JP3108419B2 - 複数のワークステーションからなる共同システムの操作方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ・関連出願 本件出願は、本件出願人に譲渡され、本件出願に引用
編入された1987年12月２日出願の特許出願（D/87009）
「他のユーザの活動を示す小規模ワークスペース表現
（Smale−Scale Workspace Representations Indicatin
g Activities by Other Users）」の関連出願である。

・発明の背景 本発明は、ネットワーク化ワークステーションシステ
ムにおける、すなわちマルチユーザ・インタフェースを
仲介するリアルタイム・コンピュータベース協同マルチ
ユーザ環境におけるユーザ間の協同に関する。本発明
は、より具体的には、或る形態のデータが含まれている
共用構造化データオブジェクト（shared structured da
ta object）を、ステータス及び簡単な要約或いは圧縮
バージョンの形で足跡情報をユーザに示し、共用構造化
データオブジェクトのステータス及び活動の現時点にお
ける変化を複数のユーザに同時に認知させる手段を備え
た協同システム内において表現し、管理する方法に関す
る。

協同システムのマルチユーザ・インタフェースには、
マルチユーザを同時に参加させ、同参加に関する情報に
同時にアクセスさせるインタフェースユーティリティを
備えなければならない。

同インタフェースは、いわゆるWYSIWIS（ウィジィウ
ィズ（wizzy whiz）と発音する）「貴方が見ているもの
を私も見ている（What You See Is What I See）”抽象
概念（abstraction）からスタートすることができる。
この抽象概念を用いて、マルチユーザインタフェース設
計を厳密な意味において管理することができる。すなわ
ち、そこでは、全てのユーザが完全に同じ情報像を見
る、すなわち、すべてのユーザの像が同一であり、ユー
ザがカーシブ（cursive）に情報を指示し、変更する箇
所を見ることができる。また、この抽象概念を用いて、
マルチユーザインタフェース設計を緩い意味において管
理することもできる。すなわち、そこでは、ディスプレ
イスペース、表示された情報の現在性（currency）、表
示された情報の時間及びビュー（view）視認の合同性
（congruence of view）等の、一つ或いは複数の属性
（atribute）に関して像は必ずしも同じ時点ですべてが
同一である必要はない。本発明のユーザインタフェース
は、緩い意味でのWYSIWISである。

複数のユーザを一つの構造化データオブジェクトにア
クセスさせるユーザインタフェース方式としては様々な
タイプのものが知られている。一つの構造化データオブ
ジェクトを一度に一人のユーザにだけ表示する方式や、
一つの構造化データオブジェクトを複数のユーザに同時
に表示する方式もある。

ここで用いる「構造化データオブジェクト」とは、デ
ィスプレイスクリーンにおける視覚表現或いは機能的抽
象概念（functional abstraction）を含む場合と含まな
い場合がある、所定の方式に従って相互結合されている
一連の他のデータオブジェクトが含まれているデータオ
ブジェクトを意味する。データオブジェクトは、一連の
オペレーションを有し、一つ或いは複数の機能目的のた
めに相互結合することができる。構造化データオブジェ
クトの一例として、下記の電子的なバージョン（electr
onic version）を挙げることができる。（１）各ページ
が、所定の順序で、データオブジェクトである先行ペー
ジと後続ページの双方に結合されている多ページ文書、
（２）他の構造化データオブジェクトを格納できる複数
の構造化データオブジェクト、たとえば、ファイルフォ
ルダ或いは文書を含むディスプレイスクリーン自体によ
って規定されるようなワークスペースやデスクトップ。
たとえば、一つのファイルフォルダに、複数の文書、他
のファイルフォルダ或いはファイルドロワーを含ませる
ことができる。他の構造化データオブジェクトを保持で
きる構造化データオブジェクトは、関係者の間で「コン
テナ」と呼ばれることもある。たとえば、ファイルフォ
ルダは、文書のコンテナである。コンテナの一例とし
て、アップルコンピュータ・インコーポレーテッド（Ap
ple Computer,Inc.）のマッキントッシュ（MacIntosh）
コンピュータのファイルフォルダは、ディスプレイが開
かれたとき、個々のフォルダのアイコン表現として表示
される複数の他のファイルフォルダを含むことができ
る。（３）個々のワークスペース或いはテキストウィン
ドウ自身を、所定の方式で相互結合できるハイパーテキ
スト結合構造化データオブジェクト（hypertext linked
structured data object）。本件出願に引用編入する1
987年３月25日出願の本件出願人の米国特許出願第030,7
66号「ディスプレイシステムオブジェクトの共用を目的
とする複数のワークスペースを備えたユーザインタフェ
ース（User Interface With Multiple Workspasces For
Sharing Display System Objects）」において用いら
れている「構造化データオブジェクト」と言う言葉に
は、同出願明細書において定義されている通りの「ディ
スプレイ・オブジェクト」、「コンテナ」及び「ディス
プレイシステム・オブジェクト」が含まれている。

本発明は、共用マルチユーザ環境における前記構造化
データオブジェクトの採用に関する。本書において言う
「共用構造オブジェクト（shared structure objec
t）」とは、複数のユーザがネットワークにより結合さ
れたディスプレイ・ワークステーションを介してアクセ
スできる構造化データオブジェクトを意味する。

本発明の基本目的は、表現のいかなる遠隔インスタン
ス（remote instance）の足跡維持や識別を必要とする
ことなく、リアルタイム協同環境におけるマルチユーザ
・アプリケーションとしてアクセスできる共用構造化デ
ータオブジェクトのステータス及び足跡変化を示す表現
としての手段を提供することである。すなわち、本発明
の基本目的は、複数のユーザに共用構造化データオブジ
ェクトに自由に都合よくアクセスさせ、有効寿命が尽き
るまで共用構造化データオブジェクトを管理させ、ユー
ザに構造化データオブジェクトの実質プロセス（substa
nce process）に注意を集中させ、管理及び製作調整プ
ロセスには注意を集中させる必要のないユーザインタフ
ェースを備えているマルチユーザ環境及び協同型システ
ムを提供することである。

・発明の概要 本発明によれば、共用構造化データオブジェクトの表
現により、共用構造化データオブジェクト及び複数の構
造化データオブジェクトの内容に関する活動及びステー
タス、及び、共用構造化データオブジェクト内容に影響
を与える或いは足跡を示す他の情報を表現することがで
きる。本発明はさらに、WYSIWISユーザインタフェース
を用いて、デマンド通知／更新ベース（demand notific
ation/update basis）で、共用構造化データオブジェク
ト或いはその内容のリアルタイムお変更或いは修正の範
囲に関する詳細な定量情報を表現する方法を提供するこ
とを目的とする。さらに、ユーザアクセス制御により、
他のユーザからの干渉を受けることなく、アクセス制御
属性を他のユーザに示し、共用構造化データオブジェク
トの一部分の発動された変更に関する排他性或いはプラ
イバシーを提供し、それによって共用構造化データオブ
ジェクトのすべての部分の変更に関係するユーザ間の調
整の一貫性を確保する。

本発明の目的は、一つの共通リンクに接続されている
相異なるワークステーションの各ユーザが、一つ或いは
複数の関連構造化データオブジェクトをデータエントリ
の形で表現する共用構造化データオブジェクトの他のユ
ーザ活動の内容及び現在のステータスに同時にアクセス
できるマルチユーザ協同システムによって達成される。
共用構造化データオブジェクトのWYSIWISユーザインタ
フェース表現の内容は、次の通りである。すなわち、構
造化データオブジェクトによって維持されるエントリの
順序付きリスト及びリストされた各エントリの種々の属
性、特にエントリのタイプとクラス；共用構造化データ
オブジェクトの改訂ナンバー；ページ数及び各構造化デ
ータオブジェクトエントリの改訂ナンバー；各エントリ
の作成及び前回改訂日；ユーザがエントリにアクセスで
きるか、できない場合は誰がアクセスを阻止したか；ユ
ーザシステムにエントリのローカルインスタンスが存在
するか；他のユーザが閲覧する各エントリに関する雑注
記或いはコメントである。ユーザオペレーションによっ
て発動するユーザ起動型のデマンド更新ベースで、共用
構造化データオブジェクト及びそのエントリに関する現
在情報を維持する手段が設けられている。同ユーザオペ
レーションには、オペレーションを正しく実行するため
の更新された情報が必要である。さらに、個々のユーザ
による一つ或いは複数のデータエントリをロックアップ
（lock up）し、それによって他のユーザがロックした
エントリにアクセスするのを阻止し、複数のユーザによ
る同一エントリの同時編集その他の変更を阻止する手段
を備える。このことに関連して、共用構造化データオブ
ジェクトエントリは、ロックアップしなければ、ユーザ
は、編集或いは変更を行うことができない。エントリの
ロック状態及びその他ロックを行ったユーザ及びロック
の時間に関する情報に関する視覚指示は、ユーザが共用
構造化データオブジェクト或いはその内容に対するユー
ザオペレーションを発動すれば、ユーザのワークステー
ションに存在している共用構造化データオブジェクト表
現において更新され表示される。このように表現の更新
は、完全に分散（decentralize）され、顧客ベースであ
るので、ネットワークに存在している共用構造化データ
オブジェクトの数及び現在性を監視する必要はなく、共
用構造化データオブジェクトの内容及び変更データ内容
の表現の更新は、個々のユーザが共用構造化データオブ
ジェクトオペレーションを最初に発動すれば実行され
る。

以下、添附図を参照しつつ本発明の内容について詳述
する。

・好ましい実施態様の詳細な説明 A.背景及び基本的特徴 本発明の基本的特徴は、添附図を参照しつつ以下に展
開するところの、出版会社の共通の手段である「ジョブ
ドケット（job docket）」を模擬した出版管理システム
において用いる共用構造化データオブジェクトを用いる
本発明の協同環境の詳述を通して明らかにされる。本発
明の共用構造化データオブジェクト表現は、これ以外に
も様々な用途を持っている。一例として、本発明の共用
構造化データオブジェクト表現は、ハイパーテキストシ
ステム、たとえば、「ノートカード（NoteCards）や階
層式データベース検索システムに適用することができ
る。

ジョブドケットは、テキスト及び図表のドラフト、ゲ
ラ（galley）及び校正刷り（page proof）、設計及びレ
イアウト仕様、通信文、及び製作スケジュールなどであ
る。ジョブを識別し、実行すべきタスクのリスト、完成
予定日、各作業者の業務等の製作スケジュールをリスト
するために、「ジョブシート」をドケットの表紙に貼付
する場合も少なくない。一つのジョブステップが完了す
るごとに、一人の作業者から次の作業者へジョブドケッ
トを送る。しかし共用ブック（shared book）は、ジョ
ブドケットと違って、複数の専門のユーザが、同じ出版
物について同時に編集その他の作業を行えるというメリ
ットを備えている。

出版物或いはジョブ管理は、セキュリティ、文書履
歴、出版ジョブのスケジューリング等の題目を含む広い
範囲にわたっている。出版作業管理の基本構成要素は、
格納及び取出し、文書製本、ジョブ管理の三つである。

出版物或いはジョブ管理システムにおける最も重要な
条件の一つは、文書の正しい改訂バージョンを効率的に
検出し、取り出し、格納することである。それには、全
文書の情報が必要である。一つの文書は、単なる各部分
の総和ではない。システムは、最低限文書を再生するの
に必要な全情報を管理しなければならない。この情報に
は、文書に属する内容に加えて、スタイル及びレイアウ
ト、スペル辞書、複数の文書間で共用するボイラー板の
内容、他の出版物とのリンク及びクロスリファレンスを
フォローすることによって得られる情報なども含めるこ
とができる。出版管理システムは、契約書、仕様、通信
文、製作スケジュール、経理データなどの関連情報を管
理しなければならない。このシステムは、さらに重要な
派生情報も管理しなければならない。この情報は、たと
えば、特定のオペレーションに要する時間を短縮するた
めに出版物エントリからのみ計算する情報である。一例
として、出版物の印刷に当たって、各部分間のクロスリ
ファレンス及びインタープレス（Interpress）或いはポ
ストスクリプト（Postscript）のページ記述ファイルを
分解する（resolve）するのに必要な記号表を挙げるこ
とができる。

印刷物或いは文書が変更修正され、更新されると、一
連の改訂が行われる。文書には、寿命の短いものと、出
版物管理の機能性が最重要条件である改訂履歴（revisi
on history）の長いものとがある。長寿命出版物は、一
般に、文書の発行に対応する大改訂バージョン（major
revision）を持っている。一例としてスプレッドシート
・パッケージ（spreadsheet package）のユーザマニュ
アルは、一般にパッケージが発行されるたびに改訂され
る。出版物管理システムは、文書の特定の旧バージョン
及び現在のバージョンを再生できることが望ましい。ま
た、特定の時点において複数の同時バージョンを持って
いる出版物もある。一例として、コンピュータ・ユーザ
マニュアルは、一つのソフトウェア・アプリケーション
を使用する各コンピュータ機種に対して一つづつ、複数
の相異なるバージョンを持っている場合がある。この相
異なるが関連性を有している併存バージョンは、各々独
自の改訂履歴を持っており、出版物管理システムは、こ
れを個別に管理しなければならない。出版物管理システ
ムは、各個別バージョンの繋がりの中で特定の改訂バー
ジョンを再作成できなければならない。頻繁に検索され
ることのない旧バージョンは、アクセスに時間がかかる
が１ビット当りのコストが安いデジタル格納装置に入れ
ることができる。

近代オフィスにおける出版物或いはジョブ管理システ
ムは、信頼度の高い情報格納能力を備えていなければな
らない。コンピュータやネットワークにトラブルが発生
した場合、或いは、情報の無断変更が行われようとした
場合に、データを保護できなければならない。情報が失
われたり破壊されたりすると、金銭の問題や法律の問題
を生じる恐れがある。厳しいデッドラインが決められて
いる場合は、他のソースから文書を再作成することは許
されない。また二人の相異なるユーザが同じ情報を同時
に変更することを阻止しなければならない。管理システ
ムの一つの難点として、情報の正確な現在のバージョン
を位置付けることが困難であること、そして改訂バージ
ョンを、検討用及び後続改訂用に正しく配分することが
困難であるということである。システムが共用データを
長期的に総括ロックできなければ、情報が失われる恐れ
がある。出版物管理システムはまた、無断の文書アクセ
ス及び変更を阻止するアクセス制御機能を備えていなけ
ればならない。出版物管理システムのアクセス制御は、
同じユーザ間においてさえ時間の経過と共に変わること
が少なくない。一例として、ゼネラルモータース・コー
ポレーション（General Motors Corporation）の社員
は、誰一人として、ドラフトが法律担当部によって承認
された後は、自動車のオーナマニュアル「セーフティコ
ピー（safety copy）」に一切手を加えることはできな
い。

