JP2014156547A - グラフト共重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性、耐傷付き性に優れ、光沢性、発色性にも優れた成形品を得ることができ、かつ、流動性が良好な熱可塑性樹脂組成物の材料として好適なグラフト共重合体を提供する。
【解決手段】質量平均分子量(Mw)が17×10〜35×10であり、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が1〜3であるエチレン・α−オレフィン共重合体を架橋処理して得られる、ゲル含有率が35〜75質量%である架橋オレフィン樹脂の存在下で、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含むビニル系単量体混合物を重合した、グラフト共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、グラフト共重合体に関する。
車輌外装部品、例えば、ドアミラー、ピラー、バンパー、フロントグリル、カウル類等においては、高い耐衝撃性と良好な外観を有することから、その材料には、ABS樹脂やASA樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂の成形品に塗装処理をして高い外観品質を得ていた。
近年、環境への負荷が大きいこと、工程が煩雑であること、不良率が高いことから、あらかじめ熱可塑性樹脂に着色剤を配合して成形品の塗装処理を省略することがある。塗装処理を省略する場合、熱可塑性樹脂に高い耐候性が要求されることから、ゴムとして耐候性の良好なエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、アクリル酸エステル系ゴム、水素添加ブタジエン系ゴムなどの水素添加系ゴム、シリコーン系ゴムなどを用いた耐候性の良好なAES樹脂、ASA樹脂などが使用されている。
しかし、成形品の製造または加工時や長期にわたって使用する間に、成形品の表面に傷が付いた場合には意匠性を著しく低下させるので、用途によっては耐傷付き性の改良が望まれていた。
そこで、成形品の耐傷付き性を向上させるために、ゴム量を下げて成形品表面を硬くしたり(特許文献1参照)、シリコーンオイル、オレフィンワックス等の潤滑剤を添加することにより成形品表面の滑り性を向上させたり(特許文献2参照)、ゴム変性熱可塑性樹脂に有機化合物をインターカレートした層状粘土鉱物を添加したり(特許文献3参照)、ABS樹脂等に特定の範囲のアクリル酸メチルを含むメタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体を特定量配合したり(特許文献4参照)する方法が提案されている。
特開平11−001600号公報 特開2000−119477号公報 特開2003−277570号公報 特開2008−291158号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようにゴム量を下げる方法では、成形品の表面硬度が上がるために引っ掻き傷に対する耐傷付き性は改良されるが、衝撃強度が低下するため、耐衝撃性と耐傷付き性を両立させるには限界があった。
特許文献2に記載のようにシリコーンオイル、オレフィンワックス等の潤滑剤を添加する方法では、成形品表面の滑り性は向上するものの、耐傷付き性の改良は不十分であった。また、シリコーンオイル等の添加剤が成形品表面にブリードアウトするため、光沢性や発色性が損なわれることがあった。
特許文献3に記載のように特殊な添加剤を熱可塑性樹脂に添加する方法では、熱可塑性樹脂との相溶性が不十分となる場合が多く、光沢性や発色性が低下するなどの外観不良や、耐衝撃性の低下が起こることがあった。
特許文献4に記載のように特殊な樹脂をABS樹脂等に配合する方法では、爪などの硬いもので成形品表面を引っ掻いたときに生じる傷に対する耐傷付き性の改良効果はあるが、軍手、ガーゼ、布などの柔らかいもので成形品表面を擦ったときに生じる傷に対する耐傷付き性は不十分であった。
また、熱可塑性樹脂には、成形時の流動性に優れることも求められるが、上記特許文献記載の技術では必ずしも満足できなかった。
本発明は、耐衝撃性、耐傷付き性に優れ、光沢性、発色性にも優れた成形品を得ることができ、かつ、流動性が良好な熱可塑性樹脂組成物の材料として好適なグラフト共重合体を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 質量平均分子量(Mw)が17×10〜35×10であり、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が1〜3であるエチレン・α−オレフィン共重合体を架橋処理して得られる、ゲル含有率が35〜75質量%である架橋オレフィン樹脂の存在下で、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含むビニル系単量体混合物を重合した、グラフト共重合体。
[2] 前記エチレン・α−オレフィン共重合体がエチレン・プロピレン共重合体である、[1]に記載のグラフト共重合体。
[3] 前記エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン単位の含有率が45〜65質量%である、[1]または[2]に記載のグラフト共重合体。
[4] 前記架橋オレフィン樹脂の存在下で、前記ビニル系単量体混合物を乳化重合した、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のグラフト共重合体。
本発明のグラフト共重合体は、耐衝撃性、耐傷付き性に優れ、光沢性、発色性にも優れた成形品を得ることができ、かつ、流動性が良好な熱可塑性樹脂組成物の材料として好適である。
実施例における「耐傷付き性」の評価方法を説明する概略説明図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
「グラフト共重合体(F)」
本発明のグラフト共重合体(F)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を架橋処理した架橋オレフィン樹脂(D)の存在下で、ビニル系単量体混合物(E)を重合したものである。
本発明において、「エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を架橋処理した」とは、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を単独で架橋処理する場合はもちろんのこと、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と後述する酸変性オレフィン重合体(B)との混合物を架橋処理する場合や、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)または前記混合物をオレフィン樹脂水性分散体(C)とした後に架橋処理する場合も含む。また、架橋オレフィン樹脂(D)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を単独で架橋処理したものと、酸変性オレフィン重合体(B)を単独で架橋処理したものとの混合物であってもよい。
以下、本発明のグラフト共重合体(F)を構成する各成分について説明する。なお、以下において、「熱可塑性樹脂組成物(H)」は、本発明のグラフト共重合体(F)と、後述する硬質成分(G)とを含有するものである。また、「成形品」とは、熱可塑性樹脂組成物(H)を成形してなるものである。
<エチレン・α−オレフィン共重合体(A)>
本発明においては、成形品が優れた耐衝撃性を発現するために、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を用いることが重要である。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンとα−オレフィンを公知の重合方法により共重合することにより得られる、エチレン単位とα−オレフィン単位とからなる共重合体であり、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどからなる非共役ジエン単位を含まない。
