JP2001123138A - 合成樹脂エマルジョン型接着剤 - Google Patents
合成樹脂エマルジョン型接着剤Info
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Abstract
る、最終接着強度が大きい、粘度の温度依存性が小
さく、低温時においても粘度上昇が小さく、ゲル化する
ことがなく極めて低温作業性が良い、のいずれか1つ又
は2つ、若しくは全てを具備する合成樹脂エマルジョン
接着剤を提供すること。 【解決手段】 保護コロイドとして、(a)エチレン変
性PVAを用い、酢酸ビニル及び/又は(メタ)アクリ
ル酸エステルを重合するに当たり、保護コロイドとして
更に(b)カルボキシル基含有重合性不飽和単量体の
(共)重合体及び/又は(c)アマイド変性PVAを併
用するか、あるいはこれに加えてエチレン酢酸ビニル共
重合体エマルジョンをシード(種)として、シード重合
することからなる。
Description
性、耐沸騰水性に優れている、最終接着強度が大き
い、粘度の温度依存性が小さく、低温時においても粘
度上昇が小さくゲル化することがなく極めて低温作業性
が良い、のいずれか1つ又は2つ、若しくは全てを具備
する合成樹脂エマルジョン接着剤に関するものである。
ルに代表されるビニルエステル類を、ポリビニルアルコ
ール(以下、「PVA」という。)を保護コロイドとし
て乳化重合して得られるビニルエステル重合体エマルジ
ョンは、従来から紙工用、木工用、繊維加工用の接着剤
や塗料等として広く使用されている。そして、特に耐水
接着性を必要とする用途には、前記保護コロイドとして
完全ケン化PVAが用いられている。
ルエステル重合体エマルジョンは、接着性や作業性、耐
水性は比較的良好なものの、低温時の粘度上昇が激しく
ゲル化し易く、しかも耐温水性が不足し、特に耐沸騰水
性が悪いという大きな欠点がある。また、最終接着強度
も充分満足できる程度のものではない。そして、これら
の性質は乳化重合に用いる保護コロイド(PVA)に依
るところが大であることも知られている。そこで、これ
らの性質を改善するために、PVAを変性して使用する
ことが試みられた。
特開平11−106727号公報には、エチレンを含有
させた変性PVA(以下、単に「エチレン変性PVA」
という。)を保護コロイドとして、酢酸ビニル、または
酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸エステル類を乳化
(共)重合することが紹介されている。しかしながら、
これらの技術は確かにある程度は低温時におけるエマル
ジョンの粘度上昇を抑制し、耐温水性を改善するものの
未だ不充分であり、また最終接着強度や耐沸騰水性に至
っては全く満足すべき結果は得られていない。
のPVA又はエチレン変性PVAを保護コロイドとして
生成されるビニルエステル重合体エマルジョンの欠点を
部分的に、若しくは全て改良したものであって、耐水
性、耐温水性、耐沸騰水性に優れている、最終接着強
度が大きい、粘度の温度依存性が小さく、低温時にお
いても粘度上昇が小さくゲル化することがなく極めて低
温作業性が良い、のいずれか1つ又は2つ、若しくは全
てを具備する合成樹脂エマルジョン接着剤を提供するこ
とにある。
題を解決すべく鋭意検討を行った結果、(I)保護コロ
イドとして、(a)エチレン変性PVAを用い、酢酸ビ
ニル及び/又は(メタ)アクリル酸エステルを重合する
に当たり、保護コロイドとして更に(b)カルボキシル
基含有重合性不飽和単量体の(共)重合体及び/又は
(c)アマイド変性PVAを併用するか、あるいは(I
I)保護コロイドとして、(a)エチレン変性PVAを
用い、酢酸ビニル及び/又は(メタ)アクリル酸エステ
ルを重合するに当たり、エチレン酢酸ビニル共重合体
(以下、「EVA」という。)エマルジョンをシード
