JP5845388B2 - 熱交換形換気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、寒冷地等で使用され、室外の空気を室内に取り込む給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路との間で熱交換する熱交換形換気装置に関するものである。
この種の熱交換形換気装置は、冬季に室外が、例えば−10℃以下のような低い温度になると、室内から通風された温かい排気流が流れる熱交換素子の排気経路内において、隣接する給気経路内の室外から通風された冷たい給気流によって排気流が冷やされることで、排気流路が結露・結氷が発生し目詰まりしていくが、従来の熱交換形換気装置では、この結露・結氷による目詰まりを凍結抑制制御による間欠運転によって抑制する構成をとっていた(例えば、特許文献1参照)。
以下、特許文献1に示す熱交換形換気装置について、図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、熱交換器ユニット101は、熱交換換気を行なうことができる熱交換エレメント102と、室内の空気を室外へ排気し熱交換エレメント102を経由する排気経路103と、室外の空気を室内へ給気し熱交換器エレメント102を経由する給気経路104と、排気経路103に組み込まれる排気ファン105と、給気経路104に組み込まれる給気ファン106と、室外の空気の外気温度を検出する温度センサ107と、温度センサ107で検出した外気温度によって排気ファン105と給気ファン106の運転制御を行う制御部とを備えている。
そして、熱交換器ユニット101の制御部は、外気温度が−10℃を下回った時に、熱交換エレメント102が凍結することを抑えるため、外気温度に応じて2つの凍結抑制制御を行う。この2つの凍結抑制制御は第1凍結抑制制御及び第2凍結抑制制御である。
第1凍結抑制制御は、外気温度が−10℃を下回った場合に、熱交換エレメント102の凍結を抑制する制御であり、排気ファン105を常時作動させ、給気ファン106の動作を60分のうち最初の15分だけ休止させる運転を繰り返す。
第2凍結抑制制御は、外気温度が−15℃を下回った場合に、第1凍結抑制制御よりも強力に熱交換エレメント102の凍結を抑制する制御であり、排気ファン105及び給気ファン106の間欠運転を行う。第2凍結抑制制御は、排気ファン105及び給気ファン106を60分休止させた後に5分だけ作動を再開させる運転を繰り返す。
特開2003−148780号公報
このような従来の熱交換形換気装置においては、凍結抑制制御による間欠運転をおこなっている間は熱交換換気ができないという課題を有していた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、寒冷地など熱交換素子内部に結露・結氷が発生する条件下において、熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができる熱交換形換気装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明の熱交換形換気装置は、室外の空気を室内に取り込む給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路と、前記給気経路と前記排気経路との間で熱交換を行う熱交換素子と、前記給気経路中の給気流を前記熱交換素子に流すために前記熱交換素子に開口した第一開口部および第二開口部と、前記熱交換素子内の給気流の流通方向を反転させる給気切替部とを備え、前記給気切替部は、室外と前記第一開口部または前記第二開口部の何れか一方を連通させると同時に前記第一開口部または前記第二開口部の他方を室内と連通させる給気仕切板を備え、前記給気仕切板を移動させることにより、前記第一開口部と室外とが連通するとともに前記第二開口部と室内とが連通する第一給気状態と、前記第一開口部と室内とが連通するとともに前記第二開口部と室外とが連通する第二給気状態とを切り替えて、前記熱交換素子内を流れる前記給気流の流通方向を反転させるという構成としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
