JP3785103B2 - 魚体の酢締め方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚体の酢締め方法に関する。更に詳しくは、食酢もしくは酢酸を含有し、特定の酢酸酸度とpHからなる酢締め魚用組成液を用いて魚体を酢締めする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酢締め魚の製造に際しては、まず鮮魚の頭、内臓等を除去し、魚種によっては3枚に卸した後、塩にて塩締め処理をした後、調味酢で酢締めし、次いで整形する方法が行われている。
しかし、最近は酢締め魚について、酸味を極力マイルドにしたいといった要望や、従来の酢締め魚の特色であった魚肉が硬く、締まった食感とは異なった新しい食感を有し、蛋白変性の少ない透明感のある酢締め魚を求める傾向がある。
酢締め魚の作り方については、「料理食材大事典」(村松 邦彦著、主婦の友社、375〜376頁、平成11年10月4日発行) 等の各種調理本に記載されているが、いずれの文献も酢締め魚用調味液(割り酢)のpHに関しては、3以下の低い値のものを示しており、pH値が4以上のものは全く開示されていなかった。
【0003】
一方、酢締め魚用調味液とは異なるものであるが、特公昭57−24096号公報には、魚体の処理方法について記載されており、保存性を向上させるために魚体を酢洗いすることについて言及されており、その際に食酢に有機酸塩もしくは無機酸塩を添加した液体を使用している。
しかし、この液体は酢締め魚用調味液の使用目的と全く相違している上に、処理後の魚体に与える食味、食感、外観等も異なるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
酢締め用の魚種としては、鯖、鯵、小鯛、いわし、こはだ、秋刀魚、サッパ等が知られている。
鯵、小鯛、こはだは魚体が小さく、身が薄いため、短時間に酢が浸透するので、酢締め時間は必然的に短時間でよい。そのため、浸漬時間の管理が難しく、品質の安定化が問題である。また、鯖、秋刀魚、いわし、サッパにおいても、酸味の弱い酢締め魚を作るためには、酢締め液の酢酸酸度は薄く、漬け込み時間は短くせざるを得ないが、そのようにすると、十分な保存性が得られないという問題がある。
【0005】
酸味をマイルドにし、弾力性のある食感と透明感を有する酢締め魚を製造するには、例えば通常の食酢あるいは調味酢よりも酢酸酸度の薄いものに漬け込むか、酢酸酸度は従来と同じものに短時間漬け込む方法が考えられる。
確かに酢酸酸度の薄い液に漬け込めば、酢締め魚の酸味は薄く、魚肉タンパク質の変性も少なく、透明感のある魚体が得られる。また、食酢や調味酢の酢酸酸度は変わらなくとも、漬け込み時間を短時間にすることで、魚体表面のみタンパク質が変性し、中心部分は生に近い状態に仕上がる。
しかし、これらの方法で作った酢締め魚は、魚体の酢締めによる生臭みの除去並びに保存性の点で、酢締め魚に本来的に求められる特有の食感や食品としての安全性が明らかに劣る品質のものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、酢締め魚に求められる上記した特性は維持しつつ、酸味を極力マイルドにして、従来の酢締め魚にはない食感や透明感のある外観を持つ酢締め魚の製造方法について鋭意検討した。その結果、食酢あるいは調味酢の酢酸酸度は従来と同濃度か少し高濃度でも、当該組成液のpHを4〜6に調整することにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0007】
請求項1記載の本発明は、食酢もしくは酢酸と、調味成分とを含有し、酢酸酸度が2〜5重量%であり、かつ、有機酸塩もしくはポリリン酸塩添加による緩衝、またはアルカリ添加による中和によってpHが4〜6に調整された酢締め魚用組成液に、魚を30分以上浸漬することを特徴とする魚体の酢締め方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
