JP2605344B2 - 紙塗被組成物 - Google Patents

紙塗被組成物

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JP2605344B2
JP2605344B2 JP63115758A JP11575888A JP2605344B2 JP 2605344 B2 JP2605344 B2 JP 2605344B2 JP 63115758 A JP63115758 A JP 63115758A JP 11575888 A JP11575888 A JP 11575888A JP 2605344 B2 JP2605344 B2 JP 2605344B2
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修 真川
昭 辻
理 中野
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日本合成ゴム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は紙塗被組成物に関し、詳しくは耐ブリスター
性、ドライ強度、ウェット強度などの性質に優れた紙塗
被組成物に関する。
(従来の技術) カルボキシ変性ブタジエン−スチレン共重合体ラテッ
クスが単独あるいはカゼイン、タンパク質、デンプン、
ポリビニルアルコールなどの天然もしくは合成バインダ
ーとともに紙塗被用バインダーとして使用されているこ
とはよく知られているところである。これらバインダー
を用いて得られる顔料塗工紙(以下、「コート紙」とい
う)は、白色度、光沢、耐水性、接着強度などに優れて
いるため、輪転オフセット印刷の普及にともない、その
使用量が急速に増加している。
輪転オフセット印刷においては、高温印刷、高温高速
乾燥を行うため、いわゆる「火ぶくれ(ブリスター)」
が発生し易く、このブリスターが発生すると印刷紙の商
品価値が著しく損なわれることになる。従って、使用す
るコート紙、ひいてはバインダーも優れた耐ブリスター
性を有することが要求されるようになってきた。
バインダーの耐ブリスター性を向上させる方法の一つ
として、バインダーとしての共重合体ラテックスのトル
エン不溶分を低下させる方法が知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、一般にトルエン不溶分を低下させて耐ブリス
ター性を向上させるとドライ強度が低下するという問題
が生じる。即ち、バインダーとして使用する共重合体ラ
テックスの耐ブリスター性とドライ強度とは相反する性
質のもので両者を同時に向上させることは困難であっ
た。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記問題点を解決し、耐ブリスター
性、ドライ強度がともに優れた共重合体ラテックスを提
供することを目的として鋭意検討の結果、後で詳しく説
明するQ値を特定範囲に制御するとトルエン不溶分を少
なくしてもドライ強度を十分満足のいく程度に維持でき
ることを知り、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
即ち、本発明は、顔料とバインダーとからなる紙塗被
組成物において、バインダーとして (イ)脂肪族共役ジエン系単量体 20〜50重量% (ロ)エチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体 0〜
40重量% (ハ)芳香族ビニル系単量体 5〜60重量% (ニ)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量
% (ホ)シアン化ビニル系単量体 0〜30重量% からなる単量体混合物を乳化重合して得られ、温度100
℃、荷重50kg/cm2、ノズルサイズ1mm(内径)×1mm(長
さ)の条件下に測定したQ値(以下、単に「Q値」とい
うこともある)が0.005〜20ml/sec、かつトルエン不溶
分が55重量%未満の共重合体ラテックスを使用すること
を特徴とする紙塗被組成物に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する脂肪族共役ジエン系単量体(以下、
「成分(イ)」という)としては、1,3−ブタジエン、
2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−
ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖
共役ペンタジエン類、直鎖および側鎖共役ヘキサジエン
類などを挙げることができる。成分(イ)は、共重合体
に適度な弾性および得られる塗被膜に適度な軟性を付与
するために必要であり、その使用量は単量体混合物の20
〜50重量%、好ましくは25〜40重量%である。成分
(イ)の使用量が20重量%未満では、得られる共重合体
は硬くて脆く、一方50重量%を超えると得られる共重合
体は軟らかくなりすぎて耐水性が劣る。
本発明で使用するエチレン系不飽和カルボン酸エステ
ル単量体(以下、「成分(ロ)」という」)としては、
例えばエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステルお
よびエチレン系不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエ
ステルが好適であり、その具体例としてはアクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β
−ヒドロキシエチルなどを挙げることができる。成分
(ロ)の使用量は、単量体混合物の0〜40重量%、好ま
しくは5〜35重量%である。成分(ロ)の使用量が40重
量%を超えると得られる共重合体の耐水性が低下する。
本発明で使用する芳香族ビニル系単量体(以下、「成
分(ハ)」という)としては、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、ジメチルスチレンなどを挙げ
ることができる。成分(ハ)の使用量は単量体混合物の
5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。成分
(ハ)の使用量が5重量%未満では、得られる共重合体
の耐水性が劣り、一方60重量%を超えると接着強度、重
合安定性が低下する。
本発明で使用するエチレン系不飽和カルボン酸単量体
(以下、「成分(ニ)」という)としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸を挙げる
ことができる。また、ジカルボン酸無水物も使用するこ
とができる。成分(ニ)の使用量は、単量体混合物の0.
