JP2680911B2 - スライディングルーフ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、自動車に取付けられているスライディング
ルーフに関する。

［発明の技術的背景とその問題点］ 従来、自動車用の既知のスライディングルーフとして
は、ルーフ開口部の開閉用の剛性リッドを有するものが
ある。即ち、この剛性リッドは、フロント及びリアスラ
イディング部材によって、ルーフフレームに装着された
ガイドレールに沿って摺動して案内される。この剛性リ
ッドの摺動は、ルーフフレーム内に取り付けられたケー
ブルによって行われる。この結果リアスライディング部
材は、ガイドレールに沿って案内される。また、剛性リ
ッドは、フロントスライディング部材の前方に配された
摺動方向に直交する水平軸を有するピボット軸受けによ
って、回動自在に枢着されている。また、この剛性リッ
ドには、ルーフフレームの縁に沿ってガイドリンクが装
着されている。このガイドリンクは、一対のガイドピン
によって、リアスライディン部材と連結される。前記ル
ーフ開口の端部付近のガイドレールには、互いに対向し
て凹所が形成されている。この凹所内には、剛性リッド
が摺動されている間を除いて、止め部材が収容され得
る。この止め部材は、剛性リッドの端部付近でガイド部
材と共に位置付けられている。そして、このガイド部材
と共に止め部材は、連動され且つガイドレールに沿って
案内される。このガイド部材は、連結部を介してリアス
ライディング部材と連結される。即ち、止め部材が凹所
から離脱された場合、リアスライディング部材は、ガイ
ド部材と連結され、止め部材が凹所内に収容された場
合、リアスライディング部材は、ガイド部材から離脱さ
れる。

このようなタイプ（DE−PS 33 00 308）のスライディ
ングルーフにおいて、各ガイドリンクのガイドスリット
を構成し、且つ、各ガイドレールに平行移動するガイド
ピンと係合して、剛性リッドの動きと位置を制限するガ
イドスリット部は、ガイドスリットの一端から他端の間
で、その高さが異なっている。即ち、閉鎖部（リフト機
構）から旋回部方向に比較的急な下り勾配となる。一
方、閉鎖部から下降部方向に上り勾配となって、終了部
に続いている。

［発明の目的］ このように高さを違えることは、ガイドリンクの幅を
かなり大きなものとさせる。これに伴って、スライディ
ングルーフの幅も大きくせざるを得ない。この結果、自
動車の頭上スペースが制限される。

また、剛性リッドを追動させるガイドピンはリアスラ
イディング部材に取り付けられているので、剛性リッド
の全てのポジションにおいて、常時、ガイドレール上に
位置付けられ、剛性リッドからかなり離れで位置付けら
れる。

本発明は、前記問題点に着目してなされたもので、そ
の目的とするところは、幅の小さいコンパクトなスライ
ディングルーフを提供することにある。

［発明の概要］ ルーフ開口部の開閉用の剛性リッドを有し、前記剛性
リッドは、フロント及びリアスライディング部材によっ
て、ルーフフレームに装着されたガイドレールに沿って
摺動して案内され、前記リアスライディング部材を作動
させるケーブルによって、ガイドレールに沿って案内さ
れ、前記フロントスライディング部材に接続されたピボ
ット軸受により、摺動方向に対して直交する方向に延び
た水平軸線を中心に回動され、縁に沿ってガイドリンク
が装着され、このガイドリンク中には、リアスライディ
ング部材に接続されたガイドピンが係合し、前記ルーフ
開口の後端部付近で、前記剛性リッドの両側部に互いに
対向するように凹所が形成され、前記剛性リッドの摺動
時を除いて、前記凹所内に止め部材が係合し、前記剛性
リッドは、これの後端部に設けられ、前記ガイドレール
に沿って摺動して案内されるガイド部材に接続され、前
記剛性リッドの両側に配置され、前記止め部材が前記凹
所から離脱されたとき、前記リアスライディング部材
を、隣接する前記ガイド部材に連結させ、また、前記止
め部材が前記凹所内に入ったとき、前記リアスライディ
ング部材を、前記ガイド部材から離脱させる連結部が備
えられたスライディングルーフにおいて、 前記剛性リッドの両側に配置され、前記フロントスラ
イディング部材を、前記ガイド部材に接続させるコント
ロールリンクと、一端に前記ガイドピンが装着され、他
端に前記リアスライディング部材が枢着された２本のア
ームからなるコントロールレバーと、前記コントロール
レバーに、これの両端間で装着され、前記コントロール
リンクに係合するコントロールピンと、を具備する。

