JP3820604B2 - 木材塗装用水性塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規にして有用なる水溶性または水分散性活性エネルギー線硬化型樹脂(以下、水性活性エネルギー線硬化型樹脂と略する。)を含有し、クリヤー塗料または着色塗料に適した木材塗装用水性塗料組成物に関する。さらに詳細には、本発明の木材塗装用水性塗料組成物は、家具、住器、フロアー等の木工・建材用途に適した、電子線や紫外線などの、いわゆる活性エネルギー線により硬化可能なクリヤーまたは着色水性塗料組成物である。
【0002】
【従来の技術】
環境汚染の低減や作業環境の改良を目的に、建築用、自動車用など各塗料分野において、水性化要求は強く、一部の分野において熱硬化型水性塗料の実用化が進んでいる。しかし、木工・建材分野においては、基材の特性上加熱することが困難であることから、熱硬化型水性塗料を応用することが不可能に近い。このため、高温加熱を必要とせず、省エネルギーであることから、水性化された活性エネルギー線硬化型塗料は、非常に有効であると考えられている。
【0003】
しかし、塗装対象が寒暖、乾湿等によって変形がある天然素材であるため、塗装の際に或いは塗装後の塗膜がこのような被塗装材の変化に追従できること、さらに塗膜硬度、耐擦傷性、耐水性、耐クラック性に優れる等の諸性能が要求されることから、従来使用されていた溶剤系塗料に匹敵する物性・塗装適性を有する木材塗装用の活性エネルギー線硬化型水性塗料は、未だ見い出されていない。特に、近年一般住宅においても床材をフローリング加工するなど、木工・建材分野における拡大はめざましいものがある。このためフロアー用途では、塗膜の耐擦傷性、耐水性、耐クラック性等に対しより高いレベルが要求されるが、この高い要求をも満たす活性エネルギー線硬化型水性塗料がないのが現状である。
【0004】
一方、着色塗料についても同様に水性化要求は強く、一部では水性着色塗料が実用化されている。しかし、従来の水性着色塗料では水による再溶解性が困難な熱硬化型の樹脂を使用している為、塗装作業中に着色剤が硬化し、目詰り性、ワイピング性(拭き取り性)等の作業性の低下、及び塗装機器の洗浄性の悪化が発生しがちである。また、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を使用した場合は、この点では良好であるが、耐水性、耐クラック性、基材及び上層塗膜との密着性等、造膜時の諸性能に問題が有り、有用とは言い難い。つまり、塗装適性等の作業性に優れかつ造膜時の諸性能が良好な水性着色塗料は、非常に有効であると考えられるが、ほとんど見い出されていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、前述したような状況に鑑み、塗装後の塗膜に前記したような諸物性を必要とする木材に対して適用可能であって、しかも、従来の溶剤系塗料に匹敵する塗装適性を有する水性活性エネルギー線硬化型塗料について鋭意検討していたが、木材塗装用塗料に使用する水性活性エネルギー線硬化型樹脂として、分子末端のラジカル重合性不飽和基と、分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基および三級アミンによって塩形成した陰イオン性親水基とを併せ有する水溶性または水分散性活性エネルギー線硬化型ポリウレタン樹脂を含有する水性塗料を使用したとき、活性エネルギー線によって得られた硬化塗膜が木材塗装に好適な塗膜であり、しかも該塗膜が格段に優れた耐水性と硬化性を有すること、一方木材塗装用着色塗料においては、該ポリウレタン樹脂を使用したとき、活性エネルギー線によって得られた硬化塗膜が優れた密着性と耐水性を有すること、しかも塗装時・塗装後において、ワイピング性、洗浄性等の作業性が従来の水性着色塗料と比較して格段に向上することを見い出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、分子末端のラジカル重合性不飽和基と、分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基および三級アミンによって塩形成した陰イオン性親水基とを併せ有する水溶性または水分散性活性エネルギー線硬化型ポリウレタン樹脂(A)を水性媒体中に水溶化または水分散化することを特徴とする木材塗装用水性塗料組成物に関する。
【0007】
更に、本発明は、該ポリウレタン樹脂(A)と共に、分子中にラジカル重合性不飽和基を含有しない水溶性または水分散性のポリウレタン樹脂(B)および/または、無機色材または有機色材(C)を水性媒体中に水溶化または水分散化したものであることを特徴とする木材塗装用水性塗料組成物に関する。
【0008】
前記した水溶性または水分散性活性エネルギー硬化型ポリウレタン樹脂の製造方法としては、分子末端のラジカル重合性不飽和基と、分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基および三級アミンによって塩形成した陰イオン性親水基とを併せ有する水性ポリウレタン樹脂を得る方法であれば何れの方法でもよく、例えばイソシアネート基、水酸基、エポキシ基及びアジリジニル基の群より選ばれる一種の官能基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ有する化合物(1)と、該官能基と反応し得る官能基を有し且つポリマー中にラジカル重合性不飽和基、陰イオン性親水基及びウレタン結合を有するポリマー(2)とを反応させ、ついで該ポリマー中にある陰イオン性親水基を三級アミンで中和して塩を形成させる方法がある。
【0009】
イソシアネート基、水酸基、エポキシ基及びアジリジニル基の群より選ばれる一種の官能基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ有する化合物(1)(以下、「化合物1」という)としては、具体的にイソシアネートエチルメタアクリレートもしくはアクリレート(以下、(メタ)アクリレートと略記する。);2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリルセロソルブ、N−メチロールアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド変性フタル酸モノメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレート、グリセロール(メタ)アクリレートアルキレート、グリセロール(メタ)アクリレートアルケニレート、ビス(アクリロキシエチル)モノヒドロキシエチルイソシアヌレートの如きモノヒドロキシ不飽和化合物類;メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、バーサチック酸10のグリシジルエステル(シェル化学製カージュラE10)などのモノエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加物によるモノヒドロキシ不飽和化合物類;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのエポキシモノマーを(メタ)アクリル酸を開始種として開環重合させて得たポリオキシエチレングリコール(n=2〜9)モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレングリコール(n=5〜12)モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコール(n=7)ポリオキシプロピレングリコール(m=3)モノメタアクリレート、ポリオキシエチレングリコール(n=10)ポリオキシテトラメチレングリコール(m=5)モノメタアクリレート、ポリオキシプロピレングリコール(n=15〜18)ポリオキシテトラメチレングリコール(m=5〜8)モノメタアクリレート等の如きモノヒドロキシ不飽和化合物類;前記モノヒドロキシ化合物を開始種としてε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等のラクトンモノマーを開環重合させることによって得たモノヒドロキシ不飽和化合物類が挙げられる。また商品としては、ダイセル化学工業製のプラクセルFMシリーズ(ラクトン変性ヒドロキシエチルメタアクリレート)、及びプラクセルFAシリーズ(ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート);前記モノヒドロキシ不飽和化合物類と、後述の多価イソシアネートとを1分子中に1個のイソシアネート基が残存するように反応せしめたモノイソシアネート不飽和化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル;2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。イソシアネート基、水酸基、エポキシ基またはアジリジニル基を有する前記の不飽和化合物の個々の群毎に単独または2種以上を併用しても差し支えない。
