JP3744409B2 - 熱交換器ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器ユニット、特に、室内空間と外部空間との間に配され熱交換換気を行う寒冷地向けの熱交換器ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷暖房等の空気調和が為される室内の換気を行う方法として、室内に供給される給気(外気)と室内から排出される空調空気(還気,排気)との間で熱交換を行い、冷暖房を行う空気調和機の運転負荷の低減を図る方法が用いられている。
【0003】
このような熱交換換気を行う装置として、熱交換器ユニットが存在する。熱交換器ユニットは、エアコン等の空気調和機と連動して、あるいは単独で運転されるものであり、ビルや種々の施設の換気を行うために設置されている。この熱交換器ユニットは、図1に示すように、換気を行う室内空間SIの天井裏などに設置される。図1に示す熱交換器ユニット5は、ケーシング10内の熱交換エレメント11により室内空間SIからの還気RAと外気OAとの間で熱交換をさせて、還気RAを外部空間SOに放出し(排気EA)、熱交換後の外気OAを給気SAとして室内空間SI内に送出する。例えば、夏場に室内空間SIが空気調和機20によって26℃に冷房されている場合、熱交換器ユニットは、26℃の還気RAと32℃の外気OAとの熱交換を熱交換エレメント11によって行い、給気ファン12を作動させて27.4℃の給気SAを室内空間SIに入れるとともに、排気ファン13を作動させて30.6℃の排気EAを大気中(外部空間SO)に放出する。これにより、空気調和機20の運転負荷が小さくなり、エネルギー消費が抑えられる。
【0004】
但し、熱交換器ユニット5は、熱交換を常時行わせているわけではなく、室内空間SI内が外部空間SOの気温(以下、外気温度という。)よりも高いときに冷房を行っている場合など熱交換させないほうが省エネルギーとなる場合には、熱交換させることなく外気を取り込む普通換気を行うことができる。図1では省略しているが、熱交換器ユニット5は、熱交換換気ではなく普通換気を行うときに使用するバイパス経路を備えている。熱交換エレメント11を通る経路とバイパス経路とは、図示しないダンパーによって切り換えられる。
【0005】
また、熱交換器ユニット5には、熱交換換気をさせるのか普通換気をさせるのかを判断するための2つの温度センサ51,52が装備されている。図2に示すように、温度センサ51は、熱交換エレメント11を通る前の還気RAの温度、すなわち室内温度を検出することができる場所に配置されている。また、温度センサ52は、熱交換エレメント11を通る前の外気OAの温度、すなわち外気温度を検出することができる場所に配置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような熱交換器ユニットは、その仕様が、例えば外気温度−10℃〜+40℃の範囲と決められている。そして、このような熱交換器ユニットを外気温度が−10℃を下回る環境において使う場合には、熱交換エレメントで凝縮水が凍結することがある。また、ユニット内で結露が発生することもある。
【0007】
このような熱交換エレメントの凍結等を抑えるため、従来の熱交換器ユニットでは、外気温度が所定レベル(例えば−10℃)を下回ったときに、間欠的に給気ファンを止めて排気だけの運転とする間欠運転制御を行っている。この排気だけの運転時には、室内から外部へと排出される還気のみが熱交換エレメントに流れ、−10℃を下回る冷たい外気は熱交換エレメントを殆ど通らなくなる。外気温度が−10℃を下回るときにも室内温度は比較的高く保たれているため、排気だけの運転時には熱交換エレメントに還気による熱が蓄えられ、それまでに熱交換エレメントが外気によって凍結しかけていた状態が緩和される。
【0008】
しかし、寒さが厳しい寒冷地においては、−10℃を下回った後に、さらに外気温度が下がって−15℃や−20℃といった温度を下回ることも想定される。このような環境に対して、従来のように所定レベルを下回ったときに一定の間欠運転制御を行うだけでは、熱交換エレメントの凍結を完全に抑制できない場合も出てくる。
【0009】
本発明の課題は、寒冷地においても熱交換エレメントの凍結を適切に抑制することができる熱交換器ユニットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る熱交換器ユニットは、室内空間と外部空間との間に配され、熱交換換気を行うことができる熱交換器ユニットである。この熱交換器ユニットは、熱交換エレメントと、熱交換エレメントを経由する給気経路と、熱交換エレメントを経由する排気経路と、給気経路に組み込まれる給気ファンと、排気経路に組み込まれる排気ファンと、温度センサと、制御部とを備えている。温度センサは、外部空間の気温である外気温度を検出する。制御部は、第1凍結抑制制御および第2凍結抑制制御を行う。第1凍結抑制制御は、外気温度が第1レベルを下回った場合に、給気ファンの間欠運転を行う制御である。第2凍結抑制制御は、外気温度が第2レベル(第1レベルよりも低いレベル)を下回った場合に、給気ファンおよび排気ファンの間欠運転を行う制御である。
