JPH08157770A - 木材塗装用水性塗料組成物 - Google Patents

木材塗装用水性塗料組成物

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JPH08157770A
JPH08157770A JP25868295A JP25868295A JPH08157770A JP H08157770 A JPH08157770 A JP H08157770A JP 25868295 A JP25868295 A JP 25868295A JP 25868295 A JP25868295 A JP 25868295A JP H08157770 A JPH08157770 A JP H08157770A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家具、住器、フロアー等の、木工・建材の用
途分野で耐擦傷性、耐水性、耐クラック性に優れた木材
塗装用水性塗料組成物を提供する。 【解決手段】 分子末端のラジカル重合性不飽和基と、
分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基およびトリ
エチルアミンの如き三級アミンによって塩形成した陰イ
オン性親水基(カルボン酸基)とを有し、かつこの分子
主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基の数が数平均分
子量1000あたり0.1〜1.2個であり、且つ分子
中に存在するすべてのラジカル重合性不飽和基の数が数
平均分子量1000あたり0.6〜6個である水溶性ま
たは水分散性活性エネルギー線硬化型ポリウレタン樹脂
(A)を水性媒体中に水溶化または水分散化した木材塗
装用水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る水溶性または水分散性活性エネルギー線硬化型樹脂
(以下、水性活性エネルギー線硬化型樹脂と略する。)
を含有し、クリヤー塗料または着色塗料に適した木材塗
装用水性塗料組成物に関する。さらに詳細には、本発明
の木材塗装用水性塗料組成物は、家具、住器、フロアー
等の木工・建材用途に適した、電子線や紫外線などの、
いわゆる活性エネルギー線により硬化可能なクリヤーま
たは着色水性塗料組成物である。
【0002】
【従来の技術】環境汚染の低減や作業環境の改良を目的
に、建築用、自動車用など各塗料分野において、水性化
要求は強く、一部の分野において熱硬化型水性塗料の実
用化が進んでいる。しかし、木工・建材分野において
は、基材の特性上加熱することが困難であることから、
熱硬化型水性塗料を応用することが不可能に近い。この
ため、高温加熱を必要とせず、省エネルギーであること
から、水性化された活性エネルギー線硬化型塗料は、非
常に有効であると考えられている。
【0003】しかし、塗装対象が寒暖、乾湿等によって
変形がある天然素材であるため、塗装の際に或いは塗装
後の塗膜がこのような被塗装材の変化に追従できるこ
と、さらに塗膜硬度、耐擦傷性、耐水性、耐クラック性
に優れる等の諸性能が要求されることから、従来使用さ
れていた溶剤系塗料に匹敵する物性・塗装適性を有する
木材塗装用の活性エネルギー線硬化型水性塗料は、未だ
見い出されていない。特に、近年一般住宅においても床
材をフローリング加工するなど、木工・建材分野におけ
る拡大はめざましいものがある。このためフロアー用途
では、塗膜の耐擦傷性、耐水性、耐クラック性等に対し
より高いレベルが要求されるが、この高い要求をも満た
す活性エネルギー線硬化型水性塗料がないのが現状であ
る。
【0004】一方、着色塗料についても同様に水性化要
求は強く、一部では水性着色塗料が実用化されている。
しかし、従来の水性着色塗料では水による再溶解性が困
難な熱硬化型の樹脂を使用している為、塗装作業中に着
色剤が硬化し、目詰り性、ワイピング性(拭き取り性)
等の作業性の低下、及び塗装機器の洗浄性の悪化が発生
しがちである。また、セルロース誘導体、ポリビニルア
ルコール等の水溶性高分子を使用した場合は、この点で
は良好であるが、耐水性、耐クラック性、基材及び上層
塗膜との密着性等、造膜時の諸性能に問題が有り、有用
とは言い難い。つまり、塗装適性等の作業性に優れかつ
造膜時の諸性能が良好な水性着色塗料は、非常に有効で
あると考えられるが、ほとんど見い出されていないのが
現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前述し
たような状況に鑑み、塗装後の塗膜に前記したような諸
物性を必要とする木材に対して適用可能であって、しか
も、従来の溶剤系塗料に匹敵する塗装適性を有する水性
活性エネルギー線硬化型塗料について鋭意検討していた
が、木材塗装用塗料に使用する水性活性エネルギー線硬
化型樹脂として、分子末端のラジカル重合性不飽和基
と、分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基および
三級アミンによって塩形成した陰イオン性親水基とを併
せ有する水溶性または水分散性活性エネルギー線硬化型
ポリウレタン樹脂を含有する水性塗料を使用したとき、
活性エネルギー線によって得られた硬化塗膜が木材塗装
に好適な塗膜であり、しかも該塗膜が格段に優れた耐水
性と硬化性を有すること、一方木材塗装用着色塗料にお
いては、該ポリウレタン樹脂を使用したとき、活性エネ
ルギー線によって得られた硬化塗膜が優れた密着性と耐
水性を有すること、しかも塗装時・塗装後において、ワ
イピング性、洗浄性等の作業性が従来の水性着色塗料と
比較して格段に向上することを見い出し、本発明に到達
した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、分
子末端のラジカル重合性不飽和基と、分子主鎖に懸吊す
るラジカル重合性不飽和基および三級アミンによって塩
形成した陰イオン性親水基とを併せ有する水溶性または
水分散性活性エネルギー線硬化型ポリウレタン樹脂
(A)を水性媒体中に水溶化または水分散化することを
特徴とする木材塗装用水性塗料組成物に関する。
【0007】更に、本発明は、該ポリウレタン樹脂
(A)と共に、分子中にラジカル重合性不飽和基を含有
しない水溶性または水分散性のポリウレタン樹脂(B)
および/または、無機色材または有機色材(C)を水性
媒体中に水溶化または水分散化したものであることを特
徴とする木材塗装用水性塗料組成物に関する。
【0008】前記した水溶性または水分散性活性エネル
ギー硬化型ポリウレタン樹脂の製造方法としては、分子
末端のラジカル重合性不飽和基と、分子主鎖に懸吊する
ラジカル重合性不飽和基および三級アミンによって塩形
成した陰イオン性親水基とを併せ有する水性ポリウレタ
ン樹脂を得る方法であれば何れの方法でもよく、例えば
イソシアネート基、水酸基、エポキシ基及びアジリジニ
ル基の群より選ばれる一種の官能基とラジカル重合性不
飽和二重結合とを併せ有する化合物(1)と、該官能基
と反応し得る官能基を有し且つポリマー中にラジカル重
合性不飽和基、陰イオン性親水基及びウレタン結合を有
するポリマー(2)とを反応させ、ついで該ポリマー中
にある陰イオン性親水基を三級アミンで中和して塩を形
成させる方法がある。
【0009】イソシアネート基、水酸基、エポキシ基及
びアジリジニル基の群より選ばれる一種の官能基とラジ
カル重合性不飽和二重結合とを併せ有する化合物(1)
(以下、「化合物1」という)としては、具体的にイソ
シアネートエチルメタアクリレートもしくはアクリレー
ト(以下、(メタ)アクリレートと略記する。);2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、アリルセロソルブ、N−メチロールアクリル
アミド、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアク
リレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジア
クリレート、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド
変性フタル酸モノメタクリレート、トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロー
ルメタクリレートアクリレート、グリセロール(メタ)
アクリレートアルキレート、グリセロール(メタ)アク
リレートアルケニレート、ビス(アクリロキシエチル)
