JP3313745B2 - ビニル化合物の乳化重合用分散剤および酢酸ビニル重合体エマルジョンの製法 - Google Patents
ビニル化合物の乳化重合用分散剤および酢酸ビニル重合体エマルジョンの製法Info
- Publication number
- JP3313745B2 JP3313745B2 JP28217091A JP28217091A JP3313745B2 JP 3313745 B2 JP3313745 B2 JP 3313745B2 JP 28217091 A JP28217091 A JP 28217091A JP 28217091 A JP28217091 A JP 28217091A JP 3313745 B2 JP3313745 B2 JP 3313745B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- emulsion
- dispersant
- vinyl acetate
- vinyl
- emulsion polymerization
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
Description
ルコールからなる、ビニル化合物の乳化重合用分散剤お
よび酢酸ビニル重合体エマルジョンの製法に関する。
A」と略す)はビニル化合物、特に酢酸ビニルに代表さ
れるビニルエステル類の乳化重合用分散剤として広く用
いられており、これを用いて乳化重合して得られる酢酸
ビニル重合体などのエマルジョンは各種接着剤、塗料、
紙または繊維加工などの分野で用いられている。
は、接着性や作業性は優れるが、皮膜の耐水性に劣り、
またエマルジョン粘度の温度依存性が大きいという欠点
を有しており、これらの性質は乳化重合に用いた分散剤
に依るところが大であることが知られている。
Aには、一般的にはけん化度98モル%程度のいわゆる
“完全けん化PVA”とけん化度88モル%程度の“部
分けん化PVA”があり、前者を使用した場合、比較的
耐水性は良好なものの、低温時のエマルジョン粘度の上
昇が著しく、ゲル化し易いという欠点がある。他方、後
者のPVAを使用した場合、エマルジョンの低温時の粘
度上昇やゲル化性向は改善されるものの皮膜の耐水性が
劣るという欠点を有している。
PVAの併用、両者の中間的なけん化度のPVAの使用
が行なわれているが皮膜の耐水性とエマルジョン粘度の
小さな温度依存性の両者を十分満足するに至っていな
い。また、皮膜の耐水性を向上させるために乳化剤とし
て部分けん化PVAを用いて得た重合体エマルジョンに
尿素樹脂や各種架橋剤を添加することも行なわれてい
る。これらの方法によって、ある程度耐水性は改良され
るものの、粘度上昇などにより使用時の作業性が低下
し、充分満足する結果は得られていない。
の乳化重合用PVA分散剤の欠点を解消し、ビニル化合
物の乳化重合に用いるとき、生成皮膜の耐水性に優れか
つ粘度の温度依存性が小さい重合体エマルジョンを与え
ることができる分散剤および前記分散剤を使用した酢酸
ビニル重合体エマルジョンの製法を提供するにある。
単位を1〜10モル%含有する変性ポリビニルアルコー
ルからなることを特徴とするビニル化合物の乳化重合用
分散剤によって達成される。また上記の目的は、上記分
散剤を使用して酢酸ビニルを乳化重合し、0℃粘度/3
0℃粘度比が2.7以下の酢酸ビニル重合体エマルジョ
ンを製造する方法によって達成される。
ン単位を1〜10モル%含有する変性PVAは、ビニル
エステルとエチレンとの共重合体をけん化することによ
って得られる。ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられるが、
酢酸ビニルが経済的にみて好ましい。
量は1〜10モル%、好ましくは2〜8モル%である。
エチレン単位の含有量が1モル%未満の場合には、重合
体皮膜の耐水強度が顕著に向上するという効果が得られ
ず、逆に10モル%を超える場合には、水溶性が低下
し、やはり上述の効果が得られない。
趣旨を損なわない範囲で他の官能基、例えば、カルボキ
シル基、ラクトン基、アミド基、アミノ基などが導入さ
れていてもよい。本発明の変性PVAのけん化度は50
モル%〜99モル%の範囲であることが好ましい。ま
た、重合度は100〜8,000の範囲で適宜選ばれ
る。
るビニル化合物の乳化重合の代表例としては、酢酸ビニ
ルに代表されるビニルエステルの乳化ホモ重合および酢
酸ビニルとエチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸エステル類との乳化共重
合などが挙げられる。
散剤の使用量は、ビニル化合物に対して0.1〜20重
量%、好ましくは0.3〜15重量%である。使用量が
0.1重量%未満では重合安定性に乏しく、20重量%
を超えると得られるエマルジョンの耐水性が低下する。
本発明の変性PVA乳化重合用分散剤は単独使用が好ま
しいが、本発明の目的を損なわない範囲で、他の保護コ
ロイドや乳化剤の併用も可能である。例えば、従来のP
VA、でんぷん、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチ
ルセルロース、従来公知のノニオン性乳化剤、アニオン
性乳化剤などが併用できる。
ル化合物、とくに酢酸ビニルに代表されるビニルエステ
ルの乳化重合を行うと、生成皮膜の耐水性に優れかつ粘
度の温度依存性が小さい重合体エマルジョンを得ること
ができる。
散剤を具体的に説明する。各実施例において「部」は重
量基準である。 実施例1 (変性PVAの製造) 攪拌機を備えた反応容器に酢酸ビニル100部とメタノ
ール30部を仕込み、次いで、窒素置換した後エチレン
3部を圧入した。開始剤として2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリルをメタノールに溶解した溶液を調製し、