出版物の製本の内容は、一般に、出版物の目次、及
び、セクション、図、脚注、ページ等のレイアウトオブ
ジェクトのナンバリング、及び、このオブジェクトに対
するクロスリファレンスからなる。目次表、索引表など
の前付け、後付けの作成が含まれることもある。製本
は、一般に出版物管理システムではなくエディタプログ
ラムで行う。ただし、出版物が複数の独立編集記事で構
成されている場合は、文書各パートの正しい改訂バージ
ョン及びその他の所要情報を得るためには出版物管理シ
ステムの助けを借りる必要がある。

複数の作業者が一つの出版物の作成作業に携わる場合
は、出版物の一貫性をチェックしなければならない。前
付け、後付けを含めて全パートが一貫してナンバングさ
れ、相互参照されていれば、その出版物には一貫性があ
るということができる。また、一つの出版物の各パート
には、単に出版物に帰属している情報であるか、それと
も他から「移入した（imported）」情報であるかの別に
関係なく、スタイルの記述（style description）やボ
イラー板の内容等の補助情報の同じ改訂バージョンを引
用しなければならない。エディタプログラムが一貫性の
チェックを行うが、このチェックは一つの出版物管理機
能である。他の出版物のクロスリファレンスも同一でな
ければならない。文書管理システムによって、各パート
の改訂及び製本情報の足跡を維持し、文書の一貫性の有
無をチェックすることができる。

出版物管理システムは、文書の製作の組織化をサポー
トする。出版物管理システムは、プランニング及び作業
の進歩状況の追跡をサポートする。ジョブ費用の見積
り、経理及び統計情報の管理をサポートすることもでき
る。ジョブ管理システムは、個別の文書の製作をサポー
トするだけでなく、ジョブ間サポートを行うこともでき
る。一例を挙げれば、製作部向けピークロード報告書
と、現在進行中のジョブの報告書である。ジョブ管理シ
ステムは、出版という仕事には、原稿書き、設計、コピ
ー編集、製作編集などの複数の相異なる工程があること
を認識しなければならない。各工程にはそれぞれ独自の
条件がある。たとえば、イラストレータがジョブの経理
情報を訂正することを許されることはほとんどない。同
じ作業者が複数の相異なる仕事をする場合もある。

出版物管理システムのもう一つの条件は、柔軟性であ
る。すなわち、複数の相異なる製作スタイルに対応でき
なければならない。出版会社の大半は高度に組織化され
ており、新しい或いは異なるジョブ管理システムを導入
するために現在の方式を変更することを拒むところが多
い。

近代オフィスにおいては、長寿命、多パート文書或い
は出版物の管理には、作業者が必ず別途時間を充てなけ
ればならない。その一つの理由として、この文書は、チ
ーム作業で製作され、頻繁に改訂されるということが挙
げられる。複数の作業者が一つの文書を製作する場合
は、作業の調整及び進歩状況の追跡も一つの仕事として
別途の時間を充てなければならない。これは、次の処理
のために、出版物の異なった部分の現在の改訂バージョ
ンを位置付けることを含んでいる。「電子オフィス」に
おいてさえ、出版物管理という仕事は未だに手作業に頼
っており、それに伴う過ちが、コストアップ、納期切
れ、また時には情報消失の原因になっている。

構造化データオブジェクト表現を行う本発明の協同シ
ステムは、ゼロックス・コーポレーション（Xerox Corp
oration）の既存ビューポイント（View Point）「VP」
ソフトウェアシステム及びその文書処理環境におけるマ
ルチユーザ出版物管理作業をサポートする。標準的VPオ
フィス情報システムは、イーサネット（Ethernet）ロー
カルエリアネットワークによって共用ファイルサービ
ス、通信サービス及び印刷サービスに結合されている複
数のワークステーションで構成されている。各ワークス
テーションには独自のローカルファイルシステムがあ
る。共用は、ファイルサービスに格納されているファイ
ルを用いて行うが、ファイルは、ワークステーションと
各サーバとの間で手作業でコピーしなければならない。
VPには分散電子メイルシステムも備えられている。これ
らの既存システムは、文書の作成をサポートするが、未
だに手作業及び調整作業を必要とし、作業の進歩状況や
調整に関する情報にエラーを生じやすい。複数の作業者
が一つの文書を製作する場合や、一つの出版物を複数の
独立編集パートで構成する場合は特にそうである。たと
えば、二人のユーザが同じ文書の分かれているコピーを
同時に編集したり、一人のユーザが多パート出版物の各
パートの位置を確認できないなどの事態が生じる。出版
物管理システムのこれらの難点は、ユーザの作業を出版
物の処理に集中させ、管理と製作の作業の負担を軽減す
る本発明を適用することによって解決することができ
る。

本件出願に引用編入した本件出願人の係属米国特許出
願（D/87009Q）「多重共用仮想ワークスペース（Multip
le Shared Virtual Workspaces）」は、協同環境におけ
る、情報及びワークスペースの共用に関する出願であ
る。本発明は、米国特許出願（D/87009）に開示されて
いる原理を応用すると同時に、共用構造化データオブジ
ェクト表現という概念を導入している。本書において言
う「共用構造データオブジェクト」とは、複数のユーザ
がアクセスできる任意の共用構造化データオブジェクト
を意味する。共用構造化データオブジェクト表現とは、
単なるデータオブジェクトであるか、ディスプレイスク
リーン全体の内容であるか、ワークスペースの内容であ
るかの別に関係なく、またワークスペースが部屋である
か、窓であるか、黒板であるか、スケッチパッドである
か、スプレッドシートであるか、カードであるか、ディ
スプレイエリア内で表す形式の他の実体（entity）であ
るかの別に関係なく、オブジェクトと内容で表現した共
用データを表示する任意の方式のことである。表示エリ
アのほぼ全体を占めるフルスケール表現の場合は、ユー
ザは、通常、キャラクタシーケンス、ビットマップ化
（bitmapped）図形オブジェクトなどのマップ化形態
で、共用データの詳細を見ることができる。このような
共用構造化データオブジェクトの本体は、たとえば一つ
の文書をページ単位で所望の順序で表示するような、様
々なフルスケール表現が可能である。表示エリアの一部
分を占めるスモールスケール表現の場合は、共用構造化
データオブジェクトの詳細を見ることはできない。同じ
共用データのフルスケールの小部分を占めるスモールス
ケール表現によれば、共用構造化データオブジェクトの
特定の属性に関する「詳細」を見ることができ、スモー
ルスケール表現は、詳細を省いたフルスケール表現の総
括的な特徴を示す、構造化データオブジェクトのフルス
ケール表現の収縮（shrunken）バージョンとすることも
できる。縮小（reduced）スケール表現は、また、構造
化データオブジェクトの名称や構成等の識別子（identi
fier）以外のフルスケール表現の特徴や属性をほとんど
示さないアイコン（icon）その他のスモール表示抽象概
念とすることもできる。

人間の視覚及び標準表示サイズに限界があるため、構
造化データオブジェクトの最小縮小スケール表現は、た
とえば、アイコンシンボルでは、約１インチ平方或いは
これ以下の固定サイズとすることが多い。この縮小スケ
ール表現のサイズは、通常は文字形状と識別子を表示す
るのに充分な大きさである。このような表現では、ユー
ザは対応するデータにアクセスすることはできないが、
対応するデータのフルスケール表現を得るために、オペ
レーションの一部として選択することができる。これに
対して、フルスケール表現は、数インチ平方からフルス
ケールまで、サイズが可変である場合が少なくなく、ユ
ーザが、オペレーションを実行すべきフルスケール表現
内で一つのディスプレイオブジェクトを選択し、対応す
るデータにアクセスすることができる。在来の図形ユー
ザインタフェースの多くは、ウィンドウ及びアイコンの
ような、容易に識別できるフルスケール表現機能及び縮
小スケール表現を備えている。本発明の構造化データオ
ブジェクト表現には、縮小スケール表現とフルスケール
表現の両方の属性が採用されている。

第１図に標準的オフィス情報システム10を示す。この
システム10においては、ワークステーション14A,14Bを
含む複数のユーザワークステーション14がイーサネット
（Ethernet）ローカルエリアネットワーク（LAN）12に
接続されている。ワークステーション14は、一例として
ゼロックス6085プロフェッショナル・ワークステーショ
ンとすることができる。LAN12には、ネットワークファ
イルサーバ16、ネットワーク・ファイル／メイル／通信
サーバ18、プリンタサーバ20、プリンタ22等の他の事務
機器を接続することもできる。また、UNIXミニコンピュ
ータ24等の大容量遠隔記憶装置をLAN12に接続すること
もできる。システム10は協同型システムである。すなわ
ち、相異なるワークステーション14におけるユーザが、
ネットワーク12を介して互いに情報を伝送し処理し、記
憶サービスに情報を蓄積しまた取り出することにより、
リアルタイムの共同作業ができる。システム10の協同機
能は、一つの主CPUに集中させることもできるし、各ワ
ークステーションのプロセッサに分散させることもでき
るし、集中／分散複合システムとすることもできる。同
様に、LAN12も、協同作業をサポートするのに必要な通
信機能を備えていることを条件として、任意の適当な構
成とすることができる。

システム10にはディスプレイベース・ユーザインタフ
ェースが備えられており、各ワークステーション14にデ
ィスプレイ装置とユーザ入力装置がある。この接続関係
において、ワークステーション14A、14Bには、それぞれ
ディスプレイカーソルマウス30を備えた、CRTディスプ
レイスクリーン26、28及びキーボード25がある。システ
ム10には、ディスプレイスクリーンのワークスペースに
位置している相異なる構造化データオブジェクトのアイ
コン表現、たとえば実オフィスオブジェクト（real off
ice object）を表現する標準的オフィス環境の各種抽象
を採用するオフィス・デスクトップ比喩（office deskt
op metaphor）の表示を行うオブジェクト指向ディスプ
レイシステムがある。このオフィス比喩の一例として、
ゼロックスコーポレーションの8010、8065型のディスプ
レイ・ワークステーションと併用する同社の「ビューポ
イント（View Point:登録商標）」（「VP」）ソフトウ
ェアシステムを挙げることができる。第１図に示すこの
抽象例は、デスクトップ32、受信箱（inbasket）33、送
信箱（outbasket）34、文書35及び35A、ファイルフォル
ダ36、ファイルドロワー37及びプリンタ38である。文書
アイコン35Aは、「開かれている」。そこでは、＜開（O
PEN）＞命令が発動され、ウィンドウ35Bが開き、文書が
フルスケールで表示されている。プリンタ38は、LAN12
のプリンタ22のアイコン表現である。文書35は、キーボ
ード25からプリンタアイコン37に発動される＜コピー
（COPY）＞命令に従って移動し、この文書は、プリンタ
22でプリントアウトされる。電子メイルは、ワークステ
ーションの受信箱33、送信箱34を介してLAN12の他のワ
ークステーションとの間で、すなわち、ファイル／メイ
ル／通信（File/Mail/Com）サーバ18を介して他のネッ
トワークのワークステーションとの間で送受される。

B.共用構造化データオブジェクト用ユーザインタフェー
ス ワークステーション14A、14Bのデスクトップ32には、
さらに、ワークステーション14Aとワークステーション1
4Bとの間において拡大して詳細が示されている共用構造
化データオブジェクト40がある。この共用構造化データ
オブジェクトは、関連構造化データオブジェクトのコン
テナに相当するものであり、関連構造化データオブジェ
クトのデータ内容によって、相異なるワークステーショ
ンにおけるユーザが、リアルタイムで共同作業を行うこ
とができる。関連構造化データオブジェクトの格納され
た本体は、相互に排他的である必要はない。

ここに紹介する出版物の例においては、共用構造化デ
ータオブジェクト40は、「発明の背景」において説明し
たVP「ブック」の基本属性をとって「共用ブック」と呼
ぶこともある。VPブックと同様に、共用ブック40もエン
トリ、たとえばVP文書及び／又はインタープレス（Inte
rpress）マスター又はファイルと呼ばれる複数の関連共
用構造化データオブジェクトを持っているコンテナであ
る。共用ブック40は、ハーフトーンで示されており、フ
ァイルサーバ16のような遠隔ファイルサービスに遠隔ロ
ケーションがある基準アイコンであることを示してい
る。ただし共用ブックのインプリメンテーションは、顧
客ベースであり、ワークステーション14で実行する。

ここに紹介する実施例においては、第１図に示す共用
ブック40は、「ボンドファンド共有ブック（Bond Fund
Shared Book）」として識別されるマルチパート出版物
を含む共用データのローカルインスタンス（local inst
ance）である。共用ブック40のローカルインスタンスを
複数のワークステーション14に出現させることができ
る。共用ブック40とのユーザの対話（interaction）
は、VP比喩で可能な限り従来のように設計される。ユー
ザが既に馴染んでいる習得ずみである標準オペレーショ
ン、たとえば文書のコピー、編集は、デスクトップ32で
行う共用オブジェクトのオペレーションと同じである。

共用ブック40は、独自のウィンドウ表現42（第２図）
と、各種プロパティシート（後述）を持っており、最大
量の有益情報を読取り容易なフォーマットにして伝送す
る働きをするように設計されてきた。共用ブック40内の
エントリ44、たとえばVP文書は、エントリがデスクトッ
プ32にあるときと全く同じインスタンスである。VPの通
常の編集、コピー、移動、削除オペレーションは、ユー
ザが共用ブック40のエントリ44に適正にアクセスしてい
る間中、適用することができる。

共用ブック40とその内容に対するユーザのアクセスに
は２つの形態がある。第１は、VPの世界で周知である読
出し、書込み、変更及び削除の標準アクセス権である。
ユーザは、少なくとも読出しアクセス権を持っていなけ
れば、共用ブックの内容を開くこと或いは見ることがで
きない。

アクセス権の第２形態は、特に共用ブックのインプリ
メンテーションに関するアクセス権であり、マルチユー
ザ環境に直接由来するものである。共用ブック40は、複
数のユーザによる内容或いはプロパティの同時変更を阻
止しなければならない。相異なるユーザが共用データの
変更や訂正を上書きするのを阻止するために、これが必
要である。このアクセスの第２形態は、共用ブック40全
体に関わるものであり、本発明の最も重要な観点の一つ
である。

