JP5066960B2 - 浴室換気空調装置 - Google Patents

Description

本発明はヒートポンプを利用して浴室などの換気空調を行う換気空調装置に関する。

従来のヒートポンプを利用した浴室などの換気空調装置としては、浴室以外から取り入れられた空気に対してヒートポンプの一方の熱交換器が放熱（または吸熱）を行い、その空気を浴室内に吹出すとともに、ヒートポンプの他方の熱交換器が浴室から屋外に排出される空気に対して吸熱（または放熱）することで浴室を空調するものがある（例えば特許文献１参照）。

また、ヒートポンプを室外機と室内機に分離し、室外機に設けた熱交換器において外気から吸熱（または放熱）を行い、室内機に設けた熱交換器において浴室の空気に放熱（または吸熱）することで浴室を空調するものがある（例えば特許文献２参照）。
特開２００５−１８０７１２号公報 特開２００２−３４９９３０号公報

以上のようにヒートポンプを利用した浴室などの換気空調装置は、様々な形態のものが提案されている。特許文献１に例示される浴室空調装置は、浴室から屋外に排出される空気から熱を回収して浴室を空調するものだが、換気空調装置においては暖房、乾燥、換気、涼風といった多くの運転モードが存在するが、ヒートポンプを熱源とする場合、それぞれの運転モードによって浴室内の空気の流通経路及び換気空気の流通経路が変化するため、風路を可変にする必要があるのに対して、従来の技術ではそれぞれの風路が独立した構成となっており、風路を切り替えるための構造を設けるためには本体内にそれぞれの風路を連通するための構造を新たに設ける必要があるなどの理由から風路を可変にする手段はとられておらず、このため、暖房以外の風路を構成することができないという課題がある。

また、特許文献２に例示される浴室空調装置は、ヒートポンプを浴室内と屋外に分離して設置しているため暖房を行う風路構成を具現化した場合、暖房もしくは冷房などの１種類の運転状態は実現できるものの、吸熱用熱交換器と放熱用熱交換器が屋内と屋外に分離独立して設置されている関係上、暖房と冷房を組み合わせるなどの運転状態を再現するための風路を構成することは難しく、特に、ヒートポンプ技術の一つの特徴である再熱除湿運転を行う風路構成に切り替えることができなかった。

本発明は上記従来の課題を解決するもであり、本体内に設けた風路切替手段により暖房のみならず、換気や除湿運転など種々の運転モードを切替ながら運転することが可能な浴室換気空調機を提供することを目的としている。

上記目的を達成するために本発明が講じた第一の解決手段は、室内空間、例えば浴室に開口した吸込口から空気を吸込んで前記浴室に開口した吹出口から空気を吹出す循環ファンと、前記吸込口から空気を吸い込んで屋外に排出することで換気を行う換気ファンと、冷媒を圧縮する圧縮機、前記循環ファンにより送風される空気と冷媒を熱交換させる第一熱交換器、冷媒を膨張させる膨張機構、前記換気ファンにより送風される空気と冷媒を熱交換させる第二熱交換器の順に冷媒が循環する冷媒回路を設けた換気空調装置において、前記圧縮機、前記第一熱交換器、前記膨張機構、前記第二熱交換器、前記冷媒回路により構成される冷凍サイクルが本体外装内に一体に設けられるとともに、前記本体外装内が第一熱交換器を収納する第一区画と第二熱交換器を収納する第二区画、その他の構成部品を収納する第三区画に区分され、前記第一区画と前記第二区画を鉛直上下方向に配置され、
前記第二熱交換器は前記換気ファンの吸込側に配設され、
前記吸込口と前記第一区画を連通する第一風路と、前記吸込口と前記第二区画を連通する第二風路と、前記第一区画と前記第二区画を連通する第三風路と、前記第一風路と前記換気ファンを連通する第四風路を備え、
前記第三風路の開閉を行う第一風路切替手段と、前記第一風路の開閉を行う第二風路切替手段と、前記第二風路の開閉を行う第三風路切替手段を備え、前記第一風路切替手段と前記第二風路切替手段は一体に構成され、
前記第二風路切替手段を前記第一風路が開放され前記第三風路が閉止されるように設定されると共に前記第三風路切替手段を開放することで室内の換気を行いながら室内の暖房を行い、
前記第二風路切替手段を前記第一風路が閉止され前記第三風路が開放されるように設定されると共に前記第三風路切替手段を開放することで前記吸込口から吸い込まれた室内の空気は前記第二風路により前記第二区画内の前記第二熱交換器に流入し前記第二熱交換器から流出後前記第三風路を介して前記第一区画内の前記第一熱交換器に流入し通過し前記循環ファンにより前記吹出口から室内に循環供給され室内の除湿を行い、
前記第二風路切替手段を前記第一風路側、前記第三風路側の両者が開放されるように設定されると共に前記第三風路切替手段を閉止し前記吸込口と前記換気ファンを前記第一風路と前記第四風路を介して連通することで前記第二熱交換器を通過することなく室内の換気を行うことを特徴としたものである。

