JP3179787B2 - チタンまたはチタン合金部材とその表面処理方法 - Google Patents

チタンまたはチタン合金部材とその表面処理方法

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義継 渋谷
雅浩 佐藤
佐藤  惇司
孝典 南谷
花井  賢司
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、時計ケース、時計バンド、ピアス、イヤ
リング、指輪、メガネフレームなどの装飾品に用いられ
るチタンまたはチタン合金部材とその表面処理方法に関
するものである。
背景技術 近年、チタンまたはチタン合金部材は、金属アレルギ
を起こしにくく、人体にやさしい金属部材として注目さ
れており、時計、眼鏡、宝飾などに代表される装飾品に
も利用されてきている。
しかし、チタンまたはチタン合金部材は、表面硬度が
低いため傷がつきやすく、長期使用に伴い外観品質が低
下してくるという問題も指摘されている。
この問題を解決するために、従来からチタンまたはチ
タン合金部材に対する種々の表面硬化処理が試みられて
いる。
従来のチタンまたはチタン合金部材に対する表面硬化
処理方法は、金属部材表面に硬質膜を被覆する方法と、
部材自身を硬化処理する方法に分けられる。
前者の金属部材表面に硬質膜を被覆する方法として
は、電気メッキに代表されるウェットプロセスや、真空
蒸着,イオンプレーティング,スパッタリング,プラズ
マCVDなどに代表されるドライプロセスが知られてい
る。
しかし、これらの方法は、いずれもチタンまたはチタ
ン合金部材と硬質膜との間の密着性に難点があり、硬質
膜が剥離しやすいという欠点があった。
一方、チタンまたはチタン合金部材自身を硬化処理す
る方法としては、イオン注入,イオン窒化,ガス窒化,
浸炭などが知られている。これらの表面硬化処理方法で
部材表面に形成される硬化層は、硬化膜のように剥離す
るおそれはない。
しかしながら、従来の表面硬化処理方法では、処理時
間が長く生産性に難点があった。また、処理温度が高い
ため部材表面の結晶粒が粗大化して表面が粗くなり、外
観品質が低下するという欠点があった。しかも、表面か
ら深い領域にわたり硬化層を得ることが難しく、使用中
の傷発生などによる外観品質の低下が大きな問題として
指摘されている。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであ
る。すなわち、外観品質に優れしかも大きな衝撃にも耐
え得る硬度を備えたチタンまたはチタン合金部材の提供
を目的とする。
また、そのような特性をチタンまたはチタン合金部材
に付与する表面処理方法の提供を目的とする。
発明の開示 この発明のチタンまたはチタン合金部材は、上記目的
を達成するために、表面から任意の深さで表面硬化層が
形成され、かつこの表面硬化層が、表面から任意の深さ
までの領域に形成された窒素および酸素を固溶する第1
の硬化層と、この第1の硬化層より深い任意の領域に形
成された酸素を固溶する第2の硬化層とを含んだ構造と
なっている。
すなわち、表面粗れを生じさせず、しかも部材表面の
硬度を高めるためには、部材表面の近傍で窒素と酸素が
固溶した第1の硬化層を形成していなければならない。
また、深い硬化層を得るためには、部材の深さ方向に
酸素が深く固溶した第2の硬化層を形成していることが
必要である。
このように窒素および酸素が固溶した第1の硬化層
と、酸素が固溶した第2の硬化層とをもって表面硬化層
を形成することにより、表面粗れがなく外観品質に優れ
るとともに、充分な硬度を備えることが可能となった。
ここで、窒素および酸素の固溶可能な範囲は、第1の
硬化層において、窒素が0.6〜8.0重量%、酸素が1.0〜1
4.0重量%であった。また、第2の硬化層においては、
酸素が0.5〜14.0重量%であった。したがって、上記の
固溶可能な範囲でなるべく多くの窒素または酸素を固溶
していることが好ましい。
ただし、良好な外観品質を保持する観点から、表面粗
れを生じない範囲で窒素または酸素の固溶濃度を選定す
る必要がある。
また、窒素および酸素を固溶する第1の硬化層は、概
ね部材表面から1.0μmまでの深さに形成することが好
ましい。このような深さに第1の硬化層を形成すること
で、結晶粒の粗大化による表面粗れを抑制するととも
に、充分な表面硬度を得ることができた。
一方、酸素を固溶する第2の硬化層は、第1の硬化層
より深い領域で概ね20μmまでの深さに形成することが
好ましい。このような深さに第2の硬化層を形成するこ
とで、表面硬度を一層向上させることができる。
この発明において、チタン部材とは、純チタンを主体
とする金属部材を意味し、JIS規格で定義されているチ
タン第1種、チタン第2種、チタン第3種などをいう。
また、チタン合金部材とは、純チタンを主体とする金属
にアルミニウム、バナジウム、鉄などを添加した金属部
材を意味し、JIS規格で定義されているチタン60種、チ
タン60E種などをいう。この他にも、各種チタン合金お
よび各種チタン基の金属間化合物が、チタン合金部材に
含まれる。
また、この発明のチタンまたはチタン合金部材の主な
用途としては、時計ケース、時計バンド、ピアス、指
輪、眼鏡フレームなどの装飾品があげられる。これら装
飾品は、特に外観品質の高さが重要となり、しかも長期
間使用しても傷が付きにくいことを要求される。本発明
のチタンまたはチタン合金部材によれば、この種の要求
を全て満たすことができる。
また、この発明の第1のチタンまたはチタン合金部材
の表面処理方法(第1の発明方法)は、次の工程を含む
ことを特徴としている。
(1)真空槽内にチタンまたはチタン合金部材を配置
し、加熱して焼鈍処理する加熱工程 (2)加熱工程の後、微量の酸素成分を含有する窒素主
体の混合ガスを前記真空槽内に導入し、所定の減圧状態
下で該真空槽1内を700〜800℃の温度で所定時間加熱す
ることにより、チタンまたはチタン合金部材の表面から
内部へ窒素および酸素を拡散固溶させる硬化処理工程 (3)硬化処理工程の後、チタンまたはチタン合金部材
を常温まで冷却する冷却工程 例えば、熱間鍛造加工により所要の形状に形成され、
その後研磨加工されたチタンまたはチタン合金部材の表
面には、加工歪層が存在している。そこで本発明では、
この加工歪層を緩和する目的で、チタンまたはチタン合
金部材を加熱し焼鈍処理する加工工程を挿入している。
研磨加工により生ずる加工歪層は、研磨加工時の応力
が格子歪として残存するもので、アモルファス相か、あ
るいは結晶性が低下した状態となっている。
研磨加工後のチタンまたはチタン合金部材に対し、焼
鈍処理する加工工程を省略して次の硬化処理工程を実施
した場合、同硬化処理工程において、加工歪層を緩和し
ながら窒素および酸素の拡散,固溶を進行させることに
なる。
その結果、チタンまたはチタン合金部材の表面におけ
る窒素と酸素との反応量が高まり、内部への拡散,固溶
量が減少するとともに、表面近傍に着色物質である窒化
物および酸化物が形成される。これら着色物質の形成
は、外観品質を低下させるため好ましくない。
このため、本発明では硬化処理工程の前に加熱工程を
挿入して加工歪を事前に除去し、硬化処理工程における
窒素および酸素の固溶を促進している。
この加熱工程は、真空槽内を真空排気した減圧状態の
下で行なうことが好ましい。あるいは、真空槽内を真空
排気した後、該真空槽内に不活性ガスを導入した減圧状
態下で行なうことが好ましい。加熱工程をこのような雰
囲気下で行なうことにより、チタンまたはチタン合金部
材が窒素および酸素成分(硬化処理工程で導入)以外の
不純物と反応することを防止することができる。
次に、硬化処理工程では、微量の酸素成分を含有する
窒素主体の混合ガスを前記真空槽内に導入し、チタンま
たはチタン合金部材の表面から内部へ窒素および酸素を
拡散固溶させる。
