JP2848584B2 - 水性樹脂組成物、その製造方法及び用途 - Google Patents

水性樹脂組成物、その製造方法及び用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性樹脂組成物に関する
ものであるが、主に塗料、プライマー、インキ、接着
剤、シーリング剤及び表面処理剤として用いることがで
きる。また本発明の樹脂組成物は用途に応じて水性のア
クリル、ポリエステル等の他の水性樹脂、水溶性樹脂と
配合して用いることも可能である為、被膜形成材料の改
質剤としても利用することができる。中でも特に非極性
表面を持つポリオレフィン基材等に対する密着性、可撓
性、耐水性に優れた被膜、接着層を形成することができ
るため、自動車等の部品材料、ポリオレフィンフィル
ム、ポリオレフィン系成形物等に対する塗料、プライマ
ー、インキ、シーリング剤、接着剤用の樹脂として有用
である。また、繊維状、粒子状基材の表面処理剤、バイ
ンダーとしても応用される。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン、ポリエチレン、
又はプロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体
等のポリオレフィンを不飽和カルボン酸又は酸無水物で
変性した変性ポリオレフィン組成物や更にそれらを塩素
化した酸変性塩素化ポリオレフィンは塗装材料、プライ
マー、インキ等に用いられている。しかし現状ではこれ
らの樹脂はトルエンやキシレンなどの芳香族系有機溶剤
にしか溶解しないので多量の芳香族系の溶剤を使用せざ
るを得ず、安全衛生、環境汚染の面から問題があった。
【0003】そこで近年、塩素化ポリオレフィンにポリ
オール、界面活性剤、塩基性物質を添加し水性化を行っ
た水性樹脂(米国特許340845)、不飽和カルボン
酸や酸無水物によって酸変性された塩素化ポリオレフィ
ンを界面活性剤と塩基性物質を用いて水性化した水性樹
脂(特願平1−323506号)等が出願されている。
【0004】塩素化ポリオレフィンの水性分散液を製造
する試みとしては、例えば特開平1−153778号公
報、特開平1−256556号公報、特開平2−284
973号公報等に開示されているが、これらには製造時
に芳香族系有機溶剤が使用されており有機溶剤を完全に
なくすことは困難であった。また、変性ポリオレフィン
の水性分散液を製造する試みもなされており、例えば特
開昭59−47244号公報、特開平2−286724
号公報等に開示されている。しかし、塗装、接着等にお
いて被塗物、被接着物をポリオレフィン樹脂とした場
合、密着性や耐水性が悪かったり塗装性が悪いなどの欠
点があり、このような水性の組成物はまだ実用化される
に至っていない。また、特開平3−182534号公報
では変性塩素化ポリオレフィンを界面活性剤を用いて水
性化し更に水性ポリウレタン樹脂を配合することによっ
て塗膜性能の向上を図っている。
【0005】しかし、水溶性ウレタン樹脂、界面活性剤
が反応性でないために水によって塗膜から活性剤成分が
溶出しそれによって生じると思われる塗膜の欠陥により
耐水性が低下するという現象を引き起こしていた。また
ポリオール、界面活性剤を多量に用いて水性化した水性
化塩素化ポリオレフィン樹脂を用いて被膜を形成させた
場合、被膜中にポリオール、界面活性剤等の親水性成分
が残存し、それらが水分によって溶出するため被膜の耐
水性が悪いという欠点があった。更に、塩素化ポリオレ
フィンをベースとした水性樹脂組成物においては塩素化
された樹脂成分を多量に含むため、耐候性に問題がある
だけでなく、形成された被膜、接着層等を持つ最終製品
の廃棄、リサイクル処理に於いて少なからず問題を生じ
ていた。
【0006】これに対し本出願人はポリオレフィン樹
脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、酸変性ポリオレフィン
樹脂を反応性界面活性剤を用い水性化した水性樹脂(特
願平4−258935号、特願平4−25893号、特
願平4−258937号)に関する出願を行った。これ
らの発明は被膜中に存在する親水性物質を被膜に固定化
することによって被膜の耐水性を向上させることを目的
としている。反応性界面活性剤はこれまで乳化重合の際
に用いられてきており、乳化重合においてモノマーを水
中に懸濁させるための界面活性作用を持ちかつ他のモノ
マーと反応するため重合物の構造に取り込まれ、結果と
して反応物の耐水性を改善する効果をもたらすものであ
った。
【0007】しかし、反応性界面活性剤はそれと類似し
た構造を持つ非反応性界面活性剤と比較して樹脂分散能
が低く安定な水性化物を得るためには添加量を多くする
か又は他のポリオール、非反応性界面活性剤等を併用し
なければならなかった。
【0008】水性エポキシ樹脂、水性ブロックイソシア
ネートは一般に繊維加工用、ラテックス、アクリル、ウ
レタン等の樹脂の架橋剤及び改質剤、プラスチックフィ
ルムの表面加工、塗料等に用いられている。また、ブロ
ックイソシテネートとの組み合せによって架橋構造を導
入し更に親水性成分を固定化する場合においても、形成
される被膜の基材に対する密着性を維持するためにブロ
ックイソシアネートの使用量には制限があった。
【0009】一方、塩素化物を含めたポリオレフィン系
樹脂の水性化方法においては一般的に樹脂原料を何等か
の溶剤に溶解した後、界面活性剤等の親水性成分、塩基
性物質を添加し、その後溶媒を水に置換する方法で行わ
れている。また、ポリオレフィン、酸変性塩素化ポリオ
レフィンを室温又は加熱加圧状態で転相法によって水性
化する方法も既に検討されており特許出願されている
(特願平5−280127号)。原料樹脂と界面活性
剤、塩基性物質を樹脂の軟化点以上の温度で溶融混合し
そこへ徐々に水を加えて相転位を起こし水性化する方法
が知られている。
【0010】しかしこの方法は従来常圧で行われてお
り、そのために原料樹脂の 100℃以下の粘度が高い場合
など水の添加によって樹脂温度が低下することによって
溶融液の粘度が上昇するために攪拌効率が低下し均一な
相転位が起こらない場合が多かった。更に、樹脂粘度を
低下させるために少量の溶剤を添加したり、加圧し 100
℃以上の温度に昇温しなければならなかった。この方法
では樹脂溶融温度以上の温度領域で反応するエポキシ化
合物、ブロックイソシアネート等はポリオレフィン樹脂
の乳化工程で共存させることができなかった。
【0011】また、アクリル系モノマーに塩素化ポリオ
レフィンを溶解し重合開始剤を添加して水中で懸濁重合
を行うことは既に公知である(特許第1568123
号)。しかし、検討は全て塩素化ポリオレフィンに関し
て行われており非塩素系変性ポリオレフィンに関しての
報告はなく、更に、エポキシ樹脂、ブロックイソシアネ
ート、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、との
組み合わせによる特徴ある水性組成物に関する報告はな
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の塩
素を含む変性ポリオレフィン組成物では有機溶剤溶液と
して用いられているために溶剤の毒性、環境問題等が問
題となっていた。また、それらを解決しようとして考案
された界面活性剤を多量に用いた水性樹脂組成物には従
来耐水性の問題点が付きまとっていた。本発明はこれら
毒性、環境問題、塗膜の耐水性能の悪さ、それぞれを同
時に解決する水性樹脂組成物を提供することを目的とし
ている。
【0013】更に、本発明による水性樹脂組成物は塩素
を含まない変性ポリオレフィンを用いているため、この
水性樹脂組成物を用いて塗装、被覆、接着等を行った製
品のリサイクル性、廃棄性を向上させることができる。
すなわち、本発明の組成物を含む最終製品をリサイクル
の目的で粉砕し溶融する際の塩酸の発生を完全に無くす
ことによってリサイクル性を向上させることができる。
また、焼却廃棄の際に発生する塩素誘導体、塩酸の生成
を無くすことによって環境汚染を防ぐだけでなく、焼却
に用いられる機械装置に対する負荷を低減することをも
本発明は目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明者らは毒性、公害面などの問題がなく、安全
性に優れ密着性、接着性を損なうことなく塩素を含まな
い耐水性に優れる被膜及び接着層を形成できる水性樹脂
組成物を鋭意検討した結果、特定の変性を行った変性ポ
リオレフィンをアクリル系又はメタクリル系モノマー類
に混合あるいは溶解し、それを界面活性剤と重合開始剤
とともに水中分散させ、乳化重合、懸濁重合等の方法に
よって水中で重合を行うことによって変性ポリオレフィ
ンを含んだ水性分散物が得られることを見い出した。
【0015】また、重合前の分散樹脂にブロックイソシ
アネート、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹
脂、アミノ樹脂等を配合することによってより均一に複
数の成分を複合化できるだけでなく、乳化粒子の構造を
各種コアシェル型水性化物に設計されることを見い出し
た。
【0016】更にこれら重合反応後の乳化物に、既に水
性化された、ブロックイソシアネート、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、アミノ樹脂等の耐水性成分や水性架橋成
分を配合することによって、更に耐水性、表面性、耐薬
品性、作業性の良い被膜を形成することのできる水性樹
脂組成物ができることを見いだした。
【0017】また、それらの架橋成分を配合することに
よって非極性基材に対する密着性、耐水性だけでなく金
属表面等極性基材に対する密着性も改善され非極性基材
と極性基材の接着性が改善されるほか塗料化した場合
の、耐薬品性、表面性(表面光沢等)、耐候性等種々の
改善効果が見いだされ本発明に至った。
【0018】界面活性剤の選択においてはポリアルキレ
ンオキサイド構造を持ち、更にポリオレフィン等有機材
料を基材に用いる場合には、好ましくは 200〜5000の平
均分子量を持つものが好ましいことが明らかとなった。
【0019】更に、アクリル系又はメタクリル系モノマ
ー類に変性ポリオレフィンを溶解して重合反応するのに
対しラジカル反応性を持たない架橋成分を組み合わせて
用いることが耐水性、耐溶剤性、耐ガソリン性の向上、
密着性の改善に大きな効果をもたらすことが判った。
【0020】更に、その架橋成分の水性化物への導入に
ついて検討したところ、アクリル系又はメタクリル系モ
ノマー類に対して変性ポリオレフィンと同様に架橋成分
を重合前に混合あるいは溶解し、その後水中で乳化重合
又は懸濁重合することによって、架橋成分をより均一に
水性樹脂中に分散させることができる結果、より均一に
架橋が形成されるために塗膜性能が向上すること見いだ
した。
【0021】一方、水性化された耐水性成分や架橋成分
を別途に調製された水性ポリオレフィン樹脂とブレンド
した場合には、より不均一に耐水性成分や架橋成分が被
膜中に分布するもののその配合量を用途に応じてより自
由に調節できるだけでなく、基材の種類、硬化条件によ
って耐水性成分や架橋成分の種類を変更したり二種類以
上組み合わせられるため有効であることが判った。
【0022】すなわち本発明は、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、又はプロピレン、エチレンとα−オレフィン