この手段により、空気は第二熱交換器を通過することなく直接屋外へ排出される経路をとるため、換気ファンにおける吸引に必要となる消費電力を抑えることが可能となる。第一熱交換器と第二熱交換器を鉛直多段に構成することが可能となり、従来使用されていなかった熱交換器の上部空間に他の熱交換器を収納することができるようになるため、本体全体を見た場合に、構成部品の中でもっとも大きな容積を占める熱交換器を小さいスペースに設置することが可能となることに加え、両方の熱交換器で風路を共有することが可能となる。これにより本体内での構成部品の容積率が向上し、本体外郭の寸法、特に本体容積を小さくすることが可能となる。

この手段により、風路切替手段の設定を切り替えるだけで換気空調装置の運転モードを変更することが可能となり、使用者の利便性を高めると共に、換気空調装置の使用目的にあわせた運転モードへの切替が可能となる。

この手段により、室内の暖房、室内での衣類乾燥、室内の換気等の目的に応じた運転状態に切り替えることが可能となる。

この手段により、第二熱交換器を通過した空気を第三風路を介して第一熱交換器に通風することが可能となり、第一風路切替手段の開閉動作に伴い、浴室換気空調装置内部での空気の流通経路を変更することが可能となる。これにより、第一風路切替手段を閉の状態にすることで浴室内の暖房を行う暖房運転に、第一風路切替手段を開の状態にすることで第二熱交換器で除湿した後、第一熱交換器で加熱を行うことで再熱除湿を行う再熱除湿運転の二つの運転モードを切り替えて運転を行うことが可能な浴室換気空調装置を得ることができる。

この手段により、再熱除湿運転時に吸込口から第一熱交換器に流入する浴室内空気を遮断することが可能となる。これにより、再熱除湿運転時に除湿されずに浴室内に循環供給される空気の流通経路をなくすことでより乾燥した空気を浴室内に供給することが可能となる。

この手段により、暖房運転時に吸込口から第二熱交換器に流入する浴室内空気を遮断することが可能となり、暖房運手時と再熱除湿時の風路を切り替えて運転することが可能となる。この手段により、暖房運転時に吸込口から第二熱交換器に流入する浴室内空気を遮断することが可能となり、暖房運手時と再熱除湿時の風路を切り替えて運転することが可能となる。

本発明によれば、空気は第二熱交換器を通過することなく直接屋外へ排出される経路をとるため、換気ファンにおける吸引に必要となる消費電力を抑えることが可能となる。本体内風路を風路切替手段により切り替えることで種々の運転モードに対応する風路構成を実現可能な浴室換気空調機を得ることができる。中でも、従来のセパレート型（室内機と室外機を設けるヒートポンプ利用機器）のヒートポンプ利用浴室換気空調装置では実現が難しかった再熱除湿運転を実現することが可能な浴室換気空調装置を得ることができる。

