以下、図面を参照して本発明の換気空調装置の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態の換気空調装置の構成例>
図1は、第1の実施の形態の換気空調装置の一例を示す構成図、図2は、第1の実施の形態の換気空調装置における風路及びヒートポンプ空調機の構成図、図3は、第1の実施の形態の換気空調装置の風路を構成する部材の分解斜視図である。
第1の実施の形態の換気空調装置1Aは、空気の冷却及び加熱を行う空気調和機としてのヒートポンプ空調機2Aと、ヒートポンプ空調機2Aで調和される空気の温度調整及びヒートポンプ空調機2Aで調和された空気の除湿等を行う熱交換素子3Aを備え、外気を取り入れ、空気調和して室内に給気する空調換気機能を有する。
まず、図2等を参照して、ヒートポンプ空調機2Aの構成について説明する。
ヒートポンプ空調機2Aは、冷媒が流れる配管20と、室内に給気する空気と冷媒との間で熱交換を行う第1の熱交換器21と、室外に排出する室内の空気と冷媒との間で熱交換を行う第2の熱交換器22を備える。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、配管20を流れる冷媒を圧縮する圧縮機23と、配管20を流れる冷媒を減圧する膨張弁24と、冷媒の流れる方向を切り替える四方弁25を備える。
更に、ヒートポンプ空調機2Aは、第2の熱交換器22に空気を送る排気ファン部26を備える。
ヒートポンプ空調機2Aは、第2の熱交換器22と圧縮機23と膨張弁24と四方弁25と排気ファン部26が図1に示す筐体27に収納され、筐体27の内部に設けられる第2の熱交換器22と筐体27の外部に設けられる第1の熱交換器21が配管20で接続される。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、筐体27に空気の吸込口28と排気口29が形成され、排気ファン部26が駆動されると、吸込口28から吸い込まれた空気が第2の熱交換器22を通り、排気口29から排気される。
次に、熱交換素子3Aの構成について説明する。熱交換素子3Aは熱交換手段の一例で、空気が通る第1の熱交換風路30aと、第1の熱交換風路30aと仕切られて空気が通る第2の熱交換風路30bを備え、第1の熱交換風路30aを通る空気と第2の熱交換風路30bを通る空気との間で熱交換が行われる。
次に、換気空調装置1Aにおける風路の構成について説明する。換気空調装置1Aは、外気吸込口51から取り入れた外気OAを、熱交換素子3Aを通して給気吹出口52から給気SAとして吹き出させる熱交換給気風路5Aを備える。また、換気空調装置1Aは、外気吸込口51から取り入れた外気OAを、熱交換素子3Aをバイパスさせる非熱交換給気風路5Bを備える。
熱交換給気風路5Aと非熱交換給気風路5Bは、熱交換素子3Aが収納される収納箱部53a,53bと、収納箱部53a,53bが収納される筐体54a,54bと、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21が収納される筐体55a,55b等により構成される。
外気吸込口51は、熱交換素子3Aが収納される上下一対の収納箱部53a,53bにおいて、上側の収納箱部53aの正面を開口して形成され、第1の吸込口51aと第2の吸込口51bが並列される。
収納箱部53a,53bは、所定の形状で仕切られた断熱材等で構成され、第1の吸込口51aと連通する中央部分に熱交換素子3Aが収納される。収納箱部53a,53bに収納される熱交換素子3Aは、図2等に示す第1の熱交換風路30aと第2の熱交換風路30bによって、熱交換給気風路5Aの一部を構成する。そして、収納箱部53a,53bは、熱交換素子3Aの両側に、第2の吸込口51bと連通する非熱交換給気風路5Bが形成される。
また、収納箱部53a,53bは、熱交換素子3Aが収納されると、熱交換素子3Aの第2の熱交換風路30bの吹出側と連通する開口部53cが、収納箱部53aの上面に形成される。更に、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aの吹出側と連通する開口部、及び第2の熱交換風路30bの吸込側と連通する開口部と、非熱交換給気風路5Bと連通する開口部が、それぞれ図示しないが収納箱部53bの下面に形成される。
収納箱部53a,53bが収納される筐体54a,54bは、筐体54aの正面の一部が開口して外気吸込口51が露出されると共に、下面が開口して収納箱部53bの下面の図示しない各開口部が露出される。また、収納箱部53aの開口部53cと連通する吹出部54cが、筐体54aの上面に取り付けられる筐体54bに形成される。
第1の熱交換器21が収納される筐体55a,55bは、収納箱部53a,53bに収納されて熱交換素子3Aが取り付けられた筐体54a,54bが、筐体55aの上部に取り付けられる。
また、筐体55a,55bは、収納箱部53a,53bに収納された熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aの吹出側及び収納箱部53a,53bにより構成される非熱交換給気風路5Bと連通する開口部55cが、第1の熱交換器21で仕切られた一方の空間と連通して、筐体55aの上面に形成される。
