JP4608259B2 - 水性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、乾燥性に優れ、肉持ち感のある光沢を有する塗膜を形成することが可能な水性樹脂組成物及び該組成物を含んでなる水性塗料組成物に関する。
近年、塗料、インキ、接着剤等の分野では、省資源、環境衛生、無公害、非危険物化等の観点から、有機溶剤型の組成物から水性型の組成物への転換が進められている。水性塗料組成物に使用されるビヒクルとしては、例えば、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂が挙げられる。これらの水性塗料組成物において、アルキド樹脂は、原材料として不飽和脂肪酸を用いることにより樹脂骨格中に酸化硬化基を導入することができ、それを用いた水性塗料組成物は1液常温硬化が可能となり、その油性から、金属面へ塗布された場合の防食性が期待できるが、脂肪酸エステル部分の安定性に乏しく、貯蔵安定性を確保することが困難なこと、塗膜においても光安定性、耐アルカリ性が不十分な場合があった。他方、アクリル樹脂は、速乾性、耐候性に優れるものの防食性に劣る。これら2種の樹脂の特性を兼備した樹脂水性系材料として、アルキド樹脂とアクリル樹脂を化学反応により結合させるグラフト樹脂などが開発され数多く提案されている。例えば特許文献1には、界面活性剤及び/又は高分子保護コロイドを用い、乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸とα,β−エチレン性不飽和酸グリシジルエステルとの反応により得られる脂肪酸変性モノマーを含むラジカル重合可能なモノマー混合物を乳化重合して酸化重合型水性エマルションを製造することが開示されている。
ところで、乳化重合物の生成機構は、水相にある大きなモノマー滴からモノマーが水中を拡散し、界面活性剤が作るミセル中で重合が進行し重合体粒子(重合している小粒子)が生成することからなるものである。この場合、重合に用いられるモノマーは、重合を行う条件下でモノマー滴から重合体粒子へ水中を拡散して移動し供給されなければならない。
一般に、モノマー滴と、ミセルから成長してゆく重合体粒子との間には大きな粒子径差がある。このことはモノマー滴全表面積と重合体粒子の全表面積に大きな差があることを意味し、従って、開始剤ラジカルや水中を拡散するモノマーは、表面積の大きな方、すなわち重合体粒子に侵入し、そこで重合が進行する。乳化重合法では、重合体粒子は徐々に粒子径が大きくなりながら成長する。
上記の脂肪酸変性モノマーを含むラジカル重合可能なモノマー混合物を乳化重合する場合、水への溶解性が極めて乏しい脂肪酸変性モノマーは、重合段階においてモノマー滴に取り残され、モノマー滴内で重合が進行し、脂肪酸変性モノマー単位を多く含む重合体粒子が生成し、他方、脂肪酸変性モノマー以外のモノマーは、モノマー滴からミセル内へ水中を拡散していき、そこで脂肪酸変性モノマー以外のモノマー単位を多く含む重合体粒子が生成するので、最終的に得られるエマルション中の重合体粒子には、親水性重合体粒子と疎水性重合体粒子との不均一分布が極端に生ずる可能性が大きい。従って、このような酸化重合型水性エマルションから形成される塗膜には、疎水性の重合体粒子が核となってハジキを生じたり、表面浮きして表面に粘着性が残ったり、相溶性不良から透明フィルムができず塗膜の仕上がり外観を著しく低下させる等の問題がある。
上記の如き問題を克服するための方策として、特許文献2には、ビニルモノマーの重合生成物であるコポリマーと、疎水性のエステル又は部分エステルとを含む水系コポリマー及びその製造方法が提案されている。該公報には、重合時において、モノマー滴以外の第2世代粒子の形成を抑制させるべく、モノマー滴に乾性油酸とポリオールとからの疎水エステルを添加することが提案されている。該公報に記載の水系コポリマーは、揮発性の融合助剤を含まず透明な被膜を形成するが、特に塗布後初期段階において、乾燥性が遅く、実用上は塗膜に粘着性が残り、また、形成塗膜の耐候性及び耐水性、低温物性が十分ではないなどの欠点がある。
特開昭59−8773号公報 特開2000−319525号公報
本発明の主たる目的は、良好な仕上がり外観を示し、耐候性、耐水性、低温物性に優れた塗膜を常温でも形成するような水性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、今回、特定の製造方法により製造される水性脂肪酸変性樹脂分散体及び水性ウレタン樹脂を特定の割合で含む水性樹脂組成物により本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、
1. (A)脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を含み、その他の重合性不飽和モノマー(b)が、その少なくとも一部として、炭素数が6以上の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー(b3)を、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、1〜30重量%含んでなるモノマー混合物(I)を水性媒体中に平均粒子径が500nm以下になるように微分散させ、得られるモノマー乳化物を重合することにより製造される水性脂肪酸変性樹脂分散体及び(B)水性ウレタン樹脂を含有し、樹脂(A)及び樹脂(B)の配合割合が、固形分重量比で10/90〜99/1の範囲内にあることを特徴とする水性樹脂組成物、
2. その他の重合性不飽和モノマー(b)が、その少なくとも一部として、シクロアルキル基含有重合性不飽和モノマー(b4)をモノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、1〜70重量%含んでなる1項に記載の水性樹脂組成物、
3. 水性ウレタン樹脂が、カルボニル基又はヒドラジン基を有するものである1項又は2項に記載の水性樹脂組成物、
4. ヒドラジン誘導体をさらに含有する1項ないし3項のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物、
5. 1項ないし4項のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物を含む水性塗料組成物、
6. 被塗面に、5項に記載の水性塗料組成物を塗装することを特徴とする塗膜形成方法、
7. 6項に記載の塗膜形成方法により得られる塗装物品、
に関する。
本発明の水性樹脂組成物によれば、貯蔵安定性、造膜性などに優れ、1液型、常温でも容易に硬化させることができ、しかも、形成される塗膜は透明性、光沢、仕上り性(肉持ち感)に優れ、低温物性、耐水性、耐久性、防食性、耐候性等の性能にも優れているという顕著な効果を奏するものである。
脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)
本発明において使用される脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)は、水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)を安定に製造させることができ、最終的に得られる水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜に肉持ち感を付与し、且つ本発明の組成物に酸化硬化性を付与させる場合において水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)粒子に酸化硬化基を導入することができるものであり、脂肪酸由来の炭化水素鎖の末端に重合性不飽和基を有する重合性不飽和モノマーが包含される。ここで、重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基などを挙げることができ、特に(メタ)アクリロイル基が好適である。
脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)としては、例えば、脂肪酸(a1)をエポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a2)又は水酸基含有重合性不飽和モノマー(a3)と反応させることにより得られるものを挙げることができる。
脂肪酸(a1)としては、炭化水素鎖の末端にカルボキシル基が結合した構造を有しているものが挙げられ、例えば、乾性油脂肪酸、半乾性油脂肪酸、不乾性油脂肪酸を挙げることができる。乾性油脂肪酸及び半乾性油脂肪酸は、厳密に区別できるものではないが、通常、乾性油脂肪酸はヨウ素化が130以上の不飽和脂肪酸であり、半乾性油脂肪酸はヨウ素化が100以上かつ130未満の不飽和脂肪酸である。他方、不乾性油脂肪酸は、通常、ヨウ素価が100未満である脂肪酸である。
