JP2019167533A - 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び成形品 Download PDF

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元美 藤井
智紀 高瀬
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Abstract

【課題】発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性のいずれにも優れた成形品を容易に製造できる熱可塑性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(E)とポリメタクリル酸エステル(G)とを含有する熱可塑性樹脂組成物であって、グラフト共重合体(E)の含有割合が、前記熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して4質量%以上15質量%以下であり、前記グラフト共重合体(E)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下にて、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を含むビニル系単量体混合物(m1)をグラフト重合させて得た共重合体である。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物及び成形品に関する。
樹脂材料の耐傷付き性を向上させることで、成形品の表面状態を良好に保つことが可能となり、自動車分野、電気・電子機器分野など工業的な有用性が非常に高くなる。そのため、樹脂材料の耐傷付き性の向上については、これまで様々な手法が検討されてきた。例えば、AES(アクリロニトリル−エチレン・α−オレフィン−スチレン)樹脂などの熱可塑性樹脂組成物を用いることによって、成形品の耐傷付き性、摺動性を高める手法は、多く取り入れられている(例えば特許文献1〜7参照)。例えば、特許文献6,7では、AES樹脂の密度を限定する方法が提案されている。
特開2004−352842号公報 特開2005−132970号公報 特開2007−23093号公報 特開2014−169447号公報 特開2015−147893号公報 特開2011−219557号公報 特開2015−212371号公報
しかし、特許文献1〜7に記載の方法では、発色性、耐候性及び耐傷付き性の1つ又は2つを改良できるものの、発色性、耐候性及び耐傷付き性の全てを改善させることはできなかった。そのため、従来のAES樹脂成形品では、車両内外装材又は事務機器等における要求性能を充分に満たすことができなかった。ここで、耐傷付き性には、耐擦り傷性及び耐引っ掻き傷性が包含される。
本発明は、発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性のいずれにも優れた成形品を容易に製造できる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性のいずれにも優れる成形品を提供することを目的とする。
本発明の一態様である熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(E)とポリメタクリル酸エステル(G)とを含有する熱可塑性樹脂組成物であって、グラフト共重合体(E)の含有割合が、前記熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して4質量%以上15質量%以下であり、前記グラフト共重合体(E)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下にて、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を含むビニル系単量体混合物(m1)をグラフト重合させて得た共重合体であり、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、密度が0.870g/cm以上0.912g/cm未満であり、体積平均粒子径が0.2μm以上0.4μm以下であり、ゲル含有率が3質量%以下である。
本発明の一態様である成形品は、前記熱可塑性樹脂組成物を含有する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物によれば、発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性のいずれもが優れた成形品を容易に製造できる。
本発明の成形品は、発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性のいずれにも優れる。
実施例及び比較例における耐擦り傷性試験を説明する概略図である。
「熱可塑性樹脂組成物」
以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物の一態様について説明する。
本態様の熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(E)とポリメタクリル酸エステル(G)を含有する。本態様の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、グラフト共重合体(E)及びポリメタクリル酸エステル(G)に加えて、添加剤をさらに含有してもよい。
本態様の熱可塑性樹脂組成物を成形することにより成形品を製造できる。
<グラフト共重合体(E)>
グラフト共重合体(E)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下にて、ビニル系単量体混合物(m1)をグラフト重合させて得た共重合体である。
グラフト共重合体(E)は、粒子状のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)からなる幹ポリマーにビニル系単量体混合物(m1)の重合体からなる枝ポリマーが結合したグラフト物と、ビニル系単量体混合物(m1)の重合体からなる非グラフト物とを含む。
なお、グラフト共重合体(E)においては、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)にビニル系単量体混合物(m1)がどのように重合しているか特定することは困難である。すなわち、グラフト共重合体(E)をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的ではないという事情(不可能・非実際的事情)が存在する。したがって、グラフト共重合体(E)は「エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下にて、ビニル系単量体混合物(m1)をグラフト重合させて得た共重合体」と規定することがより適切とされる。
(エチレン・α−オレフィン共重合体(a))