酢締め魚は、酢しめ魚、酢〆魚、酢じめ魚、酢ジメ魚などと様々に呼称されているが、いずれも同一物である。
酢締め魚の対象とされる魚は、鯖、鯵、小鯛、いわし、こはだ、秋刀魚、サッパ等の鮮魚もしくは冷凍魚である。本発明に用いられる魚種は、これらの従来から酢締め魚用に使用されているものである。
【0009】
酢締め魚を製造する場合、魚体は、まず頭や内蔵等を除去し、魚種によっては3枚に卸した後、食塩にて塩締め(塩漬け)処理をする。塩締め処理には、振り塩法と立て塩法があり、どちらの方法を採用してもよい。
振り塩法とは、魚体に塩を直接塩を振りかけて塩締めする方法であり、通常は魚体の重量に基づいて5〜25%に相当する食塩を振りかけ、3〜20時間塩締めする。一方、立て塩法は10〜20%の食塩水に魚体を6〜24時間浸漬して塩締めする方法である。
【0010】
塩締め処理した後、魚体は酢締め調味するが、本発明では食酢もしくは酢酸と、調味成分とを含有し、酢酸酸度が2〜5重量%であり、かつ、有機酸塩もしくはポリリン酸塩添加による緩衝、またはアルカリ添加による中和によってpHが4〜6、好ましくは4〜5.5に調整された酢締め魚用組成液に、魚体を30分以上浸漬する。好ましい浸漬時間は、魚種により異なるが、通常は30分〜24時間が適当である。
本発明において、食酢としては米酢、穀物酢、酒精酢、果実酢等の醸造酢の他に合成酢が用いられるが、特に米酢、穀物酢、酒精酢等の醸造酢が好ましい。食酢や酢酸は、水にて適宜希釈して酢酸酸度を調節する。
【0011】
組成液の酢酸酸度が2重量%未満では、魚の生臭みが十分に取れず、5重量%を超えると、酢締め魚のマイルド感、弾力のある食感、身の透明感において従来法によるものとの差は得られにくい。また、調味液のpHが4未満では、同様に酢締め魚のマイルド感、弾力のあるプリプリした食感、身の透明感において従来法によるものとの差は得られにくい。一方、pHが6を超えるものは、組成液に異味が生じて酢締め魚が美味しくなくなる。
【0012】
酢締め魚用組成液のpHを調整するには、有機酸塩もしくはポリリン酸塩添加による緩衝、またはアルカリ添加による中和が適当であり、これによって当該組成液のpHを4〜6に調整することができる。
ここで、有機酸塩としては、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム等が用いられ、特に酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムが好ましい。とりわけ、酢酸ナトリウムは抗菌性を有するので、より好ましい。
また、ポリリン酸塩としては、二リン酸塩や三リン酸塩が好ましく、特にナトリウム塩が好適である。
次に、アルカリの添加により中和してpH調整するには、苛性ソーダ等のアルカリや、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、卵殻等の炭酸塩を用いることが好ましい。
【0013】
本発明の酢締め魚用組成液には、調味成分、例えば砂糖、液糖、ステビア等の甘味料、食塩やグルタミン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、核酸系化学調味料、昆布、かつお等のエキス系旨味料、さらにはレモン等の果汁などが含有されている。なお、本発明に係る組成液は、予め各成分を高濃度に含む、言わば原液を調製しておき、使用時に水などで適宜希釈して上記条件を満たすように調整して用いることができる。本発明の組成液における前記の酢酸酸度とpHは魚体を酢締め処理するときの値を示したものである。
【0014】