ワークステーション14における共用ブック・アプリケ
ーションは、顧客ベース・トランザクションシステムで
あり、遠隔ファイルサービスの情報に関するトランザク
ションは、本書に引用し編入したウィリアム・エイチ・
パクストン（William H.Paxton）著「データ保全を目的
とした顧客ベース・トランザクションシステム（A Clie
nt−Based Transaction System To Maintain Data Inte
grity）、CSL−80−3,ゼロックス・パロアルト・リサー
チセンタ（Xerox Palo Alto Research Center）,1980年
３月、「オペレーティングシステムの原理に関する第７
回シンポジゥム会報（Proceedings of the Seventh Sym
posium on Operating Systems Principles）」、第18〜
23ページ、1979年12月10日〜12日、カリフォルニア州パ
シフィックグローブ（Pacific Grove,CA），に紹介され
ているとおりに、一つ或いは複数の遠隔ファイルサーバ
との顧客交信プロセスによって実行する。また、共用ブ
ックアプリケーションにおいては、単純な在来型のデー
タベースシステムとデータベースマネージャによってこ
の第２形態のアクセス権を実行する。このシステムの一
例として、本書に引用編入したアール・ブラウン（R.Br
own）ほか著「アルパイン・ファイルシステム（The Alp
ine File System）」、CSL−84−4,ゼロックス・パロア
ルト・リサーチセンタ,1984年10月に紹介されているア
ルパイン・ファイルシステムを挙げることができる。ア
ルパイン・ファイルシステムは、データベース或いはフ
ァイルの特定レコードに関して、長期のロックを提供す
るプログラムされたユーティリティである。サン・マイ
クロシステムズ・インコーポレーテッド（Sun Microsys
tems,Inc.）からも、プログラムされたロック能力を提
供するデータベースを製品として提供している。

その分野では周知であるが、ファイルサービス関係の
専門用語について簡単に説明しておく。ファイルサービ
スとは、大量の情報をデジタルフォーマットで記憶する
デジタル記憶装置であり、データベースマネージャと
は、データベースのレコードのアクセス、読出し、書込
み、検索を行うコンピュータプログラムシステムであ
る。「レコード」とはデータベースの基本データエント
リ単位である。レコードの内容に関する情報、或いはま
たレコードの内容そのものを格納する一連の「フィール
ド」が各レコードにある。したがって一連の同類レコー
ドによって一つの「データベース」（「ファイル」とも
呼ばれる）が構成されている。「トランザクション」と
は、一つ或いは複数のレコードのフィールドを修正する
ことによって、データベース或いはその中のレコード
を、一つの一貫した状態（consistent state）から別の
一貫した状態に変える一連の操作或いはステップであ
る。前記のいずれかのファイルシステムを用いることに
より、特定のユーザがアクセスし使用しているレコード
をロックアウトし、その間に他のすべてのユーザにとっ
て他のすべてのレコードをアクセス可能な状態に保持す
る。

各共用ブロック40は、共用ブック40の作成時に、ファ
イルサービスに格納された各々独自のレコードを有す
る。ファイルサービスは、レコードの一つ或いは複数の
データベースをサポートする。共用ブック40において
は、一つのレコードは、特定のデータベースにいて、名
称が付けられたプロパティリスト又は一連の「フィール
ド」、すなわち遠隔ファイル、名称、データベースから
のファイルチェックイン及びチェックアウト及び誰から
であるかなどのレコードの属性特性のリストである。リ
ストの各プロパティには名称が付けられている。ファイ
ルサービスは、これらのレコードに対する単純な照会及
び編集を行うアプリケーションをサポートし、したがっ
て各レコードに入っている実プロパティは特定のアプリ
ケーションによって設定される。共用ブックアプリケー
ションに関しては、共用ブック40のいくつかのプロパテ
ィは、共用ブックの名称、ファイルサービス、ファイル
サービス・データベース、ユーザアクセスリスト、ファ
イルサーバにおいて維持すべき各共用ブックエントリの
遠隔バージョンの数、及びエントリに関する注記であ
る。

新共用ブック作成時にユーザが特定ファイルサービス
に対してデータベースを指定する。これを受けてファイ
ルサービスが特定レコードを共用ブック40と各エントリ
44に指定し、このデータベースにレコードを格納する。
続いてファイルサービスがどのエントリがロックされた
か、及び、誰によってであるかを追跡する。ユーザは、
共用ブック40そのものを明示的にロックすることはでき
ないが、ページ付けなどの特定のユーザオペレーション
によって共用ブック40を短時間だけ他の全ユーザに対し
てロックすることができる。このようなオペレーション
の間は、２人のユーザが共用ブック40の内容或いは属性
を同時に変えることはできない。一般的には、各組織
は、それら出版のために一つのデータベースを共用す
る。各ファイルサービス、たとえばファイルサーバ16
は、複数の相異なるデータベースをサポートすることが
できる。各データベースは、複数の共用ブック40をサポ
ートすることができる。共用ブック40との間で実行され
るトランザクションはすべて、共用ブックのレコードを
使用できるかどうかのチェックをまず最初に行う。レコ
ードが使用できない場合は共用ブック40はロックされる
ように決定され、トランザクションが終了する。共用ブ
ックのレコードを使用できる場合は、トランザクション
は、必要に応じて共用ブック更新に進み、さらにユーザ
発動オペレーションへ進む。共用ブックのロック、アン
ロックは自動的に行われ、ユーザには見えない、すなわ
ち現在のロック状態を指示する実行されなかったアクシ
ョン（failed action）以外はファイルのロック／アン
ロックは視覚的に指示されない。

先述のごとく、共用ブック40は、ファイルサーバ16の
ような特定のファイルサービスの特定のサブディレクト
リ（subdirectory）又はデータベースに入っている。ユ
ーザが、第３図の40′に示されてるブランク共用ブック
プロトタイプから共用ブック40の特定のインスタンスを
最初に作成する際に共用ブック40を入れるべき遠隔ロケ
ーションを指定する。共用ブック40と、その全関連共用
構造化データオブジェクト又はエントリがこの指定ロケ
ーションに維持される。共用ブックアプリケーション
は、そのようなエントリを自動的に特定のファイルサー
バ16に格納し、またそこから取出す。

ブランク用ブックアイコン40′は、デスクトップ32の
ディレクトリアイコンのプロトタイプフォルダから電子
的に取出すことができる。ディレクトリアイコンについ
ては、米国特許出願第856,525号に詳細に説明されてい
る。プロトタイプ共用ブックアイコン40′のプロパティ
をプロパティシートを介してオブジェクトに正しく割当
てない限り、開いてその内容を見ることはできない。プ
ロパティシートは、キーボード25の＜プロパティ＞キー
を伸せば得られる。このプロパティシートとその出し方
については米国特許出願第856,525号に詳細に説明され
ている。ブランク共用ブック40′の唯一の目的は、ユー
ザが新共用ブックを作成し、以前に作成した共用ブック
40のローカルインスタンスを得ることを可能にするとい
うことである。このプロトタイプ40′に対しては「ブラ
ンク共用ブック」という名称が確保されるから、共用ブ
ック40の作成時にプロトタイプ40′に別の名称を与えな
ければならない。

共用ブック40は、数多くの相異なる共用構造化データ
オブジェクトを入れることができる。そのため、ユーザ
は、出版物を作り上げるファイルと出版物サポートファ
イルの両方を、一つのロケーションに維持することがで
きる。共用ブック40に入れることのできる共用構造化デ
ータオブジェクトは、グラフィック入りVP文書、単純な
テキストのVP文書、ASCII、及びWordstarファイル、メ
イルノート、スペル及びハイフン辞書及びVPスプレッド
シートである。二つの共用構造化データオブジェクト
は、共用ブック40に入れることができない。共用ブック
は、階層的機能を持っていないので、コンテナ型共用構
造化データオブジェクトは共用ブック40に入れることは
できない。このクラスの構造化データオブジェクトは、
フォルダ、レコードファイル、ブック及び共用ブックそ
のものを含む。共用ブック40に入れることができない２
番目の構造化データオブジェクトは、リファレンスアイ
コンである。

キーボード25のファンクションキー＜開（OPEN）＞を
押して開いた共用ブックウインドウ42を第２図に示す。
共用ブック40に格納されている全エントリ44のリストが
共用ブックウィンドウ42に出ている。各エントリ44がた
とえば出版物の一つのパートに対応しており、出版物に
おいて出現する順序に従って表示されている。このよう
に、ウィンドウ表現42は目次に似ている。しかし、ウィ
ンドウ表現42は、内容識別を超えている。全エントリ44
が共用ブック40によって所有される、すなわちサーバ16
の実遠隔共用ブック40と共にエントリ44が格納される。
ユーザは、前に選択したエントリ44に対してキーボード
25から＜開＞命令を出して共用ブックウィンドウ内でエ
ントリ44を変えることもできるし、またエントリ44を自
己のデスクトップ32に＜コピー（COPY）＞し、編集し、
共用ブック40へ戻すように＜コピー＞することもでき
る。或いは、共用ブック出版は、以前に選択したエント
リについてキーボード25から＜開＞命令を与え、別個の
独立ウィンドウ、たとえば第１図のウィンドウ35Bのよ
うなウィンドウをウィンドウ42に対面させて、デスクト
ップ32上で作成する機能を持たせることができる。この
機能は、アイコン表現の選択機能及び＜開＞命令の発動
に似ている。

各エントリ44は、プロパティシート42の「クラス」と
頭書きされた欄の下において「本文（Body）」エントリ
46又は「補助（Auxiliary）」エントリ48に分類され
る。本文エントリ46は、一般に出版物の内容、たとえば
VP編集自在文書で構成されているデータ内容とエントリ
44とで構成されている。本文エントリ46は、ページ付
け、目次生成及び索引生成に関与する。補助エントリ48
は、支援又は索引除外／包含辞書（index exception/in
clusion dictionaries）、インタープレス（Interpres
s）ファイル、及び本文エントリ46で構成されている出
版物に関連する通信文などのエントリの作成時に他の情
報を使用或いは参照することができる他の情報である。
エントリを「本文」或いは「補助」に分類するところま
ではユーザの仕事である。

共用ブックウィンドウ42には、「名称（Name）」の欄
に入っているエントリ44の名称と、「クラス」の欄に入
っているクラス46、48の他に、たとえば一番目の名称付
エントリの次の第２図のロックアイコン92の有無によっ
て指示されるロック状態を指示する、エントリロック状
態に関する情報、編集ずみエントリが「セーブ（Save
d）」されるとインクリメントするナンバーであり、ま
た、このオペレーションによって他のユーザが改訂を行
える「改訂（Rev）」の欄の各エントリの改訂ナンバ
ー、最も最近にセーブした改訂のタイムスタンプである
「作成（Created）」の欄の作成日、「ページ」の欄の
各コラムのページ数、及びユーザがエントリ44に関する
ステータス情報や他のコメントを入れるための各エント
リに関する「注記（Notes）」が入っている。

共用ブック40には次の２種類のプロパティシートがあ
る：（１）第３図、第４図に示される共用ブックプロパ
ティシート50。このプロパティシートによって共用ブッ
ク40のパラメータ或いは属性にアクセスすることができ
る。（２）第５図、第６図に示されるエントリ「詳細」
プロパティシート60。このプロパティシートによって、
個々のエントリ44のパラメータ或いは属性、たとえば、
エントリのアクセスリスト、エントリがロックされてい
れば、エントリをロックしたユーザのアイデンティテ
ィ，何時また何故エントリがロックされたか、すなわ
ち、ユーザがエントリで何を行っているかについての他
のユーザに対する説明にアクセスすることができる。共
用ブック40内の各エントリ44には、共用ブック40に関連
する「詳細」プロパティシート60がある。プロパティシ
ート60は、共用ブック40に格納されているファイルのい
ずれのアプリケーション分類プロパティシートとも異な
っている。共用ブックプロパティシート50には、共用ブ
ックがプロトタイプ40′であるか、実遠隔共用ブック40
のインスタンスであるかによって異なる２種類のバージ
ョンがある。

共用ブックウィンドウ42の大半には各エントリ44に関
する情報が表示される。エントリに関する使用頻度の低
い情報、たとえばフィールド68におけるエントリアクセ
ス制御は、エントリ「詳細」プロパティシート60に表示
される。

第３図に示されているブランク共用ブックプロパティ
シート50Aは、プロトタイプディレクトリからプロトタ
イプ共用ブックを選択し、選択した共用アイコンブック
40に対して＜プロパティ＞命令を発動すれば得られる。
名称フィールド51、注記フィールド52、データベースフ
ィールド53及び遠隔ロケーションフィールド54は、編集
自在である。シート50Aにはさらに、共用ブックに入っ
ているエントリ数を指示するフィールド59A、共用ブッ
クのディスクページの総数を指示するフィールド59B及
び実ページの総数を指示するフィールド59′がある。ユ
ーザが適切なるアクセス権を持っていれば、プロパティ
シート50Aは、ユーザがこれらフィールドに既存の共用
ブックのフィールドデータを入れることによって新共用
ブック及び既存遠隔共用ブックの新インスタンスを作成
することを可能にする。

第４図に示されている共用ブックプロパティシート50
Bは、ユーザが共用ブック40を選択し、先述の通り＜プ
ロパティ＞命令を与えるか、又は第９図に示される共用
ブック補助メニュ80ーにおいて共用ブックプロパティ命
令81を選択すれば得られる。第９図に示されるように開
いた共用ブックウィンドウ42のヘッダー41において命令
記号43を選択すればメニュー80が現れる。

共用ブックプロパティシート50には、共用ブック全体
に関わるアイテムのフィールドがある。先述の通り、共
用ブック全体に関わるアイテムとは、共用ブックの名
称、ファイルサービス、データベース、アクセスリス
ト、維持すべき各共用ブックエントリの遠隔逐次バージ
ョンの数、共用ブック注記などである。アクセスリスト
フィールド56は、共用ブック40のエントリ44にアクセス
できる個人或いはグループのリストである。フィールド
55を維持する遠隔バージョン数によって、ユーザは、編
集したエントリの先行バージョンを遠隔サーバ16に維持
することができる。注記フィールド52は、共用ブック40
に格納されているプロジェクトに関する短いコメントを
維持するために用いることができる。

ユーザが共用ブックに対する適切なるアクセス権を持
っていれば、どのユーザも、第４図に示される共用ブッ
クプロパティシート50Bに入っている３つのアイテムを
編集することができる。編集できるアイテムは、注記フ
ィールド52、遠隔バージョンフィールド55の維持数及び
アクセスリストフィールド56である。フィールドをボッ
クスで囲めばプロパティシート50Bに編集自在フィール
ドが現れる。これらのアイテムは、プロパティシート50
Bを開いているか否かに関係なく編集できる。共用ブッ
ク40がロックされているときは、プロパティシート50B
を開くことはできない。プロパティシート50Bを開いて
いるときは、共用ブック40をロックすることはできな
い。他のユーザが発動したオペレーションによって、プ
ロパティシート50Bに対してなんらかの変更を行った最
初のユーザがプロパティシートヘッダ57において命令記
号「完了（Done）」58を選択すると同時に共用ブック40
がロックされる可能性がある。この場合は、プロパティ
シート50Bに対して行った変更の試みがアボート（abor
t）される旨のメッセージがデスクトップ32上において
最初のユーザに与えられ、いかなる場合も、プロパティ
シート50Bは、開かれた状態に維持される。そのユーザ
は、再度試行することができる。

