JP3017931B2 - 魚節の製造方法 - Google Patents

魚節の製造方法

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JP3017931B2
JP3017931B2 JP7277722A JP27772295A JP3017931B2 JP 3017931 B2 JP3017931 B2 JP 3017931B2 JP 7277722 A JP7277722 A JP 7277722A JP 27772295 A JP27772295 A JP 27772295A JP 3017931 B2 JP3017931 B2 JP 3017931B2
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幹治 土居
浄次 野本
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マルトモ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、かつお、さば、ま
ぐろ、いわし、あじなどの魚を用いた削り節用の魚節の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、削り節用の魚節は、原料魚の内臓
が除去され、原料魚の大きさに対応して適宜切断された
後、90℃〜95℃程度で30分〜3時間、通常は2時
間程度煮熟され、この煮熟後焙乾されて製造されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の煮熟する方法では、90℃〜95℃程度の比較的高
い温度で煮熟するため、蛋白質の変性が完全状態となっ
てエキス分の高い魚節が得られない。そこで、エキス分
の高い魚節を得るために蛋白質の変性を未完全状態にす
るのに60〜70℃の比較的低い温度で煮熟することも
考えられるが、内部まで略均一に蛋白質の未完全変性を
行うには煮熟に長い時間を要し、製造性が低下する問題
がある。
【0004】本発明は、上記の問題点に鑑みなされたも
ので、短時間でエキス分の高い魚節が得られる魚節の製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の魚節の製
造方法は、節用原料魚を1kgf/cm2 以上2kgf/cm2 未満
の加圧下で80℃以上100℃以下に加熱した後、焙乾
処理するもので、節用原料魚を1kgf/cm2 以上2kgf/cm
2 未満の加圧下で80℃以上100℃以下に加熱するた
め、短時間で蛋白質の未完全変性が完了し、良好なエキ
ス分の高い魚節が得られるとともに、節用原料魚の組織
が変化する蛋白質の未完全変性のための加熱の際に加圧
を行うことにより、節用原料魚の組織が容易に緻密化
し、製造後の魚節の削り節の花立ち、伸びおよび艶が向
上する。そして、加圧が1kgf/cm2より低いと節用原料
魚の組織の緻密化が生じなくなり削りの際の粉末発生量
が増大するとともに蛋白質の未完全変性を行うのに時間
を要する一方、2kgf/cm2 以上に加圧すると蛋白質の変
性が進行するため、1kgf/cm2 以上2kgf/cm2 未満の圧
力で加圧する。また、加熱が80℃より低いと蛋白質の
未完全変性が内部まで略均一に生じなくなりにがみ成分
が増加するとともに緻密化が得られず、100℃より高
いと蛋白質の変性が進行してエキス分が増加しないた
め、80℃以上100℃以下に加熱する。
【0006】請求項2記載の魚節の製造方法は、請求項
1記載の魚節の製造方法において、80℃以上100℃
以下で10分以上15分以下加熱するもので、短時間で
も良好なエキス分のさらに高い魚節の製造が容易とな
る。そして、加圧下における80℃以上100℃以下の
加熱が10分より少ないと、蛋白質の未完全変性が内部
まで完了せずにがみ成分が増加するとともに緻密化が得
られず、15分より長いと蛋白質の変性が進行してエキ
ス分が増加しないため、10分以上15分以下で加熱す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の魚節の製造方法の
実施の一形態の構成を図1を参照して説明する。
【0008】まず、節用原料魚として冷凍された生かつ
おを用い、この生かつおを解凍して頭と内臓を除去し、
三枚におろした左右肉二枚をそれぞれ魚体側に沿って裁
断して二分し四本の生肉を得る。なお、節用原料魚が小
形の場合には、分割しなくても良い。
【0009】そして、この生肉をポリエチレンなどの袋
状の包装材中に水とともに密封する。さらに、密封した
生肉を1kgf/cm2 以上2kgf/cm2 未満の圧力下で80℃
以上100℃以下、10〜15分程度加熱するレトルト
処理を行う。
【0010】なお、レトルト処理の際の加圧が1kgf/cm
2 より低いと、節用原料魚の生肉の組織の緻密化が生じ
なくなる、すなわち絞まりが悪くなり削りの際の粉末発
生量が増大して歩留まりが増大し生産性の低下およびコ
ストの増大を招くとともに蛋白質の未完全変性を内部ま
で略均一に行うのに時間を要する。また、2kgf/cm2
上の高い圧力を加えると、蛋白質の変性が進行してエキ
ス分の増加が望めないため、1kgf/cm2 以上2kgf/cm2
未満の圧力で加圧する。
【0011】一方、レトルト処理の際の加熱が80℃よ
り低いと節用原料魚の内部まで略均一に蛋白質の未完全
変性が生じなくなりにがみ成分が増加するとともに組織
の緻密化が得られず、100℃より高いと蛋白質の変性
が進行してエキス分の増加が望めないとともに旨味成分
が分解するため、80℃以上100℃以下に加熱する。
【0012】また、加圧下における80℃以上100℃
以下の加熱が10分より少ないと、蛋白質の未完全変性
が内部まで完了せず、にがみ成分が増加するとともに未
完全変性の生じていない部分の緻密化が低くなって、粉
末率の低減が図れない一方、15分より長く加熱する
