JP2005068491A - チタン材の表面硬化処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理すべきチタン材を窒素ガス又は窒素ガスを含む不活性ガスの雰囲気中で高温度及び高圧力下で所定時間保持してなす熱間等方圧加圧処理からなる窒化処理を行うことによりチタン材の表面に窒化層を形成してチタン材の表面を硬化させるようにしているから、真空炉を利用した窒化やイオン窒化等と比較して短時間で深い窒化層を得ることができると共に機械的特性の悪化をもたらす結晶粒の粗大化を抑制することができる。
【解決手段】処理すべきチタン材を窒素ガス又は窒素ガスを含む不活性ガスの雰囲気中で高温度及び高圧力下で所定時間保持してなす熱間等方圧加圧処理からなる窒化処理を行うことによりチタン材の表面に窒化層を形成してチタン材の表面を硬化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱間等方圧加圧(以下「HIP」ともいう。)処理によりチタン材の表面を硬化させるチタン材の表面硬化処理方法に関するものである。
従来、この種のチタン材の表面硬化処理方法として、熱拡散法に基づく、イオン窒化処理方法、溶融塩電解法を用いたホウ化処理方法又は真空炉を用いたガス窒化処理方法が知られている。
このうち、イオン窒化処理方法は、高エネルギーの放電プラズマを用いることによってチタン表面を窒化する方法である。この方法により得られる窒化物層は黄金色を呈し、密着性の良い高品質な硬化層が得られる。しかし、高真空中で被加工材と電極の間でグロー放電を発生させることによって窒化処理を行うため、大きな真空チャンバーと放電プラズマを得るための高価なパルス電源装置の設置が必要不可欠である。
又、溶融塩浴電解法を用いたホウ化処理方法は、チタン材をホウ化物塩浴中に投入し、電解を行うことによってホウ素を材料内部に拡散させる方法である。
このホウ化処理方法によって得られるホウ化層の最表面にはTiB2が形成され、その下にはTiB層が形成される。このホウ化層の硬さはHv2500程度まで増加し、約40μmに至る硬化層を得ることが出来る。ホウ化層の厚さは処理時間、処理温度及び電流密度に依存して変化するが、ホウ化層の成長は拡散律速であると考えられる。
又、真空炉を用いたガス窒化処理方法は、真空炉内で窒素ガスあるいはアンモニアガス等の濃度を調節しながら、チタン材の窒化を行う方法である。この方法では、850℃程度で20時間程度保持することによって、チタン材の表面はビッカース硬度でHv=1000程度、深さ方向に40〜60μm程度まで硬化による勾配の推移が得られるとの報告がある。この時の、チタン材への窒素の浸入速度は窒素の拡散速度が律速するため、深い硬化層を得るには長時間が必要とされる。また、チタン材は非常に活性であるため、真空炉内の酸素分圧を常に低く保ち、酸化を抑制しながら窒化を行う必要がある。
特開平8−104970号公報 特開昭61−69956号公報 特開平8−35053号公報 特開平5−140725号公報 特開平8−20860号公報 特開昭61−69956号公報 特開平5−293671号公報 特開平11−92910号公報 「チタンの加工技術」、日刊工業新聞社1992年11月27日発行、編著(社)チタニウム協会、P173〜P187 「チタン材のガス窒化処理」、平成10年日本熱処理技術協会 講演大会 論文、パーカーS・N工業株式会社、杉山知義他3名
しかしながら上記の如く、これら熱拡散法による表面硬化処理方法は、チタン材の耐摩耗性を改善するために有効なチタン材の表面硬化処理方法ではあるが、TiNやTiB2等の化合物は生成速度が小さく、厚い層を得るためには高温、長時間の処理が必要となる。これにより、チタン及びチタン合金の結晶粒成長による結晶粒の粗大化、さらには機械的特性の劣化を生じ易いという不都合を有している。
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、処理すべきチタン材を窒素ガス又は窒素ガスを含む不活性ガスの雰囲気中で高温度及び高圧力下で保持してなす熱間等方圧加圧処理からなる窒化処理を行うことにより該チタン材の表面に窒化層を形成して該チタン材の表面を硬化させることを特徴とするチタン材の表面硬化処理方法にある。
又、請求項2記載の発明は、上記チタン材の表面に機械研磨処理を行った後、上記窒化処理を行うことを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記チタン材の表面に化学研磨処理を行った後、上記窒化処理を行うことを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記チタン材の表面に機械研磨処理を行い、次いで、該チタン材の表面に化学研磨処理を行い、その後、上記窒化処理を行うことを特徴とするものである。