モノヒドロキシエチルイソシアヌレートの如きモノヒド
ロキシ不飽和化合物類;メチルグリシジルエーテル、ブ
チルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリ
シジルエーテル、バーサチック酸10のグリシジルエス
テル(シェル化学製カージュラE10)などのモノエポ
キシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加物によるモノ
ヒドロキシ不飽和化合物類;エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのエポキシ
モノマーを(メタ)アクリル酸を開始種として開環重合
させて得たポリオキシエチレングリコール(n=2〜
9)モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン
グリコール(n=5〜12)モノ(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシエチレングリコール(n=7)ポリオキ
シプロピレングリコール(m=3)モノメタアクリレー
ト、ポリオキシエチレングリコール(n=10)ポリオ
キシテトラメチレングリコール(m=5)モノメタアク
リレート、ポリオキシプロピレングリコール(n=15
〜18)ポリオキシテトラメチレングリコール(m=5
〜8)モノメタアクリレート等の如きモノヒドロキシ不
飽和化合物類;前記モノヒドロキシ化合物を開始種とし
てε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクト
ン等のラクトンモノマーを開環重合させることによって
得たモノヒドロキシ不飽和化合物類が挙げられる。また
商品としては、ダイセル化学工業製のプラクセルFMシ
リーズ(ラクトン変性ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト)、及びプラクセルFAシリーズ(ラクトン変性ヒド
ロキシエチルアクリレート);前記モノヒドロキシ不飽
和化合物類と、後述の多価イソシアネートとを1分子中
に1個のイソシアネート基が残存するように反応せしめ
たモノイソシアネート不飽和化合物;グリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル;2−
(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリレート等を
挙げることができる。イソシアネート基、水酸基、エポ
キシ基またはアジリジニル基を有する前記の不飽和化合
物の個々の群毎に単独または2種以上を併用しても差し
支えない。
【0010】また、前記した化合物1が有する官能基
(イソシアネート基、水酸基、エポキシ基およびアジリ
ジニル基の群より選ばれる一種の官能基)と反応し得る
官能基を有し、且つまたラジカル重合性不飽和基、陰イ
オン性親水基及びウレタン結合をも有するポリマー
(2)としては、分子中に以下のような置換基を有する
ポリウレタン樹脂が挙げられる。即ち、イソシアネート
基と反応し得る官能基として水酸基;水酸基と反応し得
る官能基としてイソシアネート基;エポキシ基と反応し
得る官能基としてカルボキシル基;アジリジニル基と反
応し得る官能基としてカルボキシル基;等で例示される
水酸基、イソシアネート基もしくはカルボキシル基等の
各官能基のほか陰イオン性親水基とラジカル重合性不飽
和基を有するポリウレタン樹脂等である。
【0011】水酸基と陰イオン性親水基とラジカル重合
性不飽和基とを有するポリウレタン樹脂としては任意の
方法によって製造することができるが、例えばラジカル
重合性不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物と陰イオン性
親水基含有ポリヒドロキシ化合物とその他のポリヒドロ
キシ化合物とポリイソシアネート化合物とを前記ポリイ
ソシアネート化合物のイソシアネート当量に対し、前記
ポリヒドロキシ化合物の水酸基当量が過剰となるように
反応させて得ることができる。
【0012】またイソシアネート基と陰イオン性親水基
とラジカル重合性不飽和基とを有するポリウレタン樹脂
としては任意の方法によって製造することができるが、
例えば前記の水酸基と陰イオン性親水基とラジカル重合
性不飽和基を有するポリウレタン樹脂の製造の際に用い
た時と同様の原料を用い、前記ポリヒドロキシ化合物の
水酸基当量に対し前記ポリイソシアネート化合物のイソ
シアネート当量が過剰となるように反応させて得ること
ができる。
【0013】一方、カルボキシル基と陰イオン性親水基
とラジカル重合性不飽和基とを有するポリウレタン樹脂
としては任意の方法によって製造することができるが、
例えば前記の水酸基と陰イオン性親水基とラジカル重合
性不飽和基とを有するポリウレタン樹脂の水酸基に無水
マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸等の酸無
水物を付加させることにより調製することができる。
【0014】前記したラジカル重合性不飽和基含有ポリ
ヒドロキシ化合物は、ポリウレタン樹脂の分子主鎖に懸
吊するラジカル重合性不飽和基を導入するために使用さ
れるもので、1分子中に1個以上のラジカル重合性不飽
和基と2個以上の水酸基を併せ有する化合物であり、例
えば、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモ
ノメタクリレート、グリセロールモノアリレート等の化
合物が挙げられる。またラジカル重合性不飽和基含有ポ
リヒドロキシ化合物は、ジエタノールアミンや2−ヒド
ロキシメチルアミノエタノールの如き分子中に1個の2
級アミノ基と2個の水酸基を有する化合物の2級アミノ
基に、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエ
チルアクリレートの1:1モル付加化合物の如き分子中
にイソシアネート基とラジカル重合性不飽和基を併せ有
する化合物のイソシアネート基を反応させることによっ
ても得ることができる。また、エチレングリコールジグ
リシジルエーテルのジアクリル酸エステル、ジエチレン
グリコールジグリシジルエーテルのジアクリル酸エステ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテルのジメタ
アクリル酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテルのジアクリル酸エステル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテルのジアクリル酸エステル
等の化合物もラジカル重合性不飽和基と水酸基がそれぞ
れ2官能性であり、使用可能である。以上列挙したこれ
らのラジカル重合性不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物
は、単独あるいは2種以上の併用でもよい。
【0015】また前記の陰イオン性親水基含有ポリヒド
ロキシ化合物は、ポリウレタン樹脂に陰イオン性親水基
を導入するために使用されるもので、例えば、2,2−
ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酢
酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、あるいは、トリ
オール化合物と酸無水物化合物の反応によって得られる
半エステル化合物等のカルボキシル基含有ポリヒドロキ
シ化合物;ジメチルスルフォイソフタル酸ナトリウムと
グリコール類をグリコール類過剰の条件下でエステル交
換反応させることによって得られるスルフォネートジオ
ール化合物等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以
上併用してもよい。
【0016】更にラジカル重合性不飽和基や陰イオン性
親水基を含まないその他のポリヒドロキシ化合物として
は、一般のポリウレタン樹脂の製造に使用される公知の
ポリヒドロキシ化合物が挙げられる。例えば、エチレン
グリコール、1,2または1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリエチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプ
ロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオー
ル、ポリカーボネートポリオールなどがある。これらは
単独あるいは2種以上の併用でもよい。
【0017】本発明において使用されるポリイソシアネ
ート化合物としては、例えば、1,4−テトラメチレン
ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ノルボル
ナンジイソシアナトメチル、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシア
ナトメチル)シクロヘキサン、α,α,α’,α’−テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられ
る。これらを単独あるいは2種以上併用してもよい。
【0018】本発明におけるラジカル重合性不飽和基お
よび陰イオン性親水基を含有するポリウレタン樹脂の製
造の代表例としては、一般のポリウレタン樹脂と同様の
公知の方法による製造例が挙げられる。すなわち、ラジ
カル重合性不飽和基含有ポリヒドロキシ化合物、陰イオ
ン性親水基含有ポリヒドロキシ化合物、これらラジカル
重合性不飽和基や陰イオン性親水基を含まないその他の
ポリヒドロキシ化合物からなるポリオール成分とポリイ
ソシアネート化合物とを反応させて分子主鎖にラジカル
重合性不飽和基および陰イオン性親水基を有するイソシ
アネート基末端ポリウレタン中間体を得た後、前記した
化合物1の説明の際に記載したモノヒドロキシ不飽和化
合物類を反応させて得る方法である。この際、反応系の
温度は通常50〜150℃であるが、ラジカル重合性不
飽和基の重合を防ぐため100℃以下が好ましく、必要
に応じて重合禁止剤、ウレタン化反応触媒を使用すると
よい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノ−t−
ブチルエーテル、フェノチアジン等があり、また、ウレ
タン化反応触媒としては、オクチル酸スズ、ジブチルス
ズジラウレート等の有機錫化合物がある。
【0019】ポリウレタン樹脂の製造には必要に応じて
有機溶剤を利用できる。これら有機溶剤としては、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン
等が挙げられる。
【0020】本発明のポリウレタン樹脂は必要に応じて
鎖伸長をおこなう。すなわち、ラジカル重合性不飽和基
および陰イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂の製造に
際し、遊離イソシアネート基を残存させておき、三級ア
ミンで塩形成して水溶化または水分散化を可能にする際
に同時に鎖伸長をおこなう。鎖伸長剤としては、水、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、プロピレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、
キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等がある。三
級アミンとしては、トリエチルアミン、N,N−ジメチ
ルブチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミ
ン、N,N−ジメチルアリルアミン、N−メチルジアリ
ルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N
−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノ
ールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、
N,N−ジエチルプロパノールアミン、N−メチルジエ
タノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−
ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ト
リイソプロパノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−
メチル−1−プロパノール、N−メチルモルフォリン、
N−エチルモルフォリン等が挙げられる。これらの三級
アミンは目的とする硬化物の特性に応じて、単独の使用
でも2種以上の併用でもよい。
【0021】尚、陰イオン性親水基含有ポリヒドロキシ
化合物の少なくとも一部としてカルボキシル基含有ポリ
ヒドロキシ化合物を用い、更にその他のポリヒドロキシ
化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得た
水酸基末端ポリウレタン中間体に前記の酸無水物を付加
させ、次いで前記した化合物1の説明の際に記載したエ
ポキシ基またはアジリジニル基を有する不飽和化合物を
適量付加させた後、三級アミンによって塩を形成する方
法によっても、本発明の水性活性エネルギー線硬化型樹
脂(A)を合成することができる。
【0022】分子末端のラジカル重合性不飽和基と、分
子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基および三級ア
ミンによって塩形成した陰イオン性親水基とを併せ有す
るポリウレタン樹脂の数平均分子量は、1000〜20
000とすることが好ましく、より望ましくは2000
〜10000である。
【0023】また木材に塗装した塗膜物性が極めて良好
で、かつそのバランスもより優れたものとするには、使
用するポリウレタン樹脂において、分子主鎖に懸吊する
ラジカル重合性不飽和基の数が該樹脂の数平均分子量1
000あたり0.1ないし1.2個の範囲にあり、且つ
前記ラジカル重合性不飽和基と分子末端のラジカル重合
性不飽和基との合計数が該樹脂の数平均分子量1000
当たり0.6ないし6個の範囲にあるものを用いること
が有効である。分子末端のラジカル重合性不飽和基と分
子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基との合計数が
前記必要範囲内の値であったとしても、分子主鎖に懸吊
するラジカル重合性不飽和基の数が該樹脂の数平均分子
量1000当たり0.1個未満のときは木材塗装用水性
塗料の硬化塗膜の架橋密度が充分に高くならず、塗膜の
耐水性、耐溶剤性、硬度等の実用的性能が十分となり難
い。一方、分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基
の数が該樹脂の数平均分子量1000あたり1.2個を
越えるときには、硬化塗膜の架橋密度が高まって硬化塗
膜が脆くなりやすい。また分子主鎖に懸吊するラジカル
重合性不飽和基の数が前記必要範囲内の値であっても、
分子末端のラジカル重合性不飽和基と分子主鎖に懸吊す
るラジカル重合性不飽和基との合計が該樹脂の数平均分
子量1000あたり0.6個未満のときは、木材塗装用
水性塗料の活性エネルギー線照射による硬化性が不十分
となり、望ましい塗料塗膜物性が得られ難い。また前記
合計値が該樹脂の数平均分子量1000当たり6個を越
えるときには硬化塗膜が脆くなりやすい。
【0024】本発明の必須成分である水性活性エネルギ
ー線硬化型樹脂においては、上記の如くポリウレタン樹
脂合成の際に有機溶剤を使用した場合は、第三級アミン
によって塩形成し水性化した後、通常、必要量を除去す
る。また、樹脂濃度は、希釈する水の量により各用途分
野に適した値となるように調節する。
【0025】また、かくして得られた本発明の水性活性
エネルギー線硬化型樹脂の陰イオン性親水基の濃度は、
陰イオン性親水基1グラム当量あたり、該樹脂の重量が
250〜5000グラムの範囲にあることが好ましい。
陰イオン性親水基の濃度がこの範囲を越えると、該樹脂
の水分散性が悪化して安定な水分散液が得られ難いし、
一方、陰イオン性親水基の濃度がこの範囲未満である
と、充分な耐水性が得られ難い。
【0026】本発明の木材塗装用水性塗料は本発明の水
性活性エネルギー線硬化型樹脂(A)と水とにより構成
されるが、必要により本発明の目的を逸脱しない範囲、
とりわけ、水溶性また水分散性、保存安定性、硬化性な
らびに耐水性、耐溶剤性及び耐薬品性など諸性質を保持
し得る範囲内で、光重合開始剤、ラジカル重合性不飽和
基を含有しない水性樹脂、前記(A)樹脂以外の末端
(メタ)アクリロイル基含有化合物、有機溶剤、無機ま
たは有機色料、体質顔料、各種ビーズ類、各種添加剤等
より1種または2種以上を任意に選んで使用することが
