して生成する構造を有するラジカルをいう。過酸
化物ラジカルを発生する重合開始剤の具体例としては、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など
の水溶性過酸化物;t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイドなどの油溶性過酸化物;過酸化物と重亜硫酸水
素ナトリウムなどの各種還元剤との組み合わせによるレ
ドックス系開始剤などを挙げることができるが、中でも
水溶性過酸化物が好適であり、過硫酸塩が特に好適であ
る。これら重合開始剤の使用量は、単量体100重量部
に対して、通常、0.05〜3重量部、好ましくは0.
1〜2重量部である。過酸化物ラジカルを発生すること
のない上記以外の重合開始剤を使用した場合は安定性に
優れた水性エマルションを得ることができない。
く、例えば、重合開始前の重合容器に全量を投入する方
法や、重合開始前の重合容器に一部を投入して重合を開
始した後、残部をある特定の時期に追加添加する方法、
重合開始前に重合容器に一部を投入して重合を開始した
後、残部を単量体やアルコール性水酸基含有水溶性高分
子化合物の添加と並行して連続的又は断続的に重合系に
添加する方法などを採り得る。
して、重量平均分子量2,000以上のアルコール性水
酸基含有水溶性高分子化合物を使用することが必要であ
る。重量平均分子量が2,000未満では、重合を安定
的に行うことができない。アルコール性水酸基含有水溶
性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコー
ル及びその各種変性物などのビニルアルコール系重合
体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸又は無水マ
レイン酸との共重合体のけん化物;アルキルセルロー
ス、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキ
シアルキルセルロース、カルボキシルメチルセルロース
などのセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシル
メチル澱粉、酸化澱粉などの澱粉誘導体;アラビアゴ
ム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコールなどを
挙げることができる。中でも、工業的に品質が安定した
ものを入手しやすい点から、ビニルアルコール系重合体
が好ましい。
に水溶性であって安定な水性エマルションが得られるも
のであれば、その他の条件には制限はなく、ビニルエス
テル系単量体を主体とするビニル系単量体を従来公知の
方法で重合して得たビニルエステル系重合体(即ち、ビ
ニルエステル系単量体の単独重合体、2種以上のビニル
エステル系単量体の共重合体、及びビニルエステル系単
量体と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体)を常
法によりけん化して得られる。また、分子の主鎖、側鎖
又は末端にメルカプト基などの変性基を導入したものを
使用できる。前記ビニルエステル系単量体はラジカル重
合可能なものであればいずれも使用でき、その具体例と
しては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酢酸イソプロペニル、バレリン酸ビニル、カプリン
酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安
息香酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニルなどを挙げることができる。なかでも工業的に製造
され安価な酢酸ビニルが一般的である。
能な単量体を共存させ、共重合することも可能である。
これら共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;ア
クリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメ
ット酸又は無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸類;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル
などのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなど
のメタクリル酸エステル類;フマール酸ジメチル、マレ
イン酸ジエチル、イタコン酸ジイソプロピルなどの不飽
和多価カルボン酸エステル類;メチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエ
ーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエ
ーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニ
トリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸
アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;エチレンスル
ホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの
スルホン酸基含有化合物;ビニルトリメトキシシランな
どのビニルシラン化合物;及び3−アクリルアミドプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドな
どの第4級アンモニウム基を有する単量体などを挙げる
ことができる。
は、変性基の有無及びその種類に依存して変るが、得ら
れるビニルアルコール系重合体の水溶性などの観点か
ら、40〜99.99モル%であることが好ましく、5
0〜99.9モル%がより好ましく、60〜99.5モ