又、請求項5記載の発明は、上記窒化処理は、温度900℃〜1100℃、圧力100MPa以上で行うことを特徴とするものであり、又、請求項6記載の発明は、上記窒化処理は、保持時間2時間〜4時間で行うことを特徴とするものである。
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、処理すべきチタン材を窒素ガス又は窒素ガスを含む不活性ガスの雰囲気中で高温度及び高圧力下で所定時間保持してなす熱間等方圧加圧処理からなる窒化処理を行うことによりチタン材の表面に窒化層を形成してチタン材の表面を硬化させるようにしているから、真空炉を利用した窒化やイオン窒化等と比較して短時間で深い窒化層を得ることができると共に機械的特性の悪化をもたらす結晶粒の粗大化を抑制することができる。
又、請求項2記載の発明にあっては、上記チタン材の表面に機械研磨処理を行った後、上記窒化処理を行うようにしているから、各種の研磨具を用いてチタン材の表面に存在する厚くて緻密な酸化被膜を除去するとともに表面を平滑に仕上げる機械研磨処理により、窒化によって生じる内部応力に起因した窒化層の割れや剥離を未然に防止することができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記チタン材の表面に化学研磨処理を行った後、上記窒化処理を行うようにしているから、化学研磨処理により各種の機械的な加工等によってチタン材の表面に生じている窒素浸入の障壁となる緻密な酸化被膜を除去することができ、容易に窒素を浸入させることができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記チタン材の表面に機械研磨処理を行い、次いで、該チタン材の表面に化学研磨処理を行い、その後、上記窒化処理を行うようにしているから、各種の研磨具を用いてチタン材の表面に存在する厚くて緻密な酸化被膜を除去するとともに表面を平滑に仕上げる機械研磨処理及びその後の化学研磨処理により各種の機械的な加工等によってチタン材の表面に生じた窒素浸入の障壁となる緻密な酸化被膜を除去することにより、窒化によって生じる内部応力に起因した窒化層の割れやはく離を未然に防止することができると共に容易に窒素を浸入させることができる。
又、請求項5記載の発明にあっては、上記窒化処理は、温度900℃〜1100℃、圧力100MPa(980kgf/cm2)以上で行うようにしているから、圧力の上昇に伴い純チタンのβ変態点は僅かに低下し、低い温度でも安定的に窒化層を得ることができ、又、請求項6記載の発明にあっては、上記窒化処理は、保持時間2時間〜4時間で行うようにしているから、チタン材をβ変態点以上の可能な限り低い温度に設定し、結晶粒の粗大化を最小限に抑えて必要な硬化層を得ることができる。
処理すべきチタン材を窒素ガス又は窒素ガスを含む不活性ガスの雰囲気中で高温度及び高圧力下で所定時間保持してなす窒化処理を行うことにより、チタン材の表面に窒化層を形成してチタン材の表面を硬化させるようにしているから、真空炉を利用した窒化やイオン窒化等と比較して短時間で深い窒化層を得ることができると共に機械的特性の悪化をもたらす結晶粒の粗大化を抑制することができる。
図1乃至図6は本発明の実施例を示し、先ず、図1の如く、処理すべきチタン材Wはステップ1(S1)において、機械研磨処理され、この機械研磨処理は各種の研磨具を用いてチタン材Wの表面に存在する厚くて緻密な酸化被膜を除去すると共にチタン材Wの表面を平滑に仕上げる処理がなされる。
次いで、ステップ2(S2)において、機械研磨処理されたチタン材Wは化学研磨処理され、この場合、酸化性溶液にチタン材Wを浸せきすることにより化学研磨処理がなされ、この化学研磨処理により各種の機械的な加工等によってチタン材Wの表面に生じた緻密な酸化被膜を除去する処理がなされる。
次いで、ステップ3(S3)において、図2の如く、HIP装置1を用いて、処理すべきチタン材Wを窒素ガスN2又は窒素ガスN2を含むアルゴンAr、ヘリウムHe等の不活性ガスGの雰囲気中で高温度及び高圧力下で保持してなす熱間等方圧加圧処理(HIP処理)からなる窒化処理を行うことによりチタン材Wの表面に窒化層を形成してチタン材Wの表面を硬化させることになる。
この場合、HIP装置1は、図2の如く、上蓋2a及び下蓋2bにより密閉された圧力容器2からなり、この圧力容器2の下部にはグラファイトヒータ等のヒータ3が設けられ、内壁部に断熱材4が設けられ、かつ、内部にアルミナルツボ等のルツボ5が設けられ、ルツボ5内に処理すべきチタン材Wを配置する載置台6が設けられ、側壁部にはガス注入口7が設けられている。