(種)とし、又はそれに加えて更に保護コロイドとして
(b)カルボキシル基含有重合性不飽和単量体の(共)
重合体及び/又は(c)アマイド変性PVAを併用する
ことにより、従来のビニルエステル重合体エマルジョン
の欠点を部分的に、若しくは全てを改良することができ
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
変性PVAと、(b)カルボキシル基含有重合性不飽和
単量体の(共)重合体とを保護コロイドとして用い、酢
酸ビニルモノマー及び/又は(メタ)アクリル酸エステ
ルモノマーを重合して得られる合成樹脂エマルジョン接
着剤、(2)前記保護コロイドとして、(a)エチレン
変性PVAと、(c)アマイド変性PVAとを用いる前
記(1)記載の合成樹脂エマルジョン接着剤、(3)前
記保護コロイドとして、(a)エチレン変性PVAと、
(b)カルボキシル基含有重合性不飽和単量体の(共)
重合体と、(c)アマイド変性PVAとを用いる前記
(1)記載の合成樹脂エマルジョン接着剤、(4)
(a)エチレン変性PVAを保護コロイドとして用い、
エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンに、酢酸ビニ
ルモノマー及び/又は(メタ)アクリル酸エステルモノ
マーをシード重合して得られる合成樹脂エマルジョン接
着剤、
チレン変性PVAと、(b)カルボキシル基含有重合性
不飽和単量体の(共)重合体とを用いる前記(4)記載
の合成樹脂エマルジョン接着剤、(6)前記保護コロイ
ドとして、(a)エチレン変性PVAと、(c)アマイ
ド変性PVAとを用いる前記(4)記載の合成樹脂エマ
ルジョン接着剤、(7)前記保護コロイドとして、
(a)エチレン変性PVAと、(b)カルボキシル基含
有重合性不飽和単量体の(共)重合体と、(c)アマイ
ド変性PVAとを用いる前記(4)記載の合成樹脂エマ
ルジョン接着剤、(8)前記(b)カルボキシル基含有
重合性不飽和単量体の(共)重合体が、アクリル酸及び
/又はメタクリル酸の(共)重合体である前記(1)、
(3)、(5)、(7)のいずれかに記載の合成樹脂エ
マルジョン接着剤、を構成とするものである。
詳しく説明する。先ず、(I)保護コロイドとして、
(a)エチレン変性PVAを用い、酢酸ビニル及び/又
は(メタ)アクリル酸エステルを重合するに当たり、保
護コロイドとして(b)カルボキシル基含有重合性不飽
和単量体の(共)重合体及び/又は(c)アマイド変性
PVAを併用して重合する場合について説明する。
チレン基を1〜10モル%含有するPVAからなり、そ
の平均重合度は、例えば200〜4000、好ましくは
500〜2500程度であり、鹸化度は、例えば90〜
99.5モル%、好ましくは95〜99モル%程度であ
る。このエチレン含有PVAは、市販されており、市販
品をそのまま用いることができる。市販品の商品名とし
ては、例えばRS−105、RS−110、RS−11
7、RS−613、RS−617等のクラレRSポリマ
ー(クラレ(株)製)を挙げることができる。
は、生成するエマルジョンの固形分中にエチレン変性P
VAが1〜15重量%となる程度が好ましい。エチレン
変性PVAの添加量が1重量%より少ないと重合の際の
重合安定性が低下し、また得られる合成樹脂エマルジョ
ン接着剤の粘度の温度依存性の改善が充分でなく、一方
15重量%より多くしても重合安定性や、粘度の温度依
存性はそれ以上向上しない。
量体の(共)重合体は、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の
(共)重合体が使用される。これらの中で、アクリル酸
及び/又はメタクリル酸(共)重合体が好ましく、その
平均重合度は、20〜20000、好ましくは50〜4
000程度である。この重合体は、ポリアクリル酸水溶
液として市販されている。市販品の商品名としては、例