と、蛋白質の変性が進行してエキス分の増加が望めない
ため、10分以上15分以下で加熱する。
【0013】この後、このレトルト処理され油ぬきされ
た節用原料魚を包装材から取り出して水切りする。
【0014】次に、マイクロ波や遠赤外線式のオーブン
などの乾燥器を用いて、約2時間乾燥して、節用原料魚
の表面の水分を除く。
【0015】この後、表面の水分が除かれた節用原料魚
に燻液(商品名:スモークEZ−LHコンク水溶液、ア
ルファーフーズ社製)を噴霧し、70℃以下の温度、例
えば、55℃〜65℃の温度で12時間焙乾処理する。
【0016】次に、室温で12時間あん蒸し、再び55
℃〜65℃で6時間焙乾後、室温で18時間あん蒸す
る。
【0017】そして、この55℃〜65℃で6時間の焙
乾処理および室温で18時間のあん蒸する工程を水分が
約20%になるまで繰り返し、日干しを行って削り節用
の魚節製品を得る。
【0018】上記実施の一形態によれば、適宜裁断した
節用原料魚を1kgf/cm2 以上2kgf/cm2 未満の加圧下で
蛋白質が未完全変性を生じる80℃以上100℃以下で
加熱するため、短時間で蛋白質の未完全変性を完了で
き、良好なエキス分の高く魚節特有な旨味や風味が高い
良好な魚節が得られるとともに、加熱による節用原料魚
の組織が変化する蛋白質の未完全変性時に加圧するの
で、容易に節用原料魚を緻密化でき、削り節の花立ち、
伸びおよび艶が良好な魚節が得られる。
【0019】また、加圧下における80℃以上100℃
以下の加熱を10分以上15分以下行うため、さらにエ
キス分が増加し粉末率が低減し花立ち、伸びおよび艶が
非常に良好な削り節が得られる魚節を容易に短時間で製
造できる。
【0020】さらに、70℃以下の低温で焙乾処理する
ため、製造コストを低減できるとともに魚節を削りにし
た際に、削り節の色が従来の比較的高温で焙乾処理した
削り節の色より赤みのある淡く明るい色となり、加圧に
よる組織の緻密化にて削り節の酸化による削り節の変色
も抑制でき、消費者の味覚を喚起でき、魚節の付加価値
を向上できる。
【0021】また、節用原料魚を煮熟後、70℃以下の
温度で焙乾処理する時に、予め燻液を噴霧するため、燻
液の抗菌作用と抗酸化作用により、70℃以下の比較的
低温の焙乾処理の初期段階での節用原料魚の腐敗を防止
でき、安定した魚節の品質を確保できるとともに、比較
的低温で焙乾処理することによる燻臭の低下を燻液の噴
霧によりさらに維持および強化でき、良好な魚節の香り
もさらに維持および強化できる。
【0022】なお、上記実施の一形態において、煮熟後
の節用原料魚に燻液を噴霧して説明したが、煮熟後の節
用原料魚を燻液または希釈した燻液水溶液に直接浸漬し
た後、水切りして焙乾しても同様の効果が得られる。さ
らに、この焙乾処理に限らず、いずれの焙乾処理を行っ
てもよい。
【0023】また、節用原料魚としてはかつおに限ら
ず、さば、まぐろ、いわし、あじなどいずれの魚を用い
てもできる。
【0024】
【実施例】節用原料魚として生かつおを用い、裁断した
生肉を1kgf/cm2 の加圧下で、10分間90℃に加熱し
レトルト処理し、焙乾・あん蒸にて乾燥して魚節を作製
し、この魚節を試料として水分量、魚節を削って得られ
た削り節の粉末率、および、目視による削り片の外観状
態を測定した。その結果を表1に示す。なお、従来の蒸
煮による方法で得られた魚節を比較試料として用いた。
ここで、水分量および粉末率は、JAS法に基づいて測
定した。
【0025】
【表1】 この表1に示す結果、水分量はともに16〜18%程度
で同一であるが、エキス分は蒸煮した比較例のものに比
してレトルト処理した本実施例のもののほうが2倍以上
も高く、加圧下において加熱するレトルト処理を行うこ
とにより、エキス分の多い魚節が得られることがわか
る。さらに、比較例のものに比して本実施例の削り節の
花は大きく、伸びおよび艶も良好で、短時間で魚節が得
られるばかりでなく、得られる削り節は非常に花立ちが
良く、伸びおよび艶も非常に良好なものが得られる。
【0026】
【発明の効果】請求項1記載の魚節の製造方法によれ
ば、節用原料魚を1kgf/cm2 以上2kgf/cm2 未満の加圧
下で、節用原料魚の蛋白質の未完全変性を生ずる80℃
以上100℃以下に加熱するため、短時間で蛋白質の未
完全変性を完了でき、良好なエキス分の高い魚節が得ら
れるとともに、節用原料魚の組織が変化する蛋白質の未
完全変性のための加熱の際に加圧を行うことにより、節
用原料魚の組織を容易に緻密化でき、製造後の魚節の削
り節の花立ち、伸びおよび艶を向上できる。
【0027】請求項2記載の魚節の製造方法によれば、
請求項1記載の魚節の製造方法に加え、加圧下かつ80
℃以上100℃以下で10分以上15分以下加熱するた
め、短時間でも良好なエキス分のさらに高い魚節が容易
に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の魚節の製造方法の実施の一形態を示す
製造工程の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23B 4/044

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 節用原料魚を1kgf/cm2 以上2kgf/cm2
    未満の加圧下で80℃以上100℃以下に加熱した後、
    焙乾処理することを特徴とする魚節の製造方法。
  2. 【請求項2】 80℃以上100℃以下で10分以上1
    5分以下加熱することを特徴とする請求項1記載の魚節
    の製造方法。
JP7277722A 1995-10-25 1995-10-25 魚節の製造方法 Expired - Lifetime JP3017931B2 (ja)

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