本発明の請求項１記載の発明は、室内空間、例えば浴室に開口した吸込口から空気を吸込んで前記浴室に開口した吹出口から空気を吹出す循環ファンと、前記吸込口から空気を吸い込んで屋外に排出することで換気を行う換気ファンと、冷媒を圧縮する圧縮機、前記循環ファンにより送風される空気と冷媒を熱交換させる第一熱交換器、冷媒を膨張させる膨張機構、前記換気ファンにより送風される空気と冷媒を熱交換させる第二熱交換器の順に冷媒が循環する冷媒回路を設けた換気空調装置において、前記圧縮機、前記第一熱交換器、前記膨張機構、前記第二熱交換器、前記冷媒回路により構成される冷凍サイクルが本体外装内に一体に設けられるとともに、前記本体外装内が第一熱交換器を収納する第一区画と第二熱交換器を収納する第二区画、その他の構成部品を収納する第三区画に区分され、前記第一区画と前記第二区画を鉛直上下方向に配置され、
前記第二熱交換器は前記換気ファンの吸込側に配設され、
前記吸込口と前記第一区画を連通する第一風路と、前記吸込口と前記第二区画を連通する第二風路と、前記第一区画と前記第二区画を連通する第三風路と、前記第一風路と前記換気ファンを連通する第四風路を備え、
前記第三風路の開閉を行う第一風路切替手段と、前記第一風路の開閉を行う第二風路切替手段と、前記第二風路の開閉を行う第三風路切替手段を備え、前記第一風路切替手段と前記第二風路切替手段は一体に構成され、
前記第二風路切替手段を前記第一風路が開放され前記第三風路が閉止されるように設定されると共に前記第三風路切替手段を開放することで室内の換気を行いながら室内の暖房を行い、
前記第二風路切替手段を前記第一風路が閉止され前記第三風路が開放されるように設定されると共に前記第三風路切替手段を開放することで前記吸込口から吸い込まれた室内の空気は前記第二風路により前記第二区画内の前記第二熱交換器に流入し前記第二熱交換器から流出後前記第三風路を介して前記第一区画内の前記第一熱交換器に流入し通過し前記循環ファンにより前記吹出口から室内に循環供給され室内の除湿を行い、
前記第二風路切替手段を前記第一風路側、前記第三風路側の両者が開放されるように設定されると共に前記第三風路切替手段を閉止し前記吸込口と前記換気ファンを前記第一風路と前記第四風路を介して連通することで前記第二熱交換器を通過することなく室内の換気を行うことを特徴としたものであり、この手段により、空気は第二熱交換器を通過することなく直接屋外へ排出される経路をとるため、換気ファンにおける吸引に必要となる消費電力を抑えることが可能となる。第一熱交換器と第二熱交換器を鉛直多段に構成することが可能となり、従来使用されていなかった熱交換器の上部空間に他の熱交換器を収納することができるようになるため、本体全体を見た場合に、構成部品の中でもっとも大きな容積を占める熱交換器を小さいスペースに設置することが可能となることに加え、両方の熱交換器で風路を共有することが可能となり、本体内での構成部品の容積率が向上し、本体外郭の寸法、特に本体容積を小さくすることが可能となる。

また、換気空調装置本体内の風路に少なくとも二箇所以上の風路切替手段を設け、風路切替手段の設定状態を切り替えることで少なくとも２種類以上の運転状態に切替を行うことようにしたものであり、この手段により、風路切替手段の設定を切り替えるだけで換気空調装置の運転モードを変更することが可能となり、使用者の利便性を高めると共に、換気空調装置の使用目的にあわせた運転モードへの切替が可能となる。

また、風路切替手段の設定変更により切替を行う運転状態が室内の換気を行いながら暖房を行う暖房運転、室内の空気の除湿を行う除湿運転、室内の換気を行う換気運転のいずれかとなるように風路切替手段の設定を変更するようにしたものであり、この手段により、室内の暖房、室内での衣類乾燥、室内の換気等の目的に応じた運転状態に切り替えることが可能となる。

また、吸込口から第一熱交換器に連通する第一風路と、吸込口から第二熱交換器に連通する第二風路を設けるとともに、第一熱交換器を収納する第一区画と第二熱交換器を収納する第二区画を連通する第三風路を設け、第一区画と第二区画を仕切るための第一風路切替手段を設けたものであり、この手段により、第二熱交換器を通過した空気を第三風路を介して第一熱交換器に通風することが可能となり、第一風路切替手段の開閉動作に伴い、浴室換気空調装置内部での空気の流通経路を変更することが可能となり、第一風路切替手段を閉の状態にすることで浴室内の暖房を行う暖房運転に、第一風路切替手段を開の状態にすることで第二熱交換器で除湿した後、第一熱交換器で加熱を行うことで再熱除湿を行う再熱除湿運転の二つの運転モードを切り替えて運転を行うことが可能な浴室換気空調装置を得ることができる。