酢締め用組成液のpHを4〜6に調整することにより、酢締めした魚体はpHを調整しない酢締め液で酢締めした魚体に比べ酸味は明らかにマイルドになり、且つ従来の酢締め魚の食感とは異なった弾力のあるプリプリした食感を有し、魚体も透明感のある外観に仕上がる。
一方、本発明のpH調整した酢締め魚用組成液と酢酸酸度が同じでpH未調整の酢締め液について、同じ条件で締めた魚体の保存性を比較したとき、両者の保存性に差はなく、魚特有の生臭みにおいても差は認められない。
【0015】
本発明の酢締め用組成液への魚体の浸漬時間は、前記したように、30分以上であるが、この時間は魚種や魚体の大きさなどを考慮して適宜決定すればよく、一般的には鯖、秋刀魚では1〜24時間、いわし、サッパは10〜24時間、鯵、小鯛、こはだでは30分〜数時間が適当である。
前記したように、従来法では酢締め液への魚体の浸漬時間の調節は困難であったが、本発明に係る組成液を使用することにより、浸漬時間を長くしても締め魚のマイルド感、弾力のあるプリプリした食感、身の透明感が得られ、且つ保存性が高い酢締め魚を作ることができる。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例を示して本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1
真鯖の頭と内臓を取り、3枚に卸ろした後、10重量%食塩水に漬け込み、冷蔵(5℃)で12時間塩締めした。食塩水より取り出した魚体をpH5.0、酢酸酸度2.6重量%の下記組成の組成液に浸漬して冷蔵(5℃)にて12時間酢締めを行い、酢締め鯖を試作した。
【0017】
市販醸造酢(酸度15重量%) 170mL
砂糖 120g
グルタミン酸ナトリウム 9g
酢酸ナトリウム 80g
水 701mL
【0018】
上記組成液の酢酸酸度は、以下の方法で測定した。組成液を一定量(5ml)正確に秤り取り、フェノールフタレインを指示薬として1N−NaOHにより滴定し、組成液が淡桃色になった時点を中和点とし、そのときの1N−NaOHの滴定量に酢酸換算係数(0.06)を掛け、秤り取った組成液容量で除し、組成液の酢酸酸度(重量%)として算出した。pHはpHメーターにて測定した。
【0019】
比較例1
酢締め組成液は、実施例1の処方中より酢酸ナトリウムを除いた以下の組成としたこと以外は、実施例1と同じ方法及び条件で酢締め鯖を試作した。このときの組成液の酢酸酸度は2.6重量%、pHは3.5である。
【0020】
醸造酢(酸度15重量%) 170mL
砂糖 120g
グルタミン酸ナトリウム 9g
水 750mL
【0021】
試験例1
実施例1及び比較例1で得られた酢締め鯖について、15名のパネルにより、食味(酸味の強弱)、食感(弾力性)、外観(身の透明感)、匂い(生臭みの強弱)の各項目の官能評価をした。評価方法は第1表の通りである。結果を第2表に示すが、表中の数値は平均点である。また、酢締め鯖の保存性を保存試験により比較した。試験は、酢締め鯖1g中の一般生菌数を下記の方法で測定して実施した。結果を第3表に示す。
【0022】
菌数の測定方法:20℃に保存した酢締め鯖の一定重量をストマッカーのポリ袋に採取し、9倍量の希釈水を加えてストマッカー本体に装着後、60秒間作動させる。これを試料原液とし、10倍段階希釈することにより、各段階希釈試料液を調製し、標準寒天培地による混釈法にて30℃で48時間培養し、出現したコロニー数を計測し算出する。
【0023】
【表1】
第1表 官能評価の基準
Figure 0003785103
【0024】
【表2】
第2表 官能検査の結果
Figure 0003785103
【0025】
【表3】
第3表 保存試験の結果
Figure 0003785103
【0026】
上記官能検査の結果、実施例1で得られた酢締め鯖は、比較例1で得られた酢締め鯖と比較して、酸味はマイルドで、身の締まり具合は弱く弾力性があり、身のタンパク質変性も少なく、透明感があることが確認された。