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンとを公知の重合方法によって共重合することによって得られた、エチレン単位とα−オレフィン単位とからなる共重合体である。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−オクテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−イコセン、1−ドコセン等が挙げられる。α−オレフィンのなかでも、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性の点から、炭素数が3以上20以下のα−オレフィンが好ましく、プロピレン、1−オクテンがより好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、非共役ジエン単位を含んでもよい。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)が非共役ジエン単位を含むと、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性がより優れる。
非共役ジエンとしては、例えば、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−シクロヘプタジエン、1,5−シクロオクタジエン等が挙げられる。前記非共役ジエンのなかでも、得られる成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性がより優れる点では、ジシクロペンタジエン及び5−エチリデン−2−ノルボルネンの少なくとも一方が好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)におけるエチレン単位の含有率は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を構成する全ての構成単位の合計を100質量%とした際に、45質量%以上80質量%以下が好ましく、50質量%以上75質量%以下がより好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)におけるエチレン単位の含有率が前記範囲内であれば、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性がさらに優れる。
本態様におけるエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の密度は、熱可塑性樹脂組成物の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性が良好となることから、0.870g/cm以上0.912g/cm未満であることが好ましく、0.900g/cm以上0.905g/cm未満がより好ましい。なお、密度は、JIS K7112に準拠して測定される。
本態様におけるエチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、ゲル含有率が小さいものであり、具体的には3質量%以下である。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率が3質量%以下であることにより、成形品の発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性を向上させることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率は0質量%であってもよいが、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。
本発明におけるゲル含有率は、以下のように測定される。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)をトルエンに浸漬し、トルエンに溶解しなかった不溶解分を乾燥させる。そして、トルエン浸漬前のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の質量に対する、乾燥させたトルエン不溶解分の質量の割合(単位:質量%)を算出する。算出された値がゲル含有率である。より具体的なゲル含有率の測定方法は、後述する実施例に記載する。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の製造方法は、限定されない。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、通常、メタロセン触媒又はチーグラー・ナッタ触媒を用いてエチレンとα−オレフィン、又は、エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとを共重合することによって製造される。
メタロセン触媒としては、遷移金属(ジルコニウム、チタン、ハフニウム等)にシクロペンタジエニル骨格を有する有機化合物、ハロゲン原子等が配位したメタロセン錯体と、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物等とを組み合わせた触媒が挙げられる。
チーグラー・ナッタ触媒としては、遷移金属(チタン、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム等)のハロゲン化物と有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物等とを組み合わせた触媒が挙げられる。
重合方法としては、前記触媒の存在下に、エチレンとα−オレフィン、又は、エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンを溶媒中で共重合させる方法が挙げられる。
溶媒としては、炭化水素溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等)が挙げられる。炭化水素溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、原料のα−オレフィン自体を溶媒として用いてもよい。
エチレン、α−オレフィンや非共役ジエンの供給量、水素等の分子量調節剤の種類や量、触媒の種類や量、反応温度、圧力等の反応条件を変更することによって、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のエチレン単位の含有率、質量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を調整できる。
グラフト共重合体(E)を製造する際には、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を水性分散体に分散させたオレフィン樹脂水性分散体(B)にしてもよい。
オレフィン樹脂水性分散体(B)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を、少なくとも水を50質量%以上含む水性媒体に分散させたものである。
オレフィン樹脂水性分散体(B)の調製方法は、限定されない。オレフィン樹脂水性分散体(B)の調製方法の一例としては、公知の溶融混練手段(ニーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機等)によって、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を溶融混練し、機械的せん断力を与えて分散させ、乳化剤を含む水性媒体に添加する方法が挙げられる。
オレフィン樹脂水性分散体(B)の調製方法の他の例としては、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を炭化水素溶媒(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)に乳化剤とともに溶解し、水性媒体に添加して乳化させた後、充分に攪拌し、炭化水素溶媒を留去する方法が挙げられる。