また、第一風路内に吸込口からの空気を閉止するための第二風路切替手段を設けたものであり、この手段により、再熱除湿運転時に吸込口から第一熱交換器に流入する浴室内空気を遮断することが可能となるため、再熱除湿運転時に除湿されずに浴室内に循環供給される空気の流通経路をなくすことでより乾燥した空気を浴室内に供給することが可能となる。

また、第二風路内に吸込口からの空気を閉止するための第三風路切替手段を設けたものであり、この手段により、暖房運転時に吸込口から第二熱交換器に流入する浴室内空気を遮断することが可能となり、暖房運手時と再熱除湿時の風路を切り替えて運転することが可能となるため、暖房運転時に浴室内から屋外へ排出される空気の流通経路をなくし、浴室内からの熱の漏洩をなくすことで浴室内を効率よく暖房することが可能な風路を得ることができる。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

（実施の形態１）
図１は本発明の実施の形態における換気空調装置が設置されている居住空間の見取り図である。図１において、屋内の居住空間１は、室内空間としてのリビング２、浴室３、脱衣室４あるいはトイレ５などに区画されており、浴室３の天井裏には、換気空調装置の本体６が設置されている。この本体６には、本体６と屋外を連通する第一排気ダクト７が接続されている。

また、本体６内には換気ファン８が配設されており、屋外と本体６を連通する第一排気ダクト７は換気ファン８の吹出側に接続されている。したがって、換気ファン８を運転すると、浴室３に設けられた吸込口９から吸引された空気は換気ファン８に吸い込まれ、第一排気ダクト７を通じて屋外に排気される。

そして、換気ファン８を連続運転すると、屋内の居住空間１内が負圧になるため、室内空間としてのリビング２の屋外に面した壁に開口した給気口１０から新鮮な外気が供給されて居住空間１が換気されることになる。この換気運転は建物の機密性が高い場合は連続して行う必要があるため（２４時間換気）、換気ファン８は所定の換気量、例えば一時間で居住空間１の約半分の容積に相当する換気量を確保するように連続運転を行う。

また、リビング２には部屋の温度をコントロールするための空調機１１が設置されており、夏場は冷房運転、冬場は暖房運転を行って室温を適正に保持している。したがって前述したように年間を通じて連続した換気運転を行っていると、リビングにおいては夏場は空調機１１による冷房、冬場は空調機１１による暖房を実施することで所定の温度範囲、例えば２０℃から３０℃にコントロールされた空気がドア１２のガラリやアンダーカット部分を通じて浴室３内に吸い込まれ、換気空調装置の本体６内の換気ファン８を介して屋外に排出されることになる。

図２、図３は、換気空調装置の風路構成図及び冷媒回路図であり、図２に示すように浴室３の天井裏に換気空調装置の本体６が設置されており、本体６の底部に浴室３の天井面に対して吸込口９および吹出口１３を開口するとともに吸込口９に着脱自在に塵埃を捕捉するためのフィルター１４を配設している。また、本体６内部は構造壁により大きく４つの区画に仕切られており、吸込口９と吹出口１３を連通し、本体下部に位置する第一区画１５と、吸込口９と換気ファン８を連通し、本体上部に位置する第二区画１６と、換気ファンを収納し、本体側面部に位置する第三区画１７と、本体側面部に位置し、圧縮機１８を収納する圧縮機区画１９が設けられている。