【0011】
ここでは、給気経路によって外部空間から室内空間への給気を行うことができ、排気経路によって室内空間から外部空間への排気を行うことができる。そして、給気経路および排気経路が共に熱交換エレメントを経由するため、熱交換エレメントにおいて給気と排気との間で熱交換が為される。
そして、ここでは、温度センサによって検出される外気温度を制御部に監視させておき、従来と同様に外気温度が所定のレベル(第1レベル)を下回ったときに給気ファンの間欠運転を行う第1凍結抑制制御を行わせるとともに、外気温度が第1レベルより低い第2レベルを下回ったときには、給気ファンおよび排気ファンの間欠運転を行う第2凍結抑制制御を行わせている。第2凍結抑制制御においては、給気および排気の両方が止まる時間帯が生じるため、室内空間の温度が上昇し、その後に排気を行わせたときに熱交換エレメントに比較的暖かい還気が通って熱交換エレメントの凍結が効果的に抑制されるようになる。
【0012】
なお、給気を止めて排気だけを行っている場合には、外部空間の外気が隙間から室内空間に入って室内温度の上昇を妨げるため、給排気両方を止めるときのような高い凍結抑制効果は得られない。
このように、ここでは、第2凍結抑制制御において、熱交換エレメントの凍結抑制に対して強い効果を有する給排気両方の一時停止の状態を発生させることができるため、熱交換エレメントの凍結の抑制が効果的に為されるようになる。
【0013】
請求項2に係る熱交換器ユニットは、請求項1に記載の熱交換器ユニットであって、第2凍結抑制制御における間欠運転では、第1凍結抑制制御における間欠運転よりも給気ファンを止める時間の割合が大きい。
ここでは、第1凍結抑制制御および第2凍結抑制制御において給気ファンを所定の時間の割合で一時停止させる給気ファンの間欠運転を行う。給気ファンが止まっている間は、給気が止まり排気ファンによる排気だけが為されるため、室内空間の暖かい還気だけが熱交換エレメントを通り冷たい外気は熱交換エレメントを通らなくなる。したがって、給気ファンが止まっているときに熱交換エレメントが熱を蓄え、両ファンにより給気および排気が行われているときに外気により冷却される熱交換エレメントの凍結を抑える。
【0014】
そして、第1レベルよりも低い第2レベルを外気温度が下回ったときに行う第2凍結抑制制御における間欠運転では、第1凍結抑制制御における間欠運転よりも給気ファンを止める時間の割合が大きくなる。このため、外気温度が第2レベルを下回り熱交換エレメントの凍結の恐れが大きくなっても、外気により熱交換エレメントが冷却される時間(給気ファンが作動している時間)がより短くなるため、熱交換エレメントの凍結が抑制されるようになる。
【0015】
請求項3に係る熱交換器ユニットは、請求項1または2に記載の熱交換器ユニットであって、ケーシングをさらに備えている。このケーシングは、外部空間側の第1給気口および第2排気口と、室内空間側の第2給気口および第1排気口とを有している。また、ケーシングの内部には、熱交換エレメントが収容される。給気経路は、ケーシング内において、第1給気口から熱交換エレメントを経て第2給気口まで延びる経路である。排気経路は、ケーシング内において、第1排気口から熱交換エレメントを経て第2排気口まで延びる経路である。そして、温度センサは、給気経路の第1給気口と熱交換エレメントとの間に配置される。
ここでは、温度センサを給気経路に設けているため、詳細には、温度センサを外部空間側の第1給気口と熱交換エレメントとの間に設けているため、温度センサによって外気温度を検出させることができる。
【0016】
請求項4に係る熱交換器ユニットは、室内空間と外部空間との間に配され、熱交換換気を行うことができる熱交換器ユニットである。この熱交換器ユニットは、熱交換エレメントと、給気経路と、排気経路と、給気経路に組み込まれる給気ファンと、排気経路に組み込まれる排気ファンと、温度センサと、制御部とを備えている。給気経路は、給気を行わせるために設けられており、熱交換エレメントを経由している。排気経路は、排気を行わせるために設けられており、熱交換エレメントを経由している。温度センサは、熱交換エレメントの排気流れの下流側の部分の温度を検出するために設けられている。この温度センサは、熱交換エレメントの排気下流側の部分の温度を直接的に検出するものであってもよいし、熱交換エレメントを通り抜けた排気の気温を検出するものであってもよい。制御部は、温度センサによる検出温度が第1レベルを下回った場合に、給気ファンの間欠運転を行う第1凍結抑制制御を行い、温度センサによる検出温度が第1レベルよりも低い第2レベルを下回った場合に、給気ファンおよび排気ファンの間欠運転を行う第2凍結抑制制御を行う。
