JPH04258643A

JPH04258643A - 塗装されたポリオレフィン成形体

Info

Publication number: JPH04258643A
Application number: JP3020959A
Authority: JP
Inventors: Mikio Fukunaga; 幹男福永; Tatsuya Takenaka; 竹中　達也
Original assignee: Shinto Paint Co Ltd; Daikyo Inc
Current assignee: Shinto Paint Co Ltd; Daikyo Inc
Priority date: 1991-02-14
Filing date: 1991-02-14
Publication date: 1992-09-14

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はカラーバンパー等の自動
車用プラスチック外装材に適用可能な光沢性に優れるポ
リオレフィン系樹脂成形体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は有用なプラスチッ
ク材料として多様な部門に使用されているが、樹脂の特
性として極性が低く、結晶性が高いため、通常使用され
るエポキシ、アルキド、アクリル、メラミン、ウレタン
樹脂系の塗料では付着力が低く、実用上問題となる。そ
のため、図２に示すように、成形体の素材表面をトリク
ロロエタン（ＴＣＥ）で蒸気洗浄した後、イソプロピル
アルコール（ＩＰＡ）でワイピングし、ポリプロピレン
樹脂に対して付着性の高い下塗り組成物（プライマー）
を使用してポリプロピレン表面と上塗り塗料（トップコ
ート）との付着性を改良する方法が知られている。

【０００３】上記下塗り塗料組成物としては■塩素化ポ
リプロピレン、塩素化エチレン−ロジンエステル、芳香
族石油樹脂の組成物（特開昭５８−８７３４号）、■塩
素化ポリオレフィン−メチルメタクリレート組成物（特
開昭５８−７１９６６号）および■塩素化ポリオレフィ
ン−（メタ）アクリル酸アミド組成物（特開昭５７−１
９８７６３号）などが提案されている。

【０００４】

【発明が解決すべき課題】しかしながら、付着力の耐温
水性や耐湿性を向上させるためには素材表面をＴＣＥ蒸
気洗浄により、素材表面は図３に示すように、含有する
ゴム成分等が溶け、表面がエッチングされてプライマー
が根のように入り込んでトップコートの素材表面への結
合を強化するが、塗装表面の光沢を減ずるという問題が
ある。また、トリクロロエタンは毒性が強く、作業安全
性を確保するために不必要なコスト増加を招来している
。そこで、本発明はトリクロロエタン蒸気洗浄をせずと
もトップコートを素材表面に強固に結合させることがで
きる下塗り塗料（プライマー）を開発して光沢性に優れ
たポリオレフィン成形体を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は下塗り塗料とし
て、主成分として塩素含有率１５〜３５重量％の塩素化
ポリオレフィン系樹脂１００重量部と、エポキシ当量５
０〜６００のエポキシ樹脂２〜７０重量部とを含有する
塗料組成物を使用すると上記トリクロロエタン蒸気洗浄
を施すことなく、強固に結合したトップコートが得られ
ることを見い出して完成したもので、アルリル系ゴムを
２〜５重量％含有したポリオレフィン系樹脂射出成形体
の表面に、主成分として塩素含有率１５〜３５重量％の
塩素化ポリオレフィン系樹脂１００重量部と、エポキシ
当量５０〜６００のエポキシ樹脂２〜７０重量部とを含
有するポリオレフィン系樹脂用下塗り塗料層と上塗り塗
膜層とを形成してなる塗装されたポリオレフィン成形体
にある。

【０００６】本発明の主とする塗装対象である自動車用
バンパーとして用いられるポリオレフィン系樹脂成形体
には通常、耐衝撃性を向上させるためにアクリル系ゴム
が２〜５重量％混入してあり、このゴム成分がトリクロ
ロエチレン蒸気洗浄で溶出することになり、この処理工
程の有無が上塗り塗料の密着性に影響を与えることにな
っていた。本発明で用いる下塗り塗料を組成する塩素化
ポリオレフィン系樹脂としては、例えばエチレン、プロ
ピレン、１−ブテン、３−メチル−１−ブテン、３−メ
チル−１−ペンテン等α−オレフィンの単独重合体もし
くは共重合体、α−オレフィンと他の単量体との共重合
体、例えばエチレン−酢酸ビニル、エチレン−ブタジエ
ン、エチレン−アクリル酸エステルの共重合体を塩素化
したものが使用可能であるが、塩素化ポリプロピレン、
塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン−エチレン
共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル、及びこれら塩
素化ポリオレフィンの混合物を用いるのが好ましい。そ
の塩素化率を１５〜３５重量％とするのは１５重量％未
満では溶剤に対する溶解性が悪くなり、樹脂塗料安定性
が低下する。他方、３５重量％を越えるとポリオレフィ
ン樹脂に対する付着性が低下する傾向にあるからである
。

