JP2798467B2 - 自動車の車体前部構造及び車体組付方法 - Google Patents

自動車の車体前部構造及び車体組付方法

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Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュ
パネル付近が２つのユニットにより構成される自動車の
車体前部構造および車体組付方法に関するものである。
（従来の技術） 近年、自動車の構造において組立ラインでの組立作業
の容易化、作業ステーション数の減少を図るために、自
動車の各部をユニット化することが試みられている。
例えばヨーロッパ特許公開第816565号明細書に記載さ
れるように、インストルメントパネル、空調装置、ステ
アリング装置、ダッシュパネルの一部、ブレーキペダ
ル、ブレーキ倍力装置を一体的にユニット化し、そのユ
ニットを車体側部のドア開口部に通じて車室内に挿入
し、車室内側からダッシュパネルに対して組付けること
が提案されている。
さらに、特開昭59−206267号公報に記載されるよう
に、カウルパネル、ダッシュパネルをも含めて一体的に
ユニット化し、そのユニットを車体本体前部のフロント
ウインド開口部を通じて上側から車体本体に組付けるも
のも提案されている。
（発明が解決しようとする課題） ところが、前者の場合には、カウルパネルが車体本体
側に残されているので、カウルパネルに取付けられるワ
イパー装置等をユニット化することができず、組付け作
業性が十分に改善されない。
一方、後者の場合には、ユニットを車体本体上側から
フロントウインド開口部を通じて挿入して組付けるよう
になっているので、インストメントパネルの側部が、フ
ロントウインド開口部の左右側縁を構成するフロントピ
ラーによる制約を受けて、通常の場合に比して、カット
された形状となり、その側部と車体本体との接続部の構
造が複雑なものとなる。また、上記ユニット側に、車体
横方向の剛性を確保するためのカウル部材が含まれてお
り、ユニットが車体に取付けられても、従来のように、
カウル部材が車体に対し、溶接にて結合されていないた
め、正面衝突時に、従来のユニット化されていない構造
に比して衝突力を支える力が弱く、ユニット全体が後方
の車室内に移動するというおよれもある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その
主たる目的とするところは、インストルメントパネルの
側部形状や正突性能を損なうことなく、組立作業性を向
上し得る自動車の車体前部構造および車体組付方法を提
供せんとするもである。
（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、請求項（１）記載の発明
は、自動車の車体前部構造として、車体本体の左右のフ
ロントピラー間に、締結部材挿通用の開口部を有する底
壁部と、該底壁部の後縁から上方に延びる後側縦壁部
と、該後側縦壁前側の底壁部から上方に延びる前側縦壁
部と、前後の縦壁部の上縁部を接続する上壁部とを備え
てなる車幅方向に延びる閉断面構造の車体側部材が配設
されている。
また、カウル部材に少なくともワイパー装置を組付け
てなるカウルユニットが上記車体側部材の前側に、カウ
ルユニット後部を車体側部材に重合させて配置されてい
る。
さらに、上記車体側部材の後側に配置されかつ少なく
ともインストルメントパネル、ステアリング装置、ブレ
ーキペダル、ブレーキペダルブラケットおよびブレーキ
倍力装置を有するインパネユニットと上記車体側部材と
が、上記締結部材挿通用の開口部に挿通される締結部材
により締結されている構成とする。
請求項（２）記載の発明は、自動車の車体組付方法と
して、左右のフロントピラー間に、締結部材挿通用の開
口部を有する底壁部と、該底壁部の後縁から上方に延び
る後側縦壁部と、該後側縦壁部前側の底壁部から上方に
延びる前側縦壁部と、前後の縦壁部の上縁間を接続する
上壁部とを備えてなる閉断面構造の車体側部材が車幅方