このような構成によれば、コントロールリンクは、剛
性リッドの両側に配される。また、ガイドリンクとリア
スライディング部材との連結部材としての２本のアーム
を有するアーム状のコントロールレバーの両側に沿って
配される。この結果、スライディングルーフの幅は、薄
くなり得る。また、両リンクには、各々、一部分で対向
して傾斜するガイドリンクのガイドスリットとコントロ
ールリンクのコントロールスリットとが形成される。こ
の結果、ガイドスリット及びコントロールスリットの、
スライディングルーフの幅に直接影響を与える傾斜角度
を比較的小さくでき得る。

各々連携するコントロールリンク、ガイドリンク及び
コントロールレバーは、以下のように構成でき得る。即
ち、コントロールリンクのコントロールスリットは、自
動車の前方向に上り勾配の嚮導部を有する。この嚮導部
は、剛性リッドの旋回に関与する。一方、ガイドリンク
のガイドスリットは、剛性リッドが閉じられている場合
に前方向に下り勾配の旋回部を有する。この旋回部も、
剛性リッドの旋回に関与する。また、ガイドスリット
は、前方でコントロールスリットを越えて形成されてい
る。コントロールレバーは、リアスライディング部材に
装着されたピボット軸受から、コントロールレバーをガ
イドリンクに連結させるガイドピン方向で上方に傾斜し
て位置付けられている。

このようなものにおいて、コントロールリンクは、前
方でフロントスライディング部材を越えて延びている。
このコントロールリンクフロント側端部は、剛性リッド
のピボット軸受の一構成要素のピボット軸受ピンによっ
てガイドリンク前方の端部と接続されている。

また、剛性リッドの両側に、ガイドリンク、コントロ
ールリンク及びガイドレールを互いに並列させたこと
で、スライディングルーフの小型化が図られる。この結
果、ガイドリンクと係合するガイドピンは、必ずしも、
剛性リッド内のガイドレール上に位置付ける必要はな
い。

また、ルーフフレームは、両ガイドレール、ガイドリ
ンク及びコントロールリンク、フロント及びリアスライ
ディング部材、ガイド部材の下方を、各ガイドレールと
の接続部から、ルーフフレームが位置付けられたルーフ
開口の縁部まで延びており、このルーフ開口の縁にそっ
て各部材は摺動して案内される。この結果、各リンクと
各ガイドレールとを互いに並列することなく、容易に、
スライディング部材及びガイド部材の傾動不能に案内で
き得る。

コントロールレバーは、互いに並列して延出したフォ
ーク形状のレバー部を有する。これら両レバー部の夫々
下端部には、軸受ピンによってリアスライディング部材
が枢着されている。また、コントロールレバーのほぼ中
央部には、互いに同軸で、且つ、反対方向に突設された
コントロールピンが装着されている。更に、コントロー
ルレバーの上端部には夫々互いに同軸で、且つ、対向す
るガイドピンが装着されている。この結果、常時、コン
トロールレバーが安定して剛性リッドを強固に保持す
る。コントロールレバーを構成するフォーク状部によっ
て、個々の細長いスリットなしでも、ガイドリンク及び
コントロールリンクが装設され得る。この結果、これら
スリットは、各リンクの全体に亘って形成される必要は
ない。従って、ガイドリンク及びコントロールリンク
は、太形にしないくとも、スリット方向に直交する外力
に対して充分耐え得る。また、コントロールレバーの両
レバー部間には、ガイドリンクが配置されている。これ
ら各ガイドリンクの一対の面上には、互いに並列してガ
イドスリットが形成されている。

