JP2800052B2 - β―ジケトン置換体 - Google Patents

β―ジケトン置換体

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JP2800052B2 JP1509438A JP50943889A JP2800052B2 JP 2800052 B2 JP2800052 B2 JP 2800052B2 JP 1509438 A JP1509438 A JP 1509438A JP 50943889 A JP50943889 A JP 50943889A JP 2800052 B2 JP2800052 B2 JP 2800052B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、β−ジケトン類およびそれらの生理的に許
容される塩類、エルテル類とエーテル類、ならびに細胞
保護薬剤として特に抗潰瘍誘発剤または胃腸保護剤とし
て有用なこれらの化合物を含有している薬剤に関する。
フィンランド特許出願第864875号には、β−ケトン3
−(3,4−ジヒドロキシ−5−トリフルオロメチルベン
ジリデン)−ペンタンジオンをはじめとする、たとえば
パーキンソン症の治療に効果があると認められている一
群の化合物が開示されている。
英国特許出願第8730190号には、β−ジケトン3−
(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロベンジリデン)−
2、4−ペンタンジオンをはじめとする一群の化合物が
開示され、また欧州特許出願第88312228.5号には、β−
ケトン類3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−ニ
トロベンジリデン)−2、4−ペンタンジオン、3−
(4−ジヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニトロベンジ
リデン)−2、4−ペンタンジオン、3−(3−クロロ
−5−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)−2、
4−ペンタンジオンおよび3−(3−クロロ−4,5−ジ
ヒドロキシベンジリデン)−2、4−ペンタンジオンを
含む一群の化合物が開示されている。これらの化合物
は、胃腸管における潰瘍、損傷などの病変の治療または
予防薬として有用である。他のβ−ジケトン類も細胞保
護剤として有効であり、取りわけ胃腸管における潰瘍、
損傷などの病変の治療または予防薬として有用であるこ
とが今や明らかとなった。
本発明は、次の式I aまたは式I b [式中、R1およびR2は各々独立に水素、C1−6アルキ
ル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、アリールまたはヘ
テロアリール、あるいはアミノ基であり、そして前記ア
ルキル、アリール、へテロアリールまたはアミノ基は場
合により置換される、そして R3は水素、場合によりC1−6アルキル置換体、あるいは
場合によりアリール置換体またはへテロアリール置換体
であり、あるいはこれら化合物の塩、エーテルまたはエ
ステルである、しかし 式I bの化合物は3−(3,4−ジヒドロキシ−5−トリフ
ルオロメチルベンジリデン)−2,4−ペンタンジオン、
3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロベンジリデン)
−2,4−ペンタンジオン、3−(3−ヒドロキシ−4−
メトキシ−5−ニトロベンジリデン)−2,4−ペンタン
ジオン、3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニ
トロベンジリデン)−2,4−ペンタンジオン、3−(3
−クロロ−5−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデ
ン)−2,4−ペンタンジオンまたは3−(3−クロロ−
4,5−ジヒドロキシベンジリデン)−2,4−ペンタンジオ
ンでないことを条件とする]を有する化合物を提供する
ものである。
好ましくは、アミノに対する任意な置換基は、炭素原
子数が1ないし6ケのアルキル、あるいはアリール基で
ある。
好ましくは、アルキル基に対する任意な置換基は、ヒ
ドロキシ、炭素原子数が1ないし6ケのアルコキシ、ハ
ロゲノ、ニトロまたはアミノであるが、この場合アルキ
ル基は3ケ以上置換基を有しない。
好ましくは、前記アリール基は炭素原子数1ないし6
のアルキル、ヒドロキシ、炭素数原子1ないし6のアル
コキシ、トリフルオロメリル、シアノ、アミノまたはカ
ルボキシによって、あるいは直接的または炭素数原子1
ないし3の飽和炭化水素または炭素原子数2あるいは3
の不飽和炭化水素を経て前記アリール基に結合している