できる。
【0027】本発明で言う活性エネルギー線とは、電子
線、紫外線あるいはγ線の如き、電離性放射線や電磁波
などを総称するものである。また、紫外線を照射して硬
化させる場合には、必要に応じて、紫外線の照射により
ラジカルを発生する光重合開始剤を樹脂(A)100重
量部に対して0.1〜15重量部程度添加するとよい。
光重合開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ケトン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−
(2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル)
ベンゼンメタナミニウムブロマイド、(4−ベンゾイル
ベンジル)トリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒ
ドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,
N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロライ
ド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オ
キソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,
N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロライド
の如き、水溶性、あるいは樹脂水溶液に溶解可能な、ラ
ジカル重合開始剤が好ましい。
【0028】また、このような光重合開始剤に、公知慣
用の光増感剤をも併用することができる。かかる光増感
剤もまた、アミン類、尿素類、硫黄化合物、燐化合物及
び塩素化合物等のうち、水溶性、あるいは樹脂水溶液に
溶解可能なものが好ましい。
【0029】また本発明で使用するラジカル重合性不飽
和基を含有しない水性樹脂としては公知の水溶性樹脂、
水分散型樹脂、エマルジョン型樹脂、例えば水性アクリ
ル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アルキッド樹脂、
水性ポリエステル樹脂、水性エポキシ樹脂、ポリエーテ
ル樹脂、セルローズ系化合物、ポリビニルアセテートの
ケン化物、水性アミノ樹脂、水性エポキシエステル樹
脂、水性ポリアミド樹脂、エチレンビニルアルコール共
重合体、乾性油変性スチレン−アリルアルコール共重合
体の無水マレイン酸変成物等を本発明の水性塗料組成物
の活性エネルギー線硬化性を阻害しない範囲内において
用いることができる。中でも本発明の水性活性エネルギ
ー線硬化型樹脂と相溶性の良い水性ポリウレタン樹脂を
使用することが好都合である。かかる水性樹脂は本発明
の木材塗装用水性塗料組成物の塗装適性の向上及び塗装
後塗膜の平滑性の向上を図るために通常、木材塗装用水
性塗料組成物中の樹脂固形分の50重量%以下の使用量
で使用することが一つの目安となる。若し50重量%を
越えて使用すると、本発明の塗料組成物の活性エネルギ
ー線による硬化塗膜の架橋密度の低下に伴う諸物性の低
下が発現しうる。
【0030】水性ポリウレタン樹脂は本発明の水性活性
エネルギー線硬化型樹脂の製造の際に使用した成分のう
ち、陰イオン性親水基含有ポリヒドロキシ化合物、ラジ
カル重合性不飽和基を含有しないその他のポリヒドロキ
シ化合物及びポリイソシアネート化合物を主原料として
用い、さらに必要によっては前記の鎖伸長剤を使用して
任意の公知の製造方法で製造したポリウレタン樹脂を三
級アミン等によって塩を形成することによって製造する
ことができる。
【0031】市販品の水性ポリウレタン樹脂の代表例と
しては、三洋化成工業製の「サンプレン」シリーズ、第
一工業製薬製の「スーパーフレックス」シリーズ、ゼネ
カ製の「ネオレッツ」シリーズ、三井東圧化学製の「オ
レスター」シリーズ、旭電化製の「アデカボンタイタ
ー」シリーズ、花王製の「ポイズ」シリーズ、日本ソフ
ラン化工製の「ソフラネート」シリーズ、バイエル製の
「インプラニール」シリーズ、B.F.Goodric
h製の「SANCURE」シリーズ、大日本インキ化学
工業製の「ボンディック」「ウォーターゾール」「ハイ
ドラン」「スペンゾール」シリーズ等が挙げられる。本
発明の木材塗装用水性塗料組成物における、水性ポリウ
レタン樹脂の含有に伴う塗装適性向上及び塗装後塗膜の
平滑性向上効果の発現機構については、現時点では明確
な知見が得られていないが、本発明の必須成分である水
性活性エネルギー線硬化型樹脂と比較して、水性ポリウ
レタン樹脂が数平均分子量が高く、また広い分子量分布
を有する場合には、両樹脂の共存による分子量の二極分
布状態が、本発明の水性塗料組成物の流動性改善に対し
て何らかの寄与をしているものと推察している。
【0032】さらに、より高い耐擦傷性、耐薬品性を必
要とする際には、目的に応じて末端(メタ)アクリロイ
ル基含有化合物を、成膜成分の一つとして全組成物中
0〜30重量%の割合で含むことができる。30重量%
を越える場合は、本発明の必須成分である水性活性エネ
ルギー線硬化型樹脂の特性が損なわれやすい。
【0033】本発明において使用されてもよい前記
(A)樹脂以外の末端(メタ)アクリロイル基含有化合
物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート等のモノヒドロキシ(メタ)アクリレート類、ポリ
オキシエチレングリコール(n=2〜9)モノ(メタ)
アクリレート、ポリオキシプロピレングリコール(n=
5〜12)モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート類、ポリエチレ
ングリコール(n=2〜16)ジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコール(n=5〜12)ジ(メ
タ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレート類、ビスフェノールA(EOまたはP
O付加)ジアクリレート、トリメチロールプロパン(E
OまたはPO付加)ジ(トリ)アクリレート、ペンタエ
リスリトール(EOまたはPO付加)トリ(テトラ)ア
クリレート、グリセリン(EOまたはPO付加)ジ(ト
リ)アクリレート等があり、これらは単独あるいは2種
以上の併用でも良い。
【0034】有機溶剤としては親水性の有機溶剤が塗膜
の造膜性や塗装性の改良のために用いられる。かかる有
機溶剤としてはアルコール系、カルビトール系、セロソ
ルブ系、エーテル系、アミド系、含窒素複素環系等の有
機溶剤が好適である。
【0035】無機色材(料)としては、黄土、バリウム
黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタ
ン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック、亜鉛華、炭酸カル
シウム、マイカ、酸化鉄等を挙げることができる。
【0036】有機色材(料)としては、アゾ系、縮合ポ
リアゾ系、フタリシアニン系、キナクリドン系、インジ
ゴ系、チオインジゴ系、ニトロソ系、ニトロ系、ナフト
ール系、アンスラキノン系、金属錯塩系、ペリノン系、
ジオキサジン系等の有機顔料;油溶性染料、酸性染料、
塩基性染料、反応性染料、直接染料、等の染料を挙げる
ことができる。
【0037】これら有機顔料の具体例としては、ブリリ
アントカーミンBS、レーキカーミンFB、ブリリアン
トファストスカーレット、ジスアゾイエロー、パーマネ
ントレッドR、ファストイエロー10G、フタロシアニ
ンブルー、フタロシアニングリーン、ブルーレーキ、イ
エローレーキ、ローダミンレーキ、イソインドリノン、
ジメチルキナクリドン等を挙げることができ、また染料
の具体例としては、ソルベントブラック、ソルベントレ
ッド、ソルベントブルー、ソルベントグリーン、ソルベ
ントイエロー、ソルベントオレンジ、ソルベントバイオ
レット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット、
ベーシックレッド、ダイレクトイエロー、ダイレクトブ
ルー、ダイレクトレッド、ダイレクトブラック、アシッ
ドブルー、アシッドイエロー、アシッドレッド、アシッ
ドブラック等を挙げることができる。
【0038】これらの無機色材または有機色材は、単独