そして、これらガイドスリット内を各ガイドピンを摺
動する。また、コントロールリンクは、互いに並列して
一定の間隔を有して対向して位置付けられている。これ
らコントロールリンクの間には、前記コントロールレバ
ーが配置されている。そして、コントロールリンクの一
対の対向面上には、互いに並列してコントロールスリッ
トが形成されている。このコントロールスリット内を、
コントロールピンが摺動する。

このようなものにおいて、コントロールリンクは、リ
ンクビームに固定され得る。このリンクビームは、フロ
ントスライディング部材及びガイド部材に固着されてい
る。そして、このリングビームの前端部には軸受けピン
が枢着されている。コントロールリンクの保持用として
配設されているリンクビームは、フロントスライディン
グ部材とガイド部材との接続を極めて安定した且つ強固
なものとし得る。この結果、コントロールリンク保持用
の他の部材を必要としない。

止め部材と連結部とを有する２本のアームを有するア
ーム状の連結レバーは、略水平面上を回動自在に取り付
けられる。このため、剛性リッドの両側に装着された連
結レバー及びこのレバーに係合する各部材は、鉛直方向
に回動する従来のレバーに比べて幅狭のもので足りる
（DE−PS 33 00 308）。

ルアスライディング部材及びガイド部材と連結部との
好良な配置としては、次の通りである。即ち、リアスラ
イディング部材には、連結凹所が形成されている。連結
レバーには、この連結凹所に対応したフック形状の連結
部が形成されている。これら両者には、相互に係合可能
に形成された係合部が施されている。更に、これら連結
凹所及び連結部には、夫々、リアスライディング部材の
摺動最中に、ガイド部材をリアスライディング部材に追
動させるため係合連結部が形成されている。

［発明の実施例］ 第１図に示された、例えば、乗用自動車のルーフ10
は、この前方領域に、ルーフ開口11を有する。このルー
フ開口11は、この開口に対応した１枚の剛性リッド12で
閉鎖させ得る。この自動車の進行方向は、矢印13で示さ
れている。

前方、後方、左側、右側は、夫々、矢印13で示した自
動車の進行方向で見た場合の方向に対応する。

スライディングルーフは、左右対称型に形成され得
る。この結果、第２図ないし第９図は、左側から見た場
合の側面図である。スライディングルーフが左右対称で
ある関係上、右側から見た図は省略する。

第２図に断面して示すように、スライディングルーフ
は、基本的に以下の集合体又は部材を備える。即ち、ル
ーフフレーム14と、このルーフフレーム14に固定された
ガイドレール15と、ガイドレール15上を移動可能に案内
されるフロントスライディング部材16と、同様にガイド
レール15上を移動可能に案内されるリアスライディング
部材17と、螺旋ねじ部を有し、ガイドレール15内に形成
された２つのガイド溝19の一方の内部を、押圧（compre
ssion−stiff manner）された状態で円滑にではなく案
内されるケーブル20とにより形成されている。このケー
ブル20は、伝達部18によりリアスライディング部材17に
取着されている。このケーブル20中に設けられている歯
付ピニオン（図示しない）は、フロントスライディング
部材16に接続されたピボット軸受21に係合する。なお、
この歯付ピニオンは、ルーフフレーム14の前方領域に配
されたハンドクランク又は電気モーターによって駆動さ
れる。このピボット軸受21は、剛性リッド12の摺動方向
に対して横方向に延び、剛性リッド12のためのる水平ピ
ボット軸線22を有する。前方及び後方固定角アングル23
により、剛性リッド12の側縁に沿ってガイドリンク24が
剛性リッド12に固着されている。このガイドリンク24に
は、ガイドスリット25が形成されている。このガイドス
リット25中には、ガイドピン26が係合される。また、ル
ーフ開口の後端部近傍のガイドレール15には、凹所27が
設けられている。この凹所27中には、２本のアームを有
する連結レバー28に形成された止め部材29が収容され
る。また、剛性リッド12の後縁の領域には、連結レバー
28を枢支し、ガイドレール15上を移動可能に案内される
ガイド部材30が配置されている。このガイド部材30に
は、水偏向板31が固着されている。この水偏向板31は、
剛性リッド12が閉じられる際、後縁の下側に継合する。
なお、連結レバー28には、止め部材29の他に連結部32が
形成されている。この連結部32は、リアスライディング
部材17と連結、離脱され得る。２本のアームを有するの
コントロールレバー34に設けられたコントロールピン36
は、コントロールリンク33に形成されたコントロールス
リット35中に係合されている。