【0017】
一般に外部空間よりも室内空間のほうが湿度が高いため、給気経路および排気経路の一部となる熱交換エレメントが凍結する場合、熱交換エレメントの排気流れの下流側の部分(気温の低い外部空間に近いほうの部分)で凍結現象が見られる。これに対し、従来においては、給気経路を通る外気温度を検出して所定レベルと比較することにより、熱交換エレメントの凍結を抑制する運転を行うか否かを判断させている。しかしながら、熱交換エレメントが凍結するか否かは、本来は外気温度だけから判断できるものではなく、凍結しやすい熱交換エレメントの排気流れの下流側の部分の温度に基づいて判断することが望ましい。
【0018】
これに鑑み、ここでは、熱交換エレメントの排気流れの下流側の部分の温度を検出するための温度センサを配備している。したがって、従来のように外気温度に基づいて熱交換エレメントの凍結の恐れを推定する手法ではなく、最初に凍結すると予想される熱交換エレメントの排気流れの下流側の部分の温度に基づいて熱交換エレメントの凍結の恐れを判断することができるようになる。
【0019】
このように熱交換エレメントの凍結の恐れをより的確に判断できるようになると、必要がないときに凍結抑制の運転に切り換わったり凍結しているのに凍結抑制運転(凍結抑制制御)が始まらなかったりする不具合が少なくなり、寒冷地において熱交換エレメントの凍結を適切に抑制することができるようになる。
さらに、ここでは、温度センサによる検出温度を制御部に監視させておき、その検出温度が所定のレベル(第1レベル)を下回ったときに給気ファンの間欠運転を行う第1凍結抑制制御を行わせるとともに、検出温度が第1レベルより低い第2レベルを下回ったときには、給気ファンおよび排気ファンの間欠運転を行う第2凍結抑制制御を行わせている。第2凍結抑制制御においては、給気および排気の両方が止まる時間帯が生じるため、室内空間の温度が上昇し、その後に排気を行わせたときに熱交換エレメントに比較的暖かい還気が通って熱交換エレメントの凍結が効果的に抑制されるようになる。
【0020】
なお、給気を止めて排気だけを行っている場合には、外部空間の外気が隙間から室内空間に入って室内温度の上昇を妨げるため、給排気両方を止めるときのような高い凍結抑制効果は得られない。
このように、ここでは、第2凍結抑制制御において、熱交換エレメントの凍結抑制に対して強い効果を有する給排気両方の一時停止の状態を発生させることができるため、熱交換エレメントの凍結の抑制が効果的に為されるようになる。
【0021】
請求項5に係る熱交換器ユニットは、請求項4に記載の熱交換器ユニットであって、温度センサは、排気経路の熱交換エレメントの排気流れ下流側において、排気の気温を検出する。
ここでは、熱交換エレメントの排気流れ下流側で排気の気温を検出する温度センサを設けているため、熱交換エレメントの排気流れの下流側の部分の温度を高い精度で推測することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の一実施形態に係る熱交換器ユニット5は、エアコン等の空気調和機20と連動して、あるいは単独で運転されるものであり、ビルや種々の施設の換気を行うために設置される。本実施形態の熱交換器ユニット5は、図1に示すように、建物内の換気対象である室内空間SIの天井裏などに設置され、ダクト31によって室内空間SI及び建物外の外部空間SOと結ばれる。この熱交換器ユニット5は、熱交換換気運転において、熱交換エレメント11により室内空間SIからの還気RAと外気EAとの間で熱交換をさせ、還気RAを外部空間SOに放出し(排気OA)、熱交換後の外気EAを給気SAとして室内空間SI内に送出する。また、このような熱交換換気運転の他、熱交換器ユニット5はバイパス経路を用いた通常の普通換気運転を行うこともできる。
【0023】
<構成>
熱交換器ユニット5は、図2に示すように、主として、給気経路および排気経路を含むケーシング10と、ケーシング10の内部中央に収容されている熱交換エレメント11と、給気ファン12と、排気ファン13と、制御部(図示せず)とから構成されている。
【0024】
ケーシング10は、熱交換エレメント11を収容する略直方体の箱であり、外部空間SO側の第1給気口10aおよび第2排気口10dと、室内空間SI側の第2給気口10bおよび第1排気口10cとを有している。給気経路は、第1給気口10aから熱交換エレメント11を経て第2給気口10bまで延びる経路である。排気経路は、第1排気口10cから熱交換エレメント11を経て第2排気口10dまで延びる経路である。