この硬化処理工程によって、チタンまたはチタン合金
部材の表面近傍に、窒素と酸素が固溶した第1の硬化層
を形成するとともに、同部材の深さ方向に酸素が深く固
溶した第2の硬化層が形成される。
混合ガスに含有される微量の酸素成分としては、酸素
を含有する各種のガスを利用できる。例えば、酸素ガ
ス、水素ガス、水蒸気、エチルアルコールやメチルアル
コールなどが上記酸素成分としてあげられる。さらに、
水蒸気とともに二酸化炭素ガスまたは一酸化炭素ガスを
含有させてもよい。
この硬化処理工程においては、チタンまたはチタン合
金部材に対し、窒素と微量の酸素成分が化合物を形成す
ることなく同部材の内部へと拡散,固溶されなければな
らない。そのためには、同工程における処理温度が重要
となる。
本発明者は、この最適処理温度を求めるため、JIS規
格で定義された鏡面外観を有するチタン第2種材を被処
理部材とし、処理温度を630〜830℃の範囲で変化させて
本発明方法に基づく表面処理を実施した。
微量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスとして
は、99.4%の窒素に、2000ppm(0.2%)の酸素と、4000
ppm(0.4%)の水素とを添加した混合ガスを用いた。真
空槽内は減圧状態とし、5時間の加熱処理を行なった。
硬化処理後の被処理部材に対し、そのビッカース硬度
を測定した結果を第1図に示す。
同図から明らかなように、処理温度が700℃より低い
と、ビッカース硬度がHv=750以下となり、充分な硬化
処理がなされなかった。これは、700℃より低い処理温
度では、被処理部材に対し、窒素および酸素が充分に拡
散,固溶しないため、第1の硬化層および第2の硬化層
が適正に形成されないことに起因する。
一方、処理温度が800℃より高温の場合、被処理部材
に対し窒素と酸素の拡散,固溶速度が大きく、深い領域
まで硬化層が得られる。このためビッカース硬度はHv=
1100以上となった。
しかし、処理温度が800℃を越えると、被処理部材の
結晶粒が粗大化して表面粗れが発生することがわかっ
た。したがって、800℃を越える処理温度とした場合、
外観品質を良好に保てない。
なお、本発明者の一人が先に提案したチタン表面硬化
処理方法(特開昭61−69956号公報)では、処理温度を8
00〜880℃に設定していた。この場合、上述したとおり
表面粗れが発生するため、後工程に表面研磨などを挿入
する必要があった。
本発明方法では、以上の結果を踏まえ、700〜800℃の
温度範囲内で硬化処理工程を実施することとした。
上述した窒素主体の混合ガスにおける酸素成分の含有
濃度は任意でよいが、好ましくは窒素に対して酸素成分
の濃度を100〜30000ppmに調整する。すなわち、酸素成
分の濃度が100ppm(0.01%)より小さいと酸素の固溶が
充分に行なわれず、一方、酸素成分の濃度が30000ppm
(3%)を越えると、チタンまたはチタン合金部材の表
面に酸化物層が形成され、表面粗れを発生するおそれが
ある。
また、上述した第1の発明方法は、減圧状態下で硬化
処理工程を実施する。減圧の程度は任意でよいが、好ま
しくは0.01〜10Torrの範囲内に真空槽内の圧力を調整す
る。
冷却工程は、硬化処理工程を終了したチタンまたはチ
タン合金部材を、速やかに常温まで下げることを目的と
する。
この冷却工程は、硬化処理工程と同一のガス雰囲気で
実施しないようにすることが好ましい。硬化処理工程と
同一のガス雰囲気で冷却工程を実施した場合、チタンま
たはチタン合金部材の表面に窒化物や酸化物が形成さ
れ、外観品質を低下させてしまうおそれがある。
そこで、この冷却工程は、アルゴン,ヘリウムなどの
不活性ガス雰囲気で実施することが好ましい。すなわ
ち、冷却工程は、真空槽内を高真空排気して微量の酸素
成分を含有する窒素主体の混合ガスを除去し、続いて真
空槽内に不活性ガスを導入した減圧状態下で常温まで冷
却することが好ましい。なお、冷却工程は、真空雰囲気
の下で実施してもよい。
次に、この発明の第2のチタンまたはチタン合金部材
の表面処理方法(第2の発明方法)は、次の工程を含む
ことを特徴としている。
(1)真空槽内にチタンまたはチタン合金部材を配置
し、加熱して焼鈍処理する加熱工程 (2)加熱工程の後、真空槽内を高真空排気して不活性
ガスを除去し、続いて微量の酸素成分を含有する窒素主
体の混合ガスを真空槽内に導入するとともに同真空槽内
を大気圧に調整し、かつ該真空槽1内を700〜800℃の温
度で所定温度加熱することにより、チタンまたはチタン
合金部材の表面から内部へ窒素および酸素を拡散固溶さ
せる硬化処理工程 (3)硬化処理工程の後、チタンまたはチタン合金部材
を常温まで冷却する冷却工程 この第2の発明方法において、先の第1の発明方法と
異なる点は、大気圧の下において加熱工程および硬化処
理工程を実施する点である。
大気圧の下で加熱工程を実施する際、真空槽内に不活
性ガスを導入しているのは、チタンまたはチタン合金部
材が活性な金属であることから、同部材が窒素および酸
素成分以外の不純物成分と反応することを防止するため
である。
この第2の発明方法における各工程の目的および基本
的作用は、先に説明した第1の発明方法と同じである。
この第2の発明方法においても、加熱工程は、真空槽
内を真空排気した減圧状態の下で行なうことが好まし
い。あるいは、真空槽内を真空排気した後、該真空槽内
に不活性ガスを導入して大気圧に調整した雰囲気の下で
行なうことが好ましい。加熱工程をこのような雰囲気下
で行なうことにより、チタンまたはチタン合金部材が窒
素および酸素成分(硬化処理工程で導入)以外の不純物
と反応することを防止することができる。
硬化処理工程において用いられる混合ガスに含有され
る微量の酸素成分としては、酸素を含有する各種のガス
を利用できる。例えば、酸素ガス、水素ガス、水蒸気、
エチルアルコールやメチルアルコールなどのアルコール
ガスなどが上記酸素成分としてあげられる。さらに、水
蒸気とともに二酸化炭素ガスまたは一酸化炭素ガスを含
有させてもよい。
冷却工程は、第1の発明方法と同様、硬化処理工程と
同一のガス雰囲気で実施しないようにすることが好まし
い。すなわち、冷却工程は、真空槽内を高真空排気して
微量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスを除去
し、続いて真空槽内に不活性ガスを導入して大気圧に調
整し、常温まで冷却することが好ましい。なお、冷却工
程は、真空雰囲気の下で実施してもよい。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明方法により表面硬化処理した被処理
部材のビッカース硬度を測定した結果を示す図である。
第2図は、本発明方法により得られるチタンまたはチ
タン合金部材の構造を示す模式図である。
第3図は、本発明者による実施例に使用した表面処理
装置の概要を示す模式図である。
第4図および第5図は、表面からの深さに対する窒素
含有量および酸素含有量を測定した結果を示す図であ
る。
発明を実施するための最良の形態 この発明を実施するための最良の形態について、本発
明者が行なった実施例に基づいて詳細に説明する。
第2図は、本発明方法により得られるチタンまたはチ
タン合金部材の構造を示す模式図である。
同図に示すように、チタンまたはチタン合金部材100
の表面部分には、表面硬化層101が形成されている。こ
の表面硬化層101は、表面からほぼ20μmの深さまで広
がっている。この表面硬化層101は、窒素104および酸素
105が固溶している第1の硬化層102と、酸素105が固溶
している第2の硬化層103とに分けられる。第1の硬化
層102は、表面からほぼ1μmの深さまでの領域に認め
られ、それ以上の深さ領域が第2の硬化層103となって
いる。
窒素104および酸素105が固溶している第1の硬化層10
2は、特に硬度が高く部材表面の傷付きを防止する機能