【0010】
また、前記した化合物1が有する官能基(イソシアネート基、水酸基、エポキシ基およびアジリジニル基の群より選ばれる一種の官能基)と反応し得る官能基を有し、且つまたラジカル重合性不飽和基、陰イオン性親水基及びウレタン結合をも有するポリマー(2)としては、分子中に以下のような置換基を有するポリウレタン樹脂が挙げられる。即ち、イソシアネート基と反応し得る官能基として水酸基;水酸基と反応し得る官能基としてイソシアネート基;エポキシ基と反応し得る官能基としてカルボキシル基;アジリジニル基と反応し得る官能基としてカルボキシル基;等で例示される水酸基、イソシアネート基もしくはカルボキシル基等の各官能基のほか陰イオン性親水基とラジカル重合性不飽和基を有するポリウレタン樹脂等である。
【0011】
水酸基と陰イオン性親水基とラジカル重合性不飽和基とを有するポリウレタン樹脂としては任意の方法によって製造することができるが、例えばラジカル重合性不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物と陰イオン性親水基含有ポリヒドロキシ化合物とその他のポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物とを前記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート当量に対し、前記ポリヒドロキシ化合物の水酸基当量が過剰となるように反応させて得ることができる。
【0012】
またイソシアネート基と陰イオン性親水基とラジカル重合性不飽和基とを有するポリウレタン樹脂としては任意の方法によって製造することができるが、例えば前記の水酸基と陰イオン性親水基とラジカル重合性不飽和基を有するポリウレタン樹脂の製造の際に用いた時と同様の原料を用い、前記ポリヒドロキシ化合物の水酸基当量に対し前記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート当量が過剰となるように反応させて得ることができる。
【0013】
一方、カルボキシル基と陰イオン性親水基とラジカル重合性不飽和基とを有するポリウレタン樹脂としては任意の方法によって製造することができるが、例えば前記の水酸基と陰イオン性親水基とラジカル重合性不飽和基とを有するポリウレタン樹脂の水酸基に無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸等の酸無水物を付加させることにより調製することができる。
【0014】
前記したラジカル重合性不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物は、ポリウレタン樹脂の分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基を導入するために使用されるもので、1分子中に1個以上のラジカル重合性不飽和基と2個以上の水酸基を併せ有する化合物であり、例えば、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレート、グリセロールモノアリレート等の化合物が挙げられる。またラジカル重合性不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物は、ジエタノールアミンや2−ヒドロキシメチルアミノエタノールの如き分子中に1個の2級アミノ基と2個の水酸基を有する化合物の2級アミノ基に、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの1:1モル付加化合物の如き分子中にイソシアネート基とラジカル重合性不飽和基を併せ有する化合物のイソシアネート基を反応させることによっても得ることができる。また、エチレングリコールジグリシジルエーテルのジアクリル酸エステル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルのジアクリル酸エステル、エチレングリコールジグリシジルエーテルのジメタアクリル酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリル酸エステル、プロピレングリコールジグリシジルエーテルのジアクリル酸エステル等の化合物もラジカル重合性不飽和基と水酸基がそれぞれ2官能性であり、使用可能である。以上列挙したこれらのラジカル重合性不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物は、単独あるいは2種以上の併用でもよい。
【0015】
また前記の陰イオン性親水基含有ポリヒドロキシ化合物は、ポリウレタン樹脂に陰イオン性親水基を導入するために使用されるもので、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、あるいは、トリオール化合物と酸無水物化合物の反応によって得られる半エステル化合物等のカルボキシル基含有ポリヒドロキシ化合物;ジメチルスルフォイソフタル酸ナトリウムとグリコール類をグリコール類過剰の条件下でエステル交換反応させることによって得られるスルフォネートジオール化合物等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上併用してもよい。
【0016】
更にラジカル重合性不飽和基や陰イオン性親水基を含まないその他のポリヒドロキシ化合物としては、一般のポリウレタン樹脂の製造に使用される公知のポリヒドロキシ化合物が挙げられる。例えば、エチレングリコール、1,2または1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールなどがある。これらは単独あるいは2種以上の併用でもよい。
【0017】
本発明において使用されるポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナトメチル、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらを単独あるいは2種以上併用してもよい。
【0018】
本発明におけるラジカル重合性不飽和基および陰イオン性親水基を含有するポリウレタン樹脂の製造の代表例としては、一般のポリウレタン樹脂と同様の公知の方法による製造例が挙げられる。すなわち、ラジカル重合性不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物、陰イオン性親水基含有ポリヒドロキシ化合物、これらラジカル重合性不飽和基や陰イオン性親水基を含まないその他のポリヒドロキシ化合物からなるポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを反応させて分子主鎖にラジカル重合性不飽和基および陰イオン性親水基を有するイソシアネート基末端ポリウレタン中間体を得た後、前記した化合物1の説明の際に記載したモノヒドロキシ不飽和化合物類を反応させて得る方法である。この際、反応系の温度は通常50〜150℃であるが、ラジカル重合性不飽和基の重合を防ぐため100℃以下が好ましく、必要に応じて重合禁止剤、ウレタン化反応触媒を使用するとよい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノ−t−ブチルエーテル、フェノチアジン等があり、また、ウレタン化反応触媒としては、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート等の有機錫化合物がある。