えばジュリマーAC−10L(ポリアクリル酸)、ジュ
リマーAC−10H(ポリアクリル酸)、ジュリマーA
C−20H(ポリアクリル酸共重合体)等のポリマー
(日本純薬(株)製)を挙げることができる。
飽和単量体の(共)重合体の使用量は、生成するエマル
ジョンの固形分中にそれが0.1〜5重量%となる程度
が好ましい。0.1重量%より少ないと重合の際の重合
安定性が低下し、また得られる合成樹脂エマルジョン接
着剤の耐温水性、耐沸騰水性の改善が充分でなく、一方
5重量%より多くすると、生成するエマルジョンの粘度
が高くなり過ぎるとともに、重合安定性が低下し、場合
によっては分離ゲル化が起こるし、また、耐温水性、耐
沸騰水性はそれ以上向上しない。
マイド基を1〜20モル%含有するPVAからなり、そ
の平均重合度は、例えば300〜3000、好ましくは
400〜2000程度である。この重合体は 市販され
ており、市販品をそのまま用いることができる。市販品
の商品名としては、例えばNP−15、NP−20H、
EP−120K、EP−240、PC−100等のデン
カHVポリマー変性タイプ(電気化学工業(株)製)を
挙げることができる。また、(c)アマイド変性PVA
の使用量は、生成するエマルジョンの固形分中にアマイ
ド変性PVAが1〜15重量%となる程度が好ましい。
アマイド変性PVAの添加量が1重量%より少ないと、
粘度の温度依存性や耐温水性、耐沸騰水性の改善が不充
分となり、一方15重量%より多くなると、それらの改
善効果が飽和し、コストが高くなるので、いずれも好ま
しくない。
成するエマルジョンの安定性を保つ作用をするととも
に、その特定の組み合わせにより、得られる合成樹脂エ
マルジョン接着剤の耐温水性、耐沸騰水性、粘度の温度
依存性の1つ以上を改善する。前記保護コロイド(a)
〜(c)の合計使用量は、生成するエマルジョンの固形
分に対して1.1〜35重量%、好ましくは5〜20重
量%である。
コンデンサー、滴下装置、温度計、窒素気流装置などを
備えた常圧重合装置に水を仕込み、所望量の(a)エチ
レン変性PVA、(b)カルボキシル基含有重合性不飽
和単量体の(共)重合体、(c)アマイド変性PVAの
1種以上を配合し、均質溶液となるまで加熱溶解して保
護コロイド液を調製する。なお、(b)カルボキシル基
含有重合性不飽和単量体の(共)重合体の添加は、前記
溶液にその不飽和単量体を配合し、窒素気流下で、過硫
酸塩等の重合開始剤水容液を適当量添加し、例えば70
〜90℃程度の温度で1〜5時間程度重合させるように
しても良い。
ノマー及び/又は(メタ)アクリル酸エステルモノマー
を用いるが、これら以外にこれらと共重合することが可
能な公知のモノマー、例えばプロピオン酸ビニル、バー
サチック酸ビニル、マレイン酸エステル、フマル酸エス
テル等を少量併用して重合することも物性を損なわない
範囲で行うことができる。
る樹脂の濃度は、固形分として25〜65重量%、好ま
しくは30〜60重量%である。25重量%未満では接
着剤とした場合に粘度が低すぎ、逆に65重量%を越え
ると粘度が高くなりすぎたり、あるいは重合が円滑に進
まなくなる。前記濃度になるよう保護コロイド、酢酸ビ
ニルモノマー及び/又は(メタ)アクリル酸エステルモ
ノマー、および水の量を調整するとよい。
イドを入れ、通常のラジカル重合に使用される重合開始
剤を用いて、酢酸ビニルモノマー及び/又は(メタ)ア
クリル酸エステルモノマーを添加しながら重合すること
ができる。この場合、モノマーの1部或いは全部を重合
開始前に水と保護コロイドと一緒に重合容器に添加して
もよい。重合温度は使用する反応開始剤の種類により異
なるが、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムな
どを用い、反応開始剤が熱分解することにより重合を進
めるような場合には70℃以上が適当である。或いは過
