JP2005065521A - 魚節類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、処理原料魚が本来持つ風味成分あるいは、意図的に添加された食品あるいは食品添加物を逃すことなく風味の豊かな魚節を衛生的に、かつ、工業的に安価に提供することである。また、これまで問題となってきた節製造過程において発生する煮汁廃液量を格段に減らすことをも課題とする。
【解決手段】魚節類を製造する際の煮熟工程に、通常の水蒸気を再加熱して得られる過熱水蒸気を使用することにより、風味の豊かな魚節類を作れることを見出した。
【選択図】なし

Description

本発明は、鰹類、いわし類、サバ類、アジ類、鮪類、鮭類等を原料魚とした風味の豊かな魚節類の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、過熱水蒸気により加熱処理することにより、魚が持つ風味成分の残存が高い風味豊かな魚節の製造方法に関するものである。
伝統的な魚節類の製造方法は、生の鮮魚もしくは冷凍魚を流水により解凍し、頭や内臓を除去する生切り工程、90〜100℃のお湯もしくは、海水で30分〜180分煮る煮熟工程、ブナ、ナラ、桜などの広葉樹を薪として煮熟した魚肉を燻す焙乾工程と中心部の水分を表層に移行させるあんじょう工程を繰り返し鰹節等とする方法と鰹節同様に煮熟工程を経た後、単純に乾燥のみ行う煮干類の2種類がある。
しかしながら、伝統的な製造方法によると煮熟時に、多くの風味物質が煮熟液へ流失してしまうという欠点を有している。また、冷凍魚を用いた場合、風味成分は、流水による解凍での流失や分解によっても失われる。
その解決策として、生の状態から焙乾する方法(特開昭59−91836号公報(特許文献1))、マイクロウエーブや通電加熱を利用して最小限のエキス流出に抑えようとする方法(特開昭54−41353号公報(特許文献2)、特開昭54−86658号公報(特許文献3)、特開平4−349870号公報(特許文献4))が挙げられるが、前者は、魚肉表層のたんぱく質が変性していないため、焙乾により表層に薄い皮膜を形成し、水分蒸発を妨げ、ゴム様の鰹節になったり、大量処理の場合、衛生的な取り扱いが難しい。後者は工業的な生産性を意識すると設備が大掛かりなものになり、ランニングコスト面からも高価になる。
特開昭59−91836号公報 特開昭54−41353号公報 特開昭54−86658号公報 特開平4−349870号公報
本発明は、上述の問題点に鑑み、処理原料魚が本来持つ風味成分あるいは、意図的に添加された食品あるいは食品添加物を逃すことなく風味の豊かな魚節を衛生的に、かつ、工業的に安価に提供することである。また、これまで問題となってきた節製造過程において発生する煮汁廃液量を格段に減らすことをも課題とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、魚節類を製造する際の煮熟工程に、通常の水蒸気を再加熱して得られる過熱水蒸気を使用することにより、風味の豊かな魚節類を作れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、魚節類を製造する際の煮熟工程に過熱水蒸気を使用することにより衛生的に、工業的安価に魚肉表層を加熱変性させ、内部の風味成分の流失を抑えた風味の豊かな魚節類を提供するものである。
さらに原料魚として冷凍魚を用い、煮熟工程で過熱水蒸気を使用することにより、従来解凍によって失われていた風味成分の流失や分解を大幅に抑制できるものである。これらを用いて味、風味の豊かなだし汁や削り節、或いは各種魚節類含有食品を提供することを可能とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における魚節類の原料魚としては、特に限定するものではないが、一般的には、鰹類、いわし類、サバ類、アジ類、鮪類、鮭類等が用いられる。原料魚の形態に関しても、特に限定するものではなく、内臓を除くすべての魚肉部分について、そのまま、あるいは開き状にしたもの、3枚おろした後のフィレ、フィレを背部と腹部に分けたもの、或いは刺身状に切削されたものやミンチにされたもの、輪切りに切断(スライス)されたもの、またはフードカッターなどによりミンチ状に細断後再成型したもの等が挙げられる。
本発明の過熱水蒸気とは、飽和水蒸気をさらに加熱し、大気圧下で、100℃以上の温度になった水蒸気を言う。通常水蒸気の供給方法および過熱水蒸気の製造方法、過熱水蒸気の発生機械・機構については、特に限定するものではなく、ボイラーで発生した通常蒸気を電気ヒーターで加熱するもの、2次ヒーター部分にマイクロウェーブを用いたもの等どのような方法で得られた過熱水蒸気でも用いることができる。