【0025】
熱交換エレメント11は、いわゆる全熱交換器であり、互いに直交する流路が交互に積層される構造を有している。このうち一方の向きの流路がケーシング10内の給気経路に組み込まれ、他方の向きの流路がケーシング10内の排気経路に組み込まれる。
給気ファン12は、給気経路の下流端に配置されており、第1給気口10aから外気OAがケーシング10内に流入するように運転される。また、排気ファン13は、排気経路の下流に配置されており、第1排気口10cから換気対象である室内空間SI内の空気(還気)RAがケーシング10内に流入するように運転される。
【0026】
また、図2では省略しているが、熱交換器ユニット5は、熱交換換気ではなく普通換気を行うときに使用するバイパス経路を備えている。熱交換エレメント11を通る経路とバイパス経路とは、図示しないダンパーによって切り換えられる。
さらに、熱交換器ユニット5には、熱交換換気をさせるのか普通換気をさせるのかを判断するための2つの温度センサ51,52が装備されている。図2に示すように、温度センサ51は、熱交換エレメント11を通る前の外気OAの温度、すなわち外気温度を検出することができる場所に配置されている。具体的には、温度センサ51は、ケーシング10内の給気経路の第1給気口10aと熱交換エレメント11との間に配置されている。また、温度センサ52は、熱交換エレメント11を通る前の還気RAの温度、すなわち室内温度を検出することができる場所に配置されている。具体的には、温度センサ52は、ケーシング10内の排気経路の第1排気口10cと熱交換エレメント11との間に配置されている。
なお、外気温度を検出する温度センサ51の検知結果は、後述するように凍結抑制制御を実行する際の条件として用いられる。
【0027】
<制御>
熱交換器ユニット5の制御部は、温度センサ51,52の検出結果などを基に、給気ファン12および排気ファン13の作動を制御する。
【0028】
〔通常換気制御〕
熱交換器ユニット5の制御部は、温度センサ51,52により検出された室内温度と外気温度とに基づいて、通常換気制御を行う。連動するエアコン等の空気調和機20がある場合には、その運転状況も加味して通常換気制御が行われる。この通常換気制御では、熱交換器ユニット5の熱交換換気運転、あるいは普通換気運転が切り換えられる。
【0029】
熱交換換気運転においては、給気ファン12及び排気ファン13を作動させて熱交換器ユニット5の運転を始めると、室内空間SI内の還気RAがケーシング10内に吸引され、熱交換エレメント11を通って排気EAとなり、ケーシング10内から外部空間SOへと放出される。また、外部空間の外気OAがケーシング10内に取り込まれ、熱交換エレメント11を通って給気SAとなり、熱交換器ユニット5から室内空間SIへと送出される。
【0030】
この熱交換換気運転は、夏場の冷房、冬場の暖房、外部空間SOの温度が室内空間SIよりも低いときの冷房、外部空間SOの温度が室内空間SIよりも高いときの暖房といった各状況によって動作が異なるが、以下にその動作の一例を示す。
冬場に室内空間SIが空気調和機20によって20℃に暖房されている場合、熱交換器ユニット5は、20℃の還気RAと0℃の外気OAとの熱交換を行い、給気ファン12を作動させて15℃の給気SAを室内空間SIに入れるとともに、排気ファン13を作動させて5℃の排気EAを大気中(外部空間SO)に放出する。これにより、空気調和機20の暖房運転負荷が小さくなり、エネルギー消費が抑えられる。
【0031】
また、熱交換器ユニット5の制御部は、各温度センサ51,52の検出結果から上記の熱交換換気ではなく普通換気を行ったほうが省エネルギーになると判断した場合に、図示しないダンパーを切り換えバイパス経路を用いた普通換気運転を行わせる。この普通換気運転では、還気RAとの熱交換が為されない外気OAが室内空間SIに取り入れられる。
【0032】
〔凍結抑制制御〕
熱交換器ユニット5の制御部は、外気温度が−10℃を下回ったときに、熱交換エレメント11が凍結することを抑えるため、外気温度に応じて2つの異なる凍結抑制制御を行う。この2つの凍結抑制制御は、第1凍結抑制制御および第2凍結抑制制御である。
【0033】
第1凍結抑制制御は、外気温度が−10℃を下回った場合に、熱交換エレメントの凍結を抑制する制御である。第1凍結抑制制御では、排気ファン13を常時作動させ給気ファン12の作動を60分のうち最初の15分だけ休止させる運転(以下、この運転を第1運転という。)を繰り返す。
第2凍結抑制制御は、外気温度が−15℃を下回った場合に、第1凍結抑制制御よりも強力に熱交換エレメントの凍結を抑制する制御である。第2凍結抑制制御では、給気ファン12および排気ファン13の間欠運転を行う。具体的に説明すると、第2凍結抑制制御では、給気ファン12および排気ファン13を60分休止させた後に5分だけ作動を再開させる運転(以下、この運転を第2運転という。)を繰り返す。