例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の代わりに、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体を用いた場合には、成形品の耐衝撃性が低下する。
α−オレフィンとしては、炭素数が3以上のものが好ましく、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−イコセン、1−ドコセン等が挙げられる。これらの中でも炭素数が3〜20のα−オレフィンが好ましく、プロピレンが特に好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)として、α−オレフィンがプロピレンであるエチレン・プロピレン共重合体を用いた場合には、成形品の耐衝撃性、発色性が特に優れる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のエチレン単位の含有率は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を構成する全ての構成単位の合計を100質量%としたときに、45〜65質量%であることが好ましく、50〜60質量%であることがより好ましい。
エチレン単位の含有率が上記範囲内であれば、成形品の耐傷付き性、耐衝撃性のバランスが優れる。特に、エチレン単位の含有率が50〜60質量%であると、成形品の耐傷付き性、耐衝撃性がより向上する。
本発明においては、熱可塑性樹脂組成物(H)の流動性が向上し、成形品が優れた耐傷付き性、光沢性および耐衝撃性を発現するために、質量平均分子量(Mw)、および質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が特定の範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を用いることが、架橋オレフィン樹脂(D)の架橋構造の制御の観点から重要である。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の質量平均分子量(Mw)は17×10〜35×10であり、26×10〜32×10が好ましい。
質量平均分子量(Mw)が17×10よりも小さい場合には、成形品の耐傷付き性、耐衝撃性が劣る。一方、質量平均分子量(Mw)が35×10よりも大きい場合には、熱可塑性樹脂組成物(H)の流動性および成形品の光沢性が劣る。質量平均分子量(Mw)が26×10〜32×10の範囲内にある場合には、熱可塑性樹脂組成物(H)の流動性および成形品の耐傷付き性、耐衝撃性、光沢性が特に優れる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は1〜3であり、1.9〜2.5が好ましい。
分子量分布(Mw/Mn)が3よりも大きい場合には、成形品の耐傷付き性および耐衝撃性が劣る。分子量分布(Mw/Mn)が1.9〜2.5の場合には、熱可塑性樹脂組成物(H)の流動性および成形品の耐傷付き性、耐衝撃性が特に優れる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、その製造方法が限定されるものではないが、通常、メタロセン触媒、またはチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されたものが使用さる。
メタロセン触媒としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウムなどの遷移金属にシクロペンタジエニル骨格を有する有機化合物、ハロゲン原子などが配位したメタロセン錯体と、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物などを組み合わせた触媒が挙げられる。
チーグラー・ナッタ触媒としては、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウムなどの遷移金属のハロゲン化物と有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物などを組み合わせた触媒が挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を重合する際の重合方法としては、例えば上記の触媒の存在下に、エチレンとα−オレフィンとを溶液中で共重合させる方法が挙げられる。この際、通常、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素溶媒が用いられる。これらの炭化水素溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、原料のα−オレフィンを溶媒として用いてもよい。
なお、エチレンやα−オレフィンの供給量、水素などの分子量調節剤の種類や量、触媒の種類や量、反応温度や圧力などの反応条件を変更することにより、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のエチレン単位の含有率、質量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を調整することができる。
<酸変性オレフィン重合体(B)>
上述したように、架橋オレフィン樹脂(D)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)との混合物を架橋処理したものでもよいし、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を単独で架橋処理したものと、酸変性オレフィン重合体(B)を単独で架橋処理したものとの混合物であってもよい。
酸変性オレフィン重合体(B)としては、質量平均分子量が1,000〜5,000のポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン重合体を、不飽和カルボン酸化合物などの官能基を有する化合物で変性したものが挙げられる。
不飽和カルボン酸化合物としては、例えばアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸およびマレイン酸モノアミドが挙げられる。
架橋オレフィン樹脂(D)が、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)との混合物を架橋処理したものである場合、後述するビニル系単量体混合物を安定して重合できる。特に乳化重合法によりビニル系単量体混合物を重合する場合、乳化安定性を高くできる。
架橋オレフィン樹脂(D)中の酸変性オレフィン重合体(B)の割合は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100質量部に対して、1〜40質量部が好ましい。酸変性オレフィン重合体(B)の割合が上記範囲内であれば、成形品の耐傷付き性と耐衝撃性のバランスがより優れる。
酸変性オレフィン重合体(B)の混合のタイミングは特に制限されず、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)とを混合した後に架橋処理をしてもよいし、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)をそれぞれ単独で架橋処理した後に、これらを混合してもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)との混合方法としては、均一に分散できれば特に制限されないが、ニーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機などでの溶融混練法が好ましい。
<オレフィン樹脂水性分散体(C)>
上述したように、架橋オレフィン樹脂(D)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)との混合物をオレフィン樹脂水性分散体(C)とした後に架橋処理したものでもよい。
