JP5925004B2 - 空調換気システム - Google Patents

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Description

本発明は、屋内気吸込口から吸い込んだ空調対象空間内の空気である屋内気を排気送出口を通して空調対象空間外に排出するように通流作用する排気ファンと、外気吸込口から吸い込んだ外気を給気送出口を通して空調対象空間内に供給するように通流作用する給気ファンと、前記給気ファンにより通流される外気と前記排気ファンにより通流される屋内気とを顕熱交換させる顕熱交換器と、前記排気ファンにより前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を通流させ且つその屋内気の通流により気化可能な状態で揮発性液体が供給される気化用流路、及び、前記給気ファンにより前記外気吸込口から吸い込んだ外気を通流させる冷却用流路を互いに顕熱交換可能に備えた間接気化冷却手段と、前記気化用流路へ揮発性液体を供給する給液状態と前記気化用流路への揮発性液体の供給を停止する給液停止状態とに切り換え自在な給液断続手段とを備えた空調換気システムに関する。
かかる空調換気システムは、空調対象空間を冷房しながら換気したり、空調対象空間を暖房しながら換気したりすることが可能に構成されたものであり、例えば、住宅内を略全域にわたって換気する所謂全体換気の用途で用いられる。
つまり、排気ファンにより屋内気を空調対象空間外に排出すると共に、給気ファンにより外気を空調対象空間内に供給することにより、空調対象空間を換気する。そして、冷房では、顕熱交換機において、外気をその外気よりも低温の屋内気と熱交換させて冷却し、間接気化冷却手段において、屋内気により揮発溶液体を気化させる際の気化熱により外気を冷却することになる。一方、暖房では、顕熱交換器において、外気をその外気よりも高温の屋内気と熱交換させて加熱することになる。ちなみに、本願では、「気化」は「蒸発」と同義で使用し、「気化熱」は「蒸発熱」を意味する。
このような空調換気システムにおいて、従来は、給気ファンにより外気吸込口から吸い込んだ外気を、顕熱交換器、間接気化冷却手段の冷却用流路の順に通流させる給気路と、排気ファンにより屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を顕熱交換器を通過させて排出する第1排気路と、排気ファンにより屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を間接気化冷却手段の気化用流路を通過させて排出する第2排気路と、その第2排気路を開閉するダンパとが設けられていた。
暖房時には、ダンパを閉じることにより、屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量を顕熱交換器を通して通流させて排出する。そして、外気を顕熱交換器において屋内気と顕熱交換させて加熱して空調対象空間内に供給することにより、空調対象空間を暖房する。
一方、冷房時には、ダンパを開くことにより、屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の一部を顕熱交換器を通して通流させて排出し、残部を間接気化冷却手段の気化用流路を通して通流させて排出する。そして、外気を、顕熱交換器では屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の一部と顕熱交換させて冷却し、更に、間接気化冷却手段では屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の残部により揮発溶液体を気化させる際の気化熱により冷却して、空調対象空間内に供給することにより、空調対象空間を冷房する(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−105426号公報
しかしながら、従来の空調換気システムでは、冷房時は、屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気の一部を顕熱交換器に通流させ、屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気の残部を間接気化冷却手段の気化用流路に通流させることに起因して、以下に説明するような問題があった。
即ち、顕熱交換器において外気と屋内気とを顕熱交換させる顕熱交換量が少なくなり、又、間接気化冷却手段において屋内気により揮発用液体を気化させる量が少なくなるので、間接気化冷却手段での冷熱の発生量が少なくなる。従って、冷房能力が低いという問題があった。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷房機能及び暖房機能を備えながら、冷房能力を向上し得る空調換気システムを提供することにある。
本発明の空調換気システムは、屋内気吸込口から吸い込んだ空調対象空間内の空気である屋内気を排気送出口を通して空調対象空間外に排出するように通流作用する排気ファンと、外気吸込口から吸い込んだ外気を給気送出口を通して空調対象空間内に供給するように通流作用する給気ファンと、前記給気ファンにより通流される外気と前記排気ファンにより通流される屋内気とを顕熱交換させる顕熱交換器と、前記排気ファンにより前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を通流させ且つその屋内気の通流により気化可能な状態で揮発性液体が供給される気化用流路、及び、前記給気ファンにより前記外気吸込口から吸い込んだ外気を通流させる冷却用流路を互いに顕熱交換可能に備えた間接気化冷却手段と、前記気化用流路へ揮発性液体を供給する給液状態と前記気化用流路への揮発性液体の供給を停止する給液停止状態とに切り換え自在な給液断続手段とを備えたものであって、
前記給気ファンにより前記外気吸込口から吸い込んだ外気を、前記顕熱交換器、前記間接気化冷却手段の前記冷却用流路の順に通流させる給気路と、
前記排気ファンにより前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を、前記間接気化冷却手段の前記気化用流路、前記顕熱交換器の順に通流させて前記排気送出口から排出する通常排気路と、
前記排気ファンにより前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を、前記間接気化冷却手段の前記気化用流路を迂回させ、前記顕熱交換器を通流させて前記排気送出口から排出する迂回排気路と、
前記排気ファンにより前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を、前記迂回排気路を通流させることなく、前記通常排気路を通して通流させる通常排気状態と、前記迂回排気路を通して通流させる迂回排気状態とに択一的に切り換え可能な排気路切換手段と、
