以下、図面を参照して本発明の空調装置及び建物の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態の空調装置の構成例>
(1)空調装置の概要
図1は、第1の実施の形態の空調装置1Aの一例を示す構成図である。第1の実施の形態の空調装置1Aは、空気の冷却及び加熱を行う空気調和機としてのヒートポンプ空調機2Aと、ヒートポンプ空調機2Aで調和される空気の温度調整及びヒートポンプ空調機2Aで調和された空気の加湿等を行う熱交換素子3Aを備え、室外の空気を吸入し、空気調和して室内に給気する空調機能を有する。また、空調装置1Aは、室内の空気を吸入して室外に排出する換気機能を有する。
(2)ヒートポンプ空調機の構成例
ヒートポンプ空調機2Aは、冷媒が流れる配管20と、室内に給気する空気と冷媒との間で熱交換を行う第1の熱交換器21と、室外に排出する空気と冷媒との間で熱交換を行う第2の熱交換器22を備える。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、配管20を流れる冷媒を圧縮する圧縮機23と、配管20を流れる冷媒を減圧する膨張弁24と、冷媒の流れる方向を切り替える四方弁25を備える。
(3)熱交換素子の構成例
熱交換素子3Aは、空気が流れる第1の流路30aと、第1の流路30aと隔絶されて空気が流れる第2の流路30bを備え、第1の流路30aを流れる空気と第2の流路30bを流れる空気との間で熱交換が行われる。また、第2の流路30bには後述する吸水部材を備え、第2の流路30bを流れる空気を加湿する。
図2及び図3は、熱交換素子の実施の形態の一例を示す構成図で、図2(a)は、熱交換素子3Aの正面図、図2(b)は、熱交換素子3Aの左側面図、図2(c)は、熱交換素子3Aの右側面図である。また、図3(a)は、熱交換素子3Aの内部構成を示す図2(a)のA−A断面図、図3(b)は、熱交換素子3Aの要部断面図、図3(c)は、熱交換素子3Aの要部斜視図である。
熱交換素子3Aは、第1の流路30aと第2の流路30bが、隔壁31を挟んで交互に積層される。第1の流路30aは、隔壁31の間が流路形成板32aによって仕切られて、複数本の平行な流路が直線状に形成される。
また、第2の流路30bは、隔壁31の間が流路形成板32bによって仕切られて、複数本の平行な流路が、ここでは第1の流路30aと平行な向きで直線状に形成される。
隔壁31及び流路形成板32a,32bは、例えば、アルミニウムや銅等の金属素材で構成される。なお、第1の流路30aを構成する流路形成板32aは、撥水性塗装を施して、水分を容易に乾燥させる構成とすると良い。
これに対して、第2の流路30bを構成する流路形成板32bは、流路に面して吸水部材33を備える。吸水部材33は、例えば、紙、布、不織布等の多孔性の吸水素材で構成され、供給された水分を保持する。
これにより、吸水部材33に水分を供給すると、第2の流路30bを流れる空気が加湿される。なお、吸水部材33を乾燥させた状態とすれば、第2の流路30bを流れる空気は加湿されない。
熱交換素子3Aは、流路形成板32aに複数のスリット34aを備えると共に、流路形成板32bに複数のスリット34bを備える。スリット34aは、流路形成板32aを貫通して形成され、上下方向に並ぶ複数本の第1の流路30aを、スリット34aを介して連通させる。同様に、スリット34bは、流路形成板32bを貫通して形成され、上下方向に並ぶ複数本の第2の流路30bを、スリット34bを介して連通させる。
熱交換素子3Aは、第1の流路30aの吸込口35aと第2の流路30bの吹出口36bを一方の端部側に備えると共に、第1の流路30aの吹出口36aと第2の流路30bの吸込口35bを他方の端部側に備える。
第1の流路30aの吸込口35aと、第2の流路30bの吹出口36bは、熱交換素子3Aの一方の端部に、本例では上下方向に分かれて構成される。吸込口35aが形成される面は、第1の流路30aと対向する部位は開口し、第2の流路30bと対向する部位は塞がれて、吸込口35aと第1の流路30aが連通する。
また、吹出口36bが形成される面は、第2の流路30bと対向する部位は開口し、第1の流路30aと対向する部位は塞がれて、吹出口36bと第2の流路30bが連通する。
第1の流路30aの吹出口36aと、第2の流路30bの吸込口35bは、熱交換素子3Aの他方の端部に、本例では上下方向に分かれて構成される。吹出口36aが形成される面は、第1の流路30aと対向する部位は開口し、第2の流路30bと対向する部位は塞がれて、吹出口36aと第1の流路30aが連通する。
また、吸込口35bが形成される面は、第2の流路30bと対向する部位は開口し、第1の流路30aと対向する部位は塞がれて、吸込口35bと第2の流路30bが連通する。
これにより、熱交換素子3Aは、吸込口35aから吸い込まれた空気が、第1の流路30aを通って吹出口36aから吹き出す。また、吸込口35bから吸い込まれた空気が、第2の流路30bを通って吹出口36bから吹き出す。
熱交換素子3Aでは、第1の流路30aを流れる空気と第2の流路30bを流れる空気が対向流となり、第1の流路30aと第2の流路30bが隔壁31で仕切られていることで、第1の流路30aを流れる空気と第2の流路30bを流れる空気との間で熱交換が行われる。
このように、熱交換される空気の流れを対向流とすることで、熱交換効率が向上する。また、流路形成板にスリットを備えることで、第2の流路30bでは、流路全体に確実に水分が供給されると共に、空気の流れに乱流が発生して、熱交換効率が向上する。
なお、熱交換素子3Aの一端側で、吸込口35aと吹出口36bが上下に分かれていることで、第1の流路30aに吸い込まれる空気と第2の流路30bから吹き出す空気は混合しない。
同様に、熱交換素子3Aの他端側で、吹出口36aと吸込口35bが上下に分かれていることで、第1の流路30aから吹き出す空気と第2の流路30bに吸い込まれる空気は混合しない。
(4)空気の流路の構成例
図1に戻り、空調装置1Aは、室内に連通した第1の吸気口41から還気RAとして吸入した室内の空気を、室外に連通した排気口42から排気EAとして排出する流路を形成する内気排出経路4を備える。
また、室外に連通した第2の吸気口51から吸入した外気OAを、室内に連通した給気口52から給気SAとして給気する流路を形成する外気導入経路5を備える。
内気排出経路4は、第1の吸気口41から空気を吸入して、排気口42から排出する空気の流れを発生させる内気排出ファン43を備える。また、内気排出経路4は、空気を清浄する複数のフィルタを備える。
例えば、内気排出経路4は、第1の吸気口41にフィルタ44aを備える。また、内気排出経路4は、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通るため、第2の熱交換器22の上流にもフィルタ44bを備える。
外気導入経路5は、第2の吸気口51から空気を吸入して、給気口52から給気する空気の流れを発生させる外気導入ファン53を備える。また、外気導入経路5は、空気を清浄する複数のフィルタを備える。
例えば、外気導入経路5は、第2の吸気口51にフィルタ54aを備えると共に、給気口52にフィルタ54bを備える。
空調装置1Aは、外気導入経路5の途中に上述した熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aを備える。
すなわち、空調装置1Aは、外気導入経路5から分岐した空調前経路55aと、空調前経路55aより下流で外気導入経路5に合流する空調後経路55bを備える。
空調前経路55aは、熱交換経路55cを構成する熱交換素子3Aの第1の流路30aの吸込側と連通し、空調後経路55bは、熱交換経路55cを構成する熱交換素子3Aの第2の流路30bの吹出側と連通する。
熱交換素子3Aの第1の流路30aの吹出側は、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通る空調経路55dと連通し、空調経路55dは、熱交換素子3Aの第2の流路30bの吸込側と連通する。
これにより、熱交換経路55cは、空調前経路55aから熱交換素子3Aの第1の流路30aを通り、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通る空調経路55dを通り、熱交換素子3Aに戻り第1の流路30aと隔絶された第2の流路30bを通って、空調後経路55bに連通する。
従って、ヒートポンプ空調機2Aは、熱交換素子3Aの第1の流路30aの下流側で、かつ、第2の流路30bの上流側に配置される。
更に、空調装置1Aは、熱交換素子3Aをバイパスする熱交換バイパス経路56aと、熱交換素子3Aとヒートポンプ空調機2Aをバイパスする空調バイパス経路56bを備える。
熱交換バイパス経路56aは、熱交換素子3Aの第1の流路30aより上流側で空調前経路55aから分岐し、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21の上流側で空調経路55dと連通する。これにより、熱交換バイパス経路56aは、熱交換経路55cを構成する熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスする。
空調バイパス経路56bは、熱交換素子3Aの第1の流路30aの上流側と第2の流路30bの下流側で空調前経路55aと空調後経路55bを連通する。これにより、空調バイパス経路56bは、熱交換経路55cと空調経路55dをバイパスする。
空調装置1Aは、第2の吸気口51から吸入した外気OAの一部を、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22の冷却に用いるための流路を形成する外気還気経路57aを備える。
外気還気経路57aは、熱交換素子3Aより上流側で外気導入経路5から分岐し、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22より上流側で内気排出経路4に合流して、外気導入経路5を内気排出経路4に連通させる。
また、空調装置1Aは、第1の吸気口41から吸入した還気RAの一部を外気OAと混合して、熱交換素子3Aで熱交換される前の外気OAの温度調整に用いるための流路を形成する循環経路57bを備える。
循環経路57bは、第1の吸気口41より下流側で内気排出経路4から分岐し、熱交換素子3Aの上流側となる空調前経路55aより上流側で外気導入経路5と合流して、内気排出経路4を外気導入経路5に連通させる。
更に、空調装置1Aは、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aを通した外気OAを、給気口52から室内に給気せずに、室外へ排出するための流路を形成する還気経路57cを備える。
還気経路57cは、熱交換素子3Aの下流側となる空調後経路55bより下流側で外気導入経路5から分岐し、内気排出経路4と合流して、外気導入経路5を内気排出経路4に連通させる。
空調装置1Aは、外気OAを外気還気経路57aに供給するか否かの切り替えと、外気導入経路5と外気還気経路57aとの間における分配比等を調整する流路切替ダンパ58aを備える。
また、空調装置1Aは、外気OAあるいは外気OAと還気RAの混合空気を空調前経路55aに供給するか空調バイパス経路56bに供給するかの切り替えと、空調前経路55aと空調バイパス経路56bとの間における分配比等を調整する流路切替ダンパ58bを備える。
更に、空調装置1Aは、外気OAあるいは外気OAと還気RAの混合空気を熱交換経路55cに供給するか熱交換バイパス経路56aに供給するか等を切り替える流路切替ダンパ58cを備える。
また、空調装置1Aは、外気OAあるいは外気OAと還気RAの混合空気を還気経路57cに供給するか否か等を切り替える流路切替ダンパ58dを備える。
更に、空調装置1Aは、還気RAを循環経路57bに供給するか否かの切り替えと、内気排出経路4と循環経路57bとの間における分配比等を調整する流路切替ダンパ58eを備える。
(5)給排水の構成例
空調装置1Aは、熱交換素子3Aに水あるいは洗浄液等を供給する第1の散水装置61aと、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21に洗浄液等を供給する第2の散水装置61bを備える。
また、空調装置1Aは、第1の散水装置61a及び第2の散水装置61bと図示しない給水配管を接続する給水経路62と、殺菌剤や脱スケール剤等の洗浄液を吐出する洗浄液供給機としてのディスペンサ63と、ディスペンサ63と給水経路62を接続する洗浄液供給経路64を備える。
空調装置1Aでは、給水経路62を介して第1の散水装置61aで熱交換素子3Aに水が供給されると、図3に示す第2の流路30bの吸水部材33が湿潤した状態となって、第2の流路30bを流れる空気が加湿される。
また、空調装置1Aでは、ディスペンサ63から洗浄液を吐出し、洗浄液供給経路64及び給水経路62を介して第1の散水装置61aで熱交換素子3Aに洗浄液等が供給されると、室内へ給気される空気が通り結露が生じやすい第1の流路30aと第2の流路30bが洗浄される。
このように、第1の散水装置61aは、熱交換素子3Aの第1の流路30aと第2の流路30bに水あるいは洗浄液を供給するため、例えば、図2に示す第1の流路30aの吸込口35aと、第2の流路30bの吸込口35bの上方に散水ノズル等を備える。