また、室外の空気を室内に取り込む給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路と、前記給気経路と前記排気経路との間で熱交換を行う熱交換素子と、前記排気経路中の排気流を前記熱交換素子に流すために前記熱交換素子に開口した第三開口部および第四開口部と、前記熱交換素子内の排気流の流通方向を反転させる排気切替部とを備え、前記排気切替部は、室内と前記第三開口部または前記第四開口部の何れか一方を連通させると同時に前記第三開口部または前記第四開口部の他方を室外と連通させる排気仕切板を備え、前記排気仕切板を移動させることにより、前記第三開口部と室内とが連通するとともに前記第四開口部と室外とが連通する第一排気状態と、前記第三開口部と室外とが連通するとともに前記第四開口部と室内とが連通する第二排気状態とを切り替て、前記熱交換素子内を流れる前記排気流の流通方向を反転させえるという構成にしてもよく、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明の熱交換形換気装置によれば、室外の空気を室内に取り込む給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路と、前記給気経路と前記排気経路との間で熱交換を行う熱交換素子と、前記給気経路中の給気流を前記熱交換素子に流すために前記熱交換素子に開口した第一開口部および第二開口部と、前記熱交換素子内の給気流の流通方向を反転させる給気切替部とを備え、前記給気切替部は、室外と前記第一開口部または前記第二開口部の何れか一方を連通させると同時に前記第一開口部または前記第二開口部の他方を室内と連通させる給気仕切板を備え、前記給気仕切板を移動させることにより、前記第一開口部と室外とが連通するとともに前記第二開口部と室内とが連通する第一給気状態と、前記第一開口部と室内とが連通するとともに前記第二開口部と室外とが連通する第二給気状態とを切り替えるという構成にしたことにより、室外がきわめて低い温度になり熱交換素子内部の排気経路に結露・氷結が発生して熱交換換気が困難になる時に、第一給気状態(または第二給気状態)と、第二給気状態(または第一給気状態)とを切り替えて、前記熱交換素子内を流れる給気流の流通方向を反転させることで、熱交換素子内を流れる給気流の流通方向を反転させる。
給気流の流通方向を反転させることにより、熱交換前の冷たい給気流が流入していた第一開口部(または第二開口部)から熱交換後の暖かい給気流が流出し、熱交換後の暖かい給気流が流出していた第二開口部(または第一開口部)に熱交換前の冷たい給気流が流入するようになり、熱交換素子内部の給気流路の温度分布が反転する。
その結果、熱交換素子内部の相対的に低温となっていた部分、すなわち給気流が流入していた第一開口部(または第二開口部)近傍の排気経路に発生していた結露・結氷を給気経路中の熱交換後の暖かい給気流により蒸発・融解できる。
また、室外の空気を室内に取り込む給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路と、前記給気経路と前記排気経路との間で熱交換を行う熱交換素子と、前記排気経路中の排気流を前記熱交換素子に流すために前記熱交換素子に開口した第三開口部および第四開口部と、前記熱交換素子内の排気流の流通方向を反転させる排気切替部とを備え、前記排気切替部は、室内と前記第三開口部または前記第四開口部の何れか一方を連通させると同時に前記第三開口部または前記第四開口部の他方を室外と連通させる排気仕切板を備え、前記排気仕切板を移動させることにより、前記第三開口部と室内とが連通するとともに前記第四開口部と室外とが連通する第一排気状態と、前記第三開口部と室外とが連通するとともに前記第四開口部と室内とが連通する第二排気状態とを切り替えて、前記熱交換素子内を流れる排気流の流通方向を反転させるという構成にしたことにより、室外がきわめて低い温度になり熱交換素子内部の排気経路に結露・氷結が発生して熱交換換気が困難になる時に、第一排気状態(または第二排気状態)と、第二排気状態(または第一排気状態)とを切り替えることで、熱交換素子内を流れる排気流の流通方向を反転させる。
排気流の流通方向を反転させることにより、熱交換前の暖かい排気流が流入していた第三開口部(または第四開口部)から熱交換後の冷たい排気流が流出し、熱交換後の冷たい排気流が流出していた第四開口部(または第三開口部)に熱交換前の暖かい排気流が流入するようになり、熱交換素子内部の排気経路の温度分布が反転する。
その結果、熱交換素子内部の相対的に低温となっていた部分、すなわち排気流が流出していた第四開口部(または第三開口部)近傍の排気経路に発生していた結露・結氷を熱交換前の暖かい排気流により蒸発・融解できる。
以上の作用により熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができるという効果のある熱交換形換気装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1における第一給気状態および第一排気状態の熱交換形換気装置を示す概略断面の構成図 本発明の実施の形態1における第二給気状態および第二排気状態の熱交換形換気装置を示す概略断面の構成図 本発明の実施の形態1における第一給気状態および第二排気状態の熱交換形換気装置を示す概略断面の構成図 本発明の実施の形態1における第二給気状態および第一排気状態の熱交換形換気装置を示す概略断面の構成図 従来の熱交換気ユニットを示す概略断面の構成図