前記排気路切換手段を前記通常排気状態に切り換え、前記給液断続手段を前記給液状態に切り換える冷房モードと、前記排気路切換手段を前記迂回排気状態に切り換え、前記給液断続手段を前記給液停止状態に切り換える暖房モードとに運転モードを切り換え可能な制御手段とが設けられ
前記気化用流路に、前記揮発用液体として水が供給され、
前記給気ファンが、前記給気路における前記顕熱交換器と前記冷却用流路との間に、前記顕熱交換器に吸い込み作用すると共に前記冷却用流路に吐出作用するように設けられ、
前記通常排気路における前記気化用流路と前記顕熱交換器との間の箇所と、前記給気路における前記顕熱交換器と前記給気ファンとの間の箇所とを連通接続する給排気連通路と、
その給排気連通路を開閉可能な連通路開閉手段とが設けられ、
前記制御手段が、前記冷房モード及び前記暖房モードの夫々では、前記連通路開閉手段を閉じるように構成され、並びに、前記排気路切換手段を前記通常排気状態に切り換え、前記連通路開閉手段を開き、前記給液断続手段を前記給液状態に切り換える加湿暖房モードに運転モードを切り換え可能に構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、冷房モードでは、給気ファンにより外気吸込口から吸い込まれた外気が、顕熱交換器、間接気化冷却手段の冷却用流路の順に通流する形態で給気路を通流して、空調対象空間に供給され、排気ファンにより屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量が、揮発用液体が供給される状態の間接気化冷却手段の気化用流路、顕熱交換器の順に通流する形態で通常排気路を通流して、排気送出口から排出される。
一方、暖房モードでは、給気ファンにより外気吸込口から吸い込まれた外気が、上述のように給気路を通流して空調対象空間に供給され、排気ファンにより屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量が、間接気化冷却手段の気化用流路を迂回して、顕熱交換器を通流する形態で迂回排気路を通流して、排気送出口から排出される。
冷房モードでは、外気吸込口から吸い込まれた外気を、顕熱交換器では屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量と顕熱交換させて冷却し、更に、間接気化冷却手段では屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量により揮発溶液体を気化させる際の気化熱により冷却して、空調対象空間に供給する。つまり、間接気化冷却手段の気化用流路を通過して揮発用液体を気化させた屋内気は、外気よりも低温の状態が保たれて顕熱交換器を通流するので、外気を顕熱交換器において屋内気と顕熱交換させて冷却することが可能である。
従って、顕熱交換器において外気と屋内気とを顕熱交換させる顕熱交換量が多くなり、又、間接気化冷却手段において屋内気により揮発用液体を気化させる量が多くなるため、間接気化冷却手段での冷熱の発生量が多くなるので、冷房能力が向上する。しかも、顕熱交換器を通流する屋内気は、外気との熱交換により温度が上昇する状態であるので、顕熱交換器での結露を防止することができる。
一方、暖房モードでは、外気吸込口から吸い込まれた外気を、顕熱交換器において屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量と顕熱交換させて加熱して空調対象空間に供給するので、空調対象空間が暖房される。
要するに、冷房機能及び暖房機能を備えながら、冷房能力を向上し得る空調換気システムを提供することができるようになった。
また、上記特徴構成によれば、加湿暖房モードでは、連通路開閉手段により給排気連通路が開かれるので、給気ファンの吸い込み作用により、水が供給される状態の間接気化冷却手段の気化用流路を通過して加湿された屋内気の一部が抜き取られて、給気ファンに吸い込まれる外気に混合される。
そして、外気に混合される屋内気は、間接気化冷却手段の気化用流路を通過して加湿されているので、そのような屋内気が混合されることにより外気が加湿されることになり、そのように加湿された外気が空調対象空間に供給されることにより、空調対象空間が加湿されながら暖房される。
この場合、顕熱交換器にて屋内気との熱交換により加熱された外気が、間接気化冷却手段の冷却用流路を通流する際には、気化用流路を通流する屋内気により水が気化される際の気化熱により冷却される。そこで、空調対象空間を暖房する能力を向上するには、本特徴構成を後記の第3特徴構成と共に実施して、外気を加熱する能力を向上するのが好ましい。
従って、加湿しながら暖房する加湿暖房モードを選択可能であるので、使い勝手を更に向上することができる。
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記排気路切換手段を前記通常排気状態に切り換え、前記給液断続手段を前記給液停止状態に切り換える通常換気モードに運転モードを切り換え可能に構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、通常換気モードでは、給気ファンにより外気吸込口から吸い込まれた外気が、顕熱交換器、間接気化冷却手段の冷却用流路の順に通流する形態で給気路を通流して空調対象空間に供給され、排気ファンにより屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量が、揮発用液体の供給が停止された状態の間接気化冷却手段の気化用流路、顕熱交換器の順に通流する形態で通常排気路を通流して排気送出口から排出される。間接気化冷却手段の気化用流路には揮発用液体が供給されていないので、その気化用流路での気化熱の奪取がなく、間接気化冷却手段では、気化用流路を通流する屋内気と冷却用流路を通流する外気との間で顕熱交換が行われる。
つまり、外気吸込口から吸い込まれた外気を、顕熱交換器にて、屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量と顕熱交換させ、更に、間接気化冷却手段にて、屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量と顕熱交換させるので、外気と屋内気との顕熱交換効率が向上する。
ちなみに、空調対象空間が本願の空調換気システムとは別の冷房装置で冷房されている場合は、外気を顕熱交換器と間接気化冷却手段との2段で空調対象空間から排出された低温の屋内気の全量と顕熱交換させて冷却して、空調対象空間に供給する。又、空調対象空間が本願の空調換気システムとは別の暖房装置で暖房されている場合は、外気を顕熱交換器と間接気化冷却手段との2段で空調対象空間から排出された高温の屋内気の全量と顕熱交換させて加熱して、空調対象空間に供給する。
従って、省エネルギを効果的に図りながら空調対象空間を換気する通常換気モードを選択可能であるので、使い勝手を向上することができる。