更に、筐体55a,55bは、収納箱部53a,53bに収納された熱交換素子3Aの第2の熱交換風路30bの吸込側と連通する開口部55dが、第1の熱交換器21で仕切られた他方の空間と連通して、筐体55aの上面に形成される。
これにより、熱交換給気風路5Aは、外気吸込口51の第1の吸込口51aと熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aの吸込側を連通させる。また、第1の熱交換風路30aの吹出側を、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通して第2の熱交換風路30bの吸込側に連通させる。更に、第2の熱交換風路30bの吹出側を給気吹出口52と連通させる。
非熱交換給気風路5Bは、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスして、外気吸込口51の第2の吸込口51bをヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21より上流の熱交換給気風路5Aと連通させる。
換気空調装置1Aは、熱交換給気風路5A及び非熱交換給気風路5Bで、外気吸込口51から外気OAを吸い込んで、給気吹出口52から吹き出させる送風ファン部56を備える。
また、換気空調装置1Aは、吸い込んだ外気OAの熱交換給気風路5Aと非熱交換給気風路5Bへの分配比率を調整する風路開閉ダンパ57を備える。
風路開閉ダンパ57は風路開閉手段の一例で、本例では、熱交換給気風路5Aと連通した第1の吸込口51aと、非熱交換給気風路5Bと連通した第2の吸込口51bの双方に備えられる。
図4は、風路開閉ダンパの構成例を示す斜視図である。風路開閉ダンパ57は、第1の吸込口51aを開閉する第1のダンパ57aの両側に、第2の吸込口51bを開閉する第2のダンパ57bを有し、第1のダンパ57aと第2のダンパ57bが、90°位相を異ならせて同じ軸部57cに備えられる。
第1のダンパ57aと第2のダンパ57bは、それぞれ複数の板状の部材で構成され、各ダンパの軸部57cに取り付けられた図示しないギアまたはリンク等によって、複数のダンパが連動する。
これにより、軸部57cの回転動作で第1のダンパ57aと第2のダンパ57bが作動して、第1の吸込口51aと第2の吸込口51bの開閉が切り替えられる。
すなわち、第1のダンパ57aで第1の吸込口51aを全開とすると、第2のダンパ57bは位相が90°ずれているので、第2の吸込口51bは全閉となる。一方、第2のダンパ57bで第2の吸込口51bを全開とすると、第1のダンパ57aで第1の吸込口51aは全閉となる。
また、第1の吸込口51aを全開としている状態から、第1のダンパ57aを徐々に閉じていくと、第2のダンパ57bは、第2の吸込口51bを全閉としている状態から徐々に開く。一方、第2の吸込口51bを全開としている状態から、第2のダンパ57bを徐々に閉じていくと、第1のダンパ57aは、第1の吸込口51aを全閉としている状態から徐々に開く。
従って、風路開閉ダンパ57は、第1のダンパ57aの動作で、図1等に示す熱交換給気風路5Aを通る空気の風量を100%から0%に調整できると共に、第2のダンパ57bが第1のダンパ57aと連動することで、非熱交換給気風路5Bを通る空気の風量を0%から100%に調整できる。
よって、風路開閉ダンパ57は、第1のダンパ57aと第2のダンパ57bの開度によって、外気OAの全てを熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aを通して、第2の熱交換風路30bを通る空気との間で熱交換させる風路構成と、外気OAの全てを非熱交換給気風路5Bを通して、熱交換素子3Aで熱交換を行わない風路構成とが選択可能となる。また、外気OAの所定量を熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aを通し、残部を非熱交換給気風路5Bを通して、外気OAの所定量を熱交換させる風路構成が選択可能となる。
そして、1つのモータで、2つの吸込口を開閉して風路を切り替えることができるので、低コストで風路を切り替える構成を実現できる。
次に、各図を参照して換気空調装置1Aにおける除加湿の構成について説明する。
換気空調装置1Aは、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21の下方に水回収手段としてドレンパン60を備える。本例では、熱交換素子3Aを上側として、熱交換素子3Aと第1の熱交換器21が上下に配置されており、第1の熱交換器21の下方にドレンパン60を設けている。これにより、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21で発生した結露水等が、ドレンパン60に滴下されて回収される。
また、換気空調装置1Aは、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21より下流の熱交換給気風路5Aに加湿手段としての散水装置61を備える。