を有している。また、第2の硬化層103は、部材の深部
まで硬化範囲を広げ、耐衝撃性を向上させる機能を有し
ている。
第3図は、本発明者による実施例に使用した表面処理
装置の概要を示す模式図である。
同図に示す表面処理装置は、真空槽1を中心に構成し
てある。真空槽1の内部には、チタンまたはチタン合金
部材100を載置するトレイ2、および加熱手段としての
ヒータ3が配設してある。
また、真空槽1には、ガス導入管4とガス排気管5が
接続してある。ガス導入管4は、図示しないガス供給源
と連通している。このガス導入管4の中間部にはガス導
入弁6が設けてあり、このガス導入弁6の開閉操作によ
り、真空槽1内に所要のガスを導入することができる。
一方、ガス排気管5は真空ポンプ7と連通しており、真
空ポンプ7の吸引力で真空槽1内のガスを吸引して排気
できるようになっている。なお、ガス排気管5の中間部
には、真空吸引動作の実行/停止を制御するための電磁
弁8が設けてある。
さらに、真空槽1には大気開放管9が接続してあり、
同管9の中間部に設けたベント弁10を開放することによ
り、真空槽1内の圧力を大気圧とすることができる。
以下に示す実施例1〜実施例7は、加熱工程,硬化処
理工程,冷却工程を経て、チタンまたはチタン合金部材
100を、第2図に示したごとき構造に表面処理する。硬
化処理工程では、反応ガスとして微量の酸素成分を含有
する窒素主体の混合ガスを真空槽1内に導入するが、各
実施例でこの反応ガスは異なった成分に調整してある。
また、実施例1〜実施例5は、減圧雰囲気下で硬化処
理工程を実施しており、一方、実施例6および実施例7
は、大気圧雰囲気下で硬化処理工程を実施した。
(実施例1) 真空槽1の内部をガス排気管5を通じて残留ガス雰囲
気の影響が排除される1×10-5Torr以下の圧力まで高真
空排気した後、ヒータ3によりチタンまたはチタン合金
部材100を650〜830℃の温度で加熱する。この加熱状態
を30分間保持して、チタンまたはチタン合金部材100を
焼鈍処理する(加熱工程)。
次いで、ガス導入管4から反応ガスとして、99.5%の
窒素に5000ppm(0.5%)の酸素を添加した混合ガスを導
入する。そして、真空槽1の内部圧力を0.2Torrに調整
するとともに、焼鈍処理したときの温度(650〜830℃)
をほぼ保ちながら5時間の加熱を実行する(硬化処理工
程)。
この硬化処理工程により、チタンまたはチタン合金部
材100の表面に窒素104および酸素105を吸着,拡散させ
るとともに、同部材100の表面から内部へ窒素104および
酸素105を固溶させることにより、第1の硬化層102と第
2の硬化層103からなる表面硬化層101が形成される(第
2図参照)。
この後、上記混合ガスの供給を停止して、真空排気を
行ないながら常温まで冷却した(冷却工程)。
この実施例1では、チタンまたはチタン合金部材(被
処理部材)として、JIS規格で定義されたチタン第2種
材からなる鏡面外観を有する部材を使用した。
加熱工程および硬化処理工程は、650〜830℃の温度範
囲で処理温度を種々変化させて実行した。
その後、硬さ、窒素または酸素の拡散深さと濃度、表
面粗れ、表面組織における結晶粒の大きさを、それぞれ
測定評価した。
硬さは、ビッカース硬度計により測定し、表面から1.
0μmの深さでの硬度Hv=750以上を合格とした。
窒素および酸素の拡散深さと濃度は、2次イオン質量
分析計(SIMS)により測定した。
表面粗れは、表面粗さ計を使用して平均表面粗さRaを
測定し、0.4μm以下を合格とした。
結晶粒Rcの大きさは、表面の結晶組織を電子顕微鏡に
より測定し、20〜50μmの範囲内にあるものを合格とし
た。
これらの測定結果を表1に示す。
表1において、試料番号S1〜S4は、加熱工程および硬
化処理工程における処理温度を変えて得られたチタンま
たはチタン合金部材である。なお、試料番号Scは未処理
の純チタン部材である。
表1に示したように、試料番号S1(処理温度650℃)
は、表面処理後の平均表面粗さRaおよび結晶粒の大きさ
Rcについては、ともに未処理の純チタン部材(試料番号
Sc)と同等な良好の外観品質を保持していた。しかし、
表面から1.0μmの深さにおける硬さがHv=380と低い値
を示した。
そこで、同深さ部分の窒素含有量をみると0.05重量%
であり、ほとんど窒素を含有していない。すなわち、第
2図に示す第1の硬化層102が形成されていないことが
わかる。さらに、表面から20μmの深さ部分の酸素含有
量も0.01重量%であり、第2の硬化層103も形成されて
いないことがわかる。
試料番号S4(処理温度830℃)は、表面から1.0μmの
深さにおける硬さがHv=1320と高いものの、平均表面粗
さがRa=1.0μmと大きく、また結晶粒もRc=80〜200μ
mに粗大化しており、表面粗れが顕著に認められた。チ
タンまたはチタン合金部材を装飾品に用いるには、かか
る表面粗れの程度は許容範囲を逸脱している。
これらに対し、試料番号S2およびS3は、表面から1.0
μmの深さにおける硬さがHv=820〜935と充分に高い値
を示し、かつ平均表面粗さRa=0.25〜0.3μm、結晶粒
の大きさRc=30〜60μmで、未処理の純チタン部材(試
料番号Sc)と同等な良好な外観品質を保持していた。
これら試料番号S2およびS3は、表面から1.0μmまで
の深さに0.6〜8.0重量%(具体的には、0.8〜1.6重量
%)の窒素、および1.0〜14.0重量%(具体的には、1.7
〜2.6重量%)の酸素をそれぞれ含有しており、第2図
に示した第1の硬化層102が形成されていることがわか
る。
さらに、表面から20μmまでの深さに0.5〜14.0重量
%(具体的には、0.7〜1.0重量%)の酸素を含有してお
り、第2図に示した第2の硬化層103も形成されている
ことがわかる。
第4図は、表面からの深さに対する窒素含有量および
酸素含有量を測定した結果を示す図である。測定対象
は、試料番号S2のチタンまたはチタン合金部材を用い
た。
同図から明らかなように、本実施例で表面硬化処理さ
れた試料番号S2のチタンまたはチタン合金部材は、表面
から深さ1μmまでの領域に多くの窒素および酸素を固
溶しており、さらに深い領域では多くの酸素を固溶して
いることがわかる。
(実施例2) 真空槽1の内部をガス排気管5を通じて残留ガス雰囲
気の影響が排除される1×10-5Torr以下の圧力まで高真
空排気した後、ヒータ3によりチタンまたはチタン合金
部材100を650〜830℃の温度で加熱する。この加熱状態
を30分間保持して、チタンまたはチタン合金部材100を
焼鈍処理する(加熱工程)。
次いで、ガス導入管4から反応ガスとして、99.7%の
窒素に3000ppm(0.3%)の水蒸気を添加した混合ガスを
導入する。そして、真空槽1の内部圧力を0.25Torrに調
整するとともに、焼鈍処理したときの温度(650〜830
℃)をほぼ保ちながら5時間の加熱を実行する(硬化処
理工程)。
この硬化処理工程により、チタンまたはチタン合金部
材100の表面に窒素104および酸素105を吸着,拡散させ
るとともに、同部材100の表面から内部へ窒素104および
酸素105を固溶させることにより、第1の硬化層102と第
2の硬化層103からなる表面硬化層101が形成される(第
2図参照)。
この後、上記混合ガスの供給を停止して、真空排気を
行ないながら常温まで冷却した(冷却工程)。
この実施例2でも、チタンまたはチタン合金部材(被
処理部材)として、JIS規格で定義されたチタン第2種
材からなる鏡面外観を有する部材を使用した。
加熱工程および硬化処理工程は、650〜830℃の温度範
囲で処理温度を種々変化させて実行した。
その後、硬さ、窒素または酸素の拡散深さと濃度、表
面粗れ、表面組織における結晶粒の大きさを、それぞれ
測定評価した。
硬さは、ビッカース硬度計により測定し、表面から1.