乾性油脂肪酸及び半乾性油脂肪酸としては、例えば、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪酸、ゴム種油脂肪酸、ハイジエン酸脂肪酸等が挙げられ、また、不乾性油脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、水添ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。さらに、これらの脂肪酸は、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等と併用することができる。
本発明においては、形成塗膜の初期耐水性の点から、酸化硬化性を有していることが望ましく、脂肪酸として乾性油脂肪酸及び/又は半乾性油脂肪酸が好適である。
脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)を製造するために上記脂肪酸(a1)と反応させうるエポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a2)としては、1分子中に1個のエポキシ基と1個の重合性不飽和基を有する化合物が包含され、具体的には例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β一メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記脂肪酸(a1)とエポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a2)は、脂肪酸(a1)中のカルボキシル基とエポキシ基含有モノマー(a2)中のエポキシ基との当量比が0.75:1〜1.25:1、好ましくは0.8:1〜1.2:1の範囲内となるような割合で反応させることができる。
上記脂肪酸(a1)とエポキシ基含有重合性不飽和モノマー(a2)との反応は、通常、重合禁止剤の存在下に、ゲル化などの反応上の問題を起こすことなく、脂肪酸成分中のカルボキシル基とエポキシ基含有重合性不飽和モノマー中のエポキシ基とが円滑に反応できる条件下で行うことができ、通常、約100〜約180℃の温度で約0.5〜約10時間加熱することにより行うのが適している。
この反応において、N,N−ジメチルアミノエタノール等の3級アミン、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩等のエステル化反応触媒を用いることができ、さらに、反応に対して不活性な有機溶剤を使用してもよい。
上記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロカテコール、p−tert−ブチルカテコールなどのヒドロキシ化合物;ニトロベンゼン、ニトロ安息香酸、o−,m−又はp−ジニトロベンゼン、2,4−ジニトロトルエン、2,4−ジニトロフェノール、トリニトロベンゼン、ピクリン酸などのニトロ化合物;p−ベンゾキノン、ジクロロベンゾキノン、クロルアニル、アンスラキノン、フェナンスロキノンなどのキノン化合物;ニトロソベンゼン、ニトロソ−β−ナフトールなどのニトロソ化合物等のそれ自体既知のラジカル重合禁止剤が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、脂肪酸変性重合性モノマー(a)は、上記脂肪酸(a1)を水酸基含有重合性不飽和モノマー(a3)とエステル化反応させることによっても得ることができる。かかる水酸基含有重合性不飽和モノマー(a3)としては、1分子中に1個の水酸基と1個の重合性不飽和基を有する化合物が包含され、具体的には例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC2〜C8ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアルコ−ル、上記C2〜C8ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性体などの水酸基を有する(メタ)アクリレート;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記脂肪酸(a1)と水酸基含有重合性不飽和モノマー(a3)は、通常、該脂肪酸(a1)中のカルボキシル基対水酸基含有モノマー(a3)中の水酸基との当量比が0.4:1〜1.25:1、好ましくは0.5:1〜1.2:1の範囲内となるような割合で反応させることができる。
上記脂肪酸(a1)と水酸基含有重合性不飽和モノマー(a3)との反応は、通常、重合禁止剤の存在下に、ゲル化などの反応上の問題を起こすことなく、脂肪酸(a1)成分中のカルボキシル基と水酸基含有重合性不飽和モノマー中の水酸基とが円滑に反応できる条件下で行うことができ、通常、エステル化触媒の存在下に、約100〜約180℃の温度で約0.5〜約10時間加熱することにより行うのが適している。エステル化触媒としては、例えば、硫酸、硫酸アルミニウム、硫酸水素カリウム、アルキル置換ベンゼン、塩酸、硫酸メチル、リン酸等が挙げられ、これらの触媒は、通常、反応させる上記脂肪酸(a1)と水酸基含有重合性不飽和モノマー(a3)の合計量を基準にして、約0.001〜約2.0重量%の範囲内で使用することができる。さらに、反応に対して不活性な有機溶剤を使用することもできる。
上記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロカテコール、p−tert−ブチルカテコールなどのヒドロキシ化合物;ニトロベンゼン、ニトロ安息香酸、o−,m−又はp−ジニトロベンゼン、2,4−ジニトロトルエン、2,4−ジニトロフェノール、トリニトロベンゼン、ピクリン酸などのニトロ化合物;p−ベンゾキノン、ジクロロベンゾキノン、クロルアニル、アンスラキノン、フェナンスロキノンなどのキノン化合物;ニトロソベンゼン、ニトロソ−β−ナフトールなどのニトロソ化合物等のそれ自体既知のラジカル重合禁止剤が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
その他の重合性不飽和モノマー(b)
本発明における水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)において、その他の重合性不飽和モノマー(b)は、上記脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)と共重合可能な重合性不飽和モノマーであり、分子中に1個以上好ましくは1個の重合性不飽和基を含有する化合物を挙げることができる。重合性不飽和基としては、ビニル基及び(メタ)アクリロイル基が挙げられ、その他の重合性不飽和モノマー(b)として具体的には、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(大阪有機化学社製)、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ−ト等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマー;ポリジメチルシロキサンマクロモノマー等のシロキサンマクロモノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のアルキルフッ素基含有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、さらにグリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の炭素数2〜8個の水酸基を含有するアルキル(メタ)アクリレート、アリルアルコ−ル、上記炭素数2〜8のヒドロキシ(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性体などの水酸基を有する(メタ)アクリレート;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー:分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩やアンモニウム塩等のスルホン酸基含有重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノンなど2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノンなどのヒドロキシベンゾフェノン類とグリシジル(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、或いは2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマー;4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の紫外線安定性官能基