向に延びて配設される車体本体のドア開口から車室内
に、少なくともインストルメントパネル、ステアリング
装置、ブレーキペダル、ブレーキベダルブラケットおよ
びブレーキ倍力装置を有するインパネユニットを挿通
し、かつ該インパネユニットを上記車体側部材の後側に
配置して車体本体に取付ける。
その取付け後、該インパネユニットのブレーキペダル
ブラケットを上記車体側部材に対し、上記車体側部材の
底壁部における締結部材挿通用の開口部に挿通される締
結部材により締結する。
その締結の後、カウル部材に少なくともワイパー装置
を組付けてなるカウルユニットを上記車体側部材の前側
に上側から挿入してカウルユニット後部を車体側部材に
重合させて配設する構成とする。
（作用） 上記の構成により、請求項（１）記載の発明では、イ
ンパネユニットを後側から、カウルユニットを上側から
組立作業性よく別々に車体本体に組付ける構成としつ
つ、左右のフロントピラー間に車幅方向に延びる閉断面
構造の車体側部材が設けられているので、正面衝突時な
どにおいてユニットが車室内に移動する可能性は少な
い。
また、請求項（２）記載の発明では、車体側部材の後
側にインパネユニットを車室内から、車体側部材の前側
にカウルユニットを上側から各々別々に配置して車体本
体に組付けることにより、組付作業が効率良く行われ
る。
さらに、請求項（１）および（２）記載の発明のいず
れにおいても、車体側部材後側のインパネユニットが、
車体側部材底壁部の開口部に挿通される締結部材の締結
に車体側部材に取付けられる一方、カウルユニットは車
体側部材前側に重合状態で配置されるので、インパユニ
ットはカウルユニットよりも先に車体側部材に締結され
ることとなり、そのインパネユニットカウルユニットの
配置の影響を受けることなく強固に車体側部材に固定す
ることができる。しかも、上記カウルユニットの後部は
車体側部材に対し重合されるので、このカウルユニット
後部の重合により車体側部材を補強して、その車体側部
材ないし車体の剛性を増大させることができる。
（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第１図ないし第５図は本発明の一実施例に係る自動車
の車体前部構造を示す。
第１図において、１は車体本体であって、エンジンル
ーム２と車室３とを仕切るダッシュパネル４の上部に、
車幅方向に延びる車体側カウル受材５が配設されてい
る。該車体側カウル部材５の両端部は車体本体１の左右
のフロントピラー6,6に呼応着され、それらを連結して
いる。尚、ダッシュパネル４はその一部が切除されて開
口部4aとなっている。7,7は左右のフロントフェンダで
ある。
上記車体側カウル部材５の前側にはカウルユニットU1
が上側から挿入して配置されるとともに、後側にはイン
パネユニットU2が車体本体１のドア開口部1aから車室３
内に挿入して配置され、これらのユニットU1,U2は、い
ずれも車体本体１に対してボルト止めおよび／又は接着
剤により固定されるようになっている。
上記車体側カウル部材５は、第２図および第３図に示
すように、アッパパネル８とロアパネル９が接合され閉
断面構造となっている。上記ロアパネル９は、若干後方
上向きに傾斜して延びる底壁部9aと、該底壁部9aの後縁
から上方に立上がって延びる縦壁部9bと、該縦壁部9bの
上縁から後方に延びるフランジ部9cとからなる。一方、
上記アッパパネル８は、上記ロアパネル９の底壁部9aと
接合されるフランジ部8aと、該フランジ部8aの後縁から
上方に延びる縦壁部8bと、該縦壁部8bの上縁から後方上
向きに傾いて延びフロントウインドガラス10の下縁部付
近を支持するガラス支持部8cと、該ガラス支持部8cの後
縁から後方に延び、かつ後縁が上記ロアパネル９のフラ
ンジ部9cと接合される上壁部8dとからなり、上記アッパ
パネル８のフランジ部8bと該フランジ部8bが接合される
ロアパネル９の底壁部9aとの接合部には図示しないが開
口部が貫通形成されている。尚、ロアパネル９は、第２
図に示すように、ダッシュパネル４と別体に形成し、か
