JP2603173B2 - 水性化ポリオレフィン樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
水性化ポリオレフィン樹脂組成物及びその製造方法Info
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化ポリオレフィン、不飽和カルボン酸及び/又は酸無水
物で変性されたポリオレフィン等の変性ポリオレフィン
の水性化ポリオレフィン樹脂組成物に関するものであ
る。この技術により製造される水性樹脂組成物は主に塗
料、プライマー、インキ、接着剤、シーリング剤用樹脂
として用いることができる。また水性のアクリル、ウレ
タン、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂と配合して
用いることも可能である。
及びプロピレン、エチレンと他のα−オレフィンの2つ
以上を組み合わせた共重合体等のポリオレフィンを不飽
和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性した変性ポリオ
レフィン組成物や更にそれらを塩素化した酸変性塩素化
ポリオレフィンは塗装材料、プライマー、インキ等に用
いられている。しかし現状ではこれらの樹脂はトルエン
やキシレンなどの芳香族系有機溶剤にしか溶解しないの
で多量の芳香族系の溶剤を使用せざるを得ず、安全衛
生、環境汚染の面から問題があった。
液を製造する試みがなされてきており、例えば特開平1-
153778号公報、特開平1-256556号公報、特開平2-284973
号公報等に開示されているが、これらには製造時に芳香
族系有機溶剤が使用されておりこの芳香族系溶剤を完全
になくすことは困難であった。また、変性ポリオレフィ
ンの水性分散液を製造する試みもなされており、例え
ば、特開昭59-47244号公報、特開平2-286724号公報等に
開示されている。しかし、塗装、接着等において被塗
物、被接着物をポリオレフィン樹脂とした場合密着性や
耐水性が悪かったり塗装性が悪いなどの欠点があり、こ
のような水性の組成物はまだ実用化されるに至っていな
い。また、特開平3-182534号公報では変性塩素化ポリオ
レフィンを界面活性剤を用いて水性化し更に水性ポリウ
レタン樹脂を配合することによって塗膜性能の向上を図
っている。しかし、界面活性剤が反応性でないために水
によって塗膜から活性剤成分が溶出しそれによって生じ
ると思われる塗膜の欠陥により塗膜の耐水性が低下する
という現象を引き起こしている。また、反応性界面活性
剤はこれまで乳化重合の際に用いられてきており、乳化
重合においてモノマーを水中に懸濁させる為の界面活性
作用を持ちかつ他のモノマーと反応するため重合物の構
造に取り込まれ、結果として反応物の耐水性を改善する
効果をもたらすものであった。
密着性が良いことやそれ自体が従来水に溶けにくく疎水
性を持ち安価なことからインキのバインダー、シーリン
グ材用樹脂、ロードマーキング用樹脂としても用いられ
てきた。これらの用途においても有機溶剤の使用は好ま
しくなく、環境中への溶剤の散逸が問題となっている。
族系有機溶剤を全く使用せずに、耐水性に優れた塗膜を
有する水性化ポリオレフィン樹脂組成物及びその製造方
法を提供することである。
め、本発明者らは毒性、公害面などの問題がなく、安全
性に優れかつ耐水性に優れる水性樹脂組成物を製造する
方法を鋭意検討した結果本発明に至った。すなわち本発
明はポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、不飽和カ
ルボン酸及び/又は酸無水物で変性されたポリオレフィ
ンのいずれか1種以上に反応性界面活性剤、塩基性物質
を添加した後、それらを水中に分散させ、この水中分散
液に反応開始剤を添加することにより分散させた樹脂の
まわりに安定な親水層を形成させることを特徴とするポ
リオレフィン及び変性ポリオレフィンの水性化ポリオレ
フィン樹脂組成物及びその製造方法である。
ジカル重合性の反応性界面活性剤であるのが望ましく、
また反応性モノマーとしてはラジカル反応性の二重結合
と水酸基を持つ反応性モノマー、あるいはラジカル反応
性の二重結合とカルボキシル基を持つ反応性モノマーが
良好である。更に上記本発明において、反応性界面活性
剤がラジカル重合性の二重結合とノニオン性の親水性官
能基であるポリオキシエチレン構造をあわせ持つことを
特徴とする反応性界面活性剤である事により効果は大き
くなる。また反応性界面活性剤がアルキルプロペニルフ
ェノールポリエチレンオキシド付加体及び/又はアルキ
ルジプロペニルフェノールポリエチレンオキシド付加体
及びそれらの硫酸エステルの塩であるのが更に望まし