所望する形状とした魚節の原料魚に対し、煮熟工程の一部あるいは全てをこのような過熱水蒸気を使用し、原料魚表層を加熱、その後、常法により日干しあるいは焙乾工程とあんじょう工程を繰り返すことによって風味成分の残存が高い風味豊かな魚節類が得られる。
これらにより、生の魚肉の衛生的な取り扱いを可能とし、さらに煮熟時間を大幅に短縮できることから、実質的なコストを下げることができる。さらにその後、常法により節類表面にかび付けを繰り返した、本枯れ節とすることもできる。
さらに、冷凍魚に当該過熱水蒸気を使用することにより、魚節原料魚の風味成分の残存をさらに高めることができる。
冷凍魚とは、冷凍方法、冷凍温度など特に限定するものではなく、一般的には、赤道近海の太平洋やインド洋などで巻き網漁船や延縄漁船などの船上でマイナス20℃からマイナス80℃に冷凍されたものが用いられる。
このような冷凍魚を冷凍状態のまま、所望の形態にし、当該過熱水蒸気で蒸煮し、常法により日干しあるいは焙乾、あんじょう工程を繰り返すことによって風味成分の残存が高い風味豊かな魚節類が得られる。さらにその後、常法により節表面にかび付けを繰り返し、本枯れ節とすることもできる。これにより、冷凍魚の流水解凍時の風味成分流失や分解を防ぐことができる。
さらに、好ましくは、過熱水蒸気の温度を100℃を超えた温度から300℃までとすることにより、魚肉表層を最適に加熱変性させ、風味成分の流出を抑え風味豊かな魚節類を作ることができる。
過熱水蒸気は、通常水蒸気に比べ、無酸素状態であり、酸化しやすい魚油の変質などを抑制する。また、短時間での魚肉表層の加熱変性を可能とするため、本来魚肉に含有されている風味成分の変質および流出を防ぐなどの利点を持っている。100℃以下の過熱水蒸気では上記のような過熱水蒸気特有の特性を持ち合わせておらず通常水蒸気と性質が変わらず、また、300℃以上の過熱水蒸気は魚肉表層が焦げるため風味の質が落ちる。
その後、常法により日干しあるいは焙乾、あんじょう工程を繰り返し製造された魚節類は、風味成分の残存が高い風味豊かな魚節類となる。さらにその後、常法により節表面にかび付けを繰り返し、本枯れ節とすることもできる。
さらに、生の鮮魚もしくは冷凍魚を流水により解凍したもの、または冷凍のまま頭部を切り落とし内臓を抜いたものをスライスすると良い。特に焙乾工程を有する魚節類では、薫煙香の付着が充分行われるためには、過乾燥にならない範囲でじっくり乾燥させていく必要があり、スライスした原料魚を用いることにより、簡便に原料魚の表面面積を増やすことができ、過熱水蒸気による加熱・焙乾工程による薫煙の付着量アップを効率良く行うことができる。好ましくは、1cm以上5cm以下にスライスすることが望ましい。
1cm以下の厚さでは十分な乾燥時間を得ることが難しく、十分な薫乾が行われる前に過乾燥状態になり、水分量が極端に減少してしまう。また5cm以上であると中心部の乾燥が行われるまで多大な時間をし、表面のみの過乾燥や作業効率が悪い。
さらに、魚肉をミンチ状にすることにより、どのような形状にも魚節を成型することができ、過熱水蒸気による加熱の熱伝導効率を大幅にアップさせ、より短時間での魚肉表層の加熱変性を可能とし、本来魚肉に含有されている風味成分の流出を防ぐ。ミンチ状に加工する方法は、チョッパーを使用し魚肉を挽く・サイレントカッターにて魚肉を細断する・ニーダーを使用して魚肉を練るなど方法は様々であるがその方法は特に限定されるものではない。
好ましくは、ミンチ状に細断された魚肉を1cm以上、5cm以下の厚さに成型すると良い。1cm以下の厚さでは充分な乾燥時間を得ることが難しい。また、5cm以上であると中心部の乾燥が行われるまで多大な時間を要し、表面のみの過乾燥や作業効率が悪い。
成型物の形状は特に限定されるものではないが、たとえば、焙乾工程での薫煙成分付着面積を極力大きくする波型のようなものでもよい。また、魚肉をミンチ状にし過熱水蒸気で加熱しその後成型する、あるいは、魚肉をミンチ状にし成型した後過熱水蒸気で加熱する、どちらの工程においても、その後日干し又は薫乾することにより風味に優れた魚節類を得ることを可能にする。
さらに、ミンチ状に細断されその後成型する際、畜肉、植物等の他の食品、呈味、風味補強を目的に加える醤油、味噌、砂糖、塩等の基礎調味料や、各種蛋白加水分解物、畜肉、植物、魚介エキス等の天然調味料、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、イノシン酸ナトリウム、リボヌクレオチド等の化学調味料、オレガノ・カプシカムペッパー・カルダノン・マージョラン等のオレオレジンを含む香辛料、プロテアーゼ、リパーゼ、エステラーゼ等の酵素類あるいは酵素製剤、ミンチ肉の組織再形成時の形状保持および肉感のアップを目的に加えるポリリン酸、トランスグルタミナーゼ等の結着剤など、各種食品あるいは食品添加物を均一に当該発明品に含有させることができる。またミンチ状に処理し、均一に添加物が混ざった魚肉に過熱水蒸気を当てることによって、添加物が添加された部分の添加物濃度だけが、非常に高いものになるなどの、加熱ムラも防ぐことができる。