の共重合体あるいはそれ等を熱又は酸化剤又はラジカル
発生剤等で減成したものとラジカル重合性二重結合を持
つところの酸無水物、カルボン酸又はアルコールの1種
又は2種以上の 0.1〜20重量%を共重合させることによ
って変性された重量平均分子量1000〜100000の変性ポリ
オレフィン80〜10重量部と、アクリル系又はメタクリル
系モノマー類の1種又は2種以上の混合物の20〜90重量
部を混合又は溶解し、界面活性剤及び重合開始剤存在下
で、水中重合してなることを特徴とする水性樹脂組成物
及びその製造方法である。
【0023】更に、ポリプロピレン、ポリエチレン、又
はプロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体あ
るいはそれ等を熱又は酸化剤又はラジカル発生剤等で減
成したものとラジカル重合性二重結合を持つところの酸
無水物、カルボン酸又はアルコールの1種又は2種以上
の 0.1〜20重量%を共重合させることによって変性され
た重量平均分子量1000〜100000の変性ポリオレフィン80
〜10重量部と、ブロックイソシアネート、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、又はアルキド樹脂のい
ずれか1種類の10〜200 重量部とアクリル系又はメタク
リル系モノマー類の1種又は2種以上の混合物の20〜90
重量部を混合又は溶解し、界面活性剤及び重合開始剤存
在下で、水中重合してなることを特徴とする水性樹脂組
成物及びその製造方法である。
【0024】また、本発明の水性樹脂組成物を調製する
にあたり、アクリル系又はメタクリル系モノマー類 100
重量部に対して、アクリル系又はメタクリル系オリゴマ
ーを固形分比で1〜50重量部添加してなることを特徴と
する水性樹脂組成物は、アクリル系又はメタクリル系モ
ノマー類とそれに混合又は溶解する樹脂の相溶性を改善
し、より均一な被膜を形成することができるため有用で
ある。
【0025】また、本発明の水性樹脂組成物を調製する
にあたり、アクリル系又はメタクリル系モノマー類 100
重量部に対して、0.01〜10重量部の連鎖移動調節剤を添
加してなることを特徴とする水性樹脂組成物は、アクリ
ル系又はメタクリル系モノマー類の重合度をコントロー
ルし乳化物の乾燥時の粘度、レベリング性を調整する上
で有効である。
【0026】また、界面活性剤としてポリアルキレンオ
キサイド構造を持ち重量平均分子量200 〜5000の界面活
性剤を水性化原料樹脂 100重量部に対し 0.1〜50重量部
の割合で界面活性剤成分の一成分として含むことを特徴
とする水性樹脂組成物は、樹脂の分散効率、貯蔵安定性
も良く好ましい。
【0027】水性ポリオレフィン樹脂組成物に対し水性
ブロックイソシアネート、水性エポキシ樹脂、水性ウレ
タン樹脂、水性アミノ樹脂のいずれか1種を固形分比で
100:1〜1:10の割合で配合してなることを特徴とす
る水性樹脂組成物及びその製造方法は、層間密着性、耐
水性、耐溶剤性、耐薬品性等に優れている。特に、水性
エポキシ樹脂配合組成物は、硬化剤との組み合わせによ
って常温乾燥タイプとして用いられ、また水性ウレタン
樹脂配合組成物は乾燥被膜の平滑性を向上させるだけで
なく、乾燥後の被膜のタック性を抑制する効果がある。
【0028】また、本発明の水性樹脂組成物を含有して
なる塗料、プライマー、インキ等被膜形成物、シーリン
グ剤、接着剤、バインダー及び表面処理剤、被膜形成材
料改質剤は産業上有用である。
【0029】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるポリオレフィンとしてはエチレンもしくはプロピ
レンの単独重合体又は、エチレンもしくはプロピレンと
その他のコモノマー例えばブテン−1、ペンテン−1、
ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などの炭素
数2以上、好ましくは2〜6のα−オレフィンコモノマ
ーとのランダム共重合体又はブロック共重合体又はこれ
らコモノマー2種類以上の共重合体が使用される。ポリ
オレフィンの重量平均分子量は通常1000〜100000であ
る。公知の方法で得られたものでよいが一旦高分子量に
合成したものをラジカルや酸素、熱等によって減成した
ものも使用される。
【0030】ポリオレフィンの変性に用いられるラジカ
ル反応性二重結合を持つ酸無水物あるいはカルボン酸と
してα、β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物、例え
ばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、
アリルコハク酸、メサコン酸、アコニット酸、及びこれ
らの酸無水物等が挙げられる。ラジカル反応性二重結合
を持つアルコールとしては、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート[ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレートをまとめてヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートと記す、以下同様]、ヒドロキシ
メチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートが例示される。α、β−不飽和カ
ルボン酸又はその酸無水物又はヒドロキシルアルキル
(メタ)アクリレートをグラフト共重合する量は 0.1な
いし20重量%が好ましく、 0.1重量%以下では水に分散
させたときの安定性が悪くなり、20重量%以上ではグラ
フト効率が悪くなって不経済である。特に好ましくは1
ないし15重量%である。また、α、β−不飽和カルボン
酸又はその酸無水物をグラフト共重合した樹脂の重量平
均分子量は1000ないし100000であるが、好ましくは3000
ないし 80000が良い。1000以下では凝集力が不足してポ
リオレフィン樹脂に対する密着力が悪くなり、100000以
上ではアクリル系又はメタクリル系モノマー類にポリオ
レフィンを溶解させたときの粘度が高く水に分散させる
ときの操作性が悪くなって好ましくない。分子量をこの
範囲にするためには、原料の分子量やグラフト反応を行
うときの条件を選択することで可能であり、また一旦原
料の分子量を落とした後グラフト反応を行うという方法
でも可能である。また、水性化物調製においてブロメッ
クイシソアネート、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、アミ
ノ樹脂を用いる場合にはポリオレフィン、変性ポリオレ
フィンの重量平均分子量は更に低くとも良く1000ないし
60000 が好ましい。なお、重量平均分子量はGPC(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定するこ
とができる。
【0031】本発明においては、1種又は2種以上の
α、β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物又はヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを同時に使用するこ
とができる。ポリオレフィンにα、β−不飽和カルボン
酸又はその酸無水物又はヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートをグラフト共重合する方法は公知の方法で行
えばよいが、特にポリオレフィンを融点以上に加熱溶融
させてラジカル発生剤の存在下でグラフト共重合させる
方法によって行うのが好ましい。α、β−不飽和カルボ
ン酸又はその酸無水物とヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートを同時に使用する場合には、それぞれラジカ
ル発生剤の存在下でポリオレフィンにグラフト共重合さ
せてもよいし、例えばポリオレフィンにα、β−不飽和
カルボン酸をラジカル発生剤の存在下でグラフト共重合
させた後、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを
エステル結合を介してグラフト共重合させ、グラフト鎖
に存在する不飽和結合に別のα、β−不飽和カルボン酸
又はその酸無水物又はヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートをラジカル発生剤の存在下でグラフト共重合さ
せてもよい。
【0032】本発明において水性ポリオレフィン樹脂組
成物を調製するにあたり界面活性剤、重合開始剤を添加
する。
【0033】本発明において用いられる界面活性剤とし
てはラジカル重合性を持たない非反応性界面活性剤とラ
ジカル重合性を有する反応性界面活性剤があり、それぞ
れを単独で用いても良いし組み合わせて用いてもよい。
ポリアルキレンオキサイド構造を持ち重量平均分子量 2
00〜5000の界面活性剤成分としてはポリオキシエチレン
ジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシ
テトラエチレングリコール、エチレンオキサイドとプロ
ピレンオキサイドの共重合物、脂肪族アルコールポリア
ルキレンオキサイド付加体(ポリオキシエチレン脂肪族
アルキルエーテル等)、2級アルコールポリアルキレン
オキサイド付加体(ポリオキシエチレン2級アルコール
エーテル等)、アルキルアミドポリアルキレンオキサイ
ド付加体、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエー
テル(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンドデシルフェニルエーテル等)、ポリ
オキシアルキレンステロールエーテル、ポリオキシアル
キレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン
縮合物の酸化アルキレン誘導体、ポリオキシアルキレン
グリセリン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレングリセ
リン脂肪酸エステル等)、ポリオキシアルキレンソルビ
トール脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビトー
ル脂肪酸エステル等)、ポリオキシアルキレングリコー
ル脂肪酸エステル(ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
等)、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド(ポリオキシ
エチレン脂肪酸アミド等)、ポリオキシアルキレンアル
キルアミン(ポリオキシエチレンアルキルアミン、アル
キルアルカノールアミンのエチレンオキサイドプロピレ
ンオキサイド重合体付加物等)等が用いられる。ポリア
ルキレンオキサイド構造を持つ物質とはエチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド
の単独重合又は共重合(ブロック共重合、ランダム共重
合、グラフト共重合等)によって生成するオリゴマー、
又はポリマーからなる化学構造を有する物質である。重
量平均分子量は 200以上5000以下、好ましくは 300以上