い。
用いるポリオレフィンとはエチレンもしくはプロピレン
の単独重合体、又はエチレンもしくはプロピレンとその
他のコモノマー例えばブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などの炭素数2
以上、好ましくは2〜6のα−オレフィンコモノマーと
のランダム共重合体又はブロック共重合体である。ま
た、これらのコモノマーを2種類以上共重合してもよ
い。また上記の塩素化ポリオレフィンとはポリオレフィ
ン中の水素原子の一部を塩素で置き換えたものを意味す
る。同じく不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性
されたポリオレフィンとはα,β−不飽和カルボン酸ま
たはその酸無水物で変性されたポリオレフィンを意味す
る。
レフィン、塩素化ポリオレフィン、変性ポリオレフィン
は公知の方法で製造されたもので良く、それぞれの製造
方法や変性度合によっては本発明の水性化ポリオレフィ
ン樹脂組成物はなんらの制限も受けない。又、本発明に
用いる水性化原料は上記した、ポリオレフィン、塩素化
ポリオレフィン、変性ポリオレフィンを単独で使用して
も良いし、2種類以上組合せて使用しても良い。
組成物及びその製造方法としては、水性化原料樹脂(ポ
リオレフィン及び塩素化ポリオレフィン、不飽和カルボ
ン酸及び/又は酸無水物で変性されたポリオレフィン等
の変性ポリオレフィン)100部を60〜250℃で加
熱溶融し、そこへ撹拌しながら反応性界面活性剤5〜1
50部、塩基性物質を水性化樹脂中の親水性基に対し当
量の0.3〜1.5倍、必要によっては反応性モノマー
5〜100部を添加する。更に必要によっては、非反応
性界面活性剤を添加することができる。その混合物の温
度を100℃に調整し90℃の水を徐々に添加すること
によって水性化原料樹脂を水中に分散させる。
20部を添加し20〜100 ℃で1時間から24時間重合反応を
行う。反応温度、反応時間、攪拌速度、ラジカル反応開
始剤量、反応濃度等反応条件は使用する水性化樹脂原
料、反応性界面活性剤、反応性モノマー、塩基性物質の
組み合わせ、量比によって適切な条件を設定することが
できる。また、反応中の未反応の反応性界面活性剤及び
反応性モノマーの反応度合、残存量をGPC(ゲルパー
ミュエーションクロマトグラフィー)、LC(液体クロ
マトグラフィー)、GC(ガスクロマトグラフィー)等
でモニターすることでより良い条件設定を行うことがで
きる。
活性剤、塩基性物質、必要により反応性モノマーを添加
する際、原料樹脂を溶融せずに一旦トルエン、キシレン
等の有機溶剤に溶解した後反応性界面活性剤及び反応性
モノマーを添加し、その後溶剤を減圧留去した後残った
混合液を100℃に調整し必要によって非反応性界面活
性を添加した後、水を徐々に添加して水性液を調製して
もよい。
面活性剤及び必要によって添加する反応性モノマーを重
合する方法は公知の乳化重合又は塊状重合で用いられる
方法でよい。すなわちここで用いるラジカル反応開始剤
は水溶性でも油溶性でもよい。油溶性の反応開始剤を用
いる場合には水性化樹脂原料に反応性の界面活性剤とモ
ノマーを添加した後開始剤を添加し、その後水を添加し
て水性反応液を調製する方が好ましい。
性界面活性剤については、水性化樹脂原料に反応性界面
活性剤とモノマーを添加した後、水を添加する前に塩基
性物質、必要に応じて非反応性界面活性剤を添加しても
よいし、あらかじめ塩基性物質、必要に応じて非反応性
界面活性剤を水に必要量添加しておいてもよい。水の添
加においては撹拌中の反応物に徐々に水を添加し転相法
によって反応物を水に分散させてもよいし、撹拌中の水
に反応物を添加してもよい。
は透析膜処理、限外ろ過、UF膜処理によって取り除く
ことが可能である。また、未反応の反応性モノマーはフ
ラッシュエバポレーターによって減圧溜去、又は蒸気ス
トリッピングによって取り除くことができる。
生剤は公知のものの中から適宜選択することができる。
過酸化水素、過硫酸カリ、有機過酸化物としては、例え
ばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート、t−ブチルハイドロパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメン
ハイドロパーオキサイド等が挙げられ、反応温度によっ
て選択して使用する。アゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ系、またレドックス系の開始剤も使用できる。また
それらを組み合わせて使用してもよい。促進剤として亜
硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウム塩等が挙
げられる。
は、親水性を示す官能基のイオン化度を調整するためで
あり、カルボキシル基、スルホン基等をイオン化するこ
とにより、水性化樹脂の水への分散を良好にする。ただ
し、使用する反応性界面活性剤、非反応性界面活性剤が
既に塩基性物質で中和されている場合などには塩基性物
質を添加しなくてよい場合がある。塩基性物質としては
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチ
ルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミ
ン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノール
アミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパ
ノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、
モルホリン等を例示することができる。使用する塩基の
種類によって樹脂の親水性度合も異なってくるので、条
件によって適宜選択する必要がある。使用する塩基性物
質の量は水性化樹脂中の親水性基に対し当量の 0.3〜1.
5 倍の範囲が適当であり、好ましくは 0.5〜1.2 倍であ
る。
剤としては一般的に反応性界面活性剤又は反応性乳化剤
として用いられるものでもよいがラジカル反応性の二重
結合を持つものが好ましい。更に好ましくは特開平4-53
802 号公報、特開平4-50204号公報に示されるアルキル
プロペニルフェノールポリエチレンオキシド付加体、ア
ルキルジプロペニルフェノールポリエチレンオキシド付
加体及びそれらの硫酸エステルの塩、特開昭62-100502
号公報、特開昭62-221431 号公報に示されるアリルアル
キルフェノールポリエチレンオキシド付加体、アリルジ
アルキルフェノールポリエチレンオキシド付加体及びそ
れらの硫酸エステルの塩が挙げられる。その中でもアル
キルプロペニルフェノールエチレンオキシド20モル付加
体、同30モル付加体、同50モル付加体(アクアロンRN
−20,RN−30,RN−50、第一工業製薬製)及
びアルキルプロペニルフェノールポリエチレンオキシド
10モル付加体の硫酸エステルアンモニウム塩、同20モル
付加体の硫酸エステルアンモニウム塩(アクアロンHS
−10,HS−20、第一工業製薬製)が好ましい。ま
た、複数の反応性界面活性剤を組み合わせて用いること
もできる。
性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンプロピレンポリオール(プルロニック型)、アルキ
ロールアミド、ソルビタンアルキルエステル、ポリグリ
セリンエステルなどのノニオン型界面活性剤、アルキル
硫酸エステル塩、アルキルフェノールスルホン酸塩、ス
ルホコハク酸エステル塩などのほかカルボン酸塩、リン
酸エステル塩なども例示することのできるアニオン型界
面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリンな
どの両性界面活性剤など及びこれらを2種類以上混合し
たものを使用できる。しかし非反応性界面活性剤を多量
に添加すると耐水性が低下するため好ましくない。
モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アク
リルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、メ
タクリル酸ヒドロキシエチルエステル等のアクリル系モ
ノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共
役ジエン系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の
ハロゲン化オレフィン系モノマー、スチレン、ジビニル
ベンゼン等の芳香族系モノマー、酢酸ビニル等ビニルエ
ステル系モノマー、マレイン酸メチル、無水マレイン酸
などが挙げられる。
よってポリオレフィン及び塩素化ポリオレフィン、不飽
和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性されたポリオレ
フィン等の変性ポリオレフィンにグラフト共重合するこ
とができるが、水性化樹脂原料に酸変性ポリオレフィン
を用いる場合には、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシメタアクリレート等のラジカル反応
性二重結合と水酸基を両方持つ反応性モノマーを用いる