ルーフ開口11を形成するために、金属製板で製造され
ている自動車のルーフ10は、ルーフ開口の４つの側で直
角に下方に屈曲されている。前側、後側及び右側で、自
動車のルーフ10に固着されたマウント枠38の鉛直下向フ
ランジ37は、ビーディング部によりラッピングされてい
る。マウント枠38及びガイドフレーム39は共にルーフフ
レーム14を構成する。自動車のルーフ10の下方に位置す
るガイドレール15の横向フランジ40は、マウント枠38と
ガイドフレーム39との各々に形成されている横向フラン
ジ41と42との間に挿入され、ボルト43でさらに螺合され
ている。

本実施例によれば、剛性リッド12は金属製版で製造さ
れるが、ガラスでも製造し得る。前記合成リッド12の４
つの側に形成されている下向フランジには、間隙部閉鎖
部材44が圧入装着されている。第３図、第４図及び第７
図ないし第９図に示すように、これら間隙部閉鎖部材44
は、剛性リッド12が閉じられた場合、自動車のルーフ板
の鉛直下向フランジに対向して押圧され、この間隙部を
閉鎖する。

しかしながら、この間隙部を通って染込んだ水は、ほ
ぼ溝形状のガイドフレーム39によって集められ、図示し
ない水偏向器によって排出処理される。剛性リッド12
は、この下側に、リッド補強材45を備えている。このリ
ッド補強材45は、ガイドリンク24に装着されている固定
アングル23に固着されている。

第２図及び第４図ないし第６図に示すように、コント
ロールリンク33は、フロントスライディング部材16を越
えて連続して前方に延びている。そして、このコントロ
ールリンク33前端部と、ガイドリンク24のフロント前端
部とは、リッドピボット軸受21を構成する指示されてい
るピボット軸受ピン46によって、接続されている。

第５図には、剛性リッド12の最大旋回位置が示されて
いる。このような位置まで剛性リッド12が、ピボット軸
受ピン46を中心に旋回して持上げられて、剛性リッド12
の後縁とルーフ開口11の後縁との間に通風部47が形成さ
れる。

例えば、第３図に示すように、ガイドリンク24及びコ
ントロールリンク33は、ガイドレール15と並列し、且
つ、剛性リッド12の下方に位置付けられている。

第３図及び第７図ないし第９図に示すように、フロン
トスライディング部材16、リアスライディング部材17及
びガイド部材30は、これら部材に装着されたガイドプレ
ート48、49、及び50と共にガイドレール15に相互に対向
して形成されたガイドトラック51に沿って摺動して案内
される。このようなガイドプレート48、49及び50は、夫
々、その両側をガイドトラック51内を摺動可能な低摩擦
部材としてのスライディングシュー52に挟持されてい
る。ガイドレール15を案内するものとして、フロントス
ライディング部材16、リアスライディング部材17及びガ
イド部材30は、各々、ルーフ開口11の内側に配されたグ
ループ90によって摺動して案内される。なお、このグル
ープ90は、ガイドフレーム39上に突設されたエッジ53上
でのかしぎを防止するためのものである。

ガイドリンク24及びコントロールリンク33の構成は、
第４図ないし第６図に詳細に示されている。

特に第５図に示されているように、ガイドリンク24に
形成されているガイドスリット25は、旋回部54、閉鎖部
55、下降部56及び終了部57が備えられている。閉じられ
た状態の剛性リッド12（第４図参照）で明らかなよう
に、剛性リッド12の旋回に関与する旋回部54は、この後
部から前部に向かって下り勾配となっている。剛性リッ
ド12の後部の下降に関与する下降部56は、この前部から
後部に向かって上り勾配となっている。剛性リッド12の
後部が下降し、次に、この剛性リッド12が、自動車のル
ーフを閉じた状態から開いた状態へ変移する間、ガイド
ピン26は終了部57に位置付けられている。

