JP3085850B2 - 接着剤組成物及び該接着剤組成物を用いた紙管 - Google Patents

接着剤組成物及び該接着剤組成物を用いた紙管

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙管用、紙包装用、木
工用、一般用等に用いられる、酢酸ビニル系樹脂エマル
ジョンを主成分とする接着剤組成物、及び該接着剤組成
物を用いて製せられた紙管に関する。
【0002】
【従来の技術】紙管は、帯状紙片を金属心棒に複数層に
巻回し、その帯状紙片の重合部を接着剤で接着すること
により製造されているが、この場合に用いられる接着剤
としては、澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶液、及
びポリビニルアルコールを保護コロイドとした酢酸ビニ
ル系樹脂エマルジョンなどの一種または二種以上をベー
スとしたものが知られている。
【0003】しかし、ポリビニルアルコールを保護コロ
イドとした酢酸ビニル系樹脂エマルジョンをベースとす
る接着剤組成物は、一般に接着剤皮膜の弾性率(以下、
「皮膜弾性率」と記す)が低く皮膜強度が乏しいため、
例えば紙管用として用いる場合、得られる紙管の耐圧強
度は充分満足出来るものではなかった。
【0004】そこで、接着剤の皮膜弾性率を高め皮膜強
度を向上させるため、α−オレフィンと不飽和カルボン
酸の共重合体又はその誘導体に、塩基性物質を添加して
水溶化し、これに不飽和カルボン酸と過酸化物を反応さ
せた反応生成物を保護コロイドとして乳化重合した酢酸
ビニル系樹脂エマルジョンを主成分とする紙管用接着剤
組成物が提案されている(特公昭60−54993号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記α−オレ
フィンと不飽和カルボン酸の共重合体又はその誘導体
に、塩基性物質を添加して水溶化し、これに不飽和カル
ボン酸と過酸化物を反応させた反応生成物を保護コロイ
ドとして乳化重合した酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを
主成分とする接着剤組成物は、残存する未反応の不飽和
カルボン酸と酢酸ビニルモノマーとの重合性が悪いた
め、重合反応の立上がりが遅く、初期重合に長時間を要
するという問題点がある。
【0006】本発明は、上記問題点を解消するため、初
期重合時間が短く、高い皮膜弾性率と皮膜強度を有する
酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを主成分とする接着剤組
成物及び該接着剤組成物を用いた紙管を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、「第1発明」と記す)による接着剤組成物は、α−
オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体又はその誘導
体の塩基性物質による水溶化物と(メタ)アクリル酸エ
ステル類とを、過酸化物を反応触媒として反応させた反
応生成物を保護コロイドとし、過酸化物を重合触媒とし
て、酢酸ビニルモノマー単独、もしくは酢酸ビニルモノ
マーと該酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノマーと
を乳化重合して得られる酢酸ビニル系樹脂エマルジョン
を主成分とすることを特徴とし、そのことにより上記目
的が達成される。
【0008】又、請求項2記載の発明(以下、「第2発
明」と記す)による紙管は、帯状紙片が管状に巻回さ
れ、この管状に巻回された帯状紙片の重合部が第1発明
による接着剤組成物により接着されていることを特徴と
する。
【0009】第1発明による接着剤組成物の主成分であ
る酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに用いられる酢酸ビニ
ルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、特に限定
されるものではないが、(メタ)アクリル酸、メチル
(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、ブチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチレ
ングリコールジメタアクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、プロピレングリコール(モノ)アクリレート等