吸込口９と第一区画１５は第一風路２０により連通されており、吸込口９から吸い込まれた浴室内の空気は第一区画１５内に設けられた循環ファン２１により吹出口１３から吹出される。第一風路２０内には吸込口９と循環ファン２１の連通を開閉するための風路切替手段としての第一ダンパ２２（特許請求の範囲における第二風路切替手段）が設けられており、第一ダンパ２２の開閉を行うことでそれぞれの運転モードに最適な風路に切替を行う。この第一ダンパ２２は第一区画１５と第二区画１６を連通する第三風路２３の開閉を行うダンパ（特許請求の範囲における第一風路切替手段）と一体に構成されており、第一風路２０の閉止を行うと第三風路２３が開放されるように動作する。また、吸込口９と第二区画１６は第二風路２４により連通されており、吸込口９から吸い込まれた浴室３内の空気は第二区画１６に隣接する第三区画１７内の換気ファン８の吸込側に接続されている。さらに、第二風路２４内には吸込口９と換気ファン８の連通を開閉するための風路切替手段としての第二ダンパ２５（特許請求の範囲における第三風路切替手段）が設けられており、それぞれの運転モードにあわせて第一ダンパ、第二ダンパの開閉を切り替えることができる。

第二区画１６の最下部には第二熱交換器２６で発生した結露水を回収するためのドレンパン（図示せず）を設けるのが通常であるが、第二区画１６を第一区画１５の上方に設けることでドレンパンの設置位置を本体の最下面よりも高い位置に配置することが可能となるため、ドレンパンから本体６外部に排水する場合に自然勾配を利用して排水することが可能となり、ドレンポンプなどを収容するスペースを別途設ける必要が無くなる。

また、本体６内部に、冷媒として例えば、ＨＣＦＣ系冷媒（分子中に塩素、水素、フッ素、炭素の各原子を含む）、ＨＦＣ系冷媒（分子中に水素、炭素、フッ素の各原子を含む）、炭化水素、二酸化炭素等の自然冷媒などの何れかを充填した冷媒回路２７を形設しており、この冷媒回路２７中に、冷媒を圧縮する圧縮機１８、供給空気と冷媒とを熱交換させる第一熱交換器２８、冷媒を膨張させる電子式膨張弁からなる膨張機構２９、供給空気と冷媒とを熱交換させる第二熱交換器２６を介設している。

第一熱交換器２８は、第一区画１５内に配設されており、第二熱交換器２６は、第二区画１６に隣接して設けられた第三区画１７内の換気ファン８の吸込側に配設されている。したがって第一熱交換器２８においては循環ファン２１により循環する浴室３の空気に対して冷媒が放熱を行い、第二熱交換器２６においては換気ファン８により屋外に排出される空気に対して冷媒が吸熱を行うことになる。

第一熱交換器２８は第一区画１５内において鉛直方向より若干傾斜して（例えば３０°程度）設置されており、このように傾斜して配置することで本体６内で第一熱交換器２８が締める容積率を向上させ、特に第一区画１５の高さ方向の寸法を小さく抑えることが可能となり、本体６の寸法も小型化することが可能となる。

図４に示すように、第二熱交換器２６は第二区画１６内において２枚の板状の熱交換器をＶ字状に配置し側方より熱交換器面と並行に吸込口９からの流通空気が流入するように設置されている。流入した空気は第二熱交換器２６表面で向きを変え、第二熱交換器２６を通過した後、再び向きを変えて換気ファンに流入する。第二熱交換器２６及びその流入経路をこのように配置することにより、第二区画１６内での第二熱交換器２６の容積率を向上させ、より狭い空間内に容積の大きい熱交換器を配置することが可能となると共に、流入空気の風路を単純化することでより本体６内空間の利用率を向上させることができる。

圧縮機区画１９は第一区画、第二区画と隣接する本体６の側面部に設けられ、鉛直方向に本体６の下端から上端までを貫通するように設けられている。このような配置を取ることによって、圧縮機１８を最小限の空間容積内に収納することができ、本体６の外形寸法を最小化することができ、これにより、本体６を浴室の天井裏等の狭い空間に設置することが可能となる。

次に換気空調装置の運転動作について説明する。図５は各運転パターンにおける各構成要素の動作状態を示す一覧表である。以下、それぞれの運転モードについて詳細に説明する。