一方、コントロールリンク33に形成されているコント
ロールスリット35は、この後部から前部に向かって下り
勾配となっている。このコントロールスリット35には、
剛性リッド12の旋回に関与する嚮導部58と、剛性リッド
12がルーフ開口11を閉鎖させている状態から剛性リッド
12の後部を下降させる移行部59とが備わる。第５図に示
すように、この移行部59は、この前部から後部に向かっ
て下り勾配となっている。コントロールスリット35の後
部の、移行部59から連続して形成された開口部60は、ス
ライディングルーフを集合させておくためのものであ
る。

添付図面に示すように、ガイドスリット25は、この前
方ではコントロールスリット35を越えて延びている。こ
のコントロールスリット35は、コントロールレバー34に
整合し、剛性リッド12がどのような旋回位置に位置付け
られている場合でも、常時、リアスライディング部材17
上のピボット軸受61からガイドピン26方向に上り勾配と
なって位置する。第３図及び第５図に示されているよう
に、ガイドリンク24、コントロールリンク33及びコント
ロールレバー34は、各々、両面形成されている。コント
ロールレバー34は、２本のレバー部34a及び34bがフォー
ク形状に形成されている。これらレバー部34a、34bは、
互いに、各々の下端部をピボットピン62によって接続さ
れている。このピボットピン62は、２つの部分を包含し
たリアスライディング部材17に各々形成されている上向
フランジ63を貫通している。このように、ピボット軸受
61は形成される。各レバー部34a、34bのほぼ中央付近に
は、これらと一体的にコントロールピン36が装着されて
いる。このコントロールピン36は、夫々、互いに同中心
に整合し、反対の向きに形成されている。これら各レバ
ー部34a、34bの上部には、ガイド突出部26a、26bが設け
られている。これらは、互いにガイドピン26を構成し、
これら突出部は互いに同中心に整合し、互いに対向して
位置付けられている。

ガイドリンク24は、コントロールレバー34のレバー部
34a、34b間に配置され、上面側から見て左右対称型に形
成されている。ガイドスリット25の空所25a、25bは、強
固な壁64によって、互いに隔離されて形成されている。
ガイド突出部26a、26bは、夫々、ガイドスリット25とし
ての空所25a、25bと係合する。コントロールリンク33
は、２つのコントロール部33a、33bを備え、一定の距離
をおいて互いに対向する。これらコントロール部33a、3
3b間にコントロールレバー34が配置されている。コント
ロールリンク33のコントロール部33a、33bは、夫々、対
称型形状のコントロールスリット35の対応部35a、35bを
備えている。そして、これら35a、35bに沿って、コント
ロール突出部36a、36bが夫々係合される。コントロール
リンク33のコントロール部33a、33bは、延長リンクビー
ム65に固着されている。この延長リンクビーム65は、コ
ントロールリンク33の上方及び下方に亘って好良に装着
されている。この結果、コントロールリンク33に外力が
加った場合でも、対応部35a、35bが変形することを防止
できる。延長リンクビーム65は、フロントスライディン
グ部材16とガイド部材30との間に固定されている。ピボ
ット軸受けピン46は、テーパが施された延長リンクビー
ム65の前端部（第２図参照）で、延長リンクビーム65を
貫通して挿着されている。

第２、８及び第９図に示すように、連結装置が、リア
スライディング部材17とガイド部材30との間で作動す
る。即ち、連結レバー28は、一端にフック形状の連結部
32が形成され、他端にローラー形状の止め部材29が装着
されている。このような連結レバー28には、鉛直方向に
ピン66が回動自在に挿着されている。また、時計回り、
即ち、ガイドレール15の凹所27内に止め部材29を係合さ
せる方向に、コイルバネ67によってプレストレスが施さ
れている。凹所27は、ガイドレール15に形成された鉛直
フランジ68に形成されている。この鉛直フランジ68に沿
って配された円形の止め部材29は、剛性リッド12の移動
の際に回動する。この時、剛性リッド12は、前後方向に
は移動されない。

