JP6321982B2 - 金属材料の表面処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、金属材料の表面に炭素または炭素と窒素を拡散浸透させて、改質層を形成する金属材料の表面処理方法に関する。
表面処理方法の一種である浸炭とは、例えば鋼板の表面に炭素を拡散して浸透させ、この表層にマルテンサイトの高い硬さと残留圧縮応力を生じさせる熱処理法である。浸炭処理後に焼入れ・焼戻しを行うことで、鋼板(金属材料)の中心部にその材料が本来有する靭性、伸びなどの性質を維持しつつ、金属材料の表面部の耐摩耗性、耐傷性を高めることができる。浸炭処理を施した金属材料は、例えば機械部品や工具などの材料として広く利用される。
ところで、チタンやステンレス鋼の表面硬化にガス浸炭(ガス窒化も同様)を適用した場合、チタンやステンレス鋼の表面に存在する「不動態皮膜」によって、炭素(ガス窒化では窒素)の拡散が妨げられ、表面改質できないことが知られている。
これを解決する従来技術として、例えば本願発明者が先に特許出願して国際公開された特許文献1に開示された表面処理方法が知られている。これは、処理対象の金属材料を、炭素粉末と、鉄粉末(または炭素を含有した鉄合金粉末)とを含む炭素源粉末(以下、改質用粉末)中に埋没させ、このまま処理対象の金属材料を窒素ガス雰囲気で加熱処理することにより、金属表面を改質するものである。
この方法は、鉄の触媒的な作用によって処理対象である金属材料の不動態皮膜に対する還元能力を高め、金属表面への炭素または炭素と窒素の拡散を促進させることにより、簡便かつ低コストで、金属材料の表面硬さを高めて耐摩耗性を改善できるとともに、耐食性や耐酸化性の付与といった高付加価値化も図ることが可能となった。
国際公開第WO2011/092998号
このように、特許文献1では、金属材料への炭素の供給源として、活性炭粉末やグラファイト粉末といった炭素粉末と、鉄粉末または炭素を含有した鉄合金粉末(以下、鉄・鉄合金粉末)とを含む改質用粉末を利用している。そこで、資源の有効利用を図るため、使用済みの改質用粉末を繰り返し使用することが考えられる。
しかしながら、炭素は処理中に金属材料へ拡散し、さらに電気炉外に一酸化炭素として排出されるため、繰り返し使用することにより、改質用粉末に含まれる炭素量は低下する。これは、金属材料周辺における炭素の供給量の減少、さらに不動態皮膜に対する還元能力の低下をもたらす。したがって、繰り返し使用する回数が増加するほど金属表面の改質層が薄くなり、最終的にはその改質効果がほぼ消失する。
この課題を簡便に解消する方法として、改質用粉末中の炭素粉末の割合を、あらかじめ改質用粉末の再使用回数分だけ増やすことが考えられる。しかしながら、たとえば、改質層中における炭素濃度や改質層の厚さについて所望する特性を満たした改質層を得るために、あらかじめ設定した配合比より炭素粉末の割合を大きくすれば、その分、改質層中の炭素濃度や、改質層の厚さが所望する値と変わるおそれがあり適切ではない。
逆に、改質用粉末中の鉄・鉄合金粉末の割合が小さくなり、その結果、鉄の触媒的な作用が不足し、処理対象の金属材料の表面改質効果が十分得られなくなるおそれもある。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、改質用粉末の繰り返し使用により消失した炭素を、処理対象の金属から離間し、かつ炭素粉末とは異なる炭素供給源(以下、炭素補充源。ブロック状炭素材、有機液体、浸炭性ガスがこれに相当する)からの炭素によって補えば、上述した問題はすべて解消されることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、炭素や窒素の拡散浸透能力を低下させず、改質用粉末を繰り返し使用することができる金属材料の表面処理方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、金属材料を、鉄を含む改質用粉末に埋没した状態で加熱することにより、この金属材料にその表面から炭素を拡散浸透させる金属材料の表面処理方法、または、金属材料を、鉄を含む改質用粉末に埋没した状態で、かつ、窒素ガス雰囲気で加熱することにより、炭素および窒素を拡散浸透させる金属材料の表面処理方法であって、前記表面処理は、前記金属材料から離間して設けた炭素補充源から前記改質用粉末に炭素を補いながら行う金属材料の表面処理方法である。
