JP3831161B2 - 水性プライマー塗料組成物および塗装物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック素材等に適した水性プライマー塗料組成物とその塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車バンパーやモール等に用いられるプラスチック素材は、一般に塗料の濡れ性が悪く、塗装性に劣る。特に、プラスチック素材がポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂成形素材である場合には、これらの樹脂が化学的に不活性であるために、上塗り塗料の塗装性や密着性が極めて悪い。このため、素材と塗料との密着性を確保するべく、塗料を塗装する前にプライマーを塗布しておく手法がよく採られており、種々の溶剤型プライマーや水性プライマーが提案されている。
【0003】
近年は、水性プライマーの開発が盛んに行われている。しかしながら、水性プライマーは、溶剤型プライマーに比べると、一般に塗装性や密着性に劣るという欠点があった。そこで、塗装性や密着性に優れた水性プライマーを得るべく、様々な研究開発が行われてきている。
例えば、無変性塩素化ポリオレフィンを含む水性プライマーについての検討が種々なされている(特開平5−214188号公報、特開平7−258596号公報等)。しかしながら、無変性塩素化ポリオレフィンでは、凝集力が低いために、密着性の向上は十分ではない。
【0004】
また、密着性の十分な向上のために、塩素化ポリオレフィンを不飽和ポリカルボン酸および/または酸無水物で変性した変性塩素化ポリオレフィンを含むプライマーが開示されている(特開平3−182534号公報等)。しかしながら、水溶性の高い不飽和ポリカルボン酸および/または酸無水物で変性すると、耐水性が低下するという欠点があった。
【0005】
一方、無変性あるいは変性塩素化ポリオレフィンに、種々の他の樹脂等を配合して併用することにより、水性プライマーとしての各種性能を向上させ得ることが開示されている。例えば、特開平4−72337号公報には、塗料安定性および塗膜性能の向上を目的として、変性塩素化ポリオレフィンに加えて、ウレタン樹脂とエポキシ樹脂を含む水性プライマーが開示されている。しかし、この場合は、耐ガソホール性が十分でなく、さらに、顔料を混合したときの顔料分散安定性も十分ではなかった。これら耐ガソホール性と顔料分散安定性は、例えば自動車用プラスチック素材に適用する場合には特に要求される性能である。また、特表平6−509383号公報には、特定の塩素化ポリオレフィンに加えて、カルボン酸官能性樹脂、アミン化合物、および、水を含む水性プライマーが開示されている。しかし、この場合は、耐水性が十分ではなかった。
【0006】
このように、従来の水性プライマーでは、密着性、耐水性、耐ガソホール性、顔料分散安定性のすべてについて十分な性能を有するものは得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明が解決しようとする課題は、高い密着性を維持したまま、耐水性の低下を防ぎ、かつ、耐ガソホール性と顔料分散安定性に優れた、水性プライマー塗料組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンを含むエマルション樹脂に、水性アルキッド樹脂と、水性ノボラック型エポキシ樹脂とを、特定の割合で配合することにより得られる水性プライマー塗料組成物が、上記課題のすべてを解決することを見出した。本発明はこのようにして完成された。
【0009】
すなわち、本発明に係る水性プライマー塗料組成物は、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンエマルション樹脂(A)と、水性アルキッド樹脂(B)と、水性ノボラック型エポキシ樹脂(C)とを含有する水性プライマー塗料組成物であって、当該組成物中の全樹脂固形分に対し、固形分重量%で、(A)が20〜60重量%、(B)が10〜60重量%、(C)が10〜60重量%、それぞれ含有してなり、前記樹脂(A)中の酸無水物変性塩素化ポリオレフィンは、その塩素含有率が10〜30重量%、酸無水物含有率が1〜10重量%、重量平均分子量が50000〜120000である、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る塗装物は、本発明の水性プライマー塗料組成物が塗布されたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る水性プライマー塗料組成物は、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンエマルション樹脂(A)と、水性アルキッド樹脂(B)と、水性ノボラック型エポキシ樹脂(C)とを含有する水性プライマー塗料組成物であって、当該組成物中の全樹脂固形分に対し、固形分重量%で(A)が20〜60重量%、(B)が10〜60重量%、(C)が10〜60重量%で含有してなることを特徴とする。