オレフィン樹脂水性分散体(B)の調製の際には、その他の成分として、例えば、乳化剤、酸変性オレフィン重合体等を添加してもよい。
乳化剤としては、公知のものが挙げられ、例えば、長鎖アルキルカルボン酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
乳化剤の添加量は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)100質量部に対して1質量部以上8質量部以下が好ましい。乳化剤の添加量が前記範囲内であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の熱着色を抑制でき、オレフィン樹脂水性分散体(B)に分散しているエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の粒子径を容易に制御できる。
酸変性オレフィン重合体としては、質量平均分子量が1,000以上5,000以下のオレフィン重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン等)を、官能基を有する化合物(不飽和カルボン酸化合物等)で変性したものが挙げられる。不飽和カルボン酸化合物としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノアミド等が挙げられる。
酸変性オレフィン重合体の添加量は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下が好ましい。酸変性オレフィン重合体の添加量が前記範囲内であれば、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性がさらに優れる。
酸変性オレフィン重合体の添加方法は、限定されない。例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)に酸変性オレフィン重合体を添加した後に架橋処理を施してもよいし、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)と酸変性オレフィン重合体とをそれぞれ架橋処理した後に混合してもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)と酸変性オレフィン重合体との混合方法は、限定されない。その混合方法としては、ニーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機等を用いた溶融混練法等が挙げられる。
オレフィン樹脂水性分散体(B)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径は、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性、耐候性が優れる点から、0.2μm以上0.4μm以下であり、0.2μm以上0.3μm以下であることが好ましい。エチレン・α‐オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径が0.2μm以上0.4μm以下であることにより、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性及び耐候性が高くなる。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径が0.2μmよりも小さい場合には、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性が低下することがある。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径が0.4μmよりも大きい場合には、成形品の耐候性が低下することがある。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。オレフィン樹脂水性分散体(B)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の平均粒子径は、そのまま熱可塑性樹脂組成物中のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の平均粒子径を示すことは、電子顕微鏡の画像解析によって確認している。
オレフィン樹脂水性分散体(B)に分散しているエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の平均粒子径を制御する方法としては、乳化剤の種類又は使用量、酸変性オレフィン重合体の種類又は含有量、混練時に加えるせん断力、温度条件等を調整する方法が挙げられる。
(ビニル系単量体混合物(m1))
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)に重合するビニル系単量体混合物(m1)は、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を含むビニル系単量体混合物である。ビニル系単量体混合物(m1)は、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体以外の他のビニル系単量体を含んでもよい。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−又はp−メチルスチレン、ビニルキシレン、p−t−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性の点から、芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。芳香族ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ビニル単量体の含有率は、ビニル系単量体混合物(m1)100質量%に対して60質量%以上85質量%以下が好ましく、62質量%以上80質量%以下がより好ましい。芳香族ビニル単量体の含有率が前記範囲内であれば、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性がさらに優れる。
シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。シアン化ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シアン化ビニル単量体の含有率は、ビニル系単量体混合物(m1)100質量%に対して15質量%以上40質量%以下が好ましく、20質量%以上38質量%以下がより好ましい。シアン化ビニル単量体の含有率が前記範囲内であれば、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性がさらに優れる。
他のビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等)、メタクリル酸エステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等)、マレイミド系化合物(N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等)等が挙げられる。他のビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他のビニル単量体の含有率は、ビニル系単量体混合物(m1)100質量%に対して30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
(グラフト共重合体(E)の製造方法)