ことにより水酸基を利用して水を添加する前に酸変性ポ
リオレフィン溶融液又はその有機溶剤溶液に添加しエス
テル化反応によってグラフト共重合させておくこともで
きる。この場合エステル化反応にあたらなかったラジカ
ル反応性二重結合を利用して反応性界面活性剤をグラフ
ト共重合することができる。
樹脂組成物は貯蔵安定性に優れるだけでなく、ポリオレ
フィンに対する密着性に優れており、塗装や接着の際の
プライマーとして優れているだけでなく水性塗料のビヒ
クル樹脂、水性接着剤、水性インキのバインダー樹脂、
シーリング材用樹脂としても応用することができる。更
に本発明の水性化ポリオレフィン樹脂組成物によって製
造された樹脂組成物はそのままでも顔料を混ぜてもよ
く、他の水性樹脂をブレンドしてもよい。
ン樹脂組成物は親水性基を持つ反応性界面活性剤をグラ
フト共重合することにより有機溶剤を含有することなく
非水溶性のポリオレフィン系樹脂を水性化しているた
め、それを利用した際に環境中に有害な有機溶剤を放出
することが無いだけでなく、従来の非反応性界面活性剤
等を用いたポリオレフィン系水性樹脂組成物で問題とな
っていた樹脂被膜の耐水性を改良することができる。
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
び滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中で、プロピ
レン−ブテン−エチレン共重合体(プロピレン成分68モ
ル%、ブテン成分24モル%、エチレン成分8モル%、重
量平均分子量68000) 300gを加熱溶融させた後、系の温
度を 180℃に保って攪拌しながら無水マレイン酸40gと
ラジカル発生剤としてジクミルパーオキシド5gをそれ
ぞれ3時間かけて滴下させ、その後3時間反応を行っ
た。反応後室温まで冷却した後反応物を20Lのアセトン
中に投入して精製しグラフト量 9.2重量%の無水マレイ
ン酸グラフト共重合体を得た。GPCにより測定された
重量平均分子量は 26000であった。
HPLC−8020にカラムTSK−GELを付け、試
料をTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、40℃で測
定し、ポリスチレン標準試料で作成した検量線から分子
量を求めた。
フラスコ中で、試作例−1で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gを 110℃で加熱溶融し、モルホリン
9.6gを添加後、アルキルプロペニルフェノールエチレ
ンオキシド20モル付加体(アクアロンRN−20、第一
工業製薬製)30gを添加し、 100℃に降温し90℃の水を
徐々に添加して水性反応液を調製した。そこへラジカル
反応開始剤の過硫酸カリ10gを添加し、反応を攪拌しな
がら80℃で4時間行うことにより重合反応を行った。反
応後、トリエチルアミン4gを加え水性化反応液(固形
分25%)を得た。水性化反応液を分画分子量5000の限外
ろ過膜で48時間処理した後再濃縮し固形分45%の水性酸
変性ポリオレフィン樹脂を得た。
ルキルプロペニルフェノールエチレンオキシド20モル付
加体の代りにアルキルプロペニルフェノールエチレンオ
キシド30モル付加体(アクアロンRN−30、第一工業
製薬製)を40g添加して反応させ水性酸変性ポリオレフ
ィン樹脂(固形分45%)を得た。
フラスコ中で、試作例−1で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gを 110℃で加熱溶融し、モルホリン
9.6gを添加した。アルキルプロペニルフェノールエチ
レンオキシド20モル付加体のスルホン酸アンモニウム塩
(アクアロンHS−20、第一工業製薬製)65g、t−
ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート10gを添加
した後、 100℃で攪拌しながら徐々に90℃の水を加え水
性化反応液を調製した後、90℃で4時間反応を行った。
反応後、攪拌しながら水を添加して水性化反応液(固形
分20%)を得た。これを実施例1と同様な操作で精製し
た後濃縮して固形分45%の水性酸変性ポリオレフィン樹
脂を得た。
フラスコ中で、試作例−1で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gをトルエン 200gに 110℃で加熱溶解
し2−ヒドロキシエチルアクリレート20gを添加し1時
間攪拌した。そこへアルキルプロペニルフェノールエチ
レンオキシド30モル付加体60gを添加後、トルエンを減
圧溜去した。モルホリン 9.6gを添加し 100℃に加温し