3000以下が用いられる。平均分子量が 200以下では分散
性能が低く顕著な効果が現れない。また分子量が5000以
上でも樹脂分散能が低下する。また、これらを2種類以
上組み合わせて用いてもよい。上記界面活性成分は水性
化原料樹脂 100重量部に対し 0.1〜50重量部が好ましく
は3重量部から30重量部使用される。
【0034】更に、非反応性界面活性剤としてはプロピ
レングリコールエステル、しょ糖エステル、ソルビタン
アルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリンエステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸
モノグリセリド、アルキルアミンオキサイドなどのノニ
オン型界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキル
フェノールスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩な
どのほかカルボン酸塩、リン酸エステル塩なども例示す
ることのできるアニオン型界面活性剤、アルキルベタイ
ン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤など及
びこれらを2種類以上混合したものを使用できる。
【0035】反応性界面活性剤としては一般的に反応性
界面活性剤又は反応性乳化剤として用いられるものでも
よいが、疎水性基としてアルキルフェニル基、ノニオン
性親水基としてポリオキシエチレン基を持つものが好ま
しい。例えば特開平4−53802号公報、特開平4−
50204号公報に示されるアルキルプロペニルフェノ
ールポリエチレンオキサイド付加体、アルキルジプロペ
ニルフェノールポリエチレンオキサイド付加体及びそれ
らの硫酸エステルの塩が使用される。その中でもアルキ
ルプロペニルフェノールエチレンオキサイド20モル付加
体、同30モル付加体、同50モル付加体、及びアルキルプ
ロペニルフェノールエチレンオキサイド10モル付加体の
硫酸エステルアンモニウム塩、同20モル付加体の硫酸エ
ステルアンモニウム塩が好ましい。また、1−アルキル
フェノキシ−3−(2−プロペニル)オキシプロパン−
2−オールポリエチレンオキサイド付加体又はその硫酸
エステルは樹脂分散能に優れ、さらにα、β−不飽和二
重結合を持つことにより重合性も高く好ましい。これら
の反応性界面活性剤は公知の方法によりラジカル反応開
始剤によって水性化樹脂原料と反応させ樹脂に固定化さ
せることができる。
【0036】反応性界面活性剤の使用量としては水性化
原料樹脂である変性ポリオレフィン100 重量部に対して
0.1〜60重量部であり、好ましくは 0.1〜30重量部であ
る。その使用量は他の親水性成分である非反応性界面活
性剤等の添加量によって適宜変えることができる。反応
性界面活性剤を使用する場合には反応開始剤が使用され
る。この反応性界面活性剤は水性化原料に前もって反応
させておいてもよいし水性化工程中に添加してもよい。
反応開始剤は公知のものを用いることができる。
【0037】非反応性界面活性剤と反応性界面活性剤を
併せた界面活性成分の添加量は樹脂成分とモノマー成分
の総量 100重量部に対し 0.1重量部から50重量部であ
り、界面活性成分の組み合わせ及び量比によって、また
アルコール成分の添加量、アクリル系又はメタクリル系
モノマー類の種類と量によって必要量は異なる。上記界
面活性成分は原料樹脂又はモノマー成分に混合すること
もできるが添加量の一部又は全量を水に混合し添加して
もよい。界面活性成分が上記範囲より越えて少ない場合
には水性化工程での乳化効率が低下し、粒子径の増大、
乳化物の貯蔵安定性の低下をもたらす。また、多い場合
には水性樹脂組成物を用いて形成させた被膜の耐水性が
著しく低下する。
【0038】アクリル系又はメタクリル系モノマー類と
は例えば一般式1又は2に示される構造を持つ化合物で
ある。
【0039】一般式1) CH2 =CHR1 −COOR2 ただし式中、R1 は水素又は低級アルキル基を、R2
水素又はグリシジル基又は炭素数1〜12のアルキル基又
は炭素数5〜12の環状脂肪族炭化水素からなる基又は−
(CH2 n −OHである。ここでnは1〜12の整数を
示す。
【0040】具体的には(メタ)アクリル酸、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−シクロペンチル(メタ)ア
クリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチ
ル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリ
レート等である。
【0041】一般式2) CH2 =CHR1 −CONR2 3 ただし式中、R1 は水素又は低級アルキル基を、R2
水素又は低級アルキル基、R3 は低級アルキル基を示
す。
【0042】具体的にはN,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピ
ルアクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチルアクリルア
ミド、N,N−ジ−n−ブチルメタクリルアミド、イソ
ボルニルアクリルアミド、イソボルニルメタクリルアミ
ド等である。
【0043】また、前述の反応性界面活性剤をアクリル
系又はメタクリル系モノマー類の一部として用いること
ができる。
【0044】更に、本発明において用いることのできる
他のアクリル系又はメタクリル系モノマー類としては、
アクリロニトリル、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳
香族系モノマー、酢酸ビニル等ビニルエステル系モノマ
ー、マレイン酸メチル、無水マレイン酸などが挙げられ
る。
【0045】これらのアクリル系又はメタクリル系モノ
マー類を1種又は2種以上を混合して用いることができ
る。アクリル系又はメタクリル系モノマー類の使用量
は、変性ポリオレフィン80〜10重量部に対し、20〜90重
量部であり、好ましくは変性ポリオレフィン50〜20重量
部に対し50〜80重量部である。使用量が少なすぎると、
乳化効率が低下し、界面活性剤等の親水性成分を多く使
用しなければならなくなる。また、多すぎるとポリプロ
ピレン等非極性基材表面に対する付着性が著しく低下す
る。
【0046】アクリル系又はメタクリル系モノマー類及
び反応性界面活性剤の反応を開始するための反応開始剤
としては公知のものでよく、アゾビスイソブチロニトリ
ル、過酸化水素、過硫酸カリウム等水溶性の開始剤でも
油溶性の開始剤でも使用できる。更にレドックス系の開
始剤を用いることもできる。またそれらを組み合わせて
使用してもよい。
【0047】有機過酸化物としては、例えばベンゾイル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパー
オキサイド等が挙げられ、反応温度及び反応時間によっ
て選択して使用する。
【0048】本発明におけるブロックイソシアネートと
は1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソ
シアネート化合物、例えばエチレンジイソシアネート、
プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチ
レンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′,
4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−
ジメチル−4,4′−ジフェニレンジイソシアネート、
m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンイ
ソシアネート等のイソシアネート及び前記のイソシアネ
ート化合物の過剰と、例えばエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ヘ
キサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール
等の低分子ポリオールとの付加反応又は付加重合反応に
よって得られる2官能以上のポリイソシアネート、ビュ
ウレット構造を有するポリイソシアネート、アロファネ
ート結合を有するポリイソシアネート、ヌレート構造を
持つイソシアネート等をブロック剤でブロックしたイソ
シアネート化合物である。該ブロック剤としては、フェ
ノール、クレゾール等のフェノール系、メタノール、ベ
ンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエー
テル等のアルコール系、アセト酢酸メチル、マロン酸ジ
メチル等の活性メチレン類、アセトアニリド、酢酸アミ
ド等の酸アミド類、その他のイミド類、アミン類、イミ
ダゾール類、尿素類、カルバミン酸塩類、イミン類、ア
セトオキシム、メチルエチルケトオキシム等のオキシム
類、メルカプタン類、亜硫酸類、ε−カプロラクタム等
のラクタム類等がある。すなわち本発明でいうブロック
イソシアネートとは一般的にはブロックイソシアネー
ト、マスクドイソシアネート、反応性ウレタンと呼ばれ
る化合物又はこれに類するものを含む。
【0049】ブロックイソシアネートをラジカル重合す
る前の反応液に添加する場合、ブロックイソシアネート
化合物と変性ポリオレフィンの割合としては1:8〜2
0:1の範囲で用いられる。また、水中での重合を行っ
た後の反応物に対して水性ブロックイソシアネートを配
合する場合、ブロックイソシアネート化合物と変性ポリ
オレフィンの割合としては1:100 〜10:1の範囲で用
いられる。
【0050】上記範囲を越えて変性ポリオレフィンに対
してブロックイソシアネートの配合量が少ない場合には
被膜及び接着層等の耐水性が低くなりすぎ問題となる。
また多すぎる場合にはポリオレフィン等の非極性基材に
対する付着性が低下し問題となる。
【0051】ブロックイソシアネート化合物に含まれる
イソシアネート基含有量と、変性ポリオレフィン、界面
活性成分等乾燥処理後の塗膜に残る成分に含まれる水酸
基、カルボキシル基等のイソシアネート基と反応する活
性水素の量、ブロックイソシアネートの各脱ブロック条
件(温度、時間等)におけるブロックイソシアネートの
反応率によって最適割合を決めることができるが、架橋
反応によって生成する結合に更に活性水素がある場合な
どにおいては過剰量用いることができる。
【0052】ブロックイソシアネートを用いた場合、乾
燥工程で水分が蒸発した後、前記ブロック剤が解離する
と効果的であるためブロック剤の解離温度は乾燥工程で
の設定温度以上が好ましいが、乾燥温度と焼付け温度が
同じあるいはそれ以上の場合には過剰のブロックイソシ
アネートを配合することによって対処される。前記ブロ
ックイソシアネートはアクリル系又はメタクリル系モノ
マー類にあらかじめ配合する場合には水分散性又は水溶
性でもよいし、水性化されていなくともよいが、水性化
物に後から配合する場合には水分散性又は水溶性の物が
用いられる。
【0053】本発明における水性ブロックイソシアネー
ト化合物とはその分子構造においてイソシアネート基を
有し且つそのイソシアネート基が適当なブロック剤でブ
ロックされておりそれ自体が水溶性又は水分散性を持つ