ジケトによって置換することのできるフェニルまたはナ
フチルである。前記アリール基に対する任意な置換基の
数は好ましくは1ないし3ケであり前記置換基は同じで
も異なっていてもよい。
好ましくは、へテロアリール基は場合により炭素原子
数1ないし6のアルキル、ヒドロキシ、炭素原子数1な
いし6のアルコキシ、ハロゲノ、ニトロまたはアミノに
よって置換されるピリジル、キノリル、チエニルまたは
フリルである。ヘテロアリール基に対する任意な置換基
の数は1または2ケであり、しかも置換基は同じでも異
なっていても構わない。
本発明の特に好ましい化合物は式I bの化合物である
が、それは炭素炭素二重結合がケト基を有する共役系二
重結合を形成しているからである。
好ましい化合物としてはまた、その中のR1およびR2が
各々C1−4であり、又R3がヒドロキシ、C1−4アルコキ
シ、トリフルオロメチルまたはシアノ基で置換されるチ
エニル、フリルまたはフェニル基であり、あるいはR3が
カルボキシフェニル基である化合物が含まれる。
本発明ははまた細胞保護剤として使用する上記の式I
aまたは式I bの化合物を提供するものである。ただし式
I bの化合物は3−(3,4−ジヒドロキシ−5−トリフル
オロメチルベンジリデン)−2,4−ペンタンジオン、3
−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロベンジリデン)−
2,4−ペンタンジオン、3−(3−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−5−ニトロベンジリデン)−2,4−ペンタンジ
オン、3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニト
ロベンジリデン)−2,4−ペンタンジオン、3−(3−
クロロ−5−エトキシ−4−ヒドロキシベンジリデン)
−2,4−ペンタンジオンまたは3−(3−クロロ−4,5−
ジヒドロキシベンジリデン)−2,4−ペンタンジオンで
はないことを条件とする。
さらに本発明は胃腸管の潰瘍、損傷などの病変の治療
または治療用薬剤の製造に使用する上記式I a式または
式I bの化合物を提供するものであるが、この場合式I b
の化合物は3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロベン
ベンジリデン)−2,4−ペンタンジオン、3−(3−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−5−ニトロベンジリデン)−
2,4−ペンタンジオン、3−(4−ヒドロキシ−3−メ
トキシ−5−ニトロベンジリデン)−2,4−ペンタンジ
オン、3−(3−クロロ−5−エトキシ−4−ヒドロキ
シベンジリデン)−2,4−ペンタンジオンまたは3−
(3−クロロ−4,5−ジヒドロキシベンジリデン)−2,4
−ペンタンジオンでないことを条件とする。
式I aまたはI bの化合物の好ましい塩は、ナトリウ
ム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウ
ムまたは有機塩基類で形成された化合物である。好まし
いエステル類およびエーテル類は、生理的条件下で加水
分解するアシルまたはアロイル誘導体である。
式I(a),(b)の化合物は、式II R1−CO−CH2−CO−R2 II [式中のR1およびR2は上記の通りである]を有する化合
物を式III R3−Z III [式中のR3は上記の通りであり、またZはCHOまたは−C
H2−Qであり、Qはハロゲンまたは他の活性基である]
を有する化合物と酸または塩基触媒の存在下で反応させ
て得られる。次いで必要に応じ式I aの化合物をハロゲ
ン化して式IV [式中R1,R2およびR3は上記の通りであり、Xはハロゲ
ンである]を有する化合物を得る。そして化合物IVを脱
ハロゲン化水素して式I bの化合物を得る。また必要な
らば式I bの化合物を還元して式I aの化合物を得ること
ができる。
塩基性触媒としては、たとえば無機塩基あるいは有機
アミンがある。酸触媒としては、たとえば鉱酸またはス
ルホン酸がある。活性基Qはハロゲンあるいはアルキル
スルホネートまたはアリールスルホネートである。
式I aの化合物をハロゲン化する場合、元素ハロゲ
ン、好ましくは塩素または臭素が使用でき、あるいは他
の周知のハロゲン化剤たとえば塩化スルフィルが使用で
きる。
本発明は、上記の式I aまたはI bの化合物あるいはそ
れらの塩、エーテルまたはエステル、ならびに薬理的に
許容される担体または希釈剤からなる薬剤を提供するも
のである。
前記薬剤の可能な剤形は、たとえば錠剤、糖衣錠、カ
プセル、坐薬、乳剤、懸濁液または溶液である。そして
薬理的に許容される添加物または賦形剤としてたとえば