0μmの深さでの硬度Hv=750以上を合格とした。
窒素および酸素の拡散深さと濃度は、2次イオン質量
分析計(SIMS)により測定した。
表面粗れは、表面粗さ計を使用して平均表面粗さRaを
測定し、0.4μm以下を合格とした。
結晶粒Rcの大きさは、表面の結晶組織を電子顕微鏡に
より測定し、20〜65μmの範囲内にあるものを合格とし
た。
これらの測定結果を表2に示す。
表2において、試料番号S5〜S8は、加熱工程および硬
化処理工程における処理温度を変えて得られたチタンま
たはチタン合金部材である。
表2に示したように、試料番号S5(処理温度650℃)
は、表面処理後の平均表面粗さRaおよび結晶粒の大きさ
Rcについては、ともに未処理の純チタン部材(試料番号
Sc)と同等な良好の外観品質を保持していた。しかし、
表面から1.0μmの深さにおける硬さがHv=405と低い値
を示した。
そこで、同深さ部分の窒素含有量をみると0.06重量%
であり、ほとんど窒素を含有していない。すなわち、第
2図に示す第1の硬化層102が形成されていないことが
わかる。さらに、表面から20μmの深さ部分の酸素含有
量も0.01重量%であり、第2の硬化層103も形成されて
いないことがわかる。
試料番号S8(処理温度830℃)は、表面から1.0μmの
深さにおける硬さがHv=1400と高いものの、平均表面粗
さがRa=1.2μmと大きく、また結晶粒もRc=80〜250μ
mに粗大化しており、表面粗れが顕著に認められた。チ
タンまたはチタン合金部材を装飾品に用いるには、かか
る表面粗れの程度は許容範囲を逸脱している。
これらに対し、試料番号S6およびS7は、表面から1.0
μmの深さにおける硬さがHv=820〜940と充分に高い値
を示し、かつ平均表面粗さRa=0.25〜0.3μm、結晶粒
の大きさRc=30〜60μmで、未処理の純チタン部材(試
料番号Sc)と未処理の純チタンと同等な良好の外観品質
を保持していた。
これら試料番号S6およびS7は、表面から1.0μmまで
の深さに0.6〜8.0重量%(具体的には、0.9〜1.6重量
%)の窒素、および1.0〜14.0重量%(具体的には、2.0
〜2.5重量%)の酸素をそれぞれ含有しており、第2図
に示した第1の硬化層102が形成されていることがわか
る。
さらに、表面から20μmまでの深さに0.5〜14.0重量
%(具体的には、0.8〜1.2重量%)の酸素を含有してお
り、第2図に示した第2の硬化層103も形成されている
ことがわかる。
第5図は、表面からの深さに対する窒素含有量および
酸素含有量を測定した結果を示す図である。測定対象
は、試料番号S6のチタンまたはチタン合金部材を用いた 同図から明らかなように、本実施例で表面硬化処理さ
れた試料番号S6のチタンまたはチタン合金部材は、表面
から深さ1.0μmまでの領域に多くの窒素および酸素を
固溶しており、さらに深い領域では多くの酸素を固溶し
ていることがわかる。
(実施例3) 真空槽1の内部をガス排気管5を通じて残留ガス雰囲
気の影響が排除される1×10-5Torr以下の圧力まで高真
空排気した後、ヒータ3によりチタンまたはチタン合金
部材100を650〜830℃の温度で加熱する。この加熱状態
を30分間保持して、チタンまたはチタン合金部材100を
焼鈍処理する(加熱工程)。
次いで、ガス導入管4から反応ガスとして、99.4%の
窒素に2000ppm(0.2%)の酸素、および4000ppm(0.4
%)の水素をそれぞれ添加した混合ガスを導入する。そ
して、真空槽1の内部圧力を0.2Torrに調整するととも
に、焼鈍処理したときの温度(650〜830℃)をほぼ保ち
ながら5時間の加熱を実行する(硬化処理工程)。
この硬化処理工程により、チタンまたはチタン合金部
材100の表面に窒素104および酸素105を吸着,拡散させ
るとともに、同部材100の表面から内部へ窒素104および
酸素105を固溶させることにより、第1の硬化層102と第
2の硬化層103からなる表面硬化層101が形成される(第
2図参照)。
この後、上記混合ガスの供給を停止して、真空排気を
行ないながら常温まで冷却した(冷却工程)。
この実施例3でも、チタンまたはチタン合金部材(被
処理部材)として、JIS規格で定義されたチタン第2種
材からなる鏡面外観を有する部材を使用した。
加熱工程および硬化処理工程は、650〜830℃の温度範
囲で処理温度を種々変化させて実行した。
その後、硬さ、表面粗れ、表面組織における結晶粒の
大きさを、それぞれ測定評価した。
硬さは、ビッカース硬度計により測定し、表面から1.
