JP2013023769A - 金属又は樹脂等の表層硬化法 - Google Patents

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龍大 市來
Hirokazu Nagamatsu
寛和 永松
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Tadanori Iwao
忠典 岩男
Shuichi Akamine
修一 赤峰
Seiji Kanazawa
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Abstract

【課題】大気圧下で窒化物生成ではなくN原子のみの拡散固溶処理を行って靭性を保ったまま硬度を向上させ,しかもこのN原子のみの固溶処理を連続ラインで処理することを可能にして,処理ラインの初期投資及びメンテナンスを低減させる方法を提供する
【解決手段】
容器内に原料ガスとして窒素ガスと共に水素ガスを添加しながら前記容器内を大気圧かそのプラス近傍の陽圧状態にして被処理物の表面にパルスアーク型プラズマジェットを照射することを特徴とするパルスアーク型プラズマジェットによる金属又は樹脂等の被処理材の表層硬化方法.
窒素ガス流量1〜100L/min,水素ガス/窒素ガス流量比0.1%〜200%,被処理物の温度を室温〜1000℃,処理時間を0.01時間〜24時間にする.被処理物を金属材料または絶縁体のいずれかにする.
【選択図】図1

Description

本発明は鋼,鉄,アルミニウム,チタン等の金属又は樹脂等の絶縁体などの被処理物の表層に大気圧下でパルスアーク型プラズマジェットにより,N原子を拡散硬化する表層硬化方法に関するものである.
例えば、鉄鋼の表面硬化技術のひとつに,窒素(N)原子を鉄に固溶させ硬化させる窒化処理技術がある.窒化処理では鉄鋼の最表面に窒化鉄からなる「化合物層」が10μm程度の厚さで形成され,その下部には深さ100μm程度まで窒素原子が鉄の結晶に固溶して硬化した「拡散層」が形成される.拡散層は耐摩耗性・疲労強度を向上させ,化合物層は耐食性・耐焼付性を改善する.
窒化処理は各種金型,エンジンの摺動部,切削工具に適用されており,今日では特に自動車産業では欠かせない技術である.窒化処理には幾つか手法があるが,低圧下での直流放電を用いたプラズマ窒化(イオン窒化)法が広く普及している.プラズマが利用される理由は,高エネルギー電子の存在により窒素(N)原子および他のラジカルが多く生成され窒化が促進されるためである.
しかしイオン窒化では真空容器中で処理を行うため設備が高価であり,またバッジ処理のみ可能なため作業時間および作業工程が増える.プラズマを用いた窒化技術が大気圧下で可能になれば,より簡便な処理,設備投資の低減,メンテナンスの低減,ライン処理の実現につながると期待される.
最近では,窒素を原料ガスとして,発生させた大気圧プラズマジェットを材料の表面に照射することにより,その材料の表層を窒化物に化学反応させることを特徴とする窒化処理法が特許文献1において紹介されている.
いずれにしても金属材料の表層を窒化物にすると硬度は向上するが靭性が著しく低下し脆くなる.
そこで我々は,大気圧下で生成されるパルスアーク型(PA)プラズマジェットによる表面硬化処理の研究を開始した.
特開2009−202087
Y.Takemura,Y.Kubota,N.Yamaguchi,and T.Hara,"Development of atmospheric plasma jet with long flame",IEEE Transactions on Plasma Science,Vol.37,No.8,pp.1604−1606,2009. Y.Kubota,R.Ichiki,T.Hara,N.Yamaguchi,and Y.Takemura,"Spectroscopic analysis of nitrogen atmospheric plasma jet",Journal of Plasma and Fusion Research Series,Vol.8,pp.740−743,2009. 堤,寺本,張,小野,小田,「大気圧プラズマジェット中のN原子・O原子・NO分子のLIF計測」,静電気学会講演論文集2010,pp.217−220,2010. I.Lee and I.Park,"Microstructures and mechanical properties of surface−hardened layer produced on SKD61 steel by plasma radical nitriding",Materials Science and Engineering A,Vol.449−451,pp.890−893,2007.
窒素を用いた硬化処理で最も重要な条件はN原子の生成と,処理温度の制御の2点である.