なお、熱交換素子3Aにおいて、図3に示す吸水部材33のみに水を供給できるようにするため、散水するノズルを切り替えられるようにしても良いし、吸水部材33に散水するノズルを別に備えても良い。
空調装置1Aでは、ディスペンサ63から洗浄液を吐出し、洗浄液供給経路64及び給水経路62を介して第2の散水装置61bでヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21に洗浄液等が供給されると、室内へ給気される空気が通り結露が生じやすい第1の熱交換器21が洗浄される。
このように、第2の散水装置61bは、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21の空気が通る部分の全体に洗浄液を供給するため、例えば、第1の熱交換器21の上方に散水ノズル等を備える。
ここで、ディスペンサ63に加えて、洗浄液供給経路64に図示しない他のディスペンサを備え、スケール付着抑制剤や銀イオン(Ag+)、銅イオン(Cu2+)等の金属イオンを供給できるようにして、スケール付着やカビの発生等を抑制するようにしても良い。
空調装置1Aは、熱交換素子3Aの下方とヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21の下方に回収装置として第1のドレンパン65aを備える。第1のドレンパン65aは、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21で発生した結露水を捕集する。また、第1のドレンパン65aは、熱交換素子3Aに供給した水の余剰分を捕集する。更に、第1のドレンパン65aは、熱交換素子3Aと第1の熱交換器21に供給した洗浄液の余剰分を捕集する。
空調装置1Aは、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22の下方に回収装置として第2のドレンパン65bを備える。第2のドレンパン65bは、第2の熱交換器22で発生した結露水を捕集する。
空調装置1Aは、各ドレンパンで捕集した水分を排水するため、第1のドレンパン65aで捕集された水を排水する第1の排水経路66aと、第2のドレンパン65bで捕集された水を排水する第2の排水経路66bと、第1の排水経路66aと第2の排水経路66bを接続して、室外に連通した第3の排水経路66cを備える。
<他の実施の形態の空調装置の構成例>
図4は、第2の実施の形態の空調装置1Bの一例を示す構成図である。ここで、第2の実施の形態の空調装置1Bにおいて、第1の実施の形態の空調装置1Aと同じ構成の部位については、同じ番号を付して説明する。
第2の実施の形態の空調装置1Bは、外気OAを吸入し、ヒートポンプ空調機2Aと熱交換素子3Aの作用で空気調和して給気SAとして室内に給気する空調機能を有すると共に、室内の空気を還気RAとして吸入して、排気EAとして室外に排出する換気機能を有する。
そして、空調装置1Bは、外気OAと還気RAとの間で熱交換を行う熱交換素子7を備えて、空気調和前の外気OAを、室内からの還気RAの温度に近づけて、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aに導入する。
熱交換素子7は排熱回収熱交換素子の一例で、空気が流れる第1の流路70aと、第1の流路70aと隔絶されて空気が流れる第2の流路70bを備え、第1の流路70aを流れる空気と第2の流路70bを流れる空気との間で熱交換が行われる。熱交換素子7は、第1の流路70aと第2の流路70bで空気の流れる方向が直交した直交型等と称されるものである。
熱交換素子7の第1の流路70aは、熱交換素子3Aより上流側で外気導入経路5と連通し、熱交換素子7の第2の流路70bは、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22より上流側で内気排出経路4と連通する。
これにより、内気排出ファン43を作動させて室内からの還気RAを吸入すると共に、外気導入ファン53を作動させて室外から外気OAを吸入すると、外気OAと還気RAが熱交換素子7を通り、空気調和前の外気OAと、室内からの還気RAとの間で熱交換が行われる。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bにおいて、内気排出経路4と外気導入経路5の他の構成は、第1の実施の形態の空調装置1Aと同じで良い。また、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aの構成及び給排水の構成も、第1の実施の形態の空調装置1Aと同じで良い。
ここで、空調装置1A,1Bは、空気の流れが対向流の熱交換素子3Aを備える構成としたが、直交型の熱交換素子を備える構成としても良い。
また、空気の給気経路にイオン発生器を備え、正イオンと負イオンを含むイオンを供給できるようにして、被空調空間や給気経路等の除菌を行えるような構成としても良い。
<各実施の形態の空調装置の動作例>
(1)空調装置の制御の概要
第1の実施の形態の空調装置1A及び第2の実施の形態の空調装置1Bは、熱交換素子3Aの作用とヒートポンプ空調機2Aの作用で、室内を除湿(冷房)しながら換気を行う除湿換気モードと、熱交換素子3Aとヒートポンプ空調機2Aの作用で、室内を加湿しながら暖房を行う加湿暖房モードが実行される。
また、空調装置1A,1Bは、ヒートポンプ空調機2Aの作用で室内の暖房を行う暖房モードと、ヒートポンプ空調機2Aの作用で室内の冷房を行う冷房モードと、室内の換気を行う換気モードが実行される。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bは、外気OAと還気RAとの間で熱交換を行って換気を行うことができる構成であり、常時換気を行う24時間換気装置に、熱交換素子3Aとヒートポンプ空調機2Aによる空調機能を付加した装置として好適である。
これら各運転モードでは、風量の調整等によって冷暖房や換気能力を切り替えることが可能で、例えば「強」と「弱」の2段階に切り替えが可能である。
更に、空調装置1A,1Bは、熱交換素子3Aとヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21の洗浄を行う洗浄・乾燥モードが実行される。
(2)除湿換気モードの動作例
図5は、空調装置1Aで除湿(冷房)能力を「弱」として除湿換気モードを実行した際の空気の流れを示す動作説明図である。なお、以下に示す各動作説明図において、×印は、経路が閉じられている状態を示す。また、各経路を通る空気の流量値は一例である。
除湿換気モードの弱運転では、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路と外気還気経路57aへの流路を開き、開度を調整して、外気OAの所定量を外気還気経路57aに分配する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、外気OAの全量を空調前経路55aに供給する。
更に、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は開くと共に熱交換バイパス経路56aへの流路は閉じ、外気OAの全量を熱交換経路55cに供給する。
また、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、空気調和された外気OAの全量を給気口52から給気する。
更に、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路は開くと共に循環経路57bへの流路は閉じ、還気RAの全量を内気排出経路4に供給する。
除湿換気モードの弱運転では、熱交換素子3Aへの給水は行わない。これにより、図3に示す吸水部材33は、乾燥した状態である。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を作動させ、四方弁25により矢印で示す方向に冷媒を流して冷凍サイクルを構成し、第1の熱交換器21を蒸発器として機能させ、蒸発器による冷媒の吸熱作用で外気OAの冷却を行う。このとき、第2の熱交換器22は凝縮器として機能し、還気RAを利用して冷媒を冷却して液化させている。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、所定量の外気OAが外気導入経路5から熱交換経路55cへ供給される。
熱交換経路55cでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aを外気OAが通り、第1の流路30aを通った外気OAがヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通る。そして、冷凍サイクルの蒸発器として機能している第1の熱交換器21を通った外気OAが、熱交換素子3Aに戻り第2の流路30bを通る。
熱交換素子3Aの第2の流路30bは乾燥させた状態であり、外気OAは、熱交換素子3Aを通ることで、ヒートポンプ空調機2Aで冷却された空気との間で熱交換されて、温度が下げられる。
また、ヒートポンプ空調機2Aで冷却される空気は、熱交換素子3Aで熱交換されて温度が下げられた外気OAである。このとき、熱交換素子3Aの第1の流路30aを通る外気OAと、第2の流路30bを通る冷却された外気OAとの温度差に応じて、第1の流路30aを通る外気OA中の水分が結露して除湿が行われる。これにより、除湿換気モードでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aは、除湿流路として機能する。
更に、外気OAは、冷凍サイクルの蒸発器として機能している第1の熱交換器21を通ることで水分が結露して除湿される。このとき、外気OAは第1の熱交換器21への導入前に温度が下げられていることから相対湿度が上昇しており、ヒートポンプ空調機2Aによる冷却能力を上げることなく、すなわち、消費電力を増加させることなく除湿量を増加させて、夏季では高温中湿の外気OAを、必要以上の温度低下を抑えた中温低湿の空気とする。
そして、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aを通って中温低湿となった外気OAは、給気SAとして給気口52から室内に給気される。
なお、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21で発生した結露水は第1のドレンパン65aで捕集され、第1の排水経路66aと第3の排水経路66cを介して室外へ排水される。
除湿換気モードでは、内気排出ファン43を作動させて除湿動作に換気を連動させている。すなわち、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入される。第1の吸気口41から吸入された還気RAは、外気還気経路57aへ分配された一部の外気OAと混合し、冷凍サイクルの凝縮器として機能している第2の熱交換器22を通って、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。このとき、夏季では空気調和されて温度が下げられている還気RAを、凝縮器として機能している第2の熱交換器22を通すことで、冷媒の冷却効率を向上させることが可能となる。
除湿換気モードの弱運転では、以上の動作により、給排気による室内の換気を行いながら、室内を冷やし過ぎることなく、室内の除湿が可能となり、室内の相対湿度を低下させて、夏季等に涼しさを得られるようにすることができる。
また、熱交換素子3Aとヒートポンプ空調機2Aの作用で除湿を行って、第1のドレンパン65aで結露水を捕集することで、給気口52での結露の発生を防ぐことができる。そして、除湿量を増やしても空気の再加熱の必要がないので、ヒータ等が不要であり、装置構成の複雑化を防ぐことができる。
なお、第2の実施の空調装置1Bで除湿換気モードの弱運転を行った場合、空気調和前の外気OAが、熱交換素子7で還気RAと熱交換されるため、夏季では、還気RAの温度に応じて温度が下げられた外気OAが、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aに導入される。これにより、第2の実施の形態の空調装置1Bでは、ヒートポンプ空調機2Aによる冷却能力を下げて消費電力を低下させた状態でも、除湿量を増加させて、夏季では高温中湿の外気OAを、必要以上の温度低下を抑えた中温低湿の空気とすることができる。
図6は、空調装置1Aで除湿(冷房)能力を「強」として除湿換気モードを実行した際の空気の流れを示す動作説明図である。
除湿換気モードの強運転では、還気RAの一部を循環させ、除湿して室内に戻すことで、所望の除湿を短時間で行えるようにする。
すなわち、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路と循環経路57bへの流路を開き、開度を調整して、還気RAの所定量を外気導入経路5に分配する。
他の構成要素の状態は、除湿換気モードの弱運転の場合と同じであり、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路と外気還気経路57aへの流路を開き、開度を調整して、外気OAの所定量を外気還気経路57aに分配する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を空調前経路55aに供給する。