か又はそれ自体が水溶性、水分散性を持たなくとも界面
活性剤の添加や親水性保護コロイドを形成させる等なん
らかの方法で水性化されたものをいう。
【0054】本発明において変性ポリオレフィン樹脂に
ブロックイソシアネートを添加、配合する工程において
変性ポリオレフィン樹脂を溶剤に溶解しブロックイソシ
アネート化合物を溶液中に添加した後、溶剤を水に置換
して水性化を行ってもよいし、また水性化した変性ポリ
オレフィン樹脂と水性ブロックイソシアネート化合物を
配合して用いてもよい。
【0055】また、本発明の水性樹脂組成物においては
必要に応じて脱ブロック反応及び活性化したイソシアネ
ート基と他の活性水素との反応を促進する触媒を使用す
ることができる。触媒としてはジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫脂肪酸塩、ジブチル錫ジアセテート、テ
トラ−n−ブチル−1,3−ジアセトキシ−ジスタノキ
サン、テトラ−n−ブチル−1,3−ジラウリルオキシ
−ジスタノキサン、ジ−n−ブチル錫オキサイド、モノ
−n−ブチル錫オキサイド、オクチル酸第一錫等が例示
される。
【0056】本発明に用いられるエポキシ樹脂としては
その分子構造中に1以上のオキシラン構造を持ち室温で
液状か又はアクリル系又はメタクリル系モノマー類に可
溶な物を用いることができる。また、室温で固体であっ
ても有機溶剤を添加することによって液状になったりア
クリル系又はメタクリル系モノマー類に相溶する物であ
れば使用できる。代表的なものとしてグリシジルエーテ
ル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、グリシジ
ルイミン等のグリシジル基の誘導体、ポリオレフィンエ
ポキシド、シクロアルケンエポキシド、エポキシドアセ
タールなどが用いられる。具体的にはビスフェノールA
ジグリシジルエーテルに代表されるビスフェノールA系
エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、ポリフェノ
ール系エポキシ樹脂、ポリヒドロキシベンゼン系エポキ
シ樹脂、フェニルグリシジルエーテル、クレゾールモノ
グリシジルエーテル等のフェノール類からのエポキシ化
誘導体、グリシジルメタクリレートと他のアクリルモノ
マーの共重合物、シクロヘキセンオキシド系エポキシ樹
脂、アニリン誘導体からなるエポキシ樹脂、トリグリシ
ジルイソシアヌレート等が例示される。
【0057】エポキシ樹脂配合においては水性化物の使
用条件によって硬化剤又は硬化触媒を配合し被膜形成条
件にあわせた処方を調製することができる。硬化剤、硬
化触媒としては以下のものが例示される。具体的にはジ
エチレントリアミンに代表される脂肪族ポリアミン、メ
タフェニレンジアミンに代表される芳香族ポリアミン、
ピペリジン、ピロリジンに代表される第二アミン、トリ
エタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミン、トリス
ジアミノメチルフェノールに代表される第三アミン、無
水フタル酸、無水シトラコン酸、無水ピロメリット酸等
に代表される酸無水物、三弗化ほう素アミンコンプレッ
クス、フェノールノボラック樹脂、尿素樹脂初期縮合
物、メラミン樹脂初期縮合物、ジシアンジアミド等が例
示される。
【0058】エポキシ樹脂をラジカル重合する前の反応
液に添加する場合、エポキシ樹脂と変性ポリオレフィン
の割合としては1:8〜20:1の範囲で用いられる。ま
た、水中での重合を行った後の反応物に対して水性エポ
キシ樹脂を配合する場合、エポキシ樹脂と変性ポリオレ
フィンの割合としては1:100 〜10:1の範囲で用いら
れる。上記範囲を超えて変性ポリオレフィンに対してエ
ポキシ樹脂の配合量が少ない場合には被膜及び接着層等
の耐水性が低くなりすぎ問題となる。また、金属等を基
材とする場合には基材に対する付着性が低くなり問題と
なる。多すぎる場合にはポリオレフィン等の非極性基材
に対する付着性が低下し問題となる。
【0059】本発明に使用されるウレタン樹脂としては
公知な物が使用できるが、好ましくは室温付近で液状で
あるかなんらかの溶剤の添加によって液状になるものが
良い。また固形物であってもアクリル系又はメタクリル
系モノマー類又は変性ポリオレフィンに溶解するもので
あれば良い。更に、本発明の水性樹脂組成物を調製する
際ウレタン樹脂を水性化物の状態で配合する場合におい
てはあらかじめなんらかの方法で水性化されたウレタン
樹脂を配合することができる。
【0060】ここに用いられるウレタン樹脂を製造する
際に使用される活性水素含有化合物としては高分子ポリ
オール、低分子ポリオール、ポリアミンが挙げられる。
【0061】低分子量ポリオールとしてはエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3又は1,4−ブ
タンジオール、3−メチルペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、シクロヘキシレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
ソルビトール、シュークロース等の二官能性以上のポリ
オール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールS、ヒドロキノン、レゾルシノール等の水酸基
を二個以上含む芳香族化合物が例示される。
【0062】高分子量ポリオールとしてはポリエーテル
ポリオール(例えばポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコール等)や
ポリエステルポリオール(例えばアジピン酸、コハク
酸、セバチン酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン
酸、及び二量化リノレイン酸等の脂肪族カルボン酸、フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ポリカ
ルボン酸と上記低分子ポリオール又はポリエーテルポリ
オールをエステル化反応させて得られた、分子内に水酸
基を二個以上持つポリエステルポリオール)、ポリカプ
ロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ
ブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオー
ル、アクリルポリオール等が例示される。
【0063】更に、ポリオール成分に乳酸、酒石酸、ク
エン酸、サリチル酸、ジメチロールプロピオン酸等のヒ
ドロキシカルボン酸やメタノール、エタノール、プロパ
ノール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のモノアル
コールと一部併用して用いることもできる。
【0064】ポリアミンとしてはエチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレ
ントリアミン等の脂肪族ポリアミン、トリレンジアミ
ン、ジエチルトリレンジアミン、フェニレンジアミン、
ジフェニルメタンジアミン、ジクロロジフェニルメタン
ジアミン等の芳香族ポリアミン、4,4′−ジアミノジ
シクロヘキシルメタン、4,4′−ジアミノジメチルシ
クロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサ
ン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン、ジエタ
ノールアミン、モノエタノールアミン、プロパノールア
ミン等のアルカノールアミン、ポリアルキレンオキサイ
ドポリアミン等のポリアミン類が例示される。更に、こ
れらのポリアミンの一種又は二種以上を併用することが
できるが、好ましくはヘキサメチレンジアミン、イソホ
ロンジアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメ
タンが用いられる。
【0065】ここに用いられるウレタン樹脂を製造する
際に使用されるポリイソシアネートとしてはエチレンジ
イソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソ
シアネート等の脂肪族ポリイソシアネート及びその三量
化物、イソホロンジイソシアネート及びその三量化物、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びその三量
化物、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルヘキ
シレンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタン
ポリイソシアネート、ナフチレンジイソシアネートなど
の芳香族ポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネ
ートをもとにしたカルボジイミド基、ウレトジオン基、
ウレトイミン基、ビュウレット基又はイソシアヌレート
基を持つ変性物が使用される。
【0066】ウレタン樹脂をラジカル重合する前の反応
液に添加する場合、ウレタン樹脂と変性ポリオレフィン
の割合としては1:8〜20:1の範囲で用いられる。ま
た、水中での重合を行った後の反応物に対して水性ウレ
タン樹脂を配合する場合、ウレタン樹脂と変性ポリオレ
フィンの割合としては1:100 〜10:1の範囲で用いら
れる。上記範囲を超えて変性ポリオレフィンに対してウ
レタン樹脂の配合量が少ない場合には被膜及び接着層等
の耐水性等が低くなりすぎ問題となる。また多すぎる場
合にはポリオレフィン等の非極性基材に対する付着性が
低下し問題となる。
【0067】本発明に用いられるアミノ樹脂とは尿素、
メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等アミ
ノ化合物とホルムアルデヒドとを反応させて得られる熱
硬化性樹脂を意味する。本発明に使用されるアミノ樹脂
としては公知な物が使用できるが、好ましくは室温付近
で液状であるかなんらかの溶剤の添加によって液状にな
るものが良い。また固形物であってもアクリル系又はメ
タクリル系モノマー類又は変性ポリオレフィンに溶解す
るものであれば良い。更に、本発明の水性樹脂組成物を
調製する際、アミノ樹脂を水性化物の状態で配合する場
合においては、あらかじめなんらかの方法で水性化され
たアミノ樹脂を配合することができる。
【0068】アミノ樹脂をラジカル重合する前の反応液
に添加する場合、アミノ樹脂と変性ポリオレフィンの割
合としては1:8〜20:1の範囲で用いられる。また、
水中での重合を行った後の反応物に対して水性アミノ樹
脂を配合する場合、アミノ樹脂と変性ポリオレフィンの
割合としては1:100 〜10:1の範囲で用いられる。上
記範囲を超えて変性ポリオレフィンに対してアミノ樹脂
の配合量が少ない場合には被膜及び接着層等の耐水性、
耐溶剤性等が低くなりすぎ問題となる。また、多すぎる
場合にはポリオレフィン等の非極性基材に対する付着性
が低下し問題となる。
【0069】本発明の水性ポリオレフィン樹脂組成物を
調製するにあたり塩基性成分を水性化工程中又は水性化
後に添加することができる。塩基性成分を添加するのは
カルボキシル基、スルホン基等の親水性基をイオン化し
て水への分散を良好にするためであり、使用する反応性