0μmの深さでの硬度Hv=750以上を合格とした。
表面粗れは、表面粗さ計を使用して平均表面粗さRaを
測定し、0.4μm以下を合格とした。
結晶粒Rcの大きさは、表面の結晶組織を電子顕微鏡に
より測定し、20〜65μmの範囲内にあるものを合格とし
た。
これらの測定結果を表3に示す。
表3において、試料番号S9〜S12は、加熱工程および
硬化処理工程における処理温度を変えて得られたチタン
またはチタン合金部材である。
表3に示したように、試料番号S9(処理温度650℃)
は、表面処理後の平均表面粗さRaおよび結晶粒の大きさ
Rcについては、ともに未処理の純チタン部材(試料番号
Sc)と同等な良好の外観品質を保持していた。しかし、
表面から1.0μmの深さにおける硬さがHv=370と低い値
を示した。
試料番号S12(処理温度830℃)は、表面から1.0μm
の深さにおける硬さがHv=1300と高いものの、平均表面
粗さがRa=1.1μmと大きく、また結晶粒もRc=80〜200
μmに粗大化しており、表面粗れが顕著に認められた。
チタンまたはチタン合金部材を装飾品に用いるには、か
かる表面粗れの程度は許容範囲を逸脱している。
これらに対し、試料番号S10およびS11は、表面から1.
0μmの深さにおける硬さがHv=810〜920と充分に高い
値を示し、かつ平均表面粗さRa=0.25〜0.3μm、結晶
粒の大きさRc=30〜60μmで、未処理の純チタン部材
(試料番号Sc)と同等な良好の外観品質を保持してい
た。
この結果から、試料番号S11およびS12は、先に示した
実施例1における試料番号S2,S3のチタンまたはチタン
合金部材と同様、表面から1.0μmまでの深さに0.6〜8.
0重量%の窒素、および1.0〜14.0重量%の酸素をそれぞ
れ含有しており、第2図に示した第1の硬化層102が形
成していることが容易に推測できる。
さらに、表面から20μmまでの深さに0.5〜14.0重量
%の酸素を含有しており、第2図に示した第2の硬化層
103も形成していることも容易に推測できる。
(実施例4) 真空槽1の内部をガス排気管5を通じて残留ガス雰囲
気の影響が排除される1×10-5Torr以下の圧力まで高真
空排気した後、ヒータ3によりチタンまたはチタン合金
部材100を650〜830℃の温度で加熱する。この加熱状態
を30分間保持して、チタンまたはチタン合金部材100を
焼鈍処理する(加熱工程)。
次いで、ガス導入管4から反応ガスとして、99.7%の
窒素に2500ppm(0.25%)の水蒸気、および500ppm(0.0
5%)の二酸化炭素をそれぞれ添加した混合ガスを導入
する。そして、真空槽1の内部圧力を0.25Torrに調整す
るとともに、焼鈍処理したときの温度(650〜830℃)を
ほぼ保ちながら5時間の加熱を実行する(硬化処理工
程)。
この硬化処理工程により、チタンまたはチタン合金部
材100の表面に窒素104および酸素105を吸着,拡散させ
るとともに、同部材100の表面から内部へ窒素104および
酸素105を固溶させることにより、第1の硬化層102と第
2の硬化層103からなる表面硬化層101が形成される(第
2図参照)。
この後、上記混合ガスの供給を停止して、真空排気を
行ないながら常温まで冷却した(冷却工程)。
この実施例4でも、チタンまたはチタン合金部材(被
処理部材)として、JIS規格で定義されたチタン第2種
材からなる鏡面外観を有する部材を使用した。
加熱工程および硬化処理工程は、650〜830℃の温度範
囲で処理温度を種々変化させて実行した。
その後、硬さ、表面粗れ、表面組織における結晶粒の
大きさを、それぞれ測定評価した。
硬さは、ビッカース硬度計により測定し、表面から1.
0μmの深さでの硬度Hv=750以上を合格とした。
表面粗れは、表面粗さ計を使用して平均表面粗さRaを
測定し、0.4μm以下を合格とした。
結晶粒Rcの大きさは、表面の結晶組織を電子顕微鏡に
より測定し、20〜65μmの範囲内にあるものを合格とし
た。
これらの測定結果を表4に示す。
表4において、試料番号S13〜S16は、加熱工程および
硬化処理工程における処理温度を変えて得られたチタン
またはチタン合金部材である。
表4に示したように、試料番号S13(処理温度650℃)
は、表面処理後の平均表面粗さRaおよび結晶粒の大きさ
Rcについては、ともに未処理の純チタン部材(試料番号
Sc)と同等な良好の外観品質を保持していた。しかし、
表面から1.0μmの深さにおける硬さがHv=340と低い値
を示した。
試料番号S16(処理温度830℃)は、表面から1.0μm
の深さにおける硬さがHv=1240と高いものの、平均表面
粗さがRa=1.0μmと大きく、また結晶粒もRc=80〜200
μmに粗大化しており、表面粗れが顕著に認められた。
チタンまたはチタン合金部材を装飾品に用いるには、か
かる表面粗れの程度は許容範囲を逸脱している。
これらに対し、試料番号S14およびS15は、表面から1.
0μmの深さにおける硬さがHv=800〜850と充分に高い
値を示し、かつ平均表面粗さRa=0.25〜0.3μm、結晶
粒の大きさRc=30〜60μmで、未処理の純チタン部材
(試料番号Sc)と同等な良好の外観品質を保持してい
た。
この結果から、試料番号S14およびS15は、先に示した
実施例1における試料番号S2,S3のチタンまたはチタン
合金部材と同様、表面から1.0μmまでの深さに0.6〜8.
0重量%の窒素、および1.0〜14.0重量%の酸素をそれぞ
れ含有しており、第2図に示した第1の硬化層102が形
成していることが容易に推測できる。
さらに、表面から20μmまでの深さに0.5〜14.0重量
%の酸素を含有しており、第2図に示した第2の硬化層
103も形成していることも容易に推測できる。
(実施例5) 真空槽1の内部をガス排気管5を通じて残留ガス雰囲
気の影響が排除される1×10-5Torr以下の圧力まで高真
空排気した後、ヒータ3によりチタンまたはチタン合金
部材100を650〜830℃の温度で加熱する。この加熱状態
を30分間保持して、チタンまたはチタン合金部材100を
焼鈍処理する(加熱工程)。
次いで、ガス導入管4から反応ガスとして、99.3%の
窒素に7000ppm(0.7%)のエチルアルコールガスを添加
した混合ガスを導入する。そして、真空槽1の内部圧力
を0.1Torrに調整するとともに、焼鈍処理したときの温
度(650〜830℃)をほぼ保ちながら5時間の加熱を実行
する(硬化処理工程)。
この硬化処理工程により、チタンまたはチタン合金部
材100の表面に窒素104および酸素105を吸着,拡散させ
るとともに、同部材100の表面から内部へ窒素104および
酸素105を固溶させることにより、第1の硬化層102と第
2の硬化層103からなる表面硬化層101が形成される(第
2図参照)。
この後、上記混合ガスの供給を停止して、真空排気を
行ないながら常温まで冷却した(冷却工程)。
この実施例5でも、チタンまたはチタン合金部材(被
処理部材)として、JIS規格で定義されたチタン第2種
材からなる鏡面外観を有する部材を使用した。
加熱工程および硬化処理工程は、650〜830℃の温度範
囲で処理温度を種々変化させて実行した。
その後、硬さ、表面粗れ、表面組織における結晶粒の
大きさを、それぞれ測定評価した。
硬さは、ビッカース硬度計により測定し、表面から1.