更に、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は開くと共に熱交換バイパス経路56aへの流路は閉じ、外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を熱交換経路55cに供給する。
また、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、空気調和された外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を給気口52から給気する。
除湿換気モードの強運転でも、熱交換素子3Aへの給水は行わない。これにより、図3に示す吸水部材33は、乾燥した状態である。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を作動させ、四方弁25により矢印で示す方向に冷媒を流して冷凍サイクルを構成し、第1の熱交換器21を蒸発器として機能させ、蒸発器による冷媒の吸熱作用で外気OAと所定量の還気RAの混合空気の冷却を行う。このとき、第2の熱交換器22は凝縮器として機能する。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、所定量の外気OAが外気導入経路5から熱交換経路55cへ供給される。
また、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入され、所定量の還気RAが循環経路57bから外気導入経路5へ導入されて外気OAと混合され、熱交換経路55cへ供給される。
熱交換経路55cでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aを所定量の外気OAと還気RAの混合空気が通り、第1の流路30aを通った外気OAと還気RAの混合空気がヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通る。そして、冷凍サイクルの蒸発器として機能している第1の熱交換器21を通った外気OAと還気RAの混合空気が、熱交換素子3Aに戻り第2の流路30bを通る。
熱交換素子3Aの第2の流路30bは乾燥させた状態であり、外気OAと還気RAの混合空気は、熱交換素子3Aを通ることで、ヒートポンプ空調機2Aで冷却された空気との間で熱交換されて、温度が下げられる。
また、ヒートポンプ空調機2Aで冷却される空気は、空気調和されている還気RAと混合することで温度が下げられ、かつ、熱交換素子3Aで熱交換されて温度が下げられた外気OAと還気RAの混合空気である。
このとき、熱交換素子3Aの第1の流路30aを通る外気OAと還気RAの混合空気と、第2の流路30bを通る冷却された外気OAと還気RAの混合空気との温度差に応じて、第1の流路30aを通る外気OAと還気RAの混合空気中の水分が結露して除湿が行われる。これにより、熱交換素子3Aの第1の流路30aは、除湿流路として機能する。
更に、外気OAと還気RAの混合空気は、冷凍サイクルの蒸発器として機能している第1の熱交換器21を通ることで水分が結露して除湿される。このとき、外気OAと還気RAの混合空気は、第1の熱交換器21への導入前に温度が下げられていることから相対湿度が上昇しており、ヒートポンプ空調機2Aによる冷却能力を上げることなく、すなわち、消費電力を増加させることなく除湿量を増加させて、高温中湿の外気OAを、必要以上の温度低下を抑えた中温低湿の空気とする。
そして、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aを通って中温低湿となった外気OAと還気RAの混合空気は、給気SAとして給気口52から室内に給気される。
なお、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21で発生した結露水は第1のドレンパン65aで捕集されて室外へ排水される。
除湿換気モードの強運転では、内気排出ファン43を作動させることで、第1の吸気口41から吸入された還気RAの一部は、外気還気経路57aへ分配された一部の外気OAと混合し、冷凍サイクルの凝縮器として機能している第2の熱交換器22を通って、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。このとき、空気調和されて温度が下げられている還気RAを、凝縮器として機能している第2の熱交換器22を通すことで、冷媒の冷却効率を向上させることが可能となる。
除湿換気モードの強運転では、以上の動作により、除湿換気モードの弱運転時と同様に、給排気による室内の換気を行いながら、室内を冷やし過ぎることなく、室内の除湿が可能となる。また、熱交換素子3Aとヒートポンプ空調機2Aの作用で除湿を行って、第1のドレンパン65aで結露水を捕集することで、給気口52での結露の発生を防ぐことができる。
更に、還気RAの一部を循環させ、除湿して室内に戻すことで換気風量を増加させ、所定の広さを持つ空間の除湿を短時間で行うことができる。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bで除湿換気モードの強運転を行った場合でも、夏季では、還気RAの温度に応じて温度が下げられた外気OAと還気RAとの混合空気が熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aに導入されるため、ヒートポンプ空調機2Aの冷却能力を下げた状態で、所望の除湿換気が可能となる。
ここで、除湿換気モードでは、除湿を行いながら換気を行っているため、所定時間で室内(建物内)の空気を入れ替えられるように換気風量を設定すれば、常時換気を行う24時間換気運転が可能となり、24時間換気を行いながら、室温を下げ過ぎることなく除湿を行って、外気が高温多湿の夏季に、室内の温度や湿度を上げることなく室内を快適な環境に保つことができる。
図7は、絶対湿度と除湿量の関係を示すグラフで、グラフG1は、熱交換素子3Aとヒートポンプ空調機2Aを併用した本実施の形態の空調装置1Aにおける除湿量を示す。グラフG2は、比較例として、ヒートポンプ空調機のみで除湿を行った場合の除湿量を示す。
また、表1は、熱交換素子3Aとヒートポンプ空調機2Aを併用して除湿を行った場合と、ヒートポンプ空調機のみで除湿を行った場合の除湿量の比を示す。
以上の図7および表1に示すように、熱交換素子3Aとヒートポンプ空調機2Aを併用して除湿を行った場合、ヒートポンプ空調機のみで除湿を行った場合と比較して、除湿量が増加していることが判る。
(3)加湿暖房モードの動作例
図8は、空調装置1Aで暖房能力を「弱」として加湿暖房モードを実行した際の空気の流れを示す動作説明図である。
加湿暖房モードの弱運転では、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路と外気還気経路57aへの流路を開き、開度を調整して、外気OAの所定量を外気還気経路57aに分配する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、かつ、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は閉じると共に熱交換バイパス経路56aへの流路は開いて、外気OAの全量を空調経路55dに供給する。
更に、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、空気調和された外気OAの全量を給気口52から給気する。
また、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路は開くと共に循環経路57bへの流路は閉じ、還気RAの全量を内気排出経路4に供給する。
加湿暖房モードの弱運転では、給水経路62を介して第1の散水装置61aにより熱交換素子3Aへの給水を行う。これにより、図3に示す吸水部材33は、湿潤した状態である。なお、図示しないバルブを閉じる等により、同じ給水経路62に接続されている第2の散水装置61bからの第1の熱交換器21への給水は行わない。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を作動させ、四方弁25により矢印で示す方向に冷媒を流してヒートポンプを構成し、第1の熱交換器21を凝縮器として機能させ、凝縮器による冷媒の放熱作用で外気OAの加熱を行う。このとき、第2の熱交換器22は蒸発器として機能し、還気RAと外気OAの一部を利用して冷媒を気化させている。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、所定量の外気OAが外気導入経路5から熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスして空調経路55dへ供給される。
空調経路55dへ供給された外気OAは、ヒートポンプの凝縮器として機能しているヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通ることで加熱され、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る。
熱交換素子3Aの第2の流路30bは、図3に示す吸水部材33が湿潤した状態であることから、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る加熱された外気OAは加湿される。これにより、加湿暖房モードでは、熱交換素子3Aの第2の流路30bは、加湿流路として機能する。
ここで、加湿暖房モードでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスすることで、冬季では温度が低い外気OAと、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された空気との間で熱交換が行われない。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された外気OAの温度低下を防ぎ、低温低湿の外気OAを、中温高湿の空気とする。
そして、ヒートポンプ空調機2A及び熱交換素子3Aを通って中温高湿となった外気OAは、給気SAとして給気口52から室内に給気される。
なお、熱交換素子3Aに供給された水の余剰分は、第1のドレンパン65aで捕集され、第1の排水経路66aと第3の排水経路66cを介して室外へ排水される。
加湿暖房モードでは、内気排出ファン43を作動させて加湿暖房動作に換気を連動させても良い。すなわち、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入される。第1の吸気口41から吸入された還気RAは、外気還気経路57aへ分配された一部の外気OAと混合し、ヒートポンプの蒸発器として機能している第2の熱交換器22を通って、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。このとき、冬季では、空気調和されて温度が上げられている還気RAを、蒸発器として機能している第2の熱交換器22を通すことで、霜の発生を防ぐ。なお、第2の熱交換器22で発生した結露水は、第2のドレンパン65bで捕集され、第2の排水経路66bと第3の排水経路66cを介して室外へ排水される。
加湿暖房モードの弱運転では、以上の動作により、室内の温度を所定の温度に制御しながら、室内の加湿が可能となり、別の加湿装置を設置することなく、室内の過乾燥を防ぐことができる。よって、冬季だけでなく、冬季以外の春季や秋季に空調装置1Aを使用して、室内の加湿を行うことができる。また、給排気による室内の換気と連動させることも可能である。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bで加湿暖房モードの弱運転を行った場合、空気調和前の外気OAが、熱交換素子7で還気RAと熱交換されるため、冬季では、還気RAの温度に応じて温度が上げられた外気OAが、ヒートポンプ空調機2A及び熱交換素子3Aに導入される。これにより、ヒートポンプ空調機2Aの暖房能力を下げても、所望の加湿暖房が可能となり、消費電力を抑えることができる。
図9は、空調装置1Aで暖房能力を「強」として加湿暖房モードを実行した際の空気の流れを示す動作説明図である。
加湿暖房モードの強運転では、還気RAの一部を循環させ、加湿暖房して室内に戻すことで、暖房を短時間で行えるようにする。
すなわち、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路と循環経路57bへの流路を開き、開度を調整して、還気RAの所定量を外気導入経路5に分配する。
他の構成要素の状態は、加湿暖房モードの弱運転の場合と同じであり、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路と外気還気経路57aへの流路を開き、開度を調整して、外気OAの所定量を外気還気経路57aに分配する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、かつ、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は閉じると共に熱交換バイパス経路56aへの流路は開いて、外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を空調経路55dに供給する。