熱交換給気風路5Aと非熱交換給気風路5Bは、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21より上流で合流しており、本例では、第1の熱交換器21と、熱交換素子3Aの第2の熱交換風路30bの吸込側との間の風路に、霧状のミストを噴霧するノズルを備えている。
これにより、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aからヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通る空気、及び第1の熱交換風路30aをバイパスして非熱交換給気風路5Bから第1の熱交換器21を通る空気の双方を加湿可能である。
次に、換気空調装置1Aの設置例について説明する。換気空調装置1Aは、図1に示すように、建物200において居室等の部屋201とは仕切られた空調機設置室202に設置される。
換気空調装置1Aは、給気吹出口52に接続されたダクト70が、空調機設置室202から建物200の天井裏203を通されて、部屋201の天井201aに設置された給気グリル71と接続される。
また、部屋201の天井201aに設置された吸込グリル72は、空調機設置室202に設置された排気グリル73とダクト74で接続され、換気空調装置1Aは、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通す空気が吸い込まれる吸込口28が、空調機設置室202を介して吸込グリル72と接続される。
更に、換気空調装置1Aは、屋外とつながる外気吸込ダクト75が外気吸込口51に取り付けられると共に、屋外とつながる排気ダクト76Aが排気口29に取り付けられる。
なお、図1では、換気空調装置1Aから一室に給気を行う構成であるが、ダクト70に分岐チャンバー等を備え、複数の部屋へ給気が行えるようにしても良い。
<第1の実施の形態の換気空調装置の動作例>
次に、各図を参照して、第1の実施の形態の換気空調装置1Aの動作について説明する。
(1)除湿モードの動作例
除湿モードでは、風路開閉ダンパ57の動作で第1のダンパ57aを開けて、熱交換給気風路5Aと連通する第1の取入口51aを全開にすると共に、非熱交換給気風路5Bと連通する第2の取入口51bを、第2のダンパ57bによって全閉にして、外気OAの全量を熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aに供給する。なお、以下の説明で外気OAの全量とは、略全量を含む実質的な全量を意味している。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、四方弁25によって図2に実線で示す矢印で冷媒が循環される冷凍サイクルを構成して圧縮機23を作動させることで、第1の熱交換器21を蒸発器として機能させ、蒸発器による冷媒の吸熱作用で外気OAの冷却を行う。このとき、第2の熱交換器22は凝縮器として機能し、冷媒を冷却して液化させている。
以上の状態で、送風ファン部56を作動させると、第1の取入口51aから外気OAが吸い込まれ、外気OAの全量が熱交換給気風路5Aへ供給される。
熱交換給気風路5Aでは、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aを外気OAが通り、第1の熱交換風路30aを通った外気OAがヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通る。そして、冷凍サイクルの蒸発器として機能している第1の熱交換器21を通った外気OAが、熱交換素子3Aに戻り第2の熱交換風路30bを通る。
外気OAは、熱交換素子3Aを通ることで、ヒートポンプ空調機2Aで冷却された空気との間で熱交換されて、温度が下げられる。
また、ヒートポンプ空調機2Aで冷却される空気は、熱交換素子3Aで熱交換されて温度が下げられた外気OAである。このとき、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aを通る外気OAと、第2の熱交換風路30bを通る冷却された外気OAとの温度差に応じて、第1の熱交換風路30aを通る外気OAが温度低下によって飽和状態となり、第1の熱交換風路30aを通る外気OA中の水分が結露して除湿が行われる。
更に、外気OAは、冷凍サイクルの蒸発器として機能している第1の熱交換器21を通ることで水分が結露して除湿される。このとき、外気OAは第1の熱交換器21への導入前に温度が下げられていることから相対湿度が上昇しており、ヒートポンプ空調機2Aによる冷却能力を上げることなく、すなわち、消費電力を増加させることなく除湿量を増加させて、夏季では高温中湿の外気OAを、必要以上の温度低下を抑えた中温低湿の空気とする。
そして、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aを通って中温低湿となった外気OAは、給気吹出口52からダクト70を通り、給気グリル71から給気SAとして部屋201に給気される。