第５図及び第６図に示されるエントリ「詳細」プロパ
ティシート60は、第５図、第６図に44aとして指示され
た共用ブックエントリを選択し、第２図に示される共用
ブックウィンドウ42のヘッダ41において「詳細表示（Sh
ow Details）」命令記号45を選択すれば得られる。プロ
パティシート60には、この命令を選択したときのエント
リ44ロック状態によって異なる２つのバージョンがあ
る。いずれのバージョンのエントリ「詳細」シート60に
も、71にエントリ名称、62にクラス、65に改訂レベルと
前回の変更、72に作成日、73にサイズ、70にロックをか
けたユーザの識別及びエントリロック時間（ロックされ
ていない場合は、最後にロックをかけたユーザのアイデ
ンティティ及びそれが何時65Aで起きたか）、64に注
記、66に理由及び68にアクセスのフィールドがある。ユ
ーザは、フィールド情報によって出版物の現在のステー
タスを追跡する独自の手順を構築する。

注記フィールド64と理由フィールド66は、たとえば、
手順情報（procedual information）、注釈情報（annot
ative information）の双方等の追加の基本ジョブ管理
サポートを提供する。手順情報とは、製作プロセスに関
するメッセージを言い、注釈情報とは、出版物の内容に
関するメッセージを言う。アクセスリストのフィールド
とユーザアイデンティティのフィールドによってユーザ
の各種業務をサポートすることができる。一人のユーザ
は、複数のユーザアイデンティティを持ち、共用ブック
40に対して複数の相異なるアクセス権を持つことができ
る。たとえば、一つのアイデンティティである「製作エ
ディタ（production editor）」で共用ブックアクセス
リストを変更し、別のアイデンティティである「著者
（auther）」で共用ブックエントリを編集し、また、三
つめのアイデンティティである「リーダ（reader）」で
エントリの読み取を行うことができる。アクセスについ
ては、「P.共用ブックアクセス権」で詳述する。

第５図は、ウィンドウ42のエントリ44Aにおいてハイ
ライトされた帯により示されるように、選択された非ロ
ックエントリ44A及びプロパティシートのウィンドウ及
び内容を表すために発動される＜プロパティ＞命令のた
めのプロパティシート60Aを示す。このバージョンのシ
ートには、ユーザが選択したときに、このエントリ44A
のアクセスを、選択したユーザだけに限定する働きをす
るロック命令記号61がある。同様なことは、マウス30に
よって共用ブックウィンドウ41でまずロックすべきエン
トリを選択し、続いてマウス30によってウィンドウ42の
ヘッダ41でロック命令47を選択することによっても行え
る。このロックされていないエントリ・プロパティシー
ト60Aの他のフィールドは、全て読み出し専用である。

第６図は、ウィンドウ42のエントリ44Bにおいてハイ
ライトされた帯によって示されるように、選択されたロ
ックしたエントリ44Bのプロパティシート60B及びプロパ
ティシートのウィンドウと内容を表すために起動される
＜プロパティ＞命令を示す。最初に出した「ロック」命
令61が「キャンセル・ロック」命令63で置換されてい
る。この状態で、ユーザは、クラスフィールド62、注記
フィールド64、理由フィールド66及びアクセスリストフ
ィールド68を全て編集できる。この編集可能状態は、こ
れらのフィールドをボックスで囲んで指示する。一人の
ユーザによりロックされ、別のユーザのワークステーシ
ョン14に表示されるエントリ44Bのプロパティシート60B
は、第５図のプロパティシート60Aに似ているが、エン
トリ44Bが最初のユーザによりロックされているため、
このエントリプロパティシートには「ロック」命令61も
「キャンセル・ロック」命令63もない点が違っている。
この他のユーザにとって重要なことは、エントリ44Bを
ロックしたユーザの名前がフィールド70にリストされて
いることである。これらの他のユーザのフィールドもす
べて読み出し専用である。

ユーザが、エントリ44を選択し、キーボード25から＜
プロパティ＞命令を発動すれば、選択したエントリのプ
ロパティシートを利用することができないことを知らせ
るメッセージがデスクトップ32に表れるが、そのとき
は、ウィンドウ42のヘッダ41で＜詳細表示＞を選択すれ
ば、エントリのプロパティシート60を得ることができ
る。ユーザが、エントリの選択を行わずに＜詳細表示＞
命令45を起動すればエラーメッセージ「エントリの選択
を行って下さい」がデスクトップ32に出る。共用ブック
40において２つ以上のエントリ44を選択したときは、エ
ラーメッセージ「１度に一つのエントリの詳細しか表示
できません」が出る。いずれの場合も行おうとしたオペ
レーションは止まる。

共用ブックウィンドウ42が開かれているときに、共用
ブック40のユーザインスタンスが期限切れになっていれ
ば、どのエントリ44のどのプロパティシートも開くこと
ができない。プロパティシート60を開こうとすれば、ネ
ットワーク12の指定サービス、たとえば、ファイルサー
バ16を介してネットワーク12全体にわたって共用ブック
40が更新される。これでユーザは、エントリ44を再選択
し、＜詳細表示＞命令45を再発動し、プロパティシート
60を表示することができる。

共用ブック・プロパティシート50或いはエントリ「詳
細」プロパティシート60を開いているときは、共用ブッ
ク40をロックできないということは重要なことである。
それゆえ、そのようなプロパティシートのいずれかを開
いているときに、他のユーザが共用ブック40或いは選択
されたエントリ44を変更或いは修正する可能性がある。
これが発生すると、ユーザがプロパティシートに対して
行った変更は無視され、共用ブック40が更新され、同じ
オペレーションを改めて発動しなければならないことを
知らせるメッセージが、デスクトップ32に出る。

C.共用ブックのインプリメンテーション 今度は、共用ブック及びその各エントリからなるレコ
ードのための簡単なデータベース及びエントリ内容の記
憶装置を備えた遠隔ファイルサービスに関連して、ワー
クステーション14における機能オペレーションに関連す
る共用ブックのインプリメンテーションについて説明す
る。このインプリメンテーションは、基本的にはファイ
ルの一貫したバージョンの管理、共用ブックプロパティ
の現在のステータス、エントリリスト及びエントリプロ
パティの簡単な視覚表現、及び複数のユーザが同じファ
イル或いはエントリを同時に修正する恐れがないマルチ
ユーザ間におけるタイムシェアリングを行う制御システ
ムである。一貫性は、マルチユーザ間ユーザインタフェ
ース表現のディスプレイによって達成される。この表現
は、所定のアクションを実行する、すなわち、共用ブッ
クインプリメンテーションに関連する機能オペレーショ
ンを発動するユーザにとって現在の表現となる。一貫性
は絶対条件であり、所定の共用ブックオペレーション或
いは機能を発動すれば、インプリメンテーションがレコ
ードのデータベースファイルについて、共用ブック或い
はそのエントリのいずれかの現在のステータスが変わっ
たかどうかのチェックを行い、もし変わっていれば、ユ
ーザインタフェース表現を更新する。

前述のとおり、インプリメンテーションは、ワークス
テーション14から操作できるが遠隔ファイルサービスか
らは操作できない分散顧客ベースシステムであるので、
ネットワーク上のバージョン数、或いは既存バージョン
のワークステーションのロケーション、既存バージョン
が現行バージョンであるか旧バージョンであるか、或い
は既存バージョンを更新すべきであるか否かに関する情
報を持っている遠隔ファイルサービスは、必ずしも必要
ではない。言い換えれば、表現40において表示されるス
テータス情報は、緩やかなWYSIWIS方式で現行情報とし
て維持される。機能オペレーションの発動、たとえば、
ワークステーション14におけるエントリの変更或いは修
正、共用ブック40への新エントリの追加は、ネットワー
ク12においてはモニターされず、厳密なWYSIWISユーザ
インターフェースの場合と同様に、そのようなオペレー
ションに起因するステータスの変化が直ちに他のユーザ
に通報される。共用ブック40に関するステータス情報
は、命令によって更新される。すなわち、同じ共用ブッ
ク40及びその表現に対するアクセス権を持っているユー
ザが、共用ブック40に関連するオペレーションを発動し
たときにのみ、顧客ベースインプリメンテーションより
検索され、当該情報の表現が更新される。このインプリ
メンテーションによって、発動ユーザが情報の現在性
（currency）に従ってオペレーションを実行する前に現
行情報を得ることができるため、期限切れ共用ブック構
造化データオブジェクトに関連するオペレーションを発
動する危険性はない。顧客ベースシステムにおいて、読
出し／書込みトランザクションに一貫性を持たせるとい
う考え方は、新しくない（たとえば前記パクストン参
照）が、構造化データオブジェクトに関連して顧客のワ
ークステーションにおいて実行する所定のオペレーショ
ンに対して一貫性を継続的に確保し、一貫性の更新時に
他のトランザクションをロックアウトするという考え方
は、本発明の重要な特徴の一つである。以上のことを念
頭において、第13図〜第15図のフローチャートを参照し
つつ、共用ブックのような構造化データオブジェクトに
関する現在の情報及びステータスのユーザインタフェー
ス表現、及び、マルチユーザ及び構造化データオブジェ
クトに格納されている関連構造化データオブジェクト、
たとえばエントリの一貫性のあるバージョンの共用に関
連する属性について更に詳しく説明する。

共用ブックオペレーションの各インスタンスにおいて
実行される、すなわち、ユーザが共用ブック40のオペレ
ーション命令を発動すれば実行される基本トランザクシ
ョンのフローチャートを第13図に示す。オペレーション
を正しく実行するためには、現在の共用ブック情報が必
要である。第13図のトランザクションは、「スタート
（START）」から「フィニッシュ（FINISH）」までが１
サイクルであり、116において、発動された「オペレー
ション実行（Do Operation）が実行される。第13図のト
ランザクションは、便宜上、「ビギン（BEGIN）」部分
と「エンド（END）」部分に分けてある。「ビギン」部
分において、共用ブック情報のローカルコピーを必要に
応じて更新する。「エンド」部分において、必要に応じ
て、ワークステーション14からデータを遠隔ファイルサ
ービスへコピーすることにより、共用ブックデータファ
イルの遠隔インスタンスを更新する。この２つの更新機
能は、共用ブックのロックのロッキングとアンロッキン
グを橋渡しする。「ビギン」部分の機能は、110,112,11
4であり、「エンド」部分の機能は、118,120である。こ
のことに関して、共用ブックのインプリメンテーション
によって、共用ブックをロックすることで遠隔共用ブッ
クデータに対するアクセスの調停（arbitration）を提
供することができる。ロックは、データベース部で実行
され、ネットワーク全体で利用可能となる。このように
して、最新の共用ブックデータを必要とする、或いは、
データを変える可能性のあるユーザ発動のオペレーショ
ン、たとえば、共用ブック40の開設、エントリ44の開
設、共用ブックプロパティシート50の開設或いは共用ブ
ック「詳細」プロパティシート60の開設、特定エントリ
44のロック、デスクトップ32への共用ブックエントリ44
のコピー或いはデスクトップ32から共用ブック40へのコ
ピー等によって、インプリメンテーションは共用ブック
をロックしようとする。共用ブックがロックされると、
命令が先に進むことを許され、命令が実行される間中、
共用ブックにロックが保持され、命令の実行が終われば
共用ブックのロックが解除される。共用ブックをロック
できなかった場合は、当該共用ブックが現在使用中であ
ることがユーザに通知され、現在共用ブックをロックし
ている他のユーザの名前が表示される。

ロックは、共用ブック自体或いはエントリに対して指
定される。前者の制御は、ユーザは見ることができず、
後者の制御は、ユーザによって起動され、ユーザインタ
フェース・ディスプレイ表現ですべてのユーザが見るこ
とができる。前者の制御によって、共用ブック表現の一
貫した直列的に連続した更新が行われ、後者の制御によ
って、通常はエントリ修正を目的とするエントリ独占権
がユーザに与えられる。共用ブックは、オペレーション
命令の実行中にのみロックされ、従ってロックは、一般
に「短寿命」、すなわち、ミリ秒、秒或いは分単位であ
り、これに対してユーザが手操作でかけるエントリロッ
クは、無限に維持されるか、或いは、エントリに対して
「セーブ（Save）」命令を発動するか、ロックを明示的
にキャンセルするまで存続する、分，日，週単位の「長
寿命」である。共用ブックロックの目的は、他の共用ブ
ック・インプリメンテーションからのそれ以上の更新情
報を処理することなく、共用ブックに関する情報を緩和
WYSIWIS表現で更新するときに、一貫性を維持し、ロッ
クを透過的（transparently）に得ることによって、共
用ブックのデータファイルの更新を直列化することであ
る。一旦ロックが解除されれば、他のインプリメンテー
ションが、後続のユーザ発動オペレーション命令によっ
て共用ブックを得ることができる。

ユーザ発動オペレーション命令が発せられると、イン
プリメンテーションは、遠隔データベースサービスとの
間でトランザクションを行い、デジションボックス110
に示されるように、共用ブックがロックされているかど
うかのチェックを行う。共用ブックデータファイルがロ
ックされていれば、タスクが終止（finsh）すなわちア
ボートされるので、ユーザは再試行する必要がある。共
用ブックデータファイルがロックされていなければ、ボ
ックス112に示されるように、この共用ブックをロック
する。続いて、必要に応じて、共用ブックデータファイ
ルから現在の共用ブック情報、すなわち、共用ブックの
エントリの現在のリスト及び共用ブックウィンドウ42、
共用ブックプロパティシート50B及び各共用ブックエン
トリプロパティシート60Bのレコードフィールドに関す
る更新された情報を取り出す。この機能は、第13図にお
いてボックス114により表される。共用ブック・ユーザ
インターフェース表現のローカルインスタンスの情報更
新を完了すれば、ユーザが最初に発動したタスクが、ボ
ックス116の「オペレーション実行（Do Operation）」
に示されるように処理される。第13図のトランザクショ
ンを発動するこのタスクは、共用ブックにおけるエント
リの開設、エントリのコピー、エントリ「詳細」プロパ
ティシート60Bの開設、１つ或いは複数のエントリのエ
ントリページ付けのロック、１つ或いは複数のエントリ
の印刷等のエントリレベルのオペレーションである。ま
た、共用ブックアイコン40の開設、共用ブックプロパテ
ィシート50Bの開設、共用ブックへ或いは共用ブックか
らのコピー、共用ブックのページ付け、プリンタアイコ
ンへの共用ブックのコピー等の、第13図のトランザクシ
ョンを発動する、共用ブック自体に関するオペレーショ
ンもある。