【0019】
ポリウレタン樹脂の製造には必要に応じて有機溶剤を利用できる。これら有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0020】
本発明のポリウレタン樹脂は必要に応じて鎖伸長をおこなう。すなわち、ラジカル重合性不飽和基および陰イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂の製造に際し、遊離イソシアネート基を残存させておき、三級アミンで塩形成して水溶化または水分散化を可能にする際に同時に鎖伸長をおこなう。鎖伸長剤としては、水、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等がある。三級アミンとしては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジエチルプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン等が挙げられる。これらの三級アミンは目的とする硬化物の特性に応じて、単独の使用でも2種以上の併用でもよい。
【0021】
尚、陰イオン性親水基含有ポリヒドロキシ化合物の少なくとも一部としてカルボキシル基含有ポリヒドロキシ化合物を用い、更にその他のポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得た水酸基末端ポリウレタン中間体に前記の酸無水物を付加させ、次いで前記した化合物1の説明の際に記載したエポキシ基またはアジリジニル基を有する不飽和化合物を適量付加させた後、三級アミンによって塩を形成する方法によっても、本発明の水性活性エネルギー線硬化型樹脂(A)を合成することができる。
【0022】
分子末端のラジカル重合性不飽和基と、分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基および三級アミンによって塩形成した陰イオン性親水基とを併せ有するポリウレタン樹脂の数平均分子量は、1000〜20000とすることが好ましく、より望ましくは2000〜10000である。
【0023】
また木材に塗装した塗膜物性が極めて良好で、かつそのバランスもより優れたものとするには、使用するポリウレタン樹脂において、分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基の数が該樹脂の数平均分子量1000あたり0.1ないし1.2個の範囲にあり、且つ前記ラジカル重合性不飽和基と分子末端のラジカル重合性不飽和基との合計数が該樹脂の数平均分子量1000当たり0.6ないし6個の範囲にあるものを用いることが有効である。分子末端のラジカル重合性不飽和基と分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基との合計数が前記必要範囲内の値であったとしても、分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基の数が該樹脂の数平均分子量1000当たり0.1個未満のときは木材塗装用水性塗料の硬化塗膜の架橋密度が充分に高くならず、塗膜の耐水性、耐溶剤性、硬度等の実用的性能が十分となり難い。一方、分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基の数が該樹脂の数平均分子量1000あたり1.2個を越えるときには、硬化塗膜の架橋密度が高まって硬化塗膜が脆くなりやすい。また分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基の数が前記必要範囲内の値であっても、分子末端のラジカル重合性不飽和基と分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基との合計が該樹脂の数平均分子量1000あたり0.6個未満のときは、木材塗装用水性塗料の活性エネルギー線照射による硬化性が不十分となり、望ましい塗料塗膜物性が得られ難い。また前記合計値が該樹脂の数平均分子量1000当たり6個を越えるときには硬化塗膜が脆くなりやすい。
【0024】
本発明の必須成分である水性活性エネルギー線硬化型樹脂においては、上記の如くポリウレタン樹脂合成の際に有機溶剤を使用した場合は、第三級アミンによって塩形成し水性化した後、通常、必要量を除去する。また、樹脂濃度は、希釈する水の量により各用途分野に適した値となるように調節する。
【0025】
また、かくして得られた本発明の水性活性エネルギー線硬化型樹脂の陰イオン性親水基の濃度は、陰イオン性親水基1グラム当量あたり、該樹脂の重量が250〜5000グラムの範囲にあることが好ましい。陰イオン性親水基の濃度がこの範囲を越えると、該樹脂の水分散性が悪化して安定な水分散液が得られ難いし、一方、陰イオン性親水基の濃度がこの範囲未満であると、充分な耐水性が得られ難い。
【0026】
本発明の木材塗装用水性塗料は本発明の水性活性エネルギー線硬化型樹脂(A)と水とにより構成されるが、必要により本発明の目的を逸脱しない範囲、とりわけ、水溶性また水分散性、保存安定性、硬化性ならびに耐水性、耐溶剤性及び耐薬品性など諸性質を保持し得る範囲内で、光重合開始剤、ラジカル重合性不飽和基を含有しない水性樹脂、前記(A)樹脂以外の末端(メタ)アクリロイル基含有化合物、有機溶剤、無機または有機色料、体質顔料、各種ビーズ類、各種添加剤等より1種または2種以上を任意に選んで使用することができる。
【0027】
本発明で言う活性エネルギー線とは、電子線、紫外線あるいはγ線の如き、電離性放射線や電磁波などを総称するものである。また、紫外線を照射して硬化させる場合には、必要に応じて、紫外線の照射によりラジカルを発生する光重合開始剤を樹脂(A)100重量部に対して0.1〜15重量部程度添加するとよい。光重合開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−(2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル)ベンゼンメタナミニウムブロマイド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロライドの如き、水溶性、あるいは樹脂水溶液に溶解可能な、ラジカル重合開始剤が好ましい。
【0028】
また、このような光重合開始剤に、公知慣用の光増感剤をも併用することができる。かかる光増感剤もまた、アミン類、尿素類、硫黄化合物、燐化合物及び塩素化合物等のうち、水溶性、あるいは樹脂水溶液に溶解可能なものが好ましい。
【0029】
また本発明で使用するラジカル重合性不飽和基を含有しない水性樹脂としては公知の水溶性樹脂、水分散型樹脂、エマルジョン型樹脂、例えば水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アルキッド樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、セルローズ系化合物、ポリビニルアセテートのケン化物、水性アミノ樹脂、水性エポキシエステル樹脂、水性ポリアミド樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、乾性油変性スチレン−アリルアルコール共重合体の無水マレイン酸変成物等を本発明の水性塗料組成物の活性エネルギー線硬化性を阻害しない範囲内において用いることができる。中でも本発明の水性活性エネルギー線硬化型樹脂と相溶性の良い水性ポリウレタン樹脂を使用することが好都合である。かかる水性樹脂は本発明の木材塗装用水性塗料組成物の塗装適性の向上及び塗装後塗膜の平滑性の向上を図るために通常、木材塗装用水性塗料組成物中の樹脂固形分の50重量%以下の使用量で使用することが一つの目安となる。若し50重量%を越えて使用すると、本発明の塗料組成物の活性エネルギー線による硬化塗膜の架橋密度の低下に伴う諸物性の低下が発現しうる。