あるいは混合して使用することができ、その使用量は水
性塗料組成物中、0.1〜70重量%の範囲、より好ま
しくは5〜30重量%の範囲で用いられる。これらの色
材の含有量が多くなると密着性、耐クラック性が低下す
る。また逆に、含有量が少なくなると、当然ながら十分
な濃度が得られない。
【0039】また体質顔料としては、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、タルク、クレー、セリサイト、マイカ、
微粒シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ等を挙げるこ
とができ、また各種ビーズ類としてはポリマービーズや
ガラスビーズ等を挙げることができる。
【0040】各種添加剤としては酸化防止剤、可塑剤、
カップリング剤及びキレート剤、防腐剤、防かび剤、分
散剤、乳化剤、湿潤剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤
等を挙げることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】水性活性エネルギー線硬化型ポリ
ウレタン樹脂及び木材塗装用水性塗料組成物の概略を説
明する。
【0042】メチルエチルケトン365部、ポリエステ
ルジオール200部(数平均分子量1000)、グリセ
リンモノアクリレート29.2部、2,2−ジメチロー
ルプロピオン酸53.6部、ハイドロキノンモノメチル
エーテル0.46部、ジブチル錫ジラウレート0.23
部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空気を吹き込みな
がら、次に、イソホロンジイソシアネート222部を添
加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシアネート
基含有量1.98重量%の中間体を得る。次に、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート41.8部を添加し、80
℃で15時間反応し、イソシアネート基含有量0.22
重量%のラジカル重合性不飽和基および陰イオン性親水
基含有ポリウレタン樹脂を得る。
【0043】40℃に冷却後、トリエチルアミン40.
4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱し
た脱イオン水1327部の中に、上記樹脂溶液を加え鎖
伸長化ならびに水溶化を行う。次に、減圧下、脱溶媒を
行い、淡黄色透明の水溶性活性エネルギー線硬化型樹脂
を得る。この樹脂の不揮発分は29.8重量%、ガード
ナー粘度はNであった。また、数平均分子量は274
0、陰イオン性親水基1グラム当量当たりの該樹脂の重
量は1370グラムであった。さらに分子量1000あ
たりの側鎖のラジカル重合性不飽和基の数は0.37
個、分子量1000あたりの末端のラジカル重合性不飽
和基の数は0.66個であった。
【0044】上記で得られた樹脂に対して、例えば、下
記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の
水性クリヤー塗料を調製する。 樹脂 100.0部 シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部 プロパン−1−オン 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 水 10.0部
【0045】また、分子中にラジカル重合性不飽和基を
含有しない水溶性または水分散性のポリウレタン樹脂
(B)を加えることもできる。更に、酸化チタン、カー
ボンブラック等の無機顔料、レーキカーミンFB、ファ
ーストイエロー10G等の有機顔料等を用いて水性着色
塗料を調製することもできる。
【0046】得られた上記塗料を未塗装フロアー基材上
に、塗布量が70g/m2 になる様エアースプレーにて
塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800m
Jの紫外線を照射し、硬化させた。さらに、同様に塗布
量が70g/m2 になる様同塗膜上にエアースプレーに
て塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800
mJの紫外線を照射し、硬化させ、若干艶を抑えた均一
な塗膜を得た。
【0047】
【実施例】次に、本発明を実施例ならびに応用例を挙げ
てさらに具体的に説明するが、以下において、部および
%は特に断りのない限り、全て重量基準であるものとす
る。
【0048】また、樹脂溶液の粘度の測定は25℃で行
った。
【0049】(1)ロールコーター塗装適性 クリヤー塗料を未塗装フロアー基材上にナチュラルロー
ルコーターにて塗布した際の、基材表面上への塗料の転
移性を目視にて確認する。
【0050】ロール回転速度:25m/min アプリケーションロールのゴム硬度:50度 評価…◎:非常に良好 ○:良好 △:やや転移不良
×:転移不良
【0051】(2)塗料霧化適性 クリヤー塗料をエアスプレーガンで霧化した際の、霧化
状態を目視にて評価する。
【0052】霧化エアー圧:3.5kg/cm2 ガン :iwata W−71(岩田塗装機工
業) ノズル口径 :1.5φmm 評価…◎:非常に良好 ○:良好 △:やや霧化不良
×:霧化不良
【0053】(3)塗膜レベリング性 クリヤー塗料を未塗装フロアー基材上に、塗布量が70
g/m2 になる様エアースプレーにて塗布し、80℃、
180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射
し、硬化させる。当硬化後塗膜のレベリング状態を目視
にて確認する。
【0054】評価…◎:非常に良好 ○:良好 △:や
やレベリング不良 ×:レベリング不良
【0055】(4)耐水試験 クリヤー塗料を未塗装フロアー基材上に、塗布量が70
g/m2 になる様エアースプレーにて塗布し、80℃、
180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射
し、硬化させる。さらに、同様に塗布量が70g/m2
になる様同塗膜上にエアースプレーにて塗布し、80
℃、180秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を
照射し、硬化させる。これを15cm×15cmの大き
さに切断したものを試験体とし、60±3℃の温水に1
時間浸漬後60±3℃の恒温器中に2時間放置を1サイ
クルとして2サイクル行う。当試験後塗膜の光沢低下状
態、クラック発生状態を目視にて評価を行う。
【0056】評価:光沢低下状態 …◎:全く低下せ
ず ○:僅かに低下 △:かなり低下 ×:著しく低下 評価:クラック発生状態…◎:全く発生せず ○:僅か
に発生 △:かなり発生 ×:著しく発生
【0057】(5)寒熱繰り返し試験 上記耐水試験と同様に試験体を作製し、80±3℃の恒
温器中に2時間放置後、−20±3℃の恒温器中に2時
間放置を1サイクルとして2サイクル行う。試験後塗膜
の白化状態、クラック発生状態を目視にて評価を行う。
【0058】評価:白化状態 …◎:全く白化せ
ず ○:僅かに白化 △:かなり白化 ×:著しく白化 評価:クラック発生状態…◎:全く発生せず ○:僅か
に発生 △:かなり発生 ×:著しく発生
【0059】(6)汚染試験 上記耐水試験と同様に試験体を作製し、黒インキ、黒マ
ジック、赤マジック、赤クレヨンでそれぞれ巾10mm
の線を引き、4時間放置後溶剤で拭き取る。拭き取った
後の塗膜表面の色の残り具合を目視にて評価する。
【0060】評価…◎:全く残らない ○:僅かに汚れ
有り △:かなり汚れ有り ×:著しく汚れ有り
【0061】(7)耐アルカリ試験 上記耐水試験と同様に試験体を作製し、1%炭酸ナトリ
ウム水溶液を滴下した後、シャーレをかぶせ2時間放置
する。放置後拭き取り、塗膜のクラック、ふくれ、はが
れ、軟化変色、艶の変化の有無を確認する。
【0062】(8)耐溶剤試験 上記耐水試験と同様に試験体を作製し、JISラッカー
シンナーを滴下した後、シャーレをかぶせ2時間放置す
る。放置後拭き取り、塗膜のクラック、ふくれ、はが
れ、軟化変色、艶の変化の有無を確認する。
【0063】(9)耐擦傷試験 上記耐水試験と同様に試験体を作製し、スチールウール
000にて塗膜表面をラビングし、傷付き具合を評価す
る。
【0064】評価…◎:殆ど傷付かない ○:僅かに傷