を有する重合性不飽和モノマー;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー;アリル(メタ)アクリレ−ト、エチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、テトラエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,3−ブチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、1,4−ブタンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、グリセロ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレ−ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレ−ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、トリアリルイソシアヌレ−ト、ジアリルテレフタレ−ト、ジビニルベンゼン等の1分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する多ビニル化合物等;等が挙げられ、これらは所望の性能に応じて単独でもしくは2種以上を適宜使用される。
上記モノマー(a)及びモノマー(b)の使用割合は、特に制限されるものではなく、目的とする水性樹脂組成物に望まれる性能や用途などに応じて適宜選択することができるが、本発明の水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の肉持ち感、耐候性の点から、一般には、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計量を基準にして、モノマー(a)は5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%の範囲内、そしてモノマー(b)は50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは65〜90重量%の範囲内とすることができる。
上記その他の重合性不飽和モノマー(b)としては、使用する全モノマー(b)の(共)重合体の理論ガラス転移温度が0〜100℃、好ましくは10〜80℃の範囲内となるように選択することが望ましい。
本発明において、ガラス転移温度(絶対温度)は、下記式により算出される値である。
1/Tg=W1/T1+W2/T2+…Wn/Tn
式中、W1、W2…Wnは各モノマーの重量%〔=(各モノマーの配合量/モノマー全重量)×100〕であり、T1、T2…Tnは各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(絶対温度)である。なお、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、Polymer Hand Book (Second Edition,J.Brandrup・E.H.Immergut 編)による値であり、該文献に記載されていないモノマーのガラス転移温度は、該モノマーのホモポリマーを重量平均分子量が5万程度になるようにして合成し、そのガラス転移温度を示差走査型熱分析により測定したときの値を使用する。
使用する全モノマー(b)の(共)重合体の理論ガラス転移温度が上記範囲内となるようにすることにより、水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の造膜性、耐候性、耐水性等の塗膜物性とを両立させることができる。
また、その他の重合性不飽和モノマー(b)は、酸基含有重合性不飽和モノマー(b1)を、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、0.1〜5重量%、好ましくは0.5重量%以上で且つ3重量%未満の範囲内で含んでなることが望ましい。
酸基含有重合性不飽和モノマー(b1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩やアンモニウム塩等のスルホン酸基含有重合性不飽和モノマー等を挙げることができ、特に、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーが好適である。
その他の重合性不飽和モノマー(b)の少なくとも一部として酸基含有重合性不飽和モノマー(b1)を使用することにより、得られる水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)粒子の水性媒体中における安定性や機械安定性を確保することができ、また、それを含有する水性樹脂組成物をエナメル塗料に適用した場合において、塗料の調色性を向上させることができる。
また、その他の重合性不飽和モノマー(b)は、その少なくとも一部として、炭素数が4以上の直鎖状、分岐状もしくは環状で飽和又は不飽和の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー(b2)を、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、30〜90重量%、好ましくは35〜85重量%、さらに好ましくは45〜80重量%の範囲内で含んでなることが望ましい。
炭素数が4以上の直鎖状、分岐状もしくは環状で飽和又は不飽和の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー(b2)としては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(大阪有機化学社製)、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ−ト等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する重合性不飽和化合物;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する重合性不飽和化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物等を挙げることができる。かかる炭素数が4以上の炭化水素基を有する重合性不飽和モノマー(b2)の使用により、水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の耐水性を向上させることができる。
また、その他の重合性不飽和モノマー(b)は、その少なくとも一部として、炭素数が6以上の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー(b3)を、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは6〜18重量%含んでなることが望ましい。
炭素数が6以上の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー(b3)としては、例えば、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(大阪有機化学社製)等を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
その他の重合性不飽和モノマー(b)の少なくとも一部として、炭素数が6以上の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー(b3)を使用することにより、水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)の製造において該その他の重合性不飽和モノマー(b)を脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)と共に微粒化した場合におけるモノマー乳化物の重合安定性を保持することができ、しかも、水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の耐水性を向上させることができる。