5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%である。成分
(ニ)の使用量が0.5重量%未満では得られる共重合体
の接着力、機械的安定性が低下し、一方10重量%を超え
ると共重合体ラテックスの粘度が高くなりすぎて取り扱
いが困難となる。
本発明で使用するシアン化ビニル系単量体(以下、
「成分(ホ)」という)としては、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α
−エチルアクリロニトリルなどを挙げることができる。
成分(ホ)の使用は、印刷光沢の向上に効果があり、そ
の使用量は単量体混合物の0〜30重量%、好ましくは3
〜20重量%である。成分(ホ)の使用量が30重量%を超
えると、得られる共重合体の接着強度が低下する。
なお、上記の成分(イ)〜(ホ)おいて、先に挙げた
モノマーは単独でもあるいは2種以上組み合わせて使用
することもできる。
本発明で使用する共重合体ラテックスは、上記成分
(イ)〜(ホ)からなる単量体混合物を適当な反応器に
仕込んだ後乳化重合を行うことによって容易に得ること
ができる。この場合、得られる共重合体ラテックスのQ
値およびトルエン不溶分が所定範囲内にあれば、乳化重
合方法および条件について特に制限はなく、従来公知の
方法および条件下に実施することができる。例えば、上
記単量体混合物を水性媒体中で乳化剤、重合開始剤、重
合連鎖移動剤などを用いて重合すればよい。
本発明における、温度100℃、荷重50kg/cm2、ノズル
サイズ1mm(内径)×1mm(長さ)の条件下に測定したQ
値とは下記方法によって測定したものである。
共重合体ラテックスを温度25℃、湿度65%の室内で自
然乾燥させてフィルム状固形物を得る。この固形物を試
料とし、高化式フローテスター(島津製作所製CFT−500
型)を用い、ノズルサイズを1mm(内径)×1mm(長さ)
とし、温度100℃、荷重50kg/cm2の条件下に、その流動
性を測定してQ値とし、単位ml/secで表示した。
本発明で使用する共重合体ラテックスの上記Q値は、
0.005〜20ml/sec、好ましくは0.007〜10ml/sec、更に好
ましくは0.1〜5ml/secである。上記Q値が0.005ml/sec
未満では耐ブリスター性が劣り、一方20ml/secを超える
とドライ強度が低く好ましくない。
上記Q値は共重合体の分子量、組成、極性、ガラス転
移温度(Tg)などによって変化する性質のものであり、
例えば共重合体ラテックスの分子量、あるいは極性、あ
るいはTgを低下させると上記Q値は大きくなる。従っ
て、これら条件を適宜選択することによって、本発明の
上記範囲のQ値を有する共重合体ラテックスを容易に得
ることができる。
本発明で使用する共重合体ラテックスのトルエン不溶
分は55重量%未満であり、特に45重量%未満が好まし
い。トルエン不溶分が55重量%を超えると共重合体の耐
ブリスター性が従来と変わらないものとなって本発明の
目的を達成することができない。なお、本発明における
トルエン不溶分は次のようにして測定したものである。
共重合体ラテックス試料をpH8.0に調節し、ラテック
ス中の共重合体をイソプロパノールで凝固させた後、得
られた固形分を洗浄、乾燥した。この固形分約0.3g(全
固形分量A)をトルエン100mlに室温で20時間浸漬した
後、No.2定性ろ紙を用いてろ過した。ろ液の一部(Cm
l)を正確に採取して、蒸発乾固させ、得られた残存固
形分(トルエン可溶分)(トルエン可溶分量B)を秤量
し、下記式によってトルエン不溶分を決定した。
本発明で使用する共重合体ラテックスのトルエン不溶
分は、従来公知の方法、例えばt−ドデシルメルカプタ
ン、四塩化炭素、オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テ
トラデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタ
ン、t−ヘキサデシルメルカプタン、テトラエチルチウ
ラムスルフィド、塩化メチレン、臭化エチレン、ジペン