が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用
いられる。尚、ここで言う「(メタ)アクリル」とは
「アクリル」又は「メタアクリル」を言う。
【0010】第1発明による接着剤組成物の主成分であ
る酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの乳化重合において
は、α−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体又は
その誘導体の塩基性物質による水溶化物と(メタ)アク
リル酸エステル類とを、過酸化物を反応触媒として反応
させた反応生成物(以下、単に「反応生成物」と記す)
が保護コロイドとして用いられることが必要である。
【0011】上記α−オレフィンと不飽和カルボン酸の
共重合体又はその誘導体におけるα−オレフィンとして
は、特に限定されるものではないが、エチレン、プロピ
レン、nブテン、イソブチレン、nペンテン、イソプレ
ン等が挙げられ好適に用いられるが、なかでもイソブチ
レンがより好適に用いられる。
【0012】又、上記α−オレフィンと不飽和カルボン
酸の共重合体又はその誘導体における不飽和カルボン酸
としては、特に限定されるものではないが、(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、
フマール酸等が挙げられ好適に用いられるが、なかでも
無水マレイン酸がより好適に用いられる。
【0013】上記α−オレフィンと不飽和カルボン酸の
共重合体の代表例としては、イソブチレンと無水マレイ
ン酸の共重合体であるクラレ(株)社製の「イソバン」
が挙げられ、又、その誘導体として、より耐水性の優れ
た「イソバン」の部分イミド化物が挙げられる。
【0014】上記共重合体又はその誘導体は水に不溶で
あるが、苛性アルカリ、炭酸アルカリ、アンモニア等の
塩基性物質を加えることにより水溶化できる。塩基性物
質の添加量は上記共重合体又はその誘導体のカルボキシ
ル基量に対し、0.3〜0.8当量が好ましく、なかで
も0.35〜0.45当量がより好ましい。0.3当量
未満では水溶化が難しく、逆に0.8当量を超えると水
溶液のアルカリ性が高くなって酢酸ビニル系モノマーの
重合が遅くなったり困難になることがある。
【0015】第1発明において、α−オレフィンと不飽
和カルボン酸の共重合体又はその誘導体の塩基性物質に
よる水溶化物と反応させる(メタ)アクリル酸エステル
類としては、特に限定されるものではないが、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられ、これらの1
種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0016】上記(メタ)アクリル酸エステル類の添加
量は、特に限定されるものではないが、α−オレフィン
と不飽和カルボン酸の共重合体又はその誘導体の塩基性
物質による水溶化物の固形分100重量部に対し、0.
05〜50重量部であることが好ましい。(メタ)アク
リル酸エステル類の添加量が0.05重量部未満である
と、残存する未反応の不飽和カルボン酸との反応が不充
分となり、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの初期重合時
間が充分短くならないし、逆に50重量部を超えると、
得られる酢酸ビニル系樹脂エマルジョン中の粗粒子量や
残存モノマー量が多くなる。
【0017】又、第1発明において、α−オレフィンと
不飽和カルボン酸の共重合体又はその誘導体の塩基性物
質による水溶化物と(メタ)アクリル酸エステル類との
反応に、反応触媒として用いられる過酸化物としては、
特に限定されるものではないが、過酸化水素や過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の各
種過硫酸塩等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以
上が好適に用いられる。
【0018】上記過酸化物の添加量は、特に限定される
ものではないが、α−オレフィンと不飽和カルボン酸の
共重合体又はその誘導体の塩基性物質による水溶化物の
固形分100重量部に対し、過酸化物0.01〜2重量
部であることが好ましい。
【0019】第1発明における上記反応生成物の作成
は、水媒体下で、α−オレフィンと不飽和カルボン酸の
共重合体又はその誘導体の塩基性物質による水溶化物と
(メタ)アクリル酸エステル類とを、過酸化物を反応触