その他の重合性不飽和モノマー(b)は、酸基含有重合性不飽和モノマー(b1)と、炭素数が4以上の直鎖状、分岐状もしくは環状で飽和又は不飽和の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー(b2)と、ならびに脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)、上記モノマー(b1)及びモノマー(b2)以外の他の重合性不飽和モノマー(b7)とを含んでなり、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、モノマー(a)を5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%、モノマー(b1)を0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜4.5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%、モノマー(b2)を45〜80重量%、好ましくは50〜75重量%、さらに好ましくは55〜70重量%、及び他の重合性不飽和モノマー(b7)を0〜49.9重量%、好ましくは0〜39.5重量%、さらに好ましくは0〜34.5重量%含有し、ここで炭素数が4以上の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー(b2)が上記炭素数が6以上の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー(b3)を、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは6〜18重量%の範囲内で含んでなることが望ましい。
上記特定割合の脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を共重合させることにより、水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)を安定に製造することができ、しかも、水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の透明感、肉持ち感があり、耐水性等の性能を向上させることができる。
また、その他の重合性不飽和モノマー(b)は、その少なくとも一部として、シクロアルキル基含有重合性不飽和モノマー(b4)を含んでなることが望ましい。シクロアルキル基含有重合性不飽和モノマー(b4)としては、1分子中に1個の炭素数が6以上のシクロアルキル基と1個の重合性不飽和結合を有する化合物が好適であり、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ−ト等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好適である。
その他の重合性不飽和モノマー(b)の少なくとも一部として、シクロアルキル基含有重合性不飽和モノマー(b4)を含んでなるものを使用することにより、水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の耐候性を向上させることができ、また、耐水性、耐汚染性等も改善することができる。耐候性向上を目的とする場合のその含有量は、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、1〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、さらに好ましくは25〜45重量%の範囲内が好適である。
また、その他の重合性不飽和モノマー(b)は、その少なくとも一部として、芳香族ビニルモノマー(b5)を含んでなることが望ましい。芳香族ビニルモノマー(b5)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。かかる芳香族ビニルモノマー(b5)の使用により、モノマー(a)及びモノマー(b)の共重合性を高めることができ、未反応のモノマーを最小限にすることができ、そして耐水性など形成塗膜の物性を向上させることができる。
該芳香族ビニルモノマー(b5)は、一般に、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、1〜50重量%、好ましくは5〜45重量%、さらに好ましくは12〜35重量%の範囲内で使用するのが好適である。
本発明の水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜に耐候性を付与させる場合などにおいては、その他の重合性不飽和モノマー(b)は、シクロアルキル基含有重合性不飽和モノマー(b4)と、芳香族ビニルモノマー(b5)と、ならびにモノマー(a)、モノマー(b4)及びモノマー(b5)以外の重合性不飽和モノマー(b8)とを含んでなり、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、モノマー(a)を5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%、モノマー(b4)を1〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、さらに好ましくは25〜45重量%、モノマー(b5)を1〜50重量%、好ましくは5〜45重量%、さらに好ましくは12〜35重量%、及び他の重合性不飽和モノマー(b8)を0〜93重量%、好ましくは0〜75重量%、さらに好ましくは0〜47重量%含有することが望ましい。
上記特定割合の脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を共重合させることにより、水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜が透明感、肉持ち感があり、しかも耐水性、耐候性等に優れることができる。
また、その他の重合性不飽和モノマー(b)は、その少なくとも一部として、カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(b6)を含んでなることが望ましい。
カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(b6)としては、1分子中に1個のカルボニル基と1個の重合性不飽和結合を有する化合物が包含され、具体的には例えば、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、特にダイアセトン(メタ)アクリルアミドが好適である。
その他の重合性不飽和モノマー(b)の少なくとも一部として、カルボニル基含有重合性不飽和モノマー(b6)を含んでなるものを使用し且つ後述のヒドラジン誘導体を配合せしめることにより、カルボニル基とヒドラジン誘導体との架橋を進行させることができ、塗膜の乾燥性をより一層向上させることができ、耐候性、耐水性等の物性にも優れた塗膜を形成する塗料組成物を調製することができる。
かかるカルボニル基含有重合性不飽和モノマー(b6)は、一般に、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、0.5〜35重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲内で使用するのが適している。
また、その他の重合性不飽和モノマー(b)は、水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)における重合段階又は貯蔵段階における粒子の安定性を確保するために、水酸基含有(メタ)アクリレートを含んでなることもできる。水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、前記で例示したものが挙げられ、その使用割合は、一般に、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計量を基準にして、1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは1〜10重量%の範囲内とすることができる。
水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)
本発明において、上記モノマー混合物(I)は、脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を必須成分として含有してなり、さらに、実質的に重合性不飽和基を含有しない化合物を含有することもでき、これにより、水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)粒子が、該化合物を内包することもできる。
かかる実質的に重合性不飽和基を含有しない化合物としては、例えば、紫外線吸収剤、紫外線安定剤及び金属ドライヤー等の塗料用添加剤;イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、メラミンなどの硬化剤;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、ポリオルガノシロキサン等の樹脂;顔料、染料等の着色剤等を挙げることができる。