窒素ガスによるバブリングによって窒素置換した。上記
のモノマーを仕込んだ反応容器を昇温し、内温が60℃
に達したとき開始剤溶液を注入し、重合を開始した。3
時間後に重合率が48%に達したところで冷却した。脱
エチレンし、次いで、減圧下に未反応酢酸ビニルモノマ
ーを除去し、メタノール溶液とし、これにNaOHメタ
ノール溶液を添加し、けん化した。得られた変性PVA
は重合度1,200、けん化度90.0モル%、エチレ
ン含有量7.2モル%であった。
器中で前記PVA20gを水240gに溶解した。次ぎ
に、酢酸ビニル20gを添加し、内温が70℃に達した
ところで過酸化水素0.3gおよび酒石酸0.5gを添
加し、重合を開始した。続いて、酢酸ビニル180gと
過酸化水素0.3gを3時間かけて連続的に添加した。
添加終了後、内温を80℃に1時間保持し熟成を行なっ
た。冷却後ジブチルフタレート20gを添加し、不揮発
分48.0%、30℃での粘度12,000cpのエマ
ルジョンを得た。
た。 (1)エマルジョン粘度の温度依存性評価 30℃および0℃でエマルジョン粘度を測定し、その粘
度比(0℃/30℃)で温度依存性を評価した。 (2)低温放置安定性 −5℃で24Hr放置し、エマルジョンの変化の有無を
観察した。 (3)耐水性 次の条件により紙/紙の接着試験を行ない、1日養生乾
燥後30℃の水中に24時間浸漬後剥離し、その接着状
態を調べ、3段階(A:非常に良好、B:良好、C:不
良)で評価した。 紙 :Bライナー、25mm×50mm大、各5片 塗布量:40g(wet)/m2 圧 締:ハンドローラーにて1回圧締 養 生:23℃、65%RH、24Hr 結果を表1に示す。
変性PVAを製造した。 (酢酸ビニルの乳化重合) 上記PVAをそれぞれ分散剤として用い、実施例1と同
様に操作して酢酸ビニルの乳化重合を行い、得られたエ
マルジョンを評価した。結果を表1に示す。
PVAを得た。 (酢酸ビニルの乳化重合) 上記未変性PVAをそれぞれ分散剤として用い、実施例
1と同様に操作して酢酸ビニルの乳化重合を行い、得ら
れたエマルジョンを評価した。結果を表1に示す。
剤を用いると、耐水性のよい皮膜を生成することがで
き、かつ、エマルジョン粘度の温度依存性が小さいエマ
ルジョンが得られることが明白である。
Claims (2)
- 【請求項1】 エチレン単位を1〜10モル%含有する
変性ポリビニルアルコールからなることを特徴とするビ
ニル化合物の乳化重合用分散剤。 - 【請求項2】 エチレン単位を1〜10モル%含有する
変性ポリビニルアルコールを分散剤として酢酸ビニルを
乳化重合し、0℃粘度/30℃粘度比が2.7以下の酢
酸ビニル重合体エマルジョンを製造する方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28217091A JP3313745B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | ビニル化合物の乳化重合用分散剤および酢酸ビニル重合体エマルジョンの製法 |
JP2000182547A JP3409020B2 (ja) | 1991-10-02 | 2000-06-19 | 懸濁重合用分散剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28217091A JP3313745B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | ビニル化合物の乳化重合用分散剤および酢酸ビニル重合体エマルジョンの製法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000182547A Division JP3409020B2 (ja) | 1991-10-02 | 2000-06-19 | 懸濁重合用分散剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0680709A JPH0680709A (ja) | 1994-03-22 |
JP3313745B2 true JP3313745B2 (ja) | 2002-08-12 |
Family
ID=17649008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28217091A Expired - Lifetime JP3313745B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | ビニル化合物の乳化重合用分散剤および酢酸ビニル重合体エマルジョンの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3313745B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0881665A (ja) * | 1994-07-14 | 1996-03-26 | Kuraray Co Ltd | バインダー |
CA2144792C (en) * | 1994-07-14 | 2000-05-02 | Masato Nakamae | Aqueous emulsion |
JP4601794B2 (ja) * | 1999-10-01 | 2010-12-22 | 株式会社クラレ | 水性エマルジョンおよびその製造方法 |
JP4488561B2 (ja) * | 1999-10-26 | 2010-06-23 | コニシ株式会社 | 合成樹脂エマルジョン型接着剤 |
JP4549474B2 (ja) * | 2000-02-09 | 2010-09-22 | 株式会社クラレ | ランドリーバッグ |
JP4615152B2 (ja) * | 2000-07-19 | 2011-01-19 | 株式会社クラレ | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 |