続いて、第13図のトランザクションにおいて、ローカ
ルインスタンス、遠隔ファイルサービス、すなわち、遠
隔共用ブックデータ及びデータベースファイルに関する
共用ブック情報の更新が行われる。これは、第13図のボ
ックス118で示される。このようにして、共用ブック40
に関する情報のローカル変更、たとえば、共用ブック40
のローカルインスタンスへの新しいエントリ44Cの追
加、或いは、エントリ44に対する「セーブ（save）」命
令の発動が、遠隔共用ブックへ更新され、その後、ボッ
クス112のところで示すように共用ブックロックが解除
される。これでトランザクションが完結すなわち「完了
（FINISH）」する。

選択済みエントリ44Aに関するユーザ発動オペレーシ
ョン例を第14図、第15図に示す。第14図は、＜開＞命令
によってエントリ44を開くエントリレベルオペレーショ
ンを示し、第15図はエントリをセーブするエントリレベ
ルオペレーションを示す。セーブについては、「セクシ
ョンI.共用ブックにおけるエントリのセービング」に詳
述する。第14図において、共用ブックウィンドウ42を開
き、エントリを選択し、続いてキーボード25から＜開＞
命令を出せば、第13図のトランザクションの「ビギン」
部分が開始され、共用ブックデータファイルがロックさ
れているかどうかのチェックが行われ（ボックス11
0）、ロックされていなければロックされ（ボックス11
2）、共用ブックデータファイルのローカルインスタン
スが更新される（ボックス114）。

これで、「オペレーション実行（Do Operation）」11
6が実行される。この場合は、エントリ44が開かれる。
エントリの開設、エントリアウトのコピー、エントリ詳
細等のオペレーションに関しては、ローカル共用ブック
データがボックス114で確かに更新されていれば、この
段階でアボートすることによって正しい選択を行うこと
ができる。報告すべき新データがないために、ボックス
114において新しいデータが実際に取り出されなかった
場合は、これらのオペレーションは、命令通りに実行さ
れる。エントリのローカルキャッシュ（local cache）
が存在しているかどうかのチェックが行われ、存在して
いなければ遠隔ファイルサービスからのエントリの現在
のバージョンを求める。他方、共用ブックのローカルイ
ンスタンスにエントリのコピーが存在していれば、ロー
カルインスタンスが最新のものであるか、すなわち、遠
隔ファイルサービスのバージョンの作成日が、ローカル
キャッシュバージョン（locally cached version）の作
成日よりも遅いかどうかのチェックが行われる。遠隔フ
ァイルサービスのバージョンの作成日がローカルキャッ
シュバージョンの作成日よりも遅ければ、エントリのロ
ーカルコピーが、遠隔ファイルサービスのより最近のバ
ージョンで置換される。この機能は第14図のボックス12
2で示される。続いて、第14図のボックス124で示される
最新エントリが開かれる。「オペレーション実行」116
が完了すれば、必要に応じて共用ブック表現の遠隔イン
スタンスが更新され（ボックス118）、表現の共用ブッ
クデータファイルがアンロックされ（ボックス120）、
第13図のトランザクションの「エンド」部分が完了す
る。

第14図の「エントリ開設（Open Entry）」例において
は、ユーザが前もって「エントリロック（Lock Entr
y）」オペレーションを発動していなければ、エントリ
の前記の開かれたビュー（opened view）は、場合によ
っては読出し専用バージョン、すなわち、編集不能にな
ることがある点に留意する必要がある。

第15図において、共用ブックの１つ或いは複数のエン
トリをロックし、且つ／或いは、編集してある状態で、
エントリ44の遠隔インスタンスを更新したい場合は、後
で詳述するように、ユーザは、共用ブックウィンドウ42
のヘッダ41から「セーブ」命令を出すことができる。こ
の動作によって、第13図のトランザクションの「ビギ
ン」部分が発動され、共用ブックがロックされているか
どうかのチェックが行われ（ボックス110）、ロックさ
れていなければロックされ（ボックス112）、必要に応
じて共用ブック表現のローカルコピーが更新される（ボ
ックス114）。これで「オペレーション実行」116、この
場合はエントリ44のセービングが実行される。ユーザが
ロックした各エントリは、遠隔ファイルサービスへコピ
ーされ、エントリ44の最新遠隔コピーになる。この機能
は、第15図のボックス126で示される。エントリ「セー
ブ」オペレーションは、エントリ修正タスクの完了を意
味するので、「セーブ」機能が実行されると、セーブさ
れたエントリが自動的にアンロックされる。これは、第
15図のボックス128で示される。「オペレーション実
行」116が完了すれば、必要に応じて共用ブック表現の
遠隔インスタンスが更新され（ボックス118）、表現の
共用ブックデータファイルがアンロックされ（ボックス
120）、第13図のトランザクションの「エンド」部分が
完了する。

第15図の「エントリをセーブ（Save Entry）」の例に
関しては、ユーザが前もって「エントリをロック（Lock
Entry）」オペレーションを発動していなければ、遠隔
ファイルサービスへのコピーによってはエントリはセー
ブされないという点に留意する必要がある。前述のとお
り、共用ブックの現在のステータスの一貫性を維持する
ために、特定のユーザによる「セーブ」オペレーション
と同時に他のユーザが共用ブックを変更したり更新した
りすることはできず、相異なるワークステーションに共
用構造データオブジェクトの現在ステータスが同時に表
示されることはない。

この２つの例によって明らかにされた重要な点は、特
定のユーザが共用ブックデータファイル或いはレコード
をロックすれば、同ユーザが、たとえば「セーブ」命令
による更新によって、１つ或いは複数のエントリのステ
ータスを変更している間は、他のユーザは共用ブックの
ステータスを変更することはできないということであ
る。

第13図のトランザクションは、各ユーザが更新すべき
共用ブック情報を論理的に要求するオペレーションを発
動するたびに繰返される。一例を示せば、（１）共用ブ
ックを開く（Open Shared Book）、（２）エントリをロ
ックする（Lock Entry）、（３）エントリを開く（Open
Entry）、（４）エントリを閉じる（Close Entry）、
（５）エントリをセーブ（自動アンロック）（Save（Au
to Anlock）Entry）、（６）共用ブックを閉じる（Clos
e Shared Book）である。この６つの命令の中の第３命
令と第４命令との間でエントリを編集できる。表現ヘッ
ダ57からエントリ及び共用ブックを消す第４及び第６命
令は、共用ブック情報の更新を必要とするオペレーショ
ンではない。しかし、共用ブック及びエントリの開設、
エントリのロック、エントリのセービングの４つの命令
は、共用ブック情報の更新を必要とするオペレーション
であり、共用ブック・ユーザインタフェース表現を介し
てこの情報をローカルコピーするユーザは、共用ブック
全体に関連するユーザ作業の現在のステータスと一貫性
がある。この４つの逐次命令の発動に関連して、命令が
実際に実行される前に、第13図のトランザクションを４
回続けて発動し、共用ブック情報の現在のステータスを
チェックし、必要に応じて共用ブック表現のローカルイ
ンスタンスを更新し、命令を実行した後に、必要に応じ
て共用ブック表現の遠隔コピーを更新することができ
る。この４つのトランザクションが実行されている間
は、他のユーザは共用ブックにアクセスすることはでき
ない。

D.新しい共用ブックの作成 ユーザは、第３図に示すように、ブランク共用ブック
のプロパティシート50Aのフィールド51〜54を満たすこ
とによって新しい共用ブック40を作成することができ
る。４つの編集可能なフィールドの中の注記フィールド
52だけがオプションである。他の３つのフィールド51,5
3,54には有効エントリを入れなければならない。共用ブ
ックの名称の長さは、約100キャラクタに制限されてい
る。

データベースフィールド53は、ユーザのワークステー
ション14に存在しているユーザプロファイルのエントリ
からセットできる。すなわち、ワークステーション・ネ
ットワーク通信プロファイルに、デフォルトのデータベ
ースサービスがある。エントリの一例を次に示す。

DataBase:Book:AlphaServices−PA:Xerox 第４図を参照して、上の例においては、ファイルサー
バは、ゼロックスコーポレーション（Xerox Corporatio
n）のパロアルト（Palo Alto）のドメインロケーション
（domain location）にファイルサービス「アルファ（A
lpha）」を持っている「ブック（Book）」である。望む
ならば、ユーザは、プロパティシートのこのプリセット
値を変えることができる。ただし、データファイルの完
全に適格な名称（fully qualified name）を使用しなけ
らばならない。

遠隔ロケーションフィールド54のフォーマットは次の
如く厳密に定義されている。

（ServerName:Domain:Organization）:FileDrawer/Fold
er 第４図を参照すると、上の例においては、ファイル名
称は、「LDS」と呼ばれるファイルドロワーにあるゼロ
ックスコーポレーションの「事務機器営業部（Office S
ystems Business Unit）」（OSBU）に位置する組織にお
ける「スピナー（Spinner）である。LDSは「長文書サー
ビス（Long Document Service）」の意味であり、文書
を意味する「ドック（Doc）」と呼ばれる共用ブックフ
ァイル用に作成したフォルダーの中にある。角括弧（sq
uare bracket）或いは山形括弧（angle bracket）等の
他のデリミタは、使用してはならない。各々が上記フォ
ルダーに入っている複数レベルのファイルフォルダーで
構成されているパス名称（pathname）は、フォルダ名称
をスラッシュ（「／」）で区切るならば使用してよい。
遠隔ファイルサーバの完全に適格な名称を使用しなけれ
ばならない。これらはすべて在来のファイル及びデータ
ベースの命名であり、関係者にとって周知のファイルサ
ービス表現である。実共用ブック（real shared book）
のデータベースサービス及びと遠隔ロケーションは、同
じファイルサービスにあることもあるし、相異なるファ
イルサービスにあることもある。

ユーザがフィールド51〜54を満たし、「完了」命令を
発動するとユーザに対してオペレーションに確認が行わ
れる。問い合わせをしたワークステーション14が確認
（通常は「イエス（YES）」という応答）を受け取る
と、指定の遠隔ファイルドロワーの指定のフォルダーに
おいて共用ブック40が作成され、共用ブックのレコード
が指定データベースに入り、以前のブランク共用ブック
プロトタイプ40′が新らしい遠隔実共用ブック40のロー
カルインスタンスになる。遠隔ロケーションフィールド
に存在していないフォルダの名称を入れた場合は、新し
いフォルダが作成され、新しい共用ブックがこのフォル
ダに収められる。新規作成の共用ブック40の初期アクセ
スリストは、新規作成の共用ブック40が収められるフォ
ルダの初期アクセスリストに自動的にセットされる。フ
ォルダも新規作成する場合は、共用ブック40とフォルダ
のアクセスリストは、共にフォルダーを入れたコンテナ
のアクセスリストと同じになる。また、新共用ブック40
に対しても初期改訂ナンバー1.0がプロパティシートフ
ィールド59に与えられる。

新共用ブックが作成されると、そのデータベースと遠
隔ロケーションが固定される。新共用ブック40のプロパ
ティシート50Bを開いたとき（第４図）、この２つのフ
ィールドは読出し専用フィールドである。ユーザが、共
用ブック40を別の遠隔ロケーション或いはデータファイ
ルサービスへ移したいときはは、新共用ブックを作成し
なければならない。

共用ブックのデータベースレコードによって、アクセ
ス権を持っている複数のユーザが、同時に共用ブック40
を変更することを阻止する。共用ブックデータを発動す
るトランザクションは、すべてまず最初に共用ブックの
レコードをロックすることを試みる。レコードがすでに
ロックされている場合は、ロックしたユーザの名前とロ
ック時間の長さを知らせるメッセージがデスクトップ32
に出る。ロック時間が非常に長い、たとえば、数時間或
いはそれ以上の場合は、共用ブックをロックしたユーザ
が、レコードをロックしたままオペレーションを途中で
投出した疑いがある。

E.既存共用ブックのインスタンスの取得 共用ブックを用いる代表的な場合として、たとえば出
版のような１つのプロジェクトに複数のユーザが携わる
場合が挙げられる。共用ブック40及びそのエントリ44
は、ファイルサービスに格納されており、ユーザは、共
用ブックの全ユーザにアクセスすることができる。すべ
てのユーザが、各自のデスクトップ32において、共用ブ
ック40のローカルインスタンスを持つ場合がある。この
場合は、共用ブック40は、「発明の背景」において説明
したVPリファレンスフォルダーに似ている。

ユーザが既存共用ブック40のインスタンスを取得する
方法は、２種類に分かれている。

１）ユーザが「ブランク共用ブック」プロトタイプ40′
を取り、そのプロパティシート50A（第３図）を編集
し、指定ファイルサービスの実遠隔共用ブック40を指示
する。この場合は、名称と遠隔ロケーションフィールド
51,54のみをプロパティシート50Aに入れればよい。デー
タベース・ポインタは不要である。注記フィールド52の
エントリは、取出し時に遠隔共用ブック40の注記によっ
て重ね書きされる。ユーザが「完了」命令58を発動すれ
ば、デスクトップ32に回答を要求する確認メッセージが
表れ、これに対して「イエス」を出せばオペレーション
が先に進む。

この方法による場合は、共用ブックのエントリのリス
トが作成されるが、ファイルそのものは、実際にはユー
ザのワークステーションにコピーされない。実際にユー
ザが必要とするエントリを取出すことによってのみ、ユ
ーザのデスクトップ32にローカルデスクスペースを確保
することができる。

ユーザは、最低限共用ブック40に対する「読出し（Re
ad）」アクセス権は持っていなければならない。ユーザ
が充分なアクセス権を持っていなければ、エラーメッセ
ージが出て、共用ブック40の取出しオペレーションが終
結する。

２）ユーザは、まず最初に共用ブック40の遠隔ロケーシ
ョンを決定し、キーボード25から＜コピー＞命令を出し
て、共用ブック40のコピーをデスクトップ32に取出すこ
ともできる。この方法による場合は、全エントリ44のコ
ピーがユーザのワークステーション14に取出される。こ
の方法の難点は、遠隔共用ブックに格納されている各エ
ントリ44のすべての許容バージョンがコピーされること
である。共用ブックが大きい場合は、ユーザはそれに対
応できるだけの充分なローカルディスクスペースをワー
クステーション14において確保しなければならない。不
要バージョンは、＜消去（DELETE）＞命令を出して、共
用ブックローカルファイル100から削除することができ
る。これについては後で詳述することとする。