なお、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21で発生した結露水はドレンパン60で回収され、室外へ排水される。
ここで、ヒートポンプ空調機2Aは、除湿モードでは、第2の熱交換器22が冷凍サイクルの凝縮器として機能し、配管20を循環される冷媒が、排気ファン部26を作動させることによって第2の熱交換器22を通る空気に放熱して冷却される。
そして、排気ファン部26を作動させると、ヒートポンプ空調機2Aの吸込口28から空調機設置室202内の空気が吸い込まれることで、吸込グリル72から部屋201の空気が還気RAとして吸い込まれ、還気RAはダクト74を通って排気グリル73から空調機設置室202に吹き出される。
これにより、部屋201から吸い込まれた還気RAが、凝縮器として機能している第2の熱交換器22を通って、排気口29から排気ダクト76Aを通り排気EAとして屋外へ排気される。
表1は、夏季と冬季での室外と室内の温度の一例を示す。
夏季では、空気調和された室内の温度は室外の温度より低く、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22に還気RAを通す方が、外気を通す場合より温度の低い空気が通される。
除湿モードでは、外気OAが通る風路を、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aを通る風路に切り替えることで、室内を冷やし過ぎることなく、室内の除湿が可能となり、室内の相対湿度を低下させて、夏季等に涼しさを得られるようにすることができる。
また、熱交換素子3Aとヒートポンプ空調機2Aの作用で除湿を行って、ドレンパン60で結露水を回収することで、給気グリル71での結露の発生を防ぐことができる。そして、除湿量を増やしても空気の再加熱の必要がないので、ヒータ等が不要であり、装置構成の複雑化を防ぐことができる。
更に、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22に吸い込まれる空気の流れによって、室内からの還気RAを第2の熱交換器22を通して排気することで、給排気による室内の換気が可能になる。
また、夏季では空気調和されて温度が下げられている室内からの還気RAを、凝縮器として機能しているヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通すことで、第2の熱交換器22に外気を通す場合と比較して、第2の熱交換器22が冷やされるため、冷媒の冷却効率を向上させることが可能で、冷房効率が向上する。
更に、高気密高断熱の住宅では、室温が安定しているため、還気RAをヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22に通すことで、第2の熱交換器22を通る空気の温度変動が少なく抑えられ、ヒートポンプ空調機2Aにおける負荷の変動を抑えることができる。
(2)冷房モードの動作例
冷房モードでは、風路開閉ダンパ57の動作で第2のダンパ57bを開けて、非熱交換給気風路5Bと連通する第2の取入口51bを全開にすると共に、熱交換給気風路5Aと連通する第1の取入口51aを、第1のダンパ57aによって全閉にして、外気OAの全量を熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスさせる。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、上述した除湿モードと同様に四方弁25により冷凍サイクルを構成して圧縮機23を作動させることで、第1の熱交換器21を蒸発器として機能させ、蒸発器による冷媒の吸熱作用で外気OAの冷却を行う。このとき、第2の熱交換器22は凝縮器として機能し、冷媒を冷却して液化させている。
以上の状態で、送風ファン部56を作動させると、第2の取入口51bから外気OAが吸い込まれ、外気OAの全量が非熱交換給気風路5Bへ供給される。非熱交換給気風路5Bでは、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスして、外気OAがヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21へ供給される。
そして、冷凍サイクルの蒸発器として機能している第1の熱交換器21を通ることで冷却された外気OAが、熱交換素子3Aの第2の熱交換風路30bを通り、給気吹出口52からダクト70を通り、給気グリル71から給気SAとして部屋201に給気される。
なお、第1の熱交換器21で発生した結露水はドレンパン60で回収され、室外へ排水される。
冷房モードでは、外気OAが通る風路を、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスさせる非熱交換給気風路5Bに切り替えることで、夏季で温度が高い外気OAと、ヒートポンプ空調機2Aで冷却された空気との間で熱交換が行われない。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aで冷却された外気OAの温度上昇を防ぎ、高温の外気OAを、ヒートポンプ空調機2Aの運転能力に応じて中温あるいは低温の空気として給気し、室内の冷房を行うことができる。