グラフト共重合体(E)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下にて、ビニル系単量体混合物(m1)を重合することにより製造される。
グラフト共重合体(E)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)50質量%以上80質量%以下の存在下に、ビニル系単量体混合物(m1)20質量%以上50質量%以下(ただし、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)とビニル系単量体混合物(m1)との合計は100質量%)を重合して得られた共重合体が好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)が50質量%以上80質量%以下であれば、成形品の発色性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性がより向上する。
グラフト共重合体(E)を製造する際の重合方法としては、公知の重合方法(乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等)が挙げられる。前記重合方法のなかでも、乳化重合法が好ましい。
乳化重合法によるグラフト共重合体(E)の製造方法としては、例えば、ビニル系単量体混合物(m1)に有機過酸化物を混合した上で、ビニル系単量体混合物(m1)を、オレフィン樹脂水性分散体(B)に連続的に添加する方法が挙げられる。オレフィン樹脂水性分散体(B)に添加されたビニル系単量体混合物(m1)は、オレフィン樹脂水性分散体(B)に分散しているエチレン・α−オレフィン共重合体(a)にグラフト重合する。
有機過酸化物は、有機過酸化物と遷移金属と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤として用いることが好ましい。重合の際には、連鎖移動剤、乳化剤等を状況に応じて用いてもよい。
レドックス系開始剤としては、有機過酸化物と硫酸第一鉄−キレート剤−還元剤とを組み合わせたものが好ましい。このような組み合わせのレドックス系開始剤を用いると、重合温度を比較的低温にでき、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の劣化等を防止でき、成形品の耐候性の低下をより回避できる。
有機過酸化物としては、例えば、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド等が挙げられる。
レドックス系開始剤としては、クメンヒドロペルオキシドと、硫酸第一鉄と、ピロリン酸ナトリウムと、デキストロースとからなるものがより好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、メルカプタン類(オクチルメルカプタン、n−又はt−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−又はt−テトラデシルメルカプタン等)、アリル化合物(アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸、これらのナトリウム塩等)、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。前記連鎖移動剤のなかでも、分子量を容易に調整できる点から、メルカプタン類が好ましい。前記連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤の添加方法は、一括、分割、連続のいずれでもよい。
連鎖移動剤の添加量は、ビニル系単量体混合物(m1)100質量部に対して2.0質量部以下が好ましい。
乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、リン酸系塩、脂肪酸塩、アミノ酸誘導体塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アニオン部にカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等を有し、カチオン部にアミン塩、第4級アンモニウム塩等を有するものが挙げられる。
乳化剤の添加量は、ビニル系単量体混合物(m1)100質量部に対して10質量部以下が好ましい。
乳化重合法によって得られるグラフト共重合体(E)は、水中に分散した状態である。グラフト共重合体(E)を含む水性分散体からグラフト共重合体(E)を回収する方法としては、例えば、水性分散体に析出剤を添加し、加熱、攪拌した後、析出剤を分離し、析出したグラフト共重合体(E)を水洗、脱水、乾燥する析出法が挙げられる。
析出剤としては、例えば、硫酸、酢酸、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の水溶液が挙げられる。析出剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
グラフト共重合体(E)を含む水性分散体には、必要に応じて酸化防止剤を添加してもよい。
溶液重合法によるグラフト共重合体(E)の製造方法としては、例えば、通常のラジカル重合で使用される不活性重合溶剤が用いられる。不活性重合溶剤としては、例えば、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、ジクロロメチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
溶液重合に用いられる重合開始剤は、一般的な開始剤が用いられ、例えば、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が用いられる。また、重合開始剤は、一括又は連続的に添加する方法が挙げられる。
<ポリメタクリル酸エステル(G)>
ポリメタクリル酸エステル(G)としては、1種のメタクリル酸エステルの単独重合体、2種以上のメタクリル酸エステルの共重合体、1種以上のメタクリル酸エステルとメタクリル酸エステル以外の他の単量体との共重合体が挙げられる。ポリメタクリル酸エステル(G)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸フェニル等が挙げられる。
メタクリル酸エステル以外の他の単量体としては、例えば、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、マレイミド単量体、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体は、ビニル系単量体混合物(m1)に含まれる単量体と同様のものを使用できる。
マレイミド単量体としては、N−アルキルマレイミド(N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等)、N−シクロアルキルマレイミド(N−シクロヘキシルマレイミド等)、N−アリールマレイミド(N−フェニルマレイミド、N−アルキル置換フェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド等)等が挙げられる。
成形品の発色性と耐候性のバランスがより良好になることから、ポリメタクリル酸エステル(G)は、ポリメタクリル酸エステル(G−1)と、ポリメタクリル酸エステル(G−1)とは異なるポリメタクリル酸エステル(G−2)の2種類を併用することが好ましい。
2種類のポリメタクリル酸エステル(G−1)とポリメタクリル酸エステル(G−2)は特に制限はされない。