フック形状の連結部32に、対応した形状の連結凹所69
は、リアスライディング部材17に形成されている。連結
部32及び連結凹所69には、夫々、係合部70、71が形成さ
れている。これら係合部70、71は、連結レバー28が回動
するとき、互いに摺動する。更に、相互に係合する係合
連結部72、73は、夫々、連結部32及び連結凹所69に形成
されている。各係合連結部72、73は、リアスライディン
グ部材17がスライディングルーフ閉鎖方向に移動する場
合に、ガイド部材30を移動させる役割を有する。

スライディングルーフの開閉機能について、第２図で
示された閉じられた状態から説明する。

剛性リッド12が第４図の閉鎖状態から、上方に旋回さ
せようとする場合、ケーブル20は、図示しない駆動源に
よって前方に移動される。これに伴い、リアスライディ
ング部材17が前方に移動される。止め部材29が凹所27内
に位置付けられているため、ガイド部材30、コントロー
ルリンク33及びフロントスライディング部材16は諸定位
置に静止している。ガイドピン26が、ガイドスリット内
の閉鎖部55から旋回部54へ摺動されるに伴い、剛性リッ
ド12の上方への旋回が開始する。旋回移動については、
ガイドピン26は、ガイドスリット25の旋回部54を前方に
移動される。一方、この移動に伴って、コントロールピ
ン36は、コントロールスリット35の嚮導部58内を前方に
移動される。この様に、剛性リッド12は円滑に旋回され
る。持上げられた剛性リッド12を旋回させ、再度、元の
閉鎖位置戻すことについては、第５図で示された位置か
ら、第２図及び第４図に示された位置まで、連続的に旋
回させる。

一方、第２図及び第４図に示されたスライディングル
ーフの閉鎖位置から、後方に摺動させて、ルーフを開放
させる場合には、ケーブル20は、後方に移動される。こ
のとき、ガイドピン26は、まず、ガイドスリット25の下
降部56を後方に摺動される。同時に、コントロールピン
36が、コントロールスリット35の移行部59を後方に摺動
される。このとき、コントロールレバー34は、ピボット
軸受61を中心に反時計回りに旋回する。剛性リッド12の
後端部の下降は、ガイドピン26がガイドスリット25の終
了部57に達したときに完了する。このとき、コントロー
ルピン36は、コントロールスリット35の移行部59後端部
にある。第６図に示すような位置に剛性リッドの後端部
が接近すると、連結部32の係合部70と、連結凹所69の係
合部71とが対向する。この後、連結レバー28は、止め部
材29が凹所27から離脱するまで、コイルバネ67の力に対
向して反時計回りに徐々に回動される。この結果、連結
部32は、連結凹所69内に完全に挿着される。ケーブル20
が、更に、リアスライディング部材17を搬送しながら後
方に移動された場合、このリアスライディング部材の移
動に伴いガイド部材30はスライディングルーフを開口さ
せる方向に搬送される。

剛性リッド12を含んだスライディングルーフ全体の構
成部品は、スライディングルーフの開口に関与するガイ
ド部材30に接続されている。ローラー形状の止め部材29
は、鉛直フランジ68に沿って移動される。