更に、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、空気調和された外気OAと還気RAの混合空気の全量を給気口52から給気する。
加湿暖房モードの強運転でも、給水経路62を介して第1の散水装置61aにより熱交換素子3Aへの給水を行う。これにより、図3に示す吸水部材33は、湿潤した状態である。なお、第1の熱交換器21への給水は行わない。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を作動させ、四方弁25により矢印で示す方向に冷媒を流してヒートポンプを構成し、第1の熱交換器21を凝縮器として機能させ、凝縮器による冷媒の放熱作用で外気OAと還気RAの混合空気の加熱を行う。このとき、第2の熱交換器22は蒸発器として機能する。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、所定量の外気OAが外気導入経路5から熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスして空調経路55dへ供給される。
また、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入され、所定量の還気RAが循環経路57bから外気導入経路5へ導入されて外気OAと混合され、熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスして空調経路55dへ供給される。
空調経路55dへ供給された外気OAと還気RAの混合空気は、ヒートポンプの凝縮器として機能しているヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通ることで加熱され、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る。
熱交換素子3Aの第2の流路30bは、図3に示す吸水部材33が湿潤した状態であることから、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る加熱された外気OAと還気RAの混合空気は加湿される。これにより、熱交換素子3Aの第2の流路30bは加湿流路として機能する。
ここで、加湿暖房モードでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスすることで、冬季では温度が低い外気OAと、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された空気との間で熱交換が行われない。
また、加湿暖房モードの強運転では、還気RAを循環させて外気OAと混合させていることで、冬季では、空気調和されて暖められている還気RAが外気OAに混合されて、外気OAが温められる。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された外気OAと還気RAの混合空気の温度低下を防ぎ、低温低湿の外気OAを、中温高湿の空気とする。
そして、ヒートポンプ空調機2A及び熱交換素子3Aを通って中温高湿となった外気OAと還気RAの混合空気は、給気SAとして給気口52から室内に給気される。
なお、熱交換素子3Aに供給された水の余剰分は、第1のドレンパン65aで捕集されて室外へ排水される。
加湿暖房モードの強運転では、内気排出ファン43を作動させることで、第1の吸気口41から吸入された還気RAの一部は、外気還気経路57aへ分配された一部の外気OAと混合し、ヒートポンプの蒸発器として機能している第2の熱交換器22を通って、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。このとき、冬季では、空気調和されて温度が上げられている還気RAを、蒸発器として機能している第2の熱交換器22を通すことで、霜の発生を防ぐ。なお、第2の熱交換器22で発生した結露水は、第2のドレンパン65bで捕集されて室外へ排水される。
加湿暖房モードの強運転では、以上の動作により、加湿暖房モードの弱運転時と同様に、室内の温度を所定の温度に制御しながら、室内の加湿が可能となる。
また、還気RAの一部を循環させ、加湿暖房して室内に戻すことで換気風量を増加させ、所定の広さを持つ空間の暖房を短時間で行うことができる。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bで加湿暖房モードの強運転を行った場合でも、冬季では、還気RAの温度に応じて温度が上げられた外気OAと還気RAとの混合空気がヒートポンプ空調機2A及び熱交換素子3Aに導入されるため、ヒートポンプ空調機2Aの暖房能力を下げた状態で、所望の加湿暖房が可能となる。
以上説明した加湿暖房モードでは、洗浄液供給経路64に備えた図示しない他のディスペンサからスケール付着抑制剤や銀イオン(Ag+)、銅イオン(Cu2+)等の金属イオンを熱交換素子3Aに供給することで、スケール付着やカビの発生等を抑制して、室内に臭気が給気されることを抑制することができる。
ここで、加湿暖房モードでは、加湿暖房を行いながら換気を行っているため、所定時間で室内(建物内)の空気を入れ替えられるように換気風量を設定すれば、常時換気を行う24時間換気運転が可能となり、24時間換気を行いながら加湿を行うことで、外気が低温低湿の冬季に、室内の温度や湿度を低下させることなく空気調和が可能である。
(4)暖房モードの動作例
図10は、空調装置1Aで暖房能力を「弱」として暖房モードを実行した際の空気の流れを示す動作説明図である。
暖房モードの弱運転では、各ダンパの開閉状態は加湿暖房モードの弱運転時と同じであり、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路と外気還気経路57aへの流路を開き、開度を調整して、外気OAの所定量を外気還気経路57aに分配する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、かつ、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は閉じると共に熱交換バイパス経路56aへの流路は開いて、外気OAの全量を空調経路55dに供給する。
更に、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、空気調和された外気OAの全量を給気口52から給気する。
また、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路は開くと共に循環経路57bへの流路は閉じ、還気RAの全量を内気排出経路4に供給する。
暖房モードの弱運転では、加湿を行わないことで、熱交換素子3Aへの給水は行わない。これにより、図3に示す吸水部材33は、乾燥した状態である。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を作動させ、四方弁25により矢印で示す方向に冷媒を流してヒートポンプを構成し、第1の熱交換器21を凝縮器として機能させ、凝縮器による冷媒の放熱作用で外気OAの加熱を行う。このとき、第2の熱交換器22は蒸発器として機能する。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、所定量の外気OAが外気導入経路5から熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスして空調経路55dへ供給される。
空調経路55dへ供給された外気OAは、ヒートポンプの凝縮器として機能しているヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通ることで加熱され、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る。
熱交換素子3Aの第2の流路30bは、図3に示す吸水部材33が乾燥した状態であることから、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る加熱された外気OAは湿度が変化しない。
ここで、暖房モードでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスすることで、冬季では温度が低い外気OAと、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された空気との間で熱交換が行われない。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された外気OAの温度低下を防ぎ、低温の外気OAを、中温の空気とする。
そして、ヒートポンプ空調機2A及び熱交換素子3Aを通って中温となった外気OAは、給気SAとして給気口52から室内に給気される。
暖房モードでは、内気排出ファン43を作動させて暖房動作に換気を連動させても良い。すなわち、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入される。第1の吸気口41から吸入された還気RAは、外気還気経路57aへ分配された一部の外気OAと混合し、ヒートポンプの蒸発器として機能している第2の熱交換器22を通って、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。このとき、冬季では、空気調和されて温度が上げられている還気RAを、蒸発器として機能している第2の熱交換器22を通すことで、霜の発生を防ぐ。なお、第2の熱交換器22で発生した結露水は、第2のドレンパン65bで捕集されて室外へ排水される。
暖房モードの弱運転では、以上の動作により、室内の温度を所定の温度に加温制御することが可能となる。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bで暖房モードの弱運転を行った場合、空気調和前の外気OAが、熱交換素子7で還気RAと熱交換されるため、冬季では、還気RAの温度に応じて温度が上げられた外気OAが、ヒートポンプ空調機2Aに導入される。これにより、ヒートポンプ空調機2Aの暖房能力を下げても、所望の暖房が可能となり、消費電力を抑えることができる。
図11は、空調装置1Aで暖房能力を「強」として暖房モードを実行した際の空気の流れを示す動作説明図である。
暖房モードの強運転では、還気RAの一部を循環させ、加熱して室内に戻すことで、暖房を短時間で行えるようにする。
すなわち、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路と循環経路57bへの流路を開き、開度を調整して、還気RAの所定量を外気導入経路5に分配する。
他の構成要素の状態は、暖房モードの弱運転の場合と同じであり、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路と外気還気経路57aへの流路を開き、開度を調整して、外気OAの所定量を外気還気経路57aに分配する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、かつ、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は閉じると共に熱交換バイパス経路56aへの流路は開いて、外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を空調経路55dに供給する。
更に、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、空気調和された外気OAと還気RAの混合空気の全量を給気口52から給気する。
暖房モードの強運転でも、加湿を行わないことで、熱交換素子3Aへの給水は行わない。これにより、図3に示す吸水部材33は、乾燥した状態である。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を作動させ、四方弁25により矢印で示す方向に冷媒を流してヒートポンプを構成し、第1の熱交換器21を凝縮器として機能させ、凝縮器による冷媒の放熱作用で外気OAと還気RAの混合空気の加熱を行う。このとき、第2の熱交換器22は蒸発器として機能する。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、所定量の外気OAが外気導入経路5から熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスして空調経路55dへ供給される。
また、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入され、所定量の還気RAが循環経路57bから外気導入経路5へ導入されて外気OAと混合され、熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスして空調経路55dへ供給される。
空調経路55dへ供給された外気OAと還気RAの混合空気は、ヒートポンプの凝縮器として機能しているヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通ることで加熱され、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る。
熱交換素子3Aの第2の流路30bは、図3に示す吸水部材33が乾燥した状態であることから、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る加熱された外気OAと還気RAの混合空気は湿度が変化しない。