つ該ダッシュパネル４の水平部4bの後縁に対して底壁部
9aの前縁にてアッパパネル８のフランジ部8aと共に連結
する構成としてもよく、また、第３図に示すようにダッ
シュパネル４と一体に形成してもよい。38はロアパネル
９の車室側に設けられたインシュレータである。
上記カウルユニットU1は、車幅方向に延びるユニット
側カウル部材11と、該カウル部材11の車体右側部分に装
設されたワイパー装置12とを有する（第１図参照）。
上記カウル部材11は、ダッシュパネル４と略同じ位置
で上下方向に延びる前壁部11aと、該前壁部11aの下縁に
より後方に延びダッシュパネル４の水平部4bの上側に重
合される底壁部11bと、該底壁部11bの後縁からダッシュ
パネル４の水平部4bと離間するよう後方上向きに傾斜し
て延びる傾斜部11cと、該傾斜部11cの後縁から上方に延
び上記アッパパネル８の縦壁部8bの前側に重合される後
壁部11dと、該後壁部11dの上縁から後方に延び上記アッ
パパネル８のガラス支持部8cの上側に重合されるフラン
ジ部11eとからなる。そして、取付状態において、ユニ
ット側カウル部材11が車体側カウル部材５の前側に位置
し、該両カウル部材11,5によって従来の構造のカウルボ
ックスを構成することになる。
一方、前記インパネユニットU2は、インストルメント
パネル21、ステアリング装置22、空調ユニット23、ダッ
シュ部材24、ブレーキペダル25、ブレーキペダルブラケ
ット26およびブレーキ倍力装置27を有する（第１図参
照）。上記インストルメントパネル21の前側には、第４
図および第５図に詳示するように、車幅方向に延びる円
管よりなるインパネメンバ28が配設され、該インパネメ
ンバ28の両端部に取付ブラケット29が固設されている。
車体本体１側は、ドア開口部1aにおいて、フロントピラ
ー６の下側にサイドフレームアウタ30とヒンジピラーイ
ンナ31との接合により車体上下方向に延びる閉断面構造
が構成されており、該ヒンジピラーインナ31には、車室
内に突出する中空状のインパネブラケット32が固設され
ている。インパネブラケット32の内面にはナット33が固
着されており、該インパネブラケット32のナット33に上
記インパネメンバ28の取付ブラケット29が、ボルト34に
より締結固定されるようになっている。尚、第４図中、
35はインパネユニットU2の車体本体１への締結固定の後
にその側部を覆って取付けられるインパネサイド、36は
サイドデミスタである。
また、ステアリング装置22のステアリングシャフト41
は、上記インパネメンバ28にブラケット（図示せず）を
介して連結支持されており、該ステアリングシャフト41
の先端側にはダッシュ部材24、ブレーキペダル25、ブレ
ーキペダルブラケット26およびブレーキ倍力装置27が設
けられている。
上記ダッシュ部材24は、インパネユニットU2を車体本
体１に取付けた状態において、第２図に示すように、ダ
ッシュパネル４の開口部4aを閉塞してダッシュパネル４
の一部を構成するようになっている。該ダッシュ部材24
の前側にブレーキ倍力装置27が取付けられ、インパネユ
ニットU2の車体本体１への取付状態においてダッシュパ
ネル４の開口部4aからエンジンルーム２に臨むようにな
っている。
また、上記ダッシュ部材24の後側にはインシュレータ
42を介してブレーキペダルブラケット26の前縁フランジ
部26aが当接されているとともに、ブレーキ倍力装置27
からダッシュ部材16、インシュレータ42およびブレーキ
ペダルブラケット26の前縁フランジ部26aを貫通して車
室側に突出するスタッドボルト43にナット44を螺合締結
することにより、ブレーキペダルブラケット26とブレー
キ倍力装置27とがその間にダッシュ部材24およびインシ
ュレータ42を挟んだ状態で結合されている。また、ブレ
ーキペダルブラケット26は、インパネユニットU2の車体
本体１への取付状態において、上縁フランジ部26bが、
閉断面構造の車体側カウル部材５をなすロアパネル９の
インシュレータ38に当接し、かつ該上縁フランジ26bに