90℃の水を徐々に添加して水性反応液を調製した。そこ
へラジカル反応開始剤の過硫酸カリ10gを添加し、反応
を攪拌しながら80℃で4時間行うことにより重合反応を
行った。反応後、トリエチルアミン4gを加え水性化反
応液(固形分25%)を得た。水性化反応液を分画分子量
5000の限外ろ過膜で48時間処理した後再濃縮し固形分45
%の水性酸変性ポリオレフィン樹脂を得た。
フラスコ中で、塩素化ポリプロピレン樹脂スーパークロ
ン803MW(塩素含有率29.5%、固形分wt%20%トル
エン溶液、山陽国策パルプ株式会社製) 500gを 100℃
で加熱しアルキルプロペニルフェノールエチレンオキシ
ド30モル付加体のスルホン酸アンモニウム塩35gのトル
エン(200g)溶液を添加した。トルエンを減圧溜去した
後モルホリンを 9.6g添加し 100℃で攪拌しながら水を
徐々に加えて水性反応液を調製した。加硫酸カリ10gを
添加し80℃で反応を6時間行った。以下実施例−4と同
様の操作を行い水性塩素化ポリオレフィン樹脂組成物
(固形分45%)を得た。
フラスコ中で、プロピレン−ブテン−エチレン共重合体
(プロピレン成分68モル%、ブテン成分24モル%、エチ
レン成分8モル%、重量平均分子量26000) 100gをトル
エン 400gに 100℃で加熱溶解しアルキルプロペニルフ
ェノールエチレンオキシド30モル付加体のスルホン酸ア
ンモニウム塩35gのトルエン(200g)溶液を添加した。
トルエンを減圧溜去した後 100℃で攪拌しながらトリエ
タノールアミン4gを加え水を徐々に添加して水性反応
液を得た。t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート10gを添加後反応を80℃で6時間行った後、以下実
施例−1と同様の操作を行い水性ポリオレフィン樹脂
(固形分45%)を得た。
フラスコ中で、試作例−1で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gを 110℃で加熱溶解しモルホリン 4.6
gを添加後、ポリエチレンオキサイドノニルフェニルエ
ーテル(NS−208.5 、日本油脂製)20gを添加した。
攪拌しながら水を添加して水性樹脂組成物(固形分45
%)を得た。
スーパークロン803MW(塩素含有率29.5%、固形分
wt%20%トルエン溶液、山陽国策パルプ株式会社製) 5
00gを 110℃に加熱しモルホリン 9.6gを添加後、ポリ
エチレンオキサイドノニルフェニルエーテル(NS−2
12、日本油脂製)15gを添加した。トルエンを減圧溜
去した後、100 ℃で攪拌しながら水を添加して水性樹脂
組成物(固形分45%)を得た。
性分散体の1カ月放置後の安定性試験結果、密着性試験
結果、及び耐温水性試験結果を表1に示した。なお試験
方法は次の通りである。
ポリオレフィン樹脂の水性液(固形分45%)をそれぞれ
200mlずつ 200mlメスシリンダーに入れ室温で静置し白
濁したエマルジョン層と半透明な水層の分離度合、凝集
物の生成度合を目視によって測定し評価した。
脂組成物をポリプロピレン板にスプレー塗布し、80℃で
30分から2時間強制乾燥した。膜厚は10〜15μmに調製
した。次に、2液型ウレタン系上塗り塗料を塗装し、10
分間室温に放置した後、熱風乾燥器を用いて80℃で40分
強制乾燥した。得られた塗装板を室温で1日放置した
後、塗膜の試験行った、
リ間隔で 100個のゴバン目を作り、その上にセロファン
粘着テープを密着させて 180°方向に5回引き剥し、残
存するゴバン面の数を数えた。
れの状態を調べた。
レフィン樹脂組成物はポリオレフィン系樹脂(ポリオレ
フィン及び塩素化ポリオレフィン、不飽和カルボン酸及
び/又は酸無水物で変性されたポリオレフィン等の変性
ポリオレフィン)に有効に応用でき、更に本発明の方法
により調製されたポリオレフィン系樹脂の水性液は貯蔵
安定性も良い。しかも従来の界面活性剤を用いたポリオ
レフィン系水性樹脂組成物に比べ耐水性のある塗膜を形
成することができる。更に芳香族系有機溶剤を全く使用
せずに水性化できるので安全衛生、環境汚染の面で優れ
ている。
Claims (14)
- 【請求項1】 ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィ
ン、不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性された
ポリオレフィンのいずれか1種類以上に、反応性界面活
性剤、及び塩基性物質を添加した後、それらを水中に分
散させ、この水中分散液に反応開始剤を添加して重合反
応を行うことにより、分散させた樹脂のまわりに安定な
親水層を形成させることを特徴とする水性化ポリオレフ