上記モノマー混合物(I)は、水性媒体に微分散するに際して、必要に応じて、乳化剤を併用してもよい。該乳化剤としては、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が好適であり、該アニオン性乳化剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸などのナトリウム塩やアンモニウム塩が挙げられ、また、ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
また、1分子中にアニオン性基とポリオキシエチレン基やポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基含有アニオン性乳化剤や、1分子中に該アニオン性基と重合性不飽和基とを有する反応性アニオン性乳化剤を使用してもよい。
該乳化剤は使用される全モノマーの合計量を基準にして0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜12重量%の範囲内で使用することができる。
また、モノマー混合物(I)は、得られる水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)の分子量を調整する目的で、連鎖移動剤を含んでいてもよい。該連鎖移動剤としては、メルカプト基を有する化合物が包含され、具体的には例えば、ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルへキシル、2−メチル−5−tert−ブチルチオフェノール、メルカプトエタノ−ル、チオグリセロ−ル、メルカプト酢酸(チオグリコ−ル酸)、メルカプトプロピオネート、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。該連鎖移動剤の使用量は、一般に、全モノマーの合計量を基準にして、0.05〜10重量%、特に0.1〜5重量%の範囲内が好適である。
本発明における水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)は、上記脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)等により、重合段階においてモノマー(b)の拡散を抑制することができ、安定に製造されるものであるが、必要に応じてモノマー混合物(I)に、ヘキサデカン等の長鎖飽和炭化水素系溶剤、ヘキサデカノール等の長鎖アルコール系溶剤等の一般にミニエマルション重合で使用される疎水性有機溶剤を配合してもよい。
以上に述べたモノマー混合物(I)は水性媒体中に微分散させることにより脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を含有する粒子分散物であるモノマー乳化物(以下「モノマー乳化物」と略することがある)が形成せしめられる。
上記モノマー混合物(I)の水性媒体中における濃度は、形成されるモノマー乳化物の微粒化適性、重合段階における安定性、水性塗料に適用したときの実用性などの観点から、一般に、10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%の範囲内が好適である。
上記水性媒体としては、水、又は水を主体としてこれに水溶性有機溶媒などの有機溶媒を混合してなる水−有機溶媒混合溶液などを挙げることができる。
モノマー混合物(I)の水性媒体中への微分散は、通常、高エネルギーせん断能力を有する分散機を用いて行うことができる。その際に使用しうる該分散機としては、例えば、高圧乳化装置、超音波乳化機、高圧コロイドミル、高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの分散機は、通常、10〜1000MPa、好ましくは50〜300MPa程度の高圧下で操作することができる。また、該機械にて分散を行う前に、該モノマー混合物(I)をあらかじめディスパー等で予備乳化してもよい。
モノマー混合物(I)を上記手法により水性媒体中に微分散させることにより得られるモノマー乳化物中の分散粒子の平均粒子径は、形成塗膜の透明性、耐水性等の点から、500nm以下、好ましくは80〜400nm、さらに好ましくは100〜300nmの範囲内が適している。平均粒子径が500nmを超えると、形成塗膜の仕上がり性、貯蔵安定性が劣り、実用性が低下するので好ましくない。
尚、本明細書において、平均粒子径は「SALD−3100」(商品名、島津製作所社製、レーザー回折式粒度分布測定装置)にて、試料を脱イオン水にて希釈して、20℃にして測定した時の値であり、また、微粒化されたモノマー混合物(I)の乳化物又は樹脂分散体の平均粒子径の測定は、それぞれ製造後30分経過した時点で行うものとする。
かくして得られるモノマー乳化物の重合は、例えば、ミニエマルション重合法に従い、微分散後のモノマー乳化物を撹拌機を備えた反応器に全量仕込み、重合開始剤を添加し、攪拌しながら加熱することにより行うことができる。
上記重合開始剤としては、油溶性、水溶性のいずれのタイプのものであってもよく、油溶性の重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられ、また、水溶性の開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、 tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、 tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4'−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて用いることができる。また、上記重合開始剤に、必要に応じて、糖、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、鉄錯体等の還元剤を併用し、レドックス重合系としてもよい。
上記重合開始剤の使用量は、一般に、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、0.1〜5重量%、特に0.2〜3重量%の範囲内が好ましい。該重合開始剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、その種類や量などに応じて適宜選択することができる。例えば、予めモノマー混合物(I)又は水性媒体に含ませてもよく、或いは重合時に一括して添加してもよく又は滴下してもよい。
本発明においては、得られる水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)の粒子の機械的安定性を向上させるために、該水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)が酸性基を有する場合には、これを中和剤により中和することが望ましい。該中和剤としては、酸性基を中和できるものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール、トリエチルアミン、アンモニア水などが挙げられ、これらの中和剤は、中和後の水性樹脂分散体のpHが6.5〜9.0程度となるような量で用いることが望ましい。
上記水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)は、水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の耐候性、耐水性及び仕上がり性の点から、一般に、1万〜50万、特に3〜20万の範囲内の重量平均分子量を有することが望ましい。ここで、重量平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィにより測定した分子量をポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。該ゲルパーミュエーションクロマトグラフィに用いるカラムとしては、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製)を挙げることができる。
上記水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)において、分散樹脂の平均粒子径は、分散樹脂の平均粒子径が500nm以下、特に100〜300nmの範囲内にすることができる。
上記製造方法により得られる水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)は、安定に製造でき、該樹脂分散体(A)を含む水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜は造膜性に優れ、良好な仕上がり性、耐水性を有することができる。
水性ポリウレタン樹脂(B)