本発明の請求項1記載の熱交換形換気装置は、室外の空気を室内に取り込む給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路と、前記給気経路と前記排気経路との間で熱交換を行う熱交換素子と、前記給気経路中の給気流を前記熱交換素子に流すために前記熱交換素子に開口した第一開口部および第二開口部と、前記熱交換素子内の給気流の流通方向を反転させる給気切替部とを備え、前記給気切替部は、室外と前記第一開口部または前記第二開口部の何れか一方を連通させると同時に前記第一開口部または前記第二開口部の他方を室内と連通させる給気仕切板を備え、前記給気仕切板を移動させることにより、前記第一開口部と室外とが連通するとともに前記第二開口部と室内とが連通する第一給気状態と、前記第一開口部と室内とが連通するとともに前記第二開口部と室外とが連通する第二給気状態とを切り替えて、前記熱交換素子内を流れる前記給気流の流通方向を反転させるという構成を有する。
これにより、室外がきわめて低い温度になり熱交換素子内部の排気経路に結露・氷結が発生して熱交換換気が困難になる時に、第一給気状態(または第二給気状態)と、第二給気状態(または第一給気状態)とを切り替えることで、熱交換素子内を流れる給気流の流通方向を反転させる。
給気流の流通方向を反転させることにより、熱交換前の冷たい給気流が流入していた第一開口部(または第二開口部)から熱交換後の暖かい給気流が流出し、熱交換後の暖かい給気流が流出していた第二開口部(または第一開口部)に熱交換前の冷たい給気流が流入するようになり、熱交換素子内部の給気流路の温度分布が反転する。
その結果、熱交換素子内部の相対的に低温となっていた部分、すなわち給気流が流入していた第一開口部(または第二開口部)近傍の排気経路に発生していた結露・結氷を給気経路中の熱交換後の暖かい給気流により蒸発・融解できる。
以上の作用により熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができるという効果を奏する。
また、熱交換前の給気流が前記給気仕切板に接触する面は、第一給気状態および第二給気状態の何れにおいても同一の面であるという構成にしてもよい。
これにより、第一給気状態(または第二給気状態)と、第二給気状態(または第一給気状態)とを切り替えた後、熱交換前の冷たい給気流が接触することにより冷えて熱交換後の給気流の露点以下の温度となった給気仕切板の面に熱交換後の暖かい給気流が接触することを防ぐことができる。
熱交換後の給気流の結露・結氷を抑制する事ができ、給気切替部の結露・結氷による動作不全の発生を抑制することができるので、継続的に給気流の流通方向を反転させることができる。
その結果、熱交換素子内部の相対的に低温となっていた部分、すなわち給気流が流入していた第一開口部(または第二開口部)近傍の排気経路に発生していた結露・結氷を給気経路中の熱交換後の暖かい給気流により蒸発・融解できる。
以上の作用により熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができるという効果を奏する。
また、前記給気切替部が断熱性を有する素材からなる事を特徴とした構成にしてもよい。
これにより、熱交換前の冷たい給気流により、給気切替部が冷えにくくなり、熱交換後の暖かい給気流が接触する給気切替部の温度が熱交換後の給気流の露点以下になりにくくなる。そのため、熱交換後の給気流の結露・結氷を抑制する事ができ、給気切替部の結露・結氷による動作不全の発生を抑制することができるので、継続的に給気流の流通方向を反転させることができる。
その結果、熱交換素子内部の相対的に低温となっていた部分、すなわち給気流が流入していた第一開口部(または第二開口部)近傍の排気経路に発生していた結露・結氷を給気経路中の熱交換後の暖かい給気流により蒸発・融解できる。
以上の作用により熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができるという効果を奏する。
また、前記給気経路に通風するための給気送風手段と備え、前記給気切替部にて切替を行なう間、前記送風手段の搬送動力を停止または低下させるという構成にしてもよい。これにより、第一給気状態(または第二給気状態)と、第二給気状態(または第一給気状態)とを切り替える際に、熱交換後の暖かい給気流が熱交換後の給気流の露点以下の温度の熱交換前の冷たい給気流と混ざりにくくなる。そのため、熱交換後の給気流の結露・結氷を抑制する事ができ、給気切替部の結露・結氷による動作不全の発生を抑制することができるので、継続的に給気状態を切り替え給気流の流通方向を反転させることができる。