以下、まず各組成成分について説明する。
(酸無水物変性塩素化ポリオレフィン)
本発明で用いられる酸無水物変性塩素化ポリオレフィンは、塩素化ポリオレフィン部分と、この塩素化ポリオレフィン部分に結合した酸無水物部分とを含むポリオレフィン誘導体である。好ましくは、その塩素含有率は10〜30重量%、酸無水物含有率は1〜10重量%、重量平均分子量は20000〜200000である。
【0012】
塩素化ポリオレフィン部分は、塩素原子が置換したポリオレフィンからなる部分である。また、酸無水物部分は、たとえば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等の酸無水物に由来する基からなり、グラフトして得られる変性された部分である。酸無水物部分は、1種のみ、または、2種以上の酸無水物に由来する基からなる部分であってもよい。
【0013】
酸無水物変性塩素化ポリオレフィンは、好ましくは、その酸無水物含有率が1〜10重量%の範囲にあり、その塩素含有率が10〜30重量%と比較的少ないため、耐ガソホール性が向上するようになる。
酸無水物変性塩素化ポリオレフィンは、ポリオレフィンを酸無水物および塩素と反応させて内部変性したものであり、たとえば、ポリオレフィンに対して塩素および酸無水物を反応させて製造される。ここで、塩素および酸無水物はどちらを先に反応させてもよい。塩素との反応は、たとえば、ポリオレフィンを含む溶液に塩素ガスを導入することによって行われる。また、酸無水物との反応は、たとえば、過酸化物の存在下、ポリオレフィン(または塩素化ポリオレフィン)に酸無水物を反応させることによって行われる。
【0014】
前記ポリオレフィンとしては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリブテンや、スチレン−ブタジエン−イソプレンなどの共重合体の水添加物等が挙げられ、1種のみ、または、2種以上を併用してもよい。中でも、ポリプロピレンを用いることが、入手のし易さ、密着性が高くなる点より好ましい。
【0015】
変性に用いられる酸無水物としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
酸無水物変性塩素化ポリオレフィンは、その塩素含有率が10〜30重量%の範囲にあることが好ましく、18〜22重量%の範囲にあることがより好ましい。塩素含有率が10重量%未満であると、溶剤溶解性が低く、乳化しにくい。他方、塩素含有率が30重量%を超えると、プラスチック素材への密着性が低下し、耐ガソホール性も悪くなる。
【0016】
酸無水物変性塩素化ポリオレフィンの酸無水物含有率は、1〜10重量%の範囲にあることが好ましく、1.2〜5重量%の範囲にあることがより好ましい。酸無水物含有率が1重量%未満であると、乳化性が低下するとともに、熱融着性が低下するため耐ガソホール性が悪くなる。他方、酸無水物含有率が、10重量%を超えると、酸無水物基が多くなり、耐水性が低下する。
【0017】
酸無水物変性塩素化ポリオレフィンは、その重量平均分子量が20000〜200000の範囲にあることが好ましく、50000〜120000の範囲にあることがより好ましい。重量平均分子量が20000未満であると、このプライマー組成物から得られるプライマー塗膜の強度が低下し、密着性も低くなる。他方、重量平均分子量が200000を超えると、粘度が高くなり、乳化しにくいとともに、ポリオレフィン基材に対するぬれ性が低くなり、耐ガソホール性が低下するとともに、プライマー塗料組成物の貯蔵安定性が低下する。
(エマルション樹脂(A))
酸無水物変性塩素化ポリオレフィンは、疎水性が高く、水に安定的に分散させることが困難である。そこで、本発明においては、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンは、乳化剤や塩基性物質を使用してエマルション化させ、エマルション樹脂(A)として用いる。