タメチレンチウラムヘキサスルフィド、ジイロプロピル
キサントゲンジスルフィドなどのハロゲン化アルキル
類、メルカプタン類、スルフィド類など乳化重合反応に
おける分子量の調節に一般に用いられている分子量調節
剤を添加することによって調整することができる。この
分子量調節剤の使用量は、使用単量体組成などに応じ
て、当業者が容易に決定できるものである。
本発明で使用する共重合体ラテックスの剥離強度は、
2kg/cm2以下が好ましく、特に1.2kg/cm2以下が好まし
い。剥離強度が2kg/cm2以下であれば共重合体ラテック
スの粘着性が低下し、紙塗被工程におけるロール汚れが
少なくなり、操業性を高めることができる。
なお、本発明における「共重合体ラテックスの剥離強
度」とは次の方法によって測定したものである。
共重合体ラテックスをpH8、固形分濃度48重量%に調
整した後、ポリエステルフィルムにバーコーター#22で
塗工し、熱風循環式乾燥機を用い70℃で1分間乾燥し
た。この乾燥フィルムを250mm×25mmの大きさに裁断し
た後、この裁断フィルムの塗工面に250mm×30mmの共重
合体ラテックス未塗工のポリエステルフィルムを重ね
た。この重ねたフィルムを温度70℃、荷重15kg/cm2の条
件下に10分間プレスして試験片を得た。この試験片の両
端を一部分はがし、はがした部分をオートグラフ(島津
製作所製オートグラフS−500)にセットし、温度23
℃、湿度50%の雰囲気中でロードセル5kg、クロスヘッ
ドスピード500mm/minの条件下に、上記重ねたポリエス
テルフィルムを剥離し、その強度を測定した。
本発明で使用する共重合体ラテックスは、上記したよ
うに、上記Q値およびトルエン不溶分が所定範囲内にあ
る限り、乳化重合方法および条件については特に制限は
なく、従来公知の方法によって製造することができる
が、特に好ましい製造方法を挙げれば次の通りである。
(1) 上記単量体混合物を反応器に一括して仕込み、
重合転化率が好ましくは40〜85重量%、更に好ましくは
50〜80重量%の範囲で反応を強制的に停止させる。
なお、上記乳化重合を強制的に停止させるための反応
停止剤としては、乳化重合の停止に一般的に使用されて
いる化合物を使用することができる。この反応停止剤の
具体例としては、N,N−ジエチルヒドロシアミン、ジメ
チルジチオカルバミン酸カリウム、メチルヒドロキノン
などを挙げることができる。
(2) 上記単量体混合物の乳化重合を2段階重合法に
よって行い、第1段階では、上記成分(ニ)の一部また
は全部を含む、全単量体混合物の5〜95重量%、好まし
くは10〜70重量%を転化率70重量%以上で重合させる。
次に、第2段階では、残りの単量体を添加し、重合させ
る。なお、この第2段階での乳化重合を、上記残りの単
量体の添加が終了する時点での重合系内の未反応の成分
(ニ)の含量が、使用した全成分(ニ)の20重量%以
上、好ましくは30重量%以上となるような条件下に実施
するのが好ましい。
なお、重合系内の未反応の成分(ニ)は、例えばイオ
ンクロマトグラフ“QIC"(DIONEX社製)でHPICE−AS1分
離カラムを用いて定量することができる。
第1段階での単量体混合物の使用割合が5重量%未満
でも、あるいは95重量%を超えても、得られる共重合体
ラテックスの安定性が低下するので好ましくない。な
お、第1段階で成分(ニ)を使用すると一段と優れた接
着強度を有する共重合体ラテックスが得られるので好ま
しい。
第2段階において、上記残りの単量体の添加が終了し
た時点での重合系内での未反応の成分(ニ)の含量が20
重量%以上になるようにすると、剥離強度はあまり高く
ならず、接着強度と非ロール汚染性がバランスよく優れ
た共重合体ラテックスを得ることができる。
第1段階および第2段階での単量体の添加方法につい
ては特に制限はなく、例えば一括添加、分割添加、連続
添加あるいはこれらを組み合わせた添加方法によって添
加することができる。特に、第2段階では、上記残りの
単量体を好ましくは10時間以内、更に好ましくは8時間
以内で添加すると接着強度と非ロール汚染性のバランス
が一段と優れた性能を有する共重合体ラテックスが得ら