【0034】
次に、図3を参照して、2つの凍結抑制制御を用いたときに運転状態がどのように変移するかについて説明する。
通常の換気運転(外気温度が低いため、ここでは熱交換換気運転)中は、温度センサ51によって常時外気温度を監視しておき、その外気温度が−10℃以下となったときに第1凍結抑制制御が実行される。これにより、給気ファン12だけの間欠運転が始まる(第1運転)。
【0035】
第1運転中は、給気ファン12が休止している15分間も含め外気温度が常時監視される。この第1運転では、給気ファン12が休止している間は冷たい外気OAが熱交換エレメント11を通らなくなるため、熱交換エレメント11の冷却が緩和される。
しかし、外気温度が低すぎると、第1運転によっては熱交換エレメント11の凍結の抑制が達成できないことが想定される。そこで、ここでは、外気温度が−15℃以下になったときに、制御部が、第1凍結抑制制御の実行を止め、代わりに第2凍結抑制制御を実行させる。この第1凍結抑制制御から第2凍結抑制制御への移行は、第1運転の途中であっても強制的に行われる。
【0036】
第2運転では、給気ファン12および排気ファン13が、ともに60分の休止と5分の作動とを繰り返す。これにより、60分間続けて換気動作が止まるようになるため、この間に室内温度が上昇する。このため、排気ファン13の運転再開時に暖かい室内の還気RAが熱交換エレメント11を通り、熱交換エレメント11の凍結が抑制されるようになる。なお、第2運転においては、5分間の給気ファン12および排気ファン13の運転中に、温度センサ51による外気温度の監視が為される。
【0037】
この第2運転における外気温度の監視の結果、外気温度が上昇し、監視を行っている5分間の間−13℃以上の外気温度が続く場合には、その5分間の給気ファン12および排気ファン13の運転の後に、第2凍結抑制制御から第1凍結抑制制御へと移行する。
また、第1運転では、外気温度の監視が常時為されているが、そのうち給気ファン12が作動している45分の間における外気温度の継続的状態によって通常の換気運転に戻すか否かを判断する。具体的には、第1凍結抑制制御では、45分の給気ファン12の作動中において、外気温度が5分以上−8℃よりも大きくなっている状態が続いたときに、即座に第1運転から通常の換気運転へと移行させる。
【0038】
<熱交換器ユニットの特徴>
本実施形態の熱交換器ユニット5では、温度センサ51によって検出される外気温度を制御部に監視させておき、従来と同様に外気温度が所定のレベル(−10℃)を下回ったときに熱交換エレメント11の凍結を抑制する第1凍結抑制制御を行わせるとともに、外気温度が−15℃を下回ったときには、より抑制度合いが大きい第2凍結抑制制御を行わせている。
【0039】
具体的には、第1凍結抑制制御では、給気ファン12だけを一時的に休止させる第1運転を行わせ、第2凍結抑制制御では、給気ファン12および排気ファン13の両方を一時的に休止させる第2運転を行わせている。後者の第2運転では、給気および排気の両方が止まる時間帯(60分)が生じるため、室内空間SIの温度が上昇し、その後に排気を行わせたときに熱交換エレメント11に比較的暖かい還気RAが通って熱交換エレメント11の凍結が効果的に抑制されるようになる。
【0040】
このような2つの異なる運転を用いた凍結抑制制御が為されるため、−10℃を下回った後に第1運転を繰り返すだけでは熱交換エレメント11の凍結抑制の効果が不充分となるほどの温度(−15℃)まで外気温度が下がった場合でも、第2凍結抑制制御により第2運転が為されて、熱交換エレメント11の凍結の抑制度合いが強化される。このため、熱交換器ユニット5では、寒冷地においても熱交換エレメント11の凍結が適切に抑制される。
【0041】
[第実施形態]
上記第1実施形態では、外気温度を検出する温度センサ51の検出温度だけに基づいて第1凍結抑制制御や第2凍結抑制制御の開始および解除を判断させているが、室内温度を検出する温度センサ52の検出温度の条件を加味してその判断を行わせてもよい。この場合には、熱交換エレメント11の凍結の恐れをより的確に推定できるようになり、第1凍結抑制制御や第2凍結抑制制御の開始および解除のタイミングをより適切なものにすることが可能になる。
【0042】
[第実施形態]
図4に示す本発明の一実施形態に係る熱交換器ユニット6は、エアコン等の空気調和機と連動して、あるいは単独で運転されるものであり、ビルや種々の施設の換気を行うために設置される。この熱交換器ユニット6は、熱交換換気運転において、熱交換エレメント11により室内空間SIからの還気RAと外気EAとの間で熱交換をさせ、還気RAを外部空間SOに放出し(排気OA)、熱交換後の外気EAを給気SAとして室内空間SI内に送出する。また、このような熱交換換気運転の他、熱交換器ユニット6はバイパス経路を用いた通常の普通換気運転を行うこともできる。