エントリ44のローカルコピーは、同じバージョンナン
バーを、ローカルコピーの実遠隔対応部として維持しな
い。その代わり、１から始まるナンバーが再度付与され
る。エントリ44の複数のバージョンをワークステーショ
ンにコピーする場合は、１から始まる逐次ナンバーがバ
ージョンに与えられる、最新バージョンに一番高いナン
バーが与えられる。

F.共用ブックへの新エントリの追加 今度は第７図を参照しつつ、ユーザが新エントリ44C
を共用ブック40に追加する手順を説明する。ユーザは、
共用ブック40に追加すべき素材が入っているファイル44
Cをデスクトップ32において選択する。第７図に示すケ
ースにおいては、ユーザは、デスクトップ32において文
書44C、「追加（Addition）」を選択し、キーボード25
から＜移動（MOVE）＞或いは＜コピー（COPY）＞命令を
発動して文書44Cを移動し、続いて共用ブックウィンド
ウ42内で、共用ブック40の第２章及び第３章エントリ44
との間のエントリ点を選択する。新エントリ44Cは、こ
の指定エントリ点に挿入され、データファイルサービス
での独自のエントリレコードを持っているエントリとし
て格納され、更に遠隔ファイルサービスの実遠隔共用ブ
ックへコピーされる。ユーザが＜コピー＞命令を発動し
てこの機能を実行する場合は、小さなワークステーショ
ン・アイコン90が、新共用ブックエントリ44Cのそばに
出現し、このエントリのローカルコピーがデスクトップ
32にあることをユーザに知らせる。ウィンドウ表現を見
ているユーザは、これによってデスクトップ32にもエン
トリ44Cがあるのならば、エントリを発動するオペレー
ション、たとえば、＜開＞命令はもっと速く進行すると
いうことを知る。第２図のウィンドウ42に示すように、
小さなワークステーション・アイコン90が、全エントリ
44のそばに出現し、そのようなローカルコピーがあるこ
とを知らせる。

新エントリ44Cも、第７図のエントリ44Cのそばのロッ
ク記号すなわちアイコン92′で指示されるように、共用
ブック40へ挿入した時に最初にロックする。ユーザが、
新エントリ44Cを変更或いは修正しない場合は、ロック9
2′を解除しなければならない。ロック92′の解除方法
としては、ユーザが、メニュー80で「小改訂をセーブす
る（Save Minor Revision）」を選択する（第９図）
か、或いは、エントリの「詳細」プロパティシート60B
を開き、ロック92′をキャンセルする。

新エントリは、開いた共用ブック40にのみ追加するこ
とができる。閉じた共用ブックアイコン40にファイルを
＜コピー＞することはできない。このようにして、共用
ブック40の他のエントリ44間における追加エントリの正
確な順序を知ることができる。

「本文」エントリ46に関しては、ユーザは、新素材を
共用ブック出版素材に属する順序の位置に追加しなけれ
ばならない。この順序によって、ページ付け作業の一貫
として逐次エントリに与えるページ番号を決める。ただ
し、エントリ44の順序は随時変えることができる。ユー
ザは共用ブックウィンドウ42においてエントリ44を選択
し、＜移動＞命令を発動し、共用ブックの「名称」の欄
において行き先点を選択するだけでよい。遠隔ファイル
サービスの実遠隔共用ブック40も更新される。２つの制
約がある。第１の制約としては、複数のエントリを一纏
めにして共用ブック40の終端へ移動させることはできな
い。第２の制約として、いずれかのユーザによってすで
にロックされているエントリ44は、最初のユーザがアン
ロックするまで他のユーザは移動させることはできな
い。

共用ブック40に追加するエントリ44のデフォルトクラ
ス（default class）は、「本文」クラス46である。ユ
ーザが、新規追加エントリ44Cを「補助」にしたい場合
は、エントリ「詳細」プロパティシート60Bを使用しな
ければならない。

選択して追加したエントリ44Cのファイル名称が、共
用ブック40の既存エントリのそれと同じである場合は、
エントリ44Cが格納されるか否かは、ユーザが同じ名称
の既存エントリをロックした元のブック中の（in−the
−book）エントリを持っているか否かによって決まる。
ユーザが、元のブック中のエントリをロックしていなけ
れば、デスクトップ32にエラーメッセージが出現し、オ
ペレーションが終了する。元のブック中のエントリをロ
ックしてれば、新エントリ44Cを共用ブック40に挿入す
れば、元のエントリが新エントリ44Cによって置換され
る。新エントリ44Cのファイルタイプが異なっている場
合でも、エントリの置換は行われる。新エントリ44Cを
セーブすれば、改訂ナンバーが更新される。エントリの
クラスフィールド62及び注記フィールド64は、この更新
の影響を受けない。

共用ブック40のユーザローカルインスタンスにおい
て、共用ブックウィンドウ42におけるエントリリスト
は、新エントリの影響を受ける。元のエントリは、ロー
カルインスタンスから削除されるが、共用ブックプロパ
ティシート50Bの「バージョン維持（Versions To Kee
p）」オプションフィールド55を、複数バージョンにセ
ットしておけば、実遠隔共用ブックからは削除されな
い。第12図に示し、後で詳述するが、遠隔ファイルのフ
ォルダー102を開けば、元のエントリと新エントリが共
に存在していることが判る。元のエントリは、フォルダ
ー102から削除することもできるし、デスクトップ32へ
コピーすることもできる。このオプションによって、不
要になる可能性のある変更をキャンセルすることができ
る。

共用ブック40のサイズは有限であるので、ユーザは、
エントリを無限に追加することはできない。２つの制約
がある。第１の制約は、共用ブックを維持する遠隔ファ
イルサーバの有効スペースである。ファイルサーバが満
杯になっているときは、それ以上エントリ共用ブック40
に追加することはできない。第２の制約は、エントリに
関する情報を保持する共用ブック40の有効スペースであ
る。長いエントリ名称、注記及び大きなアクセスリスト
が有効スペースを減少させる。この制約は、エントリ自
体のサイズとは独立である。共用ブック40が現在使用し
ているスペースの量が、第４図に「共用ブックページ
（Shared Book Pages）」とラベルが付されたフィール
ド59′で示されるように、共用ブックプロパティシート
50Bに表示される。共用ブック40の有効ディスクページ
数は、一例として128ページである。限界に達したとき
は、ユーザは、共用ブックを複数のより小さな共用ブッ
クに分割しなければならない。

G.共用ブックのエントリのロック エントリ44Aをロックすれば、他のユーザはこのエン
トリを同時には修正することができない。ユーザがエン
トリ44をロックする方法としては、第２図に示すよう
に、共用ブックヘッダー41において「ロック（Lock）」
命令47を出すか、或いは、第５図に示すように、エント
リ「詳細」プロパティシート60Aにおいて「ロック」命
令61を出す。ロックしたエントリ44のインスタンスは、
第２及び第８図に示すように、共用ブックウィンドウ42
の左端欄のロックアイコン92によって示される。共用ブ
ックヘッダー「ロック」命令を使用することは「加速器
（accelerator）」である。すなわち、最初にエントリ
「詳細」プロパティシート60Aを開くよりも、エントリ4
4を選択し「ロック」命令47を出す方が速い。ヘッダ
「ロック」命令47によって複数のエントリ44を同時にロ
ックすることもできる。ただし、共用ブックヘッダ命令
法による場合は、エントリの注記フィールド64や理由フ
ィールド66を修正することはできない。なお、後でプロ
パティシート60Bを発動して注記フィールド64、理由フ
ィールド66を編集できることはいうまでもない。エント
リ「詳細」「ロック」命令61を用いる場合は、エントリ
44Aをロックした「後に」、理由，注記を与えることが
できる。この情報は、共用ブック40の他のユーザがエン
トリ44Aの「詳細」プロパティシート60Aを開けばこのユ
ーザにも表示される。エントリ44Aをロックすれば、エ
ントリを＜開き（OPEN）＞、編集することができる。

前述のとおり、一度に複数のエントリを選択しロック
することができる。ただし、エントリを選択せずに「ロ
ック」命令47或いは61を発動すれば、エラーメッセージ
「エントリを選択して下さい」が出て、オペレーション
は終結する。複数のユーザが１つのエントリを同時にロ
ックしようとすれば、一方のユーザが選択されたエント
リを制御することができ、他方のユーザにはエントリが
すでにロックされていることが知らされる。

他方のユーザが、たとえば、最後にアクセスした後
に、エントリ44を変更したり、或いは、何らかの方法で
共用ブックを変更することによって、実遠隔共用ブック
40を変更した場合は、共用ブック40の当該ユーザのイン
スタンスは、最新のものではない。この場合は、「ロッ
ク」命令47或いは61は、最初に機能しない。その代わ
り、共用ブック40がまず更新され、元の「ロック」選択
がキャンセルされる。この自動選択キャンセルは、すべ
ての共用ブック命令に対して同じように働く。ユーザの
共用ブック40のローカルインスタンスが更新されれば、
ユーザは所望エントリ44を選択し、改めて「ロック」命
令47,61を発動することができる。

共用ブックウィンドウ42は、どのエントリ44がロック
されていないか、他のユーザによってロックされている
か、及び、自分自身がロックしたものであるかを指示す
る。これについては、第２図、第8A図、第8B図の例を参
照されたい。エントリの前にロックアイコン92或いは94
が出ていなければ、当該エントリは他のユーザによって
ロックされていない。エントリ44の前に薄鼠色すなわち
ハーフトーンのロックアイコン94が出ていれば、当該エ
ントリは他のユーザによってロックされている。ユーザ
がエントリをロックすれば、黒色のロックアイコン92が
出る。ハーフトーンのロックアイコン94及びビューフィ
ールド（viewing field）70を含む特定のエントリのた
めの第４図の「詳細」プロパティシート60Bを開けば、
エントリをロックしたユーザの名前を知ることができ
る。第8A図、第8B図に、ユーザが別のエントリ、この場
合は、「ボンド・ファンド・エンド・セクション（Bond
Fund End Section）」と名付けられ、ロックアイコン9
2で示されたエントリをロックした場合を示す。

H.共用ブックの編集 共用ブック40のエントリ44を編集するには、ユーザが
共用ブックウィンドウ42を開き、所望のエントリ44Aを
選択する。エントリ44Aは、前述のとおりロックされ
る。選択してロックしたエントリ44Bに対して＜開（OPE
N）＞命令を発動すれば、エントリ44Bのビューが共用ブ
ックウィンドウ42のワークスペースに取って代わるか、
或いは、デスクトップ32に新ウィンドウ35Bが生成さ
れ、同ウィンドウ35B内でエントリ44Bを見ながら編集す
ることができる。エントリ44BがVP文書であり、ロック
せずに＜開＞命令を発動した場合は、VP文書ヘッダから
標準編集命令が消え、エントリが編集不能になる。

ユーザは、共用ブック外部でエントリ44をデスクトッ
プ32において編集することもできる。操作としては、ま
ず、エントリ44をデスクトップ32へ＜コピー＞する。こ
の機能を実行するには、エントリをロックする必要はな
い。エントリ44はデスクトップ32へコピーしさえすれ
ば、普通のVP文書と同じように編集することができる。
最後に、編集したエントリ44を共用ブック40に＜コピー
＞して戻す。この操作にあたっては、共用ブック40内の
同じ名称のエントリを、前述の通りロックしなければな
らない。そうすれば、デスクトップ32において更新さ
れ、共用ブック40へ移動或いはコピーされたエントリに
よって、共用ブック40の元のエントリが置換される。共
用ブック40の同じ名称のエントリ44をロックしなければ
「このエントリは既存エントリであり、ロックすること
はできない」のメッセージがデスクトップ32へ送られ、
オペレーションが終結する。

この２番目の方法においては、エントリ44は共用ブッ
ク40へコピーして戻せる状態になるまで待ってからロッ
クすることもできるが、この方法は勧められない。エン
トリをロックしていなければ、他のユーザが共用ブック
40の同じエントリをロッックし、エントリを編集する恐
れがある。これは、最初のユーザが、編集済みバージョ
ンをコピーして共用ブック40へ戻そうとするときに厄介
なことになる。

編集が終わったがまだセーブされていないエントリ44
に対しては、共用ブックウィンドウ42においてバージョ
ンナンバーに「＋」符号49が付けられる。エントリを編
集し終わった後、ウィンドウ42を再表示すれば符号49が
表れる。符号49は、ローカルエントリがファイルサービ
スの遠隔エントリよりも新しい日付を有し、場合によっ
ては「セーブ」オペレーションを実行しなければならな
いことをユーザに示す。

ある状況下では、エントリ44を開けることができない
場合がある。データベースレコードが利用できない場合
がそうである。またエントリ44のローカルインスタンス
が、最も最近のインスタンスではなく、最新バージョン
を取り出せるだけのディスクスペースがワークステーシ
ョンにないときもそうである。いずれの場合にもデスク
トップ32にエラーメッセージが出る。

I.共用ブックのエントリのセーブ 共用ブック40のエントリをセーブする２つのメニュー
命令がメニュー80に用意されている。すなわち、第９図
に示すように「小改訂セーブ（Save Minor Revisio
n）」命令82及び「大改訂セーブ（Save Major Revisio
n）」命令83である。この２つの命令は、フィールド59
の共用ブックの改訂ナンバーの更新の仕方だけが違って
いる。フィールド59の共用ブック改訂ナンバーは、アプ
リケーションによってのみ、共用ブックプロパティシー
ト50Bに表示し、維持することができる。

共用ブック改訂ナンバー59と各エントリ44の改訂ナン
バーは同じではない。共用ブック改訂ナンバーは、共用
ブック40によって小改訂レベルと大改訂レベルを区別す
ることができる。第60B図のフィールド63に示すエント
リ改訂ナンバーは、エントリ44Bの特定インスタンスを
示す。

共用ブック改訂ナンバー59は、「m.n」フォーマット
で維持される。なお、ｍは大改訂ナンバー、ｎは小改訂
ナンバーである。

「大改訂セーブ」命令83は、次のルールに従って
「ｍ」と「ｎ」をセットする。

ｍ←ｍ＋１ （１） ｎ←０ 「小改訂セーブ」命令83は、次のルールに従って
「ｍ」と「ｎ」をセットする。

ｍ←ｍ （２） ｎ←ｎ＋１ エントリ改訂ナンバー63は、１つのエントリを編集
し、セーブするごとにインクリメントする。エントリ改
訂ナンバー63は、ファイルサービスに維持されているエ
ントリ遠隔格納バージョンナンバーと同じである。エン
トリ改訂ナンバー63は、共用ブック40によって維持され
る。このことは、たとえば、ローカル共用ブック40から
デスクトップ32へコピーされるエントリ44Bには、エン
トリ改訂ナンバー63は随伴しないということを意味す
る。

共用ブック40に格納されているエントリ44の改訂ナン
バーは、「ｋ」形態で維持され、「小改訂セーブ」命令
82の場合も、「大改訂セーブ」命令83の場合も、共に次
のルールに従ってセットされる。