本発明はこの2点を課題にして,大気圧下で窒化物生成ではなくN原子を被処理物に拡散固溶させ靭性を保ったまま硬度を向上させ,しかもこのN原子のみの拡散処理を連続ラインで処理することを可能にし,さらに処理ラインの初期投資及びメンテナンスを低減させる表層硬化方法を提供するものである.
本発明は前述した課題を全て満足する金属又は樹脂等の被処理物の表層硬化法でありその特徴とするところは,次の(1)〜(3)にある.
(1)容器内に原料ガスとして窒素ガスと共に水素ガスを添加しながら前記容器内を大気圧かそのプラス近傍の陽圧状態にして容器内の被処理物の表面にパルスアーク型プラズマジェットを照射することを特徴とするパルスアーク型プラズマジェットによる金属又は樹脂等の被処理材の表層硬化方法.
(2)窒素ガス流量1〜100L/min,水素ガス/窒素ガス流量比0.1%〜200%,被処理物の温度を室温〜1000℃,処理時間を0.01時間〜24時間にすることを特徴とするパルスアーク型プラズマジェットによる金属又は樹脂等の被処理材の表層硬化方法.
(3)被処理物を金属材料または絶縁体のいずれかにすることを特徴とするパルスアーク型プラズマジェットによる金属又は樹脂等の被処理材の表層硬化方法.
本発明は,プラズマジェット生成容器内を大気圧かそのプラス近傍の陽圧状態の窒素ガス雰囲気にし,さらに窒素ガス中に水素ガスを添加して金属材料の表面にパルスアーク型プラズマジェットを照射することにより,被処理物の表層に窒化物を作るのではなく,窒素原子を被処理物の表層結晶中に拡散して拡散部分を靱性を保ったまま硬化させるのである.
つまり窒素ガス中に添加した水素ガスは,外部から誘引された微量の酸素を還元除去して窒素ガスおよび被処理物の酸化を防止して,窒素原子のみを被処理物の表層に深く拡散固溶させて拡散部分を靱性を保ったまま硬化させるのである.
パルスアーク型プラズマジェットの概要.(a)同心円筒型電極を搭載したプラズマジェットノズル.(b)印加電圧および放電電流のオシロスコープ波形. 硬化処理装置の概略図. 実施例の具体例1において鏡面研磨した合金工具鋼SKD61の表面の処理前と処理後を比較した写真である. 実施例の具体例1において合金工具鋼SKD61を処理後の断面の金属組織写真である. 実施例の具体例1において合金工具鋼SKD61を処理後の表面のX線回折分析の結果を示すグラフである. 実施例の具体例1において合金工具鋼SKD61を処理後の硬さ分布を示すカラーマップである. 水素ガスの添加方法を示す例でありプラズマジェット内に窒素ガスと混合して流す方法(a),(c)と,窒素ガス雰囲気中に容器側面から添加する方法(b),(d)を示す概略説明図である. 実施例の具体例2において鉄を処理後の硬さ分布を示すカラーマップである.
<本発明における,N原子の生成と処理温度(〜500℃)の制御>
処理温度(〜500℃)の制御に関しては,処理温度が低すぎるとN原子が熱拡散しないため硬化せず,高すぎると拡散速度が大きすぎ高N原子密度が得られない,また被処理物が軟化するためこの場合も硬化しない.さらに,想定外の温度上昇は被処理物の熱歪みや溶融の原因となるため,寸法精度を必要とする金型や摺動部材には使用できない.これら両方の条件をパルスアーク型プラズマジェットは満たしている.N原子の生成条件に関しては,過去の研究でN原子の存在がプルーム中に確認されている(非特許文献1,2,3).
また処理温度(〜500℃)の制御に関しては,ノズル先端から10mm程度離れた場所ではガス温度が500℃以下となるため試料温度が外部ヒーターで制御できる.その一方,プラズマジェットの照射面積には限界があるため大面積処理に不向きという短所があるが,「局所的硬化処理」という新規シーズの提供に工業的価値があると考える.
以下に本発明に至った研究経緯を詳細に紹介する.
プラズマジェットの生成は,図1(a)に示されるステンレス製同軸円筒型電極ノズル中に純度99.99%の窒素ガスを20L/minで導入し,高周波電源(plasmatreat社FG3001)により印加電圧4.5kV,放電電流1A,周波数21kHzのパルスアーク放電を発生させる.典型的な電圧電流特性を図1(b)に示す.生成したパルスアークプラズマのアフターグローを,ノズル先端のオリフィスから噴射することにより,プラズマジェットのプルームを発生させる.