JP2003104779A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Nisshin Chem Ind Co Ltd | 水溶液型セラミックス成形用バインダー |
DE60205836T2 (de) | 2001-10-05 | 2006-05-18 | Kuraray Co., Ltd., Kurashiki | Dispersionsstabilisierungsmittel für die Suspensionspolymerisation einer Vinylverbindung |
DE10253046A1 (de) | 2002-11-14 | 2004-06-03 | Wacker Polymer Systems Gmbh & Co. Kg | Schutzkolloidstabilisierte Polymerisate in Form deren wässrigen Dispersionen und in Wasser redispergierbaren Pulver |
JP4731868B2 (ja) * | 2004-10-04 | 2011-07-27 | 株式会社クラレ | 接着剤 |
JP5664465B2 (ja) * | 2010-06-18 | 2015-02-04 | 日信化学工業株式会社 | ガラス繊維物品及びガラス繊維強化プラスチック |
JP6713339B2 (ja) * | 2016-04-25 | 2020-06-24 | 株式会社クラレ | 水性エマルジョン組成物、それを用いた接着剤、水性エマルジョンの製造方法及び水性エマルジョン組成物の製造方法 |
-
1991
- 1991-10-02 JP JP28217091A patent/JP3313745B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0680709A (ja) | 1994-03-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5350803A (en) | Moisture-curable melt-processible ethylene copolymer adhesives | |
JP3313745B2 (ja) | ビニル化合物の乳化重合用分散剤および酢酸ビニル重合体エマルジョンの製法 | |
JP3315128B2 (ja) | 低溶液粘度を有する変性ポリビニルアセタール | |
US4694056A (en) | Pressure sensitive adhesives prepared by polymerization in the presence of ethoxylated acetylenic tertiary glycol | |
JP2648790B2 (ja) | 湿潤粘着特性が改善された酢酸ビニル/エチレン共重合体エマルジョン | |
GB2039920A (en) | Process for preparing vinyl acetate-ethylene copolymer latices and latices obtained therefrom | |
JP2001123138A (ja) | 合成樹脂エマルジョン型接着剤 | |
US4816539A (en) | Process for producing vinyl chloride copolymer | |
JP2657600B2 (ja) | 初期接着性に優れたエマルジョン接着剤及びその製造方法 | |
JPH1112424A (ja) | ポリビニルアルコール系樹脂組成物、それを主成分とする紙コート剤および水性エマルジョン組成物 | |
JP2001234018A (ja) | 乳化重合用分散剤および水性エマルジョン | |
JPH11279210A (ja) | 低温粘度安定性の優れたポリビニルアルコールの製造方法 | |
JP2004300193A (ja) | 水性エマルジョン | |
JPH0618966B2 (ja) | 酢酸ビニル樹脂エマルジヨン組成物 | |
JP4297243B2 (ja) | 水性接着剤組成物 | |
JP3681122B2 (ja) | 木工接着方法 | |
JP3290499B2 (ja) | 酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物 | |
JP3506456B2 (ja) | ポリビニルアルコール系重合体 | |
JP3161801B2 (ja) | 新規なポリビニルアルコール | |
JP3066136B2 (ja) | 分散剤 | |
JP3085850B2 (ja) | 接着剤組成物及び該接着剤組成物を用いた紙管 | |
JPS58111811A (ja) | ビニルエステル系ポリマ−エマルジヨンの製造方法 | |
JP2757113B2 (ja) | 紙管用接着剤 | |
JPH0228203A (ja) | ポリ酢酸ビニル系エマルジョン組成物 | |
JPH04108806A (ja) | 乳化重合用分散剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100531 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110531 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110531 Year of fee payment: 9 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120531 Year of fee payment: 10 |