ここで、暖房モードでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスすることで、冬季で温度が低い外気OAと、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された空気との間で熱交換が行われない。
また、暖房モードの強運転では、還気RAを循環させて外気OAと混合させていることで、冬季では、空気調和されて暖められている還気RAが外気OAに混合されて、外気OAが温められる。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aで加熱された外気OAと還気RAの混合空気の温度低下を防ぎ、低温の外気OAを、中温の空気とする。
そして、ヒートポンプ空調機2A及び熱交換素子3Aを通って中温となった外気OAと還気RAの混合空気は、給気SAとして給気口52から室内に給気される。
暖房モードの強運転では、内気排出ファン43を作動させることで、第1の吸気口41から吸入された還気RAの一部は、外気還気経路57aへ分配された一部の外気OAと混合し、ヒートポンプの蒸発器として機能している第2の熱交換器22を通って、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。このとき、冬季では、空気調和されて温度が上げられている還気RAを、蒸発器として機能している第2の熱交換器22を通すことで、霜の発生を防ぐ。なお、第2の熱交換器22で発生した結露水は、第2のドレンパン65bで捕集されて室外へ排水される。
暖房モードの強運転では、以上の動作により、還気RAの一部を循環させ、加熱して室内に戻すことで換気風量を増加させ、所定の広さを持つ空間の暖房を短時間で行うことができる。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bで暖房モードの強運転を行った場合でも、冬季では、還気RAの温度に応じて温度が上げられた外気OAと還気RAとの混合空気がヒートポンプ空調機2Aに導入されるため、ヒートポンプ空調機2Aの暖房能力を下げた状態で、所望の加湿暖房が可能となる。
(5)冷房モードの動作例
図12は、空調装置1Aで冷房能力を「弱」として冷房モードを実行した際の空気の流れを示す動作説明図である。
冷房モードの弱運転では、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路と外気還気経路57aへの流路を開き、開度を調整して、外気OAの所定量を外気還気経路57aに分配する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、かつ、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は閉じると共に熱交換バイパス経路56aへの流路は開いて、外気OAの全量を空調経路55dに供給する。
更に、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、空気調和された外気OAの全量を給気口52から給気する。
また、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路は開くと共に循環経路57bへの流路は閉じ、還気RAの全量を内気排出経路4に供給する。
冷房モードの弱運転では、熱交換素子3Aへの給水は行わない。これにより、図3に示す吸水部材33は、乾燥した状態である。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を作動させ、四方弁25により矢印で示す方向に冷媒を流して冷凍サイクルを構成し、第1の熱交換器21を蒸発器として機能させ、蒸発器による冷媒の吸熱作用で外気OAの冷却を行う。このとき、第2の熱交換器22は凝縮器として機能する。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、所定量の外気OAが外気導入経路5から熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスして空調経路55dへ供給される。
空調経路55dへ供給された外気OAは、冷凍サイクルの蒸発器として機能しているヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通ることで冷却され、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る。
なお、第1の熱交換器21で発生した結露水は、第1のドレンパン65aで捕集されて室外へ排水される。
熱交換素子3Aの第2の流路30bは、図3に示す吸水部材33が乾燥した状態であることから、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る冷却された外気OAは湿度が変化しない。
ここで、冷房モードでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスすることで、夏季で温度が高い外気OAと、ヒートポンプ空調機2Aで冷却された空気との間で熱交換が行われない。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aで冷却された外気OAの温度上昇を防ぎ、高温の外気OAを、中温あるいは低温の空気とする。
そして、ヒートポンプ空調機2A及び熱交換素子3Aを通って中温あるいは低温となった外気OAは、給気SAとして給気口52から室内に給気される。
冷房モードでは、内気排出ファン43を作動させて冷房動作に換気を連動させても良い。すなわち、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入される。第1の吸気口41から吸入された還気RAは、外気還気経路57aへ分配された一部の外気OAと混合し、冷凍サイクルの凝縮器として機能している第2の熱交換器22を通って、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。このとき、夏季では、空気調和されて温度が下げられている還気RAを、凝縮器として機能している第2の熱交換器22を通すことで、冷媒の冷却能力を向上させる。
冷房モードの弱運転では、以上の動作により、所望の温度の冷風を得ることが可能となる。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bで冷房モードの弱運転を行った場合、空気調和前の外気OAが、熱交換素子7で還気RAと熱交換されるため、夏季では、還気RAの温度に応じて温度が下げられた外気OAが、ヒートポンプ空調機2Aに導入される。これにより、ヒートポンプ空調機2Aの冷房能力を下げても、所望の冷房が可能となり、消費電力を抑えることができる。
図13は、空調装置1Aで冷房能力を「強」として冷房モードを実行した際の空気の流れを示す動作説明図である。
冷房モードの強運転では、還気RAの一部を循環させ、冷却して室内に戻すことで、冷房を短時間で行えるようにする。
すなわち、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路と循環経路57bへの流路を開き、開度を調整して、還気RAの所定量を外気導入経路5に分配する。
他の構成要素の状態は、冷房モードの弱運転の場合と同じであり、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路と外気還気経路57aへの流路を開き、開度を調整して、外気OAの所定量を外気還気経路57aに分配する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、かつ、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は閉じると共に熱交換バイパス経路56aへの流路は開いて、外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を空調経路55dに供給する。
更に、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、空気調和された外気OAと還気RAの混合空気の全量を給気口52から給気する。
冷房モードの強運転でも、熱交換素子3Aへの給水は行わない。これにより、図3に示す吸水部材33は、乾燥した状態である。
また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を作動させ、四方弁25により矢印で示す方向に冷媒を流して冷凍サイクルを構成し、第1の熱交換器21を蒸発器として機能させ、蒸発器による冷媒の吸熱作用で外気OAと還気RAの混合空気の冷却を行う。このとき、第2の熱交換器22は凝縮器として機能する。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、所定量の外気OAが外気導入経路5から熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスして空調経路55dへ供給される。
また、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入され、所定量の還気RAが循環経路57bから外気導入経路5へ導入されて外気OAと混合され、熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスして空調経路55dへ供給される。
空調経路55dへ供給された外気OAと還気RAの混合空気は、冷凍サイクルの蒸発器として機能しているヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通ることで冷却され、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る。
なお、第1の熱交換器21で発生した結露水は、第1のドレンパン65aで捕集されて室外へ排水される。
熱交換素子3Aの第2の流路30bは、図3に示す吸水部材33が乾燥した状態であることから、熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る冷却された外気OAと還気RAの混合空気は湿度が変化しない。
ここで、冷房モードでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスすることで、夏季で温度が高い外気OAと、ヒートポンプ空調機2Aで冷却された空気との間で熱交換が行われない。
また、冷房モードの強運転では、還気RAを循環させて外気OAと混合させていることで、夏季では、空気調和されて冷却されている還気RAが外気OAに混合されて、外気OAが冷却される。
これにより、ヒートポンプ空調機2Aで冷却された外気OAと還気RAの混合空気の温度上昇を防ぎ、高温の外気OAを、中温あるいは低温の空気とする。
そして、ヒートポンプ空調機2A及び熱交換素子3Aを通って中温あるいは低温となった外気OAと還気RAの混合空気は、給気SAとして給気口52から室内に給気される。
冷房モードの強運転では、内気排出ファン43を作動させることで、第1の吸気口41から吸入された還気RAの一部は、外気還気経路57aへ分配された一部の外気OAと混合し、冷凍サイクルの凝縮器として機能している第2の熱交換器22を通って、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。このとき、夏季では、空気調和されて温度が下げられている還気RAを、凝縮器として機能している第2の熱交換器22を通すことで、冷媒の冷却能力を向上させる。
冷房モードの弱運転では、以上の動作により、還気RAの一部を循環させ、冷却して室内に戻すことで換気風量を増加させ、所定の広さを持つ空間の冷房を短時間で行うことができる。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bで冷房モードの強運転を行った場合でも、夏季では、還気RAの温度に応じて温度が下げられた外気OAと還気RAとの混合空気がヒートポンプ空調機2Aに導入されるため、ヒートポンプ空調機2Aの冷房能力を下げた状態で、所望の冷房が可能となる。
(6)換気モードの動作例
図14は、空調装置1Aで換気能力を「弱」として換気モードを実行した際の空気の流れを示す動作説明図である。
換気モードの弱運転では、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路は開くと共に外気還気経路57aへの流路は閉じ、外気OAの全量を外気導入経路5に供給する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、外気OAの全量を空調前経路55aに供給する。
更に、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は開くと共に熱交換バイパス経路56aへの流路は閉じ、外気OAの全量を熱交換経路55cに供給する。
また、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、外気OAの全量を給気口52から給気する。
更に、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路は開くと共に循環経路57bへの流路は閉じ、還気RAの全量を内気排出経路4に供給する。