まず、暖房運転モードでは、図２に示すように、第一ダンパ２２を第一風路２０側が開放され第三風路側が閉止されるように設定されると共に、第二ダンパ２５を開放することで浴室３内の換気を行いながら浴室内の暖房を行う運転モードである。この場合、吸込口９から吸い込まれた浴室３内空気の一部は第二風路により第二区画１６内の第二熱交換器２６に流入する。第二熱交換器２６を通過する際に、第二熱交換器２６内を流通している冷媒に熱を与え（吸熱）、温度を下げられた状態で隣接する第三区画１７内の換気ファン８により第一排気ダクト７を介して屋外に排気される。この際、屋外に排出される空気の温度は浴室以外の居住空間１の温度よりも低い温度まで下げられた後排気される。これに対し、吸込口９から吸い込まれた残りの浴室３内空気は第一区画１５内の第一熱交換器２８に流入する。第一熱交換器２８を通過する際に、第一熱交換器２８内部を流通する冷媒から熱を与えられ（放熱）、温度を上げられた状態で循環ファン２１により吹出口１３から浴室３内に循環供給される。このように浴室換気暖房運転モードでは屋外に排気される空気から熱を回収し、浴室３内に回収した熱を投入することで浴室３内の暖房を行う運転モードである。このような暖房モードは浴室３内の乾燥もしくは浴室３内に設置された洗濯物の乾燥などの際に選択される運転モードで、暖房と換気を併用することでより迅速に浴室３内の乾燥、もしくは洗濯物の乾燥を行うことができる。

次に除湿運転モードでは図６に示すように、第一ダンパ２２を第一風路２０側が閉止され第三風路側が開放されるように設定されると共に、第二ダンパ２５を開放することで浴室３内の除湿を行う運転モードである。この場合、吸込口９から吸い込まれた浴室３内の空気は第二風路２４により第二区画１６内の第二熱交換器２６に流入する。第二熱交換器２６を通過する際に、第二熱交換器２６内を流通している冷媒に熱を与え（吸熱）、温度を露点温度以下に下げられることによって空気内の水分が結露し、絶対湿度を下げられた状態で第二熱交換器２６から流出する。第二熱交換器２６を流出した空気は第三風路２３を介して第一区画１５内の第一熱交換器２８に流入する。第一熱交換器２８を通過する際に、第一熱交換器２８内部を流通する冷媒から熱を与えられ（放熱）、温度を上げられることで空気の相対湿度が低下する。相対湿度を下げられた空気は循環ファン２１により吹出口１３から浴室内に循環供給される。このように、除湿運転モードでは本体６内に設けた冷媒回路２７を利用し、浴室３内の空気を除湿、昇温することで乾燥空気をつくり浴室３内の乾燥もしくは浴室３内に設置された洗濯物の乾燥などの際に選択される運転モードで、乾燥した空気を浴室３内に供給することでより迅速に浴室３内の乾燥、もしくは洗濯物の乾燥を行うことができる。

次に換気運転モードでは図７に示すように、第一ダンパ２２を第一風路２０側、第三風路側の両者が開放されるように設定されると共に、第二ダンパ２５を閉止することで浴室３内の換気を行う運転モードである。この場合、吸込口９から吸い込まれた浴室３内空気は第一風路２０と換気ファン８を連通する第四風路３０を介して換気ファン８に吸引され第一排気ダクト７を介して屋外に排気される。浴室換気運転モードにおいては空気は第二熱交換器２６を通過することなく直接屋外へ排出される経路をとるため、換気ファン８における吸引に必要となる消費電力を抑えることが可能となる。

以上、説明した構成及び動作により、本実施形態の換気空調装置は浴室３の換気を行う機能と、換気を行いながら浴室３内の暖房を行う機能と、浴室３内を除湿乾燥する機能を有し、換気の際に屋外に漏洩する居住空間１内の熱を回収し再度浴室３内に投入することで熱の利用効率を高めることのできる換気空調装置であり、本体６設置時にも別途、室外機等を設置する必要が無く、施工性に優れると共に多種多様な運転モードに切り替え可能な風路構成をとることが可能となる。

以上説明した内容は、発明を実施するための一形態についてのみ説明したものであり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。

例えば、上記実施の形態では、空調する室内空間を浴室３としたが、空調空間は、居住空間１内において区画された空間であれば良く、上記に限定されるものではない。即ち、空調空間をリビング２などに設定しても良い。

以上のように本発明にかかる浴室換気空調装置は、省スペース化と施工性の向上を図ることができ、また、空調空気の漏洩を低減して熱効率を向上することができるものであり、浴室の換気空調のみならず、リビング、寝室、キッチンあるいは洗面所などの換気空調装置などにも適用することができる。