また、魚特有の生臭みについては、実施例1と比較例1との製品間に有意差がなかった。次に、酢締め鯖の20℃保存試験の結果も、第3表に示したように、実施例1と比較例1の製品間に有意差は認められなかった。
これらの結果より、官能検査による評価では、実施例1の製品の方が格段に優れており、保存性の点では両製品間に有意差がないことが明らかとなった。
【0027】
参考例1
小鯛の頭と内臓を取り除き、3枚に卸ろした後、10重量%食塩水に漬け込み、冷蔵(5℃)で1時間塩締めした。食塩水より取り出した魚体を、酢酸酸度8重量%の穀物酢を下記のように苛性ソーダにて酢酸酸度4重量%、pH4.0に調整した組成液に、冷蔵(5℃)下で2時間浸漬して酢締めした。
【0028】
穀物酢(酸度8重量%) 640mL
苛性ソーダ 7.5g
水 356mL
【0029】
比較例2−1
酢締め液として、酢酸酸度8重量%の穀物酢に水を加えて酸度4重量%、pH2.6に調整したものを用い、これに魚体を浸漬し、冷蔵(5℃)下30分間の酢締めした。
【0030】
市販穀物酢(酸度8重量%) 500 mL
水 500 mL
【0031】
比較例2−2
酢締め液として、比較例2−1と同じものを使用し、浸漬条件を冷蔵(5℃)下2時間に変えて酢締めした。
【0032】
試験例2
参考例1、比較例2−1及び比較例2−2にて得られた酢締め小鯛を、15名のパネルにより、食味(酸味の強弱)、食感(弾力性)、外観(鯛の皮目の赤色の鮮やかさ・透明感)を官能評価した。評価方法は第4表の通りである。結果を第5表に示すが、表中の数値は平均点である。
【0033】
【表4】
第4表 官能評価の基準
Figure 0003785103
【0034】
【表5】
第5表 官能検査結果
Figure 0003785103
【0035】
官能検査の結果から、参考例1の酢締め小鯛は、比較例2−2の酢締め小鯛と比較したとき、酸味は格段にマイルドで、身の締まり具合も弱く弾力性があり、表皮の赤色も鮮やかであり、身も透明感があることが確認された。
また、浸漬時間が30分間である比較例2−1の酢締め小鯛と比較しても実施例2の製品は、酸味がマイルドで、身の締まり具合も弱く弾力性があり、表皮の赤色も鮮やかであり、身も透明感があることが確認された。
【0036】
以上のことから、本発明の組成液を使用することによって、酸味がマイルドで、身の弾力性が維持された、表皮の赤色も鮮やかで、身の透明感がある小鯛の酢締めを得る場合に、数10分単位の漬け込み時間管理に気を使わなくても良いことが確認できた。
【0037】
参考例2
真鯖の頭と内臓を取り除き、3枚に卸ろした後、鯖重量の20%の食塩を振りかけ、冷蔵(5℃)で2時間塩締めした。塩締め後、軽く表面の塩を水で洗い流し、魚体をpH5.5、酸度3.0重量%の下記組成の組成液に浸漬し、冷蔵(5℃)条件下で4時間酢締めした。
【0038】
高酸度醸造酢 (酸度15重量%) 200mL
酢酸ソーダ 60g
クエン酸ソーダ 65g
リンゴ酸ソーダ 5g
水 722mL
【0039】
比較例3
酢締め調味液は、実施例3の処方より酢酸ソーダ、クエン酸ソーダ、リンゴ酸ソーダを除いたpH2.2、酸度3.0重量%の下記組成の組成液を用い、これに実施例3と同様に塩締めした真鯖を浸漬し、冷蔵(5℃)下に1時間酢締めした。
【0040】
醸造酢(酸度15重量%) 200mL
水 800mL
【0041】
試験例3
参考例2及び比較例3にて得られた酢締め鯖を15名のパネルにより、食味(酸味の強弱)、食感(弾力性)、外観(身の透明感)の官能評価を実施した。評価方法は第6表の通りである。結果を第7表に示すが、表中の数値は平均点である。また、これら製品の保存性を、試験例1と同様に保存試験にて比較した。結果を第8表に示す。
【0042】
【表6】
第6表 官能評価の基準
Figure 0003785103
【0043】
【表7】