れる。
上記方法(1)によれば、特に接着強度と耐ブリスタ
ー性のバランスが一段と優れた共重合体ラテックスが得
られる。また、方法(2)によれば、特に非ロール汚染
性が一段と優れた共重合体ラテックスを得ることができ
る。
本発明における乳化重合に際しては、公知の乳化剤、
重合開始剤、連鎖移動剤などが用いられる。
乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩など
のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレングリコー
ルのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル
型、アルキルエーテル型などのノニオン性界面活性剤を
単独、あるいは2種以上組み合わせて使用することがで
きる。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸ナトリウムなどの水溶性重合開始剤、あ
るいはレドックス系重合開始剤、あるいは過酸化ベンゾ
イルなどの油溶性重合開始剤を使用することができる。
また、連鎖移動剤としては、メルカプタン類、ハロゲ
ン化炭化水素類などを使用することができる。
本発明の紙塗被組成物は、無機顔料あるいは有機顔
料、好ましくは無機顔料に上記共重合体ラテックス、更
に必要に応じてその他の結合剤を配合して調製される。
上記共重合体ラテックスの配合量は、固形分換算で顔料
100重量部に対し5〜30重量部、好ましくは5〜20重量
部であり、また必要に応じて添加されるその他の結合剤
の配合量は、固形分換算で顔料100重量部に対して10重
量部以下、好ましくは2〜5重量部である。
上記無機顔料としては、カオリンクレー、タルク、硫
酸バリウム、酸化チタン(ルチルアナターゼ)、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワ
イトなどが、また有機顔料としては、ポリスチレンラテ
ックスなどが使用される。これらは単独でも、あるいは
2種以上組み合わせて使用することもできる。
また、上記その他の結合剤としては、デンプン、酸化
デンプン、大豆蛋白、カゼインなどの天然結合剤、ある
いはオリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルラテック
ス、アクリル系ラテックスなどの合成ラテックスが使用
される。
本発明の紙塗被組成物には、更にこの種紙塗被組成物
に一般に使用されている種々の助剤、例えば分散剤(ピ
ロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムな
ど)、消泡剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン
酸エステル、シリコーンオイルなど)、レベリング剤
(ロート油、ジシアンジアミド、尿素など)、防腐剤、
耐水化剤(ホルマリン、ヘキサミン、メラミン樹脂、尿
素樹脂、グリオキサルなど)、離型剤(ステアリン酸カ
ルシウム、パラフィンエマルジョンなど)、蛍光染料、
カラー保水性向上剤(カルボキシメチルセルローズ、ア
ルギン酸ナトリウムなど)などを必要に応じて配合する
ことができる。
本発明の紙塗被組成物は、従来公知の方法によって、
例えばエアーナイフコーター、ブレードコーター、ロー
ルコーター、アプリケーターなどを用いて塗布すること
ができる。
なお、本発明の紙塗被組成物に使用する共重合体ラテ
ックスは、顔料バインダーのほかに、紙のコーティング
剤、カーペットバッキング剤の接着剤、その他各種の接
着剤、更に塗料などしても使用することができる。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
これら実施例における部および%は、それぞれ重量部お
よび重量%を意味する。
実施例1 ブタジエン 30 部 スチレン 40 部 メタクリル酸メチル 25 部 アクリロニトリル 12 部 イタコン酸 3 部 水 200 部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.9部 t−ドデシルメルカプタン 1 部 過硫酸ナトリウム 0.3部 上記の単量体混合物を撹拌機付オートクレーブに仕込
