JP2018076239A - 植物用液状散布剤 - Google Patents
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Abstract
Description
また、展着効果を示す展着剤として、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、パラフィン等を主成分とするものがあるが、使用濃度を高くしないと効果が発揮されなかったり、乾いた皮膜が水に溶けないため植物体上にいつまでも残留する、等の問題がある。さらに、これらの展着剤は、いずれも上記水希釈液中での溶解性が悪く、さらには配合量を多くしないと機能しないという問題もある。
かかる特許文献1に記載のPVAは、ケン化度が88モル%程度で、雨水などで流亡することから、改良が求められるものであった。そこで、ケン化度が30〜60モル%のPVA系樹脂を含有する農業用液状散布剤が提案されている(特許文献2参照。)。
そのため、特に、本発明の植物用液状散布剤は、葉面散布剤として好適に用いられる。
以下、本発明について詳細に説明する。
上記アニオン変性PVA系樹脂(A)のケン化度は、好ましくは31〜50モル%、特に好ましくは32〜40モル%である。
かかるケン化度が低すぎると、水に溶けなくなり、水溶性散布剤としての機能を果たさなくなり、一方、高すぎると展着性が低下することとなる。
なお、上記ケン化度は、JIS K 6726に準じて、残存酢酸ビニルの加水分解に要するアルカリ消費量で分析することにより得られる値である。
なお、平均重合度は、JIS K 6726に準拠して測定される。
そして、かかるアニオン変性PVA(A)は、ビニルエステル系単量体とアニオン性不飽和単量体との重合体をケン化したり、PVA系樹脂を後変性したりして、製造することができる。
上記のオレフィンスルホン酸またはスルホン酸塩基の具体例としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩を挙げることができる。
また、上記のスルホアルキル(メタ)アクリルアミドとして具体的には、ナトリウムスルホメチルアクリルアミド、ナトリウムスルホt−ブチルアクリルアミド、ナトリウムスルホS−ブチルアクリルアミド、ナトリウムスルホt−ブチルメタクリルアミド等が挙げられる。
さらに、上記のスルホアルキル(メタ)アクリレートとして具体的には、ナトリウムスルホエチルアクリレート等が挙げられる。共重合により導入する場合、上記スルホン酸基を有する単量体の中でもオレフィンスルホン酸、又はその塩が好適に使用される。
また、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン、グリリンモノアリルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、2−アセトキシ−1−アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパン、3−アセトキシ−1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、グリセリンモノビニルエーテル、グリセリンモノイソプロペニルエーテル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン等のジオールを有する化合物などが挙げられる。これらの単量体は、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
オキシアルキレン基含有PVA系樹脂の構造や製造方法については、特開2015−117286号公報の段落〔0013〕〜〔0025〕に記載の通りである。
なお、「部」、[%]などは重量基準である。
<PVA系樹脂(1)の作製>
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル100部、メタノール811重量部、平均鎖長n=15のポリオキシエチレンアリルエーテル14部(2モル%対仕込み酢酸ビニル)、マレイン酸モノメチル2部(2モル%対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.35モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。さらに、14時間かけて、酢酸ビニル900部、メタノール359部、マレイン酸モノメチル20部を滴下、14時間かけて、ポリオキシエチレンアリルエーテル124重量部を滴下、また重合開始13時間後にアゾビスイソブチロニトリルを0.17モル%(対仕込み酢酸ビニル)追加し、酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニル単量体を系外に除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、上記メタノール溶液を、濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して10ミリモルとなる割合で加えてケン化を1.5時間行った。中和用の酢酸を水酸化ナトリウムの0.8当量添加した後、攪拌しながら過熱してメタノールを完全に追い出した後、水を追加 して溶解し、40%水溶液のオキシアルキレン基含有マレイン酸変性PVA系樹脂[PVA系樹脂(1)]を得た。得られたPVA系樹脂(1)のケン化度は、残存酢酸ビニルの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ35モル%であり、平均重合度は、JIS K6726に準拠して分析を行ったところ、280であった。また、上記PVA系樹脂(1)のマレイン酸基の含有量は、単量体の仕込み量から1.5モル%で、オキシアルキレン基含有量は、単量体の仕込み量から1.8モル%とした。
<PVA系樹脂(2)の作製>
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1000部、メタノール9580部、平均鎖長n=10のポリオキシエチレンアリルエーテル237部(2モル%対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.079モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。さらに、13時間かけて、酢酸ビニル1410部、メタノール3195部、ポリオキシエチレンアリルエーテル2130部を滴下、また重合開始4時間後にアゾビスイソブチロニトリルを0.079モル%(対仕込み酢酸ビニル)追加し、酢酸ビニルの重合率が94%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニル単量体を系外に除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、上記メタノール溶液を、濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して10ミリモルとなる割合で加えてケン化を1.5時間行った。中和用の酢酸を水酸化ナトリウムの0.8当量添加した後、攪拌しながら過熱してメタノールを完全に追い出した後、水を追加 して溶解し、40%水溶液のオキシアルキレン基含有PVA系樹脂[PVA系樹脂(2)]を得た。得られたPVA系樹脂(2)のケン化度は、残存酢酸ビニルの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ41モル%であり、平均重合度は、JIS K6726に準拠して分析を行ったところ、280であった。また、上記PVA系樹脂(2)のオキシアルキレン基含有量は、単量体の仕込み量から1.7モル%とした。
<PVA系樹脂(3)の作製>
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1000部、メタノール300部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.079モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。さらに、重合開始2時間後、4時間後にそれぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.079モル%(対仕込み酢酸ビニル)追加し、酢酸ビニルの重合率が94%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニル単量体を系外に除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、上記メタノール溶液を、濃度50%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して10ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、中和用の酢酸を水酸化ナトリウムの0.8当量添加し、濾別、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、未変性PVA系樹脂[PVA系樹脂(3)]を得た。得られたPVA系樹脂(3)のケン化度は、残存酢酸ビニルの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ34モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準拠して分析を行ったところ、300であった。
植物用液状散布剤を植物(ベンジャミンエスタ)の葉面に対し、霧吹きにて植物用液状散布剤を散布した。そして、24時間放置後、その葉面(植物用液状散布剤の散布面)に対し、霧吹きにて水を噴きかけた。そして、落ちずに残った展着面を目視観察し、その固着面が、葉面(植物用液状散布剤の散布面)の面積に対して80%以上残ったものを「○」と評価した。なお、葉面(植物用液状散布剤の散布面)の面積に対して30%以上80%未満残ったものを「△」、30%未満しか残らなかったものを「×」と評価した。
植物用液状散布剤を調製後、4日間室温で静置させた。静置後の様子を目視で観察し、分散しているものを「○」、沈殿が生じているものを「×」と評価した。
Claims (4)
- ケン化度が30〜60モル%で、アニオン性基を含有する変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)を含有することを特徴とする植物用液状散布剤。
- 変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)が、更にノニオン性の親水性変性基を含有することを特徴とする請求項1記載の植物用液状散布剤。
- 変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)の平均重合度が、100〜2000であることを特徴とする請求項1または記載の植物用液状散布剤。
- 植物用液状散布剤が葉面散布剤である、請求項1〜3いずれか記載の植物用液状散布剤。
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