乾燥終了の基準は、所望に応じて行えばよく、特に限定されるものではない。こうして、目的とする呈味、風味に優れた魚節類を得ることを可能とする。
本発明の方法によって製造された魚節類は、処理原料魚に含有される遊離アミノ酸をはじめとする風味成分を逃すことなく、“だし”としての風味が非常に豊富な魚節類となる。また、過熱水蒸気で処理することにより従来の煮熟工程に比べ非常に短時間の処理時間で済み、生の鰹をそのまま焙乾するものに比較し衛生的に処理ができる。各種製品や食品素材、調味料、或いは各種食品添加物や結着剤を混練したような魚節類であっても工程中でのこれらの損失がほとんどないため、必要な添加量のみを用いて所望に応じたものを作成することが可能となった。
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらによって何ら限定されるものではない。
[比較例1]
生の鰹を生切りし、3枚に下ろしたフィレを常法に従い100℃の湯中で90分間煮熟し、常法に従い焙乾することで鰹節を得た。得られた鰹節を粉末にし、90℃の湯中に10重量%に相当する粉末を添加し、1分間静置後、速やかに濾紙で濾過し出し汁を調製した。その後得られた出し汁(試料)を強酸性イオン交換樹脂使用のカラムクロマトグラフィーにより処理し、分離された各遊離アミノ酸をニンヒドリン反応によって比色定量することにより試料の遊離アミノ酸含有量を分析した(HITACHI L-8500 Amino Acid Analyzer使用)。
その結果、Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計は、節100g当たり237.6mgであった。
生の鰹を生切りし、3枚に下ろしたフィレを過熱水蒸気で240℃4分間処理した。続いて、芯温65℃になるまでスチーマーにて処理し、これを常法に従い焙乾することで鰹節を得た。これにより得られた鰹節を粉末とし比較例1と同様に出し汁を調製し、分析した結果、Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計は、節100g当たり981.6mgであった。
比較例1と実施例1で作成した出し汁を官能評価したところ、よく訓練された評価者8名のうち8名が、実施例1のだし汁の呈味および風味が強く好ましいと評価した。すなわち、過熱水蒸気を使用したほうが風味成分の残存が高く風味豊かな鰹節ができる。
[比較例2]
生のいわしの内臓を除去したものを常法に従い100℃の湯中で30分間煮熟し、日干しし煮干しを得た。得られた煮干しを粉末にし、90℃の湯中に10重量%に相当する粉末を添加し、1分間静置後、速やかに濾紙で濾過し出し汁を調製した。比較例1と同様に分析した結果Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計は、節100g当たり228.2mgであった。
生のいわしの内臓を除去したものを過熱水蒸気で240℃4分間処理した。続いて、芯温65℃になるまでスチーマーにて処理し、これを日干しし煮干しを得た。これにより得られた煮干しを粉末とし、比較例1と同様に出し汁を調製し分析した結果、Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計は、煮干し100g当たり876.3mgであった。
比較例2と実施例2で作成した出し汁を官能評価したところ、よく訓練された評価者8名のうち8名が、実施例2のだし汁の呈味および風味が強く好ましいと評価した。すなわち、過熱水蒸気を使用したほうが風味成分の残存が高く風味豊かな煮干しができる。
[比較例3]
生のサバを生切りし、3枚に下ろしたフィレを常法に従い100℃の湯中で80分間煮熟し、常法に従い焙乾することでサバ節を得た。得られたサバ節を粉末にし、90℃の湯中に10重量%に相当する粉末を添加し、1分間静置後、速やかに濾紙で濾過し出し汁を調製した。比較例1と同様に分析した結果、Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile, Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計は、節100g当たり408.5mgであった。
生のサバを生切りし、3枚に下ろしたフィレを過熱水蒸気で240℃4分間処理した。続いて、芯温65℃になるまでスチーマーにて処理し、これを常法に従い焙乾することでサバ節を得た。これにより得られたサバ節を粉末とし、比較例1と同様に出し汁を調製し分析した結果、Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計は、節100g当たり823.4mgであった。