また、除湿モードと同様に、夏季では空気調和されて温度が下げられている室内からの還気RAを、冷凍サイクルの凝縮器として機能しているヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通すことで、第2の熱交換器22に外気を通す場合と比較して、第2の熱交換器22が冷やされるため、冷媒の冷却効率を向上させることが可能で、冷房効率が向上する。更に、給排気による室内の換気を行うことができる。
(3)加湿暖房モードの動作例
加湿暖房モードでは、上述した冷房モードと同様に、風路開閉ダンパ57の動作で第2のダンパ57bを開けて、非熱交換給気風路5Bと連通する第2の取入口51bを全開にすると共に、熱交換給気風路5Aと連通する第1の取入口51aを、第1のダンパ57aによって全閉にして、外気OAの全量を熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスさせる。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、四方弁25によって図2に破線で示す矢印で冷媒が循環されるヒートポンプを構成して圧縮機23を作動させることで、第1の熱交換器21を凝縮器として機能させ、凝縮器による冷媒の放熱作用で外気OAの加熱を行う。このとき、第2の熱交換器22は蒸発器として機能し、冷媒を気化させている。
更に、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21より下流の熱交換給気風路5Aに、散水装置61によって散水を行う。
以上の状態で、送風ファン部56を作動させると、第2の取入口51bから外気OAが吸い込まれ、外気OAの全量が非熱交換給気風路5Bへ供給される。非熱交換給気風路5Bでは、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスして、外気OAがヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21へ供給される。
そして、ヒートポンプの凝縮器として機能している第1の熱交換器21を通ることで加熱された外気OAが、散水装置61による散水で加湿され、熱交換素子3Aの第2の熱交換風路30bを通り、給気吹出口52からダクト70を通り、給気グリル71から給気SAとして部屋201に給気される。
なお、散水装置61によって散水された水の余剰分はドレンパン60で回収され、室外へ排水される。
ここで、ヒートポンプ空調機2Aは、加湿暖房モードでは、第2の熱交換器22がヒートポンプの蒸発器として機能し、配管20を循環される冷媒が、排気ファン部26を作動させることによって第2の熱交換器22を通る空気から吸熱する。
そして、排気ファン部26を作動させると、ヒートポンプ空調機2Aの吸込口28から空調機設置室202内の空気が吸い込まれることで、吸込グリル72から部屋201の空気が還気RAとして吸い込まれ、還気RAはダクト74を通って排気グリル73から空調機設置室202に吹き出される。
これにより、部屋201から吸い込まれた還気RAが、蒸発器として機能している第2の熱交換器22を通って、排気口29から排気ダクト76Aを通り排気EAとして屋外へ排気される。
表1に示すように、冬季では、空気調和された室内の温度は室外の温度より高く、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22に還気RAを通す方が、外気を通す場合より温度の高い空気が通される。
加湿暖房モードでは、外気OAが通る風路を、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスさせる非熱交換給気風路5Bに切り替えることで、冬季で温度が低い外気OAと、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された空気との間で熱交換が行われない。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された外気OAの温度低下を防ぎ、低温低湿の外気OAを、ヒートポンプ空調機2Aの運転能力と、散水装置61の給水量に応じて中温高湿の空気として給気して、室内の加湿暖房を行うことができ、別の加湿装置を設置することなく、室内の過乾燥を防ぐことができる。
更に、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された外気OAの温度低下を防ぐことで、給気される空気が飽和状態になることを防ぎ、加湿のために散水した水が結露して排水される無駄を低減することができる。
また、冬季では空気調和されて温度が上げられている室内からの還気RAを、蒸発器として機能しているヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通すことで、第2の熱交換器22に外気を通す場合と比較して、第2の熱交換器22が暖められるため、冷媒の吸熱効率を向上させることが可能で、暖房効率が向上する。更に、給排気による室内の換気を行うことができる。
