JP2000017007A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JP2000017007A
JP2000017007A JP11084141A JP8414199A JP2000017007A JP 2000017007 A JP2000017007 A JP 2000017007A JP 11084141 A JP11084141 A JP 11084141A JP 8414199 A JP8414199 A JP 8414199A JP 2000017007 A JP2000017007 A JP 2000017007A
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weight
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Mikio Shimizu
幹雄 清水
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル系樹脂の製造方法に関して、製造
過程での発泡現象を抑え、均一な粒子が得られる塩化ビ
ニル系樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 リフラックスコンデンサ−を備えた重合
器で塩化ビニル系単量体を水性媒体中で重合するに際
し、分散剤として曇点が30〜80℃の水溶性高分子を
水性媒体100重量部に対して0.01〜0.3重量部
添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
(以下「PVC」という)の製造方法に関し、更に詳し
くは、重合過程における泡の発生を防止し、得られる重
合体の粒子形状を改善したPVCの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、PVCの製造では、効率を高める
ため、重合器の大型化と重合時間の短縮が進められてい
る。その方法の一つとして、反応熱の除去を迅速に進め
るために、重合器にリフラックスコンデンサー(以下、
RCという)を併設し、これに塩化ビニル系単量体等を
還流しながら重合が進められることがある。
【0003】しかし、上記の方法ではRCによる除熱の
際に重合系に発泡現象が生じて、重合生成粒子が嵩比重
の低い泡状のものとなり、この中には、JIS Z 8
801に準じて48メッシュの篩を用いて粒度を測定し
た場合に篩上に残る程の大きな粒径のものが混入した
り、この泡状粒子のために重合器の上部内面に重合体ス
ケールが付着するなどの問題点があった。
【0004】そのため、消泡羽根等を用いて機械的に破
泡する方法も提案されているが、この方法では破泡した
残りが消泡羽根や重合器の内面に付着して重合体スケー
ルとなることがあり、対策として必ずしも有効とはいえ
ないものであった。また、特開平4−130103号公
報では、消泡剤を重合器中に添加する方法が開示されて
いるが、消泡剤を添加することにより、得られるPVC
の熱安定性が悪くなるという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、分散剤として曇点が30
〜80℃の水溶性物質を用いることにより得られる製造
過程での発泡現象を抑え、均一な粒子が得られるPVC
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のPVC
の製造方法は、RCを備えた重合器で塩化ビニル系単量
体を水性媒体中で重合するに際し、分散剤として曇点が
30〜80℃の水溶性高分子を水性媒体100重量部に
対して0.01〜0.3重量部添加する事を特徴とす
る。
【0007】請求項2に記載のPVCの製造方法は、請
求項1に記載のPVCの製造方法に、曇点が重合温度以
下の水溶性物質を併用することを特徴とする。
【0008】請求項3に記載のPVCの製造方法は、請
求項1又は2に記載のPVCの製造方法に、粘度平均分
子量が10万以上のポリエチレンオキサイドを併用する
ことを特徴とする。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
使用される分散剤の曇点とは、水溶性物質や界面活性剤
などがある一定の温度でミクロ的に水性媒体中に析出す
る現象で、曇点以下の温度では水性媒体中で溶解し安定
した状態になる。曇点の測定方法は25℃以下の水に所
定の濃度になるように溶解し、1℃/分の速度で昇温
し、液が濁ってくる温度を曇点として測定した。
【0010】請求項1記載の製造方法で使用される曇点
が30〜80℃の水溶性物質としては、例えば、メチル
セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロースなどの水溶性セルロース;部分
ケン化ポリビニルアルコール;ゼラチン;無水マレイン
酸スチレン重合体;ポリビニルピロリドン;エチレンオ
キシドプロピレンオキシド共重合体等が挙げられ、これ
らは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されても
よい。その中でも、水溶性セルロース及び、部分ケン化
ポリビニルアルコールが好ましい。
【0011】上記水溶性物質の添加量は水性媒体100
重量部に対して0.01〜0.3重量部の添加に限定さ
れる。0.01重量部未満では発泡現象を抑制する効果
が充分でなく、0.3重量部を超えても発泡抑制効果は
それ以上改善されず、得られたPVC中に水溶性物質が
残存し易くなり、得られるPVCの熱安定性等に悪影響
を及ぼすので上記範囲に限定される。また、上記水溶性
物質の添加量は塩化ビニル系単量体100重量部に対し
て0.02〜1.5重量部であり、好ましくは0.03
〜0.9重量部である。
【0012】請求項1記載の製造方法においては、上記
水溶性物質以外の分散剤が該水溶性物質100重量部に
対して30重量部まで併用されても良い。
【0013】請求項2記載の製造方法においては、上記
水溶性物質の内、重合温度以下の曇点を有するものを併
用すると重合時にその水溶性物質の析出が起こり、水性
媒体中に分散している塩化ビニル系単量体の液滴に吸着
し、水性媒体中の水溶性物質が減少し発泡が押さえられ
るわけである。ところが、曇点が30℃未満の水溶性物
質は塩化ビニル系単量体に溶解し易くなるため分散効果
がなくなり異常反応を起こし易く、曇点が80℃を超え
る水溶性物質については、本発明での重合温度は40〜
80℃であるので重合温度以上の曇点を有するものを使
用することになり、発泡抑制効果がなく適当でなく、上
記範囲に限定される。
【0014】請求項3に記載の製造方法においては、上
記水溶性物質以外の分散剤として、分子量が10万以上
のポリエチレンオキサイドを併用すると、反応液の流動
性が良好となり、攪拌状態が改善され、それに伴って機
械的に液面の発泡現象が抑制される。その際、上記ポリ
エチレンオキサイドの分子量は200万以上が好まし
く、10万未満では攪拌状態が改善されず、1200万
を超えると水に対する溶解性が低下して取り扱いが難し
く作業性が低下し好ましくない。
【0015】本発明ではRC及びジャッケットを備えた
反応器が用いられる。RCは液層から気化したガスを冷