請求項1に記載の発明によれば、表面処理時、金属材料は改質用粉末と接触状態でこれに埋没しているため、改質用粉末に含まれた鉄の触媒的な作用により、金属表面の不動態皮膜が分解・消失し、金属材料への炭素または炭素および窒素の拡散が促進される。なお、窒素の拡散は、窒素ガス雰囲気で加熱した場合に起こる。
また、表面処理を通じて炭素が消費され、金属材料周辺における炭素の供給量が減少し、さらに不動態皮膜に対する還元能力が低下する。このため、改質用粉末を繰り返し使用して表面処理を複数回行った場合、表面処理の回数が増えるにつれて金属材料に対する改質効果が低下する。しかしながら、金属材料から離間して設けた炭素補充源が存在するため、炭素補充源からの炭素によって、金属材料周辺における炭素の不足分が補われる。その結果、表面処理能力を低下させず、改質用粉末を繰り返し使用することができる。
ここでいう表面処理とは、浸炭性ガスを用いるガス浸炭法を併用したものも含む。
また、ここでいう「少なくとも使用済みの、鉄と炭素とを含む改質用粉末を利用した表面処理を行う際」とは、複数回の表面処理を行うにあたって、2回目以降の使用済みの改質用粉末を使って表面処理を行う場合だけでなく、新しい改質用粉末を使用する1回目の表面処理時にも、炭素補充源を使えることを意味する。
金属材料としては、例えば、元素周期表の4族、5族、6族の金属またはこれらの合金を使用することができる。すなわち、処理対象の金属材料は、元素周期表の4族であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム、5族であるバナジウム、ニオブ、タンタル、6族であるクロム、モリブデン、タングステン、のいずれかの金属、またはこれらのいずれかの金属に、他の元素を添加して形成した合金でもよい。この金属材料は、純鉄や普通鋼、さらにステンレス鋼のようにクロムをはじめとした合金元素を含んだ合金鋼(総称して鉄・鉄合金)でもよい。また、元素周期表の4族、5族、6族の金属の合金と鉄・鉄合金との複合材料であることとしてもよい。これらの金属材料の形状およびサイズは任意である。
本発明では、表面処理時、改質用粉末に含まれた鉄の触媒的な作用により、金属表面の不動態皮膜に対する還元能力が高められ、改質用粉末あるいは炭素補充源から金属材料への炭素の拡散が、また窒素ガス雰囲気中で加熱した場合には金属材料への窒素の拡散がそれぞれ促進される。このため、改質層は、金属材料の種類、改質用粉末の種類、炭素補充源の種類、加熱温度、加熱時間、加熱雰囲気によって変化し、金属材料の表面付近において炭素を固溶する場合、炭素と窒素の両方を固溶する場合、炭化物をつくる場合、炭化物と窒化物の両方をつくる場合、炭窒化物をつくる場合がある。
ここでいう鉄を含む改質用粉末とは、炭素粉末と鉄・鉄合金粉末との混合粉末、この混合粉末に焼結を防ぐための酸化アルミニウム(Al)のようなセラミックス粉末を添加した粉末、炭素を含有した鉄・鉄合金粉末、または鉄・鉄合金粉末とセラミックス粉末との混合粉末である。このうちの鉄粉末とは、炭素含有量が0.008重量%未満の純鉄であり、また鉄合金粉末とは、炭素含有量が0.008〜2.0重量%までの鋼、炭素含有量が2.0重量%を超える鋳鉄である。炭素を多く含む鋼または鋳鉄のような鉄合金粉末は、比較的安価に入手でき、また炭素粉末と混合しなくても改質用粉末として十分な効果が得られる。
炭素粉末の原料としては、例えばグラファイト、活性炭、木炭のような炭素を主成分とする材料を粉末状にしたものを使用することができる。炭素粉末を用いることで、金属材料の表面処理を良好に行えると同時に、比較的安価に入手しやすく、改質用粉末の焼結防止にも役立つ。
改質用粉末の粒径(平均粒径)は、例えば、数μm〜数百μmである。改質用粉末の粒径が数μm未満では表面処理の加熱時に改質用粉末が焼結しやすくなって、処理対象の金属材料に対する改質層の形成が阻害されたり、処理後の金属材料の取り出しが困難となる。また、改質用粉末の粒径が数百μmを超えれば、金属材料の不動態皮膜に対する還元や酸化抑制などの機能が低下し、処理効率が劣化する。なお、炭素粉末と鉄粉末との混合粉末のように、2種以上の粉末を混合して使用する際には、粒径を揃えた方が好ましい。