ｋ←ｋ＋１ （３） 上の３つのルール（１），（２），（３）は、ロック
した後にセーブするエントリ44を変更或いは修正した場
合にのみ適用される。エントリ44と共用ブック40の改訂
ナンバー63は、エントリ44を修正しなければ更新されな
い。共用ブック40のプロパティシート50、エントリ44の
プロパティシート60に切替えても、共用ブックの改訂ナ
ンバーは更新されない。エントリを削除しても、共用ブ
ックの改訂ナンバーは変わらない。「セーブ」オペレー
ションのみが共用ブックの改訂ナンバー59を更新するこ
とができる。一例として、第２図でエントリの左側のロ
ックアイコン92によって示されるように、エントリ「ボ
ンド・ファンド・フロント・セクション（Bond Fund Fr
ont Section）」をロックした場合を考える。改訂ナン
バー63は、ウィンドウ42から明らかなように現在「２」
であり、エントリ「詳細」は、第６図にあるように「ボ
ンド・ファンド・フロント・セクション」であり、共用
ブック改訂ナンバーは、第４図のプロパティシート50B
から明らかなように、現在「1.7」である。ユーザは、
このエントリを共用ブックウィンドウ42において選択
し、メニュー80から「小改訂セーブ」命令82を発動す
る。これにより、共用ブック改訂ナンバー59が「1.8」
になり、エントリ改訂ナンバー63は、「３」に増える。
「小改訂セーブ」命令82ではなく「大改訂セーブ」命令
83を、メニュー80から発動した場合は、エントリ改訂ナ
ンバー63は、やはり「３」になる。しかし、共用ブック
改訂ナンバー59は、どの場合でも「2.0」に増える。

これらの「セーブ」は、共にエントリの選択に関して
は同じ働きをする。共用ブックにおいてエントリを選択
しなかった場合は、ユーザが現在ロックしているすべて
のエントリがセーブされる。ロックしていないエントリ
及び他のユーザがロックしているエントリはスキップさ
れる。セーブ命令を発動する前に、ユーザが１つ或いは
複数のエントリ44を選択すると、アプリケーションは、
まず選択されたエントリが、すべて選択しているユーザ
によってロックされているかどうかのチェックを行な
う。そのセクションにおいて、１つのエントリでもユー
ザによってロックされていなければ、デスクトップ32に
エラーメッセージが出現し、オペレーションが終結す
る。そのセクションのすべてのエントリが、ユーザによ
ってロックされていれば、これらのエントリはセーブさ
れる。

ロックされたエントリは、セーブされると自動的にア
ンロックされる。ロック状態のエントリを１つでも変更
或いは修正すれば、遠隔ファイルサービスの実遠隔共用
ブック40が更新され、その改訂ナンバー59が更新され
る。

J.共用ブックのエントリの削除 共用ブック40のエントリを削除するには、ユーザは、
まずそのエントリをロックする必要がある。ロックする
と、ユーザは、同エントリを選択し、キーボード25から
＜削除（DELETE）＞命令を出すことにより、共有ブック
のエントリを削除する。デスクトップ32に確認メッセー
ジ「共有ブックからこのアイテムを永久的に削除する
か」が出るから、これに対して、VPソフトウェアシステ
ムにおいてよく知られているように、「イエス」を与え
る。すると、同エントリのローカルコピーがデスクトッ
プ32にあれば、遠隔ファイルサービスにあるコピーと共
に削除される。すなわち、同エントリが共用ブック40か
ら完全に消滅する。更に、エントリレコードが、データ
ベースサービスから削除される。つまり、エントリは、
共用ブック表現からトレースすることなく削除できる。

共用ブックの他のユーザは、削除されたエントリのロ
ーカルキャッシュコピーを、共用ブック40の各自のイン
スタンスにおいて保持することができる。すなわち、遠
隔的に削除されたエントリのこのローカル分散コピー
は、自動的に削除されることはない。それゆえ、エント
リを削除した後には、同エントリのローカルキャッシュ
エントリを削除できることを他のユーザに知らせなけれ
ばならない。ローカルキャッシュエントリを残しておく
方がよい場合もある。誤って共有ブックからエントリが
削除された場合、他のユーザは共有ブック40のローカル
インスタンスにコピーを有している。削除されたエント
リは、共用ブック40の削除したユーザのローカルインス
タンスへコピーして戻すことができる。

ほとんどのVPオペレーションにおいては、キーボード
25から＜移動＞命令を出せば、選択した共用構造化デー
タオブジェクトが新しい行き先へ転送され、元のロケー
ションから削除される。特記的例外は、文書に対して＜
移動＞命令を発動してプリンタアイコンへ移して文書を
印刷する場合である。この場合の＜移動＞命令は＜コピ
ー＞命令と同じ働きをする。いずれの場合も、ユーザは
エントリ44を共用ブック40内の新ロケーションへ＜移動
＞することができ、また共用ブック40内の元の位置から
削除することができる。デスクトップ25において共用ブ
ック40の外部のロケーションが、行き先として指定され
た場合には、＜移動＞命令は幾分違った働きをする。こ
の場合は、＜移動＞命令は印刷の場合と同様に＜コピー
＞命令と同じ働きをする。従って、エントリのローカル
インスタンスと実遠隔インスタンスは影響を受けない。
＜削除＞命令を発動した場合にのみ、エントリは永久的
に削除される。

K.共用ブックの削除 共用ブックの削除方法には２種類ある。すなわち、
（１）ユーザのデスクトップ32から共用ブックアイコン
40だけを消す方法、及び、（２）遠隔ファイルサービス
から実遠隔共用ブック40を削除する方法である。

ユーザが共用ブック40のユーザインスタンスだけを削
除したい場合は、第１の方法を実行する。同じ共用ブッ
クの他のユーザに影響を及ぼすことはなく、実遠隔共用
ブック40は、遠隔ファイルサービスに残り続ける。削除
は、デスクトップ32において共用ブック40を選択し、＜
削除＞命令を発動することにより実行される。これで共
用ブックコンテナ及びそこに格納されている全エントリ
が、ユーザのデスクトップ32から削除される。

ユーザが、実遠隔共用ブック40を遠隔ファイルサービ
スから削除したい場合は、第２の方法を実行する。この
場合は、共用ブック40の他のユーザに影響が及ぶ。遠隔
共用ブックを削除した後、他のユーザが共用ブックのユ
ーザインスタンスを使用しようとすると、実遠隔共用ブ
ックがもはや存在しないことを知らせるエラーメッセー
ジが他のユーザのデスクトップ32へ送られる。

実遠隔共用ブック40を削除するには、遠隔ファイルサ
ービスの遠隔ロケーションに通じる道を開設し、遠隔共
用ブック遠隔インスタンスを削除するだけでよい。ただ
し、これによって共用ブック40のローカルインスタンス
がデスクトップ32から削除されることはなく、また、共
用ブックやそのエントリレコードがデータベース部から
削除されることもない。

すなわち、実遠隔共用ブック削除の手順としては、ま
ず共用ブック40に対するアクセス権を持っている他のす
べてのユーザに対して、これから共用ブックの遠隔イン
スタンスを削除する旨を通知する。続いて当該共用ブッ
クの全エントリをロックし、共用ブックウィンドウ42か
ら削除する。これで、エントリレコードがデータベース
サービスから削除される。この状態で、各ユーザが各自
のデスクトップ32から当該共用ブックの全ローカルイン
スタンスを削除することできる。最後に、空になった遠
隔共用ブックを遠隔ファイルサービスから削除すること
ができる。

L.ページ付け及びページ番号付け ページ付けは、共用ブック40の「本文」エントリ46だ
けをページ付けすることを除いては「発明の背景」にお
いて説明したVPブックの場合と同じである。共用ブック
40のエントリのページ付けは、文書或いはエントリの境
界を越えてページ番号付けを行えるという点が、VPフォ
ルダのファイルのページ付けと異なっている。VPブック
の場合と同様に、ページ付けによって影響を受けるのは
VP文書だけである。他のファイル形式は、ユーザにより
「本文」エントリ46として分類されていても、ページ付
けオペレーションの影響は受けない。閉じられた共用ブ
ックアイコン40を選択すれば、共用ブック40の全「本
文」エントリ46を、一度にページ付けすることができ
る。ただし、ユーザは、共用ブック40の各エントリ44を
選択して個別にページ付けすることもできる。これは、
出版準備の段階（publication preparation）におい
て、選択されたエントリだけを印刷するときに有用であ
る。

このように、共用ブック40を閉めてページ付けすると
きは、すべての「本文」エントリ46に影響が及ぶ。共用
ブックを開いている場合は、ユーザが選択した「本文」
エントリだけがページ付けされる。「補助」エントリ48
は、たとえ選択しても無視される。「補助」エントリ48
として分類したVP文書は、無視される。共用ブック40に
よって表されている出版物を正しくページ付けするため
には、共用ブックの全「本文」エントリ46をロックしな
ければならない。

ページ付けによってファイルが編集されるので、エン
トリ46を編集するためには、エントリ46をロックしなけ
ればならない。ページ付けオペレーションは、ロックさ
れていない「本文」エントリ46を自動的にロックする。
閉じられた共用ブック40の場合は、全「本文」エントリ
46がロックされ、開かれた共用ブックの場合は、ユーザ
が選択した「本文」エントリ46だけがロックされる。い
ずれの場合も、他のユーザが、ハーフトーンのロックア
イコン94によって示されるように、影響を受けた１つ或
いは複数の「本文」エントリ46をロックしていれば、ペ
ージ付けが行われずにページ付けオペレーションが終結
する。

「本文」エントリをチェックし、ロックしている間
は、共用ブック40自体がロックされる。このことは、ペ
ージ付けオペレーションによって「本文」エントリ46の
チェック及びページ付けを行っている間は、他のユーザ
は、遠隔ファイルサービスの実遠隔共用ブックを使用す
ることができないということを意味する。ページ付けが
完了すれば、共用ブック40の遠隔インスタンスが解除さ
れる。これで「本文」エントリ46に対して実際にページ
付けが行われているときに、他のユーザが残存エントリ
48をコピーしたり編集することができる。

ページ付けそのものは、バックグランドで行う。共用
ブックの「本文」エントリ46のページ付けと並行して、
他の作業をワークステーション14で行うことができる。
ページ付けオペレーションが完了すれば、ユーザは、ペ
ージ付けのためにロックした各エントリ46をアンロック
しなければならない。

ページ番号付けは、「発明の背景」において説明した
VPブックの場合にして達成される。VPブックで知られる
ように、一つの例外を除いて通常の文書と同様である。
共用ブック40のエントリ44の初期「ページフォーマット
・プロパティシート」（図示せず）のページ番号付けパ
ラメータを、「連続（CONTINUE）」にセットした場合
は、ページ付けが完了すれば、当該のエントリの最初の
ページのページ番号が、共用ブック40の先行エントリの
最後のページの番号に続く番号になる。このパラメータ
を、「なし（NONE）」或いは「リスタート（RESTAR
T）」にセットした場合は、エントリが共用ブック40の
外にある場合と同じになる。「なし」を起動すればペー
ジ番号付けは行われず、「リスタート」はページ番号を
強制的にページフォーマット・プロパティシートにおい
てセットされている番号に戻す。ページフォーマット・
プロパティシートのこれ以外の点は、すべて通常の文書
の場合と同じである。

前記の「連続」オプションは、共用ブックを閉め、共
用ブック全体に対してページ番号付けを行う場合にのみ
効果を発揮する。共用ブックを開けて個々のエントリを
選択し、ページ付けを行う場合は、セクションの各VPエ
ントリの最初のページの番号は１になる。「なし」及び
「リスタート」の発動により、前記の通りの動作が行わ
れる。

M.共用ブックの操作 共用ブック全体のオペレーションは、共用ブックアイ
コン40を選択し、オペレーションを発動すれば実行され
る。ユーザは、必要に応じて、閉じられた共用ブックア
イコン40を選択し、プリンタアイコン38を行き先として
＜コピー＞命令を出し、アイコンによって指示される出
版物をページ付けをしながら印刷することもできる。ユ
ーザが、共用ブック40のエントリ44を印刷するには、エ
ントリ44を選択し、キーボード25から＜コピー＞命令を
発動し、デスクトップ32においてプリンタアイコン38を
行き先として選択する。エントリ44は、「本文」エント
リ46であっても「補助」エントリ48であってもよい。ユ
ーザが、出版物全体の現在のバージョンを印刷するに
は、出版物を構成している全「本文」エントリ46を選択
し、プリンタアイコン38を行き先として＜コピー＞命令
を出す。

共用ブックアイコン40をプリンタアイコン38へコピー
すると、「本文」エントリ46だけが印刷され「補助」エ
ントリ48は印刷されない。＜移動＞命令は＜コピー＞命
令と同じ働きをする。なぜなら、印刷オペレーションに
おいては、再ページ付けする印刷すべきファイルはどれ
であるか指定する必要があるので、印刷されたエントリ
46は、自動的にロックされる。印刷オペレーションが完
了すればエントリ46をアンロックしなければならない。

N.共用ブックのローカルファイルの操作 ユーザが、共用ブックのローカルエントリ44を操作す
るには、第11図に示すように、共用ブックエントリ44が
格納されているローカルファイルのフォルダ100を開
く。このタスクを達成する方法には２種類ある。第１の
方法としては、第10図に示される閉じられたアイコン・
ポップアップメニュー86から「ローカルファイル表示
（Show Local Files）」命令84を選択する。メニュー86
の出し方には２通りある。すなわち、（１）共用ブック
アイコン40をコーディング（chording）するか、或い
は、（２）キーボード25の「シフト」キーにより発動
し、それと同時にマウス30の左側マウスボタンをアイコ
ン40に当てがう。第２に方法は、第９図に示される共用
ブックの補助メニュー80の同じ「ローカルファイル表
示」命令84を用いる。

ローカルファイルのフォルダ100の一例を第11図のフ
ォルダのウィンドウ表現に示す。ローカルファイルフォ
ルダ100の基本目的は、ユーザのデスクトップ32を、選
択的に迅速に片づける（clean up）することである。操
作としては、フォルダ100内においてエントリ44を直接
削除する。このようにして削除されたファイルは、遠隔
ファイルサービスからは削除されない。ユーザは、フォ
ルダ100のエントリ44を、デスクトップ32へ＜コピー＞
したり＜移動＞したりすることもできる。ただし、ユー
ザは、デスクトップ32からエントリ44をフォルダー100
へ＜コピー＞したり＜移動＞することはできない。＜プ
ロパティ＞命令もフォルダー100に対しては無効であ
る。このような制約があるために、共用ブックの一貫性
が維持される。共用ブックを遠隔ロケーションからユー
ザのデスクトップ32へコピーすると、共用ブック44に格
納されている各エントリ44のすべてのバージョンもデス
クトップへコピーされる。このように、ローカルファイ
ルのフォルダ100の重要な機能は、各エントリ44の現行
バージョンを除くすべてのバージョンを削除することで
ある。