(4)暖房モードの動作例
暖房モードでは、上述した加湿暖房モードと同様に、風路開閉ダンパ57の動作で第2のダンパ57bを開けて、非熱交換給気風路5Bと連通する第2の取入口51bを全開にすると共に、熱交換給気風路5Aと連通する第1の取入口51aを、第1のダンパ57aによって全閉にして、外気OAの全量を熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスさせる。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、上述した加湿暖房モードと同様に四方弁25によりヒートポンプを構成して圧縮機23を作動させることで、第1の熱交換器21を凝縮器として機能させ、凝縮器による冷媒の放熱作用で外気OAの加熱を行う。このとき、第2の熱交換器22は蒸発器として機能し、冷媒を気化させている。
以上の状態で、送風ファン部56を作動させると、第2の取入口51bから外気OAが吸い込まれ、外気OAの全量が非熱交換給気風路5Bへ供給される。非熱交換給気風路5Bでは、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスして、外気OAがヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21へ供給される。
そして、ヒートポンプの凝縮器として機能している第1の熱交換器21を通ることで加熱された外気OAが、熱交換素子3Aの第2の熱交換風路30bを通り、給気吹出口52からダクト70を通り、給気グリル71から給気SAとして部屋201に給気される。
暖房モードでは、外気OAが通る風路を、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスさせる非熱交換給気風路5Bに切り替えることで、冬季で温度が低い外気OAと、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された空気との間で熱交換が行われない。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された外気OAの温度低下を防ぎ、低温の外気OAを、ヒートポンプ空調機2Aの運転能力に応じて中温の空気として給気して、室内の暖房を行うことができる。
また、加湿暖房モードと同様に、冬季では空気調和されて温度が上げられている室内からの還気RAを、ヒートポンプの蒸発器として機能しているヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通すことで、第2の熱交換器22に外気を通す場合と比較して、第2の熱交換器22が暖められるため、冷媒の吸熱効率を向上させることが可能で、暖房効率が向上する。更に、給排気による室内の換気を行うことができる。
<第2の実施の形態の換気空調装置の構成例>
図5は、第2の実施の形態の換気空調装置の一例を示す構成図である。第2の実施の形態の換気空調装置1Bは、第1の実施の形態の換気空調装置1Aと同様に、ヒートポンプ空調機2Aと熱交換素子3Aを備える。
また、換気空調装置1Bは、外気吸込口51の図3に示す第1の吸込口51aから取り入れた外気OAを、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通して給気吹出口52から給気SAとして吹き出させる熱交換給気風路5Aを備える。
更に、換気空調装置1Bは、外気吸込口51の図3に示す第2の吸込口51bから取り入れた外気OAを、熱交換素子3Aをバイパスさせて第1の熱交換器21を通す非熱交換給気風路5Bを備える。
換気空調装置1Bは、建物200の空調機設置室202に設置され、給気吹出口52に接続されたダクト70が、空調機設置室202から建物200の天井裏203を通されて、部屋201の天井201aに設置された給気グリル71と接続される。
また、部屋201の天井201aに吸込グリル72が設置され、吸込グリル72は、空調機設置室202に設置された排気グリル73とダクト74で接続されて、換気空調装置1Bは、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通す空気が吸い込まれる吸込口28が、空調機設置室202を介して吸込グリル72と接続される。
更に、換気空調装置1Bは、屋外とつながる外気吸込ダクト75が外気吸込口51に取り付けられると共に、屋外とつながる排気ダクト76Bがヒートポンプ空調機2Aの排気口29に取り付けられる。
そして、換気空調装置1Bは、排気ダクト76Bから分岐して、建物200の床下204とつながる送風ダクト77と、送風ダクト77への送風の有無を切り替える風路切替部材としての風路切替ダンパ78を備える。
<第2の実施の形態の換気空調装置の動作例>
次に、各図を参照して、第2の実施の形態の換気空調装置1Bの動作について説明する。
(1)除湿モードの動作例