その結果、熱交換素子内部の相対的に低温となっていた部分、すなわち給気流が流入していた第一開口部(または第二開口部)近傍の排気経路に発生していた結露・結氷を給気経路中の熱交換後の暖かい給気流により蒸発・融解できる。
以上の作用により熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができるという効果を奏する。
また、室外の空気を室内に取り込む給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路と、前記給気経路と前記排気経路との間で熱交換を行う熱交換素子と、前記排気経路中の排気流を前記熱交換素子に流すために前記熱交換素子に開口した第三開口部および第四開口部と、前記熱交換素子内の排気流の流通方向を反転させる排気切替部とを備え、前記排気切替部は、室内と前記第三開口部または前記第四開口部の何れか一方を連通させると同時に前記第三開口部または前記第四開口部の他方を室外と連通させる排気仕切板を備え、前記排気仕切板を移動させることにより、前記第三開口部と室内とが連通するとともに前記第四開口部と室外とが連通する第一排気状態と、前記第三開口部と室外とが連通するとともに前記第四開口部と室内とが連通する第二排気状態とを切り替えて、前記熱交換素子内を流れる前記排気流の流通方向を反転させるという構成にしてもよい。これにより、室外がきわめて低い温度になり熱交換素子内部の排気経路に結露・氷結が発生して熱交換換気が困難になる時に、第一排気状態(または第二排気状態)と、第二排気状態(または第一排気状態)とを切り替えることで、熱交換素子内を流れる排気流の流通方向を反転させる。排気流の流通方向を反転させることにより、熱交換前の暖かい排気流が流入していた第三開口部(または第四開口部)から熱交換後の冷たい排気流が流出し、熱交換後の冷たい排気流が流出していた第四開口部(または第三開口部)に熱交換前の暖かい排気流が流入するようになり、熱交換素子内部の排気経路の温度分布が反転する。
その結果、熱交換素子内部の相対的に低温となっていた部分、すなわち排気流が流出していた第四開口部(または第三開口部)近傍の排気経路に発生していた結露・結氷を熱交換前の暖かい排気流により蒸発・融解できる。
以上の作用により熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができるという効果を奏する。
また、熱交換前の排気流が前記排気仕切板に接触する面は、第一排気状態および第二排気状態の何れにおいても同一の面であるという構成にしてもよい。これにより、第一排気状態(または第二排気状態)と、第二排気状態(または第一排気状態)とを切り替えた後、熱交換後の冷たい排気流が接触することにより冷えて熱交換前の排気流の露点以下の温度となった排気仕切板の面に熱交換前の暖かい排気流が接触することを防ぐ事ができる。そのため、熱交換前の排気流の結露・結氷を抑制する事ができ、排気切替部の結露・結氷による動作不全の発生を抑制することができるので、継続的に排気状態を切り替え排気流の流通方向を反転させることができる。
その結果、熱交換素子内部の相対的に低温となっていたすなわち排気流が流出していた第四開口部(または第三開口部)近傍の排気経路に発生していた結露・結氷を熱交換前の暖かい排気流により蒸発・融解できる。
以上の作用により熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができるという効果を奏する。
また、前記排気切替部が断熱性を有する素材からなるという構成にしてもよい。これにより、熱交換後の冷たい排気流により、排気切替部が冷えにくくなり、熱交換後の暖かい排気流が接触する排気切替え部の面の温度が熱交換前の排気流の露点以下になりにくくなる。そのため、熱交換前の排気流の結露・結氷を抑制する事ができ、排気切替部の結露・結氷による動作不全の発生を抑制することができるので、継続的に排気状態を切り替え排気流の流通方向を反転させることができる。
その結果、熱交換素子内部の相対的に低温となっていたすなわち排気流が流出していた第四開口部(または第三開口部)近傍の排気経路に発生していた結露・結氷を熱交換前の暖かい排気流により蒸発・融解できる。
以上の作用により熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができるという効果を奏する。