オレフィン樹脂水性分散体(C)を調製する方法としては限定されないが、例えばニーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機などの公知の溶融混練手段でエチレン・α−オレフィン共重合体(A)、またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)との混合物を溶融混練し、機械的剪断力を与えて分散させ、乳化剤を含む水性媒体に添加する方法;エチレン・α−オレフィン共重合体(A)または前記混合物をペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素溶媒に乳化剤とともに溶解し、水性媒体に添加して乳化させた後、十分に攪拌し、炭化水素溶媒を留去する方法などが好ましい。
オレフィン樹脂水性分散体(C)の調製の際に用いることができる乳化剤としては、通常に用いられるものであればよく、例えば、長鎖アルキルカルボン酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の公知のものが挙げられる。
また、乳化剤の使用量は、熱可塑性樹脂組成物(H)の熱着色を抑制でき、オレフィン樹脂水性分散体(C)の粒子径制御が容易であることから、乳化剤としてオレイン酸カリウムを用いる場合にはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)100質量部に対して1〜8質量部が好ましい。
オレフィン樹脂水性分散体(C)の体積平均粒子径は、成形品の物性バランスが優れることから、0.2〜0.5μmであることが好ましい。
体積平均粒子径が上記範囲内であれば、成形品の耐衝撃性がより向上する。
オレフィン樹脂水性分散体(C)の体積平均粒子径を制御する方法としては、乳化剤の種類または使用量、酸変性オレフィン重合体(B)を併用する場合はその種類または含有量、混練時に加える剪断力、温度条件等を調整する方法が挙げられる。
オレフィン樹脂水性分散体(C)の体積平均粒子径は、レーザ回折・光散乱法により測定した値である。
<架橋オレフィン樹脂(D)>
架橋オレフィン樹脂(D)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を架橋処理することにより得られる。具体的には、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を単独で架橋処理する方法;エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)との混合物を架橋処理する方法;エチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)とをそれぞれ単独で架橋処理した後に、これらを混合する方法;エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)との混合物をオレフィン樹脂水性分散体(C)とした後に架橋処理する方法などにより得られる。
架橋処理の方法としては、有機過酸化物による架橋処理法、電離性放射線による架橋処理など、公知の架橋処理の方法を使用できる。中でも、架橋オレフィン樹脂(D)の架橋構造の均一性の観点から、有機過酸化物を用いての架橋処理が好ましく、オレフィン樹脂水性分散体(C)の有機過酸化物を用いての架橋処理が特に好ましい。
有機過酸化物による架橋処理では有機過酸化物の添加量、加熱温度、加熱時間などを調節することによりゲル含有率を容易に調整することができる。
なお、オレフィン樹脂水性分散体(C)を有機過酸化物により架橋処理した架橋オレフィン樹脂(D)の水性分散体の体積平均粒子径は、オレフィン樹脂水性分散体(C)の体積平均粒子径に対して変化はない。
架橋処理に使用できる有機過酸化物としては、パーオキシエステル化合物、パーオキシケタール化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物などの有機過酸化物が挙げられる。
パーオキシエステル化合物の具体例としては、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−ヘキシルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−ヘキシルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテートト、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレートなどが挙げられる。
パーオキシケタール化合物の具体例としては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどが挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド化合物の具体例としては、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などが挙げられる。
これら有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記の有機過酸化物の中でも、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド化合物が、架橋構造の均一性の観点から特に好ましい。t−ブチルクミルパーオキサイドの使用量の目安は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100質量部、またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)の合計100質量部に対して、通常0.1〜10質量部の範囲である。
また、架橋処理の際には、架橋オレフィン樹脂(D)のゲル含有率を調整するために、多官能性化合物を添加してもよい。
多官能性化合物としては、例えばジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
これら多官能性化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記の多官能性化合物の中でも、ジビニルベンゼンが好ましい。ジビニルベンゼンの使用量の目安は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100質量部、またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と酸変性オレフィン重合体(B)の合計100質量部に対して、通常0〜10質量部の範囲である。
本発明においては、成形品が優れた耐傷付き性、耐衝撃性、発色性を発現するために、架橋オレフィン樹脂(D)のゲル含有率が特定の範囲にあることが重要である。
架橋オレフィン樹脂(D)のゲル含有率は、成形品の耐傷付き性と耐衝撃性とのバランスの観点から35〜75質量%であり、40〜70質量%が好ましく、45〜65質量%がより好ましい。特に、架橋オレフィン樹脂(D)のゲル含有率が35質量%以上であれば、成形品の発色性も向上する。
架橋オレフィン樹脂(D)のゲル含有率は、以下のようにして測定できる。
まず、架橋オレフィン樹脂(D)を0.5g採取し、これを凝固粉試料[D1]とする。凝固粉試料[D1]を、200mL、110℃のトルエン中に5時間浸漬し、次いで、200メッシュ金網にて濾過し、残渣を乾燥し、その乾燥物[D2]の質量を測定し、下記式(1)によりゲル含有率を算出する。なお、架橋オレフィン樹脂(D)が水性分散体または溶媒分散体の状態で得られる場合は、架橋オレフィン樹脂(D)の水性または溶媒分散体を希硫酸にて凝固させ、水洗乾燥させたものを0.5g採取し、これを凝固粉試料[D1]とする。
ゲル含有率(質量%)=乾燥物質量[D2](g)/凝固粉試料質量[D1](g)×100 ・・・(1)
<ビニル系単量体混合物(E)>
ビニル系単量体混合物(E)は、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を必須成分として含み、これらと共重合可能な他のビニル系単量体を任意成分として含む混合物である。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレン、およびo−,p−ジクロロスチレン等が挙げられる。
これら芳香族ビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記の芳香族ビニル系単量体の中でも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