溶剤、ゲル化剤または分散化剤、酸化防止剤あるいは着
色剤を含むことができる。
前記薬剤の有効量は既存の病気の予防か治療かで異な
る。投薬の1日あたりの量または数は、治療すべき病気
の程度によってきまる。有効量は一般的に1日あたり約
1ないし1000mg,好ましくは一般的には1日あたり約100
ないし600mgである。
念のため、本発明の構成要件を再掲すると、請求項1
記載の本発明は、上記式1b中、R1及びR2はいずれもC1-4
アルキルであり、R3は、トリフルオロメチル、シアノ、
カルボキシ又はジケトにより置換されたフェニルであ
り、この場合においてジケトは、直接に、又は炭素原子
数が1乃至3の飽和炭化水素鎖を経て、又は炭素原子数
が2若しくは3の不飽和炭化水素鎖を経てアリールに結
合してなり、R3がシアノによって置換されたフェニルで
ある時には、シアノはパラの位置にはないことを条件と
する化合物として構成されている。
また請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明
において、R1及びR2が各々メチルである化合物として構
成されている。
また請求項3記載の本発明は、3−(4−カルボキシ
ベンジリデン)−2,4−ペンタンジオンとして構成され
ている。
また請求項4記載の本発明は、3−(2−トリフルオ
ロメチルベンジリデン)−2,4−ペンタンジオンとして
構成されている。
また請求項5記載の本発明は、3−(4−トリフルオ
ロメチルベンジリデン)−2,4−ペンタンジオンとして
構成されている。
また請求項6記載の本発明は、3−(3−シアノベン
ジリデン)−2,4−ペンタンジオンとして構成されてい
る。
また請求項7記載の本発明は、上記式1b中、R1及びR2
はいずれもC1-4アルキルであり、R3は、トリフルオロメ
チル、シアノ、カルボキシ又はジケトにより置換された
フェニルであり、この場合においてジケトは、直接に、
又は炭素原子数が1乃至3の飽和炭化水素鎖を経て、又
は炭素原子数が2若しくは3の不飽和炭化水素鎖を経て
アリールに結合してなり、R3がシアノによって置換され
たフェニルである時には、シアノはパラの位置にはない
ことを条件とする化合物と、担体又は希釈剤と、を効果
的な量含有する、細胞保護、特に抗潰瘍誘発又は胃腸保
護に有用な薬剤として構成されている。
また請求項8記載の本発明は、3−(3−シアノベン
ジリデン)−2,4−ペンタンジオンと、担体又は希釈剤
と、を含有する、細胞保護、特に抗潰瘍誘発又は胃腸保
護に有用な薬剤として構成されている。
次の諸実施例によって本発明を説明する。
実施例 1 3−(4−カルボキシベンジリデン)−2,4−ペンタン
ジオン 10mlの2−プロパノール中に3.0g(0.02mol)の4−
カルボキシベンズアルデヒドと3.0g(0.03mol)の2,4−
ペンタンジオンを含有する懸濁液に対して徐々に3.0g
(0.025mol)の塩化チオニルを撹拌し冷却(20℃未満)
しながら添加した。得られた混合物を20℃で一晩撹拌し
た。過後生成物を2−プロパノールで洗浄したとこ
ろ、収量1.8g,mp195〜199℃であった。
実施例 2 3−(4−ヒドロキシベンジリデン)−2,4−ペンタン
ジオン 4−カルボキシベンズアルデヒドのかわりに4−ヒド
ロキシベンズアルデヒドを用いて実施例1の方法を繰り
返した。生成物のmpは123〜127℃であった。
実施例 3 3−(4−メトキシベンジリデン)−2,4−ペンタンジ
オン 4−カルボキシベンズアルデヒドのかわりに4−メト
キシベンズアルデヒドを用いて実施例1の方法を繰り返
した。生成物のmpは70〜72℃であった。
実施例 4 3−(ベンジリデン)−2,4−ペンタンジオン 4−カルボキシベンズアルデヒドのかわりにベンズア
ルデヒドを用いて実施例1の方法を繰り返した。生成物
は無色の油でbpが186〜188℃/16mmであった。
実施例 5 3−エチリデン−2,4−ペンタンジオン 4−カルボキシベンズアルデヒドのかわりにアセトア
ルデヒドを用いて実施例1の方法を繰り返した。生成物
は無色の油でbpは97℃/18mmであった。
実施例 6 3−ベンジル−2,4−ペンタンジオン 50mlのDMSO中に5.5gのカリウムt−ブトキシドを含有
した溶液に6.0gの2,4−ペンタンジオンを加え、次いで
5.0gの塩化ベンジルを添加した。得られた溶液室温で一
晩撹拌した。濃度1モルの塩酸を200ml加え、得られた
溶液をジクロロメタンで抽出した。抽出物を水で3回洗
浄し次いで溶媒を減圧蒸発し、残留物を蒸溜した。生成
物の収量は2.9gでbp150〜154℃/15mmであった。
実施例 7 1、4−ビス−(2−アセチル−3−オキソ−1−ブテ
ニル)ベンゼン 20mlの2−プロパノール中に1.34gの1,4−ベンゼンジ
カルボクスアルデヒド(benzendicarboxaldehyde)と2.