炭素粉末と鉄・鉄合金粉末との混合比は任意である。例えば、体積比で3:7〜9:1である。
表面処理時の加熱温度は、炭素粉末と鉄・鉄合金粉末との混合粉末の場合、鉄と炭素との共晶温度の関係から600℃〜1150℃である。600℃未満では、金属表面の不動態皮膜に対する還元がほとんど実現できない。また、加熱温度が高いほどより短時間で金属表面を改質することができるものの、1200℃を超えるような高温になると、金属材料そのものの組織や機械的性質にダメージを与えて、金属材料自体が劣化するおそれがある。したがって、加熱温度は、表面処理が可能な加熱温度の範囲において、できるだけ低い温度に設定することが好ましい。
加熱時間は任意であるが、加熱時間が長いほど、処理対象の金属材料表面の改質層が厚くなる。
また、炭素補充源として浸炭性ガスを用いて表面処理する時以外は、窒素ガスを供給しながら加熱することが好ましい。これにより、金属表面の酸化が抑制され、さらに炭素または炭素と窒素の両方を拡散浸透させることができる。
表面処理の操作を繰り返す回数は複数回であれば任意である。例えば、2回、3回または4回以上でもよい。各回の表面処理の条件は、同一でも異なってもよい。
表面処理の回数が増えるごとに改質用粉末に含まれる炭素量は、処理対象の金属材料への炭素の拡散や一酸化炭素としての電気炉外への排出によって徐々に減少する。このときの炭素の減少量は、各回の処理条件によって異なる。
炭素補充源としては、例えば、ブロック状炭素材、有機液体、浸炭性ガスなどを採用することができる。
炭素補充源の使用数は1つでも、2つ以上でもよい。
ここでいう「炭素補充源が金属材料と離間する」とは、炭素補充源がブロック状炭素材の場合、炭素補充源と金属材料との間に改質用粉末が存在することを意味する。また、炭素補充源が浸炭性ガスの場合には、浸炭性ガスの供給源(例えば、滴下式ガス浸炭法に則って炉内滴下される有機液体)が、金属材料から離間していることを意味する。なお、炭素補充源が有機液体の場合、液体状態では改質用粉末にしみ込んでいくため、炭素補充源と金属材料との間に改質用粉末が存在しても、「金属材料と離間している」と厳密に言えないことがある。
請求項2に記載の発明は、前記炭素補充源は、前記改質用粉末に接して配設されたブロック状炭素材または有機液体である請求項1に記載の金属材料の表面処理方法である。
請求項2に記載の発明によれば、炭素補充源として、改質用粉末と接触するブロック状炭素材を採用したため、表面処理時の加熱によりブロック状炭素材の炭素(炭素原子)が、ブロック状炭素材側の改質用粉末に熱拡散する。また、炭素は、改質用粉末内を順次熱拡散し,最終的に処理対象である金属材料の表面まで到達する。
この発明にあっては、炭素補充源の取り扱いが容易となり、炭素補充源として浸炭性ガスを利用する場合に比べて、設備コストおよびランニングコストが大幅に低下する。また、表面処理の繰り返しに伴う炭素補充源の消耗状態を容易に目視確認できる。
ブロック状炭素材としては、例えば、グラファイト、活性炭、木炭のような炭素を主成分とするブロック材を採用することができる。
ブロック状炭素材の形状は任意である。例えば、板状、直方形状、球形状、棒形状などが挙げられる。
ブロック状炭素材の大きさも任意である。
ブロック状炭素材の使用数は、1つでも2つ以上でもよい。
ブロック状炭素材の金属材料からの離間距離は任意である。ただし、ブロック状炭素材は改質用粉末と接触状態でなければ、表面処理時の加熱に伴い、ブロック状炭素材の炭素原子が改質用粉末を介して金属表面まで熱拡散することができない。
炭素材の極端な形状として液体状も想定される。例えば、エチレングリコールのようなものは「有機液体」として、ブロック状炭素材と区別する。
炭素補充源がブロック状炭素材や有機液体の場合、表面処理を窒素ガス雰囲気で行うと、金属材料に炭素または炭素と窒素の両方が拡散浸透されることになる。その結果、金属材料の表面硬さや耐摩耗性などの表面改質効果をさらに高めることができる。