【0030】
水性ポリウレタン樹脂は本発明の水性活性エネルギー線硬化型樹脂の製造の際に使用した成分のうち、陰イオン性親水基含有ポリヒドロキシ化合物、ラジカル重合性不飽和基を含有しないその他のポリヒドロキシ化合物及びポリイソシアネート化合物を主原料として用い、さらに必要によっては前記の鎖伸長剤を使用して任意の公知の製造方法で製造したポリウレタン樹脂を三級アミン等によって塩を形成することによって製造することができる。
【0031】
市販品の水性ポリウレタン樹脂の代表例としては、三洋化成工業製の「サンプレン」シリーズ、第一工業製薬製の「スーパーフレックス」シリーズ、ゼネカ製の「ネオレッツ」シリーズ、三井東圧化学製の「オレスター」シリーズ、旭電化製の「アデカボンタイター」シリーズ、花王製の「ポイズ」シリーズ、日本ソフラン化工製の「ソフラネート」シリーズ、バイエル製の「インプラニール」シリーズ、B.F.Goodrich製の「SANCURE」シリーズ、大日本インキ化学工業製の「ボンディック」「ウォーターゾール」「ハイドラン」「スペンゾール」シリーズ等が挙げられる。本発明の木材塗装用水性塗料組成物における、水性ポリウレタン樹脂の含有に伴う塗装適性向上及び塗装後塗膜の平滑性向上効果の発現機構については、現時点では明確な知見が得られていないが、本発明の必須成分である水性活性エネルギー線硬化型樹脂と比較して、水性ポリウレタン樹脂が数平均分子量が高く、また広い分子量分布を有する場合には、両樹脂の共存による分子量の二極分布状態が、本発明の水性塗料組成物の流動性改善に対して何らかの寄与をしているものと推察している。
【0032】
さらに、より高い耐擦傷性、耐薬品性を必要とする際には、目的に応じて末端(メタ)アクリロイル基含有化合物を、成膜成分の一つとして全組成物中 0〜30重量%の割合で含むことができる。30重量%を越える場合は、本発明の必須成分である水性活性エネルギー線硬化型樹脂の特性が損なわれやすい。
【0033】
本発明において使用されてもよい前記(A)樹脂以外の末端(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシ(メタ)アクリレート類、ポリオキシエチレングリコール(n=2〜9)モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレングリコール(n=5〜12)モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール(n=2〜16)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=5〜12)ジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA(EOまたはPO付加)ジアクリレート、トリメチロールプロパン(EOまたはPO付加)ジ(トリ)アクリレート、ペンタエリスリトール(EOまたはPO付加)トリ(テトラ)アクリレート、グリセリン(EOまたはPO付加)ジ(トリ)アクリレート等があり、これらは単独あるいは2種以上の併用でも良い。
【0034】
有機溶剤としては親水性の有機溶剤が塗膜の造膜性や塗装性の改良のために用いられる。かかる有機溶剤としてはアルコール系、カルビトール系、セロソルブ系、エーテル系、アミド系、含窒素複素環系等の有機溶剤が好適である。
【0035】
無機色材(料)としては、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック、亜鉛華、炭酸カルシウム、マイカ、酸化鉄等を挙げることができる。
【0036】
有機色材(料)としては、アゾ系、縮合ポリアゾ系、フタリシアニン系、キナクリドン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ニトロソ系、ニトロ系、ナフトール系、アンスラキノン系、金属錯塩系、ペリノン系、ジオキサジン系等の有機顔料;油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、直接染料、等の染料を挙げることができる。
【0037】
これら有機顔料の具体例としては、ブリリアントカーミンBS、レーキカーミンFB、ブリリアントファストスカーレット、ジスアゾイエロー、パーマネントレッドR、ファストイエロー10G、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ブルーレーキ、イエローレーキ、ローダミンレーキ、イソインドリノン、ジメチルキナクリドン等を挙げることができ、また染料の具体例としては、ソルベントブラック、ソルベントレッド、ソルベントブルー、ソルベントグリーン、ソルベントイエロー、ソルベントオレンジ、ソルベントバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット、ベーシックレッド、ダイレクトイエロー、ダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトブラック、アシッドブルー、アシッドイエロー、アシッドレッド、アシッドブラック等を挙げることができる。
【0038】
これらの無機色材または有機色材は、単独あるいは混合して使用することができ、その使用量は水性塗料組成物中、0.1〜70重量%の範囲、より好ましくは5〜30重量%の範囲で用いられる。これらの色材の含有量が多くなると密着性、耐クラック性が低下する。また逆に、含有量が少なくなると、当然ながら十分な濃度が得られない。
【0039】
また体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、セリサイト、マイカ、微粒シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ等を挙げることができ、また各種ビーズ類としてはポリマービーズやガラスビーズ等を挙げることができる。
【0040】
各種添加剤としては酸化防止剤、可塑剤、カップリング剤及びキレート剤、防腐剤、防かび剤、分散剤、乳化剤、湿潤剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤等を挙げることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
水性活性エネルギー線硬化型ポリウレタン樹脂及び木材塗装用水性塗料組成物の概略を説明する。
【0042】
メチルエチルケトン365部、ポリエステルジオール200部(数平均分子量1000)、グリセリンモノアクリレート29.2部、2,2−ジメチロールプロピオン酸53.6部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.46部、ジブチル錫ジラウレート0.23部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空気を吹き込みながら、次に、イソホロンジイソシアネート222部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシアネート基含有量1.98重量%の中間体を得る。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート41.8部を添加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート基含有量0.22重量%のラジカル重合性不飽和基および陰イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得る。