0μmの深さでの硬度Hv=750以上を合格とした。
表面粗れは、表面粗さ計を使用して平均表面粗さRaを
測定し、0.4μm以下を合格とした。
結晶粒Rcの大きさは、表面の結晶組織を電子顕微鏡に
より測定し、20〜65μmの範囲内にあるものを合格とし
た。
これらの測定結果を表5に示す。
表5において、試料番号S17〜S20は、加熱工程および
硬化処理工程における処理温度を変えて得られたチタン
またはチタン合金部材である。
表5に示したように、試料番号S17(処理温度650℃)
は、表面処理後の平均表面粗さRaおよび結晶粒の大きさ
Rcについては、ともに未処理の純チタン部材(試料番号
Sc)と同等な良好の外観品質を保持していた。しかし、
表面から1.0μmの深さにおける硬さがHv=330と低い値
を示した。
試料番号S20(処理温度830℃)は、表面から1.0μm
の深さにおける硬さがHv=1200と高いものの、平均表面
粗さがRa=1.0μmと大きく、また結晶粒もRc=80〜180
μmに粗大化しており、表面粗れが顕著に認められた。
チタンまたはチタン合金部材を装飾品に用いるには、か
かる表面粗れの程度は許容範囲を逸脱している。
これらに対し、試料番号S18およびS19は、表面から1.
0μmの深さにおける硬さがHv=780〜830と充分に高い
値を示し、かつ平均表面粗さRa=0.25〜0.3μm、結晶
粒の大きさRc=30〜55μmで、未処理の純チタン部材
(試料番号Sc)と同等な良好の外観品質を保持してい
た。
この結果から、試料番号S18およびS19は、先に示した
実施例1における試料番号S2,S3のチタンまたはチタン
合金部材と同様、表面から1.0μmまでの深さに0.6〜8.
0重量%の窒素、および1.0〜14.0重量%の酸素をそれぞ
れ含有しており、第2図に示した第1の硬化層102が形
成していることが容易に推測できる。
さらに、表面から20μmまでの深さに0.5〜14.0重量
%の酸素を含有しており、第2図に示した第2の硬化層
103も形成していることも容易に推測できる。
(実施例6) 上述した実施例1〜5は、減圧雰囲気の下で硬化処理
工程を実施したが、本実施例6および次の実施例7で
は、大気圧雰囲気の下で硬化処理工程を実施する。
真空槽1の内部をガス排気管5を通して真空ポンプ7
により真空吸引し、残留ガス雰囲気の影響が排除される
1×10-2Torr以下の圧力まで真空排気した後、電磁弁8
を閉じる。続いて、ガス導入弁6を開き、ガス導入管4
を通して真空槽1内へアルゴンガス(不活性ガス)を導
入するとともに、大気開放管9のベント弁10を開いて真
空槽1内の圧力を大気圧に調整する。この雰囲気の下
で、ヒータ3によりチタンまたはチタン合金部材100を6
50〜830℃まで30分間加熱し焼鈍処理する(加熱工
程)。
次いで、大気開放管9のベント弁10およびガス導入管
4のガス導入弁6を閉塞するとともに、ガス排気管5の
電磁弁8を開いて真空ポンプ7による真空排気を実行す
る。真空排気は、真空槽1内が1×10-2Torr以下の圧力
になるまで続ける。
その後、ガス排気管5の電磁弁8を閉塞するととも
に、ガス導入管4のガス導入弁6を開き、真空槽1内へ
99.7%の窒素に3000ppm(0.3%)の水蒸気を添加した混
合ガスを導入する。このとき、大気開放管9のベント弁
10を開き、真空槽1内の圧力を大気圧に調整する。そし
て、焼鈍処理したときの温度(650〜830℃)をほぼ保ち
ながら5時間の加熱を実行する(硬化処理工程)。
この硬化処理工程により、チタンまたはチタン合金部
材100の表面に窒素104および酸素105を吸着,拡散させ
るとともに、同部材100の表面から内部へ窒素104および
酸素105を固溶させることにより、第1の硬化層102と第
2の硬化層103からなる表面硬化層101が形成される(第
2図参照)。
硬化処理工程を終了した後、大気開放管9のベント弁
10およびガス導入管4のガス導入弁6を閉じるととも
に、ガス排気管5の電磁弁8を開いて、真空ポンプ7に
より真空槽1内を1×10-2Torr以下の圧力まで真空排気
して、上記混合ガスを除去する。
続いて、ガス排気管5の電磁弁8を閉じるとともに、
ガス導入管4のガス導入弁6を開き、アルゴンガスを導
入する。同時に大気開放管9のベント弁10を開き、真空
槽1内の圧力を大気圧に調整する。この雰囲気中でチタ
ンまたはチタン合金部材を常温まで冷却した(冷却工
程)。
この実施例6でも、チタンまたはチタン合金部材(被
処理部材)として、JIS規格で定義されたチタン第2種
材からなる鏡面外観を有する部材を使用した。
加熱工程および硬化処理工程は、650〜830℃の温度範
囲で処理温度を種々変化させて実行した。
その後、硬さ、表面粗れ、表面組織における結晶粒の
大きさを、それぞれ測定評価した。
硬さは、ビッカース硬度計により測定し、表面から1.
0μmの深さでの硬度Hv=750以上を合格とした。
表面粗れは、表面粗さ計を使用して平均表面粗さRaを
測定し、0.4μm以下を合格とした。
結晶粒Rcの大きさは、表面の結晶組織を電子顕微鏡に
より測定し、20〜65μmの範囲内にあるものを合格とし
た。
これらの測定結果を表6に示す。
表6において、試料番号S21〜S24は、加熱工程および
硬化処理工程における処理温度を変えて得られたチタン
またはチタン合金部材である。
表6に示したように、試料番号S21(処理温度650℃)
は、表面処理後の平均表面粗さRaおよび結晶粒の大きさ
Rcについては、ともに未処理の純チタン部材(試料番号
Sc)と同等な良好の外観品質を保持していた。しかし、
表面から1.0μmの深さにおける硬さがHv=360と低い値
を示した。
試料番号S24(処理温度830℃)は、表面から1.0μm
の深さにおける硬さがHv=1410と高いものの、平均表面
粗さがRa=1.3μmと大きく、また結晶粒もRc=80〜250
μmに粗大化しており、表面粗れが顕著に認められた。
チタンまたはチタン合金部材を装飾品に用いるには、か
かる表面粗れの程度は許容範囲を逸脱している。
これらに対し、試料番号S22およびS23は、表面から1.
0μmの深さにおける硬さがHv=840〜1050と充分に高い
値を示し、かつ平均表面粗さRa=0.25〜0.35μm、結晶
粒の大きさRc=30〜60μmで、未処理の純チタン部材
(試料番号Sc)と同等な良好の外観品質を保持してい
た。
この結果から、試料番号S22およびS23は、先に示した
実施例1における試料番号S2,S3のチタンまたはチタン
合金部材と同様、表面から1.0μmまでの深さに0.6〜8.