ル%が更に好ましい。けん化度が40モル%未満の場合
には粒子の分散安定性が低下する。前記ビニルエステル
系重合体の粘度平均重合度は、通常、50〜8,00
0、好ましくは100〜6,000、より好ましくは1
00〜5,000である。前記重合度が50未満の場
合、重合安定性が不十分であり、また重合度が8,00
0を超えると水性エマルションの粘度が非常に高くな
り、水性エマルション製造時の除熱が困難になるなどの
問題がある。
において、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
の使用量は、単量体100重量部当たり0.5〜100
重量部であり、好ましくは0.5〜50重量部、更に好
ましくは1〜20重量部である。0.5重量部未満で
は、重合時の安定性が悪く凝集物が多量に発生する、得
られる水性エマルションの機械的安定性及び化学的安定
性が低下するなどの問題があり、100重量部を超えて
使用すると、重合系の粘度上昇による反応熱除去が困難
になる、得られる水性エマルションの粘度が高くなりす
ぎ、取り扱いが困難となるといった問題が起きる。
ン性、アニオン性、カチオン性又は両性界面活性剤など
の各種の乳化剤は、必須ではなく、本発明の目的、効果
を損なわない範囲で併用してもよい。これらの中では、
アニオン性界面活性剤が好適である。
アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールスルホン酸塩、ポリリン酸塩などを、ノニオ
ン性界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコール
のアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型又
はアルキルエーテル型のものなどを、カチオン性界面活
性剤の例としては、脂肪族アミン塩及びその4級アンモ
ニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩、複素環4級アン
モニウム塩などを、両性界面活性剤の例としては、カル
ボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸
塩、イミダゾリン誘導体を挙げることができる。これら
の乳化剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよ
い。これらの乳化剤を使用する場合の使用量は単量体1
00重量部に対して、通常、0.1〜5重量部であり、
多すぎると得られる塗工紙のウエットピック等が低下す
る。
する単量体の量は、特に制限されないが、通常10〜7
0重量部、好ましくは20〜50重量部である。単量体
の添加速度は、特に制限はないが、反応中の重合転化率
が10重量%以上を保つように制御するのが好ましい。
反応途中の好ましい重合転化率は20重量%以上、更に
好ましくは30重量%以上である。単量体の添加速度が
速すぎると重合転化率が低くなり、粗大粒子が発生しや
すくなる。逆に、遅すぎると、重合系の粘度が上昇しや
すくなる。通常、単量体及びアルコール性水酸基含有水
溶性高分子化合物の添加に要する時間は、1時間以上で
あり、好ましくは2時間以上、20時間以下である。
00℃、好ましくは5〜95℃である。単量体添加終了
後、必要ならば、重合を更に続行して所望の重合転化率
に到達した後、重合を停止する。重合の停止は、重合停
止剤を添加するか又は単に重合系を冷却することによっ
て行うことができる。また、重合終了後に、所望によ
り、未反応の単量体を除去することができる。上記以外
の重合条件や重合方法には特に制限はなく、各種の従来
公知の乳化重合方法を採用することができる。
動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、連
鎖移動が起こるものであれば特に制限はなく、例えば、
n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタ
ン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメル
カプタンなどのメルカプタン、チオグリコール酸、チオ
リンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレートなどの
メルカプト基を有する化合物;ジメチルキサントゲンジ
サルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファ
イドなどのキサントゲン化合物;α−メチルスチレンダ
イマー、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテ
ン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、
1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダンなどの
α−メチルスチレンダイマー類;ターピノレン;テトラ
メチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジ
スルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなど
のチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、スチレン化フェノールなどのフェノー
ル系化合物;アリルアルコール、アクロレイン、メタク
ロレインなどのアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロ
モメタン、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭
化水素化合物;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベン
ジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアク
リルアミドなどのビニルエーテル;トリフェニルエタ
ン、ペンタフェニルエタン;などを挙げることができ
る。
ルカプト基を有する化合物が好ましい。メルカプト基を
有する化合物としては、炭素数50以下の化合物が好ま
しく、炭素数30以下の化合物がより好ましく、炭素数
20以下の化合物が特に好ましく、具体的には、n−オ
クチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン、2
−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸
などが挙げられる。
は、単量体100重量部に対して、通常、0.01〜5
重量部である。連鎖移動剤が、0.01重量部未満で
は、重合安定性向上効果が小さく実用的ではない。ま
た、5重量部を超える場合には、重合安定性が低下する
うえ、得られる重合体の分子量が著しく低下し、水性エ
マルションの各種物性の低下が起こる。連鎖移動剤の添
加方法は、特に限定されず、一括添加しても、断続的に
又は連続的に重合系に添加してもよい。本発明で使用す
る水性エマルションに、可塑剤、消泡剤などの助剤を重
合時又は重合後に併用することは何ら差し支えない。
水性エマルションと顔料とを必須成分とするものであ
る。
は、クレー、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、
酸化チタン、サチンホワイト等の無機顔料;プラスチッ
クピグメント等の有機顔料などが挙げられる。本発明の
紙塗工用水性エマルションと顔料との比率は、顔料10
0重量部に対して紙塗工用水性エマルションの固形分
が、通常、1重量部以上、好ましくは3〜20重量部で
ある。
て、更に水溶性高分子、pH調整剤、顔料分散剤、耐水
化剤、消泡剤、染料、滑剤、有機溶剤などを配合するこ
とができる。
することによって、塗工紙のドライピック強度、ウェッ
トピック強度などを改善することができる。塗工する紙
としては、板紙、洋紙いずれでもよい。また、塗工する
紙としては、帯状形状のものが塗工作業を連続的にでき
るので好適である。塗工の方法は特に限定されず、例え
ば、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコ
ーター、ショートドウェルコーターなどの塗工装置を用
いて塗工する。塗工量は、通常、組成物が固形分換算
で、通常、3〜30g/m2、好ましくは5〜25g/
m2になる範囲である。
説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の「%」及び「部」は特に断りのな
い限り、それぞれ「重量%」及び「重量部」を示す。な
お、ラテックスの重量は固形分換算である。また、実施
例中の粒子径は重量平均粒子径である。
説明する。 (1)重量平均粒子径(μm) コールターLS230(コールター社製粒子径測定機)
で測定する。
に調整して、その60gを試料とする。試料を5℃×1
3,000rpm×60分の条件で遠心分離し、上澄み
液を40g回収する。沈降層(20g)に蒸留水40g
を添加して均一にした後、同一条件で再度遠心分離し
て、上澄み液40gを回収し、沈降層について再度同一
操作を繰り返す。3回の遠心分離で得られた上澄み液合
計120gの固形分を測定し、上澄み液中の固形分量を
計算する。これが、共重合体にグラフトしなかったアル
コール性水酸基含有水溶性高分子化合物の量(A)であ
る。試料中のアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物の重量(B)[共重合体にグラフトしたアルコール性
水酸基含有水溶性高分子化合物と共重合体にグラフトし
ていないアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と
の和]から(A)を差し引いて、共重合体にグラフトし
たアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の量
(C)を得る。従って、上記測定条件において、グラフ
ト率は、下記式で与えられる。 グラフト率=〔C/(6−B)〕×100(%)
値20)0.4cm3をRIテスター(明石製作所製)
のゴムロールに付着させた後、このRIテスター(明石
製作所製)を用いて塗工紙に4回重ね刷りした。紙面の
剥がれ(ピッキング)状態を観察し5点法で評価した。
点数の高いほうがドライピック強度が高い。
ンロールで水を塗布し、次に印刷インク(タック値1
4)0.4cm3をゴムロールに付着させたRIテスタ
ーを用いてべた刷りした。紙面の剥がれ(ピッキング)
状態をドライピック強度の評価方法と同様にして5点法
で評価した。点数の高いものほどウェットピック強度が
高い。
て、0.3cm3の水を付着させたゴムロールに塗工紙
を通過させた後、印刷インク(東洋インク社製、TKマ
ークV、藍)0.3cm3をベタ刷りした。印刷インク
の付き具合いを肉眼で観察し5点法で評価した。数値が
大きいほどウェット着肉性が高い。
(村上色彩技術研究所製、GM−26D)を用いて入射
角75度、反射角75度の条件で光沢度を測定した。
製、TKマークV 藍)0.3cm3をゴムロールに
付着させたRIテスターを用いて、塗工紙に、べた刷り
し、20℃、65%R.H.の恒温恒湿室に24時間放
置した後、光沢度計(村上色彩技術研究所製、GM−2
6D)を用いて入射角75度、反射角75度の条件で光
沢度を測定した。
ションを塗布乾燥した後、塗布面にラシャ紙を重ねて、
温度80℃、線圧30Kg/cmの条件でカレンダー処
理を行った。その後、ラシャ紙を手で剥し、その剥離状
態を5点法で評価する。点数の高いものほど耐ブロッキ
ング性が高い。
オートクレーブ(1)に、脱イオン水90部、スチレン
31部、アクリロニトリル10部、メタクリル酸メチル
15部、イタコン酸3部、t−ドデシルメルカプタン1
部及びポリビニルアルコール(重合度550、けん化度