【0043】
40℃に冷却後、トリエチルアミン40.4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱した脱イオン水1327部の中に、上記樹脂溶液を加え鎖伸長化ならびに水溶化を行う。次に、減圧下、脱溶媒を行い、淡黄色透明の水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂を得る。この樹脂の不揮発分は29.8重量%、ガードナー粘度はNであった。また、数平均分子量は2740、陰イオン性親水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1370グラムであった。さらに分子量1000あたりの側鎖のラジカル重合性不飽和基の数は0.37個、分子量1000あたりの末端のラジカル重合性不飽和基の数は0.66個であった。
【0044】
上記で得られた樹脂に対して、例えば、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性クリヤー塗料を調製する。
樹脂 100.0部
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部
プロパン−1−オン
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
水 10.0部
【0045】
また、分子中にラジカル重合性不飽和基を含有しない水溶性または水分散性のポリウレタン樹脂(B)を加えることもできる。更に、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料、レーキカーミンFB、ファーストイエロー10G等の有機顔料等を用いて水性着色塗料を調製することもできる。
【0046】
得られた上記塗料を未塗装フロアー基材上に、塗布量が70g/m2 になる様エアースプレーにて塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させた。さらに、同様に塗布量が70g/m2 になる様同塗膜上にエアースプレーにて塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させ、若干艶を抑えた均一な塗膜を得た。
【0047】
【実施例】
次に、本発明を実施例ならびに応用例を挙げてさらに具体的に説明するが、以下において、部および%は特に断りのない限り、全て重量基準であるものとする。
【0048】
また、樹脂溶液の粘度の測定は25℃で行った。
【0049】
(1)ロールコーター塗装適性
クリヤー塗料を未塗装フロアー基材上にナチュラルロールコーターにて塗布した際の、基材表面上への塗料の転移性を目視にて確認する。
【0050】
ロール回転速度:25m/min
アプリケーションロールのゴム硬度:50度
評価…◎:非常に良好 ○:良好 △:やや転移不良 ×:転移不良
【0051】
(2)塗料霧化適性
クリヤー塗料をエアスプレーガンで霧化した際の、霧化状態を目視にて評価する。
【0052】
霧化エアー圧:3.5kg/cm2
ガン :iwata W−71(岩田塗装機工業)
ノズル口径 :1.5φmm
評価…◎:非常に良好 ○:良好 △:やや霧化不良 ×:霧化不良
【0053】
(3)塗膜レベリング性
クリヤー塗料を未塗装フロアー基材上に、塗布量が70g/m2 になる様エアースプレーにて塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させる。当硬化後塗膜のレベリング状態を目視にて確認する。
【0054】
【0055】
(4)耐水試験
クリヤー塗料を未塗装フロアー基材上に、塗布量が70g/m2 になる様エアースプレーにて塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させる。さらに、同様に塗布量が70g/m2 になる様同塗膜上にエアースプレーにて塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させる。これを15cm×15cmの大きさに切断したものを試験体とし、60±3℃の温水に1時間浸漬後60±3℃の恒温器中に2時間放置を1サイクルとして2サイクル行う。当試験後塗膜の光沢低下状態、クラック発生状態を目視にて評価を行う。
【0056】
【0057】
(5)寒熱繰り返し試験
上記耐水試験と同様に試験体を作製し、80±3℃の恒温器中に2時間放置後、−20±3℃の恒温器中に2時間放置を1サイクルとして2サイクル行う。試験後塗膜の白化状態、クラック発生状態を目視にて評価を行う。
【0058】
【0059】
(6)汚染試験
上記耐水試験と同様に試験体を作製し、黒インキ、黒マジック、赤マジック、赤クレヨンでそれぞれ巾10mmの線を引き、4時間放置後溶剤で拭き取る。拭き取った後の塗膜表面の色の残り具合を目視にて評価する。
【0060】
【0061】
(7)耐アルカリ試験
上記耐水試験と同様に試験体を作製し、1%炭酸ナトリウム水溶液を滴下した後、シャーレをかぶせ2時間放置する。放置後拭き取り、塗膜のクラック、ふくれ、はがれ、軟化変色、艶の変化の有無を確認する。
【0062】
(8)耐溶剤試験
上記耐水試験と同様に試験体を作製し、JISラッカーシンナーを滴下した後、シャーレをかぶせ2時間放置する。放置後拭き取り、塗膜のクラック、ふくれ、はがれ、軟化変色、艶の変化の有無を確認する。
【0063】
(9)耐擦傷試験
上記耐水試験と同様に試験体を作製し、スチールウール000にて塗膜表面をラビングし、傷付き具合を評価する。
【0064】
【0065】
(10)ワイピング適性
着色塗料を水にて希釈し、未塗装フロアー基材上に刷毛にて塗布した後、室温(25℃)にて2分放置する。放置後紙ウエスにて手ワイピングした際の、拭き取り状態(拭き取り易さ)を確認する。
【0066】
【0067】
(11)洗浄性
着色塗料を未塗装フロアー基材上にナチュラルロールコーターにて塗布した後、塗料のロールへの供給およびロールの回転を停止し、室温(25℃)にて10分間放置する。放置後ロール(塗布ロール)の表面を水にて洗浄した際の、洗浄性を確認する。
【0068】
ロール回転速度:25m/min
アプリケーションロールのゴム硬度:50度
評価…◎:非常に良好 ○:良好 △:やや洗浄不良 ×:洗浄不良
【0069】
(12)耐水性
着色塗料を水にて希釈し、未塗装フロアー基材上に刷毛にて塗布した後、塗布量が30g/m2 になる様紙ウエスにて手ワイピングする。80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させる。これを15cm×15cmの大きさに切断したものを試験体とし、60±3℃の温水に1時間浸漬した後の塗膜の状態を目視にて評価を行う。
【0070】
【0071】
(13)耐クラック性
上記耐水性と同様に試験体を作製し、80±3℃の恒温器中に2時間放置後、−20±3℃の恒温器中に2時間放置を1サイクルとして2サイクル行う。試験後塗膜の白化状態、クラック発生状態を目視にて評価を行う。
【0072】
【0073】
(14)密着性
着色塗料を水にて希釈し、未塗装フロアー基材上に刷毛にて塗布した後、塗布量が30g/m2 になる様紙ウエスにて手ワイピングする。80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させる。さらに、クリヤー塗料を同塗膜上に塗布量が70g/m2 になる様エアースプレーにて塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させる。これを用いて、ニチバン社製セロハンテープにて碁盤目密着試験を行う。
【0074】
【0075】
実施例1