み50℃で乳化重合を開始した。5時間後に反応停止剤と
してN,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加し、
重合転化率72%で重合を停止して、Q値が1.35、トルエ
ン不溶分が3%の共重合体ラテックス(A)を得た。
単量体混合物として、第1表に示す組成の単量体混合
物を使用し、分子量調節剤としてのt−ドデシルメルカ
プタンの使用量を第1表に示すように変更し、また第1
表に示す重合転化率で重合を停止した以外は上記と同様
にして共重合体ラテックス(B)〜(D)を得た。これ
ら共重合体ラテックス(B)〜(D)のQ値およびトル
エン不溶分を第1表に示す。
なお、重合転化率は、得られた共重合体ラテックスを
アルミ皿に1cc程度精秤し、固形分量A(%)を測定
し、下記式に従って求めた。
なお、この場合、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、t−ドデシルメルカプタンおよび過硫酸ナトリウ
ムを不揮発分として計算した。
上記共重合体ラテックス(A)〜(D)を用いて、下
記処方により紙塗被組成物(カラー)を調製した。
(処方) クレー(分散剤としてピロリン酸ナトリウムを0.5%含
む) 80部 炭酸カルシウム 20部 共重合体ラテックス 10部 酸化デンプン 5部 水 全固形分が60%に なるように相当量添加 得られた紙塗被組成物を下記試験方法により評価し
た。なお、印刷試験に使用したコート紙は、紙塗被組成
物を坪量64g/m2の原紙にコーティングブレードを用いて
塗工量20g/m2で塗工して得た。
(1)RIドライピック(接着強度の指標) RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で
判定し、5段階法で評価した。点数の高いものほど良好
である。測定回数6回の平均値を示した。
(2)RIウェットピック(耐水性の指標) RI印刷機でモルトンロールを用い湿し水を与えたとき
のピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階法で評価し
た。点数の高いものほど良好である。測定回数6回の平
均値を示した。
(3)耐ブリスター 両面塗工したコート紙を調湿(約6%)し、加熱した
オイルバスに投げ込み、ブリスターが発生する時の最低
温度を示す。
(4)印刷光沢 RI印刷機を使用してウェブオフセット用インキをベタ
刷りし、村上式光沢計を使用して測定した(75゜−75
゜)。
(5)ウェットラブ(耐水性、非ロール汚染性の指標) 片面塗工したコート紙をアダムステスター(日本理学
工業(株)製)にセットし、15秒間操作をした後、得ら
れた白濁水の透過率を分光光度計にて測定した。数値が
大きいほど耐水性、非ロール汚染性がよい。
なお、Q値およびトルエン不溶分はいずれも本発明に
規定する方法によって測定した。
結果を第1表に示す。
実施例2 攪拌機付きオートクレーブに水150部、ブタジエン4
部、スチレン3部、メチルメタクリレート2部、アクリ
ロニトリル1部、イタコン酸3部、アクリル酸1部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.15部および過硫
酸カリウム1.0部を仕込み、60℃で1時間反応させた。
次いで、ブタジエン26部、スチレン32部、メチルメタク
リレート23部、アクリロニトリル5部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.3部、t−ドデシルメルカプ
タン2部および水30部からなる単量体混合物を上記オー
トクレーブ中の重合系内に7時間かけて連続的に添加し
た。この間、重合系内の温度は65℃に保ち、その後、70
℃で6時間反応させて重合転化率98%で共重合体ラテッ
クス(E)を得た。
この共重合体(E)のRIドライピックなどの性能を実