酸化物と還元剤の組み合わせにより重合を進める場合に
は70℃より低い温度が適当である。
(a)エチレン変性PVAを用い、酢酸ビニル及び/又
は(メタ)アクリル酸エステルを重合するに当たり、エ
チレン酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」とい
う。)エマルジョンをシード(種)とし、又はそれに加
えて保護コロイドとして、(b)カルボキシル基含有重
合性不飽和単量体の(共)重合体及び/又は(c)アマ
イド変性PVAを併用して重合する場合について説明す
る。
ンについては特に限定されないが、10重量%以下の低
い固形分では工業的に不利となる。また、EVA中のエ
チレン含有量は15〜35重量%のものが好ましく、特
に22〜29重量%のものが好ましい。また、エチレン
含有量がその範囲にあれば市販のEVAを使用すること
ができる。エチレン含有量が15重量%未満では酢酸ビ
ニルモノマー及び/又は(メタ)アクリル酸エステルモ
ノマーをシード重合して生成したエマルジョンの成膜温
度が2℃を超えて高くなり好ましくない。また、エチレ
ン含有量が35重量%を越えると接着剤としての接着強
度が低下しやはり好ましくない。
EVA樹脂、保護コロイド、シード重合される酢
酸ビニル及び/又は(メタ)アクリル酸エステル樹脂の
合計(全樹脂)に対し、EVA樹脂で15〜40重量%
となることが好ましい。EVA樹脂が15重量%より少
ないと、生成するエマルジョンの成膜温度が2℃を超え
ることとなるばかりでなく、粘度が高くなりすぎる。ま
た、EVA樹脂の割合が40重量%を超えると接着剤と
しての接着強度が低下して好ましくない。このシード重
合により、得られる合成樹脂エマルジョン接着剤の最終
接着強度が飛躍的に大きくなり、且つ粘度の温度依存性
が改善され、低温時における粘度上昇が抑制される。
記特定の保護コロイド、即ち、(a)エチレン変性PV
A単独、或いはこれに(b)カルボキシル基含有重合性
不飽和単量体の(共)重合体及び/又は(c)アマイド
変性PVAを併用したものが用いられる。 これらの保
護コロイドは、シード重合をする際に、生成するエマル
ジョンの安定性を保つ作用をするとともに、その特定の
組み合わせにより、得られる合成樹脂エマルジョン接着
剤の耐温水性、耐沸騰水性、粘度の温度依存性の1つ以
上を改善する。
(I)の場合と略同様である。前記(I)又は(II)
の重合条件により得られる樹脂エマルジョンは、紙工
用、木工用等の接着剤、塗料、バインダー等の用途に利
用でき、中でも紙加工用、特に紙管用接着剤として好適
である。本発明の合成樹脂エマルジョンは、そのままで
も各種用途に使用することができるが、必要に応じて、
充填材、溶剤、顔料、染料、防腐剤、消泡剤、水溶性ポ
リマー等が添加される。
に説明するが、本発明はこれらに限定されないことはい
うまでもない。 (実施例1)攪拌機付きのセパラブルフラスコに、水5
00重量部と、エチレン変性ポリビニルアルコール(商
品名RS110(クラレ(株)製):ケン化度99モル
%、重合度1000)35重量部と、ポリアクリル酸の
20%水溶液(商品名ジュリマーAC20H(日本純薬
(株)製):重合度800)10重量部を添加し、90
℃で60分間攪拌しながら溶解した。次いで、この溶解
液を80℃に温度調整したのち、触媒(過硫酸アンモニ
ウムと炭酸水素ナトリウムを夫々1重量部を、8重量部
の水に溶解した溶液)と、酢酸ビニル320重量部を、
120分間かけて平行して滴下し乳化重合を行った。続
いて、乳化重合終了後、ジブチルフタレート(DBP)
40重量部と水90重量部を添加し、樹脂エマルジョン
を得た。得られた樹脂エマルジョンの最低造膜温度は2
℃以下、不揮発分は39.2%、粘度(BM型粘度計1
2回転23℃)は600mPa・Sであった。
スコに、水500重量部と、エチレン変性ポリビニルア