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記給気路における前記顕熱交換器と前記冷却用流路との間において、外気を加熱すると共にその加熱作動を断続可能な加熱手段が設けられ、
前記制御手段が、前記冷房モードでは前記加熱手段の加熱作動を停止し、前記暖房モードでは前記加熱手段を加熱作動させるように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、暖房モードでは、外気吸込口から吸い込まれた外気は、顕熱交換器において屋内気との熱交換により加熱された後、更に、加熱手段により加熱されて空調対象空間に供給される。
従って、暖房能力をより一層向上することができる。
特徴構成は、上記第1〜第特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記間接気化冷却手段を備えた間接気化冷却ユニットと、前記顕熱交換器、前記給気ファン及び前記排気ファンを備えた顕熱交換ユニットとが設けられ、
前記間接気化冷却ユニットに、前記気化用流路の入口に連通する状態の前記屋内気吸込口、前記気化用流路の出口に連通する共にその気化用流路を通流した屋内気を送出する屋内気出口、前記冷却用流路の入口に連通すると共に外気が供給される外気入口、前記冷却用流路の出口に連通する状態の前記給気送出口、前記屋内気吸込口と前記屋内気出口とを前記気化用流路を迂回した状態で連通させる気化用流路バイパス流路、及び、前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を前記気化用流路に通流させる気化用流路通流状態と前記気化用流路バイパス流路に通流させる気化用流路バイパス状態とに択一的に切り換え可能な屋内気流路切換手段が設けられ、
前記顕熱交換ユニットに、前記顕熱交換器における互いに顕熱交換可能な第1熱交換流路及び第2熱交換流路のうちの前記第2熱交換流路の入口に連通すると共に屋内気が供給される屋内気入口、前記第2熱交換流路の出口に連通する状態の前記排気送出口、前記第1熱交換流路の入口に連通する状態の前記外気吸込口、及び、前記第1熱交換流路の出口に連通すると共にその第1熱交換流路を通流した外気が送出される外気出口が設けられ、
前記間接気化冷却ユニットの前記屋内気出口と前記顕熱交換ユニットの前記屋内気入口とが屋内気用接続流路にて連通接続され、並びに、前記顕熱交換ユニットの前記外気出口と前記間接気化冷却ユニットの前記外気入口とが外気用接続流路にて連通接続され、
前記排気路切換手段が、前記屋内気流路切換手段にて構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、給気ファンにより顕熱交換ユニットの屋外気吸込口から吸い込まれた外気は、顕熱交換器の第1熱交換流路、外気出口、外気用接続流路、間接気化冷却ユニットの外気入口、間接気化冷却手段の冷却用流路、給気送出口を順に経由する形態で、給気路を通流する。
屋内気流路切換手段が気化用流路通流状態に切り換えられると、排気ファンにより間接気化冷却ユニットの屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量が、間接気化冷却手段の気化用流路、屋内気出口、屋内気用接続流路、顕熱交換ユニットの屋内気入口、顕熱交換器の第2熱交換流路、排気送出口を順に経由して通流することになり、屋内気の通流経路が通常排気路に切り換えられる。
一方、屋内気流路切換手段が気化用流路バイパス状態に切り換えられると、排気ファンにより間接気化冷却ユニットの屋内気吸込口から吸い込まれた屋内気の全量が、間接気化冷却手段の気化用流路を迂回して、気化用流路バイパス流路、屋内気出口、屋内気用接続流路、顕熱交換ユニットの屋内気入口、顕熱交換器の第2熱交換流路、排気送出口を順に経由して通流することになり、屋内気の通流経路が迂回排気路に切り換えられる。
ところで、間接気化冷却手段を備えた間接気化冷却ユニットは、例えば、間接気化冷却装置として既存しており、又、顕熱交換器、給気ファン及び排気ファンを備えた顕熱交換ユニットは、例えば、熱交換式換気装置として既存している。
そこで、本特徴構成を採用することにより、既存の間接気化冷却ユニット及び顕熱交換ユニットを多少変更して組み合わせるだけで、本発明に係る空調換気システムを実現できるので、低廉化を図ることができる。
空調換気システムの全体構成及び冷房モードでの作動状態を示す図 間接気化冷却手段の概略構成を示す斜視図 通常暖房モードでの作動状態を示す図 加湿暖房モードでの作動状態を示す図 通常換気モードでの作動状態を示す図
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、空調換気システムは、排気ファン1と、給気ファン2と、顕熱交換器Kと、間接気化冷却手段Cと、その間接気化冷却手段Cの気化用流路31(詳細は後述する)に水W(揮発性液体の一例)を供給する給水路3を開閉することにより、その気化用流路31へ水Wを供給する給水状態(給液状態に相当する)と気化用流路31への水Wの供給を停止する給水停止状態(給液停止状態に相当する)とに切り換え自在な給水調整弁4(給液断続手段に相当する)と、この空調換気システムの運転を制御する制御部5(制御手段に相当する)と、その制御部5に各種制御情報を指令する操作部6等を備えて構成されている。尚、給水調整弁4は、気化用流路31への水Wの供給量を調整可能に構成されている。
空調換気システムには、更に、空調対象空間(図示省略)内の空気である屋内気RAを吸い込む屋内気吸込口7、吸い込んだ屋内気RAを排気EAとして送出する排気送出口8、外気OAを吸い込む外気吸込口9、及び、吸い込んだ外気OAを給気SAとして送出する給気送出口10が備えられている。
そして、排気ファン1は、屋内気吸込口7から吸い込んだ屋内気RAを排気EAとして排気送出口8を通して空調対象空間外に排出するように通流作用すべく設けられている。
又、給気ファン2は、外気吸込口9から吸い込んだ外気OAを給気SAとして給気送出口10を通して空調対象空間内に供給するように通流作用すべく設けられている。
顕熱交換器Kは、第1熱交換流路11と第2熱交換流路12とを互いに顕熱交換可能に備えて構成されて、給気ファン2により通流される外気OAを第1熱交換流路11に通流させ、排気ファン1により通流される屋内気RAを第2熱交換流路12に通流させて、それら外気OAと屋内気RAとを顕熱交換させるように構成されている。
図2にも示すように、間接気化冷却手段Cは、排気ファン1により屋内気吸込口7から吸い込んだ屋内気RAを通流させ且つその屋内気RAの通流により気化可能な状態で水Wが給水路3を通して供給される気化用流路31と、給気ファン2により外気吸込口9から吸い込んだ外気OAを通流させる冷却用流路32を互いに顕熱交換可能に備えて構成されて、屋内気RAにより水Wを気化させる際の気化熱により外気OAを冷却するように構成されている。