本発明において水性ポリウレタン樹脂(B)は、従来公知のものが制限なく使用でき、ポリイソシアネ−ト、ポリオ−ル及びカルボキシル基を有するポリオールを反応させることにより得られるウレタンプレポリマーを水性媒体中に分散させることにより得られる樹脂を挙げることができる。
ポリイソシアネ−トとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、3,3´−ジクロロ−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオールとしては、低分子量グリコール類、高分子量グリコール類等が挙げられ、これらはそれぞれ単独に用いてもよく又は2種以上混合して使用してもよい。
上記低分子量グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、オクタンジオール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、1,6ヘキサンジオール等が挙げられる。
上記高分子量グリコール類としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテリポリオール;グリコール成分とジカルボン酸成分を反応させた化合物、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環反応によって得られるポリエステルジオールおよびこれらの共縮合ポリエステル等のポリエステルポリオール;ポリカーボネートポリオール;等が挙げられる。
カルボキシル基を有するポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸およびこれを縮合したポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオール等が挙げられる。また、該カルボキシル基を有するポリオールは、12−ヒドロキシステアリン酸、パラオキシ安息香酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸と併用してもよい。
上記成分の配合割合は、特に制限されるものではないが、例えば、イソシアネ−ト基/水酸基の当量比が1.1〜1.9の範囲内となるように配合することが望ましい。ウレタンプレポリマーの合成反応は、従来公知の方法に基づいて行なうことができる。
上記ウレタンプレポリマーを水性媒体に分散させる際には、必要に応じてウレタンプレポリマーに加えて鎖伸長剤、中和剤及び乳化剤を配合することができる。
鎖伸長剤としては、活性水素原子を1分子当り少なくとも2個有する化合物が適しており、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、グリセリン等のポリオール類;ヒドラジン、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン等のヒドラジン類などが挙げられる。
中和剤としては、カルボキシル基を中和することができるものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル2−アミノ−1−プロパノール、トリエチルアミン、アンモニア等が挙げられる。中和剤は、ウレタンプレポリマーに加えてカルボキシル基をあらかじめ中和しておいてもよいし、或いは水性媒体に加えておいて分散と同時に中和するようにしてもよい。中和剤はカルボキシル基1当量に対して、通常0.5〜2.0当量、好ましくは0.7〜1.3当量となるような割合で、使用することが好ましい。
乳化剤としては、上記水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)の説明で列記したものと同様のものを使用することができる。
上記のようにして得られた水性ポリウレタン樹脂(B)は、必要に応じてそれ自体既知の方法によって脱溶剤してもよい。
本発明において、水性ウレタン樹脂(B)は、本発明の水性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の防食性の点から分子中に架橋官能性基を有する樹脂であることが望ましく、架橋官能性基としては、カルボニル基、ヒドラジン基、水酸基、アミノ基等が挙げられ、中でもヒドラジン基、カルボニル基が好適である。
ヒドラジン基を有する水性ポリウレタン樹脂としては、例えば、上記プレポリマーを鎖伸長剤としてのヒドラジン類と共に水性媒体中に分散することにより得ることができる。水性ポリウレタン樹脂(B)がヒドラジン基を有することにより、形成塗膜の低温物性、防食性が向上し、また、上記水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)がカルボニル基を有する場合などに、該カルボニル基と成膜時に反応し、形成塗膜に架橋構造を導入することができるものである。
本発明において水性ポリウレタン樹脂(B)として使用しうるカルボニル基を有する水性ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとカルボキシル基を有するポリオールとカルボニル基を有するアルコールを反応させることにより得られるウレタンプレポリマーを水性媒体中に分散することにより得ることができる。
上記ポリイソシアネート、ポリオール及びカルボキシル基を有するポリオールは、前述したものを同様に使用することができる。
他方、カルボニル基を有するアルコールとしては、例えば、ダイアセトンアルコール、4−ヒドロキシ−2ブタノンヒドロキシアセトン等が挙げられる。
上記のようにして得られるカルボニル基を有する水性ポリウレタン樹脂に含まれるカルボニル基の含有量は、一般に、樹脂固形分100グラム当り0.005〜0.3モル、好ましくは0.01〜0.2モルの範囲内にあることが好ましい。
水性ポリウレタン樹脂(B)がカルボニル基を有することにより、形成塗膜の防食性が向上し、また、水性樹脂組成物が後述のヒドラジン誘導体を含有する場合において、該ヒドラジン基と成膜時に反応し、形成塗膜に架橋構造を導入することができるものである。
水性樹脂組成物
本発明の水性樹脂組成物は、上記水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)及び水性ポリウレタン樹脂(B)を基体樹脂成分として含有するものであり、その配合割合は厳密に制限されるものではなく、該樹脂組成物の用途等に応じて変えることができるが、水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)と水性ポリウレタン樹脂(B)は、樹脂(A)/樹脂(B)の固形分重量比で、一般に10/90〜99/1の範囲内とすることができ、好ましくは30/70〜90/10の範囲内とすることができる。上記の樹脂(A)/樹脂(B)の固形分重量比が10/90より小さいと、形成塗膜の仕上がり性、耐候性、耐水性が劣ることがあり、また、塗装する場合においてタレやすくなるなど塗装作業性が不十分になることがあり、他方99/1を超えると、形成塗膜の強靭性、特に低温での柔軟性(伸び率)を確保することが困難になることがある。
本発明の水性樹脂組成物においては、これに加えてさらに、ヒドラジン誘導体を含むことが望ましい。該誘導体としては、具体的には、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の2〜18個の炭素原子を有する飽和カルボン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジドまたはイソフタル酸ジヒドラジド、ピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジドまたはテトラヒドラジド;ニトリロトリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド;カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジンまたはヒドラジン水化物(ヒドラジンヒドラード)と反応させてなるポリヒドラジド;炭酸ジヒドラジド等のヒドラジド基を有する化合物;ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート及びそれにより誘導されるポリイソシアネート化合物にN,N−ジメチルヒドラジン等のN,N−置換ヒドラジンや上記例示のヒドラジドを過剰に反応させて得られる多官能セミカルバジド;該ポリイソシアネート化合物とポリエーテルとポリオール類やポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類等の親水性基を含む活性水素化合物との反応物中のイソシアネート基に上記例示のジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド;該多官能セミカルバジドと水系多官能セミカルバジドとの混合物等のセミカルバジド基を有する化合物、ビスアセチルジヒドラゾン等のヒドラゾン基を有する化合物等が挙げられる。