が付く △:かなり傷が付く ×:著しく傷付く
【0065】(10)ワイピング適性 着色塗料を水にて希釈し、未塗装フロアー基材上に刷毛
にて塗布した後、室温(25℃)にて2分放置する。放
置後紙ウエスにて手ワイピングした際の、拭き取り状態
(拭き取り易さ)を確認する。
【0066】希釈:塗料100部に対し水30部 評価…◎:非常に良好 ○:良好 △:やや困難(拭き
取りムラ発生) ×:困難(拭き取り不可)
【0067】(11)洗浄性 着色塗料を未塗装フロアー基材上にナチュラルロールコ
ーターにて塗布した後、塗料のロールへの供給およびロ
ールの回転を停止し、室温(25℃)にて10分間放置
する。放置後ロール(塗布ロール)の表面を水にて洗浄
した際の、洗浄性を確認する。
【0068】ロール回転速度:25m/min アプリケーションロールのゴム硬度:50度 評価…◎:非常に良好 ○:良好 △:やや洗浄不良
×:洗浄不良
【0069】(12)耐水性 着色塗料を水にて希釈し、未塗装フロアー基材上に刷毛
にて塗布した後、塗布量が30g/m2 になる様紙ウエ
スにて手ワイピングする。80℃、180秒間熱風乾燥
した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させる。こ
れを15cm×15cmの大きさに切断したものを試験
体とし、60±3℃の温水に1時間浸漬した後の塗膜の
状態を目視にて評価を行う。
【0070】 評価…◎:全く変化無し ○:僅かに塗膜溶出有り △:かなり塗膜溶出有り ×:著しく塗膜溶出有り
【0071】(13)耐クラック性 上記耐水性と同様に試験体を作製し、80±3℃の恒温
器中に2時間放置後、−20±3℃の恒温器中に2時間
放置を1サイクルとして2サイクル行う。試験後塗膜の
白化状態、クラック発生状態を目視にて評価を行う。
【0072】評価…◎:全く発生せず ○:僅かに発生
△:かなり発生 ×:著しく発生
【0073】(14)密着性 着色塗料を水にて希釈し、未塗装フロアー基材上に刷毛
にて塗布した後、塗布量が30g/m2 になる様紙ウエ
スにて手ワイピングする。80℃、180秒間熱風乾燥
した後、800mJの紫外線を照射し、硬化させる。さ
らに、クリヤー塗料を同塗膜上に塗布量が70g/m2
になる様エアースプレーにて塗布し、80℃、180秒
間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬化
させる。これを用いて、ニチバン社製セロハンテープに
て碁盤目密着試験を行う。
【0074】評価…◎:95/100以上 ○:80/
100以上95/100未満 △:50/100以上80/100未満 ×:50/1
00未満
【0075】実施例1 加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リ
ットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン365
部、ポリエステルジオール200部((株)クラレ製ポ
リメチルペンタンアジペート、数平均分子量100
0)、グリセリンモノアクリレート29.2部、2,2
−ジメチロールプロピオン酸53.6部、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル0.46部、ジブチル錫ジラウレ
ート0.23部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空気
を吹き込みながら、次に、イソホロンジイソシアネート
222部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイ
ソシアネート基含有量1.98重量%の中間体を得た。
次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート41.8部を
添加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート基含
有量0.22重量%のラジカル重合性不飽和基および陰
イオン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0076】40℃に冷却後、トリエチルアミン40.
4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱し
た脱イオン水1327部の入った5リットル4つ口フラ
スコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温
度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え
鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶
媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性
活性エネルギー線硬化型樹脂(A−1)を得た。この樹
脂の不揮発分は29.8重量%、ガードナー粘度はNで
あった。また、数平均分子量は2740、陰イオン性親
水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1370グラ
ムであった。さらに分子量1000あたりの側鎖のラジ
カル重合性不飽和基の数は0.37個、分子量1000
あたりの末端のラジカル重合性不飽和基の数は0.66
個であった。
【0077】上記で得られた樹脂(A−1)に対して、
下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色
の水性クリヤー塗料を調製した。 樹脂(A−1) 100.0部 シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部 プロパン−1−オン 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 水 10.0部
【0078】得られた上記塗料を未塗装フロアー基材上
に、塗布量が70g/m2 になる様エアースプレーにて
塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800m
Jの紫外線を照射し、硬化させた。さらに、同様に塗布
量が70g/m2 になる様同塗膜上にエアースプレーに
て塗布し、80℃、180秒間熱風乾燥した後、800
mJの紫外線を照射し、硬化させ、若干艶を抑えた均一
な塗膜を得た。得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述
の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を表1に示
した。
【0079】実施例2 加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リ
ットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン404
部、ジエタノールアミン21部、イソホロンジイソシア
ネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの1:1
(モル比)反応物である遊離イソシアネート基含有ウレ
タンアクリレート67.6部を仕込み、50℃で30分
反応させ、ラジカル重合性不飽和基を有する2官能性ア
ルコール化合物を得た。続いて40℃以下に冷却した後
ポリエステルジオール200部((株)クラレ製ポリメ
チルペンタンアジペート、数平均分子量1000)、
2,2−ジメチロールプロピオン酸53.6部、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル0.50部、ジブチル錫ジ
ラウレート0.25部を仕込み、攪拌下、乾燥空気を吹
き込みながら、次に、イソホロンジイソシアネート22
2部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシ
アネート基含有量1.75重量%の中間体を得た。次
に、2−ヒドロキシエチルアクリレート41.8部を添
加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート基含有
量0.20重量%のラジカル重合性不飽和基および陰イ
オン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0080】40℃に冷却後、トリエチルアミン40.