ルコール(商品名RS110(クラレ(株)製):ケン
化度99モル%、重合度1000)17重量部と、重合
度500のアマイド変性ポリヒニルアルコール(商品名
NP15(電気化学工業(株)製):ケン化度89モル
%)10重量部と、重合度2000のアマイド変性ポリ
ビニルアルコール(商品名NP20H、電気化学工業
(株)製):ケン化度89モル%)10重量部とを添加
し、90℃で60分間攪拌しながら溶解した。次いで、
この溶解液を用いて、実施例1と同様に重合して樹脂エ
マルジョンを得た。得られた樹脂エマルジョンの最低造
膜温度は2℃以下、不揮発分は39.7%、粘度(BM
型粘度計12回転23℃)は1000mPa・Sであっ
た。
スコに、水500重量部と、エチレン変性ポリビニルア
ルコール(商品名RS110(クラレ(株)製):ケン
化度99モル%、重合度1000)15重量部と、ポリ
アクリル酸の20%水溶液(商品名ジュリマーAC20
H(日本純薬(株)製):重合度800)10重量部
と、さらに重合度500のアマイド変性ポリビニルアル
コール(商品名NP15(電気化学工業(株)製):ケ
ン化度89モル%)10重量部と、重合度2000のア
マイド変性ポリビニルアルコール(商品名NP20H、
電気化学工業(株)製):ケン化度89モル%)10重
量部とを添加し、90℃で60分間攪拌しながら溶解し
た。次いで、この溶解液を用いて、実施例1と同様に重
合して樹脂エマルジョンを得た。得られた樹脂エマルジ
ョンの最低造膜温度は2℃以下、不揮発分は39.5
%、粘度(BM型粘度計12回転23℃)は1500m
Pa・Sであった。
の高圧反応缶に、PVA(商品名B−05およびB−1
7(電気化学工業(株)製)を併用、重量比=B−05
/B−17=1/1)2061g及びロンガリット22
9gを溶解した純水45.8kgと、酢酸ビニル30.
18kgを仕込んだ。反応系内の温度を55℃とし、エ
チレンを11.45kg導入して加圧した。反応系内の
圧力は53kgG/cm2 となった。次いで、5%の過
硫酸アンモニウム及び酢酸ビニル15.6kgを連続的
に添加し重合を行った。反応系内の圧力は重合2時間目
に60kgG/cm2 まで上昇した後、減少していっ
た。約8時間の後重合は終了し、EVAエマルジョンを
得た。このエマルジョンの不揮発分(固形分)は57
%、ガラス転移点(Tg)は−15℃、エチレン含有量
は20%であった。
拌機付きのセパラブルフラスコに、水500重量部と、
エチレン変性ポリビニルアルコール(商品名RS110
(クラレ(株)製):ケン化度99モル%、重合度10
00)37重量部を添加し、90℃で60分間攪拌しな
がら溶解した。次いで、この溶解液に、シード重合用エ
マルジョンとして、前記EVAエマルジョン200重量
部を添加し、続いて80℃に温度調整したのち、触媒
(過硫酸アンモニウムと炭酸水素ナトリウムを夫々1重
量部を、8重量部の水に溶解した溶液)と酢酸ビニル2
40重量部とを、120分間かけ平行して滴下し乳化重
合を行った。得られた樹脂エマルジョンの最低造膜温度
は2℃以下、不揮発分は39.5%、粘度(BM型粘度
計12回転23℃)は400mPa・Sであった。
スコに、水500重量部と、エチレン変性ポリビニルア
ルコール(商品名RS110(クラレ(株)製):ケン
化度99モル%、重合度1000)35重量部と、ポリ
アクリル酸の20%水溶液(商品名ジュリマーAC20
H(日本純薬(株)製):重合度800)10重量部を
添加し、90℃で60分間攪拌しながら溶解した。次い
で、この溶解液を用いて、実施例4と同様にシード重合
して樹脂エマルジョンを得た。得られた樹脂エマルジョ
ンの最低造膜温度は2℃以下、不揮発分は39%、粘度
(BM型粘度計12回転23℃)は500mPa・Sで
あった。
スコに、水500重量部と、エチレン変性ポリビニルア