しかして、処理すべきチタン材WをHIP装置1のルツボ内に供給し、圧力媒体としての窒素ガスN2又は窒素ガスN2を含むアルゴンAr、ヘリウムHe等の不活性ガスを図外の油圧コンプレッサーによりガス注入口7を介して圧力容器2内に供給し、これにより圧力容器2内を高圧状態で窒素ガスN2又は窒素ガスN2を含む不活性ガスGの雰囲気に作製すると共に上記ヒータ3により高温度状態に作製し、この窒素ガスN2又は窒素ガスN2を含む不活性ガスGの雰囲気、高温度、高圧力状態で所定時間保持して熱間等方圧加圧処理からなる窒化処理を行うことになり、この窒化処理によりチタン材Wの表面に窒素が進入し窒化層が形成されてチタン材Wの表面を硬化させることになる。
この窒化の処理温度は900℃〜1100℃が望ましく、何故ならば、処理温度900℃〜1570℃におけるαTi中での窒素原子の拡散係数は1.2×10−6m2/s、βTiチタン中での拡散係数は3.5×10−6m2/sであり、短時間にチタン材中へ窒素を拡散させるためには結晶構造が変わるβ変態点(882℃)程度以上での処理が望ましく、場合によってはβ変態点近傍の850〜900℃での窒化処理も不可能ではないが、窒素の拡散が充分に行われず、必要な硬化層が得られないおそれがあり、一方、1100℃以上の処理温度では結晶粒の成長が早いため、窒素の拡散と同時に結晶粒の粗大化が進行し、機械的強度が低下するおそれがあるからである。尚、ここに、β変態点とはチタンの結晶構造が最密六方格子(hcp)のα層から体心立方格子(bcc)のβ相へ変態する温度をいい、一般に結晶構造が最密六方格子のチタンαTi、体心立方格子のチタンをβTiと表記している。
又、上記窒化処理圧力は、HIP処理装置の昇圧の制約の範囲内において圧力100Pa以上で行うことが望ましく、何故ならば、圧力の上昇に伴い純チタンのβ変態点は僅かに低下し、即ち、圧力が高いほど低い温度で安定的に窒化層を得ることができるからである。
又、上記窒化の保持時間は、2時間〜4時間程度が目安とされ、チタン材Wは高温度で長時間保持すると結晶粒径が急速に粗大化することになり、これに対して、低温度で保持した場合、チタン材W中での窒素原子の拡散速度が遅いため必要な硬化層を得るには長時間を要して結晶粒の粗大化を招くおそれがあり、また、高温度で長時間保持した場合、硬化層は深くなるが熱間等方圧加圧処理によって生じる圧縮応力によって窒化層にクラックが生じて割れや剥離の原因となる可能性があり、即ち、結晶粒の粗大化を最小限に抑えて必要な硬化層を短時間で得るには温度と処理時間の選択がポイントとなり、具体的には、チタン材Wをβ変態点以上の可能な限り低い温度に設定し、処理時間によって硬化層深さを調節することが肝要となる。従って、必要とする硬化層の深さにもよるが、処理を行う際の保持時間は2〜4時間程度を目安とすべきことになる。
又、上記HIP処理の際の温度と圧力を上げる手法として、図4(a)又は(b)に示す昇温先行型(a)又は(b)、図5(a)又は(b)に示す昇温・昇圧同時型、図6(a)又は(b)に示す昇圧先行型があり、この図4の昇温先行型は圧力容器2内の温度を先に上げ、次いで圧力をあげ、所定の時間、一定の温度を保持した後、冷却するものであり、又、図5の昇温・昇圧同時型は圧力容器2内の温度と圧力を同時に上げ、所定の時間、一定の温度と圧力に保持した後、冷却するものであり、又、図6に示す昇圧先行型は、圧力容器2内の圧力を所定の値まで上げた後、温度を上げ、所定の時間、一定の温度と圧力に保持した後、冷却するものであり、これらのいずれのパターンを用いても保持温度と保持時間が同じであれば、ほぼ同様の効果が得られると思われる。
又、図3において、高温度、高圧力での保持によって、チタン材W中に充分な量の窒素を浸入させることになり、温度が一定の場合、保持時間を延ばすことで窒素が拡散する深さを増すことができ、逆に、保持時間を一定とした場合は、処理温度を上げることによって窒化層の深さを増すことができる。
又、冷却は、高温度、高圧力に一定時間保持した後、チタン材W室温まで冷却することになり、この例えば、ヒーター3の電源を遮断し、自然冷却させるか、又は、他の手段により強制的に冷却することもある。
又、取り出しは、例えば、炉内温度が300℃以下にて圧力を開放し、その後、炉内が常温、常圧となった時点でチタン材Wを取り出すことになる。
(第一実験例)
第一実験例は、純チタン2種、直径20mm×長さ25mmのチタン製磨き丸棒からなる試料に適用したもので、先ず、供試材の表面の酸化被膜をバフ研磨および化学研磨により除去した後、熱間等方圧加圧処理を行った。この場合、窒化処理温度は純チタンのβ変態点を挟んだ750℃〜1400℃の間で変更し、圧力は180Mpa、保持時間は2時間で各一定とし、圧力媒体としての窒素ガスN2を用いた。