この空調換気システムは、例えば、住宅内の略全域を空調対象空間として換気しながら冷暖房する、所謂全体換気の用途で用いられる。このような全体換気の用途で用いられる場合は、図示を省略するが、空調換気システムは、住宅の天井裏に設置される。そして、屋外から外気OAを導入する外気導入ダクトを外気吸込口9に接続し、住宅内の複数の空調対象室夫々の天井の給気口に分岐接続した給気ダクトを給気送出口10に接続する。又、複数の空調対象室夫々の天井の排気口に分岐接続した排気ダクトを屋内気吸込口7に接続し、屋内気RAを排気EAとして屋外に排出する排気導出ダクトを排気送出口8に接続する。
そして、各空調対象室の屋内気RAを合流状態で排気ダクトを通じて屋内気吸込口7から吸い込んで、排気EAとして排気送出口8から排気導出ダクトを通じて屋外に排出すると共に、外気導入ダクトを通じて外気吸込口9から導入した外気OAを冷却又は加熱して、給気SAとして給気送出口10から給気ダクトを通じて各空調対象室に供給することにより、住宅内を略全域にわたって換気しながら冷暖房するように構成されている。
図1及び図3に示すように、本発明では、給気ファン2により外気吸込口9から吸い込んだ外気OAを、顕熱交換器Kの第1熱交換流路11、間接気化冷却手段Cの冷却用流路32の順に通流させる給気路Psと、排気ファン1により屋内気吸込口7から吸い込んだ屋内気RAを、間接気化冷却手段Cの気化用流路31、顕熱交換器Kの第2熱交換流路12の順に通流させて排気送出口8から排出する通常排気路Pe1(図1参照)と、排気ファン1により屋内気吸込口7から吸い込んだ屋内気RAを、間接気化冷却手段Cの気化用流路31を迂回させ、顕熱交換器Kの第2熱交換流路12を通流させて排気送出口8から排出する迂回排気路Pe2(図3参照)と、排気ファン1により屋内気吸込口7から吸い込んだ屋内気RAを通常排気路Pe1を通して通流させる通常排気状態と、迂回排気路Pe2を通して通流させる迂回排気状態とに択一的に切り換え可能な排気路切換手段Vとが設けられている。
次に、空調換気システムの各部について説明を加える。
図1に示すように、この実施形態では、間接気化冷却手段Cを備えた間接気化冷却ユニットUcと、顕熱交換器K、給気ファン2及び排気ファン1を備えた顕熱交換ユニットUkとが設けられている。
間接気化冷却ユニットUcには、気化用流路31の入口31iに連通する状態の屋内気吸込口7、気化用流路31の出口31eに連通する共にその気化用流路31を通流した屋内気RAを送出する屋内気出口13、冷却用流路32の入口32iに連通すると共に外気OAが供給される外気入口14、冷却用流路32の出口32eに連通する状態の給気送出口10、屋内気吸込口7と屋内気出口13とを気化用流路31を迂回した状態で連通させる気化用流路バイパス流路15、及び、屋内気吸込口7から吸い込んだ屋内気RAを気化用流路31に通流させる気化用流路通流状態と気化用流路バイパス流路15に通流させる気化用流路バイパス状態とに択一的に切り換え可能な屋内気流路切換ダンパ16が設けられている。
顕熱交換ユニットUkには、顕熱交換器Kの第2熱交換流路12の入口12iに連通すると共に屋内気RAが供給される屋内気入口25、第2熱交換流路12の出口12eに連通する状態の排気送出口8、第1熱交換流路11の入口11iに連通する状態の外気吸込口9、及び、第1熱交換流路11の出口11eに連通すると共にその第1熱交換流路11を通流した外気OAが送出される外気出口26が設けられている。
そして、間接気化冷却ユニットUcの屋内気出口13と顕熱交換ユニットUkの屋内気入口25とが内部を屋内気用接続流路27とする屋内気用接続ダクト29にて連通接続され、並びに、顕熱交換ユニットUkの外気出口26と間接気化冷却ユニットUcの外気入口14とが内部を外気用接続流路28とする外気用接続ダクト30にて連通接続されている。
間接気化冷却ユニットUcについて、説明を加える。先ず、間接気化冷却手段Cについて説明を加えると、この間接気化冷却手段Cは、図2に示すように、内部に気化用流路31が形成される扁平な矩形箱状の複数の流路形成体33が、立ち姿勢で互いの間に冷却用流路32を形成すべく間隔を隔てて並設されて構成されている。
各流路形成体33における上面部には、気化用流路31の入口31i及び出口31eが両端側に振り分けて設けられ、下面部には排水孔(図示省略)が設けられ、気化用流路31の入口31iが位置する側及び気化用流路31の出口31eが位置する側夫々の側面部は閉じられている。
又、各流路形成体33の内部には、毛管現象により含水可能で且つ通気可能な含水体(図示省略)が充填され、各流路形成体33の上部には、含水体に含水可能なように散水する散水スプレイ34が設けられている。
図示を省略するが、隣接する流路形成体33同士の間の空間夫々の上下の開口部が閉じられて、その上下が閉じられた複数の空間夫々が冷却用流路32に構成される。そして、当該各空間における気化用流路31の出口31e側の開口部が冷却用流路32の入口32iとして用いられ、当該各空間における気化用流路31の入口31i側の開口部が冷却用流路32の出口32eとして用いられる。
図1に示すように、上述のように構成された間接気化冷却手段Cが、気化用流路31の入口31i及び出口32eを上向きにした姿勢で、直方体形状の冷却ユニット用ケーシング17内に配設されて、間接気化冷却ユニットUcが構成されている。
そして、この冷却ユニット用ケーシング17内における複数の冷却用流路32の入口32iが位置する側(以下、外気流入側と記載する場合がある)の側方部分に、それら複数の冷却用流路32の入口32iが臨む外気流入室18が区画形成され、同じく複数の冷却用流路32の出口32eが位置する側(以下、外気流出側と記載する場合がある)の側方部分に、それら複数の冷却用流路32の出口32eが臨む外気流出室19が区画形成されている。又、冷却ユニット用ケーシング17内における複数の気化用流路31の入口31i及び出口31eが位置する上側部分に、それら複数の気化用流路31の入口31i及び出口31eの両方が臨む屋内気通流室20が区画形成され、同じく、複数の気化用流路31の排水孔が位置する下側部分に、それら複数の気化用流路31の排水孔が臨む排水室21が仕切り形成されている。
つまり、冷却ユニット用ケーシング17における屋内気通流室20内を、屋内気吸込口7と屋内気出口13とを気化用流路31を迂回した状態で連通させる気化用流路バイパス流路15として機能させるように構成されている。
冷却ユニット用ケーシング17における外気流入側の側面部には、外気入口14が外気流入室18を開口させる状態で設けられ、屋内気出口13が屋内気通流室20を開口させる状態で設けられている。又、冷却ユニット用ケーシング17における外気流出側の側面部には、給気送出口10が外気流出室19を開口させる状態で設けられ、屋内気吸込口7が屋内気通流室20を開口させる状態で設けられている。又、冷却ユニット用ケーシング17における底面部には、排水室21に溜まった水Wを排出する排水口22が設けられている。