媒として反応させて行っても勿論良いし、又、水媒体下
で、α−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体又は
その誘導体の塩基性物質による水溶化物と(メタ)アク
リル酸エステル類とを、過酸化物を反応触媒として、酢
酸ビニルモノマーもしくは酢酸ビニルモノマーと該酢酸
ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとの混合モノマ
ーの共存下で反応させて行っても良い。
【0020】後者の場合でも、(メタ)アクリル酸エス
テル類がα−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体
又はその誘導体の塩基性物質による水溶化物と優先的に
反応するので、何ら支障なく所望の反応生成物を得るこ
とが出来る。
【0021】第1発明においては、上記の如く、α−オ
レフィンと不飽和カルボン酸の共重合体又はその誘導体
の塩基性物質による水溶化物と(メタ)アクリル酸エス
テル類とを事前に反応させるので、α−オレフィンと不
飽和カルボン酸の共重合体又はその誘導体の塩基性物質
による水溶化物中に未反応の不飽和カルボン酸が殆ど残
存しない。
【0022】第1発明による接着剤組成物の主成分であ
る酢酸ビニル系樹脂エマルジョンは、上記により得られ
るα−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体又はそ
の誘導体の塩基性物質による水溶化物と(メタ)アクリ
ル酸エステル類との反応生成物を保護コロイドとして用
い、過酸化物を重合触媒として、酢酸ビニルモノマー単
独もしくは酢酸ビニルモノマーと該酢酸ビニルモノマー
と共重合可能なモノマーとの混合モノマーを常法により
乳化重合することにより得られる。
【0023】第1発明において、保護コロイドとして用
いられる上記反応生成物の量は、特に限定されるもので
はないが、酢酸ビニルモノマーもしくは混合モノマー1
00重量部に対し、反応生成物10〜50重量部が好ま
しく、なかでも15〜30重量部がより好ましい。酢酸
ビニルモノマーもしくは混合モノマー100重量部に対
する反応生成物の量が10重量部未満であると、得られ
る酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの最低造膜温度が高く
なり冬季の使用に支障を来すことがあり、逆に50重量
部を超えると重合性が悪くなり初期重合時間が長くなる
ことがある。
【0024】又、第1発明においては、上記反応生成物
以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じ、
ポリビニルアルコール等の水溶性高分子が保護コロイド
として併用されても良い。
【0025】上記ポリビニルアルコールとしては、特に
限定されるものではないが、鹸化度80〜99モル%の
ものを用いることが好ましく、なかでも92〜98モル
%のものを用いることがより好ましい。鹸化度が80モ
ル%未満であると、得られる酢酸ビニル系樹脂エマルジ
ョン皮膜の耐水性が低下することがあるし、逆に99モ
ル%を超えると、重合性が悪くなることがある。又、ポ
リビニルアルコールの重合度は、特に限定されるもので
はないが、1000〜2500であることが好ましく、
なかでも1500〜2000であることがより好まし
い。重合度が1000未満であると、得られる酢酸ビニ
ル系樹脂エマルジョンの皮膜強度が弱くなることがある
し、逆に2500を超えると、得られる酢酸ビニル系樹
脂エマルジョンの粘度が高くなり過ぎることがある。
【0026】保護コロイドとしてポリビニルアルコール
を併用する場合、その量は、特に限定されるものではな
いが、酢酸ビニルモノマーもしくは混合モノマー100
重量部に対し、10重量部以下であることが好ましい。
10重量部を超えると得られる酢酸ビニル系樹脂エマル
ジョンの粘度が高くなり過ぎることがある。
【0027】第1発明において、重合触媒として用いら
れる過酸化物としては、特に限定されるものではない
が、過酸化水素や過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム等の各種過硫酸塩等が挙げられ、
これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0028】上記過酸化物の量は、特に限定されるもの
ではないが、酢酸ビニルモノマーもしくは混合モノマー
100重量部に対し、過酸化物0.1〜2重量部である
ことが好ましい。
【0029】又、第1発明においては、上記過酸化物以
