JP3418230B2 - ポリオレフィン素材用プライマー組成物 - Google Patents

ポリオレフィン素材用プライマー組成物

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雅彦 山中
健太郎 渡辺
勇 原
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Nippon Bee Chemical Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、トリクロロエタン蒸
気洗浄を行わない場合でも、ポリプロピレン(PP)バ
ンパーとの密着性が良好なプライマー組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のPP用プライマーとしては、例え
ば特公昭63−54312号公報に示されている塩素化
ポリプロピレン樹脂に無水マレイン酸をグラフト化した
ものや、特公昭62−21027号公報に示されている
プロピレン/エチレン共重合体に無水マレイン酸をグラ
フト化したものがプライマーとして用いられている。ま
た、特開平4−258643号公報では、さらに密着性
の改良されたものとして、塩素化ポリプロピレン樹脂と
ソルビトール系エポキシ樹脂、グリコールエーテル系エ
ポキシ樹脂、ビスフェノール系エポキシ樹脂のいずれか
を併用することが提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のプライマー組成物にあっては、前者は、トリ
クロロエタン蒸気洗浄による前処理を行わなければ、特
に耐水性や耐湿性試験での密着性が不十分であり、後者
は、上記の様な問題点は改良されたが、成形時に使用さ
れている離型剤等が残っている場合同様の問題をもって
いる。このため、イソプロピルアルコール(IPA)や
トルエンの様な溶剤によるワイピングにより拭き取る
が、水系洗浄においてもパワーウォシュの様な洗浄工程
の多い設備が必要であり設備コスト、洗浄コストが非常
に高くなるという問題点があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】この発明は、このような
従来の問題点に着目してなされたもので、無水マレイン
酸をグラフト化した塩素化ポリプロピレン樹脂とブタジ
エン系エポキシ樹脂を組み合わせることにより、上記の
問題をすべて解決したものである。ポリプロピレンのプ
ライマー組成物は、無水マレイン酸を0.5〜3.0%
グラフト化した塩素化度15〜30重量%の塩素化ポリ
プロピレン樹脂50〜70重量部と、エポキシ当量30
0〜500のブタジエン系エポキシ樹脂50〜30重量
部を主成分として含有するプライマー組成物であり、こ
のプライマー組成物には組成物100重量部に0〜60
重量部の他樹脂成分を併用することができる。併用樹脂
としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン
樹脂等一般的に使用されている塗料用樹脂は殆どが用い
られる。 【0005】 【作用】本発明のフライマー組成物において塩素化ポリ
プロピレンの無水マレイン酸グラフト量は0.5%未満
では上塗との層間密着が不十分で、3.0%を超えると
貯蔵安定性が悪くなり好ましくない。また塩素化度15
重量%未満では溶解性が悪く30重量%を越えると素材
との密着が悪くなり好ましくない。塩素化ポリプロピレ
ン樹脂が50重量部未満になると密着性が不十分であ
り、70重量部より多くなるとブタジエン系エポキシ樹
脂が30重量部未満となるため離型剤汚染時の密着が不
十分となる。また、ブタジエン系エポキシ樹脂のエポキ
シ当量は300〜500であり300未満では、塗膜に
粘着が残り好ましくなく、500を超えると上塗との層
間密着性が不十分となり好ましくない。 【0006】次に本発明のプライマー組成物が離型剤汚
染に対して良好な密着性を示す理由は、ブタジエン系エ
ポキシ樹脂がオレフィン系であり、化学構造自体が離型
剤及びPPバンパー材と類似している為、表面の離型剤
と相溶し、塗膜中に取り込む為と素材と密着性自体も向
上する為と考えられる。 【0007】 【実施例】次に本発明を実施例および比較例により説明
する。 実施例1〜5および比較例1〜9 表1および表2に示す組成で実施例1〜5および比較例
1〜9のプライマー組成物を調製した。これ等のプライ
マー組成物を、それぞれポリプロピレン(PP)基材
(三菱油化(株)製、TX−1180商品名)にエアー
スプレーガンにて膜厚が10μmとなるように塗布し、
室温で10分間放置し乾燥させた。次いでこの上に日本
ビー・ケミカル(株)製上塗塗料R−300およびR−
350を同様にして膜厚が20μm および30μm とな
るように塗布した後、120℃で20分間乾燥した。次
いで得られた塗膜につき下記の評価方法で物性を評価
し、得た結果を表1および表2に併記する。 【0008】評価方法 1)密着性:試験片の塗膜面にカッターで、2mm幅の
ゴバン目を25個クロスカットし、粘着テープを密着さ
せ上方に一気に引きはがし、塗面のはがれの生じない正
方形の数を調べ全数に対する割合として評価した。 2)耐水密着性:試験片を40℃の温水に240時間浸
漬した後、前記密着性と同様の測定を行い、耐水密着性
を評価した。 3)離型剤塗布密着性:PP基材に離型剤(リリーザゲ
ン)0.65g/m2 を塗布した後、プライマーおよび
上塗塗料を塗布し、前記密着性と同様の測定を行い離型
剤塗布密着性を評価した。 4)塗膜粘着性:試験片作成後指触により粘着の有無を
確認し、塗膜粘着性を評価した。 5)貯蔵安定性:試験片を60℃で14日間放置した
後、指触により増粘を測定し、目視によりブツ発生の有
無を確認し、貯蔵安定性を評価した。 【0009】 【表1】【表2】【0010】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のプラ
イマー組成物は無水マレイン酸で変性した特定の塩素化
ポリプロピレン樹脂50〜70重量部と、エポキシ当量
300〜500のブタジエン系エポキシ樹脂50〜30
重量部を主成分として含有することにより、ポリオレフ
ィン素材との密着性、貯蔵安定性に優れかつ離型剤汚染
に対して良好な密着性を示すという効果が奏せられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 健太郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 原 勇 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−117549(JP,A) 特開 昭62−246971(JP,A) 特開 昭58−114766(JP,A) 特公 昭63−50381(JP,B1) 特公 昭63−1973(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 163/08 C08J 7/04 C09D 5/00 C09D 123/28 C09D 151/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 無水マレイン酸を0.5〜3.0%グラ
    フト化した塩素化度15〜30重量%の塩素化ポリプロ
    ピレン樹脂50〜70重量部と、エポキシ当量300〜
    500のブタジエン系エポキシ樹脂50〜30重量部を
    主成分として含有してなることを特徴とするポリオレフ
    ィン素材用プライマー組成物。
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JP3363332B2 (ja) * 1996-11-28 2003-01-08 本田技研工業株式会社 ポリオレフィン用プライマー組成物
JP3831161B2 (ja) * 1999-11-15 2006-10-11 本田技研工業株式会社 水性プライマー塗料組成物および塗装物
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