施例1と同様にして、またQ値、トルエン不溶分および
剥離強度を本発明で規定する方法によって測定し、その
結果を第2表に示した。
実施例3 第2表に示す組成の単量体混合物を使用した以外は実
施例2と同様にして共重合体ラテックス(F)〜(I)
を得た。
これら共重合体ラテックス(F)〜(I)のRIドライ
ピックなどの性能を実施例1と同様にして、またQ値、
トルエン不溶分および剥離強度を本発明で規定する方法
によって測定し、その結果を第2表に示した。
比較例1 第3表に示す組成の単量体混合物を使用した以外は実
施例2と同様にして共重合体ラテックス(イ)〜(ヌ)
を得た。
これら共重合体ラテックス(イ)〜(ヌ)のRIドライ
ピックなどの性能を実施例1と同様にして、またQ値、
トルエン不溶分および剥離強度を本発明で規定する方法
によって測定し、その結果を第3表に示した。
第3表の結果から次のことが理解される。
(1) 共重合体ラテックス(イ)においては、成分
(イ)としてのブタジエンの使用量が本発明の範囲未満
であり、接着強度、耐水性が劣る。また、共重合性ラテ
ックス(ロ)においては、ブタジエンの使用量が本発明
の範囲を超えており、操業性、耐水性が劣る。
(2) 共重合体ラテックス(ハ)においては、成分
(ハ)としてのスチレンの使用量が本発明の範囲未満で
あり、また成分(ロ)としてのメチルメタクリレートが
本発明の範囲を超えており、耐水性、操業性が劣る。ま
た、共重合体(ニ)においては、成分(ハ)としてのス
チレンの使用量が本発明の範囲を超えており接着強度が
劣る。
(3) 共重合体ラテックス(ホ)においては、成分
(ニ)としてのカルボン酸単量体の使用量が本発明の範
囲未満であり、接着強度が劣る。
(4) 共重合体ラテックス(ヘ)においては、成分
(ホ)としてのアクリロニトリルの使用量が本発明の範
囲を超えており、接着強度、耐ブリスター性が劣る。
(5) 共重合体ラテックス(ト)においては、トルエ
ン不溶分が本発明の範囲を超えており、耐ブリスター性
が劣る。
(6) 共重合体ラテックス(チ)においては、Q値が
本発明の範囲未満であり、耐ブリスター性が劣る。ま
た、共重合体ラテックス(リ)においては、Q値が本発
明の範囲を超えており、接着強度、操業性、耐水性が劣
る。
(7) 共重合体ラテックス(ヌ)においては、接着強
度が高すぎて、接着強度、操業性、耐ブリスター性など
が劣る。
(発明の効果) 本発明の紙塗被組成物を塗布して得られるコート紙
は、接着強度、耐ブリスター性に優れ、またその塗工作
業性も優れている。従って、本発明の発明の紙塗被組成
物は、コート紙の製造に極めて有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平春 晃男 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 浜口 千里 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料とバインダーとからなる紙塗被組成物
    において、該バインダーとして (イ)脂肪族共役ジエン系単量体 20〜50重量% (ロ)エチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体 0〜
    40重量% (ハ)芳香族ビニル系単量体 5〜60重量% (ニ)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量
    % (ホ)シアン化ビニル系単量体 0〜30重量% からなる単量体混合物を乳化重合して得られ、温度100
    ℃、荷重50kg/cm2、ノズルサイズ1mm(内径)×1mm(長
    さ)の条件下に測定したQ値が0.005〜20ml/sec、かつ
    トルエン不溶分が55重量%未満の共重合体ラテックスを
    使用することを特徴とする紙塗被組成物。
  2. 【請求項2】共重合体ラテックスの剥離強度が2kg/cm2
    以下である請求項1記載の紙塗被組成物。
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