本発明の実施の形態１の換気空調装置が設置される居住空間の概略図 同換気空調装置の風路構成を示す図（（ａ）同換気空調装置の暖房運転モードにおける概略構成の上面図、（ｂ）同換気空調装置の暖房運転モードにおける概略構成の側面図） 同換気空調装置の冷凍サイクル構成図 同換気空調装置の第二熱交換器の概略配置図 同換気空調装置の各運転モードにおける構成部品の動作状態一覧を示す図 同換気空調装置の除湿運転モードにおける概略構成を示す図（（ａ）同換気空調装置の除湿運転モードにおける概略構成の上面図、（ｂ）同換気空調装置の除湿運転モードにおける概略構成の側面図） 同換気空調装置の換気運転モードにおける概略構成を示す図（（ａ）同換気空調装置の換気運転モードにおける概略構成の上面図、（ｂ）同換気空調装置の換気運転モードにおける概略構成の側面図）

符号の説明

１ 居住空間
２ リビング
３ 浴室
４ 脱衣室
５ トイレ
６ 本体
７ 第一排気ダクト
８ 換気ファン
９ 吸込口
１０ 給気口
１１ 空調機
１２ ドア
１３ 吹出口
１４ フィルター
１５ 第一区画
１６ 第二区画
１７ 第三区画
１８ 圧縮機
１９ 圧縮機区画
２０ 第一風路
２１ 循環ファン
２２ 第一ダンパ
２３ 第三風路
２４ 第二風路
２５ 第二ダンパ
２６ 第二熱交換器
２７ 冷媒回路
２８ 第一熱交換器
２９ 膨張機構

Claims (1)

1. 室内空間に開口した吸込口から空気を吸込んで前記室内空間に開口した吹出口から空気を吹出す循環ファンと、前記吸込口から空気を吸い込んで屋外に排出することで換気を行う換気ファンと、冷媒を圧縮する圧縮機、前記循環ファンにより送風される空気と冷媒を熱交換させる第一熱交換器、冷媒を膨張させる膨張機構、前記換気ファンにより送風される空気と冷媒を熱交換させる第二熱交換器の順に冷媒が循環する冷媒回路を設けた換気空調装置において、前記圧縮機、前記第一熱交換器、前記膨張機構、前記第二熱交換器、前記冷媒回路により構成される冷凍サイクルが本体外装内に一体に設けられるとともに、前記本体外装内が前記第一熱交換器を収納する第一区画と前記第二熱交換器を収納する第二区画に区分され、前記第一区画と前記第二区画が上下方向に配置され、
   前記第二熱交換器は前記換気ファンの吸込側に配設され、
   前記吸込口と前記第一区画を連通する第一風路と、前記吸込口と前記第二区画を連通する第二風路と、前記第一区画と前記第二区画を連通する第三風路と、前記第一風路と前記換気ファンを連通する第四風路を備え、
   前記第三風路の開閉を行う第一風路切替手段と、前記第一風路の開閉を行う第二風路切替手段と、前記第二風路の開閉を行う第三風路切替手段を備え、前記第一風路切替手段と前記第二風路切替手段は一体に構成され、
   前記第二風路切替手段を前記第一風路が開放され前記第三風路が閉止されるように設定されると共に前記第三風路切替手段を開放することで室内の換気を行いながら室内の暖房を行い、
   前記第二風路切替手段を前記第一風路が閉止され前記第三風路が開放されるように設定されると共に前記第三風路切替手段を開放することで前記吸込口から吸い込まれた室内の空気は前記第二風路により前記第二区画内の前記第二熱交換器に流入し前記第二熱交換器から流出後前記第三風路を介して前記第一区画内の前記第一熱交換器に流入し通過し前記循環ファンにより前記吹出口から室内に循環供給され室内の除湿を行い、
   前記第二風路切替手段を前記第一風路側、前記第三風路側の両者が開放されるように設定されると共に前記第三風路切替手段を閉止し前記吸込口と前記換気ファンを前記第一風路と前記第四風路を介して連通することで前記第二熱交換器を通過することなく室内の換気を行うことを特徴とする浴室換気空調装置。

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