第7表 官能検査結果
Figure 0003785103
【0044】
【表8】
第8表 保存試験の結果
Figure 0003785103
【0045】
第7表に示した官能検査の結果から、参考例2の締め鯖は、比較例3の締め鯖の4倍もの時間酢締めされているのにかかわらず、酸味はマイルドであり、身の締まり具合も弱く弾力性があり、身のタンパク質変性は明らかに少なく、透明感があることが確認された。
しかも、締め鯖の10℃保存試験の結果を示した第8表から、比較例3の製品は一般性菌数の増加が見られたのに対し、参考例2の製品は一般性菌数の増加は認められず、安全な締め鯖を作ることができた。
【0046】
実施例2
いわしの頭と内臓を取り、2枚開きにした後、背骨を除去し、15重量%食塩水で一夜塩締めした。食塩水より取り出した魚体をpH5、酢酸酸度3.0重量%の下記組成液で冷蔵(5℃)下24時間酢締めした。
【0047】
市販穀物酢(酸度4.2重量%) 710mL
砂糖 100g
グルタミン酸ナトリウム 4g
酢酸ナトリウム 95g
コンブエキス 3g
レモン果汁 10mL
水 156mL
【0048】
比較例4
いわしの処理方法と塩締め条件は、実施例2と同じで、酢締め用組成液を実施例4のものから酢酸ナトリウムを除いた酢酸酸度3.0重量%、pH3.2の下記組成液を用いて、冷蔵(5℃)下24時間酢締めした。
【0049】
市販穀物酢(酸度4.2重量%) 710mL
砂糖 100g
グルタミン酸ナトリウム 4g
コンブエキス 3g
レモン果汁 10mL
水 213mL
【0050】
試験例4
実施例2及び比較例4にて得られた酢締めいわしについて、15名のパネルにより、食味(酸味の強弱)、食感(弾力性)、外観(身の透明感)、匂い(生臭みの強弱)を官能評価した。評価方法は第9表の通りである。結果を第10表に示すが、表中の数値は平均点である。
【0051】
【表9】
第9表 官能評価の基準
Figure 0003785103
【0052】
【表10】
第10表 官能検査の結果
Figure 0003785103
【0053】
第10表から明らかなように、比較例4の製品と比べて、実施例2の酢締めいわしは、酸味はマイルドであり、身もプリプリとして弾力ある食感を持ち、透明感を有し、且ついわし特有の生臭みは少なく、従来品とは異なる食感、外観の酢締めいわしである。
【0054】
参考例3
こはだの頭と内臓を取り、3枚に卸ろした後、魚体重量の15%に相当する食塩を振り、冷蔵(5℃)で2時間塩締めした。塩締め後、軽く表面の塩を水で洗い流し、魚体をpH4.6、酸度2.1重量%の下記組成液に浸漬し、冷蔵(5℃)下にて2時間酢締めした。
【0055】
市販米酢(酸度4.5重量%) 467mL
クエン酸ソーダ 24g
リンゴ酸ソーダ 47g
水 490mL
【0056】
上記酢締めこはだは酸味がマイルドで、身の締まり具合は弱く、弾力性がある食感を持ち、透明感を有していた。
【0057】
【発明の効果】
本発明により、食酢もしくは酢酸と、調味成分とを含有し、特定の酢酸酸度とpHからなる酢締め魚用組成液を用いて魚体を酢締めする方法が提供される。
本発明の方法によれば、鯖、鯵、小鯛、いわし、こはだ、秋刀魚、サッパ等の従来から存在する酢締め魚の製造において、酢締め魚用組成液への魚体の浸漬時間に気づかいする必要がなく、しかも従来品に比べ著しく優れた食味、食感並びに外観を持った酢締め魚を製造することができる。

Claims (1)

  1. 食酢もしくは酢酸と、調味成分とを含有し、酢酸酸度が2〜5重量%であり、かつ、有機酸塩もしくはポリリン酸塩添加による緩衝、またはアルカリ添加による中和によってpHが4〜6に調整された酢締め魚用組成液に、魚を30分以上浸漬することを特徴とする魚体の酢締め方法。
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