これらシアン化ビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記のシアン化ビニル系単量体の中でも、アクリロニトリルが好ましい。
他のビニル系単量体の例としては、アクリル系単量体およびマレイミド系単量体が挙げられる。
アクリル系単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピルおよびアクリル酸ブチルなどのアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピルおよびメタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸ブチルまたはメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
マレイミド系単量体としては、例えばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−置換マレイミド系単量体等が挙げられる。
ビニル系単量体混合物(E)の組成は、熱可塑性樹脂組成物(H)の流動性や、成形品の耐衝撃性、熱安定性などの物性バランスに優れることから、芳香族ビニル系単量体が60〜82質量%、シアン化ビニル系単量体が18〜40質量%、他のビニル系単量体が0〜22質量%(ただし、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、他のビニル系単量体の合計が100質量%)であることが好ましい。
<グラフト共重合体(F)>
グラフト共重合体(F)は、架橋オレフィン樹脂(D)の存在下でビニル系単量体混合物(E)を重合することにより得られる。
重合方法としては乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合など公知の重合方法が採用できるが、乳化重合が特に好ましい。乳化重合によりグラフト共重合体(F)を製造した場合には、成形品の耐傷付き性、光沢性が優れる。
グラフト共重合体(F)は、架橋オレフィン樹脂(D)55〜75質量%の存在下で、ビニル系単量体混合物(E)25〜45質量%(ただし、架橋オレフィン樹脂(D)とビニル系単量体混合物(E)の合計が100質量%)を重合することが好ましい。架橋オレフィン樹脂(D)が55〜75質量%であれば、熱可塑性樹脂組成物の流動性や、成形品の摺動性、耐衝撃性、光沢性の物性バランスがより向上する。
グラフト共重合体(F)のグラフト率は、熱可塑性樹脂組成物(H)の流動性、および成形品の耐衝撃性、発色性、光沢性のバランスがより向上する観点から25〜60質量%が好ましい。
グラフト共重合体(F)のグラフト率は、以下のようにして測定できる。
グラフト共重合体(F)1gを80mLのアセトンに添加し、65〜70℃ にて3時間加熱還流し、得られた懸濁アセトン溶液を遠心分離機にて14,000rpm、30分間遠心分離して、沈殿成分(アセトン不溶成分)とアセトン溶液(アセトン可溶成分)を分取する。そして、沈殿成分(アセトン不溶成分)を乾燥させてその質量(Y(g))を測定し、下記式(2)によりグラフト率を算出する。なお、式(2)におけるYは、グラフト共重合体(F)のアセトン不溶成分の質量(g)、XはYを求める際に使用したグラフト共重合体(F)の全質量(g)、ゴム分率はグラフト共重合体(F)の架橋オレフィン樹脂(D)の固形分換算での含有割合である。
グラフト率(質量%)={(Y−X×ゴム分率)/X×ゴム分率}×100 ・・・(2)
乳化重合によりグラフト共重合体(F)を製造する方法としては、例えば、ビニル系単量体混合物(E)に有機過酸化物を混合した上で、ビニル系単量体混合物(E)を架橋オレフィン樹脂(D)に連続的に添加する方法が挙げられる。有機過酸化物は、有機過酸化物と遷移金属と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤として用いるのが好ましい。
また、重合の際に、連鎖移動剤、乳化剤等を状況に応じて用いてもよい。
なお、グラフト共重合体(F)に必要に応じて酸化防止剤を添加してもよい。
レドックス系開始剤としては、有機過酸化物と硫酸第一鉄−キレート剤−還元剤とを組み合わされたものが好ましい。
有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
より好ましいレドックス系開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイドと、硫酸第一鉄と、ピロリン酸ナトリウムと、デキストロースとからなるものである。
連鎖移動剤としては、メルカプタン類(オクチルメルカプタン、n−,t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−,t−テトラデシルメルカプタン等)、アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸及びこれ等のソーダー塩等のアリル化合物、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられ、これらの中でもメルカプタン類が好ましい。また、これらの連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
連鎖移動剤の添加方法は、一括、分割、連続のいずれでもよい。
また、連鎖移動剤の添加量は、ビニル系単量体混合物(E)100質量部に対し、2.0質量部以下が好ましい。
乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、リン酸系塩、脂肪酸塩、アミノ酸誘導体塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アニオン部にカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等を有し、カチオン部にアミン塩、第4級アンモニウム塩等を有するものが挙げられる。
乳化剤の添加量は、ビニル系単量体混合物(E)100質量部に対し、10質量部以下が好ましい。
このようにして得られるグラフト共重合体(F)は、水中に分散した状態である。グラフト共重合体(F)を含有する水性分散体からグラフト共重合体(F)を回収する方法としては、例えば水性分散体に析出剤を添加し、加熱、攪拌した後、析出剤を分離し、これを水洗、脱水、乾燥する析出法が挙げられる。
析出法における析出剤としては、例えば硫酸、酢酸、塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウム等の水溶液が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
以上説明した本発明のグラフト共重合体(F)は、特定の架橋構造をもつ架橋オレフィン樹脂(D)の存在下で、特定のビニル系単量体混合物(E)を重合したものであるため、耐傷付き性、耐衝撃性、光沢性、発色性に優れた成形品を得ることができ、かつ、流動性が良好な熱可塑性樹脂組成物(H)の材料として好適である。
<熱可塑性樹脂組成物(H)>
熱可塑性樹脂組成物(H)は、上述した本発明のグラフト共重合体(F)と、硬質成分(G)とを含有する。
硬質成分(G)としては特に制限されないが、スチレン系重合体、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、メタクリル酸メチル・スチレン共重合体、メタクリル酸メチル・スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアミドなどが挙げられる。これらの中でも、スチレン系重合体、ポリカーボネートが好ましい。
これら硬質成分(G)は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
スチレン系重合体は、芳香族ビニル系単量体を必須成分として含み、シアン化ビニル系単量体およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体を任意成分として含む混合物からなる共重合体である。
芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、他のビニル系単量体の具体例としては、ビニル系単量体混合物(E)の説明において先に例示した芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、他のビニル系単量体が挙げられる。
スチレン系重合体の組成には特に制限はないが、芳香族ビニル系単量体25〜100質量%、シアン化ビニル系単量体0〜40質量%、およびこれらの単量体と共重合可能な他のビニル系単量体0〜65質量%を構成単位として含む(ただし、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、他のビニル系単量体の合計が100質量%)ものが挙げられる。
スチレン系重合体の製造には、乳化重合や懸濁重合等の重合法が採用される。
スチレン系重合体を乳化重合で製造する場合、反応器内に各単量体と乳化剤と重合開始剤と連鎖移動剤とを仕込み、加熱して重合し、重合後に得られたスチレン系重合体を含む水性分散体から析出法によりスチレン系重合体を回収する。
ここで、乳化剤としては、ロジン酸カリウムおよびアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の一般的な乳化重合用乳化剤を用いることができる。また、重合開始剤としては、有機、無機の過酸化物系開始剤を用いることができ、連鎖移動剤としては、メルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、テルペン類等を用いることができる。
析出法としては、グラフト重合後に得られる水性分散体からグラフト共重合体(F)を回収するときと同様の方法を採用できる。
スチレン系重合体を懸濁重合で製造する場合、反応器内に各単量体と懸濁剤と懸濁助剤と重合開始剤と連鎖移動剤とを仕込み、加熱して重合し、得られたスラリーを脱水、乾燥してスチレン系重合体を回収する。
ここで、懸濁剤としては、トリカルシウムフォスファイト、ポリビニルアルコール等を用いることができ、懸濁助剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が用いることができる。また、重合開始剤としては、有機パーオキサイド類を用いることができ、連鎖移動剤としては、メルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、テルペン類等を用いることができる。
ポリカーボネートとしては、例えば、1種以上のビスフェノール類と、ホスゲンまたは炭酸ジエステルとの反応によって得られるものが挙げられる。
ビスフェノール類としては、例えば、ハイドロキノン、4,4−ジヒドロキシフェニル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−アルカン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロアルカン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エーテル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−ケトン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、あるいはこれらのアルキル置換体、アリール置換体、ハロゲン置換体等が挙げられる。これらの中でも、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、いわゆるビスフェノールAを原料としたビスフェノールA系ポリカーボネートが容易に入手できるという点から、好ましい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(その他の成分)
本発明のグラフト共重合体(F)を含有する熱可塑性樹脂組成物(H)は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、加工助剤、顔料、充填剤、シリコーンオイル、パラフィンオイルなどの添加剤を含有してもよい。
(熱可塑性樹脂組成物(H)の製造方法)
熱可塑性樹脂組成物(H)は、本発明のグラフト共重合体(F)と、上述した硬質成分(G)とを混合することで得られる。
具体的には、グラフト共重合体(F)および硬質成分(G)と、必要に応じて各種添加剤を混合することで容易に製造される。また、必要に応じて、例えば押出機、バンバリーミキサーまたは混練ロール等にてペレット化してもよい。
熱可塑性樹脂組成物(H)に含まれるグラフト共重合体(F)の含有量に関しては特に制限はないが、グラフト共重合体(F)と硬質成分(G)の合計100質量部に対し、グラフト共重合体(F)の含有量が0.1〜99質量部になるよう調整するのが好ましい。
以上説明したように、熱可塑性樹脂組成物(H)は、本発明のグラフト共重合体(F)を含有するので流動性に優れるとともに、耐傷付き性、耐衝撃性、光沢性、発色性に優れた成形品を得ることができる。
<成形品>
本発明により得られる成形品は、例えば射出成形法、プレス成形法、押出成形法、真空成形法、ブロー成形法などの成形方法により、本発明のグラフト共重合体(F)と硬質成分(G)とを含有する熱可塑性樹脂組成物(H)を成形加工してなる。
本発明により得られる成形品は、耐傷付き性、耐衝撃性、光沢性、発色性に優れる。このような成形品は、車輌外装部品、事務機器、家電、建材などの用途に適用できる。
以下、具体的に実施例を示す。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。また、以下に記載の「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
以下の実施例および比較例における各種測定および評価方法は以下の通りである。
「測定方法」
<質量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)の測定方法>
エチレン・α−オレフィン共重合体について、GPC(GPC:Waters社製の「GPC/V2000」、カラム:昭和電工社製の「Shodex AT−G+AT−806MS」)を用い、o−ジクロロベンゼン(145℃)を溶媒として、ポリスチレン換算での質量平均分子量(Mw)および数平均分子量分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
<酸価の測定方法>
JIS K2501に準拠し測定した。
<体積平均粒子径の測定方法>
マイクロトラック(日機装社製、「ナノトラック150」)を用い、測定溶媒として純水を用いて、オレフィン樹脂水性分散体(C)の体積平均粒子径(MV)を測定した。
<ゲル含有率の測定方法>
架橋オレフィン樹脂(D)の水性または溶媒分散体を希硫酸にて凝固させ、水洗乾燥して得られる凝固粉試料[D1]0.5gを、200mL、110℃のトルエン中に5時間浸漬し、次いで、200メッシュ金網にて濾過し、残渣を乾燥し、その乾燥物[D2]の質量を測定し、下記式(1)から、架橋オレフィン樹脂(D)のゲル含有率を求めた。
ゲル含有率(質量%)=乾燥物質量[D2](g)/凝固粉試料質量[D1](g)×100 ・・・(1)
<グラフト率の測定方法>
グラフト共重合体(F)1gを80mLのアセトンに添加し、65〜70℃ にて3時間加熱還流し、得られた懸濁アセトン溶液を遠心分離機(日立工機社製「CR21E」)にて14,000rpm、30分間遠心分離して、沈殿成分(アセトン不溶成分)とアセトン溶液(アセトン可溶成分)を分取した。そして、沈殿成分(アセトン不溶成分)を乾燥させてその質量(Y(g))を測定し、下記式(2)によりグラフト率を算出した。なお、式(2)におけるYは、グラフト共重合体(F)のアセトン不溶成分の質量(g)、XはYを求める際に使用したグラフト共重合体(F)の全質量(g)、ゴム分率はグラフト共重合体(F)の架橋オレフィン樹脂(D)の固形分換算での含有割合である。
グラフト率(質量%)={(Y−X×ゴム分率)/X×ゴム分率}×100 ・・・(2)
「評価方法」
<溶融混練1>
グラフト共重合体(F)と硬質成分(G)との合計量100部に対して、カーボンブラック0.5部を加えて混合し、30mmφの真空ベント付き2軸押し出し機(池貝社製、「PCM30」)で、シリンダー温度200〜260℃、93.325kPa真空にて溶融混練を行い、熱可塑性樹脂組成物(1)を得た。また、必要に応じて溶融混練後に、ペレタイザー(創研社製「SH型ペレタイザー」)を用いてペレット化を行った。