【0018】
乳化剤の配合割合は、酸無水物変性塩素化ポリオレフィン、塩基性物質や水の配合割合によって適宜設定されるが、例えば、酸無水物変性塩素化ポリオレフィン100重量%に対して5〜50重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。乳化剤が5重量%未満であると、エマルションの貯蔵安定性が低下するとともに、後述のエマルションの製造工程において、重合途中に凝集や沈降がおこり易くなる。他方、50重量%を超えると、乳化剤が被膜中に多量に残り、被膜の耐水性や耐候性が低下する。
【0019】
乳化剤としては、特に限定はないが、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪族エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、アルキロールアミド等のノニオン型乳化剤;アルキル硫酸エステル塩、アルキルフェノールスルフォン酸塩、スルホコハク酸エステル塩等のアニオン型乳化剤;アルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性乳化剤;ポリオキシエチレン基含有ウレタン樹脂、カルボン酸塩基含有ウレタン樹脂等の樹脂型乳化剤、イミダゾリンラウレート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルベタイン、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオン型乳化剤等を挙げることができ、これらは1種のみ、または、2種以上を使用することができる。これらの中でも、ノニオン型乳化剤は、親水性の高いイオン性極性基を有しないため被膜の耐水性を良好とさせ、好ましい。
【0020】
中和剤としての塩基性物質の配合割合も、酸無水物変性塩素化ポリオレフィン、乳化剤や水の配合割合によって調整され、特に、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンや乳化剤等に含まれる酸性官能基を十分に中和することを考慮して配合されるが、例えば、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンに含まれる酸性官能基1当量に対し、好ましくは0.2〜10当量、より好ましくは0.5〜4当量である。0.2当量未満では乳化が不十分となり、10当量を超えると残アミン等が耐水性を低下させたり、脱塩素化を促進する。塩基性物質の配合によって定まるエマルションのpHは、好ましくは7〜11、さらに好ましくは7.5〜10.5、最も好ましくは8〜10である。エマルションのpHが7未満であると、中和が十分ではなく、エマルションの貯蔵安定性が低下することがある。他方、エマルションのpHが11を超えると、遊離の塩基性物質がエマルション中に過剰に存在することとなり、アミン臭が強くなり、使用しにくくなる。
【0021】
本発明で用いられる塩基性物質は、塩素化ポリオレフィン樹脂が有する酸無水物基および/またはカルボキシル基に付加するか、および/または、これらの基を中和して、変性塩素化ポリオレフィンの親水性を高め、エマルションの貯蔵安定性を向上させる働きをする。
塩基性物質としては、特に限定はないが、たとえば、アミン化合物およびアンモニアのうちの少なくとも1方からなるものを挙げることができる。アミン化合物としては、たとえば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、N−メチルモルホリン等のモノアミン類;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピレラジン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のポリアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール等のアルカノールアミン類等を挙げることができ、これらのうちの1種のみ、または、2種以上を使用することができる。これらはアンモニアと併用してもよい。
【0022】