O.共用ブックの遠隔ファイルの操作 ユーザが、共用ブックの遠隔エントリ、すなわち、遠
隔ファイルサービスの実遠隔共用ブックに格納されてい
るエントリを操作するには、第12図に示すように、遠隔
共用ブック44が格納されているローカルファイルのフォ
ルダ102を開けばよい。フォルダー102を活性化するに
は、第10図のアイコン・ポップメニュー86或いは第９図
の共用ブック補助メニュー80において「リモートファイ
ル表示」命令85を選択すればよい。

遠隔ファイルのフォルダ102の一例を、第12図のフォ
ルダのウィンドウ表現に示す。ユーザは、フォルダ102
のエントリ44をデスクトップ32或いはブック40へ＜コピ
ー＞することができる。ユーザは、エントリ44をフォル
ダー102から＜削除＞したり、フォルダー102へ＜移動＞
したり＜コピー＞することはできない。＜プロパティ＞
命令も無効である。先に述べたように、このような制約
があるために、共用ブックの一貫性が維持される。遠隔
ファイルのフォルダ102の基本目的は、遠隔共用ブック
ロケーションにおいて維持されているエントリ44の先行
バージョンを確保することである。前述の如く、共用ブ
ック40に確保できるバージョンの数は、共用ブックプロ
パティシート50Bの「確保バージョン（Version To Kee
p）」フィールド55に挿入する選択ナンバーで決定され
る。ユーザは、フィールド55の数値を随時変更できる。

P.共用ブックアクセス権 特定共用ブック40とのユーザインタラクションは、共
用ブックに対するアクセス権で制御される。ユーザは、
最低限、共用ブック40を開き、その内容をウィンドウ42
に出して見ることができる「読出し」アクセス権が必要
である。エントリ44を、遠隔ファイルサービスの実遠隔
共用ブックに格納するには、フィールド56に「書込み／
追加」アクセス権が必要である。遠隔ファイルサービス
の実遠隔共用ブックからエントリ44を削除する場合は、
「除去（Remove）」アクセス権が必要である。アクセス
リスト自体を変更或いは修正するためには、「オーナ
（Owner）」アクセス権が必要である。

各エントリ44は、エントリが格納されている共用ブッ
クアクセスリストとは異なったものとすることができ
る、各々独自のアクセスリストを持っている。ユーザ
は、同じ共用ブック40内において、１つのエントリに自
由にアクセスし、別のエントリに「読出し専用」でアク
セスし、また第３のエントリにはアクセスしないという
こともある。しかし、ユーザは、エントリ44が位置して
いる共用ブックに対してユーザが持っているアクセス権
と同じアクセス権を、ユーザはエントリ44に対しても持
っているというのが普通である。

新共用ブック40を作成すれば、共用ブックを格納する
遠隔ファイルドロワー或いはフォルダのアクセスリスト
が自動的に割り当てられる。同アクセスリストは、第４
図に示される共用ブックプロパティシート50Bのフィー
ルド56に以下のように表れる。

Access list:（Same As Container） 既存共用ブック40の新ローカルインスタンスに対して
は、遠隔共用ブックと同じアクセスリストが与えられ
る。新エントリ44Cに対しては、共用ブックに初めてコ
ピーするときには、初期的に共用ブックのアクセスリス
トが与えられる。このアクセスリストは、第６図に「コ
ンテナと同様（Same As Container）」で示されるエン
トリ「詳細」プロパティシシート60Bのアクセスフィー
ルド68に表れる。

第４図の共用ブックプロパティシート50Bにおいて
は、アクセスリストフィールド56は、常に編集可能であ
る。プロパティシート50Bを開くことができるユーザ
は、すべてこのフィールドを編集できる。ただし、「オ
ーナ」アクセス権をもっていないユーザが「完了」命令
58を発動すると、オペレーションは成功しない。第６図
に示すようにユーザがエントリ44Aをロックしない場合
は、エントリ「詳細」プロパティシシート60Aのアクセ
スリストフィールド68は、読出し専用である。エントリ
44Aをロックすれば、第６図のフィールド68でアクセス
リストを変更することができる。

新規ユーザが共用ブック40に対するアクセス権を取得
する際は、遠隔共用ブックの遠隔ファイルサービスのフ
ァイルドロワー或いはフォルダに対するアクセス権を取
得しなければならない。

エントリ44に対するアクセス権を変更する場合は、同
変更はエントリの最高位バージョンに対してのみ有効で
あるという点に留意する必要がある。このように、エン
トリ44に対するアクセス権を取消されたユーザでも、共
用ブックの遠隔ロケーションから当該エントリの１つ前
のバージョンのコピーを求めることができる。

６つの標準共用ブックオペレーションにおけるアクセ
ス権の各種の組合せの効果を第１表に示す。「読出し
（Read）」及び「書込み（Write）」アクセスが基本ア
クセス権であり、他のアクセス権はこれら二つのアクセ
ス権と組合せて用いなければならない。第１表中、Ｒは
読出し、Ｗは書込み、Ａは追加、Rmは除去、Ｏはオーナ
を意味する。

ブランクはオペレーションを実行できないことを意味
する。

1:見ることはできるが変更は一切できない。

2:yes、ただしアクセスリストの変更はできない。

3:yes、ただしエントリをセーブできないため、いかな
るユーザもエントリを使用できない。

4:yes、ただしエントリの遠隔コピーがない場合に限
る。

5:yes、ただしエントリ書込みアクセス権を持っていな
ければならない。

6:yes、ただしエントリを分配できないからエラーメッ
セージが出る。

7:yes、ただしエントリ書込みアクセス権を持っていな
ければエラーメッセージが出る場合がある。

Q.その他 本発明は、様々な形で実施することができる。一例と
して、フォスター，ジー（Foster,G.）著「協同システ
ムとマルチユーザインターフェース（Collaborative Sy
stems and Multi−user Interfaces）」，カリフォルニ
ア大学，バークレー校，コンピュータサイエンス部，博
士論文，（Ph.D.Thesis,University of California,Ber
keley,Computer Science Division）,1986に紹介されて
いるシステムとして実施することができる。同システム
においては、ボブロウ，ディー，ジー（Bobrow,D.G.）
及びスティフィク，エム（Stefik,M.）著「ループスマ
ニュアル（The LOOPS Manual）」，ゼロックスコーポレ
ーション,1983年12月，に紹介されているLOOPSを用い
る。ループスゲージ（Loops Gauge）の使用方法につい
ては、スティフィク，エム及びボブロウ，ディー，ジー
共著「オブジェクト指向プログラミング：主題と変形例
（Object−Oriented Programming:Themes and Variatio
ns）」，エーアイ・マガジン（The AI Magagine）,1986
年，第40〜62ページ、第58〜60ページを参照のこと。

本発明の実施例として、本件出願明細書に引用編集し
た本件出願人の係属米国特許出願第030,766号「ディス
プレイシステム・オブジェクトの共用を目的とする多重
仮想ワークスペースを備えたユーザインターフェース
（User Interface with Multiple Virtal Workspaces f
or Sharing Display Systems Objects）」の第５図に示
されている縮小表現（reduced scale representatin）
を挙げることができる。

同表現は、ワークスペースの内容が収縮形態になって
おり、本件出願明細書に引用編入した本件出願人の係属
米国特許出願（ドケット番号D/87009Q），「多重共用仮
想ワークスペース（Multiple Shared Virtual Workspac
es）に紹介されている技術と組合せて使用することがで
きる。

本発明は、本書に紹介した実施態様だけに限られるこ
となく、その特許請求の範囲内においてこれ以外にも様
々な応用実施態様が可能であることは関係者にとって容
易に理解されよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の共用構造化データオブジェクトを示
すオフィス情報システムの図解である。第２図は、第１
図のワークステーションディスプレイのウィンドウに表
示される複数のエントリが入っている内容を持っている
共用構造化データオブジェクトの表現を示す。第３図
は、第１図のワークステーションディスプレイに表示さ
れるブランク共用構造化データオブジェクトのプロパテ
ィシートを示す。第４図は、第１図のワークステーショ
ンディスプレイに表示される以前に作成した共用構造化
データオブジェクトのプロパティシートを示す。第５図
は、第１図のワークステーションディスプレイに表示さ
れる第２図に示す共用構造化データオブジェクトウィン
ドウにおいてロックされていないエントリの詳細オプシ
ョンシートを示す。第６図は、第１図のワークステーシ
ョンディスプレイに表示される第２図に示す共用構造化
データオブジェクトウィンドウにおいてロックされてい
るエントリのディテールオプションシートを示す。第７
図は、共用構造化データオブジェクトへの追加方法を示
す共用構造化データオブジェクトウィンドウの簡略バー
ジョンをしめす。第8A図，第8B図は、共用構造化データ
オブジェクトにおけるエントリのロックを示す共用構造
化データオブジェクトウィンドウの簡略バージョンを示
す。第９図は、以前に開かれた補助メニューを示す第２
図に示す共用構造化データオブジェクトの開かれたウィ
ンドウを示す。第10図は、第２図に示す共用構造化デー
タオブジェクトのポップアップメニューを示す。第11図
は、第２図に示す共用構造化データオブジェクトのロー
カルファイルの開かれたフォルダの一例を示す。第12図
は、第２図に示す共用構造化データオブジェクトの遠隔
ファイルの開かれたフォルダの一例を示す。第13図は、
本発明において実行する基本演算のフローチャートであ
る。第14図，第15図は、本発明において実行する他の演
算のフローチャート例である。 10:システム、12:LAN 14:ワークステーション 16:ファイルサーバ 18:ファイル／メイル／通信サーバ 20:プリントサーバ、22:プリンタ 24:ミニコンピュータ 26,28:ディスプレイスクリーン 30:マウス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェフリー・ディー・ホッジス アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94560 ニューアーク スプルーススト リート 36023 (72)発明者 マイケル・ディー・カプファ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94043 マウンテンビュー アルビンス トリート 2531 (72)発明者 ブライアン・ティー・ルイス アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94301 パロアルト ノースカリフォル ニア 275 (72)発明者 ウイリアム・ジェー・メイベリー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90501 トーランス ウエストツーハン ドレッドアンドサーティースプレイス 2240 (72)発明者 マイケル・エル・ターラン アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94040 マウンテンビュー コリンズコ ートアパートメント＃７ 4321 (72)発明者 スティーブン・ビー・トム アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94121 サンフランシスコ ツウェンテ ィナインスアベニュー 557 (56)参考文献 特開 昭62−192850（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−126458（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−156289（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−120252（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−110076（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−4264（ＪＰ，Ａ) Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ ｏｆ ｔｈｅ ＡＣＭ Ｊａｎｕａｒｙ 1987 Ｖｏｌｕｍｅ 30 Ｎｕｍｂｅｒ １ ｐ32−47 ＭＡＲＫ ＳＴＥＦＩ Ｋ，ＧＲＥＧＧ ＦＯＳＴＥＲ，ＤＡＮ ＩＥＬ Ｇ．ＢＯＢＲＯＷ，ＫＥＮＮＥ ＴＨ ＫＡＨＮ ＳＲＡＮ ＬＡＮＮＩ ＮＧ，ａｎｄ ＬＵＣＹ ＳＵＣＨＭＡ Ｎ“ＢＥＹＯＮＤ ＴＨＥ ＣＨＡＬＫ ＢＯＡＲＤ：ＣＯＭＰＵＴＥＲ ＳＵＰ ＰＯＲＴ ＦＯＲ ＣＯＬＬＡＢＯＲＡ ＴＩＯＮ ＡＮＤ ＰＲＯＢＬＥＭ Ｓ ＯＬＶＩＮＧ ＩＮ ＭＥＥＴＩＮＧ" (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G06F 15/00 390 G06F 9/46 360 ＥＰＡＴ（ＱＵＥＳＴＥＬ) ＩＮＳＰＥＣ（ＤＩＡＬＯＧ) ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ) ＷＰＩ（ＤＩＡＬＯＧ)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各々がディスプレー、ユーザ入力装置、及
   びローカルメモリを有するワークステーションを複数有
   する共同システムの操作方法であって、 その共同システムは共用データを蓄積するための蓄積手
   段を有しており、 各々のワークステーションは、ローカルメモリに蓄積さ
   れ、かつ、ディスプレイに表示される共用データを検索
   するために、蓄積手段により蓄積された共用データにア
   クセスするために連結されているものであって、 前記操作方法は、 第一のワークステーションにおいて、その第一のワーク
   ステーションのユーザ入力装置から、共用データに影響
   を与える操作を要求する信号を受信し、 その操作を要求する信号に応答して、 共用データに影響を及ぼす他の操作を防ぐための蓄積手
   段によって蓄積された共用データをロックし、 影響を受けた共用データの最新コピーが第一のワークス
   テーションのローカルメモリに格納されているか否かを
   判別し、 影響を受けた共用データの最新コピーが第一のワークス
   テーションのローカルメモリ内に蓄積されていない場合
   には、影響を受けた共用データの最新コピーを第一のワ
   ークステーションのローカルメモリーに蓄積し、 第一のワークステーションのそれぞれのローカルメモリ
   ーに蓄積された影響を受けた共用データの最新コピーへ
   の変更を行う要求操作を行い、 必要な場合には、前記要求操作を行うことによって前記
   蓄積手段によって蓄積された共用データの変更を含む更
   新を行い、 そして、 その更新が行われた後に蓄積手段によって蓄積された共
   用データのロックを解除するステップを有するものであ
   る 複数のワークステーションからなる共同システムの操作
   方法。
2. 【請求項２】第一のワークステーションからの操作要求
   信号を受け取った後に、蓄積手段に格納された共用デー
   タに影響を与える動作要求信号を第二のワークステーシ
   ョンのユーザ用入力装置から受け取り、 この第二の動作要求信号が蓄積手段に蓄積され、ロック
   されている共用データに基づくものであるか否かを決定
   するステップをさらに有する請求項１に記載の複数のワ
   ークステーションからなる共同システムの操作方法。
3. 【請求項３】影響を受けた共用データは、共用データの
   最初の部分であって、 第一のワークステーションにおけるローカルメモリー内
   に、その影響をうけた共用データの最新コピーを蓄積し
   たのち、 その第一のワークステーションのディスプレー上に最初
   の部分のローカルコピーを有することを表示するステッ
   プをさらに有する請求項１に記載の複数のワークステー
   ションからなる共同システムの操作方法。