【0043】
<構成>
熱交換器ユニット6は、図4に示すように、主として、給気経路および排気経路を含むケーシング10と、ケーシング10の内部中央に収容されている熱交換エレメント11と、給気ファン12と、排気ファン13と、制御部(図示せず)とから構成されている。
【0044】
ケーシング10、熱交換エレメント11、および給気ファン12の構成は、第1実施形態と同様である。
また、図4では省略しているが、熱交換器ユニット6は、熱交換換気ではなく普通換気を行うときに使用するバイパス経路を備えている。熱交換エレメント11を通る経路とバイパス経路とは、図示しないダンパーによって切り換えられる。
【0045】
さらに、熱交換器ユニット6には、熱交換換気をさせるのか普通換気をさせるのかを判断するための2つの温度センサ51,52と、後述する凍結抑制制御を行うか否かを判断するための温度センサ53とが装備されている。温度センサ51および温度センサ52の配置は、第1実施形態と同様である。そして、温度センサ53は、図4に示すように、熱交換エレメント11の排気流れの下流側の部分11aの温度を検出するために設けられており、排気EAの気温(以下、排気温度という。)を検出する。具体的には、温度センサ53は、ケーシング10内の排気経路の熱交換エレメント11と第2排気口10dとの間に配置される。
【0046】
<制御>
熱交換器ユニット6の制御部は、温度センサ51,52,53の検出結果などを基に、給気ファン12および排気ファン13の作動を制御する。
〔通常換気制御〕
熱交換器ユニット6の制御部は、第1実施形態における熱交換器ユニット5の制御部と同様に、通常換気制御を行う。
【0047】
〔凍結抑制制御〕
熱交換器ユニット6の制御部は、温度センサ53により検出された排気温度が0℃を下回ったときに、熱交換エレメント11が凍結することを抑えるため、排気温度に応じて2つの異なる凍結抑制制御を行う。この2つの凍結抑制制御は、第1凍結抑制制御および第2凍結抑制制御である。
【0048】
第1凍結抑制制御は、排気温度が0℃を下回った場合に、熱交換エレメントの凍結を抑制する制御である。第1凍結抑制制御では、排気ファン13を常時作動させ給気ファン12の作動を60分のうち最初の15分だけ休止させる運転(以下、この運転を第1運転という。)を繰り返す。
第2凍結抑制制御は、排気温度が−3℃を下回った場合に、第1凍結抑制制御よりも強力に熱交換エレメントの凍結を抑制する制御である。第2凍結抑制制御では、給気ファン12および排気ファン13の間欠運転を行う。具体的に説明すると、第2凍結抑制制御では、給気ファン12および排気ファン13を60分休止させた後に5分だけ作動を再開させる運転(以下、この運転を第2運転という。)を繰り返す。
【0049】
次に、2つの凍結抑制制御を用いたときに運転状態がどのように変移するかについて説明する。
通常の換気運転(外気温度が低いため、ここでは熱交換換気運転)中は、温度センサ53によって常時排気温度を監視しておき、その排気温度が0℃以下となったときに第1凍結抑制制御が実行される。これにより、給気ファン12だけの間欠運転が始まる(第1運転)。
【0050】
第1運転中は、給気ファン12が休止している15分間も含め排気温度が常時監視される。この第1運転では、給気ファン12が休止している間は冷たい外気OAが熱交換エレメント11を通らなくなるため、熱交換エレメント11の冷却が緩和される。
しかし、排気温度がさらに低くなると、第1運転によっては熱交換エレメント11の凍結の抑制が達成できないことが想定される。そこで、ここでは、排気温度が−3℃以下になったときに、制御部が、第1凍結抑制制御の実行を止め、代わりに第2凍結抑制制御を実行させる。この第1凍結抑制制御から第2凍結抑制制御への移行は、第1運転の途中であっても強制的に行われる。
【0051】
第2運転では、給気ファン12および排気ファン13が、ともに60分の休止と5分の作動とを繰り返す。これにより、60分間続けて換気動作が止まるようになるため、この間に室内温度が上昇する。このため、排気ファン13の運転再開時に暖かい室内の還気RAが熱交換エレメント11を通り、熱交換エレメント11の凍結が抑制されるようになる。なお、第2運転においては、5分間の給気ファン12および排気ファン13の運転中に、温度センサ53による排気温度の監視が為される。
【0052】
この第2運転における排気温度の監視の結果、排気温度が上昇し、監視を行っている5分間の間0℃以上の排気温度が続く場合には、その5分間の給気ファン12および排気ファン13の運転の後に、第2凍結抑制制御から第1凍結抑制制御へと移行する。