界面活性剤及び非反応性界面活性剤が既に塩基で中和さ
れている場合など使用しなくてもよい場合がある。
【0070】更に、本発明に使用されるアクリル系又は
メタクリル系オリゴマー類は、代表的な特徴として分子
内に一定の繰返し単位を持ち、分子内に二重結合を少な
くとも一つ又は二つ以上有する物をいう。また、この中
には当然、マクロマー又はマクロモノマー(以下マクロ
モノマー等と称する)と呼ばれるものが含まれる上記オ
リゴマー類は、分子の末端に二重結合を有する物をさす
が、分子両末端に水酸基又はカルボキシ基等の官能基を
有する物も含まれる。これらアクリル系又はメタクリル
系オリゴマー類は分子量が数百から1万迄の範囲に有
り、用いられるアクリル系又はメタクリル系オリゴマー
類の種類、分子量により得られる共重合体の塗膜物性や
エマルジョンの安定性が異なる。アクリル系又はメタク
リル系モノマー類 100重量部に対してアクリル系又はメ
タクリル系オリゴマー類を固形分比で1〜50重量部の範
囲で使用するのが好ましい。使用量が1重量部より少な
いと変性ポリオレフィン等とアクリル系又はメタクリル
系ポリマーの相溶性が悪く、50重量部より多いとエマル
ジョンの安定性低下や粘度増加による操作性不良を引き
起こす。
【0071】上記のアクリル系又はメタクリル系オリゴ
マー類としては例えば、マクロモノマー等以外にカプロ
ラクトン変性アクリル系又はメタクリル系オリゴマー、
末端水酸基含有(メタ)アクリレートオリゴマー、オリ
ゴエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)ア
クリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。これらの中には水酸基又はカルボキシル基又は酸
無水物基又はアミノ酸等の官能基を含有するものも含ま
れる。
【0072】本発明で用いられるアルキド樹脂は、通常
多塩基酸とポリオールのエステル化反応によって調製さ
れる。アルキド樹脂製造に用いられる多塩基酸としては
アジピン酸、アゼライン酸、クロレジン酸、フマル酸、
イソフタル酸、マレイン酸、フタル酸、コハク酸、テレ
フタル酸、トリメリット酸、セバシン酸等が例示され
る。またそれら多塩基酸を組み合わせたり、多塩基酸に
一塩基酸を組み合わせて用いることができる。一塩基酸
としてはエレオステアリン酸、リノレン酸、リノール
酸、オレイン酸、リシノール酸、安息香酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベラルゴニン酸、ス
テアリン酸、トルイン酸が例示される。さらに、アルキ
ド樹脂製造において用いられるポリオールとしては、α
−メチルグルコシド、ジペンタエリスリトール、グリセ
ロール、グリコール酸、ペンタエリスリトール、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、トリペンタ
エリスリトール、ソルビトール等を例示することができ
る。
【0073】アルキド樹脂はこれらの原料を用い、脂肪
酸法、エステル交換法等公知の方法で製造されるが、さ
らに公知のスチレン化アルキド、アクリル変性アルキ
ド、フェノール変性アルキド、メラミン変性アルキドも
使用される。また、本発明に使用されるアルキド樹脂と
しては公知な物が使用できるが、好ましくは室温付近で
液状であるかなんらかの溶剤の添加によって液状になる
ものが良い。また固形物であってもアクリル系又はメタ
クリル系モノマー類又は変性ポリオレフィンに溶解する
ものであれば良い。アルキド樹脂と変性ポリオレフィン
の割合としては1:8〜20:1の範囲で用いられる。
【0074】本発明において用いられる連鎖移動調製剤
としては、ドデシルメルカプタン、n−ブチルイルカプ
タン、トリフェニルメタン、四臭化n−ブチル、ベンゼ
ン等が例示される。連鎖移動調整剤の使用量は、アクリ
ル系又はメタクリル系モノマー類 100重量部に対して0.
01〜10重量部である。連鎖移動調整剤については上記範
囲をこえて少ない場合にはその効果がなく、多すぎる場
合には不経済である。
【0075】塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、
オクチルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミ
ン、ジエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エ
タノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−
メチルエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノール
アミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−
ジブチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−
メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−
1−プロパノール、モルホリン等を例示することができ
る。使用する塩基の種類によって樹脂の親水性度合も異
なってくるので、条件によって適宜選択する必要があ
る。
【0076】使用する塩基性物質の量はカルボキシル
基、スルホン基等の親水性官能基に対し当量の 0.3〜1.
5 倍の範囲が適当であり、好ましくは 0.5〜1.2 倍であ
る。また塩基性物質の添加においては、配合するブロッ
クイソシアネート化合物の安定性によって調製する水性
樹脂組成物のpHを中性付近にコントロールする必要が
ある。
【0077】更に本発明の水性樹脂組成物は必要に応じ
て乾燥時の水分の蒸発速度を向上させるためアルコール
等の乾燥促進成分を添加して使用される。その他、成膜
助剤、防錆顔料、着色顔料、体質顔料等の顔料類、染
料、チキソ剤、粘度調整剤、流動助剤、表面調整剤、一
次防錆剤、消泡剤、防腐剤、防かび剤、可塑剤、耐熱
性、耐候性向上のための各種安定剤、有機金属配位化合
物等の各種添加剤を必要量加え混合し使用される。
【0078】顔料としては、カーボンブラック、酸化チ
タン、酸化クロム、アルミ粉末、酸化亜鉛、酸化鉄マイ
カ、紺青などの無機顔料及びカップリングアゾ系、縮合
アゾ系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン
系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、フタロシアニン
系等の有機顔料が例示される。
【0079】無機充填剤としては、炭酸カルシウム、シ
リカ、タルク、ガラス繊維、クレー等が挙げられる。
【0080】有機充填剤としてはフッ素系樹脂粉末、シ
リコーン樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ウレタン樹脂
粉末などが例示される。
【0081】有機金属配位化合物としてはジルコニウム
テトラアセチルアセトネート、ジイソプロポキシジルコ
ニウムビスアセトネート等の有機ジルコニウム配位化合
物、チタンテトラキスアセチルアセトネート、ジイソプ
ロポキシチタンビスアセチルアセトネート等の有機チタ
ン配位化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトネー
ト、アルミニウムトリイソプロポキシド等の有機アルミ
ニウム配位化合物等が挙げられる。
【0082】これらの添加剤は本発明の組成物の製造
前、製造途中、及び製造後いずれの場合に添加されても
よい。
【0083】また、他の水性樹脂、例えば水性アクリル
樹脂、水性フェノール樹脂、水性ポリブタジエン樹脂、
水性アルキド樹脂、水性塩化ゴム、水性塩素化ポリオレ
フィン樹脂、水性シリコン樹脂等の水性樹脂をブレンド
しても用いられる。
【0084】このようにして水に分散させた本発明の樹
脂組成物はポリオレフィンに対する密着性に優れてお
り、塗装の際のプライマーとして優れているだけでなく
水性塗料のビヒクル樹脂、水性接着剤、水性インキのバ
インダー樹脂、水性コーティング材料、水性表面処理剤
としても応用される。
【0085】本発明の組成物は各種基材に使用すること
ができる。基材としては、鉄、ブリキ、トタン、アルミ
ニウム、亜鉛鋼板、ガラス、瓦、スレート、セラミック
等の無機物、木材、紙、天然繊維、合成繊維、布、ゴム
(天然ゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ネオ
プレンゴム等)、プラスチック(ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ABS
樹脂、塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポ
リアセタール、ポリエステル、ポリウレタン、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、変性PPOな
ど)等に使用されるが、中でもポリオレフィン系基材に
対して特に有効である。
【0086】本発明においてブロックイソシアネートを
用いた水性樹脂組成物をプライマー成分として用い、二
液ウレタン上塗塗料を上塗りした場合には、被膜の耐水
性、耐ガソリン性が向上するだけでなく層間密着力が向
上する。
【0087】本発明においてエポキシ樹脂を用いた水性
樹脂の場合には、架橋剤、硬化促進剤を選択することに
よって硬化条件をより幅広くとることができる。更に、
耐水性、基材との密着性に優れるだけでなく、耐薬品性
が向上する効果がある。また、金属面に対する密着性も
向上する。
【0088】本発明においてウレタン樹脂を用いた水性
樹脂の場合には、耐水性に優れるだけでなく、耐ガソリ
ン性、耐溶剤性が向上する。
【0089】本発明においてアミノ樹脂を用いた水性樹
脂の場合、基材に対する密着性、接着性を保持しながら
耐水性、耐薬品性が向上するだけでなく、これをプライ
マーとし上塗りにメラミン塗料を使用した際など層間密
着性が優れた塗膜が得られる。
【0090】また上記架橋成分はそれぞれの組み合わせ
によって互いに反応するためそれらを組み合わせて架橋
成分として用いることもできる。
【0091】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。実施
例中にある部は重量部を示す。
【0092】(製造例−1)攪拌機、冷却管、温度計及
び滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中で、プロピ
レン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分75モル
%、エチレン成分20モル%、1−ブテン成分5モル%、
平均分子量25000) 300部をトルエン 700部に加熱溶解さ
せた後、系の温度を 115℃に保って攪拌しながら無水マ
レイン酸50部とラジカル発生剤としてジ−t−ブチルパ
ーオキシド12部をそれぞれ2時間かけて滴下させその後
3時間熟成を行った。反応後室温まで冷却した後反応物
を20Lのアセトン中に投入して精製しグラフト量 7.8重
量%の無水マレイン酸グラフト共重合体(平均分子量18
500)を得た。
【0093】平均分子量の測定においては東ソー製HP
LC−8020にカラムTSK−GELを付け、試料を