屋内気流路切換ダンパ16は、屋内気通流室20を屋内気吸込口7側と屋内気出口13側との間で遮断すると共に複数の気化用流路31の入口31iを開口させる立ち姿勢(図1において実線で示す)と、屋内気通流室20を屋内気吸込口7側と屋内気出口13とにわたって連通させると共に複数の気化用流路31の入口31iを閉塞する倒れ姿勢(図1において破線で示す)とに切り換え操作自在に構成されている。つまり、屋内気流路切換ダンパ16は、立ち姿勢に切り換えられることにより気化用流路通流状態に切り換えられ、倒れ姿勢に切り換えられることにより気化用流路バイパス状態とに切り換えられるように構成されている。
図2に示すように、給水路3は、間接気化冷却手段Cの複数の気化用流路31夫々に対して夫々設けられた複数の散水スプレイ34に分岐接続されて、複数の気化用流路31夫々に水Wの供給が可能に構成されている。
又、図1に示すように、冷却ユニット用ケーシング17における外気流出室19内には、間接気化冷却手段Cの複数の冷却用流路32から流出した外気OA、即ち、空調対象空間に供給される給気SAの温度を検出する給気温度センサ23、及び、給気SAの湿度を検出する給気湿度センサ24が設けられている。
次に、顕熱交換ユニットUkについて、説明を加える。先ず、顕熱交換器Kについて説明を加えると、この顕熱交換器Kは、図示は省略するが、アルミニウム等の熱伝導率の高い材料にて概略直方体又は立方体状の外形に形成され、第1熱交換流路11と第2熱交換流路12とが隔壁を隔てて交互に並ぶ形態で、複数の第1熱交換流路11及び複数の第2熱交換流路12が積層されている。
そして、この顕熱交換器Kにおける第1熱交換流路11及び第2熱交換流路12の積層方向視での4つの側面部のうちの1つの側面部には、複数の第1熱交換流路11の入口11iが形成され、その側面部に対向する側面部には、複数の第1熱交換流路11の出口11eが形成され、残りの2つの側面部のうちの一方の側面部には、複数の第2熱交換流路12の入口12iが形成され、その側面部に対向する側面部には、複数の第2熱交換流路12の出口12eが形成されている。
上述のように構成された顕熱交換器Kが、第1熱交換流路11及び第2熱交換流路12の積層方向視での4つの側面部を、夫々、直方体形状の顕熱交換ユニット用ケーシング40内の各隅部に向けた姿勢で、顕熱交換ユニット用ケーシング40に配設されて、顕熱交換ユニットUkが構成されている。
そして、この顕熱交換ユニット用ケーシング40内における顕熱交換器Kの複数の第1熱交換流路11の入口11i及び複数の第2熱交換流路12の出口12eが位置する側(以下、外気流入側と記載する場合がある)の側方部分に、複数の第1熱交換流路11の入口11iが臨む外気流入室41、及び、複数の第2熱交換流路12の出口12eが臨む屋内気流出室42が互いに仕切られた状態で区画形成されている。又、顕熱交換ユニット用ケーシング40内における顕熱交換器Kの複数の第1熱交換流路11の出口11e及び複数の第2熱交換流路12の入口12iが位置する側(以下、外気流出側と記載する場合がある)の側方部分に、複数の第1熱交換流路11の出口11eが臨む外気流出室43、及び、複数の第2熱交換流路12の入口12iが臨む屋内気流入室44が互いに仕切られた状態で区画形成されている。
顕熱交換ユニット用ケーシング40における外気流入側の側面部には、外気吸込口9が外気流入室41を開口させる状態で設けられ、排気送出口8が屋内気流出室42を開口させる状態で設けられている。又、顕熱交換ユニット用ケーシング40における外気流出側の側面部には、外気出口26が外気流出室43を開口させる状態で設けられ、屋内気入口25が屋内気流入室44を開口させる状態で設けられている。
顕熱交換ユニット用ケーシング40の外気流出室43内には、給気ファン2が、その吸込口2iを外気流出室43内に臨ませ、且つ、その吐出口2eを外気出口26に嵌め込んだ状態で設けられている。又、顕熱交換ユニット用ケーシング40の外気流出室43内における顕熱交換器Kの第1熱交換流路11の出口11eと給気ファン2との間の部分には、暖房用熱交換器45が設けられている。この暖房用熱交換器45には、熱源機46から加熱された熱媒が熱媒循環路47を通して循環供給され、この暖房用熱交換器45により、顕熱交換器Kの複数の第1熱交換流路11から流出して外気流出室43を通流する外気OAが加熱される。
熱媒循環路47には、暖房用熱交換器45への熱媒の供給を断続する熱媒供給断続弁48、及び、暖房用熱交換器45への熱媒の供給量を調整する熱媒供給量調整弁49が設けられている。
又、顕熱交換ユニット用ケーシング40の屋内気流出室42内には、排気ファン1が、その吸込口1iを屋内気流出室42内に臨ませ、且つ、その吐出口1eを排気送出口8に嵌め込んだ状態で設けられている
又、屋内気用接続ダクト29と顕熱交換ユニットUkの外気流出室43とが、内部を給排気連通路51とする給排気連通ダクト50にて連通接続され、その給排気連通ダクト50に、給排気連通路51を開閉自在で、且つ、その開口度を調整自在な連通路開閉ダンパ52が設けられている。
図1及び図3に示すように、給気ファン2が作動されると、顕熱交換ユニットUkの外気吸込口9から吸い込まれた外気OAが、外気流入室41、顕熱交換器Kの複数の第1熱交換流路11、外気流出室43内の暖房用熱交換器45、顕熱交換ユニットUkの外気出口26、外気用接続流路28、間接気化冷却ユニットUcの外気入口14、外気流入室18、間接気化冷却手段Cの複数の冷却用流路32、外気流出室19、給気送出口10を経由する通流経路にて通流して、給気SAとして空調対象空間に供給され、その通流経路が給気路Psに相当する。
そして、熱媒供給断続弁48及び熱媒供給量調整弁49を開いて暖房用熱交換器45に熱源機46にて加熱された熱媒を循環供給すると、外気流出室43を通流する外気OAが暖房用熱交換器45により加熱されることになる。又、熱媒供給断続弁48の開度を変更調整すると、暖房用熱交換器45への熱媒の循環供給量が変更調整されて、その暖房用熱交換器45による外気OAの加熱量が変更調整されることになる。
つまり、熱源機46、熱媒循環路47、暖房用熱交換器45、熱媒供給断続弁48及び熱媒供給量調整弁49により、給気路Psにおける顕熱交換器Kの第1熱交換流路11と間接気化冷却手段Cの冷却用流路32との間において、外気OAを加熱すると共にその加熱作動を断続可能な加熱手段Hが構成される。
図1に示すように、屋内気流路切換ダンパ16が気化用流路通流状態に切り換えられ且つ連通路開閉ダンパ52が閉じられた状態で、排気ファン1が作動されると、間接気化冷却ユニットUcの屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAが、間接気化冷却手段Cの複数の気化用流路31、屋内気出口13、屋内気用接続流路27、顕熱交換ユニットUkの屋内気入口25、屋内気流入室44、顕熱交換器Kの複数の第2熱交換流路12、屋内気流出室42、排気送出口8を順に経由する通流経路にて通流して、排気EAとして屋外に排出され、その通流経路が通常排気路Pe1に相当する。