【０００７】他方、エポキシ樹脂としてはエポキシ当量
５０〜６００のものが選ばれる。エポキシ当量が６００
以上のものは上記塩素化ポリオレフィンとの相溶性に欠
ける一方、エポキシ当量が５０以下のものは塗膜を形成
した際の架橋密度が低く、付着性が低下するからである
。使用できるエポキシ樹脂としてはソルビトール系、グ
リコールエーテル系、ビスフェノール系のものが挙げら
れる。ソルビトール系エポキシ樹脂は通常５０〜１７０
程度のエポキシ当量を有し、グリコールエーテル系エポ
キシ樹脂は５００〜６００程度のエポキシ当量を有し、
ビスフェノール系エポキシ樹脂は１８０〜２００程度の
エポキシ当量を有するからである。

【０００８】上記塩素化ポリオレフィン系樹脂とエポキ
シ樹脂との配合割合は塩素化ポリオレフィン系樹脂１０
０重量部に対しエポキシ樹脂２〜７０重量部、さらに好
ましくは４〜５０重量部が選ばれる。この範囲以外では
ポリオレフィン系樹脂に対し付着力が低下し、特に２重
量部以下では塗料安定性も低下することになる。

【０００９】本発明においては上記両成分を溶剤、特に
トルエン、キシレン等の芳香族溶剤に溶解して用いるが
、上記両成分の外にシクロヘキサンを添加してもちいて
もよい。特に、第３級アミンを下塗り塗料組成物に対し
て０．１〜１５重量％添加するのが好ましい。その理由
は塗膜の硬化速度を促進させ、架橋密度を高くすること
により、より強靭な塗膜を形成させるからである。

【００１０】本発明組成物はポリオレフィン系樹脂素材
表面に塗装後自然乾燥（２０℃×１０分）または強制乾
燥（６０℃×５分）し、上塗り塗料を塗布する。上塗り
塗料としては特に各種２液ウレタン塗料、各種１液ウレ
タン塗料、各種メラミン塗料が好ましい。

【００１１】

【発明の効果】本発明においては図１に示すように、ア
ルリル系ゴムを２〜５重量％含有したポリオレフィン系
樹脂射出成形体１の表面に、塩素含有率１５〜３５重量
％の塩素化ポリオレフィン系樹脂１０〜６０重量部と、
エポキシ当量５０〜６００のエポキシ樹脂２〜７０重量
部とを主成分として含有する下塗り塗料層２を介して上
塗り塗膜層３を形成したので、下地ポリオレフィン系樹
脂製品表面になんら前処理を施すことなく、上塗り塗料
と下地ポリオレフィン系樹脂表面との層間付着力を向上
させる。したがって、本発明ではトリクロロエタン蒸気
洗浄により表面がエッチングされないので、光沢性に優
れたポリプロピレン成形体を得ることができる。特に、
本発明製品は自動車用カラーバンパーとして有用である
。また、本発明製品を製造する工程は有害なトリクロロ
エタンを使用することがないので、作業の安全性に優れ
るだけでなく、洗浄前処理工程がないので、サイクルタ
イムを短縮することができ、製品コストの低減を図るこ
とができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。なお、部は重量部を示す。（実施例１）塩素含有率２５重量％の塩素化ポリプロピレンのトルエ
ン溶液（塩素化ポリプロピレン含有率２０％）１００部
にソルビトール系エポキシ樹脂（エポキシ当量１７０、
平均分子量６３０、官能基４）２部を混合し、得られた
下塗り塗料組成物を前処理なしでアクリル系ゴム３重量
％を含有するポリプロピレン製バンパー表皮部材に膜厚
５〜１０μｍになるようにスプレー塗装し、室温で５分
乾燥後、通常の２液ウレタン塗料を塗布し、７０℃×３
０分乾燥した後、３日間放置し、その塗膜性能を試験し
た。結果を表１に示す。