水の配合割合は、エマルション全体の50〜95重量%が好ましく、60〜85重量%がより好ましく、65〜80重量%が最も好ましい。水の配合割合が50重量%未満であると、エマルション中の不揮発固形分が多くなりすぎ、凝集等が生じ易く、エマルションの貯蔵安定性が低下することがある。他方、水の配合割合が95重量%を超えると、後述のエマルションの製造工程において、生産効率が悪くなるほか、エマルションを水性プライマー塗料組成物に用いた場合、水性プライマー塗料の不揮発分が低くなり、塗装作業性が低下する。
【0023】
エマルション中の酸無水物変性塩素化ポリオレフィンを主成分とするポリマー粒子の平均粒径については、特に限定はないが、0.01〜10μmが好ましく、0.03〜5μmがより好ましく、0.05〜1μmが最も好ましい。ポリマー粒子の平均粒径が0.01μm未満であると、乳化剤が多量に必要となり、被膜の耐水性や耐候性が低下する。他方、ポリマー粒子の粒径が10μmを超えると、エマルションの貯蔵安定性が低下するとともに、ポリマー粒子の体積が大きすぎて、塗膜化するための溶融熱量や時間を多く必要とし、熱フロー性が低下し、水性プライマー塗料組成物等の塗料等の用途に用いる場合、塗膜の外観や耐水性、耐溶剤性等が低下することがある。
【0024】
乳化手法としては、公知の方法でよく、例えば、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンと、乳化剤、中和剤としての塩基性物質、必要により溶剤を用いて加熱またはそのまま溶解し、市販の乳化機にて水中に乳化させたり、あるいは、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンと、乳化剤、必要により溶剤を用いて加熱またはそのまま溶解し、市販の乳化機にて塩基性物質を添加した水中に乳化させる。また、逆に、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンと、乳化剤、中和剤としての塩基性物質、必要により溶剤を用いて加熱またはそのまま溶解した有機相に、水を攪拌下ゆっくりと添加して転相乳化させたり、あるいは、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンと、乳化剤、必要により溶剤を用いて加熱またはそのまま溶解した有機相に、塩基性物質を添加した水を攪拌下ゆっくりと添加して転相乳化させてもよい。
(水性アルキッド樹脂(B))
本発明で用いる水性アルキッド樹脂(B)は、多価アルコールと、酸成分の一部が植物油の長鎖脂肪酸であってもよい多官能カルボン酸とのポリエステル化反応生成物である。
【0025】
多価アルコールとしては、例えば、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、および、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0026】
多官能カルボン酸としては、例えば、フタル酸無水物、アジピン酸、マレイン酸無水物、イソフタル酸、セバチン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、トリメリット酸無水物、リノール酸、リノレイン酸、安息香酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0027】
アルキッド樹脂を改質するのに用いることのできるオイルは、桐油、アマニ油、大豆油、べにばな油、ヒマシ油、コーン油、綿種油、ペララ油、ゴマ油、ココナツ油、脱水ヒマシ油、トール油等が挙げられる。
本発明に用いる水性アルキッド樹脂(B)は、好ましくは、樹脂固形分酸価が5〜100であり、より好ましくは10〜40である。樹脂固形分酸価が5未満では、アルキッド樹脂の水への分散性が不十分で、安定な水溶性樹脂が得られないので好ましくなく、100を超えると、プライマー塗膜(被膜)の耐水性や耐候性が低下するので好ましくない。
【0028】
本発明に用いる水性アルキッド樹脂(B)は、具体的には、例えば、大日本インキ株式会社製ウォーターゾルシリーズのS118、S126、S346、S212や、日本触媒株式会社製アロロンシリーズの376、580、585、5、27等が挙げられる。
(水性ノボラック型エポキシ樹脂(C))
本発明で使用する水性ノボラック型エポキシ樹脂(C)は、エポキシ基を1分子中に1個以上有する樹脂であり、プライマー塗膜の耐水性や耐ガソホール性向上の点で、ノボラック型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテルが好ましい。