加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン365部、ポリエステルジオール200部((株)クラレ製ポリメチルペンタンアジペート、数平均分子量1000)、グリセリンモノアクリレート29.2部、2,2−ジメチロールプロピオン酸53.6部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.46部、ジブチル錫ジラウレート0.23部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空気を吹き込みながら、次に、イソホロンジイソシアネート222部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシアネート基含有量1.98重量%の中間体を得た。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート41.8部を添加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート基含有量0.22重量%のラジカル重合性不飽和基および陰イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0076】
40℃に冷却後、トリエチルアミン40.4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱した脱イオン水1327部の入った5リットル4つ口フラスコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂(A−1)を得た。この樹脂の不揮発分は29.8重量%、ガードナー粘度はNであった。また、数平均分子量は2740、陰イオン性親水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1370グラムであった。さらに分子量1000あたりの側鎖のラジカル重合性不飽和基の数は0.37個、分子量1000あたりの末端のラジカル重合性不飽和基の数は0.66個であった。
【0077】
上記で得られた樹脂(A−1)に対して、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性クリヤー塗料を調製した。
樹脂(A−1) 100.0部
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部
プロパン−1−オン
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
水 10.0部
【0078】
得られた上記塗料を未塗装フロアー基材上に、塗布量が70g/m2 になる様エアースプレーにて塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させた。さらに、同様に塗布量が70g/m2 になる様同塗膜上にエアースプレーにて塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させ、若干艶を抑えた均一な塗膜を得た。得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を表1に示した。
【0079】
実施例2
加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン404部、ジエタノールアミン21部、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの1:1(モル比)反応物である遊離イソシアネート基含有ウレタンアクリレート67.6部を仕込み、50℃で30分反応させ、ラジカル重合性不飽和基を有する2官能性アルコール化合物を得た。続いて40℃以下に冷却した後ポリエステルジオール200部((株)クラレ製ポリメチルペンタンアジペート、数平均分子量1000)、2,2−ジメチロールプロピオン酸53.6部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.50部、ジブチル錫ジラウレート0.25部を仕込み、攪拌下、乾燥空気を吹き込みながら、次に、イソホロンジイソシアネート222部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシアネート基含有量1.75重量%の中間体を得た。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート41.8部を添加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート基含有量0.20重量%のラジカル重合性不飽和基および陰イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0080】
40℃に冷却後、トリエチルアミン40.4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱した脱イオン水1476部の入った5リットル4つ口フラスコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂(A−2)を得た。この樹脂の不揮発分は30.9重量%、ガードナー粘度はP−Qであった。また、数平均分子量は3030、陰イオン性親水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1520グラムであった。さらに分子量1000あたりの側鎖のラジカル重合性不飽和基の数は0.33個、分子量1000あたりの末端のラジカル重合性不飽和基の数は0.59個であった。
【0081】
上記で得られた樹脂(A−2)に対して、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性クリヤー塗料を調製した。
樹脂(A−2) 100.0部
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部
プロパン−1−オン
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
水 10.0部
【0082】
得られた塗料を用いて、実施例1と同様の方法にて塗膜を得た。
得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を表1に示した。
【0083】
実施例3
加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン466部、ポリエステルジオール251部((株)クラレ製ポリメチルペンタンアジペート、数平均分子量1000)、グリセリンモノメタクリレート40部、2,2−ジメチロールプロピオン酸67部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.58部、ジブチル錫ジラウレート0.29部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空気を吹き込みながら、次に、イソホロンジイソシアネート261部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシアネート基含有量2.43重量%の中間体を得た。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート63.8部を添加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート基含有量0.29重量%のラジカル重合性不飽和基および陰イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0084】
40℃に冷却後、トリエチルアミン50.5部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱した脱イオン水1697部の入った5リットル4つ口フラスコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂(A−3)を得た。この樹脂の不揮発分は30.3重量%、ガードナー粘度はSであった。また、数平均分子量は2800、陰イオン性親水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1400グラムであった。さらに分子量1000あたりの側鎖のラジカル重合性不飽和基の数は0.36個、分子量1000あたりの末端のラジカル重合性不飽和基の数は0.79個であった。