換気モードの弱運転では、熱交換素子3Aへの給水は行わない。これにより、図3に示す吸水部材33は、乾燥した状態である。また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を停止させ、作動させていない。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、吸入した全量の外気OAが外気導入経路5から熱交換経路55cへ供給される。
熱交換経路55cでは、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aを機能させていないことから、外気OAは空気調和されず、給気SAとして給気口52から室内に給気される。
内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入される。第1の吸気口41から吸入された還気RAは、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。
図15は、空調装置1Aで換気能力を「弱」として換気モードを実行した際の他の実施の形態を示す動作説明図である。
他の実施の形態の換気モードの弱運転では、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路は開くと共に外気還気経路57aへの流路は閉じ、外気OAの全量を外気導入経路5に供給する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は閉じると共に空調バイパス経路56bへの流路は開き、外気OAの全量を空調バイパス経路56bに供給する。
更に、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、外気OAの全量を給気口52から給気する。
また、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路は開くと共に循環経路57bへの流路は閉じ、還気RAの全量を内気排出経路4に供給する。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、吸入した全量の外気OAが外気導入経路5から空調バイパス経路56bへ供給される。これにより、外気OAは、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aをバイパスして給気SAとして給気口52から室内に給気される。
内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入される。第1の吸気口41から吸入された還気RAは、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。
換気モードの弱運転では、以上の動作により、給排気による室内の換気を行うことができる。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bで換気モードの弱運転を行った場合、外気OAが熱交換素子7で還気RAと熱交換されるため、夏季では、還気RAの温度に応じて温度が下げられた外気OAが室内に給気され、冬季では、還気RA の温度に応じて温度が上げられた外気OAが室内に給気される。
これにより、所定時間で室内(建物内)の空気を入れ替えるため、常時換気を行う24時間換気装置に適用した場合、室温の変化を抑えて換気を行うことが可能である。
図16は、空調装置1Aで換気能力を「強」として換気モードを実行した際の空気の流れを示す動作説明図である。
換気モードの強運転では、内気排出ファン43及び外気導入ファン53の回転数を増大させることで換気風量を増加させる。すなわち、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路と循環経路57bへの流路を開き、開度を調整して、還気RAの所定量を外気導入経路5に分配する。
他の構成要素の状態は、換気モードの弱運転の場合と同じであり、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路は開くと共に外気還気経路57aへの流路は閉じ、外気OAの全量を外気導入経路5に供給する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を空調前経路55aに供給する。
更に、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は開くと共に熱交換バイパス経路56aへの流路は閉じ、外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を熱交換経路55cに供給する。
また、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を給気口52から給気する。
換気モードの強運転でも、熱交換素子3Aへの給水は行わない。これにより、図3に示す吸水部材33は、乾燥した状態である。また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を停止させ、作動させていない。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、吸入した全量の外気OAが外気導入経路5から熱交換経路55cへ供給される。
また、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入され、所定量の還気RAが循環経路57bから外気導入経路5へ導入されて外気OAと混合され、熱交換経路55cへ供給される。
熱交換経路55cでは、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aを機能させていないことから、外気OAと還気RAとの混合空気は空気調和されず、給気SAとして給気口52から室内に給気される。
換気モードの強運転では、内気排出ファン43を作動させることで、第1の吸気口41から吸入された還気RAの一部は、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。
図17は、空調装置1Aで換気能力を「強」として換気モードを実行した際の他の実施の形態を示す動作説明図である。
他の実施の形態の換気モードの強運転では、内気排出ファン43及び外気導入ファン53の回転数を増大させることで換気風量を増加させると共に、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aをバイパスする。
すなわち、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路と循環経路57bへの流路を開き、開度を調整して、還気RAの所定量を外気導入経路5に分配する。
他の構成要素の状態は、他の実施の形態の換気モードの弱運転の場合と同じであり、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路は開くと共に外気還気経路57aへの流路は閉じ、外気OAの全量を外気導入経路5に供給する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は閉じると共に空調バイパス経路56bへの流路は開き、外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を空調バイパス経路56bに供給する。
更に、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は開くと共に還気経路57cへの流路は閉じ、外気OAと所定量の還気RAの混合空気の全量を給気口52から給気する。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、吸入した全量の外気OAが外気導入経路5から空調バイパス経路56bへ供給される。
また、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入され、所定量の還気RAが循環経路57bから外気導入経路5へ導入されて外気OAと混合され、空調バイパス経路56bへ供給される。
これにより、外気OAと還気RAの混合空気は、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aをバイパスして給気SAとして給気口52から室内に給気される。
換気モードの強運転では、内気排出ファン43を作動させることで、第1の吸気口41から吸入された還気RAの一部は、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。
換気モードの強運転では、以上の動作により、還気RAの一部を循環させると共に、内気排出ファン43及び外気導入ファン53の回転数を増大させることで換気風量を増加させ、所定の広さを持つ空間の換気を短時間で行うことができる。
なお、第2の実施の形態の空調装置1Bで換気モードの強運転を行った場合でも、夏季では、還気RAの温度に応じて温度が下げられた外気OAが室内に給気され、冬季では、還気RAの温度に応じて温度が上げられた外気OAが室内に給気される。
これにより、所定時間で室内(建物内)の空気を入れ替えるため、常時換気を行う24時間換気装置に適用した場合、室温の変化を抑えて換気を行うことが可能である。
(7)洗浄・乾燥モードの動作例
図18は、空調装置1Aで夏季に洗浄・乾燥モードを実行した際の洗浄時の空気の流れを示す動作説明図である。
夏季あるいは夏季に空調装置1Aを使用した後の洗浄・乾燥モードの洗浄運転では、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路は開くと共に外気還気経路57aへの流路は閉じ、外気OAを外気導入経路5に供給する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、外気OAを空調前経路55aに供給する。
更に、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は開くと共に熱交換バイパス経路56aへの流路は閉じ、外気OAを熱交換素子3Aとヒートポンプ空調器2Aの第1の熱交換器21を通す熱交換経路55cに供給する。
また、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は閉じると共に還気経路57cへの流路は開き、洗浄に用いた外気OAを給気口52から給気せず、内気排出経路4に戻す。
更に、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路は開くと共に循環経路57bへの流路は閉じ、還気RAを内気排出経路4に供給する。
夏季の洗浄・乾燥モードの洗浄運転では、ディスペンサ63から洗浄液を吐出し、洗浄液供給経路64及び給水経路62を介して第1の散水装置61aにより熱交換素子3Aへの散布を行うと共に、第2の散水装置61bによりヒートポンプ空調器2Aの第1の熱交換器21への散布を行う。
ここで、第1の散水装置61aでは、図2に示す熱交換素子3Aの第1の流路30aの吸込口35aと、第2の流路30bの吸込口35bから洗浄液を散布することで、熱交換素子3Aでは、第1の流路30aと第2の流路30b内に洗浄液が供給される。
なお、熱交換素子3Aと第1の熱交換器21の図示しない冷却フィンは、アルミニウムや銅等の素材で構成されるため、洗浄液は、水溶性の場合は腐食が起こらない殺菌剤入りの中性洗剤が好ましく、また、有機溶剤では、アルコール等の殺菌効果のあるものが好ましい。更に、銀イオン(Ag+)や銅イオン(Cu2+)等の金属イオンを供給できるようにしても良い。
ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を停止させ、作動させていない。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、吸入された外気OAが外気導入経路5から熱交換経路55cへ供給される。
熱交換経路55cでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aを外気OAが通り、第1の流路30aを通った外気OAがヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通り、第1の熱交換器21を通った外気OAが熱交換素子3Aに戻り、第2の流路30bを通る。
熱交換素子3Aの第1の流路30a及び第2の流路30bと、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21には洗浄液が散布されているので、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21の空気が通る部分が洗浄、殺菌される。なお、空気の流れにより洗浄液が通る経路中にフィルタを備える構成とすれば、フィルタの洗浄や殺菌が可能となる。
熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る外気OAは、給気口52から給気されることなく、還気経路57cから内気排出経路4に戻る。
