JPH0697974B2 - 魚肉又は畜肉タンパク質の高圧変性の抑制法 - Google Patents

魚肉又は畜肉タンパク質の高圧変性の抑制法

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JPH0697974B2
JPH0697974B2 JP63271641A JP27164188A JPH0697974B2 JP H0697974 B2 JPH0697974 B2 JP H0697974B2 JP 63271641 A JP63271641 A JP 63271641A JP 27164188 A JP27164188 A JP 27164188A JP H0697974 B2 JPH0697974 B2 JP H0697974B2
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meat
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fish
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有 昌子
宏樹 佐伯
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大洋漁業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生の魚肉又は畜肉に高圧処理を施した場合に
生じるタンパク質の圧変性の抑制を図ることができる、
魚肉又は畜肉タンパク質の高圧変性の抑制法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
一般に、生の魚肉又は畜肉を高圧処理すると、殺菌、自
己消化酵素の失活等の効果が望めるというメリットのあ
ることが知られている。
しかしながら、高圧処理を行う場合、上記メリットがあ
る反面、魚肉又は畜肉にタンパク質の変性による肉の白
濁化、不透明化、テクスチャーの変化などのデメリット
が生ずる問題があった。
従って、本発明の目的は肉の白濁化、不透明化、テクス
チャーの変化などのデメリットを生じさせることなく魚
肉又は畜肉を高圧処理することができる、魚肉又は畜肉
タンパク質の高圧変性の抑制法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、種々検討した結果、魚肉又は畜肉(これ
らの懸濁液を含む)を高圧処理する際に、該魚肉等に特
定種類の化合物の一種又は数種を共存させることによ
り、上記目的が達成されることを知見した。
本発明は、上記知見によりなされたもので、魚肉又は畜
肉に、糖類、糖アルコール類、多価アルコール類、アミ
ノ酸類及び有機酸類からなる群から選択された一種また
は数種を添加し、それらを20〜10000kg cm-2の圧力で加
圧することを特徴とする魚肉又は畜肉タンパク質の高圧
変性の抑制法を提供するものである。
以下、本発明の魚肉又は畜肉タンパク質の高圧変性の抑
制法を、好ましい実施態様に基づいて詳述する。
本発明において、魚肉又は畜肉としては特に制限はな
く、任意の魚肉又は畜肉に対して本発明を有効に適用す
ることができる。そして、上記魚肉又は畜肉の状態は、
塊状のものに限るものでなく、すり身等の任意の状態の
ものであってよく、また、これらの繊維等を水溶液等に
懸濁させて調製した懸濁液の状態のものであってもよ
い。
本発明において、上記魚肉等に添加する糖類としてはシ
ョ糖、グルコース、フラクトース、マルトース、トレハ
ロース等、糖アルコール類としてはソルビトール、イノ
シトール、マニトール等を、多価アルコール類としては
グリセリン、ポリエチレングリコール等を、アミノ酸類
としてはグリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸等
を、また、有機酸類としてはコハク酸、クエン酸、酒石
酸等を、それぞれ好ましい例として挙げることができ
る。そして、上記各化合物は、単独でも、もしくは複数
組み合わせて使用することもできる。
また、上記化合物を魚肉又は畜肉に添加する好ましい方
法としては、該魚肉又は畜肉を高圧処理する際に、塊状
肉ならば上記化合物の0.1〜2.0M、望ましくは0.5〜1.0M
の水溶液に浸漬する方法を、また、懸濁液状態の肉の場
合は上記化合物を0.1〜2.0M、望ましくは0.5〜1.0Mの濃
度になるように添加調製する方法を挙げることができ
る。但し、これらに限定されるものではない。
本発明において、魚肉又は畜肉を加圧する圧力範囲とし
ては、20〜10000kg cm-2であることが必要であり、好ま
しくは500〜5000kg cm-2である。具体的な圧力は、対象
の肉種、処理条件等によって適宜決定されるものであ
る。
また、加圧する方法も特に制限されるものでなく、魚肉
又は畜肉を上記圧力範囲に加圧することができる手段で
あれば任意に選択可能である。
上述した本発明方法によれば、生の魚肉又は畜肉を上記
の化合物の水溶液に浸漬したものを高圧処理した場合
は、水のみに浸漬したものを対照として比較すると、前
者(本発明)では肉の白濁化、不透明化が極めて小さい
かあるいは観察されない。また、魚肉又は畜肉タンパク
質の懸濁液の場合は、上記の化合物を添加しない場合に
比べ、本発明方法による場合はタンパク質の凝集、Ca又
はMg−ATPase活性の失活が抑制され、また、タンパク質
の変性が抑制される。
次に、本発明方法の効果を明らかにするために行った実
施例について説明する。
〔実施例1〕 マグロ凍結ブロック解凍後、その各約20gを5段階(0.
1、0.25、0.5、1.0及び1.5)の濃度(M)のソルビトー
ル水溶液の20mlに浸し、圧力3000kg cm-2、温度5℃及
び圧力保持時間30分の条件下で加圧した。そして、水の
みに浸漬した以外は全て同一条件で処理したものを対照
として、マグロ魚肉の白度、明度を比較し、その結果を
下記表1に示した。尚、圧力負荷しないマグロ魚肉の白
度は1.6、明度は10.0であった。
上記表1より明らかなように、対照(濃度0)に比較し