【0085】
上記で得られた樹脂(A−3)に対して、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性クリヤー塗料を調製した。
樹脂(A−3) 100.0部
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部
プロパン−1−オン
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
水 10.0部
【0086】
得られた塗料を用いて、実施例1と同様の方法にて塗膜を得た。
得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を表1に示した。
【0087】
実施例4
加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン346部、N−メチル−2−ピロリドン112部、ポリエステルジオール120部((株)クラレ製ポリメチルペンタンアジペート、数平均分子量500)、グリセリンモノアクリレート87.6部、2,2−ジメチロールプロピオン酸59部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.57部、ジブチル錫ジラウレート0.34部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空気を吹き込みながら、次に、イソホロンジイソシアネート355部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシアネート基含有量2.40重量%の中間体を得た。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート65.0部を添加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート基含有量0.31重量%のラジカル重合性不飽和基および陰イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0088】
40℃に冷却後、トリエチルアミン44.4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱した脱イオン水1532部の入った5リットル4つ口フラスコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂(A−4)を得た。この樹脂の不揮発分は30.0重量%、ガードナー粘度はXであった。また、数平均分子量は2150、陰イオン性親水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1560グラムであった。さらに分子量1000あたりの側鎖のラジカル重合性不飽和基の数は0.87個であり、分子量1000あたりの末端のラジカル重合性不飽和基の数は0.82個であった。
【0089】
上記で得られた樹脂(A−4)に対して、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性クリヤー塗料を調製した。
樹脂(A−4) 100.0部
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部
プロパン−1−オン
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
水 10.0部
【0090】
得られた塗料を用いて、実施例1と同様の方法にて塗膜を得た。
得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を表1に示した。
【0091】
実施例5
実施例1で得られた樹脂(A−1)に対して、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性クリヤー塗料を調製した。
【0092】
樹脂(A−1) 100.0部
水性ポリウレタン樹脂(スペンゾールL50 20.0部
:大日本インキ化学工業)
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.6部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部
プロパン−1−オン
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
水 10.0部
【0093】
得られた塗料を用いて、実施例1と同様の方法にて塗膜を得た。
得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の方法にて評価を行い、結果を表1に示した。
【0094】
実施例6
実施例1で得られた樹脂(A−1)に対して、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性クリヤー塗料を調製した。
【0095】
樹脂(A−1) 100.0部
水性ポリウレタン樹脂(スペンゾールL50 15.0部
:大日本インキ化学工業)
テトラエチレングリコールジアクリレート 15.0部
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 5.0部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 3.8部
プロパン−1−オン
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
水 15.0部
【0096】
得られた塗料を用いて、実施例1と同様の方法にて塗膜を得た。
得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を表1に示した。
【0097】
実施例7
実施例1で得られた樹脂(A−1)に対して、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、水性着色塗料を調製した。
【0098】
樹脂(A−1) 100.0部
酸化チタン 5.0部
カーボンブラック 1.5部
レーキカーミンFB 2.0部
ファストイエロー10G 5.0部
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 10.0部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 3.8部
プロパン−1−オン
分散剤(ノプコスパース44−C:サンノプコ) 4.0部
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
水 15.0部
【0099】
着色塗料を水にて希釈し、未塗装フロアー基材上に刷毛にて塗布した後、塗布量が30g/m2 になる様紙ウエスにて手ワイピングする。80℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させ、若干基材に浸透した均一な塗膜を得た。
【0100】
得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の方法(10)〜(14)にて評価を行い、結果を表3に示した。
【0101】
比較例1