又、図3に示すように、屋内気流路切換ダンパ16が気化用流路バイパス状態に切り換えられ且つ連通路開閉ダンパ52が閉じられた状態で、排気ファン1が作動されると、間接気化冷却ユニットUcの屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAが、間接気化冷却手段Cの複数の気化用流路31を迂回して、気化用流路バイパス流路15、屋内気出口13、屋内気用接続流路27、顕熱交換ユニットUkの屋内気入口25、屋内気流入室44、顕熱交換器Kの複数の第2熱交換流路12、屋内気流出室42、排気送出口8を順に経由する通流経路にて通流して、排気EAとして屋外に排出され、その通流経路が迂回排気路Pe2に相当する。
つまり、図1に示すように、屋内気流路切換ダンパ16を気化用流路通流状態に切り換えると、排気ファン1により屋内気吸込口7から吸い込んだ屋内気RAを通常排気路Pe1を通して通流させる通常排気状態に切り換えられる。一方、図3に示すように、屋内気流路切換ダンパ16を気化用流路バイパス状態に切り換えると、排気ファン1により屋内気吸込口7から吸い込んだ屋内気RAを迂回排気路Pe2を通して通流させる迂回排気状態に切り換えられる。
要するに、屋内気流路切換ダンパ16により、排気路切換手段Vが構成されている。
又、図4に示すように、屋内気流路切換ダンパ16が気化用流路通流状態に切り換えられ且つ連通路開閉ダンパ52が開かれた状態で、排気ファン1が作動されると、間接気化冷却ユニットUcの屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAが通常排気路Pe1を通流すると共に、そのように通常排気路Pe1を通流する屋内気RAの一部が、給気ファン2の吸い込み作用により屋内気用接続流路27から給排気連通路51を通して抜き取られて、顕熱交換ユニットUkの外気流出室43を通流する外気OAに混合される。つまり、顕熱交換ユニットUkの外気吸込口9から吸い込まれた外気OAが、顕熱交換ユニットUkの外気流出室43において屋内気RAが混合されながら、給気路Psを通流して空調対象空間に供給される。
つまり、この実施形態では、給気ファン2が、給気路Psにおける顕熱交換器Kの第1熱交換流路11と間接気化冷却手段Cの冷却用流路32との間に、顕熱交換器Kの第1熱交換流路11に吸い込み作用すると共に間接気化冷却手段Cの冷却用流路32に吐出作用するように設けられている。又、給排気連通路51は、通常排気路Pe1における間接気化冷却手段Cの気化用流路31と顕熱交換器Kの第2熱交換流路12との間の箇所と、給気路Psにおける顕熱交換器Kの第1熱交換流路11と給気ファン2との間の箇所とを連通接続するように構成されていることになる。
次に、制御部5の制御動作を説明する。
尚、図1、及び、図3〜図5の各図では、給水弁4、熱媒供給断続弁48及び熱媒供給量調整弁49の各弁、並びに、連通路開閉ダンパ52において、開き状態を黒塗りで示し、閉じ状態を白抜きで示す。
本発明では、制御部5が、屋内気流路切換ダンパ16を気化用流路通流状態に切り換え(即ち、排気路切換手段Vを通常排気状態に切り換え)、連通路開閉ダンパ52を閉じ、給水調整弁4を開弁する(即ち、給水状態に切り換える)冷房モード(図1参照)と、屋内気流路切換ダンパ16を気化用流路バイパス状態に(即ち、排気路切換手段Vを迂回排気状態に)切り換え、連通路開閉ダンパ52を閉じ、給水調整弁4を閉弁する(即ち、給水停止状態に切り換える)暖房モードとしての通常暖房モード(図3参照)とに運転モードを切り換え可能なように構成されている。
この実施形態では、図4に示すように、制御部5が、更に、屋内気流路切換ダンパ16を気化用流路通流状態に(即ち、排気路切換手段Vを通常排気状態に切り換え)、連通路開閉ダンパ52を開き、給水調整弁4を開弁する(即ち、給水状態に切り換える)加湿暖房モードに運転モードを切り換え可能にも構成されている。
又、図5に示すように、制御部5が、更に、屋内気流路切換ダンパ16を気化用流路通流状態に(即ち、排気路切換手段Vを通常排気状態に切り換え)、連通路開閉ダンパ52を閉じ、給水調整弁4を閉弁する(即ち、給水停止状態に切り換える)通常換気モードに運転モードを切り換え可能にも構成されている。
又、制御部5が、冷房モード及び通常換気モードでは熱媒供給断続弁48及び熱媒供給量調整弁49を閉じて暖房用熱交換器45の加熱作動を停止し、通常暖房モード及び加湿暖房モードでは熱媒供給断続弁48及び熱媒供給量調整弁49を開いて暖房用熱交換器45を加熱作動させるように構成されている。
制御部5の制御動作について、説明を加える。
図示を省略するが、操作部6には、この空調換気システムの運転及び停止を指令する運転スイッチ、冷房モード、通常暖房モード、加湿暖房モード及び通常換気モードから運転モードを択一的に選択して指令する運転モード切換スイッチが設けられている。
制御部5は、運転スイッチにより運転開始が指令されると、排気ファン1及び給気ファン2を作動させ、運転スイッチにより運転停止が指令されると、排気ファン1及び給気ファン2を停止させる。
そして、制御部5は、運転モード切換スイッチにより冷房モードが指令されると、図1に示すように、熱媒供給断続弁48、熱媒供給量調整弁49及び連通路開閉ダンパ52を閉じ、給水調整弁4を開弁し、屋内気流路切換ダンパ16を気化用流路通流状態に切り換え、更に、給気温度センサ23にて検出される給気SAの温度が予め設定された冷房用設定温度になるように、給水調整弁4の開度を調整する。
図1に示すように、この冷房モードでは、給気ファン2の通流作用により、外気吸込口9から吸い込まれた外気OAが、顕熱交換器Kの第1熱交換流路11、間接気化冷却手段Cの冷却用流路32の順に通流する形態で給気路Psを通流して、給気SAとして空調対象空間に供給される。並びに、排気ファン1の通流作用により、屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAの全量が、水Wが供給される状態の間接気化冷却手段Cの気化用流路31、顕熱交換器Kの第2熱交換流路12の順に通流する形態で通常排気路Pe1を通流して、排気EAとして排気送出口8から屋外に排出される。又、空調対象空間に供給される給気SAの温度が冷房用設定温度になるように、給水調整弁4により間接気化冷却手段Cの気化用流路31への水Wの供給量が調整されて、水Wの気化による冷熱の発生量が調整される。
つまり、外気吸込口9から吸い込まれた外気OAを、顕熱交換器Kでは、屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAの全量と顕熱交換させて冷却し、更に、間接気化冷却手段Cでは、屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAの全量により水Wを気化させる際の気化熱により冷却して、給気SAとして空調対象空間に供給するので、住宅内を略全域にわたって換気しながら冷房することができる。