【0029】
本発明で用いることができるノボラック型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテルは、例えば、o−クレゾールノボラック樹脂またはフェノールノボラック樹脂を水酸化ナトリウム下、エピクロロヒドリンと反応させて得られる。そして、これを乳化剤とともに水中に分散させて用いる。
本発明に用いる水性ノボラック型エポキシ樹脂(C)は、具体的には、長瀬化成株式会社製のデナコールEM150や、油化シェル株式会社製のエピレッツ6006W70、5003W55、東都化成株式会社製のWEX−5100等が挙げられる。
(その他の組成成分)
本発明にかかる水性プライマー塗料組成物は、前記必須の各成分(A)、(B)、(C)に加え、必要に応じ、他の水性樹脂を適宜配合することも出来る。この他の水性樹脂としては水溶性アクリル樹脂、アクリルエマルション、ポリウレタン樹脂エマルション、アミノ樹脂および/またはアミノ樹脂エマルション等が挙げられる。
【0030】
本発明にかかる水性プライマー塗料組成物は、塗料として通常添加される他の配合物、例えば、顔料、界面活性剤、中和剤、安定剤、増粘剤、消泡剤、表面調整剤、レベリング剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリカ等の無機充填剤、導電性カーボン、導電性フィラー、金属粉等の導電性充填剤、有機改質剤、可塑剤等を必要に応じて配合することが出来る。
【0031】
本発明にかかる水性プライマー塗料組成物に配合することが出来る増粘剤としては、例えば、会合型ノニオン系ウレタン増粘剤やアルカリ膨潤型増粘剤や無機系の層間化合物であるベントナイト等が挙げられる。
本発明にかかる水性プライマー塗料組成物に配合することが出来る顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、紺青等の無機顔料やアゾ系顔料、アントラセン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機顔料等の着色顔料;タルク、沈降性硫酸バリウム等の体質顔料;導電カーボン、アンチモンドープの酸化スズをコートしたウイスカー等の導電顔料などを挙げることができ、1種のみ、または、2種以上を併用してもよい。顔料を用いる場合は、組成物中の全固形分に対して5〜60重量%の割合で含まれることが好ましい。5重量%未満では、隠蔽性がなく、60重量%より大きいと塗膜として造膜性がないので好ましくない。
【0032】
本発明にかかる水性プライマー塗料組成物は、さらに、溶媒としての水に対し40重量%以下であれば、有機溶剤を含有させることもできる。有機溶剤を含有させると、作業性が向上し、顔料等の分散性が高くなる。このような有機溶剤としては、たとえば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル等のエステル類;n−ブチルエーテル、イソブチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、n−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール等のアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のセロソルブ類;ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のカービトール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコール等のその他の溶剤類等を挙げることができる。
(水性プライマー塗料組成物)
本発明の水性プライマー塗料組成物は、上記で詳しく説明した、酸無水物変性塩素化ポリオレフィン樹脂(A)と、水性アルキッド樹脂(B)と、水性ノボラック型エポキシ樹脂(C)とを含み、必要に応じて、顔料等のその他の成分を含むものである。
【0033】
本発明の水性プライマー塗料組成物を構成する前記3者(A)〜(C)の、組成物中の全樹脂固形分に対する固形分重量比率は、(A)が20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%であり、(B)が10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%であり、(C)が10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%である。