THF(テトラヒドロフラン)に溶解し、40℃で測定を
行い、ポリスチレン標準試料で作成した検量線から分子
量を求めた。
【0094】(製造例−2)攪拌機、冷却管、温度計及
び滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中で、プロピ
レン−ブテン−エチレン共重合体(プロピレン成分68モ
ル%、ブテン成分24モル%、エチレン成分8モル%、平
均分子量68000) 300部を加熱溶融させた後、系の温度を
180℃に保って攪拌しながら無水マレイン酸40部とラジ
カル発生剤としてジクミルパーオキシド5部をそれぞれ
3時間かけて滴下させ、その後3時間反応を行った。反
応後室温まで冷却した後反応物を20Lのアセトン中に投
入して精製しグラフト量 6.2重量%の無水マレイン酸グ
ラフト共重合体を得た。GPCにより測定された平均分
子量は 46000であった。
【0095】(製造例−3)平均分子量130000のポリプ
ロピレンを熱分解して得られた平均分子量 32000のポリ
プロピレン 250部、平均分子量 10000の液状ポリオレフ
ィン50部、キシレン700 部を攪拌機、冷却管、温度計及
び滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコに仕込み、 1
50℃に昇温攪拌して均一に加熱溶解した後、反応系を窒
素置換した。窒素気流下で溶融したマレイン酸40部とパ
ーブチルD(ジ−t−ブチルパーオキサイド)6部を3
時間かけて滴下した。更に3時間反応を続けた後キシレ
ンを減圧留去した。得られた酸変性ポリオレフィンは、
平均分子量 27000、マレイン酸付加量 6.3%であった。
【0096】(製造例−4)製造例−1で得られた無水
マレイン酸グラフト共重合体 100部を4つ口フラスコ中
で加熱溶解して20重量%のトルエン溶液とし、ヒドロキ
シメチルアクリレート(和光純薬製)4部を加え、触媒
としてパラトルエンスルホン酸 0.5部を投入した後 100
℃で5時間反応させた。反応精製物を赤外分光光度計で
分析した結果、完全にエステル化していることを確認し
た。引き続き上記反応容器中においてトルエン 100部を
加え温度を 100℃に保ったまま、ベンゾイルパーオキサ
イド(日本油脂製)0.05部を1部のトルエンに溶解した
ものと2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部をそれ
ぞれ2時間かけて滴下させた。トルエンを減圧留去して
得られた共重合体の平均分子量は 42000、グラフト量は
14.2重量%であった。
【0097】(実施例−1)容量2Lの攪拌機付4つ口
フラスコに、2−エチルヘキシルメタクリレート790
部、メタクリル酸10部を仕込み、その混合物へ製造例1
で得られた変性ポリオレフィンを 200部、ベンゾイルパ
ーオキサイド12部、ドデシルメルカプタン12部を加え攪
拌して均一な溶液を得た。この溶液にポリエチレンオキ
サイドノニルフェニルエーテル(NS−230;日本油
脂製、ノニオン性界面活性剤) 150部を加えた脱イオン
水 900部を添加し、ホモジナイザー(特殊機化工業製、
HV−SL)を用いて14000rpm、30分間かけて乳化し
た。次に、脱イオン水 950部を3Lの4つ口フラスコに
仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温した後、乳化物を3
時間かけて一定の速度で添加し、さらに3時間反応させ
た。得られた乳化物を#400のSUS製金網でろ過す
ることによって、固形分30%の乳化物を得た。
【0098】(実施例−2)実施例1と同様の操作、条
件で用いた変性ポリオレフィンを製造例1で得たものか
ら製造例4で得たものへ置き換えて乳化物を得た。固形
分は30%であった。
【0099】(実施例−3)容量2Lの攪拌機付4つ口
フラスコに、n−ブチルアクリレート160 部、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート50部、メチルメタクリレート
90部を仕込み、その混合物へ製造例1で得られた変性ポ
リオレフィンを 300部、ポリエチレンオキサイドノニル
フェニルエーテル(NS−240;日本油脂製、ノニオ
ン性界面活性剤)30部を添加し溶解させた後、ベンゾイ
ルパーオキサイド6部、ドデシルメルカプタン 0.8部を
加え攪拌して均一な溶液を得た。この溶液にクラレポバ
ールPVA−205(クラレ製、分散安定剤)40部、や
し油アミンエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド
付加体(ライオン製)30部を加えた脱イオン水1500部を
添加し、ホモジナイザー(特殊機化工業製、HV−S
L)で乳化した。この乳化物の5分の1を3Lの4つ口
フラスコに仕込み、攪拌しながら室温から50℃まで30分
かけて昇温した後、攪拌しながら30分かけて乳化物の5
分の1を一定の速度で添加し、70℃に昇温した。反応開
始1時間後から温度を70℃に保ち3時間かけて一定速度
で乳化物の5分の3を添加した。その後5時間70℃のま
ま熟成させた。得られた乳化物を#400のSUS製金
網でろ過することによって、固形分32%の乳化物を得
た。
【0100】(実施例−4)容量2Lの攪拌機付4つ口
フラスコに、シクロヘキシルメタクリレート 250部、グ
リシジルメタクリレート40部、メタクリル酸25部、2−
エチルヘキシルメタクリレート 400部を仕込み、その混
合物へ製造例2で得られた変性ポリオレフィン 300部を
添加し溶解させた後、ベンゾイルパーオキサイド3部、
ドデシルメルカプタン 0.8部を加え攪拌して均一な溶液
を得た。この溶液にKELZAN M(三晶製、分散安
定剤)10部、ポリエチレンオキサイドノニルフェニルエ
ーテル(NS−270;日本油脂製、ノニオン性界面活
性剤)20部、やし油アミンエチレンオキサイド・プロピ
レンオキサイド付加体(ライオン製)40部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸10部を加えた脱イオン水1500部を添加
し、ホモジナイザー(特殊機化工業性、HV−SL)で
乳化した。この乳化物の5分の1を3L4つ口フラスコ
に仕込み、攪拌しながら室温から50℃まで30分かけて昇
温した後、攪拌しながら30分かけて乳化物の5分の1を
一定の速度で添加し、70℃に昇温した。反応開始1時間
後から温度を70℃に保ち3時間かけて一定速度で乳化物
の5分の3を添加した。その後5時間70℃のまま熟成さ
せた。得られた乳化物を#400のSUS製金網でろ過
することによって、固形分42%の乳化物を得た。
【0101】(実施例−5)実施例3と同様の操作、条
件で用いた変性ポリオレフィンを製造例2で得たものか
ら製造例3で得たものへ置き換えて乳化物を得た。固形
分は42%であった。
【0102】(実施例−6)容量2Lの攪拌機付4つ口
フラスコに、シクロヘキシルメタクリレート 250部、グ
リシジルメタクリレート40部、メタクリル酸25部、2−
エチルヘキシルメタクリレート 400部、マクロモノマー
AW−6S(東亜合成化学工業製)45部、ブロックイソ
シアネートX−1392(旭化成製)75部を仕込み、系
中に含まれる溶剤を45℃で減圧留去した。その混合物へ
製造例2で得られた変性ポリオレフィン 300部を添加し
溶解させた後、10℃以下に冷却しパークミルND8g、
ドデシルメルカプタン 0.8部を加え攪拌して均一な溶液
を得た。この溶液にクラレポバールPVA−205(ク
ラレ製、分散安定剤)10部、ポリエチレンオキサイドノ
ニルフェニルエーテル(NS−208.5;日本油脂
製、ノニオン性界面活性剤)30部、やし油アミンエチレ
ンオキサイド・プロピレンオキサイド付加体(ライオン
製)35部、ドデシルベンゼンスルホン酸10部を加えた脱
イオン水1500部を添加し冷却しながらホモジナイザー
(特殊機化工業製、HV−SL)で乳化した。この乳化
物の5分の1を3L4つ口フラスコに仕込み、攪拌しな
がら室温から40℃まで60分かけて昇温した後、40℃で攪
拌しながら5時間かけて乳化物の5分の4を一定の速度
で添加した。その後12時間40℃のまま熟成させた。得ら
れた乳化物を#400のSUS製金網でろ過することに
よって、固形分45%の乳化物を得た。
【0103】(実施例−7)容量2Lの攪拌機付4つ口
フラスコに、シクロヘキシルメタクリレート 250部、グ
リシジルメタクリレート25部、メタクリル酸35部、2−
エチルヘキシルメタクリレート 300部、液状エポキシ樹
脂エピコート828(油化シェル製) 100部を仕込み、
系中含まれる溶剤を45℃で減圧留去した。その混合物へ
製造例2で得られた変性ポリオレフィン 300部を添加し
溶解させた後、10℃以下に冷却しパークミルND8g、
ドデシルメルカプタン 0.8部を加え攪拌して均一な溶液
を得た。この溶液にクラレポバールPVA−205(ク
ラレ製、分散安定剤)15部、ポリエチレンオキサイドノ
ニルフェニルエーテル(NS−208.5;日本油脂
製、ノニオン性界面活性剤)30部、やし油アミンエチレ
ンオキサイド・プロピレンオキサイド付加体(ライオン
製)35部、ドデシルベンゼンスルホン酸20部を加えた脱
イオン水1500部を添加し、冷却しながらホモジナイザー
(特殊機化工業製、HV−SL)で乳化した。この乳化
物を実施例5と同様な方法で重合反応を行い得られた乳
化物を#400のSUS製金網でろ過することによっ
て、固形分42%の乳化物を得た。
【0104】(実施例−8)容量2Lの攪拌機付4つ口
フラスコに、シクロヘキシルメタクリレート 250部、グ
リシジルメタクリレート40部、メタクリル酸25部、2−
エチルヘキシルメタクリレート 400部、マクロモノマー
AW−6S(東亜合成化学工業製)45部、スーパーフレ
ックス126(第一工業製薬製)75部を仕込み、系中に
含まれる溶剤を45℃で減圧留去した。その混合物へ製造
例1で得られた変性ポリオレフィン300 部を添加し溶解
させた後、15℃以下に冷却しパークミルND8g、ドデ
シルメルカプタン 0.8部を加え攪拌して均一な溶液を得
た。この溶液にクラレポバールPVA−205(クラレ
製、分散安定剤)10部、ポリエチレンオキサイドノニル
フェニルエーテル(NS−208.5;日本油脂製、ノ
ニオン性界面活性剤)30部、やし油アミンエチレンオキ
サイド・プロピレンオキサイド付加体(ライオン製)35
部、ドデシルベンゼンスルホン酸15部を加えた脱イオン
水1500部を添加し、冷却しながらナノマイザー(特殊機
化工業製)で乳化した。この乳化物を実施例6と同様な
方法で重合反応を行い得られた乳化物を#400のSU
S製金網でろ過することによって、固形分45%の乳化物
を得た。
【0105】(実施例−9)容量2Lの攪拌機付4つ口
フラスコに、シクロヘキシルメタクリレート 250部、グ
リシジルメタクリレート25部、メタクリル酸35部、2−
エチルヘキシルメタクリレート 300部、その混合物へ製
造例1で得られた変性ポリオレフィン 300部を添加し溶
解させた後、フタルキッドV904(アルキド樹脂、日
立化成製)180 部を仕込み、系中に含まれる溶剤を45℃
で減圧留去した。この混合物を15℃以下に冷却しパーク
ミルND8g、ドデシルメルカプタン 0.8部を加え攪拌
して均一な溶液を得た。この溶液にクラレポバールPV
A−205(クラレ製、分散安定剤)15部、ポリエチレ
ンオキサイドノニルフェニルエーテル(NS−208.