窒化処理の手順は以下の通りである.本実験の供試材として合金工具鋼SKD61(C:0.32%,Si:0.92%,Mn:0.42%,Cr:5.12%,Mo:1.19%,V:0.8%,Fe:Bal.)の試料を用いた.試料を円盤形(直径20mm×厚さ4mm)に加工し,表面をアルミナ研磨剤(0.3μm)で鏡面研磨し,アセトンによる超音波洗浄で脱脂した.図2に示されるステンレス製密閉容器(内径153mm×深さ223mm)の中にセラミックヒーターを設置し,その上に試料を配置した.プラズマジェットノズルは容器上部から挿入した.容器下部には3/8インチ管の排気口が4組付いており,ノズルから窒素ガスを導入し密閉容器中の窒素置換を25min行った.酸素濃度1%以下の窒素雰囲気中ではプルーム長が2cmから20cm程度に伸長することが知られており(非特許文献1),本発明者も同様の現象を確認した.
窒素置換後にプラズマジェットを点火し,ジェットを試料上面に照射し,ヒーターを500℃に昇温して2h処理を行った.ノズル−試料間距離(照射距離)は15mmとした.なお照射距離が15mmの場合,セラミックヒーターを500℃に昇温した段階で試料表面が500℃に達することを熱電対により確認している.また簡易な発光分光計測により,ノズル付近のジェットプルーム中においてN原子の存在を確認している.
試料の結晶の評価にはX線回折装置(日本フィリップスXパート,Cu−Kα線)を用いた.金属組織観察はナイタール腐食後に光学顕微鏡(KeyenceVHX−500F)を用いて行った.硬さの評価はマイクロVickers硬さ試験器(Akashi HM−102)により行った.
<水素ガスを用いない処理>
窒素プラズマジェットのみを用いた処理では試料の表面は黒色化し,XRD分析の結果,黒色層は酸化鉄(Fe)であることが分かり,厚さは10μm以上に達していた.このことから,残留酸素の影響が極めて大きいことが分かった.また試料の表面硬さは上昇していなかった.
<水素ガスを添加した処理>
酸化膜がN原子の拡散を抑制している可能性が考えられるため,残留酸素および酸化膜の還元を目指して水素ガスの添加を試みた.ジェットノズルに供給する窒素ガスに水素ガスを添加(1L/min)した.照射距離を15mmに設定し処理を行った結果,図3に示すように試料の表面が灰色化した.
試料断面の金属組織写真を図4に示す.最表面には白色の層が薄く形成されていることが分かる.図5に示すX線回折分析の結果により,この層はFe2−3Nであることが分かった.その下部には100mmにわたって黒色化した層が形成されており,この組織はSKD61中に窒素原子が拡散固溶した証拠であることが分かっている(非特許文献4).
プラズマジェット照射中心の直下におけるVickers硬さの深さ方向分布を図6に示す.
図6より,表面から100μmまでが硬化していることが分かる.また,照射中心位置から離れた位置においても,数10μmの深さまで硬化していることを確認した.
上記の金属組織と併せて考えると,この硬化はN原子拡散によるものであると結論することができる.
すなわち,化合物層および拡散層の形成,さらにそれに伴う表面の硬化を実現したことから,PAプラズマジェットによる窒化処理が可能であることが実証された.
このようにして本発明者等は,パルスアーク型窒素プラズマジェットの照射により,鉄試料の窒化処理による表面硬化を達成した.
以上の新知見に基きなされた本発明は,上記実験では被処理物として合金工具鋼の表層硬化を実証したが,他に,鉄,アルミニウム,チタン,超硬合金などの非鉄金属や絶縁体の表層硬化も可能である.
また使用するパルスアーク型大気圧プラズマジェットは既存の製品でよい.
パルスアーク型大気圧プラズマジェットは産業界では物質表面の親水性,接着性の向上に使用され,学術界では水処理,薄膜作製の研究がなされている.しかし,表面硬化処理への適用例はない.
窒素ガスおよび水素ガスは,「ジェット」→「処理炉」→「ジェット」と循環すれば使用量を大幅に低減できる.
窒素ガス雰囲気中に少しでも酸素(0.01%でも)があると,窒素プラズマジェットを照射したところで酸化が起きてしまい,被処理物は硬化しない.