ルコール(商品名RS110(クラレ(株)製):ケン
化度99モル%、重合度1000)15重量部と、重合
度500のアマイド変性ポリビニルアルコール(商品名
NP15(電気化学工業(株)製):ケン化度89モル
%)10重量部と、重合度2000のアマイド変性ポリ
ビニルアルコール(商品名NP20H、電気化学工業
(株)製):ケン化度89モル%)10重量部とを添加
し、90℃で60分間攪拌しながら溶解した。次いで、
この溶解液を用いて、実施例4と同様にシード重合して
樹脂エマルジョンを得た。得られた樹脂エマルジョンの
最低造膜温度は2℃以下、不揮発分は39%、粘度(B
M型粘度計12回転23℃)は450mPa・Sであっ
た。
スコに、水500重量部と、エチレン変性ポリビニルア
ルコール(商品名RS110(クラレ(株)製):ケン
化度99モル%、重合度1000)15重量部と、ポリ
アクリル酸の20%水溶液(商品名ジュリマーAC20
H(日本純薬(株)製):重合度800)10重量部
と、さらに重合度500のアマイド変性ポリヒニルアル
コール(商品名NP15(電気化学工業(株)製):ケ
ン化度89モル%)10重量部と、重合度2000のア
マイド変性ポリビニルアルコール(商品名NP20H、
電気化学工業(株)製):ケン化度89モル%)10重
量部とを添加し、90℃で60分間攪拌しながら溶解し
た。次いで、この溶解液を用いて、実施例4と同様にシ
ード重合して樹脂エマルジョンを得た。得られた樹脂エ
マルジョンの最低造膜温度は2℃以下、不揮発分は39
%、粘度(BM型粘度計12回転23℃)は500mP
a・Sであった。
スコに、水500重量部と、エチレン変性ポリビニルア
ルコール(商品名RS110(クラレ(株)製):ケン
化度99モル%、重合度1000)37重量部を添加
し、90℃で60分間攪拌しながら溶解した。次いで、
この溶解液を用いて、実施例1と同様に重合して樹脂エ
マルジョンを得た。得られた樹脂エマルジョンの最低造
膜温度は0℃、不揮発分は39.5%、粘度(BM型粘
度計12回転23℃)は400mPa・Sであった。以
上の実施例および比較例で得られた樹脂エマルジョンに
ついて、粘度の温度依存性、耐水性、耐温水性、耐沸騰
水性および皮膜強度を測定した。それらの測定方法を以
下に示す。
例、比較例の樹脂エマルジョンの0℃の粘度を測定し、
それらの23℃おける粘度との比(0℃/23℃)を求
め、粘度の温度依存性の評価とした。 (b)耐水性 クラフトライナーに以上の実施例、比較例の樹脂のエマ
ルジョンを40g/m 2 塗布し、直ちに同じクラフトラ
イナーと接着した。次いで、これをハンドロ−ラーで圧
締し、室温で48時間養生後、得られた積層クラフトラ
イナーを常温水に24時間浸漬した後、濡れた状態でク
ラフトライナー端を互いに引き剥がすようにして、その
接着状態(紙破率)を観察し評価した。その評価は、
◎:100%紙破、○:一部紙破、△:抵抗ある界面剥
離、×:自然剥離、で行った。
し、さらに室温水に10分間浸漬後、前記(b)と同様
にしてその接着状態を観察し、評価した。 (d)耐沸騰水性 前記積層クラフトライナーを沸騰水に5時間浸漬し、さ
らに室温水に10分間浸漬後、前記(b)と同様にして
その接着状態を観察し、評価した。 (e)皮膜強度 樹脂エマルジョンの皮膜を形成し、JIS K7113
に準拠して、ダンベル型2号で打ち抜き、その引っ張り
強さ(N/mm2 )を測定し、皮膜強度とした。この皮
膜強度は、樹脂エマルジョン接着剤の最終接着強度を規
定する値である。以上の実施例及び比較例の各種測定結
果は、次の表1に示されている。
較例1に対し、耐水性、耐温水性、耐沸騰水性、皮
膜強度(最終接着強度)、粘度の温度依存性の1つ以
上(実施例7は全て)において優れていることが判る。
次に、以下の実施例8〜20は、前記(I)又は(I
I)の重合条件で得られる樹脂エマルジョンの内、その