4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱し
た脱イオン水1476部の入った5リットル4つ口フラ
スコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温
度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え
鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶
媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性
活性エネルギー線硬化型樹脂(A−2)を得た。この樹
脂の不揮発分は30.9重量%、ガードナー粘度はP−
Qであった。また、数平均分子量は3030、陰イオン
性親水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1520
グラムであった。さらに分子量1000あたりの側鎖の
ラジカル重合性不飽和基の数は0.33個、分子量10
00あたりの末端のラジカル重合性不飽和基の数は0.
59個であった。
【0081】上記で得られた樹脂(A−2)に対して、
下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色
の水性クリヤー塗料を調製した。 樹脂(A−2) 100.0部 シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部 プロパン−1−オン 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 水 10.0部
【0082】得られた塗料を用いて、実施例1と同様の
方法にて塗膜を得た。得られた塗料及び塗膜の諸物性
を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を
表1に示した。
【0083】実施例3 加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リ
ットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン466
部、ポリエステルジオール251部((株)クラレ製ポ
リメチルペンタンアジペート、数平均分子量100
0)、グリセリンモノメタクリレート40部、2,2−
ジメチロールプロピオン酸67部、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル0.58部、ジブチル錫ジラウレート
0.29部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空気を吹
き込みながら、次に、イソホロンジイソシアネート26
1部を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシ
アネート基含有量2.43重量%の中間体を得た。次
に、2−ヒドロキシエチルアクリレート63.8部を添
加し、80℃で15時間反応し、イソシアネート基含有
量0.29重量%のラジカル重合性不飽和基および陰イ
オン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0084】40℃に冷却後、トリエチルアミン50.
5部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱し
た脱イオン水1697部の入った5リットル4つ口フラ
スコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温
度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え
鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶
媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性
活性エネルギー線硬化型樹脂(A−3)を得た。この樹
脂の不揮発分は30.3重量%、ガードナー粘度はSで
あった。また、数平均分子量は2800、陰イオン性親
水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1400グラ
ムであった。さらに分子量1000あたりの側鎖のラジ
カル重合性不飽和基の数は0.36個、分子量1000
あたりの末端のラジカル重合性不飽和基の数は0.79
個であった。
【0085】上記で得られた樹脂(A−3)に対して、
下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色
の水性クリヤー塗料を調製した。 樹脂(A−3) 100.0部 シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部 プロパン−1−オン 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 水 10.0部
【0086】得られた塗料を用いて、実施例1と同様の
方法にて塗膜を得た。得られた塗料及び塗膜の諸物性
を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を
表1に示した。
【0087】実施例4 加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リ
ットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン346
部、N−メチル−2−ピロリドン112部、ポリエステ
ルジオール120部((株)クラレ製ポリメチルペンタ
ンアジペート、数平均分子量500)、グリセリンモノ
アクリレート87.6部、2,2−ジメチロールプロピ
オン酸59部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.
57部、ジブチル錫ジラウレート0.34部を仕込み4
0℃とし、攪拌下、乾燥空気を吹き込みながら、次に、
イソホロンジイソシアネート355部を添加し、80℃
に加熱し、6時間反応させイソシアネート基含有量2.
40重量%の中間体を得た。次に、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート65.0部を添加し、80℃で15時間
反応し、イソシアネート基含有量0.31重量%のラジ
カル重合性不飽和基および陰イオン性親水基含有ポリウ
レタン樹脂を得た。
【0088】40℃に冷却後、トリエチルアミン44.
4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱し
た脱イオン水1532部の入った5リットル4つ口フラ
スコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温
度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え
鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶
媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性
活性エネルギー線硬化型樹脂(A−4)を得た。この樹
脂の不揮発分は30.0重量%、ガードナー粘度はXで
あった。また、数平均分子量は2150、陰イオン性親
水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1560グラ
ムであった。さらに分子量1000あたりの側鎖のラジ
カル重合性不飽和基の数は0.87個であり、分子量1
000あたりの末端のラジカル重合性不飽和基の数は
0.82個であった。
【0089】上記で得られた樹脂(A−4)に対して、
下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色
の水性クリヤー塗料を調製した。 樹脂(A−4) 100.0部 シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部 プロパン−1−オン 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 水 10.0部
【0090】得られた塗料を用いて、実施例1と同様の
方法にて塗膜を得た。得られた塗料及び塗膜の諸物性
を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を
表1に示した。
【0091】実施例5 実施例1で得られた樹脂(A−1)に対して、下記の各
成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性ク
リヤー塗料を調製した。
【0092】 樹脂(A−1) 100.0部 水性ポリウレタン樹脂(スペンゾールL50 20.0部 :大日本インキ化学工業) シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.6部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部 プロパン−1−オン 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 水 10.0部
【0093】得られた塗料を用いて、実施例1と同様の
方法にて塗膜を得た。得られた塗料及び塗膜の諸物性
を、前述の方法にて評価を行い、結果を表1に示した。
【0094】実施例6 実施例1で得られた樹脂(A−1)に対して、下記の各
成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性ク
リヤー塗料を調製した。
【0095】 樹脂(A−1) 100.0部 水性ポリウレタン樹脂(スペンゾールL50 15.0部 :大日本インキ化学工業) テトラエチレングリコールジアクリレート 15.0部 シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 5.0部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 3.8部 プロパン−1−オン 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 水 15.0部
【0096】得られた塗料を用いて、実施例1と同様の
方法にて塗膜を得た。得られた塗料及び塗膜の諸物性
を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を
表1に示した。
【0097】実施例7 実施例1で得られた樹脂(A−1)に対して、下記の各
成分を配合し充分に混合し、攪拌して、水性着色塗料を
調製した。
【0098】 樹脂(A−1) 100.0部 酸化チタン 5.0部 カーボンブラック 1.5部 レーキカーミンFB 2.0部 ファストイエロー10G 5.0部 シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 10.0部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 3.8部 プロパン−1−オン 分散剤(ノプコスパース44−C:サンノプコ) 4.0部 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 水 15.0部
【0099】着色塗料を水にて希釈し、未塗装フロアー
基材上に刷毛にて塗布した後、塗布量が30g/m2
なる様紙ウエスにて手ワイピングする。80℃、180
秒間熱風乾燥した後、800mJの紫外線を照射し、硬
化させ、若干基材に浸透した均一な塗膜を得た。
【0100】得られた塗料及び塗膜の諸物性を、前述の
方法(10)〜(14)にて評価を行い、結果を表3に
示した。
【0101】比較例1 加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた2リ
ットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン354
部、ポリエステルジオール200部((株)クラレ製ポ
リメチルペンタンアジペート、数平均分子量100
0)、エチレングリコール12.4部、2,2−ジメチ
ロールプロピオン酸53.6部、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル0.44部、ジブチル錫ジラウレート0.