ポリメタクリル酸エステル(G−1)としては、例えば、メタクリル酸エステルの単独重合体が挙げられる。ポリメタクリル酸エステル(G−1)の具体例としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸n−プロピル、ポリメタクリル酸i−プロピル、ポリメタクリル酸n−ブチル、ポリメタクリル酸i−ブチル、ポリメタクリル酸t−ブチル等が挙げられる。
ポリメタクリル酸エステル(G−2)としては、例えば、メタクリル酸エステルとマレイミド単量体との共重合体が挙げられる。ポリメタクリル酸エステル(G−2)の具体例としては、例えば、メタクリル酸エステルとN−アルキルマレイミドとの共重合体、メタクリル酸エステルとN−シクロアルキルマレイミドとの共重合体が挙げられる。メタクリル酸エステル、N−アルキルマレイミド、N−シクロアルキルマレイミドは、上述した単量体を使用できる。
2種類のポリメタクリル酸エステル(G−1)とポリメタクリル酸エステル(G−2)との質量割合は特に制限されないが、成形品の発色性と耐候性とのバランスがより良好になることから、(G−1)と(G−2)との合計質量を100質量%としたときに、(G−1)が20質量%以上50質量%以下、(G−2)が50質量%以上80質量%以下であることが好ましく、(G−1)が30質量%以上50質量%以下、(G−2)が50質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
<各種添加剤>
各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、加工助剤、顔料、充填剤、シリコーンオイル、パラフィンオイル、難燃剤、帯電防止剤等が挙げられる。
<各成分の含有量>
熱可塑性樹脂組成物におけるグラフト共重合体(E)の含有割合は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して4質量%以上15質量%以下であり、4質量%以上10質量%以下であることが好ましい。グラフト共重合体(E)の含有割合が前記範囲内であれば、成形品の発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性がさらに優れる。
熱可塑性樹脂組成物におけるポリメタクリル酸エステル(G)の含有割合は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して85質量%以上96質量%以下であることが好ましく、90質量%以上96質量%以下であることがより好ましい。ポリメタクリル酸エステル(G)の含有割合が前記範囲内であれば、成形品の発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性がさらに優れる。
<熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
本態様の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、グラフト共重合体(E)、ポリメタクリル酸エステル(G)と、必要に応じて添加剤とを、ミキサーを用いて混合し、溶融混練することにより製造される。
ミキサーとしては、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いることができる。溶融混練の際には、スクリュー式押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ミキシングロールなどの溶融混練機を用いることができる。溶融混練後には、溶融混練機から吐出したストランドをペレット化するペレタイザーを用いてもよい。
<作用効果>
以上説明した本態様の熱可塑性樹脂組成物は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下にてビニル系単量体混合物(m1)をグラフト重合させて得たグラフト共重合体(E)と、ポリメタクリル酸エステル(G)とを含有する組成物である。
本態様においては、グラフト共重合体(E)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の密度が0.870g/cm以上0.912g/cm未満であり、体積平均粒子径が0.2μm以上0.4μm以下であり、ゲル含有率が3質量%以下である。このようなエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を有するグラフト共重合体(E)を用いるため、本態様の熱可塑性樹脂組成物は、発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性のいずれもが優れる成形品を容易に製造できる。
「成形品」
本発明の成形品の一態様について説明する。
本態様の成形品は、前記態様の熱可塑性樹脂組成物を含有するものである。
具体的に、本態様の成形品は、前記態様の熱可塑性樹脂組成物を公知の成形方法によって成形することによって製造される。
熱可塑性樹脂組成物の成形方法としては、例えば、射出成形法、プレス成形法、押出成形法、真空成形法、ブロー成形法等が挙げられる。
本態様の成形品の用途としては、車両内装部品、車両外装部品、事務機器、家電、建材等が挙げられる。
本態様の成形品にあっては、前記態様の熱可塑性樹脂組成物を用いているため、発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性のいずれもが優れる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の例中の「%」及び「部」は明記しない限りは質量基準である。
下記例における、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径、ゲル含有率及び質量平均分子量の測定方法は以下の通りである。
<エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径の測定>
ナノトラック粒度分布計(日機装株式会社製、「UPA−EX150」)を用い、測定溶媒として純水を用いて、オレフィン樹脂水性分散体(B)の体積基準の粒子径分布を測定した。測定された体積平均粒子径は、熱可塑性樹脂組成物中のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径と同様とみなすことができる。実際に、前記測定方法により測定したエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径が熱可塑性樹脂組成物中のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径であることは、電子顕微鏡写真の画像解析によって確認した。
<エチレン・α−オレフィン共重合体(a)ゲル含有率の測定>
メタノール200mLと5%硫酸水溶液120mLの混合溶液に、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の水性分散体又は溶媒分散体10mLを添加して凝固させ、200メッシュ金網でろ過した。次いで純水200mL中にろ過した凝固物を加え、20分攪拌した後、凝固物を200メッシュ金網でろ過した。メタノール200mL中にろ過した凝固物を加え、20分攪拌した後、凝固物を200メッシュ金網でろ過した。得られた粉状の凝固物を、真空乾燥器を用いて23℃、24時間以上乾燥した。得られた凝固粉試料[D1]0.5gを、メッシュかごに入れ、トルエン550gを加えた。凝固粉試料を含むトルエンを、セパラブルフラスコに投入した後、ヒーターを用いて液温105℃に加熱し、6時間加熱還流した。次いで、冷却し、冷却したメッシュかごを取り出し、真空乾燥器を用いて室温で24時間以上乾燥した。真空乾燥後のメッシュかごの質量を測定し、乾燥物[D2]の質量を測定し、下記式(1)から、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率を求めた。