請求項3に記載の発明は、前記炭素補充源は浸炭性ガスであって、この浸炭性ガス雰囲気中に前記改質用粉末が配設された請求項1に記載の金属材料の表面処理方法である。
請求項3に記載の発明によれば、表面処理時、改質用粉末の外方に存在する浸炭性ガスは、改質用粉末に接触しており、その加熱に伴い、浸炭性ガスに含まれた炭素が改質用粉末に熱拡散される。また、改質用粉末から処理対象の金属材料に対してはその接触表面から炭素が拡散浸透する。
浸炭性ガスとしては、炭素成分を含むガスであれば任意である。具体的には、一酸化炭素(CO)が約20容量%、水素(H)が約40容量%、窒素(N)が約40容量%でもよい。
前記鉄を含む改質用粉末は、炭素粉末と鉄・鉄合金粉末との混合粉末、この混合粉末に焼結を防ぐための酸化アルミニウム(Al)のようなセラミックス粉末を添加した粉末、炭素を含有した鉄・鉄合金粉末、または鉄・鉄合金粉末とセラミックス粉末との混合粉末とすることができる。
セラミックス粉末は、表面処理による該改質用粉末の焼結を防止する焼結防止剤として添加することができる。
改質用粉末に焼結防止剤を添加しているため、表面処理時に改質用粉末同士が凝集しにくくなり、表面処理後、使用済みの改質用粉末を再利用するために行う、改質用粉末の粉砕作業が容易となる。また、改質用粉末が金属材料の表面に焼き付くことがなく、表面処理後の金属表面のクリーニングが不必要となる。
焼結防止剤としては、酸化アルミニウム以外に、例えば、酸化チタン(TiO)、炭化ケイ素(SiC)などを選択することができる。この焼結防止剤の添加量は、改質用粉末が凝集しにくくなる程度であればよい。
請求項1に記載の発明によれば、表面処理時、金属材料は改質用粉末と接触状態でこれに埋没しているため、改質用粉末に含まれた鉄の触媒的な作用により、金属表面の不動態皮膜の還元が促進されて、金属材料への炭素または炭素および窒素の拡散浸透が起こる。
そして、使用済みの改質用粉末を繰り返し使用する表面処理時において、改質用粉末中の炭素が消費されていくため、表面処理の回数が増えるにつれて、金属材料に対する改質効果が低下する。このとき、金属材料から離間した炭素補充源からの炭素によって、金属材料周辺における炭素の不足分が補われる。その結果、表面処理能力を低下させず、改質用粉末を繰り返し使用することができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、炭素補充源としてブロック状炭素材を採用することで、炭素補充源の取り扱いが容易となり、炭素補充源として浸炭性ガスを利用する場合に比べて、設備コストおよびランニングコストが低下する。また、有機液体を炭素補充源とすることで,処理対象の金属材料の特定の部分だけに改質層を形成することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、炭素補充源として浸炭性ガスを採用したため、普通鋼の浸炭処理を目的とした既存の製造設備(工業用ガス浸炭炉)を活かして、チタンやステンレス鋼の表面処理が可能になるという利点がある。
さらに、改質用粉末には焼結防止剤が添加(混合)されているため、表面処理時に改質用粉末が焼結(凝集)しにくくなり、表面処理後、使用済みの改質用粉末を再利用するための粉砕作業が容易となる。
この発明の実施例1に係る金属材料の表面処理方法における処理装置を説明するための模式図である。 この発明の実施例1に係る金属材料の表面処理方法によって改質された金属材料の表面部分を光学顕微鏡により観察した結果を示すその断面図である。 この発明の実施例1に係る金属材料の表面処理方法において、改質用粉末を繰り返し表面処理に用いた場合の処理回数と、金属材料の表面に形成される改質層の厚さとの関係を示すグラフである。 従来の金属材料の表面処理方法(比較例)おいて、改質用粉末を繰り返し表面処理に用いた場合の処理回数と、金属材料の表面に形成される改質層の厚さとの関係を示すグラフである。 この発明の実施例2に係る金属材料の表面処理において、工業用ガス浸炭炉に挿入した試験片の模式図とその熱処理工程を示すグラフである。 この発明の実施例2に係る金属材料の表面処理方法によって改質された金属材料の表面部分を光学顕微鏡により観察した結果を示すその断面図(b)である。比較例として、改質用粉末を使用しなかった場合の光学顕微鏡観察による断面図(a)も示す。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。ここでは、金属材料としてステンレス鋼の板片(試験片)を採用し、使用済みの改質用粉末を繰り返し用いて、複数回表面処理を施した結果、ならびに工業用ガス浸炭炉を用いて、改質用粉末の効果を調べた結果を例とする。