従って、顕熱交換器Kにおいて外気OAと屋内気RAとを顕熱交換させる顕熱交換量が多くなり、又、間接気化冷却手段Cにおいて屋内気RAにより水Wを気化させる量が多くなるため、間接気化冷却手段Cでの冷熱の発生量が多くなるので、冷房能力が向上する。
又、制御部5は、運転モード切換スイッチにより通常暖房モードが指令されると、図3に示すように、連通路開閉ダンパ52及び給水調整弁4を閉じ、熱媒供給断続弁48及び熱媒供給量調整弁49を開き、屋内気流路切換ダンパ16を気化用流路バイパス状態に切り換え、並びに、給気温度センサ23にて検出される給気SAの温度が予め設定された暖房用設定温度になるように、熱媒供給量調整弁49の開度を調整する。
図3に示すように、この通常暖房モードでは、給気ファン2の通流作用により、外気吸込口9から吸い込まれた外気OAが、上述のように給気路Psを通流して、給気SAとして空調対象空間に供給され、並びに、排気ファン1の通流作用により、屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAの全量が、間接気化冷却手段Cの気化用流路31を迂回して、顕熱交換器Kの第2熱交換流路12を通流する形態で迂回排気路Pe2を通流して、排気EAとして排気送出口8から屋外に排出される。又、空調対象空間に供給される給気SAの温度が暖房用設定温度になるように、熱媒供給量調整弁49により暖房用熱交換器45への熱媒の循環量が調整されて、暖房用熱交換器45による外気OAの加熱量が調整される。
つまり、外気吸込口9から吸い込まれた外気OAを、顕熱交換器Kにおいて屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAの全量と顕熱交換させて加熱し、更に、暖房用熱交換器45により加熱して、給気SAとして空調対象空間に供給するので、住宅内を略全域にわたって換気しながら暖房することができる。
又、制御部5は、運転モード切換スイッチにより加湿暖房モードが指令されると、図4に示すように、連通路開閉ダンパ52、給水調整弁4、熱媒供給断続弁48及び熱媒供給量調整弁49を開き、屋内気流路切換ダンパ16を気化用流路通流状態に切り換え、並びに、給気温度センサ23にて検出される給気SAの温度が暖房用設定温度になるように熱媒供給量調整弁49の開度を調整すると共に、給気湿度センサ24にて検出される給気SAの湿度が予め設定された暖房用設定湿度になるように連通路開閉ダンパ52の開度を調整する。
図4に示すように、この加湿暖房モードでは、連通路開閉ダンパ52により給排気連通路51が開かれるので、給気ファン2の吸い込み作用により、水Wが供給される状態の間接気化冷却手段Cの気化用流路31を通過して加湿された屋内気RAの一部が、給排気連通路51を通して顕熱交換ユニットUkの外気流出室43に吸い込まれる。外気吸込口9から吸い込まれた外気OAは、顕熱交換器Kの第1熱交換流路11を通過して屋内気RAとの熱交換により加熱され、続いて、外気流出室43内の暖房用熱交換器45を通過して更に加熱されると共に、高湿の屋内気RAが混合されて加湿された後、間接気化冷却手段Cの冷却用流路32を通流して、給気SAとして空調対象空間に供給される。
このように、外気OAは、間接気化冷却手段Cの冷却用流路32を通流する際に、屋内気RAにより気化される水Wの気化熱により冷却されるが、給気温度センサ23にて検出される給気SAの温度が暖房用設定温度になるように暖房用熱交換器45による加熱量が調整され、又、給気湿度センサ24にて検出される給気SAの湿度が暖房用設定湿度になるように屋内気RAの混合量が調整されるので、暖房用設定温度及び暖房用設定湿度に調整された給気SAが空調対象空間に供給される。従って、住宅内を略全域にわたって換気しながら、加湿暖房することができる。
又、制御部5は、運転モード切換スイッチにより通常換気モードが指令されると、図5に示すように、連通路開閉ダンパ52、熱媒供給断続弁48、熱媒供給量調整弁49及び給水調整弁4を閉じ、屋内気流路切換ダンパ16を気化用流路通流状態に切り換える。
図5に示すように、この通常換気モードでは、給気ファン2の通流作用により、外気吸込口9から吸い込まれた外気OAが給気路Psを通流して、給気SAとして空調対象空間に供給される。並びに、排気ファン1の通流作用により、屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAの全量が、水Wの供給が停止された状態の間接気化冷却手段Cの気化用流路31、顕熱交換器Kの第2熱交換流路12の順に通流する形態で通常排気路Pe1を通流して、排気EAとして排気送出口8から屋外に排出される。
つまり、外気吸込口9から吸い込まれた外気OAを、顕熱交換器Kにて、屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAの全量と顕熱交換させ、更に、間接気化冷却手段Cにて、屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAの全量と顕熱交換させるので、給気SAとして空調対象空間に供給する外気OAと屋内気RAとの顕熱交換効率を向上することができる。
従って、省エネ化を効果的に図りながら、住宅内を略全域にわたって換気することができる。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 通常排気路Pe1及び迂回排気路Pe2を構成する形態は、上記の実施形態において説明した形態に限定されるものではない。例えば、屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAを直接に間接気化冷却手段Cの気化用流路31に導く形態で、通常排気路Pe1を構成し、屋内気吸込口7から吸い込まれた屋内気RAを直接に顕熱交換器Kの第2熱交換流路12に導く形態で、迂回排気路Pe2を構成しても良い。
(ロ) 排気ファン1及び給気ファン2夫々の設置箇所は、上記の実施形態において例示した箇所に限定されるものではない。例えば、排気ファン1を、間接気化冷却ユニットUcの屋内気通流室20内における屋内気通流方向の下流側の端部や、顕熱交換ユニットUkの屋内気流入室44内に設けても良い。又、給気ファン2を、顕熱交換ユニットUkの外気流入室41内や、間接気化冷却ユニットUcの外気流出室19内に設けても良い。
) 本発明に係る空調換気システムを構成するに、上記の実施形態では、間接気化冷却手段Cを備えた間接気化冷却ユニットUcと、顕熱交換器K、給気ファン2及び排気ファン1を備えた顕熱交換ユニットUkとの2つのユニットで構成したが、単一のユニットで構成しても良い。
) 加熱手段Hの具体構成は、上記の実施形態において例示した構成、即ち、熱媒が循環供給される暖房用熱交換器45を備えた構成に限定されるものではない。例えば、電気ヒータを備えた電気式の加熱手段にて構成しても良い。
) 上記の実施形態では、本発明に係る空調換気システムを住宅内の略全域を空調対象空間とするように構成したが、例えば、住宅内の1室を空調対象空間とするように構成しても良い。