0重量%の窒素、および1.0〜14.0重量%の酸素をそれぞ
れ含有しており、第2図に示した第1の硬化層102が形
成していることが容易に推測できる。
さらに、表面から20μmまでの深さに0.5〜14.0重量
%の酸素を含有しており、第2図に示した第2の硬化層
103も形成していることも容易に推測できる。
(実施例7) 真空槽1の内部をガス排気管5を通して真空ポンプ7
により真空吸引し、残留ガス雰囲気の影響が排除される
1×10-2Torr以下の圧力まで真空排気した後、電磁弁8
を閉じる。続いて、ガス導入弁6を開き、ガス導入管4
を通して真空槽1内へヘリウムガス(不活性ガス)を導
入するとともに、大気開放管9のベント弁10を開いて真
空槽1内の圧力を大気圧に調整する。この雰囲気の下
で、ヒータ3によりチタンまたはチタン合金部材100を6
50〜830℃まで30分間加熱し焼鈍処理する(加熱工
程)。
次いで、大気開放管9のベント弁10およびガス導入管
4のガス導入弁6を閉塞するとともに、ガス排気管5の
電磁弁8を開いて真空ポンプ7による真空排気を実行す
る。真空排気は、真空槽1内が1×10-2Torr以下の圧力
になるまで続ける。
その後、ガス排気管5の電磁弁8を閉塞するととも
に、ガス導入管4のガス導入弁6を開き、真空槽1内へ
99.7%の窒素に3000ppm(0.3%)の酸素を添加した混合
ガスを導入する。このとき、大気開放管9のベント弁10
を開き、真空槽1内の圧力を大気圧に調整する。そし
て、焼鈍処理したときの温度(650〜830℃)をほぼ保ち
ながら5時間の加熱処理を実行する(硬化処理工程)。
この硬化処理工程により、チタンまたはチタン合金部
材100の表面に窒素104および酸素105を吸着,拡散させ
るとともに、同部材100の表面から内部へ窒素104および
酸素105を固溶させることにより、第1の硬化層102と第
2の硬化層103からなる表面硬化層101が形成される(第
2図参照)。
硬化処理工程を終了した後、大気開放管9のベント弁
10およびガス導入管4のガス導入弁6を閉じるととも
に、ガス排気管5の電磁弁8を開いて、真空ポンプ7に
より真空槽1内を1×10-2Torr以下の圧力まで真空排気
して、上記混合ガスを除去する。
続いて、ガス排気管5の電磁弁8を閉じるとともに、
ガス導入管4のガス導入弁6を開き、ヘリウムガスを導
入する。同時に大気開放管9のベント弁10を開き、真空
槽1内の圧力を大気圧に調整する。この雰囲気中でチタ
ンまたはチタン合金部材100を常温まで冷却した(冷却
工程)。
この実施例7でも、チタンまたはチタン合金部材(被
処理部材)として、JIS規格で定義されたチタン第2種
材からなる鏡面外観を有する部材を使用した。
加熱工程および硬化処理工程は、650〜830℃の温度範
囲で処理温度を種々変化させて実行した。
その後、硬さ、表面粗れ、表面組織における結晶粒の
大きさを、それぞれ測定評価した。
硬さは、ビッカース硬度計により測定し、表面から1.
0μmの深さでの硬度Hv=750以上を合格とした。
表面粗れは、表面粗さ計を使用して平均表面粗さRaを
測定し、0.4μm以下を合格とした。
結晶粒Rcの大きさは、表面の結晶組織を電子顕微鏡に
より測定し、20〜65μmの範囲内にあるものを合格とし
た。
これらの測定結果を表7に示す。
表7において、試料番号S25〜S28は、加熱工程および
硬化処理工程における処理温度を変えて得られたチタン
またはチタン合金部材である。
表7に示したように、試料番号S25(処理温度650℃)
は、表面処理後の平均表面粗さRaおよび結晶粒の大きさ
Rcについては、ともに未処理の純チタン部材(試料番号
Sc)と同等な良好の外観品質を保持していた。しかし、
表面から1.0μmの深さにおける硬さがHv=330と低い値
を示した。
試料番号S28(処理温度830℃)は、表面から1.0μm
の深さにおける硬さがHv=1220と高いものの、平均表面
粗さがRa=1.0μmと大きく、また結晶粒もRc=80〜200
μmに粗大化しており、表面粗れが顕著に認められた。
チタンまたはチタン合金部材を装飾品に用いるには、か
かる表面粗れの程度は許容範囲を逸脱している。
これらに対し、試料番号S26およびS27は、表面から1.
0μmの深さにおける硬さがHv=780〜840と充分に高い
値を示し、かつ平均表面粗さRa=0.25〜0.3μm、結晶
粒の大きさRc=30〜60μmで、未処理の純チタン部材
(試料番号Sc)と同等な良好の外観品質を保持してい
た。
この結果から、試料番号S26およびS27は、先に示した
実施例1における試料番号S2,S3のチタンまたはチタン
合金部材と同様、表面から1.0μmまでの深さに0.6〜8.
0重量%の窒素、および1.0〜14.0重量%の酸素をそれぞ
れ含有しており、第2図に示した第1の硬化層102が形
成していることが容易に推測できる。
さらに、表面から20μmまでの深さに0.5〜14.0重量
%の酸素を含有しており、第2図に示した第2の硬化層
103を形成していることも容易に推測できる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでは
ない。
上記各実施例では、ヒータ3を用いてチタンまたはチ
タン合金部材を加熱し、窒素および酸素を固溶させてい
たが、その他にも例えば、プラズマを利用してチタンま
たはチタン合金部材へ窒素および酸素を固溶させてもよ
い。
また、硬化処理工程において真空槽1内に導入する微
量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスとしては、
上記各実施例で使用したものに限定されず、例えば、窒
素ガスに一酸化窒素,二酸化窒素,一酸化炭素,二酸化
炭素などの酸素成分を含むガスを添加したものであって
もよい。さらに加えて、ヘリウム,ネオン,アルゴン等
の不活性ガスや、水素成分,ホウ素成分,炭素成分を含
むガスを微量添加してもよい。
上述した実施例1〜実施例5では、加熱工程を高真空
排気した後、真空雰囲気中で加熱し焼鈍処理を実施した
が、真空雰囲気に限らず、この加熱工程をチタンまたは
チタン合金部材が反応しないヘリウム、アルゴンなどの
不活性ガス雰囲気中で実施してもよい。ただし、この場
合にも真空槽内は減圧状態とすることが好ましい。
一方、実施例6では加熱工程を大気圧のアルゴン雰囲
気で、また実施例7では加熱工程を大気圧のヘリウム雰
囲気で実施したが、これらの雰囲気に限らず、この加熱
工程を真空雰囲気で実施してもよい。
また、各実施例において、加熱工程の処理時間は30分
間に設定したが、これに限定されるものではなく、例え
ば30分〜2時間の範囲で任意に設定することができる。
さらに、各実施例において、硬化処理工程の処理時間
は5時間に設定したが、これに限定されるものではなく
必要に応じて任意に設定することができる。
ただし、硬化処理工程の処理時間が1時間に満たない
と、窒素および酸素の拡散固溶が充分に進行せず、必要
な硬度を得られないおそれがある。一方、硬化処理工程
の処理時間が10時間を越えるとチタンまたはチタン合金
部材に表面粗れを生じるおそれがある。したがって、硬
化処理工程の処理時間は、1〜10時間の範囲内に設定す
ることが好ましい。
また、上述した実施例1〜実施例5では、冷却工程を
真空排気しながら実施したが、真空雰囲気に限らず、こ
の冷却工程をチタンまたはチタン合金部材が反応しない
ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で実施し
てもよい。ただし、この場合にも真空槽1内は減圧状態
とすることが好ましい。
一方、実施例6では冷却工程を大気圧のアルゴン雰囲
気で、また実施例7では冷却工程を大気圧のヘリウム雰
囲気で実施したが、これらの雰囲気に限らず、この冷却
工程を真空雰囲気で実施してもよい。
産業上の利用可能性 本発明のチタンまたはチタン合金部材は、外観品質が
高くしかも充分な硬度を備えている。したがって、時計
ケース、時計バンド、ピアス、イヤリング、指輪、メガ
ネフレームなどの装飾品に好適である。
また本発明方法によれば、そのような特性を備えたチ
タンまたはチタン合金部材を安定して製作することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南谷 孝典 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シチズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 花井 賢司 東京都田無市本町6丁目1番12号 シチ ズン時計株式会社田無製造所内 (56)参考文献 特開 平6−41715(JP,A) 特開 平7−310513(JP,A) 特公 昭62−21865(JP,B2) 特公 昭59−10429(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 8/10

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面から任意の深さで表面硬化層が形成さ
    れたチタンまたはチタン合金部材であって、 前記表面硬化層は、表面から任意の深さまでの領域に形
    成された窒素および酸素を固溶する第1の硬化層と、こ
    の第1の硬化層より深い任意の領域に形成された酸素を
    固溶する第2の硬化層とを含むことを特徴とするチタン
    またはチタン合金部材。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項に記載したチタンまたは
    チタン合金部材において、 前記第1の硬化層は、0.6〜8.0重量%の窒素と1.0〜14.