物性が最も優れている実施例3及び実施例7について、
本件発明の範囲内でモノマーの種類、保護コロイド及び
シードEVAの使用量を変更して樹脂エマルジョンを製
造した例である。
(90重量%)/アクリル酸ブチル(10重量%)混合
物を用いる以外は、実施例3と同様に重合して樹脂エマ
ルジョンを得た。得られた樹脂エマルジョンの最低造膜
温度は2℃以下、不揮発分は39.1%、粘度(BM型
粘度計12回転23℃)は2200mPa・Sであっ
た。 (実施例9) (a)エチレン変性PVAと(c)アマイド変性PVA
との使用量を、夫々7重量部、28重量部に変える以外
は、実施例3と同様に重合して樹脂エマルジョンを得
た。得られた樹脂エマルジョンの最低造膜温度は2℃以
下、不揮発分は39.4%、粘度(BM型粘度計12回
転23℃)は2000mPa・Sであった。
との使用量を、夫々28重量部、7重量部に変える以外
は、実施例3と同様に重合して樹脂エマルジョンを得
た。得られた樹脂エマルジョンの最低造膜温度は2℃以
下、不揮発分は39.5%、粘度(BM型粘度計12回
転23℃)は550mPa・Sであった。 (実施例11) (b)ポリアクリル酸(20%水溶液)の使用量を5重
量部に変える以外は、実施例3と同様に重合して樹脂エ
マルジョンを得た。得られた樹脂エマルジョンの最低造
膜温度は2℃以下、不揮発分は39.3%、粘度(BM
型粘度計12回転23℃)は900mPa・Sであっ
た。
重量部に変える以外は、実施例3と同様に重合して樹脂
エマルジョンを得た。得られた樹脂エマルジョンの最低
造膜温度は2℃以下、不揮発分は39.1%、粘度(B
M型粘度計12回転23℃)は2700mPa・Sであ
った。 (実施例13)モノマーとして酢酸ビニル(90重量
%)/アクリル酸ブチル(10重量%)混合物を用いる
以外は、実施例7と同様に重合して樹脂エマルジョンを
得た。得られた樹脂エマルジョンの最低造膜温度は2℃
以下、不揮発分は39.3%、粘度(BM型粘度計12
回転23℃)は800mPa・Sであった。
ブチル(50重量%)/メタクリル酸メチル(50重量
%)混合物を用いる以外は、実施例7と同様に重合して
樹脂エマルジョンを得た。得られた樹脂エマルジョンの
最低造膜温度は2℃以下、不揮発分は39.2%、粘度
(BM型粘度計12回転23℃)は900mPa・Sで
あった。 (実施例15) (a)エチレン変性PVAと(c)アマイド変性PVA
との使用量を、夫々7重量部、28重量部とする以外
は、実施例7と同様に重合して樹脂エマルジョンを得
た。 得られた樹脂エマルジョンの最低造膜温度は2℃
以下、不揮発分は39.6%、粘度(BM型粘度計12
回転23℃)は700mPa・Sであった。
との使用量を、夫々28重量部、7重量部とする以外
は、実施例7と同様に重合して樹脂エマルジョンを得
た。得られた樹脂エマルジョンの最低造膜温度は2℃以
下、不揮発分は39.5%、粘度(BM型粘度計12回
転23℃)は400mPa・Sであった。 (実施例17) (b)ポリアクリル酸(20%水溶液)の使用量を5重
量部とする以外は、実施例7と同様に重合して樹脂エマ
ルジョンを得た。得られた樹脂エマルジョンの最低造膜
温度は2℃以下、不揮発分は39.6%、粘度(BM型
粘度計12回転23℃)は450mPa・Sであった。
重量部とする以外は、実施例7と同様に重合して樹脂エ
マルジョンを得た。 得られた樹脂エマルジョンの最低造膜温度は2℃以下、
不揮発分は38.8%、粘度(BM型粘度計12回転2
3℃)は1700mPa・Sであった。 (実施例19)シード重合用EVAエマルジョン130
重量部と酢酸ビニル280重量部とを用いる以外は、実
施例7と同様に重合して樹脂エマルジョンを得た。得ら
れた樹脂エマルジョンの最低造膜温度は2℃以下、不揮
発分は39.7%、粘度(BM型粘度計12回転23
℃)は700mPa・Sであった。
ジョン260重量部と酢酸ビニル205重量部とを用い