ゲル含有率(%)=(乾燥物質量[D2](g)/凝固粉試料質量[D1](g))×100・・・(1)
<質量平均分子量(Mw)の測定方法>
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC:Waters社製「GPC/V2000」、カラム:昭和電工株式会社製「ShodexAT−G+AT−806MS」)を用い、o−ジクロロベンゼン(145℃)を溶媒として分子量を測定した。分子量が既知の標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を利用して、質量平均分子量(Mw)を求めた。
<エチレン・α−オレフィン共重合体(a)>
(エチレン・α−オレフィン共重合体(a−1))
ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー社製の「ENGAGE(エンゲージ)ポリオレフィン・エラストマー、ENGAGE 8407」を(a−1)として用いた。融点65℃、密度0.870g/cm
(エチレン・α−オレフィン共重合体(a−2))
ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー社製の「ENGAGE(エンゲージ)ポリオレフィン・エラストマー、ENGAGE 8402」を(a−2)として用いた。融点99℃、密度0.902g/cm
(エチレン・α−オレフィン共重合体(a−3))
ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー社製の「NORDEL(ノーデル)IP ハイドロカーボン・ラバー、NORDEL IP 4820P」を(a−3)として用いた。融点90℃、密度0.910g/cm
(エチレン・α−オレフィン共重合体(a−4))
三井化学株式会社製の「タフマー TP3180」を(a−4)として用いた。融点34℃、密度0.860g/cm
(エチレン・α−オレフィン共重合体(a−5))
株式会社プライムポリマー製の「ウルトゼックス 20200J」を(a−5)として用いた。融点120℃、密度0.918g/cm
<製造例1:オレフィン樹脂水性分散体(B−1)の製造>
エチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)100部と、酸変性オレフィン重合体として無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学株式会社製、「三井ハイワックス 2203A」、質量平均分子量:2,700、酸価:30mg/g)25部と、乳化剤としてオレイン酸カリウム5部(花王株式会社製、「KSソープ」)とを混合した。
この混合物を二軸スクリュー押出機(株式会社池貝製、「PCM30」、L/D=40)のホッパーから4kg/hで供給した。該二軸スクリュー押出機のベント部に設けた供給口より、水酸化カリウム0.5部とイオン交換水3.5部を混合した水溶液を連続的に供給しながら、220℃に加熱して溶融混練して押出した。得られた溶融混練物を二軸スクリュー押出機の先端に取り付けた冷却装置に連続的に供給し、90℃まで冷却した。そして、二軸スクリュー押出機先端より吐出させた固体を、80℃の温水中に投入し、連続的に分散させて、固形分濃度40質量%付近まで希釈して、オレフィン樹脂水性分散体(B−1)を得た。電子顕微鏡により、熱可塑性樹脂組成物中のエチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)の体積平均粒子径を確認したところ、0.22μmであった。また、エチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)のゲル含有率は2.5質量%であった。
<製造例2:オレフィン樹脂水性分散体(B−2)〜(B−7)の製造>
表1に示すように、無水マレイン酸変性ポリエチレン量、オレイン酸カリウム量、及びイオン交換水量を変更した以外は、製造例1と同様にしてオレフィン樹脂水性分散体(B−2)〜(B−7)を得た。オレフィン樹脂水性分散体(B−2)〜(B−7)の体積平均粒子径及びゲル含有率を表1に示す。
Figure 2019167533
<製造例3:架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)の製造>
オレフィン樹脂水性分散体(B―1)(固形分として100部)に固形分濃度が35%になるようにイオン交換水を加えた。さらに、有機過酸化物としてt−ブチルクミルペルオキシド1部、多官能性化合物としてジビニルベンゼン1部を添加し、130℃で5時間反応させて、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)を調製した。架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)の体積平均粒子径及びゲル含有率を表2に示す。
<製造例4:架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(C−2)〜(C−3)の製造> 表2に示すように、オレフィン樹脂水性分散体の種類を変更した以外は、製造例3と同様にして架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(C−2)〜(C−3)を得た。架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(C−2)〜(C−3)の体積平均粒子径及びゲル含有率を表2に示す。
Figure 2019167533
<製造例5:グラフト共重合体(E−1)の製造>
攪拌機付きステンレス重合槽に、オレフィン樹脂水性分散体(B−1)を入れ、固形分濃度が30%になるようにイオン交換水を加えた。さらに、硫酸第一鉄0.006部、ピロリン酸ナトリウム0.3部及びフラクトース0.35部を仕込み、温度を80℃とした。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の固形分は70部である。
次いで、前記重合槽に、スチレン(表中では「ST」と表記する。)22.5部、アクリロニトリル(表中では「AN」と表記する。)7.5部及びクメンヒドロペルオキシド0.6部を150分間連続的に添加し、重合温度を80℃に保って乳化重合をおこなった。これにより、体積平均粒子径0.22μmのエチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)を含むグラフト共重合体(E−1)の水性分散体を得た。
グラフト共重合体(E−1)の水性分散体に酸化防止剤を添加し、硫酸添加によって固形分を析出させ、洗浄、脱水、乾燥の工程を経て、粉状のグラフト共重合体(E−1)を得た。
グラフト共重合体(E−1)におけるエチレン・α−オレフィン共重合体の体積平均粒子径も、電子顕微鏡によって測定した熱可塑性樹脂組成物中のエチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)の体積平均粒子径と同じであることを確認している。
<製造例6:グラフト共重合体(E−2)〜(E−7)の製造>
表3に示すように、オレフィン樹脂水性分散体の種類を変更した以外は、製造例5と同様にしてグラフト共重合体(E−2)〜(E−7)を得た。