1gの2、4−ペンタンジオンを含んだ混合物に対して徐
々に3.0gの塩化チオニルを撹拌しかつ20℃未満に冷却し
ながら添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、
過し、さらに2−プロパノールで洗浄した。収量は1.
1g(55%)であった。
実施例 8 3−アセチル−4−(2−チエニル)−3−ブテン−2
−オン 4−カルボキシベンズアルデヒドのかわりにチオフェ
ン−2−カルボクスアルデヒドを用いて実施例1の方法
を繰り返した。生成物は黄色の油で収率は70%であっ
た。
実施例 9 3−アセチル−4−(2−フリル)−3−ブテン−2−
オン 25mlの2−プロパノール中に2.9gのフルフラール、5.
0gの2,4−ペンタンジオンおよび1gの酢酸アンモニウム
を含有した溶液を3時間還流した。溶媒は減圧蒸発し、
残留物はカラムクロマトグラフィーで精製した。生成物
は黄色の油で、収率は61%であった。
実施例 10 ジメチルベンジリデンマロネート 10.6gのベンズアルデヒド、13.2gのジメチルマロネー
トおよび1mlのエチル−ジ(2−プロピル)アミンを含
有した混合物を120℃で一晩加熱した。得られた混合物
を減圧蒸溜し、そして170〜180℃/18mmで沸騰する留分
を集めた。無色の油で、収量は1.9gであった。
実施例 11 3−(3,4−ジヒドロキシベンジリデン)−2,4−ペンタ
ンジオン 4−カルボキシベンズアルデヒドのかわりに3,4−ジ
ヒドロキシベンズアルデヒドを用いて実施例1の方法を
繰り返した。生成物のmpは134〜137℃であった。
実施例 12 3−ベンジリデン−2,4−ペンタンジオン 6.3gの3−ベンジル−2、4−ペンタジオンを含んだ
50mlジクロロメタン溶液に対して、20mlのジクロロメタ
ンに溶かした5.3gの臭素を冷却(0〜5℃)しながら徐
々に加えた。得られた溶液を0℃で10分間撹拌し、そし
て溶媒を減圧蒸発した。残留物を100mlのピリジンに溶
解し、30分間還流した。またピリジンは減圧蒸発し、残
留物はジクロロメタンに溶解し、そして先ず6Mの塩酸で
洗浄し、次いで2.6MのNaOHで洗浄した。溶媒は蒸発し、
また残留物は減圧蒸溜した。生成物はbp186〜188℃/16m
m,収量1.2gであった。
実施例 13 3−(2−トリフルオロメチルベンジリデン)−2,4−
ペンタンジオン 2−トリフルオロメチルベンズアルデヒド(8.7g)と
2,4−ペンタンジオン(5.01g)のトリフルオロ酢酸(10
ml)溶液にたいして塩化チオニル(4ml)と触媒量の水
(0.05ml)を室温で加えた。得られた溶液を20℃で一晩
撹拌した。溶媒は蒸発し、そして残留物は減圧蒸溜し、
生成物はbp110℃/1.5mbarで収量5.3g(41%)であっ
た。
実施例 14 3−(4−トリフルオロメチルベンジリデン)−2,4−
ペンタンジオン 上記方法に準じて4−トリフルオロメチルベンズアル
デヒド(8.7g)を2,4−ペンタンジオン(5.01g)で縮合
した。粗生成物をエーテル/石油エーテル(1:1)混合
物から晶析し、そのmpは46〜48℃で収量3.8g(30%)で
あった。
実施例 15 3−(3−シアノベンジリデン)−2,4−ペンタンジオ
ン 酢酸アンモニウムの存在下で、2−プロパノール(10
ml)中で3−シアノベンズアルデヒド(2.62g)を2,4−
ペンタンジオン(3.0g)で縮合した。生成物はmp63〜64
℃、収量1.27g(30%)であった。
実施例 16 3−(4−シアノベンジリデン)−2,4−ペンタンジオ
ン 酢酸アンモニウムの存在下で2−プロパノール(10m
l)中で4−シアノベンズアルデヒド(2.62g)を2,4−
ペンタンジオン(3.0g)で縮合した。生成物はmp86〜88
℃、収量0.55g(13%)であった。
実施例 17 3−(4−メトキシベンジリデン)−2,4−ペンタンジ
オン 実施例6の記述に従い、塩化4−メトキシベンジルを