下記の表1は第一実験例の実験結果を示し、窒化処理後の外観は、試料番号Aを除いた試料番号B〜Eでは窒化チタン特有の黄金色を呈しており、目視では窒化層の剥離、クラックの発生は認められなかった。試料番号Aの処理温度はチタンのβ変態点以下であり、今回設定した処理時間では窒素原子が充分に拡散することが出来ないことから、窒素チタンが殆ど生成していないためと考えられる。試料番号Aの表面の硬さは試料番号Fに示した未処理品と同等の硬さを示していた。試料番号B〜Eは、未処理品と比較して硬さが向上していることがわかる。また、硬化層深さは試料番号Bの20μmから試料番号Eの65μmまで温度の上昇とともに深くなっている。
Figure 2005068491
Figure 2005068491
(第二実験例)
第二実験例は、純チタン2種の板材を厚さ2mm×幅15mm×長さ57mmの小型の刃物状に加工したチタン製刃物からなる試料に適用したもので、先ず、供試材の表面の酸化被膜をバフ研磨および化学研磨により除去した後、窒化処理を行った。この場合、窒化処理は、圧力180MPaおよび保持時間2時間を各一定として、処理温度を950℃〜1100℃の間で変化させて行った。
下記の表3は第二実験例の実験結果を示し、実験後、いずれの供試材も窒化チタン特有の黄金色を呈しており、目視による観察では窒化層の剥離、割れは認められなかった。又、いずれの試料においても最表面の硬さはHv1000以上を示していた。処理時間一定の条件では処理温度が高いほど表面の硬さは上がり、硬化層深さは深くなっている。又、窒化処理後の試験片をX線回折により分析したところ、処理温度950℃ならびに1000℃の下で窒化処理した試験片にはTiN及びTi2N、1100℃で窒化処理した試験片にはTiNが認められた。
Figure 2005068491
これら二つの実験結果から、窒化層の性状にあっては、950℃、1000℃、1100℃の何れの処理温度で処理した試料においても、表面は窒化チタン特有の黄金色を呈している。X線回折によって表面性状を分析したところ、950℃および1000℃で処理した試料にはTiNならびにTi2Nから構成される窒化層が認められ、1100℃で処理した試料にはTiNからなる窒化層が確認され、即ち、1000℃程度までの処理ではTiNならびにTi2Nが混在した窒化層が生成し、これ以上の温度ではTiNからなる窒化層が生成する。窒化層の表面はHv1800以上の硬さを有し、2時間の処理でMax50μm程度までの硬化が認められた。
又、窒化層の深さにあっては、窒化層の深さは、圧力一定の条件下では保持温度と保持時間に依存する。即ち、窒化層を深くするためには、保持温度一定で保持時間を延ばす、保持時間一定で保持温度を上げる、といった方法が考えられるが、保持温度が高いほど窒素の浸入と拡散が起こりやすく、短時間に深い硬化層を得ることが出来るが、高温では結晶粒の粗大化が急速に進むため機械的性質が悪化する。このため、硬化層深さは低い保持温度で保持時間を調節することによって制御することが望ましい。一方、本実験によりチタン材の窒化層が生じる最も低い温度は900℃程度であることが確認された。
以上、所期の目的を充分達成することができる。
本発明の実施例の処理チャート図である。 本発明の実施例のHIP装置の説明断面図である。 本発明の実施例の処理チャート図である。 本発明の実施例の熱間等方圧加圧処理の説明図である。 本発明の実施例の熱間等方圧加圧処理の説明図である。 本発明の実施例の熱間等方圧加圧処理の説明図である。
符号の説明
W チタン材
1 HIP装置

Claims (6)

  1. 処理すべきチタン材を窒素ガス又は窒素ガスを含む不活性ガスの雰囲気中で高温度及び高圧力下で所定時間保持してなす熱間等方圧加圧処理からなる窒化処理を行うことにより該チタン材の表面に窒化層を形成して該チタン材の表面を硬化させることを特徴とするチタン材の表面硬化処理方法。
  2. 上記チタン材の表面に機械研磨処理を行った後、上記窒化処理を行うことを特徴とする請求項1記載のチタン材の表面硬化処理方法。
  3. 上記チタン材の表面に化学研磨処理を行った後、上記窒化処理を行うことを特徴とする請求項1記載のチタン材の表面硬化処理方法。
  4. 上記チタン材の表面に機械研磨処理を行い、次いで、該チタン材の表面に化学研磨処理を行い、その後、上記窒化処理を行うことを特徴とする請求項1記載のチタン材の表面硬化処理方法。
  5. 上記窒化処理は、温度900℃〜1100℃、圧力100MPa以上で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のチタン材の表面硬化処理方法。
  6. 上記窒化処理は、保持時間2時間〜4時間で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のチタン材の表面硬化処理方法。
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