混入酸素を徹底的に除去するには,真空系が必要になり,大気圧プラズマを使う意味がなくなってしまう.
酸素混入の問題を解決するため,本発明では処理中に水素ガスを添加し,混入した酸素を還元し除去するのである.
これにより,酸素混入を許すほどの安価で簡易な容器中でも酸化を防ぎ,硬化処理を施すことができる.
容器内は外気に対して陽圧であればよい.
このように本発明は,真空系が不要な簡易な処理設備により実現できるため,生産ラインとして例えば「エンジン部品や金型などの加工」→「洗浄」→「硬化」→「組み立て」というラインの硬化工程に本発明を組み込むことが容易にできる.
本発明において,技術条件の定義及びそれを選択した技術的意義について以下に説明する.
<パルスアーク型プラズマジェットの定義>
1.繰り返し周波数範囲:50Hz〜100MHz
2.パルス幅:100ns〜100μs
3.同軸円筒型電極の内部電極側に高電圧パルスを印加
4.生成したパルスアーク放電のアフターグローを円筒型電極から外部に押し出すことでプラズマジェットを生成する
<窒素ガス流量について>
窒素ガス流量の好ましい範囲を1〜100L/minにする理由.
窒素ガス流量を1〜100L/minにすることによりパルスアーク放電が安定化し,さらにノズル−被処理物間距離を1mm〜200mmの範囲でフレキシブルに変化させることができる.
窒素ガス流量を1L/min未満にするとプラズマジェットが伸長せず,処理が困難である.
窒素ガス流量を100L/minを越えるとパルスアーク放電が不安定化しプラズマジェットが生成しない.
<水素ガス流量について>
水素ガス/窒素ガス流量比の好ましい範囲を0.1%〜200%にする理由.
水素ガス/窒素ガス流量比を0.1%〜200%とすると被処理物の成分酸化を抑制し,表層内への窒素原子の拡散を実現化させる.
水素ガス/窒素ガス流量比を0.1%未満にすると,被処理物が成分酸化する.
水素ガス/窒素ガス流量比を200%を越えるとパルスアーク放電が不安定化しプラズマジェットが生成しない.
<被処理物温度>
被処理物温度の好ましい範囲を室温〜1000℃にする理由.
被処理物温度を室温〜1000℃とすると、表層硬化処理の効果が充分得られる.
被処理物温度を室温未満にすると、窒素原子が拡散せず被処理物の表層が硬化しない.
被処理物温度を1000℃を越えると被処理物自体が軟化もしくは溶融してしまい硬化処理不能でありその意義を喪失する.
<処理時間について>
処理時間を0.01時間〜24時間にする理由
処理時間を0.01時間〜24時間にすると、硬化処理の効果が充分に得られる.
処理時間を0.01時間未満にすると、窒素原子が拡散せず被処理物が硬化しない.
処理時間を24時間を越えると、ライン処理としては長時間すぎ実用的でない.
<水素ガスの添加方法について>
水素ガスの添加方法は,実験形態として図7の(a),(c)に示すようにプラズマジェット内に窒素ガスと混合して流す方法と,図7の(b),(d)に示すように窒素雰囲気中に容器側面から添加する方法がある.
図7の(a)の方法の説明
ジェットノズル1から簡易容器2内に窒素・水素混合ガス5が供給され,プラズマジェット3として被処理物4に照射される.窒素・水素混合ガス5は容器下部から排気6として排出される.
図7の(b)の方法の説明
ジェットノズル1から簡易容器2内に窒素ガス7が供給され,プラズマジェット3として被処理物4に照射される.水素ガス8は簡易容器2の横から処理雰囲気に添加される.窒素・水素混合ガスは容器下部から排気6として排出される.
図7の(c)の方法の説明
ジェットノズル1から密閉容器9内に窒素・水素混合ガス5が供給され,プラズマジェット3として被処理物4に照射される.窒素・水素混合ガスは排気ダクト10から排気6として排出され,循環させて再びプラズマジェット3に供給させることも出来る.
図7の(d)の方法の説明
ジェットノズル1から密閉容器9内に窒素ガス7が供給され,プラズマジェット3として被処理物4に照射される.水素ガス8は密閉容器9の横から処理雰囲気に添加される.窒素・水素混合ガスは排気ダクト10から排出されるが,循環させて再びジェットノズル1に供給させることも出来る.