また、前記排気経路に通風するための排気送風手段と備え、前記排気切替部にて切替を行なう間、前記排気送風手段の搬送動力を停止または低下させるという構成にしてもよい。これにより、第一排気状態(または第二排気状態)と、第二排気状態(または第一排気状態)とを切り替える際に熱交換前の排気流と熱交換後の排気流とを混ざりにくくなる。そのため、熱交換前の排気流の結露・結氷を抑制する事ができ、排気切替部の結露・結氷による動作不全の発生を抑制することができるので、継続的に排気状態を切り替え排気流の流通方向を反転させることができる。
その結果、熱交換素子内部の相対的に低温となっていたすなわち排気流が流出していた第四開口部(または第三開口部)近傍の排気経路に発生していた結露・結氷を熱交換前の暖かい排気流により蒸発・融解できる。
以上の作用により熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1および図2に本実施の形態における熱交換形換気装置の断面の構成図を示す。後述するように、図1と図2とは、給気流および排気流の流通方向が反転している。
本実施の形態における熱交換形換気装置は、本体箱1に室外より室外の空気を取り込む室外吸込口2と、室内へ室外の空気を給気する室内給気口3と、室内より室内の空気を取り込む室内吸込口4と、室外へ室内の空気を排出する室外排気口5とを備えている。
また、室外吸込口2と室内給気口3とを連通させた給気経路6と、室内吸込口4と室外排気口5とを連通させた排気経路7と、給気経路6を流れる給気流を送風するための給気送風手段8と、排気経路7を流れる排気流を送風するための排気送風手段9、給気経路6と排気経路7との間で熱交換を行う熱交換素子10とを備えている。
熱交換素子10には給気経路6中を流れる給気流を流すために開口した第一開口部11および第二開口部12と、排気経路7中を流れる排気流を流すために開口した第三開口部13および第四開口部14を備えている。
そして、熱交換素子10を流れる給気流および排気流の流通方向を反転させる反転手段として、給気切替部15および排気切替部16とを備えており、給気切替部15は給気仕切板17により給気切替部第一空間19と給気切替部第二空間20との二つの空間に仕切られ、排気切替部16は排気仕切板18により排気切替部第一空間21と排気切替部第二空間22との二つの空間に仕切られている。
図1には第一給気状態の給気経路6と第一排気状態の排気経路7とを示している。第一給気状態の給気経路6は室外吸込口2から給気送風手段8と給気切替部第一空間19と第一開口部11と第二開口部12と給気切替部第二空間20とを経て室内給気口3を連通する経路となっている。第一排気状態の排気経路7は室内吸込口4から排気切替部第一空間21と第三開口部13と第四開口部14と排気切替部第二空間22とを経て室外排気口5を連通する経路となっている。
図2には第二給気状態の給気経路6と第二排気状態の排気経路7を示している。第二給気状態の給気経路6は室外吸込口2から給気送風手段8と給気切替部第一空間19と第二開口部12と第一開口部11と給気切替部第二空間20とを経て室内給気口3を連通する経路となっている。第二排気状態の排気経路7は室内吸込口4から排気切替部第一空間21と第四開口部14と第三開口部13と排気切替部第二空間22とを経て室外排気口5を連通する経路となっている。
ここで給気切替部15の給気仕切板17を移動させることにより、第一給気状態と第二給気状態とを選択的に切替える事ができる。同様に排気切替部16の排気仕切板18を移動させることにより、第一排気状態と第二排気状態とを選択的に切替えることができる。
以上のような構成において、第一給気状態および第一排気状態から第二給気状態および第二排気状態へと切替える操作について図1と図2とを用いて説明する。
室外がきわめて低い温度条件で熱交換換気を行うと熱交換素子10内部の相対的に低温となる部分、図1に示す第一給気状態および第一排気状態では熱交換前の冷たい給気流が流入していた第一開口部11と熱交換後の冷たい排気流が流出していた第四開口部14近傍の排気経路7に結露・結氷が発生し熱交換換気が困難になる。
ここで、給気仕切板17と排気仕切板18とを移動させ、図1に示す第一給気状態および第一排気状態から図2に示す第二給気状態および第二排気状態に切り替えることで、熱交換素子10内を流れる給気流および排気流の流通方向を反転させる。
給気流および排気流の流通方向を反転させることにより、給気経路6では熱交換前の冷たい給気流が流入していた第一開口部11から熱交換後の暖かい給気流が流出し、熱交換後の暖かい給気流が流出していた第二開口部12に熱交換前の冷たい給気流が流入するようになり、排気経路7では熱交換前の暖かい排気流が流入していた第三開口部13から熱交換後の冷たい排気流が流出し、熱交換後の冷たい排気流が流出していた第四開口部14に熱交換前の暖かい排気流が流入するようになり、熱交換素子10内部の給気経路6と排気経路7との温度分布が反転する。