5;日本油脂製、ノニオン性界面活性剤)30部、アクア
ロンHS−10(第一工業製薬製、反応性界面活性剤)
20部、ドデシルベンゼンスルホン酸20部を加えた脱イオ
ン水1500部を添加し、冷却しながらホモジナイザー(特
殊機化工業製、HV−SL)で乳化した。この乳化物を
実施例5と同様な方法で重合反応を行い得られた乳化物
を#400のSUS製金網でろ過することによって乳化
物を得た。固形分は44%であった。
【0106】(実施例−10)容量2Lの攪拌機付4つ口
フラスコに、シクロヘキシルメタクリレート 150部、グ
リシジルメタクリレート25部、メタクリル酸85部、2−
エチルヘキシルメタクリレート 250部、その混合物へ製
造例1で得られた変性ポリオレフィン 300部を添加し溶
解させた後、スーパーベッカミンL−127−60(メ
ラタミン樹脂、大日本インキ化学製) 150部を仕込み、
系中に含まれる溶剤を45℃で減圧留去した。この混合物
を15℃以下に冷却しパークミルND8g、ドデシルメル
カプタン 0.8部を加え攪拌して均一な溶液を得た。この
溶液にクラレポバールPVA−205(クラレ製、分散
安定剤)15部、ポリエチレンオキサイドノニルフェニル
エーテル(NS−208.5;日本油脂製、ノニオン性
界面活性剤)30部、アクアロンHS−10(第一工業製
薬製、反応性界面活性剤)20部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸20部を加えた脱イオン水1500部を添加し、冷却し
ながらホモジナイザー(特殊機化工業製、HV−SL)
で乳化した。実施例6と同様の操作により乳化物を得
た。固形分は41%であった。
【0107】(実施例−11〜20)実施例3〜10で得られ
た乳化物に表1に示す処方にしたがって水性樹脂成分を
配合して組成物を得た。ただし、表1における部数とは
固形分重量部である。
【0108】
【表1】
【0109】(比較例−1)塩素化ポリプロピレン樹脂
スーパークロン803MW(日本製紙株式会社製、塩
素含有率29.5%、固形分wt%20%トルエン溶液) 500g
を90℃に加熱しモルホリン 9.6gを添加後、ポリエチレ
ンオキサイドノニルフェニルエーテル(日本油脂製、N
S−212)15gを添加した。トルエンを減圧留去した
後、 100℃で攪拌しながら水を徐々に添加して転相乳化
法によって水性樹脂組成物(固形分40%)を得た。
【0110】(比較例−2)マレイン酸変性塩素化ポリ
プロピレン(平均分子量 60000、マレイン酸グラフト量
2.3%、塩素含有率24.5%、固形分wt%20%トルエン溶
液) 500gを90℃に加熱しモルホリン 9.6gを添加後、
ポリエチレンオキサイドノニルフェニルエーテル(日本
油脂製、NS−212)15gを添加した。トルエンを減
圧留去した後、 100℃で攪拌しながら水を徐々に添加し
て転相乳化法によって水性樹脂組成物(固形分40%)を
得た。
【0111】(比較例−3)実施例3におけるマレイン
酸変性ポリオレフィン樹脂をマレイン酸変性塩素化ポリ
プロピレン(平均分子量 60000、マレイン酸グラフト量
2.3%、塩素含有率24.5%、固形分 100%) 300部に置
き換え実施例3と同じ操作で乳化物(固形分32%)を得
た。
【0112】[塗膜試験] <供試体作成方法> 二液ウレタン上塗り塗装PP板;(供試体Aと略す) 実施例1〜8、11〜13、17、比較例1〜3で調製した水
性樹脂組成物をポリプロピレン板にスプレー塗布し、80
℃で15〜20分乾燥を行った。膜厚は10〜15μに調整し
た。次に、二液型ウレタン系上塗り塗料を塗装し、10分
間室温に放置した後、熱風乾燥器を用いて 100℃で40分
焼き付けを行った。得られた塗装板を室温で1週間保存
した後、塗膜の試験を行った。
【0113】一液メラミン上塗り塗装PP板;(供試体
Bと略す) 実施例1〜6、9、10、19、20、比較例1〜3で調製し
た水性樹脂組成物をポリプロピレン板にスプレー塗布
し、80℃で15〜20分乾燥を行った。膜厚は10〜15μに調
整した。次に、一液型メラミン系上塗り塗料を塗装し、
10分間室温に放置した後、熱風乾燥機を用いて 120℃で
40分焼き付けを行った。得られた塗装板を室温で1週間
保存した後、塗膜の試験行った。
【0114】二液ウレタン上塗り塗装軟鋼板;(供試体
Cと略す) 実施例7、14〜16、18、比較例1〜3で調製した水性樹
脂組成物をトルエン洗浄した軟鋼板にスプレー塗布し、
80℃で15〜20分乾燥を行った。膜厚は10〜15μに調整し
た。次に、二液型ウレタン系上塗り塗料を塗装し、10分
間室温に放置した後、熱風乾燥機を用いて 100℃で40分
焼き付けを行った。得られた塗装板を室温で1週間保存
した後、塗膜の試験を行った。
【0115】一液メラミン上塗り塗装軟鋼板;(供試体
Dと略す) 実施例9、10、19、20、比較例1〜3で調製した水性樹
脂組成物をトルエン洗浄した軟鋼板にスプレー塗布し、
80℃で15〜20分乾燥を行った。膜厚は10〜15μに調整し
た。次に、一液型メラミン系上塗り塗料を塗装し、10分
間室温に放置した後、熱風乾燥機を用いて 120℃で40分
焼き付けを行った。得られた塗装板を室温で1週間保存
した後、塗膜の試験を行った。
【0116】樹脂塗装ガラス板;(供試体Eと略す) 実施例1〜20、比較例1〜3で調製した水性樹脂組成物
を濃度30%に水希釈し、#16のコーティングロッドを
用いてガラス板に塗布した。樹脂を塗布したガラス板を
80℃で20分乾燥後、 120℃で40分焼き付けを行った。得
られた塗装板を室温で1週間保存した後、塗膜の試験を
行った。
【0117】<塗膜試験方法> (密着性試験)塗膜表面にカッターで素地に達する切れ
目を入れて1ミリ間隔で 100個のゴバン目を作り、その
上にセロファン粘着テープを密着させて 180°方向に5
回引き剥し、残存するゴバン目の数を数えた。
【0118】(耐ガソリン性試験)塗膜表面にカッター
で素地に達する切れ目を入れ、ガソリン(日石、無鉛ハ
イオクタンガソリン)に4時間浸漬後塗膜の状態を目視
にて観察した。
【0119】(耐湿性試験)密閉した容器中で塗装板の
下部5分の1を水に浸漬し50℃で5日間処理した後、ブ
リスター量、剥がれの程度を比較した。
【0120】(耐温水性試験)40℃の温水に塗装板を 2
40時間浸漬しブリスターの発生状況等塗膜の状態を調べ
た後、基材に達する切れ目を入れ、その上にセロファン
粘着テープを密着させて 180°方向に5回引き剥し、残
存する塗膜の量を比較した。
【0121】(耐屈曲性試験)塗装板を1φインチマン
ドレルで 180度折り曲げ、塗膜の状態を調べた。
【0122】(貯蔵安定性試験)容量 250mlのガラス容
器に調製した水性樹脂組成物試料(固形分25%)を入
れ、室温にてエマルジョン相からの水相の分離度合、樹
脂凝集物の生成度の経時変化を比較した。
【0123】(耐候性試験)ガラス板上に膜厚30μの被
膜を形成させQ−U−V促進耐候試験機(Q−PANE
L社製)を用いて耐候性を比較した(処理条件;光源、
UVB313、40ワット、温度36℃、処理時間 400時
間)。処理後のガラス板をハンター試験機を用いて被膜
の黄変度を評価した。
【0124】(表面性試験)供試体A、Bについて上塗
り塗装焼き付け後の塗装面に関して、表面の平滑性、ひ
け、柚肌等目視によって評価を行った。
【0125】(燃焼試験)供試体Eで調製した、ガラス
板上に形成させた被膜を1gかきとり、シェニガーフラ
スコ中酸素雰囲気下で各供試体から得られた被膜成分を
燃焼させた。燃焼によって試料から発生した塩酸を純水
に吸収させ、滴定によって発生した塩酸量を定量した。
【0126】表2に貯蔵安定性試験及び供試体Eを用い
た耐候性試験の結果及び燃焼試験の結果を示した。ま
た、表3に各供試体を用いて行った密着性試験、耐ガソ
リン性試験、耐湿性試験、耐温水性試験、耐屈曲性試験
の結果を示した。また、表4に各供試体を用いて行った
密着性試験、耐アルカリ性試験、耐酸性試験、耐温水性
試験の結果を示した。
【0127】
【表2】 燃焼試験に於いては被膜1gあたりの発生塩酸量を示し
た。
【0128】
【表3】
【0129】
【表4】
【0130】
【発明の効果】本発明の水性樹脂組成物はポリオレフィ
ンに対する優れた密着性を示すだけでなく、その他の有
機基材、無機基材に対しても付着性を有する。また、こ
れによって形成された被膜は耐湿性、耐水性等に優れる
ほか、塩素を含有しないためこれを含むものを用いて塗
装、接着、印刷、表面処理、シーリング等を行った製品
の焼却廃棄、リサイクルにおいて装置を腐食させること
も少ない。更に、有機溶剤をほとんど含まないため、安
全衛生、環境汚染の面で優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/29 C08K 5/29 C08L 51/06 C08L 51/06 61/20 61/20 63/00 63/00 67/08 67/08 75/04 75/04 C09D 151/00 C09D 151/00 C09J 151/00 C09J 151/00 C09K 3/10 C09K 3/10 E //(C08F 255/02 220:02) (C08F 285/00 220:02) (56)参考文献 特開 昭57−18716(JP,A) 特開 昭53−12980(JP,A) 特開 平4−72337(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 251/00 - 289/00,291/00 - 291 /08 C08F 2/00 - 2/60 C08F 8/00 - 8/50