次に本発明の実施例の具体例を以下に詳細に紹介する.
表1に本発明の実施例の具体例を記載した.
<各具体例の補足説明>
共通条件として印加電圧は図1(b)と同様である.
1.具体例1の説明
具体例1の結果は図3に示すように鏡面研磨した工具鋼の表面が,処理後には灰色になった.
図6のように元々は硬度が600Hv程度の合金工具鋼SKD61(C:0.32%,Si:0.92%,Mn:0.42%,Cr:5.12%,Mo:1.19%,V:0.8%,Fe:Bal.)の表面付近で1200Hvまで上昇しており,2時間の処理で工具鋼の表面から約100μmまでが硬化した.
50μmまで硬化した範囲は,半径平均7mmであった.
2.具体例2の説明
図8のように元々は硬度が130Hv程度の鉄(Fe:99.5%)の表面付近で230Hvまで上昇しており,2時間の処理で鉄の表面から約600μmまでが硬化した.
一様に硬化した範囲は,半径平均10mmであった.
3.具体例3の説明
元々は硬度が50Hv程度のアルミニウムA5052(Si:0.25%,Fe:0.4%,Cu:0.1%,Mn:0.1%,Mg:2.5%,Cr:0.25%,Zn:0.1%,Al:Bal.)の表面付近で1600Hvまで上昇しており,2時間の処理で表面から約10μmまでが硬化した.
一様に硬化した範囲は,半径平均12mmであった.
4.具体例4の説明
元々は硬度が120Hv程度のアルミニウムA2017(Si:0.5%,Fe:0.4%,Cu:4%,Mn:0.6%,Mg:0.6%,Zn:0.1%,Al:Bal.)の表面付近で1600Hvまで上昇しており,2時間の処理で表面から約2μmまでが硬化した.
一様に硬化した範囲は,半径平均11mmであった.
処理中の焼鈍により母材硬度が100Hvまで降下したが,再び容体化処理(処理温度:500℃,処理時間:1h,時効硬化温度:室温,時効硬化時間:100h)を行うことにより,硬化層の剥離なく母材硬度を120Hvまで戻すことができた.
5.具体例5の説明
元々は硬度が250Hv程度の純チタンJIS2種(H:0.013%,O:0.2%,N:0.05%,Fe:0.25%,Ti:Bal.)の表面付近で500Hvまで上昇しており,2時間の処理で表面から約30μmまでが硬化した.
一様に硬化した範囲は,半径平均13mm以上であった.
6.具体例6の説明
元々は硬度が350Hv程度の64チタン(H:0.013%,O:0.2%,N:0.05%,Fe:0.25%,Al:6.2%,V:4.2%,Ti:Bal.)の表面付近で700Hvまで上昇しており,2時間の処理で表面から約50μmまでが硬化した.
一様に硬化した範囲は,半径平均13mmであった.
このように本発明の実施例における各具体例はいずれも靭性を劣化させることなく所期の表層硬化処理の作用効果を得ることができた。
本発明は前記の優れた効果を呈するため,本発明は,自動車エンジン部品,金型(鍛造,鋳造,ダイカスト,引き出し,射出成形),切削工具や刃物の長寿命化に活用でき広く産業界に貢献すること多大なものがある.
1.プラズマジェットノズル
2.容器
3.プラズマジェット
4.被処理物
5.窒素・水素混合ガス
6.排気
7.窒素ガス
8.水素ガス
9.密閉容器
10.排気ダクト

Claims (3)

  1. 容器内に原料ガスとして窒素ガスと共に水素ガスを添加しながら前記容器内を大気圧かそのプラス近傍の陽圧状態にして被処理物の表面にパルスアーク型プラズマジェットを照射することを特徴とするパルスアーク型プラズマジェットによる金属又は樹脂等の被処理材の表層硬化方法.
  2. 窒素ガス流量1〜100L/min,水素ガス/窒素ガス流量比0.1%〜200%,被処理物の温度を室温〜1000℃,処理時間を0.01時間〜24時間にすることを特徴とする請求項1に記載のパルスアーク型プラズマジェットによる被処理材の表層硬化方法.
  3. 被処理物を金属材料または絶縁体のいずれかにすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパルスアーク型プラズマジェットによる金属又は樹脂等の被処理材の表層硬化方法.
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