また、第1運転では、排気温度の監視が常時為されているが、そのうち給気ファン12が作動している45分の間における排気温度の継続的状態によって通常の換気運転に戻すか否かを判断する。具体的には、第1凍結抑制制御では、45分の給気ファン12の作動中において、排気温度が5分以上+2℃よりも大きくなっている状態が続いたときに、即座に第1運転から通常の換気運転へと移行させる。
【0053】
<熱交換器ユニットの特徴>
(1)
一般に外部空間SOよりも室内空間SIのほうが湿度が高いため、給気経路および排気経路の一部となる熱交換エレメント11が凍結する場合、図4に示すエレメント排気下流部11aで凍結現象が見られる。これに対し、従来においては、給気経路を通る外気温度を検出して所定レベルと比較することにより、熱交換エレメント11の凍結を抑制する運転を行うか否かを判断させている。しかしながら、熱交換エレメント11が凍結するか否かは、本来は外気温度だけから判断できるものではなく、凍結しやすい熱交換エレメント11のエレメント排気下流部11aの温度に基づいて判断することが望ましい。
【0054】
これに鑑み、本実施形態の熱交換器ユニット6では、温度センサ53を新設して、熱交換エレメント11のエレメント排気下流部11aの温度を、エレメント排気下流部11aを通り抜けた排気EAの温度(排気温度)を検出することによって間接的に検出している。
これにより、熱交換エレメント11の凍結の恐れを的確に判断できるようになるため、必要がないときに凍結抑制制御が実行されて運転が切り換わったり凍結しているのに凍結抑制制御が実行されなかったりする不具合が少なくなり、寒冷地において熱交換エレメント11の凍結を適切に抑制することができるようになる。
【0055】
(2)
本実施形態の熱交換器ユニット6では、温度センサ53によって検出される排気温度を制御部に監視させておき、排気温度が所定のレベル(0℃)を下回ったときに熱交換エレメント11の凍結を抑制する第1凍結抑制制御を行わせるとともに、排気温度が−3℃を下回ったときには、より抑制度合いが大きい第2凍結抑制制御を行わせている。
【0056】
具体的には、第1凍結抑制制御では、給気ファン12だけを一時的に休止させる第1運転を行わせ、第2凍結抑制制御では、給気ファン12および排気ファン13の両方を一時的に休止させる第2運転を行わせている。後者の第2運転では、給気および排気の両方が止まる時間帯(60分)が生じるため、室内空間SIの温度が上昇し、その後に排気を行わせたときに熱交換エレメント11に比較的暖かい還気RAが通って熱交換エレメント11の凍結が効果的に抑制されるようになる。
【0057】
このような2つの異なる運転を用いた凍結抑制制御が為されるため、0℃を下回った後に第1運転を繰り返すだけでは熱交換エレメント11の凍結抑制の効果が不充分となるほどの温度(−3℃)まで排気温度が下がった場合でも、第2凍結抑制制御により第2運転が為されて、熱交換エレメント11の凍結の抑制度合いが強化される。このため、熱交換器ユニット6では、寒冷地においても熱交換エレメント11の凍結が適切に抑制される。
【0058】
<第実施形態の変形例>
熱交換エレメント11を通り抜けた排気の気温を検出する上記の温度センサ53の代わりに、熱交換エレメント11の排気下流側の部分11aの温度を直接的に検出する温度センサを用いることも可能である。
【0059】
【発明の効果】
請求項1に係る熱交換器ユニットでは、第2凍結抑制制御において、給気および排気の両方が止まる時間帯が生じるため、室内空間の温度が上昇し、その後に排気を行わせたときに熱交換エレメントに比較的暖かい還気が通って熱交換エレメントの凍結が効果的に抑制されるようになる。
【0060】
請求項2に係る熱交換器ユニットでは、第1レベルよりも低い第2レベルを外気温度が下回ったときに行う第2凍結抑制制御における間欠運転で、第1凍結抑制制御における間欠運転よりも給気ファンを止める時間の割合が大きくなる。このため、外気温度が第2レベルを下回り熱交換エレメントの凍結の恐れが大きくなっても、外気により熱交換エレメントが冷却される時間(給気ファンが作動している時間)がより短くなるため、熱交換エレメントの凍結が抑制されるようになる。
【0061】
請求項3に係る熱交換器ユニットでは、温度センサを外部空間側の第1給気口と熱交換エレメントとの間に設けているため、温度センサによって外気温度を検出させることができる。