その結果、第四開口部14に流入する熱交換前の暖かい排気流により、熱交換素子10内部の相対的に低温となっていた第四開口部14近傍の排気経路7に発生していた結露・結氷を蒸発・融解できる。
このように、結露・結氷が発生し熱交換換気が困難になった場合に第一給気状態および第一排気状態と第二給気状態および第二排気状態とを切り替え、給気流と排気流との流通方向を反転させることで、熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができる。室外のきわめて低い温度条件が続く場合は、この切替を一定時間ごとに行うことにより、熱交換換気を連続して運転できる。
なお、ここでは給気状態の切替と排気状態の切替とを同時に行なう場合について説明したが、排気状態を切り替えず給気状態のみ切り替えた場合であっても給気状態を切り替えず排気状態のみ切り替えた場合であっても排気経路7に発生していた結露・結氷を蒸発・融解できる。
まず排気状態を切り替えず給気状態のみ切り替えた場合について図1と図3とを用いて説明する。
室外がきわめて低い温度条件で熱交換換気を行うと熱交換素子10内部の相対的に低温となる部分、図1に示す第一給気状態および第一排気状態では熱交換前の冷たい給気流が流入していた第一開口部11と熱交換後の冷たい排気流が流出していた第四開口部14近傍の排気経路7に結露・結氷が発生し熱交換換気が困難になる。
ここで、給気仕切板17を移動させ、図1に示す第一給気状態および第一排気状態から図3に示す第二給気状態および第一排気状態に切り替えることで、熱交換素子10内を流れる給気流の流通方向を反転させる。
給気流の流通方向を反転させることにより、給気経路6では熱交換前の冷たい給気流が流入していた第一開口部11から熱交換後の暖かい給気流が流出し、熱交換後の暖かい給気流が流出していた第二開口部12に熱交換前の冷たい給気流が流入するようになり、熱交換素子10内部の給気経路6の温度分布が反転する。
その結果、第一開口部11から流出する熱交換後の暖かい給気流により、熱交換素子10内部の相対的に低温となっていた第四開口部14近傍の排気経路7に発生していた結露・結氷を蒸発・融解できる。
このように、結露・結氷が発生し熱交換換気が困難になった場合に第一給気状態と第二給気状態とを切り替え、給気流の流通方向を反転させることで、熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができる。室外のきわめて低い温度条件が続く場合は、この切替を一定時間ごとに行うことにより、熱交換換気を連続して運転できる。
次に、給気状態を切り替えず排気状態のみ切り替えた場合について図1と図4とを用いて説明する。
図1に示す第一給気状態および第一排気状態では室外がきわめて低い温度条件で熱交換換気を行うと熱交換素子内部の相対的に低温となる部分、すなわち熱交換前の冷たい給気流が流入していた第一開口部11と熱交換後の冷たい排気流が流出していた第四開口部14近傍の排気経路7に結露・結氷が発生し熱交換換気が困難になる。
ここで、排気仕切板18を移動させ、図1に示す第一給気状態および第一排気状態から図4に示す第一給気状態および第二排気状態に切り替えることで、熱交換素子10内を流れる排気流の流通方向を反転させる。
排気流の流通方向を反転させることにより、排気経路7では熱交換前の暖かい排気流が流入していた第三開口部13から熱交換後の冷たい排気流が流出し、熱交換後の冷たい排気流が流出していた第四開口部14に熱交換前の暖かい排気流が流入するようになり、熱交換素子10内部の排気経路7の温度分布が反転する。
その結果、熱交換素子10内部の相対的に低温となっていた第四開口部14近傍の排気経路7に発生していた結露・結氷を蒸発・融解できる。
このように、結露・結氷が発生し熱交換換気が困難になる場合に第一排気状態と第二排気状態とを切り替えることで、熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができる。室外のきわめて低い温度条件が続く場合は、この切替を一定時間ごとに行うことにより、熱交換換気を連続して運転できる。
また、図1に示すような第一給気状態で熱交換前の冷たい給気流が接触していた給気仕切板17の面(斜線模様の面)を図2に示すような第二給気状態に切り替えた時でも熱交換前の冷たい給気流が接触するようにしている。その構成は図示していないが、例えば給気仕切板17の移動範囲を規定するストッパーを備えた構成や、給気仕切板17の回転方向及び回転角度を制御する制御手段を備えた構成により実現できる。