Figure 2019167533
<製造例7:グラフト共重合体(E−8)の製造>
攪拌機付きステンレス重合槽に、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)を入れ、固形分濃度が30%になるようにイオン交換水を加えた。さらに、硫酸第一鉄0.006部、ピロリン酸ナトリウム0.3部及びフラクトース0.35部を仕込み、温度を80℃とした。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の固形分は70部である。
次いで、スチレン22.5部、アクリロニトリル7.5部及びクメンヒドロペルオキシド0.6部を150分間連続的に添加し、重合温度を80℃に保って乳化重合をおこなった。これにより、体積平均粒子径0.22μmのエチレン・α−オレフィン共重合体を含むグラフト共重合体(E−8)の水性分散体を得た。
グラフト共重合体(E−8)の水性分散体に酸化防止剤を添加し、硫酸添加によって固形分を析出させ、洗浄、脱水、乾燥の工程を経て、粉状のグラフト共重合体(E−8)を得た。
グラフト共重合体(E−8)におけるエチレン・α−オレフィン共重合体の体積平均粒子径も、電子顕微鏡によって測定した熱可塑性樹脂組成物中のエチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)の体積平均粒子径と同じであることを確認している。
<製造例8:グラフト共重合体(E−9)〜(E−10)の製造>
表4に示すように、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体の種類を変更した以外は、製造例7と同様にしてグラフト共重合体(E−9)〜(E−10)を得た。
Figure 2019167533
<製造例9:ゴム質重合体(b)の製造>
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機及び攪拌装置を備えた反応器内に、脱イオン水390部、アルケニルコハク酸ジカリウム(商品名:ラテムルASK(花王株式会社))1.2部、アクリル酸n−ブチル100部、メタクリル酸アリル1.2部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.25部を仕込んだ。次いで、反応器内を攪拌しながら窒素置換した後、内容物を昇温した。内温55℃にて、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.45部、硫酸第一鉄七水和物0.0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0006部、脱イオン水10部からなる水溶液を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続した。さらに1時間保持して、体積平均粒子径が100nmのゴム質重合体ラテックス(b)を得た。
<製造例10:グラフト共重合体(F)の製造>
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機及び攪拌装置を備えた反応器に、脱イオン水(ゴム質重合体ラテックス中の水を含む)230部、ゴム質重合体ラテックス(b)50部(固形分として)、アルケニルコハク酸ジカリウム(商品名:ラテムルASK(花王株式会社))0.2部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を仕込んだ。次いで、反応器内を充分に窒素置換した後、攪拌しながら内温を70℃まで昇温した。次いで、アクリロニトリル15部、スチレン35部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.5部からなる混合液を100分間にわたって滴下しながら、80℃まで昇温した。滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後、冷却し、グラフト共重合体(F)ラテックスを得た。
次いで、1.5%硫酸水溶液100部を80℃に加熱し、該水溶液を攪拌しながら、該水溶液にグラフト共重合体(F)ラテックス100部を徐々に滴下し、グラフト共重合体を固化させ、さらに95℃に昇温して10分間保持した。次いで、固化物を脱水、洗浄、乾燥し、粉末状のグラフト共重合体(F)を得た。
<ポリメタクリル酸エステル(G)>
(ポリメタクリル酸エステル(G−1))
株式会社日本触媒製「ポリイミレックスPML203」(N−フェニルマレイミド・N−シクロヘキシルマレイミド・メタクリル酸メチル・スチレン共重合体、質量平均分子量200,000)をポリメタクリル酸エステル(G−1)として用いた。
(ポリメタクリル酸エステル(G−2))
三菱ケミカル株式会社製「アクリペットVH5」(メタクリル酸メチル単位98質量%、メタクリル酸単位2質量%、質量平均分子量6,900)を、ポリメタクリル酸エステル(G−2)として用いた。
<実施例及び比較例>
表5又は表6に示すグラフト共重合体及びポリメタクリル酸エステル(G)と、EBS−WAX(花王株式会社製)1.0部と、アデカスタブLA−31(株式会社ADEKA製)0.4部と、アデカスタブLA−63PK(株式会社ADEKA製)0.4部と、カーボンブラック0.8部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。得られた混合物を、スクリュー式押出機(株式会社日本製鋼所製、「TEX−28型二軸押出機」)を用いて、シリンダー温度200℃以上260℃以下、93.325kPa真空の条件にて溶融混練した。押出機から吐出したストランドを、ペレタイザー(創研株式会社製「SH型ペレタイザー」)を用いてペレット化してペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
得られた熱可塑性樹脂組成物の成形品の発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性を下記のように評価した。評価結果を表5及び表6に示す。
(発色性の評価)
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、株式会社日本製鋼所製4オンス射出成形機を用い、シリンダー設定温度260℃、金型温度80℃、射出率20g/秒の条件で、長さ100mm、幅100mm、厚み3mmの板状の成形品を作製した。
次いで、成形品の色目の判定指標Lを、測色計(ミノルタ株式会社製 CM−508d D65 10°SCE方式)を用いて測定した。Lが小さいほど発色性に優れる。
(耐候性の評価)
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、株式会社日本製鋼所製4オンス射出成形機を用い、シリンダー設定温度260℃、金型温度80℃、射出率20g/秒の条件で、長さ100mm、幅100mm、厚み3mmの板状の成形品を作製した。
次いで、得られた成形品の表面を長さ70mm、幅30mmに切削し、スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製 SX75AP)を用い、JIS D 0205、JIS K 7350−2に準拠し、63℃、雨有り条件下で528時間試験を行った。
そして、試験前後の成形品の変色の度合い(ΔE)を、測色計(ミノルタ株式会社製 CM−508d D65 10°SCE方式)を用いて測定した。ΔEが小さいほど耐候性に優れる。
(耐擦り傷性の評価)