<溶融混練2>
グラフト共重合体(F)と硬質成分(G)との合計量100部に対して、カーボンブラック0.8部を加えて混合し、30mmφの真空ベント付き2軸押し出し機(池貝社製、「PCM30」)で、シリンダー温度200〜260℃、93.325kPa真空にて溶融混練を行い、熱可塑性樹脂組成物(2)を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物(2)について、ペレタイザー(創研社製「SH型ペレタイザー」)を用いてペレット化を行った。
(メルトボリュームレート(MVR)の測定)
熱可塑性樹脂組成物(1)について、ISO 1133規格に従い測定した。なお、MVRは熱可塑性樹脂組成物の流動性の目安となる。
<射出成形1>
溶融混練して得られた熱可塑性樹脂組成物(1)のペレットを射出成形機(東芝機械社製、「IS55FP−1.5A」)によりシリンダー温度200〜260℃、金型温度60℃の条件で、縦80mm、横10cm、厚さ4mmの成形品を成形し、曲げ弾性率測定用成形品、シャルピー衝撃試験用成形品(成形品(Ma1))として用いた。
<射出成形2>
溶融混練して得られた熱可塑性樹脂組成物(2)のペレットを射出成形機(東芝機械社製、「IS55FP−1.5A」)によりシリンダー温度200〜260℃、金型温度60℃の条件で、縦10cm、横10cm、厚さ2mmの黒着色平板(成形品(Ma2))を成形した。該成形品(Ma2)を光沢性評価用成形品、発色性評価用成形品、耐傷付き性評価用成形品として用いた。
(曲げ弾性率の測定)
成形品(Ma1)について、曲げ弾性率をISO 178規格に従い測定した。
(耐衝撃性の評価:シャルピー衝撃試験)
成形品(Ma1)について、ISO 179に従い、23℃の条件でシャルピー衝撃試験(ノッチ付)を行い、シャルピー衝撃強度を測定した。
(光沢性の評価)
成形品(Ma2)について、デジタル変角光沢計(スガ試験機社製、「UGV−5D」)にて入射角60°、反射角60°の条件で反射率を測定した。反射率が高いほど光沢性に優れることを意味する。
(発色性の評価)
成形品(Ma2)について、分光測色計(コニカミノルタオプティクス社製、「CM−3500d」)を用い、d/8(拡散照明/8度受光方式)光学系で、明度LをSCE(正反射光除去)方式にて測定した。こうして測定されたLを「L(ma)」とする。Lが低いほど発色性に優れることを意味する。
(耐傷付き性の評価)
図1に示すように、先端部11が略半球形に形成された棒状の治具10を用意し、該先端部11に、ガーゼを8枚重ねた積層シートSを被せた。成形品(Ma2)Mの表面に対して、棒状の治具10が直角になるように、積層シートSが被せられた先端部11を接触させ、先端部11を成形品(Ma2)Mの表面において水平方向(図中矢印方向)に摺動させ、100回往復させ、成形品(Ma2)の表面に傷を付けた。その際、加える荷重は1kgとした。表面に傷を付けた成形品(Ma2)を「成形品(Mc2)」とする。
成形品(Mc2)の表面の明度Lを、分光測色計を用いて、SCE方式にて測定した。こうして測定されたLを「L(mc)」とする。
耐傷付き性の判定1:
成形品(Mc2)の傷の目立ちやすさの判定指標ΔLを下記式(3)から算出した。ΔLの絶対値が大きいほど傷が目立ちやすい。
ΔL=L(mc)−L(ma) ・・・(3)
ΔLの絶対値が3.0以下のとき、傷が目立たず、成形品の意匠性を損なわない。
ΔLの絶対値が3.0超〜7.0以下のとき、傷は目立ちにくく、成形品の意匠性を損なわない。
ΔLの絶対値が7.0超のとき、傷が目立ち、成形品の意匠性を損なう。
耐傷付き性の判定2:
成形品(Ma2)の傷の入りやすさの判定指標として、形状測定レーザーマイクロスコープ(キーエンス社製、「VK−9700」)にて、成形品(Mc2)の10点平均粗さ(Rz jis)を測定した。Rz jisの値が大きいほど傷が入りやすい。
「各種成分」
以下の例では、下記の(A)成分、オレフィン樹脂水性分散体(C)、架橋オレフィン樹脂(D)、グラフト共重合体(F)、硬質成分(G)を用いた。
<(A)成分:エチレン・α‐オレフィン共重合体(A)またはその代替品>
(エチレン・プロピレン共重合体(A−1)の調製)
20L攪拌機付きステンレス重合槽を十分に窒素置換した後に、脱水精製したヘキサン10Lを添加し、8.0mmol/Lに調製したエチルアルミニウムセスキクロリド(Al(C1.5・Cl1.5)のヘキサン溶液を、5L/hの量で連続的に1時間供給した後、さらに触媒として0.8mmol/Lに調整したVO(OC)Clのヘキサン溶液を5L/hの量で、ヘキサンを5L/hの量で連続的に供給した。一方重合槽上部から、重合液器内の重合液が常に10Lになるように重合液を連続的に抜き出した。次にバブリング管を用いてエチレンを2000L/hの量で、プロピレンを1000L/hの量で、水素を8L/hの量で供給し、重合反応を35℃で行った。
上記条件で重合反応を行い、エチレン・プロピレン共重合体(A−1)を含む重合溶液を得た。得られた重合溶液は、塩酸で脱灰した後に、メタノールに投入して析出させた後、乾燥させ、エチレン・プロピレン共重合体(A−1)を得た。エチレン・プロピレン共重合体(A−1)のポリマーの性状を表1に示す。
(エチレン・プロピレン共重合体(A−2)〜(A−8)の調製)
表1に示すように水素の供給量を変更した以外は、エチレン・プロピレン共重合体(A−1)と同様にして、エチレン・プロピレン共重合体(A−2)〜(A−8)を得た。各エチレン・プロピレン共重合体(A−2)〜(A−8)のポリマーの性状を表1に示す。
(エチレン・プロピレン共重合体(A−9)の調製)
20L攪拌機付きステンレス重合槽を十分に窒素置換した後に、脱水精製したヘキサン10Lを添加し、プロピレンを110NL、水素を800mLを添加した。40℃まで加熱した後に、全圧が0.6MPa[gage]となるようにエチレンで加圧した。オートクレーブの内圧が0.6MPa[gage]になった所で、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)の1.0mM/mLヘキサン溶液10mLを窒素で圧入した。続いて、予め調製しておいた、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートをホウ素換算で0.16mM、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シラン]チタンクロリドを0.0004mMの量で含むトルエン溶液30mLを、窒素で圧入し重合を開始した。その後、5分間、40℃になるように温度調整し、かつ圧力が0.6MPa[gage]となるようにエチレンの供給を行なった。重合開始5分後、メタノール50mLを挿入して重合を停止し、大気圧まで脱圧しエチレン・プロピレン共重合体(A−9)を含む重合溶液を得た。得られた重合溶液は、塩酸で脱灰した後に、メタノールに投入して析出させた後、乾燥させ、エチレン・プロピレン共重合体(A−9)を得た。エチレン・プロピレン共重合体(A−9)のポリマーの性状を表3に示す。
(エチレン・プロピレン共重合体(A−10)の調製)
エチレン・プロピレン共重合体(A−1)20部とエチレン・プロピレン共重合体(A−9)80部を混合し、30mmφの真空ベント付き2軸押し出し機(池貝社製、「PCM30」)で200℃、93.325kPa真空にて溶融混練し、エチレン・プロピレン共重合体(A−10)を調製した。エチレン・プロピレン共重合体(A−10)のポリマーの性状を表3に示す。
(エチレン・プロピレン共重合体(A−11)の調製)
触媒としてVO(OC)Clに代えてVClを使用した以外は、エチレン・プロピレン共重合体(A−1)と同様にして、エチレン・プロピレン共重合体(A−11)を得た。エチレン・プロピレン共重合体(A−11)のポリマーの性状を表1に示す。
(エチレン・プロピレン共重合体(A−12)の調製)
エチレン・プロピレン共重合体(A−1)75部とエチレン・プロピレン共重合体(A−11)25部を混合し、30mmφの真空ベント付き2軸押し出し機(池貝社製、「PCM30」)で200℃、93.325kPa真空にて溶融混練し、エチレン・プロピレン共重合体(A−12)を調製した。エチレン・プロピレン共重合体(A−12)のポリマーの性状を表3に示す。