てアッパパネル８のフランジ部8aとロアパネル９の底壁
部9aとの接合部に対してインシュレータ38を介在した状
態で上記接合部の開口部を挿通するボルト45とナット44
6とにより締結されており、この締結部材に対応してユ
ニット側カウル部材11の傾斜部11cが位置する。
上記ブレーキペダルブラケット26にはブレーキペダル
25の上端部が支軸47を介して回動可能に支持されてい
る。該ブレーキペダル25にはブレーキ倍力装置27の操作
ロッド27aが連結されて、ブレーキペダル25の踏込み動
作（回動）によりブレーキ倍力装置27が作動するように
なっている。
尚、フロントウインドガラス10は、カウルユニットU1
が車体本体１に取付けられた後、ウレタン接着剤51を用
いて車体本体１のウインド開口部1aに対して取付けるよ
うになっている（第２図参照）。ウレタン接着剤51は、
少なくとも車体側カウル部材５のアッパパネル８の支持
部8cおよびユニット側カウル部材11のフランジ部11eに
対して塗布され、カウル部材11と車体本体１との接合部
におけるシールをも図るようになっている。また、52は
インシュレータ42のスタッドボルト43が貫通する部位に
設けられたスペーサ、53はインシュレータ38のボルト45
が貫通する部位に設けられたスペーサである。
次に、自動車の車体組立方法、特に、上記カウルユニ
ットU1およびインパネユニットU2の車体本体１への組付
方法について説明する。
予め、組付けるべきユニットU1,U2を用意する。つま
り、カウルユニットU1は、カウル部材11にワイパー装置
12を組付けて構成する。また、インパネユニットU2は、
インパネメンバ28を中心としてインストルメントパネル
21、ステアリング装置22および空調ユニット23を相互に
組付けるとともに、ステアリング装置22のステアリング
シャフト41の先端側にダッシュ部材24、ブレーキ倍力装
置27、ブレーキペダルブラケット26およびブレーキペダ
ル25を組付けることにより構成する。尚、車体本体１に
おいては、ユニットU1,U2の組付け前に予め、第６図お
よび第７図に示すように、車体側カウル部材５のロアパ
ネル９の車室側にインシュレータ38を固着しておく。
そして、先ず、上記インパネユニットU2を車体本体１
のドア開口部1aから車室内に挿入し、該インパネユニッ
トU2におけるステアリング装置22のステアリングシャフ
ト41先端側のブレーキ倍力装置27をダッシュパネル４の
開口部4aからエンジンルーム２側に挿入せしめてインパ
ネユニットU2を車体側カウル部材５の後側に配置し、こ
の状態において、ボルト34によりインパネユニッットU2
側の取付ブラケット29を車体本体１側のインパネブラケ
ット32に対して締結固定してインパネユニットU2を車体
本体１に取付ける。このとき、ステアリングシャフト41
先端側のダッシュ部材24は、ダッシュパネル４の開口部
4aを閉塞した状態で該開口部4aの周縁に接着剤（図示せ
ず）により固着され、また、ブレーキペダルブラケット
26は、その上縁フランジ部26bにて車体側カウル部材５
のロアパネル９の車室側のインシュレータ38に当接す
る。
続いて、上記ブレーキペダルブラケット26をインシュ
レータ38を介在した状態で車体側カウル部材５（詳しく
はアッパパネル８のフランジ部8aとロアパネル９の底壁
部9aとの接合部）に対して、第８図および第９図に示す
ようにソットレンチ61等を用いてボルト45とナット46と
により締結する。
しかる後、車体本体１に対し、上側から、カウルユニ
ットU1を車体側カウル部材５の前側に挿入し、ユニット
側カウル部材11の底壁部11bをダッシュパネル４の水平
部4bに、またカウル部材11の後壁部11dをアッパパネル
８の縦壁部8bに、さらにカウル部材11のフランジ部11e
をアッパパネル８の支持部8cにそれぞれ重合させ、その
状態でボルト（図示せず）によりカウル部材11の左右両
端部を車体本体１に締結して固定する。以上によって、
両ユニットU1,U2の車体本体１への取付けが終了する。