2,4−ペンタンジオンで縮合し、黄色油の3−(4−メ
トキシベンジル)−2,4−ペンタンジオンを得た。実施
例12の記載に準じ、粗生成物を先ず臭素で処理し、次い
でピリジンで処理し、標記の化合物、mp71〜72℃を得
た。
実施例 18 3−(4−トリフルオロメチルベンジリデン)−2,4−
ペンタンジオン 塩化4−トリフルオロメチルベンジルを用いて実施例
17に述べた方法を繰り返した。生成物はmp46〜47℃であ
った。
実施例 19 3−(4−シアノベンジリデン)−2,4−ペンタンジオ
ン 塩化4−シアノベンジルを用いて実施例17に述べた方
法を繰り返した。生成物はmp86〜88℃であった。
実施例 20 3−アセチル−4−(2−チエニル)−3−ブテン−2
−オン 2−クロロメチルチオフェンを用いて実施例17に述べ
た方法を繰り返した。生成物は黄色油であった。
実施例 21 3−アセチル−4−(2−フリル)−3−ブテン−2−
オン 2−クロロメチルフランを用いて実施例17に述べた方
法を繰り返した。生成物は黄色油であった。
実施例 22 3−(4−カルボキシベンジリデン)−2,4−ペンタン
ジオン メチル4−クロロメチルベンゾエートを用いて実施例
17に述べた方法を繰り返すことによって黄色油である3
−(4−メトキシカルボニルベンジリデン)−2,4−ペ
ンタンジオンを得た。得られた粗生成物を希釈した水酸
化ナトリウム溶液で加水分解し、次いで塩酸で酸性にし
てmp196〜199℃の標記化合物を得た。
置換β−ジケトン類の生体内効果 ラットに無水エタノールを経口投与すると、著しい出
血性の壊死損傷から成る重い胃腸損傷を招く。エタノー
ル誘発損傷を防止できる化合物は細胞保護または胃腸保
護剤と呼ばれる。
雄のウイスター(Wistar)ラットに5%のアラビアゴ
ムに懸濁した試験化合物を経口投与(5ml/kg)した。対
照ラットには純ベヒクルを投与した。30分後にラットに
1mlの無水エタノールを経口投与した。そしてエタノー
ル投与1時間後にラットを殺し、それぞれの胃について
巨視的損傷の総面積をmm2単位で求めた。十二腸損傷の
範囲を幽門からcm単位で測定した。
結果は表1に纏めてある。また、3−(3−シアノベ
ンジリデン)−2,4−ペンタンジオン(実施例15)の毒
性データは下記のとおりである。
LD50(ラット):i.p. 50mg/kg p.o. 2000mg/kg i.v. 50mg/kg 1)化合物1=3−(4−ヒドロキシベンジリデン)−
2,4−ペンタンジオン 2=3−(4−メトキシベンジリデン)−2,
4−ペンタンジオン 3=3−(ベンジリデン)−2,4−ペンタン
ジオン 4=3−エチリデン−2、4−ペンタンジオ
ン 5=3−ベンジル−2、4−ペンタンジオン 6=ジメチルベンジリデンマロネート 7=3−(3,4−ジヒドロキシベンジリデ
ン)−2,4−ペンタンジオン 8=3−アセチル−4−(2−チエニル)−
3−ブテン−2−オン 9=3−アセチル−4−(2−フリル)−3
−ブテン−2−オン 10=3−(4−カルボキシベンジリデン)−
2,4−ペンタンジオン 11=1,4−ビス−(2−アセチル−3−オキ
ソ−1−ブテニル)ベンゼン 12=3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロ
ベンジリデン)−2,4−ペンタンジオン。本剤は標準化
合物である。
13=3−(2−トリフルオロメチルベンジリ
デン)−2,4−ペンタンジオン 14=3−(4−トリフルオロメチルベンジリ
デン)−2,4−ペンタンジオン 15=3−(3−シアノベンジリデン)−2,4
−ペンタンジオン 16=3−(4−シアノベンジリデン)−2,4
−ペンタンジオン 上記置換β−ジケトン類はいずれも胃のエタノール誘
発粘膜損傷を顕著に減少し、この減少は投与量に依存す
る。また、十二腸の損傷域は、対照動物にくらべ本化合
物で処置した動物は小さく軽症であった。したがって本
化合物は胃にも十二腸にも胃腸保護能力を有しているこ
とがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 65/38 C07C 65/38 255/56 255/56 (72)発明者 ベックストレーム,レイジオ ヨハネス フィンランド国 エスエフ―00750 ヘ ルシンキ ファカメスタリンポルク 4 ビー 19 (72)発明者 ホンカネン,エルキ ユハン フィンランド国 エスエフ―01400 フ ァンタァクウサイティエ 13 (72)発明者 リンデン,インゲーブリット イフォン ネ フィンランド国 エスエフ―00210 ヘ ルシンキ ファトツニエメンカツ 4 シー 42 (72)発明者 ニスシネン,エルキ アルネ オラフィ フィンランド国 エスエフ―02170 エ スプー セルキティエ 21 (56)参考文献 特開 昭61−167688(JP,A) 特開 昭61−40280(JP,A) 特開 昭62−145064(JP,A) 特開 昭63−141979(JP,A) 特開 昭60−181049(JP,A) Bull.Soc.Chim.Bel g.,(1983),92[4],P.371− 396 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 49/248 C07C 45/68 C07C 49/203 C07C 49/217 C07C 49/235 C07C 49/255 C07C 65/38 C07C 253/30 C07C 255/56 C07D 307/46 C07D 333/22 A61K 31/12 A61K 31/16 A61K 31/19 A61K 31/22 A61K 31/34 A61K 31/38 A61K 31/275 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式1b 式中、R1及びR2はいずれもC1-4アルキルであり、 R3は、トリフルオロメチル、シアノ、カルボキシ又はジ
    ケトにより置換されたフェニルであり、この場合におい
    てジケトは、直接に、又は炭素原子数が1乃至3の飽和
    炭化水素鎖を経て、又は炭素原子数が2若しくは3の不
    飽和炭化水素鎖を経てアリールに結合してなり、 R3がシアノによって置換されたフェニルである時には、
    シアノはパラの位置にはないことを条件とする化合物。
  2. 【請求項2】R1及びR2が各々メチルである請求の範囲第
    1項に記載の化合物。
  3. 【請求項3】3−(4−カルボキシベンジリデン)−2,
    4−ペンタンジオン
  4. 【請求項4】3−(2−トリフルオロメチルベンジリデ
    ン)−2,4−ペンタンジオン
  5. 【請求項5】3−(4−トリフルオロメチルベンジリデ
    ン)−2,4−ペンタンジオン
  6. 【請求項6】3−(3−シアノベンジリデン)−2,4−
    ペンタンジオン
  7. 【請求項7】式1b 式中、R1及びR2はいずれもC1-4アルキルであり、 R3は、トリフルオロメチル、シアノ、カルボキシ又はジ
    ケトにより置換されたフェニルであり、この場合におい
    てジケトは、直接に、又は炭素原子数が1乃至3の飽和
    炭化水素鎖を経て、又は炭素原子数が2若しくは3の不
    飽和炭化水素鎖を経てアリールに結合してなり、 R3がシアノによって置換されたフェニルである時には、
    シアノはパラの位置にはないことを条件とする化合物
    と、 担体又は希釈剤と、 を効果的な量含有する、細胞保護、特に抗潰瘍誘発又は
    胃腸保護に有用な薬剤。
  8. 【請求項8】3−(3−シアノベンジリデン)−2,4−
    ペンタンジオンと、 担体又は希釈剤と、 を含有する、細胞保護、特に抗潰瘍誘発又は胃腸保護に
    有用な薬剤。
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