(エチレン・プロピレン共重合体(A−13)の調製)
エチレン・プロピレン共重合体(A−1)50部とエチレン・プロピレン共重合体(A−11)50部を混合し、30mmφの真空ベント付き2軸押し出し機(池貝社製、「PCM30」)で200℃、93.325kPa真空にて溶融混練し、エチレン・プロピレン共重合体(A−13)を調製した。エチレン・プロピレン共重合体(A−13)のポリマーの性状を表3に示す。
(エチレン・プロピレン共重合体(A−14)の調製)
エチレン・プロピレン共重合体(A−1)20部とエチレン・プロピレン共重合体(A−11)80部を混合し、30mmφの真空ベント付き2軸押し出し機(池貝社製、「PCM30」)で200℃、93.325kPa真空にて溶融混練し、エチレン・プロピレン共重合体(A−14)を調製した。エチレン・プロピレン共重合体(A−14)のポリマーの性状を表3に示す。
(エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体(A−15)、エチレン・1−ブテン共重合体(A−16)の調製)
表2に示すようにエチレン、プロピレン、1−ブテン、水素の供給量を変更した以外は、エチレン・プロピレン共重合体(A−1)と同様にして、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体(A−15)、エチレン・1−ブテン共重合体(A−16)を得た。得られたポリマーの性状を表2に示す。
(エチレン・1−オクテン共重合体(A−17)の調製)
十分に窒素置換したガラス製フラスコにビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを0.5mg入れ、さらにメチルアミノキサンのトルエン溶液(Al;1.1モル/L)1.57mL、およびトルエン2.76mLを添加することにより触媒溶液を得た。
十分に窒素置換した20L攪拌機付きオートクレーブにヘキサン6000mLおよび1−オクテン4000mLを挿入し、系内の温度を70℃に昇温した。引き続き、トリイソブチルアルミニウム1ミリモルおよび上記の調製した触媒溶液5mLをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を0.39MPa[gage]に保ち、80℃で1時間重合を行なった。
上記条件で重合反応を行い、エチレン・1−オクテン共重合体を含む重合溶液を得た。得られた重合溶液は、塩酸で脱灰した後に、メタノールに投入して析出させた後、乾燥させ、エチレン・1−オクテン共重合体(A−17)を得た。得られたポリマーの性状を表3に示す。
(エチレン・プロピレン共重合体(A−18)〜(A−23)の調製)
表2に示すようにエチレン、プロピレン、水素の供給量を変更した以外は、エチレン・プロピレン共重合体(A−1)と同様にして、エチレン・プロピレン共重合体(A−18)〜(A−23)を得た。得られたポリマーの性状を表2に示す。
Figure 2014156547
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<オレフィン樹脂水性分散体(C)>
(オレフィン樹脂水性分散体(C−1)の調製)
エチレン・プロピレン共重合体(A−1)100部と、酸変性オレフィン重合体(B)として無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学社製、「三井ハイワックス 2203A」、質量平均分子量:2,700、酸価:30mg/g)(B−1)15部と、アニオン系乳化剤としてオレイン酸カリウム3部とを混合した。
次いで、この混合物を二軸スクリュー押出機(池貝社製、「PCM−30型」L/D=40)のホッパーより4kg/時間で供給し、水酸化カリウム14%水溶液を240g/時間で連続的に供給しながら、220℃に加熱して溶融混練し、得られた溶融混練物を押出した。
引き続き、溶融混練物を同押出機先端に取り付けた冷却装置に連続的に供給し、90℃まで冷却した。取り出した固体を80℃の温水中に投入し、連続的に分散させて、体積平均粒子径が0.38μmのオレフィン樹脂水性分散体(C−1)を得た。
(オレフィン樹脂水性分散体(C−2)〜(C−23)の調製)
表4〜6に示すように、(A)成分として(A−1)を(A−2)〜(A−23)へ変更した以外は、オレフィン樹脂水性分散体(C−1)と同様にして、オレフィン樹脂水性分散体(C−2)〜(C−23)を得た。各オレフィン樹脂水性分散体(C−2)〜(C−23)の体積平均径を表4〜6に示す。
Figure 2014156547
Figure 2014156547
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<架橋オレフィン樹脂(D)>
(架橋オレフィン樹脂(D−1)の調製)
架橋オレフィン樹脂水性分散体(C−1)の固形分100部に対して、有機過酸化物としてt−ブチルクミルパーオキサイドを0.5部、多官能性化合物としてジビニルベンゼンを1部添加し、130℃で5時間反応させ、架橋オレフィン樹脂(D−1)の水性分散体を調製した。架橋オレフィン樹脂(D−1)のゲル含有率を測定したところ51%であった。
(架橋オレフィン樹脂(D−2)〜(D−23)の調製)
表7〜9に示すようにオレフィン樹脂水性分散体(C)の種類とt−ブチルクミルパーオキサイドの添加部数を変更した以外は、架橋オレフィン樹脂(D−1)と同様にして、架橋オレフィン樹脂(D−2)〜(D−23)の水性分散体を得た。各架橋オレフィン樹脂(D−2)〜(D−23)のゲル含有率を測定した結果を表7〜9に示す。
(架橋オレフィン樹脂(D−24)〜(D−31)の調製)
表10に示すようにt−ブチルクミルパーオキサイドの添加部数を変更した以外は、架橋オレフィン樹脂(D−1)と同様にして、架橋オレフィン樹脂(D−24)〜(D−31)の水性分散体を得た。各架橋オレフィン樹脂(D−24)〜(D−31)のゲル含有率を測定した結果を表10に示す。
Figure 2014156547
Figure 2014156547
Figure 2014156547
Figure 2014156547
<グラフト共重合体(F)>
(グラフト共重合体(F−1)の調製)
攪拌機付きステンレス重合槽に、イオン交換水180部、架橋オレフィン樹脂(D−1)の水性分散体を固形分換算で60部、硫酸第一鉄0.006部、ピロリン酸ナトリウム0.3部およびデキストロース0.35部を仕込み、温度を80℃とした。次に、アクリロニトリル13.7部、スチレン26.3部およびクメンハイドロパーオキサイド0.6部を150分連続的に添加し、重合温度を80℃一定に保ち乳化重合を行った。重合後、得られたグラフト共重合体(F−1)を含有する水性分散体に酸化防止剤を添加し、硫酸にて固形分の析出を行い、洗浄、脱水、乾燥の工程を経て、粉状のグラフト共重合体(F−1)を得た。グラフト共重合体(F−1)のグラフト率を測定したところ40%であった。
(グラフト共重合体(F−2)〜(F−31)の調製)
表11〜14に示すように架橋オレフィン樹脂(D)の種類を変更した以外は、グラフト共重合体(F−1)と同様にして、グラフト共重合体(F−2)〜(F−31)を得た。各グラフト共重合体(F−2)〜(F−31)のグラフト率を測定した結果を表11〜14に示す。
(グラフト共重合体(F−32)の調製)
攪拌機付きステンレス重合槽に、エチレン・プロピレン共重合体(A−1)52部、無水マレイン酸変性ポリエチレン(B−1)8部、トルエン300部、ジビニルベンゼン1部を仕込み、内容物を75℃で1時間攪拌して均一に溶解した。十分に窒素置換を行った後にt−ブチルクミルパーオキサイド0.5部を添加し、内温を130℃まで昇温して5時間反応させて、ゲル含有率が46質量%である架橋オレフィン樹脂(D−32)の溶媒分散体を調製した。
その後、内温を70℃まで降温し、スチレン26.3部、アクリロニトリル13.7部、tert−ドデシルメルカプタン0.24部、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.22部を添加し、内温を110℃まで昇温し4時間反応させた後に、内温を120℃に昇温し2時間反応を行った。重合後、内温を100℃まで冷却し、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート0.2部を添加した後、反応混合物を抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去し、更に、30mmφの真空ベント付き2軸押し出し機(池貝社製、「PCM30」)で220℃、93.325kPa真空にて、揮発分を実質的に脱揮させペレット化しグラフト重合体(F−32)を得た。グラフト共重合体(F−32)のグラフト率を測定したところ35%であった。