一方、剛性リッド12がルーフ開口位置から閉鎖位置方
向に移動された場合、これに伴う動きは、上述とは逆の
ものとなる。この場合、止め部材29は鉛直フランジ68に
係止されている関係上、連結レバー28は旋回でき得な
い。このため、連結部32は、連結凹所69内に挿着され維
持される。この結果、ガイド部材30及びこのガイド部材
30連結されている全ての構成部品は、係合連結部72、73
の係合によって、止め部材29が、再度、凹所27内に位置
付けられるまで、前方に搬送され得る。この止め部材29
が、凹所27内に位置付けられるときに、連結部32と連結
凹所69との連結が解放される。第６図は、剛性リッド12
が完全に前方に搬送され、この剛性リッド12の後端部が
下降位置にあり、まだ、上昇されていない場合を示す。
この剛性リッド12の上昇は、前方にケーブル20が更に移
動することによって行われる。このケーブル20の移動に
伴い、ガイドピン26は、ガイドスリット25の下降部56か
ら離れて、閉鎖部55に摺動され、コントロールピン36は
コントロールスリット35の移行部59を離れ、移行部59の
フロント側端部に摺動される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係るスライディングルーフを備えた
乗用車の一部を示す斜視図、第２図は、第１図のスライ
ディングルーフの一部を示す上面図、第３図は、第２図
のIII−III線に沿う断面図、第４図は、第３のIV−IV線
に沿う断面図、第５図は、第４図のスライディングルー
フの換気状態を示す図、第６図は、第４図のスライディ
ングルーフ開放の開始位置を示す図、第７図は、第２図
のVII−VII線に沿う断面図、第８図は、第２図のVIII−
VIII線に沿う断面図、第９図は、第２図のIX−IX線に沿
う断面図である。 12……剛性リッド、16……フロントスライディング部
材、17……リアスライディング部材、20……ケーブル、
21……リッドピボット軸受、24……ガイリンク、26……
ガイドピン、27……凹所、29……止め部材、30……ガイ
ド部材、32……連結部、33……コントロールリンク、34
……コントロールレバー、36……コントロールピン。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホルスト・ベーム ドイツ連邦共和国、6000 フランクフル ト、リークニッツ アー・シュトラーセ ５ (56)参考文献 特開 昭57−47215（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−113729（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−219121（ＪＰ，Ａ)