図1において、10はこの発明の実施例1に係る金属材料の表面処理方法で使用される処理装置である。この処理装置10は、表面処理を行う処理室Sの上部と下部とに一対のヒータ11が配置された横長な加熱炉12を本体とする。加熱炉12の長さ方向の一端壁には、窒素ガスボンベ13のガス供給部に元部が連通されたガス供給管14の先端部が連通され、また加熱炉12の長さ方向の他端壁には、処理室Sから使用済みの窒素ガスを排出するガス排気管15の元部が連通されている。ガス供給管14の途中部には、真空ポンプ16の吸気部に元部が連通された短尺な吸気管17の先端部が、切り替えバルブ18を介して連通されている。
試験片(金属材料)19を表面処理するにあたっては、この試験片19として、縦10mm、横10mm、厚さ2mmのステンレス鋼(SUS430)の板片2枚を用意した。また、改質用粉末20として、粒径が3.9〜5.2μm、炭素含有量が<0.9重量%の鉄合金粉末と、焼結防止剤としての粒径が約2μmのアルミナ粉末とを、体積比で1:9とする混合粉末を用いた。さらに、炭素補充源(ブロック状炭素材)として、厚肉な板状のグラファイト(黒鉛)片21を2個用いた。グラファイト片21のサイズは、縦10mm、横10mm、厚さ5mmである。改質用粉末20にはアルミナ粉末が添加されているため、表面処理時に鉄合金粉末同士が凝集しにくくなり、表面処理後、使用済みの改質用粉末を再利用するために行う改質用粉末の粉砕作業が容易になるとともに、表面処理中でも粉末同士の間に窒素ガスの通路(隙間)が確保されやすくなる。その結果、試験片19と窒素ガスとの高い接触を促すことができる。
次に、図1〜図3を参照して、処理装置10を用いて5回の表面処理(炭窒化処理)を行う方法を説明する。
まず、1回目の金属材料の表面処理方法を説明する。
図1に示すように、改質用粉末20を容量0.015リットルの坩堝(耐熱容器)22に充填し、その後、改質用粉末20の中に、平行な縦置き状態で2枚の試験片19を完全に埋没させる。また、各試験片19の直上および直下に、各試験片19から離間して、2個のグラファイト片21を、その長さ方向が水平となるように配置する。このとき、下側のグラファイト片21は、改質用粉末20に埋没した状態でかつ坩堝22の底板の上面に配置され、上側のグラファイト片21は、坩堝22に充填された改質用粉末20の上面(粉面)に載置されている。これにより、2個のグラファイト片21と改質用粉末20とは接触状態となる。
次に、蓋23をした坩堝22を加熱炉12の処理室Sに挿入し、切換えバルブを真空ポンプ16側に切り替えて、ガス供給管14および吸気管17を利用して処理室Sを真空ポンプ16により減圧し、処理室Sの酸素を除去する。その後、窒素ガスボンベ13からガス供給管14を通して窒素ガス(純度99.99%以上)を処理室Sに流入することで、処理室Sは窒素ガス雰囲気となる。その後、一部の窒素ガスをガス排気管15から外部へ排気しながら、この状態を維持してヒータ11を作動し、加熱炉12を1000℃に加熱し、60分間の表面処理を行う。
このとき、各試験片19は改質用粉末20と接触状態でこれに埋没しているため、改質用粉末20に含まれた鉄の触媒的な作用により、各試験片19表面の不動態皮膜の還元能力が高められ、試験片19への炭素の拡散および窒素の拡散が促進される。しかも、上下のグラファイト片21からは、表面処理時の加熱によってグラファイト片21の炭素原子が、各グラファイト片側の改質用粉末20から各試験片側の改質用粉末20を経て各試験片19の周辺まで順次熱拡散していく。その結果、各試験片19の表面(露出面全体)に、炭素の拡散,さらに雰囲気からの窒素の拡散によって改質層が形成される。この改質層の検出には、光学顕微鏡や電子線マイクロアナライザを採用した。
