JP2625246B2 - 魚節の製造方法 - Google Patents
魚節の製造方法Info
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Description
し、あじ等を原料魚とした魚節の製造方法に関する。
て90℃〜95℃で、30分〜180分の煮熟を行い、肉質の自
己消化を阻止するとともに表面の硬質化や内部の身割れ
を防止する処理や例えば特開平2−167024号公報に記載
の加熱装置により蛋白質を変性させる処理が施されてい
る。
平2−167024号公報に記載の魚節の製造方法では、煮熟
や加熱装置などによる加熱にて肉質が完全に加熱変性し
てしまい、その後の焙乾処理でのエキス分の増加が図れ
ない。
るように、原料魚を1分間前後煮熟し、煮熟時間を短縮
することにより肉質の加熱変性を不完全としてエキス分
の増加を図る方法が知られている。
方法では、エキス分は増加するが肉質の内部で自己消化
が進行し、うま味の一種であるイノシン酸が分解されて
良好な風味が得られない。
に、発色補助剤水溶液に原料魚を浸漬した後に加熱する
ことなく燻乾したり、特開昭59−143544号公報に記載の
ように、調味塩水などに浸漬した後に燻乾して加温しつ
つ加圧したり、特開平2−117367号公報に記載のよう
に、糖類やアルコール類、有機酸類などを添加した後に
加圧して蛋白質の変性を不完全とする処理の方法が知ら
れている。
昭59−143544号公報および特開平2−117367号公報に記
載のものは発色補助剤水溶液や調味塩水、糖類やアルコ
ール類、有機酸類などの添加剤を用いるため、節用原料
魚に添加剤が浸漬して節用原料魚の成分が変化するな
ど、添加剤により得られる魚節のうま味成分や風味成分
が従来の添加剤を添加しない方法により製造して得られ
る魚節のうま味成分や風味成分のバランスと異なり、本
来の魚節の良好なうま味や風味が得られにくいととも
に、添加剤のコストが増大する。
全に加熱変性してしまい焙乾処理でのエキス分の増加が
図れず、特開昭62−275643号公報に記載の方法では、エ
キス分は増加するが肉質の内部で自己消化が進行し、う
ま味の一種であるイノシン酸が分解され、良好なうま味
が得られず、特開昭62−138132号公報、特開昭59−1435
44号公報および特開平2−117367号公報に記載の方法で
は、添加剤を用いるため、本来の魚節の良好なうま味や
風味が得られにくいとともにコストが増大する問題があ
る。
が低く添加剤を用いることなくエキス分およびイソシン
酸含有量の高い風味の良好な魚節の製造方法を提供する
ことを目的とする。
柔軟性非通水性フィルムの包装材で真空包装し、この包
装された前記節用原料魚を液体を媒体として高圧で加圧
して内部まで生体内酵素を失活させかつ蛋白質を不完全
変性させた加水分解性の高い状態に加圧処理し、この加
圧処理された前記節用原料魚を焙乾処理するものであ
る。
節の製造方法において、加圧処理は、3500kgf/cm2以上4
500kgf/cm2以下で加圧するものである。
ィルムの包装材にて真空包装した生の節用原料魚を高圧
で加圧処理することにより、加圧媒体が節用原料魚に接
触せず節用原料魚の成分が変化することなく節用原料魚
の全体に高圧力が効率よく伝達され、緻密で粉末率の低
い魚節が得られるとともに、内部まで生体内酵素を失活
させかつ蛋白質を不完全変性させた加水分解性の高い状
態に加圧処理を行うので、添加物を添加することなく、
エキス分の増大のための後工程での焙乾処理の加水分解
の効率が向上するとともに、不完全変性でも生体内酵素
の失活により自己消化が迅速かつ十分に阻止されて主た
るうみ味成分であるイノシン酸の含量は高く維持され、
良好なうま味成分および風味成分の増加が容易に短時間
で得られる。
節の製造方法において、3500kgf/cm2以上4500kgf/cm2以
下の圧力が加圧処理するため、緻密で粉末率が低く、良
好なうま味成分および風味成分が増加するため加圧処理
条件である生体内酵素の失活および加水分解性の高い蛋
白質の不完全変性が良好に効率よく得られる。
る。
ろ、いわし、あじ等いずれの原料魚を用いてもできる。
を除去し、三枚に下ろした左右肉二枚をそれぞれ体側に
沿って二分し、四枚の節用原料魚である生魚肉1を得
る。なお、原料魚が大型の場合には、頭や内臓を除去し
さらに分割して節用原料魚とする。また、原料魚が小型
の場合には、分割せずにそのまま用いて節用原料魚とす
る。
る例えばポリエチレンフィルムよりなる包装材2で密封
して真空包装し包装魚肉を得る。
収容した高圧タンク3中に投入し、図示しない油圧ポン
プ等によって水圧を3500kgf/cm2〜4500kgf/cm2にして約
20分加圧する。
に包装材2から加圧された加圧魚肉を取り出す。
行う。
間あん蒸との工程を水分が20%になるまで繰り返し、製
品である魚節を得る。
と、焙乾に先立って煮熟した従来の製法による鰹節Bを
それぞ切削し、エキス分、イノシン酸量、削りの形態お
よびうま味の官能試験を行い、結果を比較した。その結
果を下表に示す。
と略同量のうま味成分のイソシン酸含有量が得られる
が、エキス成分はより高く、うま味の官能試験でもうま
味の強く、さらには削り形態は花の大きさは従来のもの
より小さいが粉末率は少なく、歩留まりが向上すること
が分かる。
と、用いずに加圧した場合とを比較実験した結果、柔軟
性非通水性フィルムを用いないで加圧した削りの形態で
の粉末率が7.6%であるのに対し、柔軟性非通水性フィ
ルムを用いた場合には、粉末率が5.2%と低減する。さ
らには、柔軟性非通水性フィルムを用いない場合のエキ
ス成分は、28〜30%と従来のものより高いが、柔軟性非
通水性フィルムを用いた場合には、30〜33%とさらに高
い値が得られる。
材にて真空包装した生の節用原料魚を高圧で加圧するた
め、加圧媒体が節用原料魚に接触せず、加圧媒体が節用