88モル%;PVA−205、クラレ社製)3部を仕込
み、窒素置換を行った後、ブタジエン41部を耐圧計量
器より圧入して、混合、撹拌して単量体乳化物を得た。
別途、窒素吹き込み口、温度計を備えた耐圧オートクレ
ーブ(2)に、脱イオン水57部、エタノール8部を仕
込み、窒素置換後、60℃に昇温し、60℃を維持した
状態で、過硫酸カリウム0.5部を脱イオン水10部に
溶解した開始剤溶液を圧入し、直ちに前記単量体乳化物
を4時間かけて添加した。添加終了後、更に3時間撹拌
を継続した後、冷却して反応を終了させた。この時の重
合転化率は95%、粒径は0.35μmであった。水性
エマルションを調整して、固形分濃度35%、B型粘度
は90mPa・sのスチレン−ブタジエン共重合体水性
エマルション(a)を得た。得られた水性エマルション
の固形分濃度を10%に調整し、その60gを用いて、
グラフト率を求めた。なお、遠心分離器としては、国産
遠心機社製H−2000Aを使用した。回収した上澄み
液合計液の固形分濃度は0.126%で、これから、回
収上澄み液中に分離された総固形分量は0.151gと
なる。サンプル60g中の水溶性高分子保護コロイド
(ポリビニルアルコール)量Bは、6g×(3/(95
+3))=0.294g。これから、グラフト率は、下
記式のとおり、2.5%となる。 (0.294−0.151)/(6−0.294)×1
00=2.5% なお、この実施例において、使用したポリビニルアルコ
ールのうち、共重合体にグラフトしたものの割合(グラ
フト効率)は48.6%である(下記式)。 ((0.294−0.151)/0.294)×100
=48.6%
リビニルアルコールの種類・量を表1に示すように変え
た他は実施例1と同様にして、スチレン−ブタジエン共
重合体水性エマルション(b)〜(e)を得た。これら
の評価結果を表1に示す。なお、実施例2及び4では、
ポリビニルアルコールとして、重合度2050、けん化
度88モル%のポリビニルアルコール(クラレ社製、P
VA220E)を用いた。
ポリビニルアルコール3部に代えてポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル硫酸エステル(花王社製、レベ
ノールWZ)5部を使用したほかは、実施例1と同様に
して、グラフト率0%のスチレン−ブタジエン共重合体
水性エマルション(f)を得た。
ポリビニルアルコールの量を50部に変え、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル(花王社
製、レベノールWZ)3部を使用したほかは、実施例4
と同様にして、グラフト率38.6%のスチレン−ブタ
ジエン共重合体水性エマルション(g)を得た。
ポリビニルアルコール量3部に代えてラウリル硫酸ナト
リウム5部を使用し、耐圧オートクレーブ(2)にポリ
ビニルアルコール5部(重合度550、けん化度88モ
ル%;PVA−205、クラレ社製)を仕込んだほか
は、実施例1と同様にして、グラフト率0%のスチレン
−ブタジエン共重合体水性エマルション(h)を得た。
の特性を表1に示す。
前記各紙塗工用水性エマルション10部、カオリンクレ
ー(エンゲルハルド社製、UW90)60部、重質炭酸
カルシウム(ECC社製、Carbital−90)4
0部、分散剤(東亜合成社製、アロンT−40)0.2
部、水酸化ナトリウム0.15部及び酸化デンプン3部
を混合して攪拌し、固形分濃度65%、pH10に調整
して紙塗工組成物を得た。この紙塗工組成物を上質紙に
塗工量が片面あたり15g/m2となるように塗布し、
塗布直後に120℃の熱風で10秒間乾燥し、温度20
℃、相対湿度65%の恒温恒湿室内に一夜放置した。そ
の後、温度50℃、線圧100Kg/cmの条件で2回
スーパーカレンダー処理を行って塗工紙を得た。塗工紙
の評価結果を表1に示した。
使用して得た水性エマルションを使用した紙塗工組成物
(比較例1)では、ウエットピック強度及び耐ブロッキ
ング性が著しく劣ることがわかる。また、水溶性高分子
を分散安定剤として用いても、グラフト率が本発明の範
囲を外れている場合(比較例2及び比較例3)は、ウエ
ットピック強度、ウエット着肉性とも著しく劣り、更に
白紙光沢と耐ブロッキング性とのバランスに劣る。一
方、本発明の水性エマルションでは、ドライピック強
度、ウェットピック強度、印刷光沢、ウェット着肉性、
白紙光沢及び耐ブロッキング性が高く、且つこれらのバ
ランスがよいことがわかる。
って、ドライピック強度、ウェットピック強度、印刷光
沢、白紙光沢、ウェット着肉性及び耐ブロッキング性に
優れ且つそれらのバランスがよい塗工紙を得ることがで
きる。この塗工紙は、オフセット枚葉印刷に好適に適用
でき、またオフセット輪転印刷又はグラビア印刷にも適
用できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 共役ジエン単量体30〜70重量%、芳
香族ビニル単量体10〜70重量%及びこれらと共重合
可能なその他のエチレン性不飽和単量体0〜60重量%
からなる単量体を共重合して得られる共重合体の水性エ
マルションであって、アルコ−ル性水酸基を含有する重
量平均分子量2,000以上の水溶性高分子化合物で分
散安定化されており、分散安定化に使用した該アルコ−
ル性水酸基を含有する水溶性高分子化合物の少なくとも
一部が該共重合体にグラフトしていて、そのグラフト率
が0.5〜30重量%であることを特徴とする共重合体
の水性エマルションから成る紙塗工用水性エマルショ
ン。 - 【請求項2】 請求項1記載の紙塗工用水性エマルショ
ンと顔料とを必須成分とする紙塗工組成物。
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- 1999-11-15 JP JP32372799A patent/JP4130986B2/ja not_active Expired - Fee Related
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