加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン354部、ポリエステルジオール200部((株)クラレ製ポリメチルペンタンアジペート、数平均分子量1000)、エチレングリコール12.4部、2,2−ジメチロールプロピオン酸53.6部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.44部、ジブチル錫ジラウレート0.22部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空気を吹き込みながら、次に、イソホロンジイソシアネート222部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシアネート基含有量1.90重量%の中間体を得た。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート41.8部を添加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート基含有量0.26重量%の末端ラジカル重合性不飽和基および陰イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0102】
40℃に冷却後、トリエチルアミン40.4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱した脱イオン水1285部の入った5リットル4つ口フラスコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂(A−5)を得た。この樹脂の不揮発分は29.9重量%、ガードナー粘度はO−Pであった。また、数平均分子量は2650、陰イオン性親水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1330グラムであった。さらに分子量1000あたりの末端のラジカル重合性不飽和基の数は0.68個であった。
【0103】
上記で得られた樹脂(A−5)に対して、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性クリヤー塗料を調製した。
樹脂(A−5) 100.0部
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部
プロパン−1−オン
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
水 10.0部
【0104】
得られた塗料を用いて、実施例1と同様の方法にて塗膜を得た。
得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を表2に示した。
【0105】
比較例2
市販品の水性ポリウレタン樹脂に対して、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性着色塗料を調製した。
【0106】
水性ポリウレタン樹脂(スペンゾールL50 100.0部
:大日本インキ化学工業)
酸化チタン 5.0部
カーボンブラック 1.5部
レーキカーミンFB 2.0部
ファストイエロー10G 5.0部
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 10.0部
分散剤(ノプコスパース44−C:サンノプコ) 4.0部
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
水 15.0部
【0107】
得られた塗料を用いて、実施例7と同様の方法にて塗膜を得た。
得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の方法(10)〜(14)にて評価を行い、結果を表3に示した。
【0108】
比較例3
市販品の水溶性高分子に対して、下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、水性着色塗料を調製した。
【0109】
HECダイセルSP−250(ダイセル化学工業) 10.0部
酸化チタン 5.0部
カーボンブラック 1.5部
レーキカーミンFB 2.0部
ファストイエロー10G 5.0部
シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 10.0部
分散剤(ノプコスパース44−C:サンノプコ) 4.0部
消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部
25%アンモニア水 0.3部
水 115.0部
【0110】
得られた塗料を用いて、実施例7と同様の方法にて塗膜を得た。
得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の方法(10)〜(14)にて評価を行い、結果を表3に示した。
【0111】
【表1】
*基材変色
【0112】
【表2】
【0113】
【表3】
【0114】
【発明の効果】
本発明の木材塗装用水性塗料組成物は、有機溶剤の使用を省略することが可能であり、また紫外線等の活性エネルギー線の照射により良好な硬化性を示し、また水性塗料であるにも拘らず硬化塗膜の耐水性はじめ耐擦傷性、耐クラック性等の優れた諸物性を有するところから作業性、安全性及び塗膜物性面で有利であり、とりわけ、木工・建材用途に極めて有用なものである。
Claims (8)
- 分子末端のラジカル重合性不飽和基と、分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基および三級アミンによって塩形成した陰イオン性親水基とを併せ有する水溶性または水分散性活性エネルギー線硬化型ポリウレタン樹脂(A)を水性媒体中に水溶化または水分散化したものであることを特徴とする木材塗装用水性塗料組成物。
- ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量が、1000〜20000の範囲である請求項1記載の木材塗装用水性塗料組成物。
- 分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基の数が数平均分子量1000あたり0.1ないし1.2個の範囲であり、且つ分子中に存在するすべてのラジカル重合性不飽和基の数が数平均分子量1000あたり0.6ないし6個の範囲であるポリウレタン樹脂(A)である請求項1記載の木材塗装用水性塗料組成物。
- 陰イオン性親水基1グラム当量あたりのポリウレタン樹脂(A)の重量が、250〜5000グラムである請求項1記載の木材塗装用水性塗料組成物。
- 前記請求項1に記載のポリウレタン樹脂(A)とともに分子中にラジカル重合性不飽和基を含有しない水溶性または水分散性のポリウレタン樹脂(B)を水性媒体中に水溶化または水分散化することを特徴とする木材塗装用水性塗料組成物。
- 前記請求項1に記載のポリウレタン樹脂(A)とともに無機色材または有機色材(C)を水性媒体中に水溶化または水分散化することを特徴とする木材塗装用水性塗料組成物。
- 前記した無機色材が黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック、亜鉛華、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、セリサイト、タルク、酸化鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の色材である請求項6記載の木材塗装用水性塗料組成物。
- 前記した有機色材がアゾ系、縮合ポリアゾ系、フタリシアニン系、キナクリドン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ニトロソ系、ニトロ系、ナフトール系、アンスラキノン系、金属錯塩系、ペリノン系、ジオキサジン系からなる群から選ばれる有機顔料、及び、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、直接染料からなる群から選ばれる染料、から選ばれる少なくとも1種以上の色材である請求項6記載の木材塗装用水性塗料組成物。
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