上記ヒドラジン誘導体を含有せしめることにより、形成塗膜が空気中の有害物質、例えばホルムアルデヒドを吸着除去することが可能となり有用であり、また、水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)及び/又は水性ウレタン樹脂(B)がカルボニル基を有する場合には、架橋のための架橋剤として作用することができる。
上記ヒドラジン誘導体の配合量は、水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)及び水性ウレタン樹脂(B)の合計の樹脂固形分を基準にして、0.001〜10重量%、特に0.02〜5重量%の範囲内が望ましい。
また、上記水性樹脂組成物は、酸化硬化を促進させるための触媒として金属ドライヤーを含有することもできる。かかる金属ドライヤーとしては、例えば、アルミニウム、カルシウム、セリウム、コバルト、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、ジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と酸との塩が挙げられ、該酸としては、例えば、カプリン酸、カプリル酸、イソデカン酸、リノレン酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、オクテン酸、オレイン酸、パルミチン酸、樹脂酸、リシノール酸、大豆油脂肪酸、ステアリン酸、トール油脂肪酸等が挙げられる。
上記金属ドライヤーの配合量は、水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)及び水性ウレタン樹脂(B)の合計の樹脂固形分を基準にして、0.001〜10重量%、特に0.02〜5重量%の範囲内が望ましい。
上記水性樹脂組成物は、必要に応じて、水溶性あるいはエマルション型のアクリル樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂等の樹脂;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子;シェラック、ロジン等の天然樹脂;等の改質樹脂;イソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂等の硬化剤;湿潤剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、有機溶剤、増粘剤、防腐剤、防かび剤、pH調整剤、硬化触媒、表面調整剤などを適宜選択し組合わせて含有することができる。
かくして、上記水性樹脂組成物は、建築用、自動車外板用、自動車部品用、自動車補修用、PCM用等の塗料用途や印刷インキ等の被覆材、塗料用添加剤、不織布用等の接合剤、接着剤、充填剤、成形材料、レジスト等の種々の用途に使用することができる。
水性塗料組成物
本発明の水性塗料組成物は、以上に述べた水性樹脂組成物を含んでなるものである。
上記水性樹脂組成物を水性塗料組成物に適用した場合においては、クリヤー塗料、エナメル塗料のいずれにも適用できる。
エナメル塗料として適用する場合には、顔料分として、従来公知の着色顔料,光輝性顔料、体質顔料、防錆顔料等を配合することができる。
また、上記水性塗料組成物は、亜硝酸塩、フィチン酸塩、タンニン酸塩、リン酸塩及びポリアミン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することが望ましい。亜硝酸塩としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸アンモニウムなどが挙げられ、フィチン酸塩としては、例えば、フィチン酸ナトリウム、フィチン酸カリウムなどが挙げられ、タンニン酸塩としては、例えば、タンニン酸ナトリウム、タンニン酸カリウム等が挙げられ、ポリアミン化合物としては、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、及びこれらのアルカリ金属塩;モノアルキルアミンやポリアミン、第四級アンモニウムイオンなどをトリポリリン酸二水素アルミニウムなどの層状りん酸塩にインターカレートしてなる層間化合物等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記化合物の配合量は、水性脂肪酸変性樹脂分散体(A)及び水性ウレタン樹脂(B)の合計の樹脂固形分を基準にして、0.001〜10重量%、特に0.02〜5重量%の範囲内が望ましい。
上記水性塗料組成物においては、上記成分の他に顔料分散剤、界面活性剤、表面調整剤、可塑剤、沈降防止剤、帯電防止剤、抗菌剤、香料、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、硬化触媒、分散剤、消泡剤、増粘剤、造膜助剤、防腐剤、防カビ剤、凍結防止剤、pH調整剤、フラッシュラスト抑止剤、アルデヒド捕捉剤、層状粘度鉱物、粉状もしくは微粒子状の活性炭、光触媒酸化チタン等の添加剤を適宣選択し組み合わせて含有することができる。
上記水性塗料組成物の塗装は、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、静電塗装などの方法を用いて行うことができる。また、乾燥方法としては、加熱乾燥、強制乾燥、常温乾燥のいずれであってもよい。本明細書では、40℃未満の乾燥条件を常温乾燥とし、40℃以上で且つ80℃未満の乾燥条件を強制乾燥とし、80℃以上の乾燥条件を加熱乾燥とする。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」である。
脂肪酸変性重合性不飽和モノマーの製造
製造例1
反応容器に下記の成分を入れ、攪拌しながら反応温度140℃、5時間で反応させ、脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a−1)を得た。
サフラワー油脂肪酸 280部
グリシジルメタクリレート 142部。
製造例2
反応させる成分を下記のものに変更する以外は製造例1と同様にして、脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a−2)を得た。
亜麻仁油脂肪酸 280部
グリシジルメタクリレート 142部。
製造例3
水性脂肪酸変性樹脂分散体の製造
ガラスビーカーに下記成分を入れ、ディスパーにて2000rpmで15分間攪拌し、予備乳化液を製造した後、この予備乳化液を、高圧エネルギーを加えて流体同士を衝突させる高圧乳化装置にて100MPaで高圧処理することにより、分散粒子の平均粒子径が190nmのモノマー乳化物を得た。
モノマー乳化物組成
脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a−1) 30.15部
スチレン 15部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 4.5部
i―ブチルメタクリレート 20.35部
t−ブチルメタクリレート 20部
2−エチルヘキシルアクリレート 8部
メタクリル酸 2部
n−オクチル−3‐メルカプトプロピオネート 0.3部
「Newcol707SF」(注1) 10部
脱イオン水 85部
次いで上記モノマー乳化物をフラスコへ移し、脱イオン水にて固形分濃度が45%となるように希釈した。その後85℃まで昇温させ、「VA−086」(注2)2部を脱イオン水10部に溶解させた開始剤水溶液をフラスコに投入し、該温度を保持しながら3時間攪拌した。その後、「VA−086」(注2)0.5部を脱イオン水10部に溶解させた開始剤水溶液をフラスコに添加し、該温度を保持しながら1時間攪拌した後40℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノールでpHを8.0に調整し、固形分濃度40%、分散樹脂の平均粒子径が185nmの水性樹脂分散体(I−1)を得た。
(注1)「Newcol707SF」:商品名、日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性乳化剤、有効成分30%、
(注2)「VA−086」:商品名、和光純薬社製、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]。
製造例4〜6
モノマー乳化物の配合組成を表1に記載のとおりに変更する以外は上記製造例3と同様にして、水性脂肪酸変性樹脂分散体(I−2)〜(I−4)を得た。
Figure 0004608259
製造例7
脱イオン水36部、「Newcol707SF」0.36部の入ったフラスコを、窒素置換後、80℃まで加温した。内液を80℃に維持しながら0.1部の過硫酸アンモニウムを加えてから下記組成の単量体エマルションを3時間にわたって滴下した。
脱イオン水 52.4部