このように、炭素補充源としてブロック状炭素材のグラファイト片21を採用したため、炭素補充源21の取り扱いが容易となり、炭素補充源として浸炭性ガスを利用する場合に比べて、設備コストおよびランニングコストが低下する。また、表面処理の繰り返しに伴う炭素補充源21の消耗状態を容易に目視確認できる。
その後、加熱炉12を自然冷却し、2本の試験片19を改質用粉末20から取り出すことで、1回目の表面処理が終了する。
処理後の各試験片19について、光学顕微鏡や電子線マイクロアナライザにより表面付近の断面を観察したところ、各試験片19の表面に、厚さが170μm程度の改質層(炭素や窒素の拡散層)が確認された(図2)。なお、図2の光学顕微鏡写真では、試験片19を樹脂に埋め込んでから鏡面研磨を行い、組織観察に供している。
処理後の試験片19の表面硬さを、ビッカース硬さ試験機により測定したところ、表面硬さはビッカース硬度(Hv)で450であった。以上のことから、実施例1の処理時に良好な表面処理が行われていることが判明した。
次に、2回目以降の金属材料の表面処理方法について説明する。
まず、前回(例えば1回目)の表面処理の熱によって凝集(合体)した使用済みの改質用粉末20を坩堝22から取り出し、これを粉砕機(またはハンマー)を利用して、平均粒径が約50μm以下となるまで粉砕する。
次いで、粉砕した使用済みの改質用粉末20を坩堝22に戻し、前回の表面処理時と同じように、表面処理される2枚の新しい試験片19と、前回使用した2個のグラファイト片21とを改質用粉末20の所定位置に配置し、前回と同様の処理条件で表面処理を施す。
このとき、使用済みの改質用粉末20に含まれた炭素の一部は、試験片に拡散されるとともに、一酸化炭素として電気炉外へ排出されるため、試験片19周辺において炭素の供給量が減少し、前回の表面処理に比べて各試験片19の改質効果が低下する。しかしながら、各試験片19の直上および直下に、各試験片19から離間して2個のグラファイト片21が配置されているため、ヒータ11によって加熱されたグラファイト片21からの炭素の供給により、各試験片19周辺における炭素の不足分が補われる。その結果、炭素や窒素の拡散浸透能力を低下させず、改質用粉末20を繰り返し使用することができる。
また、改質用粉末20には焼結防止剤が混合されているため、表面処理時に改質用粉末20が焼結(凝集)しにくくなり、表面処理後、使用済みの改質用粉末20を再利用するために行う改質用粉末20の粉砕作業が容易となる。
以下、上述した使用済みの改質用粉末20の再使用を伴う表面処理を、5回目の処理が終了するまで繰り返す。
ここで、実施例1の金属材料の表面処理方法において、各処理回数での改質層の厚さの変化を図3のグラフに示す。図3のグラフから明らかなように、炭素粉末を含む改質用粉末を利用した従来の処理方法の場合とは異なり(図4のグラフ)、処理回数が増えても改質層の厚さはほぼ一定で、表面処理能力の低下は見られなかった。
図4の比較例では、炭素粉末および鉄・鉄合金粉末を含む改質用粉末を使用し、ステンレス鋼(SUS430)片の表面改質試験を行った。この試験は、改質用粉末として鉄合金粉末(粒径3.9〜5.2μm、炭素含有量<0.9重量%)が体積比で7、グラファイト粉末(炭素粉末)が3、アルミナ粉末(焼結防止剤)が90のものを使用し、この改質用粉末を坩堝に充填後、改質用粉末にステンレス鋼片を埋め込み、その後、この坩堝を図1の処理装置に挿入して1000℃、60分間の加熱を行って空冷し、次いで、表面処理を経て焼結した使用済みの改質用粉末を粉砕して再生し、別の新しいステンレス鋼片を使用済みの改質用粉末に埋め込み、同様の表面処理を行うという操作を繰り返すものである。
比較例にあっては、実施例1における炭素補充源(ブロック状炭素材)に相当する部材は設けなかった。
ここで、比較例のステンレス鋼片において、1〜4回までの表面処理における改質層の厚さの変化を、図4のグラフに示す。このグラフから明らかなように、ブロック状炭素材のような炭素補充源を用いなかった場合には、処理回数が増加するほど金属表面の改質層が薄くなり、改質効果が低下していく。