請求項4に係る熱交換器ユニットでは、熱交換エレメントの排気流れの下流側の部分の温度を検出するための温度センサを配備しており、最初に凍結すると予想される熱交換エレメントの排気流れの下流側の部分の温度に基づいて熱交換エレメントの凍結の恐れを判断することができるようになる。このため、熱交換エレメントの凍結の恐れをより的確に判断できるようになり、必要がないときに凍結抑制の運転に切り換わったり凍結しているのに凍結抑制運転(凍結抑制制御)が始まらなかったりする不具合が少なくなって、寒冷地において熱交換エレメントの凍結を適切に抑制することができるようになる。さらに、温度センサによる検出温度が第1レベルを下回ったときの第1凍結抑制制御に加えて検出温度が第2レベルを下回ったときに行う第2凍結抑制制御を設けているため、この熱交換器ユニットでは、寒冷地においても熱交換エレメントの凍結を適切に抑制することができるようになる。
【0062】
請求項5に係る熱交換器ユニットでは、熱交換エレメントの排気流れ下流側で排気の気温を検出する温度センサを設けているため、熱交換エレメントの排気流れの下流側の部分の温度を高い精度で推測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱交換器ユニットの一般配置図。
【図2】 熱交換器ユニットの構成模式図。
【図3】 外気温度に対する熱交換器ユニットの運転状態を示す図。
【図4】 第実施形態の熱交換器ユニットの構成模式図。
【符号の説明】
5,6 熱交換器ユニット
10 ケーシング
10a 第1給気口
10b 第2給気口
10c 第1排気口
10d 第2排気口
11 熱交換エレメント
12 給気ファン
13 排気ファン
51 温度センサ
53 温度センサ
SI 室内空間
SO 外部空間

Claims (5)

  1. 室内空間(SI)と外部空間(SO)との間に配され、熱交換換気を行うことができる熱交換器ユニット(5)であって、
    熱交換エレメント(11)と、
    前記熱交換エレメント(11)を経由する給気経路と、
    前記熱交換エレメント(11)を経由する排気経路と、
    前記給気経路に組み込まれる給気ファン(12)と、
    前記排気経路に組み込まれる排気ファン(13)と、
    前記外部空間(SO)の気温である外気温度を検出する温度センサ(51)と、
    前記外気温度が第1レベルを下回った場合に、前記給気ファン(12)の間欠運転を行う第1凍結抑制制御を行い、前記外気温度が前記第1レベルよりも低い第2レベルを下回った場合に、前記給気ファン(12)および前記排気ファン(13)の間欠運転を行う第2凍結抑制制御を行う制御部と、
    を備えた熱交換器ユニット(5)。
  2. 前記第2凍結抑制制御における間欠運転では、前記第1凍結抑制制御における間欠運転よりも前記給気ファン(12)を止める時間の割合が大きい、
    請求項1に記載の熱交換器ユニット(5)。
  3. 前記熱交換エレメント(11)を収容し、外部空間(SO)側の第1給気口(10a)および第2排気口(10d)と室内空間(SI)側の第2給気口(10b)および第1排気口(10c)とを有するケーシング(10)をさらに備え、
    前記給気経路は、前記ケーシング(10)内において、前記第1給気口(10a)から前記熱交換エレメント(11)を経て前記第2給気口(10b)まで延びる経路であり、
    前記排気経路は、前記ケーシング(10)内において、前記第1排気口(10c)から前記熱交換エレメント(11)を経て前記第2排気口(10d)まで延びる経路であり、
    前記温度センサ(51)は、前記給気経路の前記第1給気口(10a)と前記熱交換エレメント(11)との間に配置される、
    請求項1または2に記載の熱交換器ユニット(5)。
  4. 室内空間(SI)と外部空間(SO)との間に配され、熱交換換気を行うことができる熱交換器ユニット(6)であって、
    熱交換エレメント(11)と、
    前記熱交換エレメント(11)を経由する給気を行わせるための給気経路と、
    前記熱交換エレメント(11)を経由する排気を行わせるための排気経路と、
    前記給気経路に組み込まれる給気ファン(12)と、
    前記排気経路に組み込まれる排気ファン(13)と、
    前記熱交換エレメント(11)の排気流れの下流側の部分(11a)の温度を検出するための温度センサ(53)と、
    前記温度センサ(53)による検出温度が第1レベルを下回った場合に、前記給気ファン(12)の間欠運転を行う第1凍結抑制制御を行い、前記温度センサ(53)による検出温度が前記第1レベルよりも低い第2レベルを下回った場合に、前記給気ファン(12)および前記排気ファン(13)の間欠運転を行う第2凍結抑制制御を行う制御部と、
    を備えた熱交換器ユニット(6)。
  5. 前記温度センサ(53)は、前記排気経路の前記熱交換エレメント(11)の排気流れ下流側において、排気の気温を検出する、
    請求項4に記載の熱交換器ユニット(6)。
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