22部を仕込み40℃とし、攪拌下、乾燥空気を吹き込
みながら、次に、イソホロンジイソシアネート222部
を添加し、80℃に加熱し、6時間反応させイソシアネ
ート基含有量1.90重量%の中間体を得た。次に、2
−ヒドロキシエチルアクリレート41.8部を添加し、
80℃で15時間反応し、イソシアネート基含有量0.
26重量%の末端ラジカル重合性不飽和基および陰イオ
ン性親水基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0102】40℃に冷却後、トリエチルアミン40.
4部を添加、攪拌し、均一になった後、50℃に加熱し
た脱イオン水1285部の入った5リットル4つ口フラ
スコ(加熱装置、攪拌機、デカンター、還流冷却器、温
度計及びアスピレーター付属)に、上記樹脂溶液を加え
鎖伸長化ならびに水溶化を行った。次に、減圧下、脱溶
媒(メチルエチルケトン)を行い、淡黄色透明の水溶性
活性エネルギー線硬化型樹脂(A−5)を得た。この樹
脂の不揮発分は29.9重量%、ガードナー粘度はO−
Pであった。また、数平均分子量は2650、陰イオン
性親水基1グラム当量当たりの該樹脂の重量は1330
グラムであった。さらに分子量1000あたりの末端の
ラジカル重合性不飽和基の数は0.68個であった。
【0103】上記で得られた樹脂(A−5)に対して、
下記の各成分を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色
の水性クリヤー塗料を調製した。 樹脂(A−5) 100.0部 シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 3.0部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル 2.5部 プロパン−1−オン 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 水 10.0部
【0104】得られた塗料を用いて、実施例1と同様の
方法にて塗膜を得た。得られた塗料及び塗膜の諸物性
を、前述の方法(1)〜(9)にて評価を行い、結果を
表2に示した。
【0105】比較例2 市販品の水性ポリウレタン樹脂に対して、下記の各成分
を配合し充分に混合し、攪拌して、乳白色の水性着色塗
料を調製した。
【0106】 水性ポリウレタン樹脂(スペンゾールL50 100.0部 :大日本インキ化学工業) 酸化チタン 5.0部 カーボンブラック 1.5部 レーキカーミンFB 2.0部 ファストイエロー10G 5.0部 シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 10.0部 分散剤(ノプコスパース44−C:サンノプコ) 4.0部 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 水 15.0部
【0107】得られた塗料を用いて、実施例7と同様の
方法にて塗膜を得た。得られた塗料及び塗膜の諸物性
を、前述の方法(10)〜(14)にて評価を行い、結
果を表3に示した。
【0108】比較例3 市販品の水溶性高分子に対して、下記の各成分を配合し
充分に混合し、攪拌して、水性着色塗料を調製した。
【0109】 HECダイセルSP−250(ダイセル化学工業) 10.0部 酸化チタン 5.0部 カーボンブラック 1.5部 レーキカーミンFB 2.0部 ファストイエロー10G 5.0部 シリカ(サイリシア350:富士シリシア) 10.0部 分散剤(ノプコスパース44−C:サンノプコ) 4.0部 消泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ) 0.5部 25%アンモニア水 0.3部 水 115.0部
【0110】得られた塗料を用いて、実施例7と同様の
方法にて塗膜を得た。得られた塗料及び塗膜の諸物性
を、前述の方法(10)〜(14)にて評価を行い、結
果を表3に示した。
【0111】
【表1】 *基材変色
【0112】
【表2】
【0113】
【表3】
【0114】
【発明の効果】本発明の木材塗装用水性塗料組成物は、
有機溶剤の使用を省略することが可能であり、また紫外
線等の活性エネルギー線の照射により良好な硬化性を示
し、また水性塗料であるにも拘らず硬化塗膜の耐水性は
じめ耐擦傷性、耐クラック性等の優れた諸物性を有する
ところから作業性、安全性及び塗膜物性面で有利であ
り、とりわけ、木工・建材用途に極めて有用なものであ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子末端のラジカル重合性不飽和基と、
    分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽和基および三級
    アミンによって塩形成した陰イオン性親水基とを併せ有
    する水溶性または水分散性活性エネルギー線硬化型ポリ
    ウレタン樹脂(A)を水性媒体中に水溶化または水分散
    化したものであることを特徴とする木材塗装用水性塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量
    が、1000〜20000の範囲である請求項1記載の
    木材塗装用水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 分子主鎖に懸吊するラジカル重合性不飽
    和基の数が数平均分子量1000あたり0.1ないし
    1.2個の範囲であり、且つ分子中に存在するすべての
    ラジカル重合性不飽和基の数が数平均分子量1000あ
    たり0.6ないし6個の範囲であるポリウレタン樹脂
    (A)である請求項1記載の木材塗装用水性塗料組成
    物。
  4. 【請求項4】 陰イオン性親水基1グラム当量あたりの
    ポリウレタン樹脂(A)の重量が、250〜5000グ
    ラムである請求項1記載の木材塗装用水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 前記請求項1に記載のポリウレタン樹脂
    (A)とともに分子中にラジカル重合性不飽和基を含有
    しない水溶性または水分散性のポリウレタン樹脂(B)
    を水性媒体中に水溶化または水分散化することを特徴と
    する木材塗装用水性塗料組成物。
  6. 【請求項6】 前記請求項1に記載のポリウレタン樹脂
    (A)とともに無機色材または有機色材(C)を水性媒
    体中に水溶化または水分散化することを特徴とする木材
    塗装用水性塗料組成物。
  7. 【請求項7】 前記した無機色材が黄土、バリウム黄、
    紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、
    弁柄、鉄黒、カーボンブラック、亜鉛華、炭酸カルシウ
    ム、マイカ、クレー、セリサイト、タルク、酸化鉄等か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種以上の色材である
    請求項6記載の木材塗装用水性塗料組成物。
  8. 【請求項8】 前記した有機色材がアゾ系、縮合ポリア
    ゾ系、フタリシアニン系、キナクリドン系、インジゴ
    系、チオインジゴ系、ニトロソ系、ニトロ系、ナフトー
    ル系、アンスラキノン系、金属錯塩系、ペリノン系、ジ
    オキサジン系等の有機顔料;油溶性染料、酸性染料、塩
    基性染料、反応性染料、直接染料等の染料からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種以上の色材である請求項6記
    載の木材塗装用水性塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008174637A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc 水性ウレタン樹脂組成物
WO2013012031A1 (ja) * 2011-07-20 2013-01-24 宇部興産株式会社 水性ポリウレタン樹脂分散体及びその使用
CN103788854A (zh) * 2014-02-11 2014-05-14 广东华兹卜化学工业有限公司 一种除醛负离子清味木门漆

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JP2008174637A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc 水性ウレタン樹脂組成物
WO2013012031A1 (ja) * 2011-07-20 2013-01-24 宇部興産株式会社 水性ポリウレタン樹脂分散体及びその使用
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