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ルーフに形成されたルーフ開口部の開閉用
   の剛性リッドを有し、 前記剛性リッドは、フロント及びリアスライディング部
   材によって、前記ルーフ開口部の側部のルーフフレーム
   に装着されたガイドレールに沿って摺動して案内され、
   前記リアスライディング部材を作動させるように前記ル
   ーフ開口部の側部のルーフフレーム内に設けられたケー
   ブルによって、ガイドレールに沿って案内され、前記フ
   ロントスライディング部材に接続されたピボット軸受に
   より、摺動方向に対して直交する方向に延びた水平軸線
   を中心に回動され、縁に沿ってガイドリンクが装着さ
   れ、このガイドリンク中には、リアスライディング部材
   に接続さたガイドピンが係合し、前記ルーフ開口部の後
   端部付近で、前記剛性リッドの両側部に互いに対向する
   ように凹所が形成され、前記剛性リッドの摺動時を除い
   て、前記凹所内に止め部材が係合し、前記剛性リッド
   は、これの後端部に設けられ、前記ガイドレールに沿っ
   て摺動して案内されるガイド部材に接続され、前記剛性
   リッドの両側に配置され、前記止め部材が前記凹所から
   離脱されたとき、前記リアスライディング部材を、隣接
   する前記ガイド部材に連結させ、また、前記止め部材が
   前記凹所内に入ったとき、前記リアスライディング部材
   を、前記ガイド部材から離脱させる連結部が備えられた
   スライディングルーフにおいて、 前記剛性リッドの両側に配置され、前記フロントスライ
   ディング部材を、前記ガイド部材に接続させるコントロ
   ールリンクと、一端に前記ガイドピンが装着され、他端
   に前記リアスライディング部材が枢着された２本のアー
   ムからなるコントロールレバーと、前記コントロールレ
   バーに、これの両端間で装着され、前記コントロールリ
   ンクに係合するコントロールピンと、を具備し、 前記コントロールリンクには、前方に向って上り勾配と
   なる嚮導部を有するコントロールスリットが形成され、
   この嚮導部は、前記剛性リッドの旋回に関与し、前記ガ
   イドリンクには、前記剛性リッドが前記ルーフ開口部を
   閉鎖する位置にある場合に、前方に向って下り勾配で、
   前記剛性リッドの旋回に関与する旋回部を有するガイド
   スリットが形成され、且つ、このガイドスリットは、前
   記コントロールスリットより前方に延び、前記コントロ
   ールレバーは、前記リアスライディング部材上のピボッ
   ト軸受から、ガイドピンに向かって上方に傾斜して設け
   られており、 前記ケーブルによって前記リアスライディング部材を前
   方に移動させると、前記コントロールレバーが前方に移
   動することによって、前記剛性リッドは、前記水平軸線
   を中心に回動して前記ルーフよりも上方に持ち上がり、
   一方、前記ケーブルによって前記リアスライディング部
   材を後方に移動させると、前記コントロールレバーが後
   方に移動することによって、前記剛性リッドは、前記水
   平軸線を中心に回動して前記ルーフよりも下方に下降
   し、このとき、前記リアスライディング部材が前記連結
   部を介して前記ガイド部材に連結され、続いて、前記ケ
   ーブルによって前記リアスライディング部材を更に後方
   に移動させると、前記リアスライディング部材と共に後
   方に移動した前記ガイド部材によって、前記剛性リッド
   は、前記ルーフ内に収容されることを特徴とするスライ
   ディングルーフ。
2. 【請求項２】前記コントロールリンクは、前方に前記フ
   ロントスライディング部材を越えて延び、前記コントロ
   ールリンクの前端部は、ピボット軸受に支持されている
   ピボット軸受ピンによって前記ガイドリンク前端部に接
   続されている請求の範囲第１項に記載のスライディング
   ルーフ。
3. 【請求項３】前記各ガイドリンク及び前記各コントロー
   ルリンクと前記各ガイドレールとは、互いに並列して配
   置され、前記各ガイドリンク及び前記各コントロールリ
   ンクは前記剛性リッドの底部に配置され、前記各ガイド
   レールは、固定ルーフの下方で前記ルーフ開口の外郭に
   配置されている請求の範囲第１項に記載のスライディン
   グルーフ。
4. 【請求項４】前記ルーフフレームは、前記両ガイドレー
   ル、前記ガイドリンク、前記コントロールリンク、前記
   フロント及びリアスライディング部材、前記ガイド部材
   の下方を、前記各ガイドレールとの接続部から、前記ル
   ーフフレームが位置付けられた前記ルーフ開口の縁部ま
   で延びており、このルーフ開口の縁にそって前記各部材
   は摺動して案内される請求の範囲第１項に記載のスライ
   ディングルーフ。
5. 【請求項５】前記コントロールレバーは、互いに並列し
   て延出したフォーク形状のレバー部を有し、これら両レ
   バー部の夫々下端部には、軸受ピンで前記リアスライデ
   ィング部材が枢着され、前記コントロールレバーのほぼ
   中央部には、互いに同軸で、且つ、反対方向に突設され
   た前記コントロールピンが装着され、前記コントロール
   レバーの上端部には、互いに同軸で、且つ、対向した前
   記ガイドピンが装着され、 前記各ガイドリンクは、前記コントロールレバーの前記
   両レバー部の間に配置されており、前記各ガイドリンク
   の一対の面上には、互いに並列し且つ対称型に前記ガイ
   ドスリットが形成されており、これらガイドスリット内
   を前記各ガイドピンが摺動し、前記コントロールリンク
   は、互いに並列して一定の間隔を有して位置付けられて
   おり、前記コントロールリンクの間に前記コントロール
   レバーが配置され、前記コントロールリンクの一対の対
   向面上には、互いに並列して前記コントロールスリット
   が形成されており、前記コントロールスリット内を、前
   記コントロールピンが摺動する請求の範囲第１項に記載
   のスライディングルーフ。
6. 【請求項６】前記コントロールリンクは、リンクビーム
   に固着され、前記リンクビームは、前記フロントスライ
   ディング部材及び前記ガイド部材に固着され、前記リン
   クビームの端部は、ピボット軸受ピンに枢支されている
   請求の範囲第５項に記載のスライディングルーフ。
7. 【請求項７】２本のアームからなる連結レバーを有し、
   この連結レバーには、止め部材と連結部とが設けられ、
   略水平状態で前記ガイド部材に回動自在に取付けられ、 前記止め部材に対応した凹所が、前記ガイドレールの鉛
   直フランジに沿って形成され、 フック形状の連結部と、この連結部に対応して前記リア
   スライディング部材に形成された連結凹所とを有し、 前記連結部上及び前記連結凹所内には夫々前記連結レバ
   ーの着脱用に係合部が形成され、前記リアスライディン
   グ部材の閉鎖中に、前記ガイド部材を搬送させるために
   形成された係合連結部を有する請求の範囲第１項に記載
   のスライディングルーフ。