【0034】
酸無水物変性塩素化ポリオレフィンエマルション樹脂(A)に関する上記重量比率が20重量%未満であると、ポリオレフィン素材に対する十分な密着性が得られない。他方、重量比率が60重量%を超えると、上塗りとの相関付着が不良となり、顔料分散が悪くなる。
水性アルキッド樹脂(B)に関する上記重量比率が10重量%未満であると、顔料分散安定性が悪くなり、さらに、耐ガソホール性も低下する。他方、重量比率が60重量%を超えると、耐水性が低下する。
【0035】
水性ノボラック型エポキシ樹脂(C)に関する上記重量比率が10重量%未満であると、耐水性が低下し、また耐ガソホール性も低下する。他方、重量比率が60重量%を超えると、プライマー塗料から塗膜が得られにくくなり(造膜性が悪くなり)、得られたとしても塗膜が硬く、しかも脆くなる。
本発明における効果をより十分に発揮できる点で、本発明にかかる水性プライマー塗料組成物は、顔料を含むことがより好ましい形態である。この場合、前述の通り、顔料は、組成物中の全固形分に対して5〜60重量%の割合で含まれることが好ましい。5重量%未満では、隠蔽性がなく、60重量%より大きいと塗膜として造膜性が悪く、また塗膜が脆くなるので好ましくない。
【0036】
本発明の水性プライマー塗料組成物において、水性アルキッド樹脂(B)は、特に、耐ガソホール性の低下を抑え、顔料分散性を向上させる効果を有し、さらに、導電カーボンの貯蔵時における導電性を維持させる効果も有する。また、水性ノボラック型エポキシ樹脂(C)は、耐湿性、耐ガソホール性を向上させる効果を有する。
【0037】
本発明の水性プライマー塗料組成物は、酸無水物変性塩素化ポリオレフィンを含むエマルション樹脂に、水性アルキッド樹脂と、水性ノボラック型エポキシ樹脂とを、特定の割合で配合することにより得られたものであるため、これら各成分の有する性能に加えて、これら成分同志の組み合わせによる相乗効果等により、高い密着性を維持したまま、耐水性の低下を防ぎ、かつ、耐ガソホール性と顔料分散安定性に優れたものとなる。これは、従来の水性プライマー塗料組成物においては実現できなかった性能であり、特に、自動車用プラスチック素材に適用する場合には特に要求される性能である点で本発明の効果は大である。
(対象素材)
本発明にかかる水性プライマー塗料組成物が対象とするプラスチック素材としては、特に限定されないが、たとえば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィンのほか、アクリロニトリルスチレン(AS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリカーボネート(PC)などが挙げられる。
(塗装)
本発明の水性プライマー塗料組成物は、例えば、自動車のバンパー等のポリオレフィン素材の塗装に用いられ、本発明の塗装物を与える。水性プライマー塗料組成物をポリオレフィン素材に塗布し、乾燥することによって、塗膜(プライマー塗膜)がポリオレフィン素材に形成される。
【0038】
水性プライマー塗料組成物をポリオレフィン素材に塗布する方法については特に限定はなく、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装のいずれで塗装してもよい。水性プライマー塗料組成物の塗布量は、たとえば、乾燥膜厚が2〜30μm、好ましくは5〜20μmなるように塗布される。乾燥膜厚が2μm未満であると、薄すぎて連続な均一膜を得られないことがある。他方、乾燥膜厚が30μmを超えると、耐水性や耐候性等が低下することがある。ポリオレフィン素材表面に塗布後、塗布膜を乾燥する。この乾燥は室温で行ってもよいが、作業性や物性を向上させるために、好ましくは60〜140℃で加熱乾燥を行う。なお、加熱乾燥する場合は、素材の耐熱性を考慮して、その乾燥温度を素材の熱変形が起こらない範囲で選択しなければならない。
【0039】
ポリオレフィン素材の塗装は、プライマー塗膜に上塗り塗料をさらに塗布することによって行われる。上塗り塗料については特に限定はないが、たとえば、一液メラミン焼付塗料、二液ウレタン塗料、一液ラッカー塗料等が挙げられる。