次に、図5および図6を参照して、この発明の実施例2に係る金属材料の表面処理方法を説明する。
表面処理には、実操業で使用されている工業用ガス浸炭炉を用いた。図5に示すように、実施例2の金属材料の表面処理方法の特徴は、工業用ガス浸炭炉に挿入する金属材料を30、31の2状態で比較した点である。一つの状態(30)は、実操業と同じように、試験片(金属材料)32を浸炭性ガスに曝すだけの状態である。この場合、坩堝(耐熱容器)33の上に試験片32を置いた。この試験片32として、縦10mm、横10mm,厚さ2mmのステンレス鋼(SUS430)の板片2枚を使用した。
もう一つの状態(31)は、試験片32として、ステンレス鋼(SUS430)の板片2枚を改質用粉末34に完全に埋没させた状態で、浸炭性ガスに曝しながら表面処理を行う場合である。改質用粉末34として、粒径が7.5μm程度で、炭素含有量が<0.05重量%の鉄合金粉末と、焼結防止剤としての粒径が約2μmのアルミナ粉末とを、体積比で1:9とする混合粉末を用いた。この改質用粉末34を容量0.015リットルの坩堝35に充填し、その後、改質用粉末34の中に2枚の試験片32を完全に埋没させ、蓋36をした。
図5の熱処理工程に示すように、30、31の状態にした試験片32を、900℃に加熱された工業用ガス浸炭炉内に一緒に挿入し,10分間の余熱を経た後,900℃に60分間保持した。保持が終了した後は850℃付近まで炉内で冷却し,その後大気中で冷却した。
浸炭性ガスの組成は、一酸化炭素(CO)が23.5容量%、水素(H)が29.4容量%、窒素(N)が47.1容量%であり、浸炭性ガスの流量は、毎分100リットルであった。試料状態30では浸炭性ガスに曝しただけであるが,試料状態31では浸炭性ガスが加熱雰囲気であるとともに,炭素補充源の役割も果たす。
処理後の試験片32について、光学顕微鏡や電子線マイクロアナライザにより表面付近の断面を観察したところ、試料状態30については組織的な変化は全く観察されなかった(図6(a)写真上)。しかし,鉄を含む改質用粉末を使った試料状態31では、浸炭用ガスを炭素補充源として、表面部分に改質層(炭素の拡散層)が確認できた(図6(b)写真下)。試料状態31の改質用粉末には炭素がほとんど含まれないため,ステンレス鋼に拡散した炭素は、浸炭性ガスから供給されたことを意味する。
改質用粉末34に添加されたアルミナ粉末の焼結防止効果により、表面処理中でも粉末同士の間に浸炭性ガスの通路が確保されやすくなる。これにより、試験片32と浸炭性ガスとの高い接触状態が促される。
この結果,浸炭性ガスと、鉄と炭素とを含む改質用粉末との組み合わせによって,不動態皮膜で覆われたステンレス鋼の中にも炭素が拡散できるようになる。また、普通鋼の浸炭処理を目的とした既存の製造設備(工業用ガス浸炭炉)を活かして、チタンやステンレス鋼の表面処理が可能になるという利点がある。言い換えれば,表面処理可能な金属材料の種類が飛躍的に増加する。
この発明は、使用済みの改質用粉末を繰り返し使用し、金属材料の表面に改質層を形成する、金属材料の表面処理技術として有用である。
19、32 試験片(金属材料)、
20、34 改質用粉末、
21 グラファイト片(炭素補充源、ブロック状炭素材)。

Claims (3)

  1. 金属材料を、鉄を含む改質用粉末に埋没した状態で加熱することにより、この金属材料にその表面から炭素を拡散浸透させる金属材料の表面処理方法、
    または、金属材料を、鉄を含む改質用粉末に埋没した状態で、かつ、窒素ガス雰囲気で加熱することにより、炭素および窒素を拡散浸透させる金属材料の表面処理方法であって、
    前記表面処理は、前記金属材料から離間して設けた炭素補充源から前記改質用粉末に炭素を補いながら行う金属材料の表面処理方法。
  2. 前記炭素補充源は、前記改質用粉末に接して配設されたブロック状炭素材または有機液体である請求項1に記載の金属材料の表面処理方法。
  3. 前記炭素補充源は浸炭性ガスであって、この浸炭性ガス雰囲気中に前記改質用粉末が配設された請求項1に記載の金属材料の表面処理方法。
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