【００１３】（実施例２）塩素含有率２５重量％の塩素
化ポリプロピレンのトルエン溶液（塩素化ポリプロピレ
ン含有率２０％）１００部にグリコールエーテル系エポ
キシ樹脂（エポキシ当量５８３、平均分子量１１００、
官能基２）２部を混合し、得られた下塗り塗料組成物を
前処理なしで実施例１と同様にして塗布し、その塗膜性
能を試験した。その結果を表１に示す。

【００１４】（実施例３）塩素含有率２５重量％の塩素
化ポリプロピレンのトルエン溶液（塩素化ポリプロピレ
ン含有率２０％）１００部にソルビトール系エポキシ樹
脂（エポキシ当量１７０、平均分子量６３０、官能基４
）１．４３部、第３級アミン０．３部を混合し、得られ
た下塗り塗料組成物を前処理なしで実施例１と同様にし
て塗布し、その塗膜性能を試験した。結果を表１に示す
。

【００１５】（比較例）塩素含有率２５重量％の塩素化
ポリプロピレンのトルエン溶液（塩素化ポリプロピレン
含有率２０％）を下塗り塗料として用い、前処理なしで
実施例１と同様にして塗布し、その塗膜性能を試験した
。その結果を表１に示す。

【００１６】（試験方法）付着性（ゴバン目試験）カッ
ターナイフを使用し、素地に達する２ｍｍのゴバン目１
００個（１０×１０）を作り、セロハンテープをゴバン
目上に密着させ、上記テープの１端を有効面に直角に保
ち、０．５ｍｍ／ｓ以上の速さで瞬間的に引き離し、そ
の剥離個数により素地への付着性を判定する。

【００１７】付着性（クロスカット試験）カッターナイ
フを使用し、素地に達する交差角度３０度の切れ目を作
り、セロハンテープを切れ目に密着させ、、上記テープ
の一端を有効面に直角に保ち、０．５ｍｍ／ｓ以上の速
さで瞬間的に引き離し、剥離状況により素地への付着性
を判定する。

【００１８】二次付着性（ゴバン目試験）脱イオン水ま
たは蒸留水を恒温水槽に入れ、試験品を浸漬し、４０℃
に保ち、２４０時間浸漬する。その後、室温で１時間放
置した後、付着性（ゴバン目試験）を行う。

【００１９】剥離強度（１８０゜）試験片（長さ５ｃｍ
、巾１ｃｍ）に、試験片の５０％がカバーできるように
耐熱テープを密着させ、通常工程による塗装を行う。塗
装後７２時間放置し、耐熱テープ部を塗膜を切断しない
ように剥離し、素地に対して１８０゜の方向で剥離強度
を測定する。

【００２０】（試験評価）表１の結果から明らかなよう
に、本発明製品では前処理なくても比較例における前処
理を行った製品と同等の上塗り塗料のポリプロピレン成
形体表面への密着性が得られることが分かる。また、表
面光沢性を比較すると、実施例のＴＣＥ前処理のない方
がＴＣＥ前処理のある比較例の場合よりも高いことがわ
かる。

【表１】

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明に係るポリオレフィン成形体の塗装
方法を示す工程図である。

【図２】　　従来のポリオレフィン成形体の塗装方法を
示す工程図である。

【図３】　　従来のポリオレフィン成形体のＴＣＥ蒸気
洗浄前後の表面状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１　　ポリオレフィン成形体２　　下塗り塗料層３　　上塗り塗料層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　アクリル系ゴムを２〜５重量％含有し
たポリオレフィン系樹脂射出成形体の表面に、主成分と
して塩素含有率１５〜３５重量％の塩素化ポリオレフィ
ン系樹脂１００重量部に対し、エポキシ当量５０〜６０
０のエポキシ樹脂２〜７０重量部を含有するポリオレフ
ィン系樹脂用下塗り塗料層と上塗り塗膜層とを形成して
なることを特徴とする塗装されたポリオレフィン成形体
。