外に、酒石酸、蟻酸、蓚酸等の還元剤やエリソルビン酸
ナトリウム等が重合触媒として併用されても良い。
【0030】第1発明による接着剤組成物には、主成分
である酢酸ビニル系樹脂エマルジョン以外に、本発明の
目的を阻害しない範囲で必要に応じ、粘着付与樹脂、界
面活性剤、可塑剤、充填剤、顔料、染料、消泡剤、防腐
剤、有機溶剤等の各種添加剤が含有されていても良い。
【0031】又、第1発明による接着剤組成物は、紙管
用に限らず、紙包装用、木工用、一般用等としても用い
られる事は言う迄もない。
【0032】
【作用】第1発明による接着剤組成物の主成分である酢
酸ビニル系樹脂エマルジョンは、α−オレフィンと不飽
和カルボン酸の共重合体又はその誘導体の塩基性物質に
よる水溶化物と(メタ)アクリル酸エステル類とを反応
させて得られる、未反応の不飽和カルボン酸の残存が殆
ど無い反応生成物を乳化重合時の保護コロイドとして用
いるので、初期重合時間が短く、得られる接着剤組成物
は高い皮膜弾性率と皮膜強度を有する。
【0033】又、上記接着剤組成物を用いて製せられる
第2発明による紙管は、優れた耐圧強度を有する。
【0034】
【実施例】本発明をさらに詳しく説明するため、以下に
実施例をあげる。なお、実施例中の「部」は「重量部」
を意味し、「%」は「重量%」を意味する。
【0035】(実施例1)
【0036】(1)接着剤組成物の作成 攪拌機、還流冷却管、温度計及び滴下漏斗を備えた反応
容器に、水62.4部、イソブチレンと無水マレイン酸
の共重合体の部分イミド化物の水溶化物(商品名「イソ
バン304S」、固形分27%、クラレ社製)85部
(固形分23部)、メタクリル酸メチル0.5部及び過
硫酸アンモニウム0.2部を仕込み、攪拌しながら80
℃で1時間反応させ反応生成物の水溶液を得た。次い
で、該水溶液を保護コロイドとし、酢酸ビニルモノマー
10部、過酸化水素0.09部及び酒石酸0.06部を
一括投入して初期重合を行った後、酢酸ビニルモノマー
90部、過酸化水素0.36部及び酒石酸0.24部を
連続滴下し、常法により乳化重合を行って、BH型回転
粘度計による粘度(30℃)1400cps、固形分5
0%の酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物を得
た。
【0037】(2)紙管の製管 上記で得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組
成物とB級紙管用原紙(福山製紙社製)を用い、内径7
9mm、外径109mm、長さ150mmで原紙のプラ
イ数23プライの紙管の製管を行った。
【0038】(3)評価 上記で得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組
成物及び紙管の各種性能を以下の方法により測定した結
果は表1に示すとおりであった。
【0039】初期重合時間 保護コロイド中に、酢酸ビニルモノマーの10%(10
部)及び重合触媒の20%(過酸化水素0.09部及び
酒石酸0.06部)を一括投入して初期重合を行う際、
反応容器の浴温より、重合物の液温が1℃高くなるまで
の時間を以て初期重合時間(時間)とした。
【0040】平均粒子径 得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物の
平均粒子径(μm)を島津レーザ回折式粒度分布測定装
置(島津製作所製)を用いて測定した。
【0041】最低造膜温度 得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物の
最低造膜温度(℃)を造膜試験装置(日理商事社製)を
用いて測定した。
【0042】皮膜弾性率 得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物を
ポリエチレン板上に塗布し、20℃−65%RHの雰囲
気下で3日間養生させ、得られた厚み300〜500μ
mの乾燥皮膜を1号ダンベルで打ち抜き、試験片を作製
した。次いで、この試験片を20℃−65%RHの雰囲
気下で24時間放置した後、引張り試験機にセットし、
引張り速度10mm/分で引張り、伸び率10%の時の
引張り強度と伸び率から皮膜弾性率(kg/cm2 )を
求めた。
【0043】座屈耐圧試験 得られた紙管を、20℃−65%RHの雰囲気下で3日
間養生させた後、紙管を垂直に立てた状態で、インスト
ロン試験機にセットし、圧縮スピード10mm/分で上
下方向に圧縮応力をかけ、座屈耐圧強度(kgf)を求
めた。
【0044】偏平耐圧試験 得られた紙管を、20℃−65%RHの雰囲気下で3日