除湿モードでは、図4に示す風路開閉ダンパ57の動作で外気吸込口51を開閉して、外気OAの全量を熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aに供給する。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、図2に示す四方弁25によって冷凍サイクルを構成して圧縮機23を作動させることで、第1の熱交換器21を蒸発器として機能させると共に、第2の熱交換器22を凝縮器として機能させる。
更に、排気ダクト76Bの風路切替ダンパ78を、図5に実線で示す位置として、送風ダクト77への風路を開く。
以上の状態で、送風ファン部56を作動させると、外気吸込口51から吸い込まれた外気OAの全量が熱交換給気風路5Aに供給され、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30a及び第2の熱交換風路30bと、冷凍サイクルの蒸発器として機能させたヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通って冷却される。
また、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通る外気OA中の水分を結露させて、除湿が行われる。
そして、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通って中温低湿となった外気OAは、給気吹出口52からダクト70を通り、給気グリル71から給気SAとして部屋201に給気される。
ここで、ヒートポンプ空調機2Aで排気ファン部26を作動させると、吸込グリル72から部屋201の空気が還気RAとして吸い込まれる。室内からの還気RAは、ダクト74及び空調機設置室202を通り、ヒートポンプ空調機2Aの吸込口28に吸い込まれ、第2の熱交換器22を通って排気口29から排気される。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aは、除湿モードでは、冷凍サイクルの凝縮器として機能させた第2の熱交換器22に、温度が下げられた室内からの還気RAが通されることで、第2の熱交換器22が冷やされ、冷房効率を向上させている。
これに対して、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通されて温度が上がった空気(還気RA)は、排気ダクト76Bの風路切替ダンパ78で送風ダクト77への風路が開かれることで、排気口29から送風ダクト77を通り、床下204に吹き出される。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通った高温空気が、建物200の床下204を送風され、夏季で高湿の環境下において、床下204を乾燥させて湿った状況を解消でき、建物の性能維持を図ることができる。
(2)冷房モードの動作例
冷房モードでは、図4に示す風路開閉ダンパ57の動作で外気吸込口51を開閉して、外気OAの全量を非熱交換給気風路5Bに供給し、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスさせる。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、上述した除湿モードと同様に冷凍サイクルを構成して、第1の熱交換器21を蒸発器として機能させると共に、第2の熱交換器22を凝縮器として機能させる。
更に、排気ダクト76Bの風路切替ダンパ78を、図5に実線で示す位置として、送風ダクト77への風路を開く。
以上の状態で、送風ファン部56を作動させると、外気吸込口51から吸い込まれた外気OAの全量が非熱交換給気風路5Bに供給され、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスして、冷凍サイクルの蒸発器として機能させたヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通って冷却される。
そして、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通って冷却された外気OAは、給気吹出口52からダクト70を通り、給気グリル71から給気SAとして部屋201に給気される。
ここで、冷房モードでも、ヒートポンプ空調機2Aは、冷凍サイクルの凝縮器として機能させた第2の熱交換器22に、温度が下げられた室内からの還気RAが通されることで、第2の熱交換器22が冷やされ、冷房効率を向上させている。
また、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通されて温度が上がった空気(還気RA)は、排気ダクト76Bの風路切替ダンパ78で送風ダクト77への風路が開かれることで、排気口29から送風ダクト77を通り、床下204に吹き出される。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通った高温空気が、建物200の床下204を送風され、夏季で高湿の環境下において、床下204を乾燥させて湿った状況を解消でき、建物の性能維持を図ることができる。