る以外は、実施例7と同様に重合して樹脂エマルジョン
を得た。得られた樹脂エマルジョンの最低造膜温度は2
℃以下、不揮発分は39.4%、粘度(BM型粘度計1
2回転23℃)は400mPa・Sであった。以上の実
施例8〜20で得られた樹脂エマルジョンについて、前
記の測定方法により、粘度の温度依存性、耐水性、耐温
水性、耐沸騰水性および皮膜強度を測定した。
いて、モノマーの種類(実施例19〜20は、酢酸ビニ
ルの使用量)、保護コロイド及びシードEVAの使用量
を次ぎの表2−1に、そしてそれらの前記各物性を表2
−2にまとめて示す。表2−2によれば実施例8〜1
2、実施例13〜20の樹脂エマルジョンは、夫々実施
例3、実施例7の樹脂エマルジョンと略同等の各物性を
有することが判る。なお、実施例1〜2及び実施例4〜
6についても、本件発明の範囲内でモノマーの種類、保
護コロイドの組成及びシードEVAの使用量を変更して
樹脂エマルジョンを製造した場合には、それらの樹脂エ
マルジョンは実施例1〜2及び実施例4〜6のものと略
同等の各物性を示すことはいうまでもない。
護コロイドとして(b)カルボキシル基含有重合性不飽
和単量体の(共)重合体及び/又は(c)アマイド変性
PVAの併用、又はEVAエマルジョンのシード重合の
導入、若しくはそれら両者の組み合わせにより、従来の
PVA又はエチレン変性PVAを保護コロイドとして生
成される、ビニルエステル重合体エマルジョンの欠点の
一部、又は全てを改良した合成樹脂エマルジョン接着剤
を提供することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 (a)エチレン変性ポリビニルアルコー
ルと、(b)カルボキシル基含有重合性不飽和単量体の
(共)重合体とを保護コロイドとして用い、酢酸ビニル
モノマー及び/又は(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ーを重合して得られる合成樹脂エマルジョン接着剤。 - 【請求項2】 前記保護コロイドとして、(a)エチレ
ン変性ポリビニルアルコールと、(c)アマイド変性ポ
リビニルアルコールとを用いる請求項1記載の合成樹脂
エマルジョン接着剤。 - 【請求項3】 前記保護コロイドとして、(a)エチレ
ン変性ポリビニルアルコールと、(b)カルボキシル基
含有重合性不飽和単量体の(共)重合体と、(c)アマ
イド変性ポリビニルアルコールとを用いる請求項1記載
の合成樹脂エマルジョン接着剤。 - 【請求項4】 (a)エチレン変性ポリビニルアルコー
ルを保護コロイドとして用い、エチレン酢酸ビニル共重
合体エマルジョンに、酢酸ビニルモノマー及び/又は
(メタ)アクリル酸エステルモノマーをシード重合して
得られる合成樹脂エマルジョン接着剤。 - 【請求項5】 前記保護コロイドとして、(a)エチレ
ン変性ポリビニルアルコールと、(b)カルボキシル基
含有重合性不飽和単量体の(共)重合体とを用いる請求
項4記載の合成樹脂エマルジョン接着剤。 - 【請求項6】 前記保護コロイドとして、(a)エチレ
ン変性ポリビニルアルコールと、(c)アマイド変性ポ
リビニルアルコールとを用いる請求項4記載の合成樹脂
エマルジョン接着剤。 - 【請求項7】 前記保護コロイドとして、(a)エチレ
ン変性ポリビニルアルコールと、(b)カルボキシル基
含有重合性不飽和単量体の(共)重合体と、(c)アマ
イド変性ポリビニルアルコールとを用いる請求項4記載
の合成樹脂エマルジョン接着剤。 - 【請求項8】 前記(b)カルボキシル基含有重合性不
飽和単量体の(共)重合体が、アクリル酸及び/又はメ
タクリル酸(共)重合体である請求項1、3、5、7の
いずれか1項に記載の合成樹脂エマルジョン接着剤。
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