て、ソルビトール濃度を上げてゆくと、加圧処理後のマ
グロ魚肉の白度及び明度は、もと(加圧処理前)のマグ
ロのそれに近づいていくことが分かる。事実、ソルビト
ール濃度が1.0M及び1.5Mの場合では、加圧処理前後でマ
グロ魚肉の白度、明度及び外観にほとんど差が見られな
かった。このように、ソルビトールによるマグロ魚肉の
圧力変性に対する優れた抑制効果が認められ、本発明方
法が有効であることが確認できた。
〔実施例2〕 コイ魚肉から調製した筋原繊維懸濁液(タンパク質濃度
5mg/ml)の各約20mlに、それぞれ5段階(0.1、0.25、
0.5、1.0及び1.5)の濃度(M)になるように所定量の
ソルビトールを添加し、次いで圧力2000kg cm-2、温度
5℃及び圧力保持時間30分の条件下で加圧した。そし
て、ソルビトールを添加しない以外は全て同一条件で処
理したものを対照(基準)にして、Ca-ATPase比活性、M
g−ATPase比活性の測定及び筋原繊維凝集の程度の観察
を行い、その結果を下記表2に示した。
尚、Ca-ATPase比活性、Mg-ATPase比活性は、圧力処理し
ていない筋原繊維の活性を1.0とした場合の比で表した
ものである(実施例3の場合も同じ)。また、「凝集」
の欄の+は凝集している場合を、±は一部が凝集してい
る場合を、−は凝集が見られない場合をそれぞれ意味す
る。
上記表2より、ソルビトール濃度が上昇するほど、Ca-A
TPase、Mg-ATPaseの失活や筋原繊維の凝集が抑制され、
ソルビトール濃度0.5M以上では、失活や凝集がほぼ完全
に抑制されることが分かる。このように、ソルビトール
によるコイ筋原繊維の圧変性に対する抑制効果が認めら
れ、本発明方法が有効であることが確認された。
〔実施例3〕 実施例2と同様のコイ魚肉から調製した各筋原繊維懸濁
液の各約20mlに、該各懸濁液が0.5Mの濃度になるよう
に、グルコース、ショ糖、マルトース、トレハロース、
ソルビトール、マニトール、グリセリンをそれぞれ添加
して上記各化合物の溶液からなる7種類の懸濁液を調製
した。次いで、上記各懸濁液に対して、圧力2000kg cm
-2、温度5℃及び圧力保持時間30分間の条件下で加圧
し、加圧処理後の各懸濁液についてCa-ATPase活性、Mg-
ATPase活性を測定し、溶解化合物の圧変性に対する抑制
効果を調べ、その結果を下記表3に示した。
上記何れの化合物の場合も、ほぼ同程度の筋原繊維の圧
変性に対する抑制作用が認められた。
〔実施例4〕 牛肉の各約20gを、予め調製したショ糖、グリセリン、
グリシン、コハク酸それぞれの0.5M水溶液20mlに浸して
4種類の牛肉を調製し、次いで、上記各牛肉を圧力3500
kg cm-2、温度5℃及び圧力保持時間30分の条件下で加
圧した。そして、水のみに浸漬した以外は全て同一条件
で処理したものを対照として、上記各牛肉の白度、明
度、Ca-ATPase活性及び生菌数を調べ、その結果を下記
表4に示した。
上記表4より、牛肉においても、魚肉と同様、ショ糖、
グリセリン、グリシン、コハク酸の各水溶液への浸漬の
よって明らかにタンパク質の圧変性が抑えられており、
また、その加圧処理による殺菌効果も有効に発揮されて
いる。従って生の魚肉、畜肉の圧力による殺菌に、上記
の各化合物の水溶液への浸漬又は添加(本発明方法)が
有力な手段であることがわかる。
〔実施例5〕 ハマチ魚肉(血合肉を除く)の各約20gを、ソルビトー
ル、ポリエチレングリコール、グリシン、コハク酸それ
ぞれの0.5M水溶液20mlに浸漬して4種類のハマチ魚肉を
調製し、次いで、実施例4の場合と同様の条件下で加圧
処理を施し、上記各ハマチ魚肉の白度、明度、生菌数を
調べ、その結果を下記表5に示した。
上記表5より、ハマチ魚肉をソルビトール、ポリエチレ
ングリコール、グリシン、コハク酸の各水溶液にそれぞ
れ浸漬することによって、前記実施例4の場合と同様
に、ハマチ魚肉のタンパク質の圧力変性が抑制され、ま
た、殺菌効果も発揮されることが確認できた。従って、
生の魚肉の殺菌にもこれらの上記各化合物の水溶液への
浸漬又は添加(本発明方法)が有力な手段であることが
わかる。
以上、本発明方法を具体的に説明したが、本発明の魚肉
又は畜肉タンパク質の高圧変性の抑制法は、前記実施態
様及び前記実施例に示したものに限られるものでなく、
その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは
いうまでもない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、肉の白濁化、不透明化、テクスチャー
の変化などのデメリットを生じさせることなく魚肉又は
畜肉を高圧処理することができるため、品質の極めて優
れた魚肉又は畜肉を提供できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】魚肉又は畜肉に、糖類、糖アルコール類、
    多価アルコール類、アミノ酸類及び有機酸類からなる群
    から選択された一種または数種を添加し、それらを20〜
    10000kg cm-2の圧力で加圧することを特徴とする魚肉又
    は畜肉タンパク質の高圧変性の抑制法。
JP63271641A 1988-10-27 1988-10-27 魚肉又は畜肉タンパク質の高圧変性の抑制法 Expired - Lifetime JPH0697974B2 (ja)

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JP2625246B2 (ja) * 1990-08-15 1997-07-02 マルトモ 株式会社 魚節の製造方法
KR20120080610A (ko) * 2009-09-25 2012-07-17 카아길, 인코포레이팃드 냉동 세절육을 고압 저온 살균하는 방법
CN104542894A (zh) * 2013-10-28 2015-04-29 天津科技大学 一种低分子渗透剂协同超高压处理提高冷冻肉品质的方法

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