このように、ワイパー装置12やステアリング装置22等
のダッシュパネル４付近に設けられる部材・装置類をカ
ウルユニットU1とインパネユニットU2とにユニット化
し、これらを車体本体１に組付けることにより、上記部
材・装置類を別々に車体本体１に組付ける場合に比べて
組付作業の簡略化および迅速化を図ることができる。
しかも、上記両ユニットU1,U2の間に、左右のフロン
トピラー6,6同士を連結する閉断面構造の車体側カウル
部材５が車体強度部材として設けられているので、正面
衝突時などにおいてユニットU1,U2が車室内に移動する
のを防止することができ、安全性を確保することができ
る。
さらに、車体側カウル部材５に対し、その後側のイン
パネユニットU2を車体側カウル部材５の底壁部（アッパ
パネル８のフランジ部8aとロアパネル９の底壁部9aとの
接合部）の開口部に挿通されるボルト45とナット46との
締結により取付けた後、前側のカウルユニットU1を車体
側カウル部材５におけるアッパパネル８の縦壁部8bおよ
び支持部8cに重合させて配置するので、インパネユニッ
トU2をカウルユニットU1よりも先に車体側カウル部材５
に締結して、そのインパネユニットU2をカウルユニット
U1の配置の影響を受けることなく強固に車体側カウル部
材に固定することができる。
また、上記カウルユニットU1の後部が車体側からカウ
ル部材５に対し重合されるので、この車体側カウル部材
５を補強してその剛性ないし車体の剛性を増大させるこ
とができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上
記実施例では、ブレーキペダルブラケット26をインシュ
レータ38を介在した状態で車体側カウル部材５に連結す
るに当たり、該カウル部材５のアッパパネル８のフラン
ジ部8aとロアパネル９の底壁部9aとの接合部に対してボ
ルト45とナット46とにより締結したが、本発明では、第
10図および第11図に示すように、アッパパネル８と重合
していないロアパネル９の底壁部9aに対してボルト45と
ナット46とにより締結するようにしてもよい。但し、こ
の場合、アッパパネル８に、ソケットレンチ61等のボル
ト締め治具をカウル部材５内に挿入するための作業穴62
を設ける必要がある。
（発明の効果） 以上の如く、請求項（１）の発明における自動車の車
体前部構造によれば、インパネユニットを後側から、カ
ウルユニットを上側から組立作業性よく別々に車体本体
に組付けることができ、作業組付法が良好であり、イン
ストルメントパネルの側部の形状を損なうこともない。
また、車体本体側にも左右のフロントピラーを連結する
閉断面構造の車体側部材を設けたので、ユニット化され
ていない従来構造と殆ど変わらない正面衝突性能を有す
る。
また、請求項（２）の発明における自動車の車体組付
方法によれば、左右のフロントピラー間に車幅方向に延
びる閉断面構造の車体側部材の後側にインパネユニット
を車室内から、前側にカウルユニットを上側から各々別
々に配置して車体本体に組付けるだけであっても、ダッ
シュパネル付近に設けられる部材・装置類の個別的な組
付けを省略することができるので、組付作業の簡略化お
よび迅速化を図ることができる。
そして、これら請求項（１）および（２）を発明のい
ずれにおいても、車体側部材に対し、その後側のインパ
ネユニットが締結部材の締結により取付けられた後に前
側のカウルユニットが重合状態で配置されるので、イン
パネユニットの車体側部材への取付強度と増大と、カウ
ルユニットの車体側部材への重合配置による車体剛性の
増大とを併せ図ることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は車体本体
とカウルユニットおよびインパネユニットとの関係を示
す分解斜視図、第２図はカウルユニットおよびインパネ
ユニットを車体本体に取付けた状態の断面図、第３図は
同斜視図、第４図はインパネユニットの車体本体への取
付構造を示す分解斜視図、第５図は第４図のＡ−Ａ線断
面図である。第６図ないし第９図はカウルユニットおよ