(3)加湿暖房モードの動作例
加湿暖房モードでは、上述した冷房モードと同様に、図4に示す風路開閉ダンパ57の動作で外気吸込口51を開閉して、外気OAの全量を非熱交換給気風路5Bに供給し、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスさせる。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、図2に示す四方弁25によってヒートポンプを構成して圧縮機23を作動させることで、第1の熱交換器21を凝縮器として機能させると共に、第2の熱交換器22を蒸発器として機能させる。
更に、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21より下流の熱交換給気風路5Aに、散水装置61によって散水を行う。
また、排気ダクト76Bの風路切替ダンパ78を、図5に一点鎖線で示す位置として、送風ダクト77への風路を閉じる。
以上の状態で、送風ファン部56を作動させると、外気吸込口51から吸い込まれた外気OAの全量が非熱交換給気風路5Bに供給され、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスして、ヒートポンプの凝縮器として機能させたヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通って加熱されると共に、散水装置61による散水で加湿される。
そして、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通って加熱され、散水装置61で加湿された外気OAは、給気吹出口52からダクト70を通り、給気グリル71から給気SAとして部屋201に給気される。
ここで、加湿暖房モードでは、ヒートポンプ空調機2Aは、ヒートポンプの蒸発器として機能させた第2の熱交換器22に、温度が上げられた室内からの還気RAが通されることで、第2の熱交換器22が暖められ、暖房効率を向上させている。
また、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通された空気(還気RA)は、排気ダクト76Bの風路切替ダンパ78で送風ダクト77への風路が閉じられることで、排気口29から排気ダクト76Bを通り、屋外に排気され、床下204には供給されない。
(4)暖房モードの動作例
暖房モードでは、上述した加湿暖房モードと同様に、図4に示す風路開閉ダンパ57の動作で外気吸込口51を開閉して、外気OAの全量を非熱交換給気風路5Bに供給し、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスさせる。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、上述した加湿暖房モードと同様にヒートポンプを構成して、第1の熱交換器21を凝縮器として機能させると共に、第2の熱交換器22を蒸発器として機能させる。
更に、排気ダクト76Bの風路切替ダンパ78を、図5に一点鎖線で示す位置として、送風ダクト77への風路を閉じる。
以上の状態で、送風ファン部56を作動させると、外気吸込口51から吸い込まれた外気OAの全量が非熱交換給気風路5Bに供給され、熱交換素子3Aの第1の熱交換風路30aをバイパスして、ヒートポンプの凝縮器として機能させたヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通って加熱される。
そして、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通って加熱された外気OAは、給気吹出口52からダクト70を通り、給気グリル71から給気SAとして部屋201に給気される。
ここで、暖房モードでも、ヒートポンプ空調機2Aは、ヒートポンプの蒸発器として機能させた第2の熱交換器22に、温度が上げられた室内からの還気RAが通されることで、第2の熱交換器22が暖められ、暖房効率を向上させている。
また、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通された空気(還気RA)は、排気ダクト76Bの風路切替ダンパ78で送風ダクト77への風路が閉じられることで、排気口29から排気ダクト76Bを通り、屋外に排気され、床下204には供給されない。
1A,1B・・・換気空調装置、2A・・・ヒートポンプ空調機、21・・・第1の熱交換器、22・・・第2の熱交換器、26・・・排気ファン部、28・・・吸込口、29・・・排気口、3A・・・熱交換素子、30a・・・第1の熱交換風路、30b・・・第2の熱交換風路、5A・・・熱交換給気風路、5B・・・非熱交換給気風路、51・・・外気吸込口、52・・・給気吹出口、56・・・送風ファン部、57・・・風路開閉ダンパ、70・・・ダクト、71・・・給気グリル、72・・・吸込グリル、73・・・排気グリル、74・・・ダクト、75・・・外気吸込ダクト、76A,76B・・・排気ダクト、77・・・送風ダクト、78・・・風路切替ダンパ