却して凝縮させ液体状態に戻して重合熱を除去する為の
ものである。従って、RCは重合器内の気相部分に連通
するように設けることが必要とされる。RCは冷却器と
して公知の構造のものが用いられ、RC内でガスを冷却
するためにRCには冷媒が通される。
【0016】本発明では、水媒体等を重合器に仕込む前
に、重合器及びRC内を予め脱気しておくのが得られる
PVCの品質の面から好ましい。更に、予め脱気し加温
したイオン交換水や、予め加温した塩化ビニル系単量体
を使用するのが生産性向上の面から好ましい。
【0017】本発明で使用される塩化ビニル系単量体
は、塩化ビニル単量体単独、あるいは上記製造方法が効
果を発揮する範囲で、塩化ビニル単量体と共重合可能な
他のビニル系単量体が含まれてもよい。塩化ビニル単量
体と共重合可能な他のビニル系単量体としては、例え
ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル等の、(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プ
ロピレン等のオレフィンの他、(メタ)アクリル酸、無
水マレイン酸、アクリロニトリル、スチレンなどが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0018】本発明で使用される重合開始剤は、特に限
定されず、塩化ビニル系単量体の重合に使用される物で
あればよく、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、sec−ブチルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、エ
トキシエチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパ
−オキシネオデカノエ−ト、α−クミルパ−オキシネオ
デカノエ−ト、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
ーオキサイド等の過酸化物;アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−
ジメチル)バレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げら
れ、これらは単独で用いられても良く、2種以上が併用
されてもよい。
【0019】本発明では、必要に応じて、塩化ビニル系
単量体の重合に適宜使用される公知の連鎖移動剤、PH
調整剤、、各種添加剤等が使用される。本発明の重合温
度は40〜80℃が好ましい。
【0020】本発明の実施にあたり、水、塩化ビニル系
単量体、分散剤、重合開始剤、その他の助剤の仕込み方
法としては、通常の懸濁重合において用いられる方法が
好適に用いられる。例えば、水、分散剤、重合開始剤、
塩化ビニル系単量体を順次重合器に添加する方法、ある
いはこれらを同時に連続的に仕込む方法、分散剤水溶液
と重合開始剤を溶解した塩化ビニル系単量体を順次ある
いは同時に仕込む方法等いずれの方法でも良い。次い
で、重合に伴って発生する反応熱を重合器ジャケット及
びRCにより除熱し、重合器の内容物の温度を所定の重
合温度に制御しながら重合を継続させ、完結させる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0022】(実施例1〜6、比較例1、2))RCを
備えた内容積1.2m3 の重合器の内部をRCの内部と
共に脱気した後、イオン交換水100重量部、塩化ビニ
ル単量体70重量部仕込み、分散剤として、イオン交換
水100重量部に対して表1の通りの種類と添加量の水
溶性物質を仕込んだ。重合開始剤としてジ−2−エチル
ヘキシルパ−オキシジカ−ボネ−トを塩化ビニル単量体
100重量部に対して0.05重量部仕込み、重合温度
を58℃または66℃に昇温し重合を開始した。重合器
の圧力が7.0kg/cm 2 に降下した時点で重合器か
ら未反応の塩化ビニル単量体を回収して重合を完結さ
せ、得られたPVCを脱水し乾燥した。表1の分散剤の
曇点は実際の実験条件の濃度での測定値である。
【0023】上記実施例及び比較例で得られたPVCに
つき下記の評価を行い、その結果を表1に示した。 (1)スケールの付着状態 塩化ビニル重合体を重合器から取り出した後の重合器内
におけるスケール付着状態を目視にて観察し、以下の基
準で評価した。 スケールの付着なし:○、スケールの付着少々あり:
△、スケールの付着多量にあり:×。 (2)嵩比重 JIS K 6721に準拠して測定した。 (3)粗粒化度 JIS Z 8801に準拠し、42メッシュの標準篩
を使用して篩い、篩上に残った粒子の重量%で示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明のPVC製造方法は、上述の通り
であり、重合温度以下の曇点を有する水溶性物質を使用
することにより製造時に生成する泡を抑制し、その結果
RCの除熱能力がアップし、重合時間の短縮等生産性が
向上し、粗粒子の比率が低減する等品質が向上する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リフラックスコンデンサ−を備えた重合
    器で塩化ビニル系単量体を水性媒体中で重合するに際
    し、分散剤として曇点が30℃〜80℃の水溶性物質を
    水性媒体100重量部に対して0.01〜0.3重量部
    添加する事を特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 曇点が重合温度以下の水溶性物質を併用
    することを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系樹脂
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 粘度平均分子量が10万以上のポリエチ
    レンオキサイドを併用することを特徴とする請求項1又
    は2記載の塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009533495A (ja) * 2006-04-07 2009-09-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 電気的に中性の分散液及びその製造方法
US9469786B2 (en) 2012-02-03 2016-10-18 Basf Se Compositions comprising asphalt and electrically neutral copolymer dispersions

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JP2009533495A (ja) * 2006-04-07 2009-09-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 電気的に中性の分散液及びその製造方法
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