間養生させた後、紙管を水平に寝かせた状態で、インス
トロン試験機にセットし、圧縮スピード10mm/分で
上下方向に圧縮応力をかけ、偏平耐圧強度(kg/c
m)を求めた。
【0045】(実施例2)
【0046】接着剤組成物の作成において、メタクリル
酸メチルの量を1.0部としたこと以外は実施例1と同
様にして粘度(30℃)900cps、固形分50%の
酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物を得た。次
いで、該接着剤組成物を用い実施例1と同様にして紙管
を製管した。
【0047】(実施例3)
【0048】接着剤組成物の作成において、メタクリル
酸メチルの量を1.5部としたこと以外は実施例1と同
様にして粘度(30℃)600cps、固形分50%の
酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物を得た。次
いで、該接着剤組成物を用い実施例1と同様にして紙管
を製管した。
【0049】(実施例4)
【0050】接着剤組成物の作成において、水62.4
部、「イソバン304S」85部(固形分23部)、メ
タクリル酸メチル0.5部及び過硫酸アンモニウム0.
2部と酢酸ビニルモノマー10部、過酸化水素0.09
部及び酒石酸0.06部とを一括仕込み、「イソバン3
04S」とメタクリル酸メチルとの反応及び酢酸ビニル
モノマーの初期重合を行ったこと以外は実施例1と同様
にして粘度(30℃)1300cps、固形分50%の
酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物を得た。次
いで、該接着剤組成物を用い実施例1と同様にして紙管
を製管した。
【0051】(比較例1)
【0052】接着剤組成物の作成において、メタクリル
酸メチルを用いなかったこと以外は実施例1と同様にし
て粘度(30℃)3800cps、固形分50%の酢酸
ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物を得た。次い
で、該接着剤組成物を用い実施例1と同様にして紙管を
製管した。
【0053】実施例2〜4及び比較例1で得られた酢酸
ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物及び紙管の各種
性能を実施例1と同様にして評価した結果は表1に示す
とおりであった。
【0054】(比較例2)
【0055】ポリビニルアルコールを保護コロイドと
し、過酸化物を重合触媒として乳化重合することにより
得られた粘度(30℃)3000cps、固形分42%
の紙管用酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤組成物
(商品名「エスダイン#5210」、積水化学工業社
製)を用い、実施例1と同様にして紙管を製管した。
【0056】エスダイン#5210の皮膜弾性率及び得
られた紙管の各種性能を実施例1と同様にして評価した
結果は表1に示すとおりであった。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、第1発明による酢酸
ビニル系樹脂エマルジョンを主成分とする接着剤組成物
は、重合性に優れているので初期重合時間を大幅に短縮
できると共に、皮膜弾性率及び皮膜強度が高く、紙管用
等として好適な高品質の接着剤組成物である。又、該接
着剤組成物を用いて製した第2発明による紙管は優れた
座屈耐圧強度及び偏平耐圧強度を有する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−オレフィンと不飽和カルボン酸の共
    重合体又はその誘導体の塩基性物質による水溶化物と
    (メタ)アクリル酸エステル類とを、過酸化物を反応触
    媒として反応させた反応生成物を保護コロイドとし、過
    酸化物を重合触媒として、酢酸ビニルモノマー単独、も
    しくは酢酸ビニルモノマーと該酢酸ビニルモノマーと共
    重合可能なモノマーとを乳化重合して得られる酢酸ビニ
    ル系樹脂エマルジョンを主成分とすることを特徴とする
    接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 帯状紙片が管状に巻回され、この管状に
    巻回された帯状紙片の重合部が請求項1記載の接着剤組
    成物により接着されていることを特徴とする紙管。
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