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン、ポリエチレン、又はプ
    ロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体あるい
    はそれ等を熱又は酸化剤又はラジカル発生剤等で減成し
    たものとラジカル重合性二重結合を持つところの酸無水
    物、カルボン酸又はアルコールの1種又は2種以上の
    0.1〜20重量%を共重合させることによって変性された
    重量平均分子量1000〜100000の変性ポリオレフィン80〜
    10重量部と、アクリル系又はメタクリル系モノマー類の
    1種又は2種以上の混合物の20〜90重量部を混合又は溶
    解し、界面活性剤及び重合開始剤存在下で、水中重合し
    てなることを特徴とする水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン、ポリエチレン、又はプ
    ロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体あるい
    はそれ等を熱又は酸化剤又はラジカル発生剤等で減成し
    たものとラジカル重合性二重結合を持つところの酸無水
    物、カルボン酸又はアルコールの1種又は2種以上の
    0.1〜20重量%を共重合させることによって変性された
    重量平均分子量1000〜100000の変性ポリオレフィン80〜
    10重量部と、ブロックイソシアネート、エポキシ樹脂、
    ウレタン樹脂、アミノ樹脂、又はアルキド樹脂のいずれ
    か1種類の10〜 200重量部とアクリル系又はメタクリル
    系モノマー類の1種又は2種以上の混合物の20〜90重量
    部を混合又は溶解し、界面活性剤及び重合開始剤存在下
    で、水中重合してなることを特徴とする水性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 アクリル系又はメタクリル系モノマー類
    100重量部に対して、アクリル系又はメタクリル系オリ
    ゴマーを固形分比で1〜50重量部添加してなる請求項1
    又は2に記載の水性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル系又はメタクリル系モノマー類
    100重量部に対して、0.01〜10重量部の連鎖移動調節剤
    を添加してなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の水性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 界面活性剤としてポリアルキレンオキサ
    イド構造を持ち重量平均分子量 200〜5000の界面活性剤
    を水性化原料樹脂 100重量部に対し 0.1〜50重量部の割
    合で界面活性剤成分の一成分として含むことを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水性樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 水性ポリオレフィン樹脂組成物に対し、
    水性ブロックイソシアネート、水性エポキシ樹脂、水性
    ウレタン樹脂、水性アミノ樹脂のいずれか1種を固形分
    比で 100:1〜1:10の割合で配合してなる請求項1な
    いし5のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ポリプロピレン、ポリエチレン、又はプ
    ロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体あるい
    はそれ等を熱又は酸化剤又はラジカル発生剤等で減成し
    たものとラジカル重合性二重結合を持つところの酸無水
    物、カルボン酸又はアルコールの1種又は2種以上の
    0.1〜20重量%を共重合させることによって変性された
    重量平均分子量1000〜100000の変性ポリオレフィン80〜
    10重量部と、アクリル系又はメタクリル系モノマー類の
    1種又は2種以上の混合物の20〜90重量部を混合又は溶
    解し、界面活性剤及び重合開始剤存在下で、水中重合す
    ることを特徴とする水性樹脂組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリプロピレン、ポリエチレン、又はプ
    ロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体あるい
    はそれ等を熱又は酸化剤又はラジカル発生剤等で減成し
    たものとラジカル重合性二重結合を持つところの酸無水
    物、カルボン酸又はアルコールの1種又は2種以上の
    0.1〜20重量%を共重合させることによって変性された
    重量平均分子量1000〜100000の変性ポリオレフィン80〜
    10重量部と、ブロックイソシアネート、エポキシ樹脂、
    ウレタン樹脂、アミノ樹脂、又はアルキド樹脂のいずれ
    か1種の10〜 200重量部とアクリル系又はメタクリル系
    モノマー類の1種又は2種以上の混合物20〜90重量部を
    混合又は溶解し、界面活性剤及び重合開始剤存在下で、
    水中重合することを特徴とする水性樹脂組成物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 ポリプロピレン、ポリエチレン、又はプ
    ロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体あるい
    はそれ等を熱又は酸化剤又はラジカル発生剤等で減成し
    たものとラジカル重合性二重結合を持つところの酸無水
    物、カルボン酸又はアルコールの1種又は2種以上の
    0.1〜20重量%を共重合させることによって変性された
    重量平均分子量1000〜100000の変性ポリオレフィン80〜
    10重量部と、アクリル系又はメタクリル系モノマー類の
    1種又は2種以上の混合物20〜90重量部を混合又は溶解
    し、界面活性剤及び重合開始剤存在下で、水中重合して
    得られた水性ポリオレフィン樹脂組成物に対し、水性ブ
    ロックイソシアネート、水性エポキシ樹脂、水性ウレタ
    ン樹脂、又は水性アミノ樹脂のいずれか1種を固形分比
    で 100:1〜1:10の割合で配合することを特徴とする
    水性樹脂組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 ポリプロピレン、ポリエチレン、又は
    プロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体ある
    いはそれ等を熱又は酸化剤又はラジカル発生剤等で減成
    したものとラジカル重合性二重結合を持つところの酸無
    水物、カルボン酸又はアルコールの1種又は2種以上の
    0.1〜20重量%を共重合させることによって変性された
    重量平均分子量1000〜100000の変性ポリオレフィン80〜
    10重量部と、ブロックイソシアネート、エポキシ樹脂、
    ウレタン樹脂、アミノ樹脂、又はアルキド樹脂のいずれ
    か1種類の10〜200 重量部とアクリル系又はメタクリル
    系モノマー類の1種又は2種以上の混合物20〜90重量部
    を混合又は溶解し、界面活性剤及び重合開始剤存在下
    で、水中重合して得られた水性ポリオレフィン樹脂組成
    物に対し、水性ブロックイソシアネート、水性エポキシ
    樹脂、水性ウレタン樹脂、又は水性アミノ樹脂のいずれ
    か1種類を固形分比で 100:1〜1:10の割合で配合す
    ることを特徴とする水性樹脂組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3、4、5、6のいず
    れか1項に記載の水性樹脂組成物を含有することを特徴
    とする被膜形成物。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5、6のいず
    れか1項に記載の水性樹脂組成物を含有することを特徴
    とするシーリング剤。
  13. 【請求項13】 請求項1、2、3、4、5、6のいず
    れか1項に記載の水性樹脂組成物を含有することを特徴
    とする接着剤。
  14. 【請求項14】 請求項1、2、3、4、5、6のいず
    れか1項に記載の水性樹脂組成物を含有することを特徴
    とする表面処理剤。
  15. 【請求項15】 請求項1、2、3、4、5、6のいず
    れか1項に記載の水性樹脂組成物に対して水性アクリル
    樹脂、水性フェノール樹脂、水性ポリブタジエン樹脂、
    水性アルキド樹脂、水性塩化ゴム樹脂、水性塩素化ポリ
    オレフィン樹脂又は水性シリコン樹脂のいずれかを配合
    することを特徴とする被膜形成材料の改質剤。
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