本発明の水性プライマー塗料組成物は、ポリオレフィン素材の中でも、特にポリプロピレン素材の塗布にとりわけ適し、中でも特に、ゴム成分の少ないポリプロピレンにも好適である。また、この水性プライマー塗料組成物は、ポリオレフィン素材以外の一般のプラスチック素材に使用することもできる。
【0040】
【実施例】
以下に本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下、特に断らない限り、「部」は「重量部」を表す。
また、表中に記載の略称の意味を下記に示す。
【0041】
アロロン580、585:株式会社日本触媒製の水性アルキッド樹脂
S346:大日本インキ株式会社製の水性アルキッド樹脂ウオーターゾルシリーズ
フォーマスターS:ヘンケル社のシリコーン系消泡剤
CT324:エアープロダクト社製のアセチレン系顔料濡れ剤「サーフィノール」
EC600JD:ライオン社製の導電カーボン「ケッチェンブラック」
R960:デュポン社製の酸化チタン顔料「タイピュアー」
SS50B:日本シリカ工業株式会社製のシリカニプシールシリーズ
BF−10:堺化学株式会社製の沈降性硫酸バリウム
DIW:脱イオン水
ClPPエマルション:製造例1で製造した無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンエマルション樹脂
6006W70:油化シェル社製のエポキシ樹脂エマルション「エピレッツ」
EM150:長瀬化成工業株式会社製のエポキシ樹脂エマルション「デナコール」
KL245:共栄化学株式会社製のシリコン系表面調整剤「ポリフロー」
ASE60:ローム&ハス社製のアルカリ膨潤型増粘剤「プライマール」
DMEA:ジメチルアミノエタノール
[製造例1:無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンエマルション樹脂の製造]
攪拌羽根、温度計、温度制御棒、および、冷却管を備えた反応装置に、ハードレンM128P(東洋化成工業株式会社製の無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン、塩素含有率21重量%、重量平均分子量40000)、エマルゲン920(花王株式会社製のノニルフェニルポリオキシエチレンエーテル)、ソルベッソ−100(エクソン社製の芳香族炭化水素)、酢酸カービトールを、それぞれ、233部、59部、62部、27部仕込み、110℃で1時間加熱溶解した後、100℃以下に冷却し、ジメチルアミノエタノール5部を溶解した脱イオン水619部を1時間で滴下して転相乳化した。冷却後、400メッシュの網で濾過した。
【0042】
得られた無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンエマルション樹脂の不揮発分は30.5重量%であり、平均粒径は0.1μm(レーザー光散乱法)であった。
[製造例2:顔料分散ペースト(a)の製造]
攪拌機の付いた容器にアロロン580(日本触媒株式会社製の水性アルキッド樹脂ディスパージョン)360部、サーフィノールCT324(エアープロダクト社製のアセチレン系顔料濡れ剤)45部、フォーマスターS(ヘンケル社のシリコーン系消泡剤)7部、脱イオン水249部、ケッチェンブラックEC600JD(ライオン社製の導電カーボン)25部、タイピュアーR960(デュポン社製の酸化チタン顔料)314部を、順に攪拌下で添加し、1時間攪拌後、ラボ用1.4リットルのダイノミルにてグラインドゲージで20μm以下になるまで分散を行った。
【0043】
得られた顔料分散ペースト(a)の不揮発分は54重量%で、粘度は62KU(20℃)であった。
[製造例3〜9:顔料分散ペースト(b)〜(h)の製造]
配合を行う原料の種類と配合割合を表1に示したように行った以外は、製造例2と同様にして、顔料分散ペースト(b)〜(h)を製造した。なお、得られた顔料分散ペーストの不揮発分も表1に併せて示した。
【0044】
【表1】
【0045】
[実施例1]
攪拌機の付いた容器に、製造例1で製造した無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンエマルション樹脂を221部、製造例2で製造した水性アルキッド樹脂の顔料分散ペースト(a)を328部、エピレッツ6006W70(油化シェル社製のエポキシ樹脂エマルション)71部、ポリフローKL245(共栄化学株式会社製のシリコン系表面調整剤)3部、脱イオン水355部、ジメチルアミノエタノール2部、プライマールASE60(ローム&ハス社製のアルカリ膨潤型増粘剤)20部を、順に攪拌下で添加し、1時間攪拌した。