なお、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21に散布された洗浄液の余剰分は第1のドレンパン65aで捕集され、第1の排水経路66aと第3の排水経路66cを介して室外へ排水される。
洗浄・乾燥モードの洗浄運転では、内気排出ファン43を作動させて換気を連動させている。すなわち、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入される。第1の吸気口41から吸入された還気RAは、還気経路57cから戻った外気OAと混合し、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。
ここで、第1の吸気口41から洗浄液を含む外気OAが漏れないようにするため、第1の吸気口41に図示しない逆流防止ダンパを備え、洗浄・乾燥モードでは、ダンパを閉じて第1の吸気口41からの逆流を防止すると良い。
夏季における洗浄・乾燥モードの洗浄運転では、以上の動作により、主に夏季に除湿換気モード等を実行することで、空気中の水分を結露させているヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21や、熱交換素子3Aを洗浄することができる。これにより、第1の熱交換器21や熱交換素子3A内等でのカビの発生を抑制すると共に、付着した花粉や埃を洗い流すことができる。
図19は、空調装置1Aで冬季に洗浄・乾燥モードを実行した際の洗浄時の空気の流れを示す動作説明図である。
冬季あるいは冬季に空調装置1Aを使用した後の洗浄・乾燥モードの洗浄運転では、空気を通す経路は夏季の洗浄・乾燥モードと同じであり、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路は開くと共に外気還気経路57aへの流路は閉じ、外気OAを外気導入経路5に供給する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、外気OAを空調前経路55aに供給する。
更に、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は開くと共に熱交換バイパス経路56aへの流路は閉じ、外気OAを熱交換素子3Aとヒートポンプ空調器2Aの第1の熱交換器21を通す熱交換経路55cに供給する。
また、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は閉じると共に還気経路57cへの流路は開き、洗浄に用いた外気OAを給気口52から給気せず、内気排出経路4に戻す。
更に、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路は開くと共に循環経路57bへの流路は閉じ、還気RAを内気排出経路4に供給する。
冬季の洗浄・乾燥モードの洗浄運転では、ディスペンサ63から洗浄液を吐出し、洗浄液供給経路64及び給水経路62を介して第1の散水装置61aにより熱交換素子3Aへの散布を行う。なお、図示しないバルブを閉じる等により、同じ給水経路62に接続されている第2の散水装置61bからの第1の熱交換器21への洗浄液の散布は行わない。また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を停止させ、作動させていない。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、吸入された外気OAが外気導入経路5から熱交換経路55cへ供給される。
熱交換経路55cでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aを外気OAが通り、第1の流路30aを通った外気OAがヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通り、第1の熱交換器21を通った外気OAが熱交換素子3Aに戻り、第2の流路30bを通る。
熱交換素子3Aの第1の流路30a及び第2の流路30bには洗浄液が散布されているので、熱交換素子3Aの空気が通る部分が洗浄、殺菌される。
熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る外気OAは、給気口52から給気されることなく、還気経路57cから内気排出経路4に戻る。
なお、熱交換素子3Aに散布された洗浄液の余剰分は第1のドレンパン65aで捕集されて室外へ排水される。
洗浄・乾燥モードの洗浄運転では、内気排出ファン43を作動させて換気を連動させている。すなわち、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入される。第1の吸気口41から吸入された還気RAは、還気経路57cから戻った外気OAと混合し、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。
冬季における洗浄・乾燥モードの洗浄運転では、以上の動作により、主に冬季に加湿暖房モード等を実行することで、湿潤した状態としている熱交換素子3Aの第2の流路30bを洗浄することができる。これにより、熱交換素子3A内等でのカビの発生を抑制すると共に、付着した花粉や埃を洗い流すことができる。
図20は、空調装置1Aで洗浄・乾燥モードを実行した際の乾燥時の空気の流れを示す動作説明図である。
洗浄・乾燥モードの乾燥運転では、空気を通す経路は洗浄運転時と同じであり、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路は開くと共に外気還気経路57aへの流路は閉じ、外気OAを外気導入経路5に供給する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、外気OAを空調前経路55aに供給する。
更に、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は開くと共に熱交換バイパス経路56aへの流路は閉じ、外気OAを熱交換素子3Aとヒートポンプ空調器2Aの第1の熱交換器21を通す熱交換経路55cに供給する。
また、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は閉じると共に還気経路57cへの流路は開き、洗浄及び乾燥に用いた外気OAを給気口52から給気せず、内気排出経路4に戻す。
更に、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出経路4への流路は開くと共に循環経路57bへの流路は閉じ、還気RAを内気排出経路4に供給する。
洗浄・乾燥モードの乾燥運転では、第1の散水装置61a及び第2の散水装置61bからの洗浄液等の散布は行わない。また、ヒートポンプ空調機2Aは、圧縮機23を停止させ、作動させていない。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、吸入された外気OAが外気導入経路5から熱交換経路55cへ供給される。
熱交換経路55cでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aを外気OAが通り、第1の流路30aを通った外気OAがヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通り、第1の熱交換器21を通った外気OAが熱交換素子3Aに戻り、第2の流路30bを通る。
これにより、空気の流れによって、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21等が乾燥される。
熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る外気OAは、給気口52から給気されることなく、還気経路57cから内気排出経路4に戻る。
洗浄・乾燥モードの乾燥運転では、内気排出ファン43を作動させて換気を連動させている。すなわち、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入される。第1の吸気口41から吸入された還気RAは、還気経路57cから戻った外気OAと混合し、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。
洗浄・乾燥モードの乾燥運転では、以上の動作により、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21等を乾燥させることができ、熱交換素子3Aや第1の熱交換器21等でのカビの発生を抑制することができる。
そして、洗浄動作と乾燥動作を連動させることで、洗浄に用いた洗浄液の残留を防ぐことができ、ユーザや業者の手作業によらず、空調装置1Aの洗浄を行うことができる。
従って、運転の再開時に、室内に有害な物質や臭気を給気することを防ぐことができる。
図21は、空調装置1Aで洗浄・乾燥モードを実行した際の乾燥時の他の実施の形態を示す動作説明図である。
洗浄・乾燥モードの乾燥運転の他の実施の形態では、還気RAの一部を循環させる。すなわち、流路切替ダンパ58eにより第1の吸気口41から内気排出回路4への流路と循環経路57bへの流路を開き、開度を調整して、還気RAの所定量を外気導入経路5に分配する。
他の構成要素の状態は、洗浄・乾燥モードの換気による乾燥運転時と同じであり、流路切替ダンパ58aにより外気導入経路5への流路は開くと共に外気還気経路57aへの流路は閉じ、外気OAを外気導入経路5に供給する。
また、流路切替ダンパ58bにより空調前経路55aへの流路は開くと共に空調バイパス経路56bへの流路は閉じ、外気OAと還気RAの混合空気を空調前経路55aに供給する。
更に、流路切替ダンパ58cにより熱交換経路55cへの流路は開くと共に熱交換バイパス経路56aへの流路は閉じ、外気OAと還気RAの混合空気を熱交換素子3Aとヒートポンプ空調器2Aの第1の熱交換器21を通す熱交換経路55cに供給する。
また、流路切替ダンパ58dにより給気口52への流路は閉じると共に還気経路57cへの流路は開き、洗浄及び乾燥に用いた外気OAと還気RAの混合空気を給気口52から給気せず、内気排出経路4に戻す。
以上の状態で、外気導入ファン53を作動させると、第2の吸気口51から外気OAが吸入され、吸入された外気OAが外気導入経路5から熱交換経路55cへ供給される。
また、内気排出ファン43を作動させると、第1の吸気口41から室内の空気が還気RAとして吸入され、所定量の還気RAが循環経路57bから外気導入経路5へ導入されて外気OAと混合され、熱交換経路55cへ供給される。
熱交換経路55cでは、熱交換素子3Aの第1の流路30aを外気OAと還気RAの混合空気が通り、第1の流路30aを通った外気OAと還気RAの混合空気がヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を通り、第1の熱交換器21を通った外気OAと還気RAの混合空気が熱交換素子3Aに戻り、第2の流路30bを通る。
これにより、空気の流れによって、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21等が乾燥される。
熱交換素子3Aの第2の流路30bを通る外気OAと還気RAの混合空気は、給気口52から給気されることなく、還気経路57cから内気排出経路4に戻る。
内気排出ファン43を作動させることで、第1の吸気口41から吸入された還気RAの一部は、還気経路57cから戻った外気OAと混合し、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。
洗浄・乾燥モードの循環換気による乾燥運転では、以上の動作により、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21等を乾燥させることができ、熱交換素子3Aや第1の熱交換器21等でのカビの発生を抑制することができる。
(8)空調装置の制御の応用例
空調装置1A,1Bでは、被空調領域となる室内の温度及び湿度を検出する温度センサと湿度センサを備え、被空調領域に設置されたユーザが操作するコントローラでのユーザ等による設定値になるように、風量、各ダンパの開度、給水量、ヒートポンプ空調機2Aの運転を制御する。
例えば、除湿換気モードでは、流路切替ダンパ58cの開度を調整して、熱交換素子3Aの第1の流路30aをバイパスさせる空気の量を調整することで、給気SAの温度等を調整することができる。また、流路切替ダンパ58bの開度を調整して、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aをバイパスさせる空気の量を調整することで、給気SAの温度及び湿度を調整することができる。
加湿暖房モードでも、熱交換素子3Aをバイパスさせる空気の量等を調整することで、給気SAの温度及び湿度を調整することができる。また、熱交換素子3Aへの給水量を調整することで、給気SAの湿度を調整することができる。
更に、上述したようにいくつかの運転モードを用意しておき、除湿換気モードと冷房モード、加湿暖房モードと暖房モード等を切り替えながら運転して、温度や湿度を調整することも可能である。
洗浄に関する制御では、運転積算時間を計測し、運転積算時間が予め決められている設定値を超えると、コントローラで表示して、上述した洗浄・乾燥モードを選択して実行しても良い。これにより、定期的に空調装置の洗浄が可能となる。なお、ユーザによる任意のタイミングで洗浄・乾燥モードを選択できるようにしても良い。