    0重量%の酸素とを固溶しており、 前記第2の硬化層は、0.5〜14.0重量%の酸素を固溶し
    ていることを特徴としたチタンまたはチタン合金部材。
  3. 【請求項3】請求の範囲第1項に記載したチタンまたは
    チタン合金部材において、 前記第1の硬化層は、表面からほぼ1μmの深さの領域
    に形成され、 前記第2の硬化層は、前記第1の硬化層よりも深く、表
    面からほぼ20μmの深さまでの領域に形成されているこ
    とを特徴とするチタンまたはチタン合金部材。
  4. 【請求項4】真空槽内にチタンまたはチタン合金部材を
    配置し、加熱して焼鈍処理する加熱工程と、 前記加熱工程の後、微量の酸素成分を含有する窒素主体
    の混合ガスを前記真空槽内に導入し、所定の減圧状態下
    で該真空槽内を700〜800℃の温度で所定時間加熱するこ
    とにより、前記チタンまたはチタン合金部材の表面から
    内部へ窒素および酸素を拡散固溶させる硬化処理工程
    と、 前記硬化処理工程の後、前記チタンまたはチタン合金部
    材を常温まで冷却する冷却工程とを含むチタンまたはチ
    タン合金部材の表面処理方法。
  5. 【請求項5】請求の範囲第4項に記載したチタンまたは
    チタン合金部材の表面処理方法において、 前記加熱工程は、前記真空槽内を真空排気した減圧状態
    の下で行なうことを特徴とするチタンまたはチタン合金
    部材の表面処理方法。
  6. 【請求項6】請求の範囲第4項に記載したチタンまたは
    チタン合金部材の表面処理方法において、 前記加熱工程は、前記真空槽内を真空排気した後、該真
    空槽内に不活性ガスを導入した減圧状態下で行なうこと
    を特徴とするチタンまたはチタン合金部材の表面処理方
    法。
  7. 【請求項7】請求の範囲第4項に記載したチタンまたは
    チタン合金部材の表面処理方法において、 前記冷却工程は、前記真空槽内を高真空排気して前記微
    量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスを除去する
    とともに、該真空雰囲気の下で行なうことを特徴とする
    チタンまたはチタン合金部材の表面処理方法。
  8. 【請求項8】請求の範囲第4項に記載したチタンまたは
    チタン合金部材の表面処理方法において、 前記冷却工程は、前記真空槽内を高真空排気して前記微
    量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスを除去し、
    続いて前記真空槽内に不活性ガスを導入した減圧状態下
    で行なうことを特徴とするチタンまたはチタン合金部材
    の表面処理方法。
  9. 【請求項9】請求の範囲第4項に記載したチタンまたは
    チタン合金部材の表面処理方法において、 前記微量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスは、
    窒素ガスに、微量の酸素ガスを含有したものであること
    を特徴とするチタンまたはチタン合金部材の表面処理方
    法。
  10. 【請求項10】請求の範囲第9項に記載したチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法において、 前記微量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスが、
    微量の水素ガスを含有することを特徴とするチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法。
  11. 【請求項11】請求の範囲第4項に記載したチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法において、 前記微量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスは、
    窒素ガスに、微量の水蒸気を含有したものであることを
    特徴とするチタンまたはチタン合金部材の表面処理方
    法。
  12. 【請求項12】請求の範囲第11項に記載したチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法において、 前記微量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスが、
    微量の二酸化炭素ガスまたは一酸化炭素ガスを含有する
    ことを特徴とするチタンまたはチタン合金部材の表面処
    理方法。
  13. 【請求項13】請求の範囲第4項に記載したチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法において、 前記微量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスは、
    窒素に、微量のアルコールガスを含有したものであるこ
    とを特徴とするチタンまたはチタン合金部材の表面処理
    方法。
  14. 【請求項14】真空槽内にチタンまたはチタン合金部材
    を配置し、加熱して焼鈍処理する加熱工程と、 前記加熱工程の後、前記真空槽内を高真空排気して前記
    不活性ガスを除去し、続いて微量の酸素成分を含有する
    窒素主体の混合ガスを前記真空槽内に導入するとともに
    同真空槽内を大気圧に調整し、かつ該真空槽内を700〜8
    00℃の温度で所定時間加熱することにより、前記チタン
    またはチタン合金部材の表面から内部へ窒素および酸素
    を拡散固溶させる硬化処理工程と、 前記硬化処理工程の後、前記チタンまたはチタン合金部
    材を常温まで冷却する冷却工程とを含むチタンまたはチ
    タン合金部材の表面処理方法。
  15. 【請求項15】請求の範囲第14項に記載したチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法において、 前記加熱工程は、前記真空槽内を真空排気した減圧状態
    の下で行なうことを特徴とするチタンまたはチタン合金
    部材の表面処理方法。
  16. 【請求項16】請求の範囲第14項に記載したチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法において、 前記加熱工程は、前記真空槽内を真空排気した後、該真
    空槽内に不活性ガスを導入して大気圧に調整した雰囲気
    の下で行なうことを特徴とするチタンまたはチタン合金
    部材の表面処理方法。
  17. 【請求項17】請求の範囲第14項に記載したチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法において、 前記冷却工程は、前記真空槽内を高真空排気して前記微
    量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスを除去する
    とともに、該真空雰囲気の下で行なうことを特徴とする
    チタンまたはチタン合金部材の表面処理方法。
  18. 【請求項18】請求の範囲第14項に記載したチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法において、 前記冷却工程は、前記真空槽内を高真空排気して前記微
    量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスを除去し、
    続いて前記真空槽内に不活性ガスを導入して大気圧に調
    整した雰囲気の下で行なうことを特徴とするチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法。
  19. 【請求項19】請求の範囲第14項に記載したチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法において、 前記微量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスは、
    窒素ガスに、微量の酸素ガスを含有したものであること
    を特徴とするチタンまたはチタン合金部材の表面処理方
    法。
  20. 【請求項20】請求の範囲第14項に記載したチタンまた
    はチタン合金部材の表面処理方法において、 前記微量の酸素成分を含有する窒素主体の混合ガスは、
    窒素ガスに、微量の水蒸気を含有したものであることを
    特徴とするチタンまたはチタン合金部材の表面処理方
    法。
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