以上説明したように、冷房機能及び暖房機能を備えながら、冷房能力を向上し得る空調換気システムを提供することができる。
1 排気ファン
2 給気ファン
4 給水調整弁(給液断続手段)
5 制御部(制御手段)
7 屋内気吸込口
8 排気送出口
9 外気吸込口
10 給気送出口
11 第1熱交換流路
11e 出口
11i 入口
12 第2熱交換流路
12e 出口
12i 入口
13 屋内気出口
14 外気入口
15 気化用流路バイパス流路
16 屋内気流路切換ダンパ(屋内気流路切換手段)
25 屋内気入口
26 外気出口
27 屋内気用接続流路
28 外気用接続流路
31 気化用流路
31e 出口
31i 入口
32 冷却用流路
32e 出口
32i 入口
51 給排気連通路
52 連通路開閉ダンパ(連通路開閉手段)
C 間接気化冷却手段
H 加熱手段
K 顕熱交換器
OA 外気
Pe1 通常排気路
Pe2 迂回排気路
Ps 給気路
RA 屋内気
Uc 間接気化冷却ユニット
Uk 顕熱交換ユニット
V 排気路切換手段
W 水(揮発性液体)

Claims (4)

  1. 屋内気吸込口から吸い込んだ空調対象空間内の空気である屋内気を排気送出口を通して
    空調対象空間外に排出するように通流作用する排気ファンと、
    外気吸込口から吸い込んだ外気を給気送出口を通して空調対象空間内に供給するように通流作用する給気ファンと、
    前記給気ファンにより通流される外気と前記排気ファンにより通流される屋内気とを顕熱交換させる顕熱交換器と、
    前記排気ファンにより前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を通流させ且つその屋内気の通流により気化可能な状態で揮発性液体が供給される気化用流路、及び、前記給気ファンにより前記外気吸込口から吸い込んだ外気を通流させる冷却用流路を互いに顕熱交換可能に備えた間接気化冷却手段と、
    前記気化用流路へ揮発性液体を供給する給液状態と前記気化用流路への揮発性液体の供給を停止する給液停止状態とに切り換え自在な給液断続手段とを備えた空調換気システムであって、
    前記給気ファンにより前記外気吸込口から吸い込んだ外気を、前記顕熱交換器、前記間接気化冷却手段の前記冷却用流路の順に通流させる給気路と、
    前記排気ファンにより前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を、前記間接気化冷却手段の前記気化用流路、前記顕熱交換器の順に通流させて前記排気送出口から排出する通常排気路と、
    前記排気ファンにより前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を、前記間接気化冷却手段の前記気化用流路を迂回させ、前記顕熱交換器を通流させて前記排気送出口から排出する迂回排気路と、
    前記排気ファンにより前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を、前記迂回排気路を通流させることなく、前記通常排気路を通して通流させる通常排気状態と、前記迂回排気路を通して通流させる迂回排気状態とに択一的に切り換え可能な排気路切換手段と、
    前記排気路切換手段を前記通常排気状態に切り換え、前記給液断続手段を前記給液状態に切り換える冷房モードと、前記排気路切換手段を前記迂回排気状態に切り換え、前記給液断続手段を前記給液停止状態に切り換える暖房モードとに運転モードを切り換え可能な制御手段とが設けられ
    前記気化用流路に、前記揮発用液体として水が供給され、
    前記給気ファンが、前記給気路における前記顕熱交換器と前記冷却用流路との間に、前記顕熱交換器に吸い込み作用すると共に前記冷却用流路に吐出作用するように設けられ、
    前記通常排気路における前記気化用流路と前記顕熱交換器との間の箇所と、前記給気路における前記顕熱交換器と前記給気ファンとの間の箇所とを連通接続する給排気連通路と、
    その給排気連通路を開閉可能な連通路開閉手段とが設けられ、
    前記制御手段が、前記冷房モード及び前記暖房モードの夫々では、前記連通路開閉手段を閉じるように構成され、並びに、前記排気路切換手段を前記通常排気状態に切り換え、前記連通路開閉手段を開き、前記給液断続手段を前記給液状態に切り換える加湿暖房モードに運転モードを切り換え可能に構成されている空調換気システム。
  2. 前記制御手段が、前記排気路切換手段を前記通常排気状態に切り換え、前記給液断続手段を前記給液停止状態に切り換える通常換気モードに運転モードを切り換え可能に構成されている請求項1に記載の空調換気システム。
  3. 前記給気路における前記顕熱交換器と前記冷却用流路との間において、外気を加熱すると共にその加熱作動を断続可能な加熱手段が設けられ、
    前記制御手段が、前記冷房モードでは前記加熱手段の加熱作動を停止し、前記暖房モードでは前記加熱手段を加熱作動させるように構成されている請求項1又は2に記載の空調換気システム。
  4. 前記間接気化冷却手段を備えた間接気化冷却ユニットと、前記顕熱交換器、前記給気ファン及び前記排気ファンを備えた顕熱交換ユニットとが設けられ、
    前記間接気化冷却ユニットに、前記気化用流路の入口に連通する状態の前記屋内気吸込口、前記気化用流路の出口に連通する共にその気化用流路を通流した屋内気を送出する屋内気出口、前記冷却用流路の入口に連通すると共に外気が供給される外気入口、前記冷却用流路の出口に連通する状態の前記給気送出口、前記屋内気吸込口と前記屋内気出口とを前記気化用流路を迂回した状態で連通させる気化用流路バイパス流路、及び、前記屋内気吸込口から吸い込んだ屋内気を前記気化用流路に通流させる気化用流路通流状態と前記気化用流路バイパス流路に通流させる気化用流路バイパス状態とに択一的に切り換え可能な屋内気流路切換手段が設けられ、
    前記顕熱交換ユニットに、前記顕熱交換器における互いに顕熱交換可能な第1熱交換流路及び第2熱交換流路のうちの前記第2熱交換流路の入口に連通すると共に屋内気が供給される屋内気入口、前記第2熱交換流路の出口に連通する状態の前記排気送出口、前記第1熱交換流路の入口に連通する状態の前記外気吸込口、及び、前記第1熱交換流路の出口に連通すると共にその第1熱交換流路を通流した外気が送出される外気出口が設けられ、
    前記間接気化冷却ユニットの前記屋内気出口と前記顕熱交換ユニットの前記屋内気入口とが屋内気用接続流路にて連通接続され、並びに、前記顕熱交換ユニットの前記外気出口と前記間接気化冷却ユニットの前記外気入口とが外気用接続流路にて連通接続され、
    前記排気路切換手段が、前記屋内気流路切換手段にて構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調換気システム。
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