Figure 2014156547
Figure 2014156547
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<硬質成分(G)>
(スチレン系重合体(G−1)の調製)
窒素置換した攪拌機付きステンレス重合反応槽反応器に、イオン交換水120部、ポリビニルアルコール0.1部、アゾビスイソブチロニトリル0.3部、アクリロニトリル34部、スチレン66部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を仕込んだ。そして、反応器の温度50℃ にして5時間重合した後、120℃ に昇温し4時間反応した後に抜き出し、洗浄、乾燥することにより粉状のスチレン系重合体(G−1)を得た。
(スチレン系重合体(G−2)の調製)
窒素置換した攪拌機付きステンレス重合反応槽反応器に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.003部、アクリロニトリル28部、スチレン26部、α−メチルスチレン36部、N−フェニルマレイミド10部、ベンゾイルパーオキサイド0.7部、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.07部、リン酸カルシウム0.6部、t−ドデシルメルカプタン0.4部、イオン交換水120部を仕込んだ。そして、反応器の温度を80℃まで昇温し、この温度で8時間重合した後、120℃まで昇温し2時間重合させた後に抜き出し、洗浄、乾燥することにより粉状のスチレン系重合体(G−2)を得た。
(ポリカーボネート(G−3))
ポリカーボネート(G−3)として、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチック社製、「ユーピロンS−3000F」)を用いた。
「実施例1」
グラフト共重合体(F−1)28部、スチレン系重合体(G−1)72部、カーボンブラック(三菱化学社製、「♯966」)0.5部を混合し、30mmφの真空ベント付き2軸押し出し機(池貝社製、「PCM30」)でシリンダー温度220℃、93.325kPa真空にて溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物(1)を調製した。得られた熱可塑性樹脂組成物(1)のMVRを測定した結果を表15に示す。
別途、グラフト共重合体(F−1)28部、スチレン系重合体(G−1)72部、カーボンブラック(三菱化学社製、「♯966」)0.8部を混合し、30mmφの真空ベント付き2軸押し出し機(池貝社製、「PCM30」)で、シリンダー温度220℃、93.325kPa真空にて溶融混練を行い、熱可塑性樹脂組成物(2)を調製した。
得られた熱可塑性樹脂組成物(1)、(2)をそれぞれペレット化し、各種成形品を成形し、曲げ弾性率を測定し、耐衝撃性、光沢性、発色性、耐傷付き性を評価した。結果を表15に示す。
「実施例2〜26」
表15〜17に示すようにグラフト共重合体(F)の種類を変更した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(1)、(2)を調製し、MVRを測定した。また、得られた熱可塑性樹脂組成物(1)、(2)を用いて各種成形品を成形し、曲げ弾性率を測定し、耐衝撃性、光沢性、発色性、耐傷付き性を評価した。これらの結果を表15〜17に示す。
「実施例27〜29」
表17に示すように硬質成分(G)の種類、添加部数を変更し、溶融混練の条件を250℃、93.325kPaに変更した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(1)、(2)を調製し、MVRを測定した。また、得られた熱可塑性樹脂組成物(1)、(2)を用いて各種成形品を成形し、曲げ弾性率を測定し、耐衝撃性、光沢性、発色性、耐傷付き性を評価した。これらの結果を表17に示す。
「比較例1〜6」
表18に示すようにグラフト共重合体(F)の種類を変更した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物(1)、(2)を調製し、MVRを測定した。また、得られた熱可塑性樹脂組成物(1)、(2)を用いて各種成形品を成形し、曲げ弾性率を測定し、耐衝撃性、光沢性、発色性、耐傷付き性を評価した。これらの結果を表18に示す。
Figure 2014156547
Figure 2014156547
Figure 2014156547
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表15〜17から明らかなように、各実施例で得られた熱可塑性樹脂組成物は、流動性に優れていた。また、各実施例で得られた成形品は、耐衝撃性、光沢性、発色性、耐傷付き性に優れていた。
よって、本発明のグラフト共重合体(F)を用いれば、流動性が良好な熱可塑性樹脂組成物、および耐衝撃性、耐傷付き性に優れ、光沢性、発色性にも優れた成形品を得ることができ、車輌外装部品、事務機器、家電、建材などの用途に適用できる。
一方、表18から明らかなように、(A)成分として質量平均分子量(Mw)が17×10未満のエチレン・プロピレン共重合体(A−2)を用いて調製したグラフト共重合体(F−2)を用いた比較例1は、成形品の耐衝撃性、耐傷付き性が低かった。
(A)成分として質量平均分子量(Mw)が35×10を超えるエチレン・プロピレン共重合体(A−8)を用いて調製したグラフト共重合体(F−8)を用いた比較例2は、熱可塑性樹脂組成物の流動性が著しく低下し、成形品の光沢性が低かった。
(A)成分として分子量分布(Mw/Mn)が3を超えるエチレン・プロピレン共重合体(A−11)を用いて調製したグラフト共重合体(F−11)を用いた比較例3は、成形品の耐衝撃性、耐傷付き性が低かった。
(A)成分としてエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体(A−15)を用いて調製したグラフト共重合体(F−15)を用いた比較例4では、成形品の耐衝撃性が低かった。
架橋オレフィン樹脂(D)としてゲル含有率が35質量%未満の架橋オレフィン樹脂(D−24)を用いて調製したグラフト共重合体(F−24)を用いた比較例5は、成形品の耐衝撃性、発色性、耐傷付き性が低かった。
架橋オレフィン樹脂(D)としてゲル含有率が75質量%を超える架橋オレフィン樹脂(D−31)を用いて調製したグラフト共重合体(F−31)を用いた比較例6は、成形品の耐衝撃性、耐傷付き性が低かった。

Claims (4)

  1. 質量平均分子量(Mw)が17×10〜35×10であり、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が1〜3であるエチレン・α−オレフィン共重合体を架橋処理して得られる、ゲル含有率が35〜75質量%である架橋オレフィン樹脂の存在下で、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含むビニル系単量体混合物を重合した、グラフト共重合体。
  2. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体がエチレン・プロピレン共重合体である、請求項1に記載のグラフト共重合体。
  3. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン単位の含有率が45〜65質量%である、請求項1または2に記載のグラフト共重合体。
  4. 前記架橋オレフィン樹脂の存在下で、前記ビニル系単量体混合物を乳化重合した、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグラフト共重合体。
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