スチレン 15部
メチルメタクリレート 40部
n−ブチルアクリレート 40部
メタクリル酸 2部
ダイアセトンアクリルアミド 3部
「Newcol707SF」 10部
過硫酸アンモニウム 0.2部
滴下終了後30分より、30分間0.1部の過硫酸アンモニウムを1部の脱イオン水に溶かした溶液を滴下し、さらに2時間80℃に保った。ジメチルアミノエタノールでpHを8.0に調整し、固形分濃度50%、重量平均分子量15万、ガラス転移温度20.0℃の平均粒子径が185nmの水性樹脂分散体(I−5)を得た。
水性ウレタン樹脂の製造
製造例8
2リットルの4つ口フラスコにメチルエチルケトン268.3部、ポリプロピレングリコール(分子量2000)260部、ジメチロールプロピオン酸26.5部、イソホロンジイソシアネート116部を入れ、攪拌しながら乾燥窒素を封入し、70℃まで昇温し、1時間その温度を保持した後、さらに80℃で6時間反応を行った。その後、30℃まで冷却し、ウレタンプレポリマー溶液を得た。このウレタンプレポリマー溶液をあらかじめ2リットルの4つ口フラスコ中に7.8部の80%ヒドラジン水溶液とトリエチルアミン21部を脱イオン水764部に溶解させたアミン水溶液中に、攪拌しながら、徐々に注ぎ込み生成物を得た。これを50℃に昇温し、減圧して溶剤を除去し、脱イオン水を加えて濃度を調整し、固形分35.4%、pH8.4、酸価34の半透明なヒドラジン基を有する水性ウレタン樹脂(B−1)を得た。
製造例9
2リットルの4つ口フラスコにメチルエチルケトン396部、ポリプロピレングリコール(分子量2000)333.3部、ジメチロールプロピオン酸67部、1,6ヘキサンジオール19.7部、イソホロンジイソシアネート296部を入れ、攪拌しながら乾燥窒素を封入し、70℃まで昇温し、1時間その温度を保持した後、さらに80℃で2時間反応を行った。その後、ダイアセトンアルコール19.3部を30分かけて滴下し、さらに80℃で4時間反応を行った。その後30℃まで冷却し、ウレタンプレポリマー溶液を得た。このウレタンプレポリマー溶液をあらかじめ2リットルの4つ口フラスコ中に11.8部のトリエチルアミンと10部のピペラジンを脱イオン水868部に溶解させたアミン水溶液中に、攪拌しながら、徐々に注ぎ込み生成物を得た。これを50℃に昇温し、減圧して溶剤を除去し、脱イオン水を加えて濃度を調整し、固形分30.2%、pH8.5、酸価36の半透明なカルボニル基を有する水性ウレタン樹脂(B−2)を得た。
水性塗料組成物の製造
実施例1〜7及び比較例1〜2
容器に表2に記載の組成(A)に示される各成分を順次仕込み、ディスパーで30分間均一になるまで攪拌を続け、各顔料ペーストを得た。その後、該各顔料ペーストに表2記載の各水性樹脂分散体を仕込み、さらに表2に記載の組成(B)に示す各成分を順次添加し、各水性塗料組成物を得た。ついで、各水性塗料組成物を下記基準にて評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004608259
(注3)「スラオフ72N」:商品名、武田薬品工業(株)製、防腐剤
(注4)「ノプコサントK」:商品名、サンノプコ社製、顔料分散剤
(注5)「アデカノールUH−438」:商品名、アデカ社製、増粘剤
(注6)「チタン白JR−600A」:商品名、テイカ社製、チタン白、比重4.1
(注7)「SNデフォーマー380」:商品名、サンノプコ社製、消泡剤
(注8)「レザミンD−6300」:商品名、大日精化工業社製、ウレタンディスパージョン(カルボニル基及びヒドラジン基を有しない)、固形分30%
(注9)「DICNATE1000W」:商品名、大日本インキ社製、金属ドライヤー、Co含有率3.6%
(注10)「TEXANOL」:商品名、イーストマンケミカル社製、2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、造膜助剤。
(*1)硬化性
各水性塗料組成物を離型紙に膜厚が20μmになるように塗布し、1週間乾燥させた後、遊離塗膜を20℃のアセトン溶剤に入れ、24時間抽出した後の塗膜の残存率(%)を調べた。値が高い程硬化性が良好であることを示す。
(*2)肉持ち感
各水性塗料組成物を6ミルドクターブレードを用いてガラス板に塗装し、気温20℃、相対湿度60%の条件下で乾燥させて各試験塗板を得た。1日後に塗膜外観を目視にて評価した。
○: 肉持ち感に優れる。
△: 肉持ち感に乏しい。
(*3)光沢
上記(2)と同様にして得た試験塗板の60度グロスを測定した。値が大きい程光沢が良好であることを示す。
(*4)耐水性
JIS K 5410に規定する鋼板(150×70×0.8mm)をキシレンにて脱脂し、その上に、各水性塗料組成物を上水で約70KUに希釈して刷毛にて塗布量が150g/mとなるようにして塗装し、気温20℃、相対湿度60%の条件下で1週間乾燥させて各試験塗板を得た。各試験塗板を、JIS K 5400の8.19に準じて耐水性試験(96時間浸漬)に供した。試験後の各塗面を下記基準で評価した。
○:割れ、はがれがなく、また光沢保持率が70%以上である。
△:割れ、はが又は光沢保持率70%未満の内、少なくとも1つが発生。
(*5)初期耐水性
JIS K 5410に規定する鋼板(150×70×0.8mm)をキシレンにて脱脂し、その上に、各水性塗料組成物を上水で約70KUに希釈して刷毛にて塗布量が150g/mとなるようにして塗装し、気温20℃、相対湿度60%の条件下で1時間乾燥させ各試験塗板を得た。各試験板を10分間没水して塗膜外観を目視評価した。
○:ややツヤビケまたはフクレが見られるものの実用上問題ない。
△:フクレが大きいか多数見られるまたは一部塗膜溶出が見られる。
×:塗膜溶出が著しい
(*6)防食性
素材としてJIS K 5410に規定する鋼板(150×70×0.8mm)をキシレンにて脱脂したものを使用し、これに各水性塗料組成物を上水で約70KUに希釈し、刷毛にて塗付量100g/mとなるようにして塗装した。さらに乾燥1日後に2回目の塗装を1回目と同様に行ない、気温20℃、相対湿度60%の条件下で7日乾燥させて各試験塗板を作成した。各試験塗板をJIS K 5621に規定されている耐複合サイクル防食性試験に36サイクル供して、その塗膜面を下記基準で評価した。
○:塗膜にさびが全く認められない、
△:塗膜に微小であるがさびが認められる、
×:塗膜の全面にさびが認められる。
(*7)促進耐候性
防食性試験用と同様に作成した各試験塗板を、JIS K 5400の9.8.1(サンシャインカーボンアーク灯式)の促進耐候性試験に準じて、1000時間照射した後、各塗板面をJIS K 5400の9.6白亜化度によって評価した。点数が低いほど白亜化が進んでいることを示す。
(*8)低温での伸び性
「アレスゴムタイルラフ」(関西ペイント株式会社製、外装用厚付用主剤)を2mmブレードでひき塗りした板上に、24時間後、各塗料をそれぞれ100g/mになるように刷毛で塗装した。さらに2時間後、同様に同じ塗料で塗り重ねた。その後JIS A 6909の規格に準じて養生し、2号ダンベルで打ち抜いたものを試験片とし、−10℃で伸び試験を行なった。

Claims (7)

  1. (A)脂肪酸変性重合性不飽和モノマー(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を含み、その他の重合性不飽和モノマー(b)が、その少なくとも一部として、炭素数が6以上の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー(b3)を、モノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、1〜30重量%含んでなるモノマー混合物(I)を水性媒体中に平均粒子径が500nm以下になるように微分散させ、得られるモノマー乳化物を重合することにより製造される水性脂肪酸変性樹脂分散体及び(B)水性ウレタン樹脂を含有し、樹脂(A)及び樹脂(B)の配合割合が、固形分重量比で10/90〜99/1の範囲内にあることを特徴とする水性樹脂組成物。
  2. その他の重合性不飽和モノマー(b)が、その少なくとも一部として、シクロアルキル基含有重合性不飽和モノマー(b4)をモノマー(a)及びモノマー(b)の合計重量を基準にして、1〜70重量%含んでなる請求項1に記載の水性樹脂組成物。
  3. 水性ウレタン樹脂が、カルボニル基又はヒドラジン基を有するものである請求項1又は2に記載の水性樹脂組成物。
  4. ヒドラジン誘導体をさらに含有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の水性樹脂組成物を含む水性塗料組成物。
  6. 被塗面に、請求項に記載の水性塗料組成物を塗装することを特徴とする塗膜形成方法。
  7. 請求項に記載の塗膜形成方法により得られる塗装物品。
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