原料魚に浸透したり節用原料魚から成分が溶出するなど
の節用原料魚の成分が変化や添加剤を添加することによ
り添加剤が節用原料魚に浸透して節用原料魚の成分が変
化することなく、本来の節用原料魚の成分が維持され、
良好なうま味成分および風味成分が得られるとともに、
節用原料魚の蛋白質が加熱処理とは異なった不完全な加
圧変性を起こし、後工程での焙乾処理中に蛋白質の加水
分解が起こりやすくなり、エキス分が増加する。
活して自己消化が阻止されイソシン酸の含量は通常の魚
節と同程度に保持され、良好なうま味成分および風味成
分を容易に短時間で増加できる。
により、従来のように添加剤を一切用いずに良好に蛋白
質の変性および自己消化の失活が短時間で容易にできる
とともに、節用原料魚の全体に高圧力を効率よく伝達で
き、内部まで緻密にでき、粉末率の少ない魚節が得ら
れ、製造性を向上でき、歩留まりが向上してコストも低
減できる。
水性フィルムの包装材にて真空包装した生の節用原料魚
を、内部まで生体内酵素を失活させかつ蛋白質を不完全
変性させた加水分解性の高い状態に加圧処理するため、
添加剤を用いることなく、生体内酵素による自己消化を
迅速かつ十分に阻止でき主たるうま味成分のイソシン酸
の含量を良好に維持できるとともに、加圧処理による蛋
白質の変性の程度が従来の蒸煮やそれに代わる方法の場
合と比して不完全であるので、後工程の焙乾処理におい
て従来の方法より効率よく加水分解できることにより高
いエキス分が得られる一方、加圧処理の際の圧力の媒体
となる液体が接触せず添加剤の無添加での高圧処理によ
り節用原料魚の本来の良好なうま味成分および風味成分
の増加が容易に短時間で得られ、効率よく高圧力が伝達
されて節用原料魚が内部まで緻密化でき粉末率が低い良
好な魚節が容易に得られる。
載の魚節の製造方法の効果に加え、3500kgf/cm2以上450
0kgf/cm2以下の圧力が加圧処理するため、緻密で粉末率
が低く、良好なうま味成分および風味成分が増加するた
め加圧処理条件である生体内酵素の失活および加水分解
性の高い蛋白質の不完全変性が良好に効率よく得られ
る。
示す説明図である。 1……節用原料魚である生魚肉、2……包装材、3……
高圧タンク、4……液体。
Claims (2)
- 【請求項1】生の節用原料魚を柔軟性非通水性フィルム
の包装材で真空包装し、 この包装された前記節用原料魚を液体を媒体として高圧
で加圧して内部まで生体内酵素を失活させかつた蛋白質
を不完全変性させた加水分解性の高い状態に加圧処理
し、 この加圧処理された前記節用原料魚を焙乾処理する ことを特徴とした魚節の製造方法。 - 【請求項2】加圧処理は、3500kgf/cm2以上4500kgf/cm2
以下で加圧することを特徴とした請求項1記載の魚節の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2215315A JP2625246B2 (ja) | 1990-08-15 | 1990-08-15 | 魚節の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2215315A JP2625246B2 (ja) | 1990-08-15 | 1990-08-15 | 魚節の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0499438A JPH0499438A (ja) | 1992-03-31 |
JP2625246B2 true JP2625246B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=16670280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2215315A Expired - Lifetime JP2625246B2 (ja) | 1990-08-15 | 1990-08-15 | 魚節の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2625246B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08205764A (ja) * | 1995-02-06 | 1996-08-13 | Maruai:Kk | 魚節の製造方法 |
AU7083198A (en) * | 1997-08-20 | 1999-03-08 | H.K.M. Company Co., Ltd. | High pressurization apparatus |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59143544A (ja) * | 1983-02-02 | 1984-08-17 | Marutomo Kk | 赤身魚肉製品 |
JPS62138132A (ja) * | 1985-12-10 | 1987-06-20 | Marutomo Kk | 削り節用素材の製造方法 |
JPH0697974B2 (ja) * | 1988-10-27 | 1994-12-07 | 大洋漁業株式会社 | 魚肉又は畜肉タンパク質の高圧変性の抑制法 |
JPH0622439B2 (ja) * | 1988-12-20 | 1994-03-30 | ヤマキ株式会社 | 魚節の製造法 |
-
1990
- 1990-08-15 JP JP2215315A patent/JP2625246B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0499438A (ja) | 1992-03-31 |
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