この構成により、給気状態を切り替えた後、熱交換前の冷たい給気流が接触することにより冷えて熱交換後の給気流の露点以下の温度となった給気仕切板17の面(斜線模様の面)に熱交換後の暖かい給気流が接触することを防ぐことができる。そのため、熱交換後の給気流の結露・結氷を抑制することができ、給気切替部15の結露・結氷による動作不全の発生を抑制することができるので、継続的に給気状態を切り替え給気流の流通方向を反転させることができる。その結果、熱交換素子10内部の相対的に低温となっていた第四開口部14近傍の排気経路7に発生していた結露・結氷を蒸発・融解できる。
このように、結露・結氷が発生し熱交換換気が困難になった場合に第一給気状態と第二給気状態とを切り替えることで、熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができる。
また、図1に示すような第一排気状態で熱交換後の冷たい排気流が接触していた排気仕切板18の面(斜線模様の面)が図2に示すような第二排気状態に切り替えた時でも熱交換後の冷たい排気流が接触するようにしている。その構成は図示していないが、例えば排気仕切板18の移動範囲を規定するストッパーを備えた構成や、給気仕切板17の回転方向及び回転角度を制御する制御手段を備えた構成により実現できる。
この構成により、排気状態を切り替えた後、熱交換後の冷たい排気流が接触することにより冷えて熱交換前の排気流の露点以下の温度となった排気仕切板18の面(斜線模様の面)に熱交換前の暖かい排気流が接触することを防ぐことができる。給気切替部15と同様、排気切替部16の結露・結氷による動作不全の発生を抑制することができ、詳細な説明は省略する。
ここで、給気切替部15は断熱性を有する素材、例えば発泡スチロールや発泡ウレタン等の材料で構成されている。
本発明における断熱性を有する材料とは、熱伝達率の低い材料、例えば、1W/m・K以下、好ましくは0.1W/m・Kの材料等と、熱容量の大きな材料、例えば比熱が1J/g・K以上の材料等との少なくともどちらか一方の特性を満たすものを示す。両方の特性を満たすものであればなお好ましく、例示した発泡スチロールはこの両方の特性を満たす材料の一つである。
そのため、熱交換前の冷たい給気流により、給気切替部15が冷えにくくなり、熱交換後の暖かい給気流が接触する給気切替部15の温度が熱交換後の給気流の露点以下になりにくくなる。そのため、熱交換後の給気流の結露・結氷を抑制する事ができ、給気切替部15の結露・結氷による動作不全の発生を抑制することができるので、継続的に給気状態を切り替え給気流の流通方向を反転させることができる。その結果、熱交換素子10内部の相対的に低温となっていた第四開口部14近傍の排気経路7に発生していた結露・結氷を蒸発・融解できる。
このように、結露・結氷が発生し熱交換換気が困難になった場合に第一給気状態と第二給気状態とを切り替えることで、熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができる。
また、排気切替部16も給気切替部15と同様、断熱性を有する素材、例えば発泡スチロールや発泡ウレタン等の材料で構成しており、詳細な説明は省略する。
ここで、給気切替部15にて切替を行なう間、給気送風手段8の搬送動力を停止または低下させることを特徴としてもよい。
この構成により熱交換後の暖かい給気流が露点以下の温度の熱交換前の冷たい給気流と混ざりにくくなる。そのため、熱交換後の給気流の結露・結氷を抑制する事ができ、給気切替部15の結露・結氷による動作不全の発生を抑制することができるので、継続的に給気状態を切り替え給気流の流通方向を反転させることができる。その結果、熱交換素子10内部の相対的に低温となっていた第四開口部14近傍の排気経路7に発生していた結露・結氷を蒸発・融解できる。
このように、結露・結氷が発生し熱交換換気が困難になった場合に第一給気状態と第二給気状態とを切り替えることで、熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができる。
さらに、排気切替部16にて切替を行なう間も給気切替部15にて切替を行なう間と同様、排気送風手段9の搬送動力を停止または低下させることを特徴としてもよく、詳細な説明は省略する。
なお、本実施の形態では給気切替部15と給気仕切板17とを相対的に移動させ給気流の流通方向を反転させたが、給気切替部15と給気仕切板17とを一体の構成とし給気切替部15全体を移動させても、給気流の流通方向を反転させることができるため、その作用効果に差異を生じない。
なお、本実施の形態では排気切替部16と排気仕切板18とを相対的に移動させ排気流の流通方向を反転させたが、排気切替部16と排気仕切板18とを一体の構成とし排気切替部16全体を移動させても、排気流の流通方向を反転させることができるため、その作用効果に差異を生じない。