また、運転積算時間の計測と連動して、設定値を超えたら、フィルタ交換を指示する通知をコントローラでの表示等で報知するようにしても良い。
給排水に関する制御では、ディスペンサ63内の洗浄液の液量を検出し、残量が予め決められている設定値を下回ると、補充を指示する通知をコントローラでの表示等で報知する。これにより、洗浄に用いる洗浄液が無くなり正常に洗浄が行えなくなることを防ぐ。
また、第1のドレンパン65aと第2のドレンパン65bに水位センサを備え、水位が予め決められている設定値を超えると、運転を停止する。これにより、漏水を防ぐことができる。
更に、第1のドレンパン65aと第2のドレンパン65bの下面近傍に漏水センサを備え、漏水を検出すると運転を停止する。これにより、漏水が発生していることを報知して、メンテナンスの実施を促すことができる。
<空調装置の適用例>
図22及び図23は、第1の実施の形態の空調装置1Aの適用例を示す構成図である。上述した空調装置1Aは、様々な形態で実施可能である。例えば、内気排出経路4を一体に構成しても良いし、独立して構成しても良く、図22(a)に示す空調装置11Aでは、室外と連通した第2の吸気口51から熱交換経路55cである第1の流路30a及び空調経路55dを通り、再び熱交換経路55cに戻って第2の流路30bを通り、給気口52を介して室内と連通した外気導入経路5と、第1の吸気口41を介して室内と連通すると共に、排気口42を介して室外と連通した内気排出経路4を1つの筐体内に備える。
以上の構成では、第2の吸気口51から吸入した外気OAは、熱交換素子3A及びヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を経由して、給気口52から給気SAとして室内に給気される。また、第1の吸気口41から吸入した還気RAは、排気口42から排気EAとして室外へ排出される。
これにより、単一の装置で上述した除湿換気の動作が可能となる。なお、加湿暖房を行う装置では、熱交換バイパス経路56aを備える構成とすればよい。
更に、図22(b)に示すように、内気排出経路4を独立させた空調装置11Bでは、換気装置12と組み合わせることで、空調システム13が構成される。
また、図22(c)に示すように、内気排出経路4を独立させた空調装置11Cでは、室内と連通した第1の吸気口41と、熱交換経路55cの上流側の外気導入経路5を連通させた循環経路57bを備える構成として、還気RAを循環できるようにしても良い。また、内気排出経路4を独立させた空調装置11Cでは、換気装置12と組み合わせることで、空調システム13が構成される。
これにより、上述した室内空気の循環と連動した除湿換気等の動作が可能となる。
更に、図23(a)に示すように、内気排出経路4を独立させた空調装置11Dでは、外気導入経路5と独立して、室内と連通した第1の吸気口41と、熱交換経路55cの第1の流路30aを連通させた循環経路57bを備える構成として、還気RAを循環できるようにしても良い。
これにより、室内空気の循環と連動した除湿、暖房、冷房等の動作が可能となる。また、内気排出経路4を独立させた空調装置11Dでは、換気装置12と組み合わせることで、空調システム13が構成される。
また、図23(b)に示すように、内気排出経路4を独立させた空調装置11Eでは、熱交換経路55cより下流側で外気導入経路5から分岐し、排気口42を介して室外と連通する還気経路57cを備える構成として、外気OAを排気できるようにしても良い。
これにより、上述した洗浄・乾燥の動作が可能となる。また、内気排出経路4を独立させた空調装置11Eでは、換気装置12と組み合わせることで、空調システム13が構成される。
<空調装置の設置形態例>
図24は、本実施の形態の空調装置の第1の形態例を示す構成図である。第1の形態例の空調装置1A−1は、屋内に設置される2つの筐体8a,8bで構成される。
一方の筐体8aには、熱交換素子3Aと、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21と、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21に対応した給排水系統と、第1の吸気口41と、給気口52等を備える。また、他方の筐体8bには、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を除いた構成である一般的なエアコンディショナ装置の室外機に該当する構成と、排気口42と、第2の吸気口51等を備える。これにより、筐体8aと筐体8bは、給排気のための空気が通る2本の配管と、冷媒が通る配管で接続される。なお、筐体8aと筐体8bは一体的に構成してもよいし、独立した構成としても良い。
ここで、ディスペンサ63は、洗浄液を補充する必要があるので、取り扱いが容易なように、筐体外に設置するような構成でも良い。
図25〜図30は、第1の形態例の空調装置1A−1の設置例を示す構成図で、本実施の形態の建物の一例について説明する。
第1の形態例の空調装置1A−1は、筐体8aと筐体8bが建物91の天井裏に設置される。このように、筐体8bを屋内に設置すると、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通す空気として、外気を直接利用できないので、室内からの還気RAを利用して、第2の熱交換器22の冷却能力を確保する。
図25では、1室に給気すると共に、例えば同じ1室から吸気する構成であり、筐体8aに給気ダクト91aと吸気ダクト91bが接続されて、第1の吸気口41と給気口52を構成している。また、筐体8bに吸気ダクト91cと排気ダクト91dが接続されて、第2の吸気口51と排気口42を構成している。
図26では、筐体8aに複数の給気ダクト91aが接続されて複数の給気口52を備え、多室に給気すると共に、筐体8aに第1の給気口41を備え、1室から吸気する構成である。
図27では、給気経路を複数の給気ダクト91aに分岐する分岐チャンバ81が接続され、多室に給気すると共に、筐体8aに第1の給気口41を備え、1室から吸気する構成である。
図28では、複数の吸気ダクト91bを集合させる集合チャンバ82が接続され、1室に給気すると共に、多室から吸気する構成である。
図29では、筐体8aに複数の給気ダクト91aが接続されて複数の給気口52を備えると共に、複数の吸気ダクト91bを集合させる集合チャンバ82が接続されて、多室に給気すると共に、多室から吸気する構成である。
図30では、給気経路を複数の給気ダクト91aに分岐する分岐チャンバ81と、複数の吸気ダクト91bを集合させる集合チャンバ82が接続されて、多室に給気すると共に、多室から吸気する構成である。
図31は、本実施の形態の空調装置の第2の形態例を示す構成図である。第2の形態例の空調装置1A−2は、屋内に設置される筐体8cと、屋外に設置される室外機8dで構成される。
筐体8cには、熱交換素子3Aと、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21と、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21に対応した給排水系統と、第1の吸気口41と、給気口52と、排気口42と、第2の吸気口51と、内気排出ファン43と、外気導入ファン53等を備える。また、室外機8dには、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21を除いた構成である一般的なエアコンディショナ装置の室外機に該当する構成と、第2の熱交換器22に送風する冷却ファン83等を備える。これにより、筐体8cと室外機8dは、冷媒が通る配管で接続される。
なお、既存の24時間換気装置と組み合わせて空調装置を構成することも可能で、例えば、図示しないが、筐体に熱交換素子と、ヒートポンプ空調機の第1の熱交換器と、熱交換素子及び第1の熱交換器に対応した給排水系統と、給気口と、外気導入経路等を備え、24時間換気装置の給気ダクトに接続して構成される。
図32〜図37は、第2の形態例の空調装置1A−2の設置例を示す構成図である。
第2の形態例の空調装置1A−2は、筐体8cが建物91の天井裏に設置され、室外機8dが屋外に設置される。このように、室外機8dを屋外に設置すると、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通す空気として、外気を利用できるので、室内からの還気RAを利用しない構成としても良く、内気排出経路4と外気導入経路5を室外機8dと分離することができる。
図32では、1室に給気すると共に、例えば同じ1室から吸気する構成であり、筐体8cに給気ダクト91aと吸気ダクト91bが接続されて、第1の吸気口41と給気口52を構成している。また、筐体8cに吸気ダクト91cと排気ダクト91dが接続されて、第2の吸気口51と排気口42を構成している。
図33では、筐体8cに複数の給気ダクト91aが接続されて複数の給気口52を備え、多室に給気すると共に、筐体8cに第1の給気口41を備え、1室から吸気する構成である。
図34では、給気経路を複数の給気ダクト91aに分岐する分岐チャンバ81が接続され、多室に給気すると共に、筐体8cに第1の給気口41を備え、1室から吸気する構成である。
図35では、複数の吸気ダクト91bを集合させる集合チャンバ82が接続され、1室に給気すると共に、多室から吸気する構成である。
図36では、筐体8cに複数の給気ダクト91aが接続されて複数の給気口52を備えると共に、複数の吸気ダクト91bを集合させる集合チャンバ82が接続されて、多室に給気すると共に、多室から吸気する構成である。
図37では、給気経路を複数の給気ダクト91aに分岐する分岐チャンバ81と、複数の吸気ダクト91bを集合させる集合チャンバ82が接続されて、多室に給気すると共に、多室から吸気する構成である。
図38は、本実施の形態の空調装置の第3の形態例を示す構成図である。第3の形態例の空調装置1A−3は、屋外に設置される室外機8eで構成される。
室外機8eは、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22に送風する冷却ファン83等を有し、一般的なエアコンディショナ装置の室外機と同等な構成のAC室外機8fに、熱交換素子3Aと、ヒートポンプ空調機2Aの第1の熱交換器21と、熱交換素子3A及び第1の熱交換器21に対応した給排水系統と、第1の吸気口41と、給気口52と、排気口42と、第2の吸気口51と、内気排出ファン43と、外気導入ファン53等を一体に備える。
図39,図40は、第3の形態例の空調装置1A−3の設置例を示す構成図である。
第3の形態例の空調装置1A−3は、室外機8eが屋外に設置される。このように、室外機8eを屋外に設置すると、ヒートポンプ空調機2Aの第2の熱交換器22を通す空気として、外気を利用できるので、室内からの還気RAを利用しない構成としても良い。
図39では、1室に給気すると共に、例えば同じ1室から吸気して換気を行う構成で、室外機8eに給気ダクト91aと吸気ダクト91bが接続されて、第1の吸気口41と給気口52を構成している。
図40では、給気経路を複数の給気ダクト91aに分岐する分岐チャンバ81が接続され、多室に給気すると共に、1室から吸気して換気する構成である。
図41〜図43は、第3の形態例の空調装置1A−3の変形例を示す構成図である。
変形例の空調装置1A−4は、換気機能を独立させた構成で、図41では、室外機8eに給気ダクト91aが接続されて、給気口52を構成して1室に給気すると共に、他の1室に換気装置92が設置されて、図示しないドアのアンダーカット等を利用して1室から換気を行う構成である。
図42では、給気経路を複数の給気ダクト91aに分岐する分岐チャンバ81が接続され、多室に給気すると共に、1室に換気装置92が設置されて、図示しないドアのアンダーカット等を利用して1室から換気を行う構成である。
図43では、給気経路を複数の給気ダクト91aに分岐する分岐チャンバ81が接続され、多室に給気すると共に、多室に換気装置92が設置されて、多室から換気を行う構成である。
1A,1B・・・空調装置、2A・・・ヒートポンプ空調機、3A・・・熱交換素子、4・・・内気排出経路、5・・・外気導入経路、7・・・熱交換素子、8a・・・筐体、8b・・・筐体、8c・・・筐体、8d・・・室外機、8e・・・室外機、20・・・配管、21・・・第1の熱交換器、22・・・第2の熱交換器、23・・・圧縮機、24・・・膨張弁、25・・・四方弁、30a・・・第1の流路、30b・・・第2の流路、31・・・隔壁、32a,32b・・・流路形成板、33・・・吸水部材、34a,34b・・・スリット、35a,35b・・・吸込口、36a,36b・・・吹出口、41・・・第1の吸気口、42・・・排気口、43・・・内気排出ファン、44a,44b・・・フィルタ、51・・・第2の吸気口、52・・・給気口、53・・・外気導入ファン、54a,54b・・・フィルタ、55a・・・空調前経路、55b・・・空調後経路、55c・・・熱交換経路、55d・・・空調経路、56a・・・熱交換バイパス経路、56b・・・空調バイパス経路、57a・・・外気還気経路、57b・・・循環経路、57c・・・還気経路、58a〜58e・・・流路切替ダンパ、61a・・・第1の散水装置、61b・・・第2の散水装置、62・・・給水経路、63・・・ディスペンサ、64・・・洗浄液供給経路、65a・・・第1のドレンパン、65b・・・第2のドレンパン、66a・・・第1の排水経路、66b・・・第2の排水経路、66c・・・第3の排水経路