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、株式会社日本製鋼所製4オンス射出成形機を用い、シリンダー設定温度260℃、金型温度80℃、射出率20g/秒の条件で、長さ100mm、幅100mm、厚み3mmの板状の成形品(Ma)を作製し、その表面の明度Lを、変角測色計を用いて、角度25度で測定した。こうして測定されたLを「L(ma)」とする。
図1に示すように、先端部11が20mm×20mmの半球形に形成された棒状の治具10を用意し、先端部11に、綿軍手12を張り付けた。成形品(Ma)13の表面に対して、棒状の治具10が直角になるように、綿軍手12を張り付けた先端部11を接触させ、先端部11を成形品(Ma)13の表面において水平方向(図中矢印方向)に摺動させ、10回往復させた。その際、加える荷重は2.4kgとした。10回往復させた後、傷を付けた成形品(Mc)の表面の明度Lを、測色計を用いて、測定した。こうして測定されたLを「L(mc)」とする。
また、上記の試験で傷を付ける前の成形品(Ma)及び上記の試験で傷を付けた成形品(Mc)それぞれの表面の光沢値を、デジタル変角光沢計(スガ試験機製 UGV−5)を用いて、角度20度で測定した。成形品(Ma)の表面の光沢値を「光沢値(mb)」、成形品(Mc)の表面の光沢値を「光沢値(md)」とする。
(耐擦り傷性の判定)
成形品(Mc)の傷(擦り傷)の目立ちやすさの判定指標としてΔLを下記式(2)から算出した。ΔLの絶対値が大きいほど傷が目立ちやすい。
ΔL=L(mc)−L(ma)・・・(2)
式(2)から算出されるΔLの値が小さいほど耐擦り傷性に優れる。
成形品(Mc)の傷の目立ちやすさの判定指標として光沢保持率(%)を下記式(3)から算出した。光沢保持率(%)が小さいほど傷が目立ちやすい。
光沢保持率(%)=(光沢値(md)/光沢値(mb))×100・・・(3)
なお、この耐擦り傷性の評価は、比較的柔らかい素材による耐傷付き性の評価ともいえる。
(耐引っ掻き傷性の評価)
成形品(Ma)の表面に、スクラッチテスター(カトーテック株式会社製、「スクラッチテスターKK02」)にて、荷重1〜50N、ピン形状1mmφ、引っ掻き速度100mm/minの条件で、引っ掻き傷を付け、荷重12Nでのスクラッチ摩擦係数SCOFの値を読み取った。また、傷を付けた成形品(Me)の表面の明度Lを、変角測色計を用いて、角度25度で測定した。こうして測定されたLを「L(me)」とする。
(耐引っ掻き傷性の判定)
成形品(Me)の傷(引っ掻き傷)の目立ちやすさの判定指標としてΔLを下記式(4)から算出した。ΔLの絶対値が大きいほど傷が目立ちやすい。
ΔL=L(me)−L(ma)・・・(4)
式(4)から算出されるΔLの値が小さいほど耐引っ掻き傷性に優れる。
なお、この耐引っ掻き傷性の評価は、比較的硬い素材による耐傷付き性の評価ともいえる。
Figure 2019167533
Figure 2019167533
実施例1〜5の熱可塑性樹脂組成物の成形品は発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性のいずれもが優れていた。
比較例1は、グラフト共重合体(E)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体の密度が0.870g/cm未満であり、成形品の耐引っ掻き傷性及び耐候性が低かった。
比較例2は、グラフト共重合体(E)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体の密度が0.912g/cm超であり、成形品の発色性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性及び耐候性が低かった。
比較例3は、グラフト共重合体(E)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体の体積平均粒子径が0.4μm超であり、成形品の発色性、耐候性が低かった。
比較例4は、グラフト共重合体(E)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体の密度が0.870g/cm未満であり、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性が低かった。
比較例5〜7は、グラフト共重合体(E)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体のゲル含有率が40質量%超であり、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性及び耐候性が低かった。
比較例8は、ゴム質重合体がアクリルゴムであるグラフト共重合体(F)であり、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性及び耐候性が低かった。
比較例9は、グラフト共重合体(E)の含有割合が4質量%未満であり、成形品の耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性及び耐候性が低かった。
比較例10は、グラフト共重合体(E)の含有割合が15質量%超であり、成形品の発色性及び耐候性が低かった。
本発明によれば、発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性のいずれもが優れる成形品を容易に製造できる熱可塑性樹脂組成物を提供できる。特に本発明の熱可塑性樹脂組成物の発色性、耐候性、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性のバランスは、従来知られている熱可塑性樹脂組成物より高いレベルである。このような熱可塑性樹脂組成物の成形品は、ピラー、ドアミラー、ラジエターグリル、スポイラーなどの車両外装用部品、事務機器、家電部品、玩具、文房具、雑貨等に好適であり、有用性が高い。
10 治具
11 先端部
12 綿軍手
13 成形品

Claims (2)

  1. グラフト共重合体(E)とポリメタクリル酸エステル(G)とを含有する熱可塑性樹脂組成物であって、
    グラフト共重合体(E)の含有割合が、前記熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して4質量%以上15質量%以下であり、
    前記グラフト共重合体(E)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下にて、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を含むビニル系単量体混合物(m1)をグラフト重合させて得た共重合体であり、
    前記エチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、密度が0.870g/cm以上0.912g/cm未満であり、体積平均粒子径が0.2μm以上0.4μm以下であり、ゲル含有率が3質量%以下である、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物を含有する成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019108425A (ja) * 2017-12-15 2019-07-04 ユーエムジー・エービーエス株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品

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