ィン樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィ
ン、不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性された
ポリオレフィンのいずれか1種類以上に、反応性界面活
性剤、塩基性物質、及び反応性モノマーを添加した後、
それらを水中に分散させ、この水中分散液に反応開始剤
を添加して重合反応を行うことにより、分散させた樹脂
のまわりに安定な親水層を形成させることを特徴とする
水性化ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項3】 反応性界面活性剤がラジカル重合性の反
応性界面活性剤であるところの請求項1又は2記載の水
性化ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項4】 反応性界面活性剤がラジカル重合性の二
重結合とノニオン性の親水性の官能基であるポリオキシ
エチレン鎖をあわせ持つことを特徴とする反応性界面活
性剤であるところの請求項1〜3いずれか1項記載の水
性化ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項5】 反応性界面活性剤がアルキルプロペニル
フェノールポリエチレンオキシド付加体及び/又はアル
キルジプロペニルフェノールポリエチレンオキシド付加
体及びそれらの硫酸エステルの塩であるところの請求項
1〜4いずれか1項記載の水性化ポリオレフィン樹脂組
成物。 - 【請求項6】 反応性モノマーがラジカル反応性の二重
結合と水酸基を持つ反応性モノマーであるところの請求
項2〜5いずれか1項記載の水性化ポリオレフィン樹脂
組成物。 - 【請求項7】 反応性モノマーがラジカル反応性の二重
結合とカルボキシル基を持つ反応性モノマーであるとこ
ろの請求項2〜5いずれか1項記載の水性化ポリオレフ
ィン樹脂組成物。 - 【請求項8】 ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィ
ン、不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性された
ポリオレフィンのいずれか1種類以上に、反応性界面活
性剤、及び塩基性物質を添加した後、それらを水中に分
散させ、この水中分散液に反応開始剤を添加して重合反
応を行うことを特徴とする水性化ポリオレフィン樹脂組
成物の製造方法。 - 【請求項9】 ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィ
ン、不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性された
ポリオレフィンのいずれか1種類以上に、反応性界面活
性剤、塩基性物質、及び反応性モノマーを添加した後、
それらを水中に分散させ、この水中分散液に反応開始剤
を添加した後重合反応を行うことを特徴とする水性化ポ
リオレフィン樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項10】 反応性界面活性剤がラジカル重合性の
反応性界面活性剤であるところの請求項8又は9記載の
水性化ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項11】 反応性界面活性剤がラジカル重合性の
二重結合とノニオン性の親水性の官能基であるポリオキ
シエチレン鎖をあわせ持つことを特徴とする反応性界面
活性剤であるところの請求項8〜10いずれか1項記載
の水性化ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項12】 反応性界面活性剤がアルキルプロペニ
ルフェノールポリエチレンオキシド付加体及び/又はア
ルキルジプロペニルフェノールポリエチレンオキシド付
加体及びそれらの硫酸エステルの塩であるところの請求
項8〜11いずれか1項記載の水性化ポリオレフィン樹
脂組成物の製造方法。 - 【請求項13】 反応性モノマーがラジカル反応性の二
重結合と水酸基を持つ反応性モノマーであるところの請
求項9〜12いずれか1項記載の水性化ポリオレフィン
樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項14】 反応性モノマーがラジカル反応性の二
重結合とカルボキシル基を持つ反応性モノマーであると
ころの請求項9〜12いずれか1項記載の水性化ポリオ
レフィン樹脂組成物の製造方法。
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