なお、図1、図2、図3、図4には給気送風手段8を室外吸込口2と給気切替部15との間に配置し、排気送風手段9を室外吸込口2と排気切替部16との間に配置したが、 給気送風手段8を室外吸込口2と給気切替部15との間(または給気切替部15と室内給気口3との間)に配置し、排気送風手段9を室内吸込口4と排気切替部16との間(または排気切替部16と室外排気口5との間)に配置することで熱交換素子10内の給気経路6と排気経路7との圧力差を低減する事ができ熱交換素子10の破損を抑制することができる。
本発明にかかる熱交換形換気装置は、熱交換換気を行いながら結露・結氷を蒸発・融解させることができるものである。寒冷地等で熱交換素子内部において結露・結氷が発生する条件下においてに使用される、室外の空気を室内へ給気する給気流と、室内の空気を室外へ排気する排気流との間で熱交換する熱交換形換気装置等として有用である。
1 本体箱
2 室外吸込口
3 室内給気口
4 室内吸込口
5 室外排気口
6 給気経路
7 排気経路
8 給気送風手段
9 排気送風手段
10 熱交換素子
11 第一開口部
12 第二開口部
13 第三開口部
14 第四開口部
15 給気切替部
16 排気切替部
17 給気仕切板
18 排気仕切板
19 給気切替部第一空間
20 給気切替部第二空間
21 排気切替部第一空間
22 排気切替部第二空間

Claims (8)

  1. 室外の空気を室内に取り込む給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路と、前記給気経路と前記排気経路との間で熱交換を行う熱交換素子と、前記給気経路中の給気流を前記熱交換素子に流すために前記熱交換素子に開口した第一開口部および第二開口部と、
    前記熱交換素子内の給気流の流通方向を反転させる給気切替部とを備え、前記給気切替部は、室外と前記第一開口部または前記第二開口部の何れか一方を連通させると同時に前記第一開口部または前記第二開口部の他方を室内と連通させる給気仕切板を備え、前記給気仕切板を移動させることにより、前記第一開口部と室外とが連通するとともに前記第二開口部と室内とが連通する第一給気状態と、前記第一開口部と室内とが連通するとともに前記第二開口部と室外とが連通する第二給気状態とを切り替えて、前記熱交換素子内を流れる前記給気流の流通方向を反転させることを特徴とする熱交換形換気装置。
  2. 熱交換前の給気流が前記給気仕切板に接触する面は、第一給気状態および第二給気状態の何れにおいても同一の面であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換形換気装置。
  3. 前記給気切替部が断熱性を有する素材からなることを特徴とした請求項1または2に記載の熱交換形換気装置。
  4. 前記給気経路に通風するための給気送風手段を備え、前記給気切替部にて切替を行なう間、前記送風手段の搬送動力を停止または低下させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱交換形換気装置。
  5. 室外の空気を室内に取り込む給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路と、前記給気経路と前記排気経路との間で熱交換を行う熱交換素子と、前記排気経路中の排気流を前記熱交換素子に流すために前記熱交換素子に開口した第三開口部および第四開口部と、前記熱交換素子内の排気流の流通方向を反転させる排気切替部とを備え、前記排気切替部は、室内と前記第三開口部または前記第四開口部の何れか一方を連通させると同時に前記第三開口部または前記第四開口部の他方を室外と連通させる排気仕切板を備え、前記排気仕切板を移動させることにより、前記第三開口部と室内とが連通するとともに前記第四開口部と室外とが連通する第一排気状態と、前記第三開口部と室外とが連通するとともに前記第四開口部と室内とが連通する第二排気状態とを切り替えて、前記熱交換素子内を流れる前記排気流の流通方向を反転させることを特徴とする熱交換形換気装置。
  6. 熱交換前の排気流が前記排気仕切板に接触する面は、第一排気状態および第二排気状態の何れにおいても同一の面であることを特徴とする請求項5に記載の熱交換形換気装置。
  7. 前記排気切替部が断熱性を有する素材からなることを特徴とした請求項5または6に記載の熱交換形換気装置。
  8. 前記排気経路に通風するための排気送風手段を備え、前記排気切替部にて切替を行なう間、前記排気送風手段の搬送動力を停止または低下させることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の熱交換形換気装置。
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