【0046】
得られた水性プライマー塗料組成物(1)は、不揮発分29重量%で、粘度は70KU(20℃)であった。これらの結果を表2に示した。
この得られた水性プライマー塗料組成物(1)を、中性洗剤で洗浄したポリプロピレン素材(大きさ:70mm×260mm×3mm)にスプレー塗装(乾燥膜厚10μm)し、80℃で10分乾燥した。冷却後、溶剤系2液メタリックベース塗料(日本ビー・ケミカル株式会社製)を乾燥膜厚15μm、続いて、溶剤系2液クリアー(日本ビー・ケミカル株式会社製)を乾燥膜厚30μmになるようにスプレー塗装し、80℃で30分乾燥してテストピースを作製した。
【0047】
得られたテストピースについて、碁盤目剥離試験を行い、密着性を評価した。また、耐湿試験を行った。さらに、耐湿試験後の外観評価および碁盤目剥離試験を行った。さらに、耐ガソホール試験も行った。また、顔料分散安定性の評価も行った。結果を表3に示した。なお、これらの試験・評価方法は以下の通りであった。
(碁盤目剥離試験)
JIS K5400に準拠して、碁盤目セロテープ剥離試験を行った。2mm角の100個の碁盤目を用意し、セロテープ剥離試験を行い、剥がれなかった碁盤目数を数えた。評価基準は以下の通りである。
【0048】
○:0/100(剥離なし)
△:1/100〜50/100(50%以下剥離)
×:51/100〜100/100(51%以上剥離)
(耐湿試験)
塗装後のポリオレフィン基材を50℃、湿度98%の雰囲気下で10日間放置した後、上記碁盤目剥離試験および外観評価を行った。
【0049】
上記耐湿試験で行った外観評価の評価基準は以下の通りである。
○:初期(耐湿試験前)と比較して異常がない場合
×:初期(耐湿試験前)と比較して塗膜に膨れや艶引けがある場合
(耐ガソホール試験)
塗装後のポリオレフィン基材片(3cm×3cm)を、レギュラーガソリンにエタノールを10容量%添加して得られるガソホールに浸漬した後、塗膜の剥離が端部が2mmに達するまでの時間を測定し、30分以上を○、それ未満を×とした。
(顔料分散安定性評価)
500ml平底型透明ビーカーに塗料400mlを採取し、テフロン被覆のマグネティックスターラーで回転数200rpm/minで室温で24時間攪拌後、顔料の分離と沈降を調べた。評価基準は以下の通りである。
【0050】
○:異常がない場合
×:顔料の分離や沈降が観察された場合
[実施例2〜5、比較例1〜4]
配合を行う樹脂等の種類と配合割合を表2に示したように行った以外は、実施例1と同様にして、水性プライマー塗料組成物(2)〜(5)、および、比較水性プライマー塗料組成物(6)〜(9)を得た。そして、実施例1と同様に試験・評価を行った。結果を表3に示した。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、高い密着性を維持したまま、耐水性の低下を防ぎ、かつ、耐ガソホール性と顔料分散安定性に優れた、水性プライマー塗料組成物とその塗装物が提供できる。
Claims (5)
- 酸無水物変性塩素化ポリオレフィンエマルション樹脂(A)と、水性アルキッド樹脂(B)と、水性ノボラック型エポキシ樹脂(C)とを含有する水性プライマー塗料組成物であって、当該組成物中の全樹脂固形分に対し、固形分重量%で、(A)が20〜60重量%、(B)が10〜60重量%、(C)が10〜60重量%、それぞれ含有してなり、前記樹脂(A)中の酸無水物変性塩素化ポリオレフィンは、その塩素含有率が10〜30重量%、酸無水物含有率が1〜10重量%、重量平均分子量が50000〜120000である、ことを特徴とする水性プライマー塗料組成物。
- 顔料が、前記組成物中の全固形分に対して5〜60重量%の割合で含まれる、請求項1に記載の水性プライマー塗料組成物。
- 前記樹脂(B)の樹脂固形分酸価が5〜100である、請求項1または2に記載の水性プライマー塗料組成物。
- 前記樹脂(C)は、ノボラック型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテルを主成分とする、請求項1から3までのいずれかに記載の水性プライマー塗料組成物。
- 請求項1から4までのいずれかに記載の水性プライマー塗料組成物が塗布された塗装物。
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