びインパユニットを車体本体に取付ける作業を説明する
ためのもので、第６図はユニットの取付前における車体
側カウル部材付近の断面図、第７図は同斜視図であり、
第８図はインパユニットのみを取付けた状態を示す断面
図、第９図は同斜視図である。第10図および第11図は変
形例を示し、第10図は第８図相当図、第11図は第７図相
当図である。 U1……カウルユニット U2……インパユニット １……車体本体 ５……車体側カウル部材（車体側部材） ６……フロントピラー ８……アッパパネル ９……ロアパネル 11……ユニット側カウル部材 12……ワイパー装置 21……インストルメントパネル 22……ステアリング装置 25……ブレーキペダル 26……ブレーキペダルブラケット 27……ブレーキ倍力装置 45……ボルト（締結部材） 46……ナット（締結部材）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−89177（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−30839（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−102772（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−108181（ＪＰ，Ｕ) 米国特許4126202（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B62D 25/08 B62D 65/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】車体本体の左右のフロントピラー間に、締
    結部材挿通用の開口部を有する底壁部と、該底壁部の後
    縁から上方に延びる後側縦壁部と、該後側縦壁部前側の
    底壁部から上方に延びる前側縦壁部と、前後の縦壁部の
    上縁間を接続する上壁部とを備えてなる車幅方向に延び
    る閉断面構造の車体側部材が配設されており、 カウル部材に少なくともワイパー装置を組付けてなるカ
    ウルユニットが上記車体画部材の前側に、カウルユニッ
    ト後部を車体側部材に重合させて配置され、 上記車体側部材の後側に配置されかつ少なくともインス
    トルメントパネル、ステアリング装置、ブレーキペダ
    ル、ブレーキペダルブラケットおよびブレーキ倍力装置
    を有するインパネユニットと上記車体側部材とが、上記
    締結部材挿通の開口部に挿通される締結部材により締結
    されていることを特徴とする自動車の車体前部構造。
  2. 【請求項２】左右のフロントピラー間に、締結部材挿通
    用の開口部を有する底壁部と、該底壁部の後縁から上方
    に延びる後側縦壁部と、該後側縦壁部前側の底壁部から
    上方に延びる前側縦壁部と、前後の縦壁部の上縁間を接
    続する上壁部とを備えてなる閉断面構造の車体側部材が
    車幅方向に延びて配設される車体本体のドア開口から車
    室内に、少なくともインストルメントパネル、ステアリ
    ング装置、ブレーキペダル、ブレーキペダルブラケット
    およびブレーキ倍力装置を有するインパネユニットを挿
    入し、かつ該インパネユニットを上記車体側部材の後側
    に配置して車体本体に取付ける工程と、 その取付け後、該インパネユニットのブレーキペダルブ
    ラケットを上記車体側部材に対し、上記車体側部材の底
    壁部における締結部材挿通用の開口部に挿通される締結
    部材により締結する行程と、 その締結の後、カウル部材に少なくともワイパー装置を
    組付けてなるカウルユニットを上記車体側部材の前側に
    上側から挿入してカウルユニット後部を車体側部材に重
    合させて配設する行程とを有することを特徴とする自動
    車の車体組付方法。
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