比較例3と実施例3で作成した出し汁を官能評価したところ、よく訓練された評価者8名のうち8名が、実施例3のだし汁の呈味および風味が強く好ましいと評価した。すなわち、過熱水蒸気を使用したほうが風味成分の残存が高く風味豊かなサバ節ができる。
[比較例4]
生のアジの内臓を除去したものを常法に従い100℃の湯中で60分間煮熟し、常法に従い焙乾することでアジ節を得た。得られたアジ節を粉末にし、90℃湯中に10重量%に相当する粉末を添加し、1分間静置後、速やかに濾紙で濾過し出し汁を調製した。比較例1と同様に分析した結果、Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile, Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計は、節100g当たり423.1mgであった。
生のアジの内臓を除去したものを過熱水蒸気で240℃4分間処理した。続いて、芯温65℃になるまでスチーマーにて処理し、これを常法に従い焙乾することでアジ節を得た。これにより得られたアジ節を粉末とし、比較例1と同様に出し汁を調製し分析した結果、Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met, Ile,Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計は、節100g当たり901.1mgであった。
比較例4と実施例4で作成した出し汁を官能評価したところ、よく訓練された評価者8名のうち8名が、実施例4のだし汁の呈味および風味が強く好ましいと評価した。すなわち、過熱水蒸気を使用したほうが風味成分の残存が高く風味豊かなアジ節ができる。
冷凍状態の鰹を解凍せずに3枚に下ろしたフィレを過熱水蒸気によって150・200・300℃にて6分間処理し、常法に従い焙乾することで鰹節を得た。得られた鰹節を粉末とし、比較例1と同様に出し汁を調製し分析した結果、Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計は節100g当たりそれぞれ、1101.2mg・918.2mg・742.2mgであった。よく訓練された評価者での比較例1との比較を表1に示す。
Figure 2005065521
表1から、比較例に比べて、過熱水蒸気を使用したほうが鰹節の節感、肉感が強いことが明らかであるが、過熱水蒸気の温度が150℃、200℃、300℃の順で、節感、肉感が弱くなることがわかる。
[比較例5]
冷凍状態の鰹を2cmにスライスし、100℃の湯中で90分間煮熟し、常法により焙乾することで鰹節を得た。得られた鰹節を粉末にし比較例1と同様に出し汁を調製し分析した結果、Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計が節100g当たり385.0mgであった。
[比較例6]
冷凍状態の鰹を2cmにスライスし、大気圧下100℃の通常水蒸気で芯温が80℃になるまで加熱し、常法により焙乾することで鰹節を得た。鰹節を粉末にし、比較例1と同様に出し汁を調整し分析した結果、Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計が節100g当たり488.2mgであった。
冷凍状態の鰹を2cm・5cmにスライスし、その後これを冷凍状態のまま200℃の過熱水蒸気によって鰹の芯温が80℃まで処理した。これを常法により焙乾することで鰹節を得た。これにより得られた鰹節粉末より比較例1と同様に出し汁を調製し分析した結果Asp,Thr,Ser,Glu,Gly,Ala,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr, Phe,Lys,Arg,Proの各遊離アミノ酸の合計が節100g当たりそれぞれ748.3・719.2mgであった。よく訓練された評価者での比較例5・6との比較を表2に示す。
Figure 2005065521
表2の結果から、冷凍状態の鰹を原料とした鰹節は、湯中よりは水蒸気、水蒸気よりは過熱水蒸気で処理したもののほうが、鰹節の節感が強く、肉感も強いことがわかる。さらに、過熱水蒸気で処理したものでも、小さくスライスにしたものは大きくスライスしたものより肉感が強いが、節感は大きくスライスしたほうが強いというように両者に若干の差異が見られた。
[比較例7]
3枚におろした鰹生肉100重量部および鶏肉20重量部を、小骨、皮を取り除かずにフードカッターにてミンチ状とした。ここへ海老エキス1重量部、酵母エキス0.2重量部、砂糖1重量部、みりん0.2重量部、グルタミン酸カリウム0.1重量部、卵10重量部、醤油0.2重量部を加え、これを再度フードカッターにて均質に混合し、成型した。形状は縦10cm、横15cm、厚さ3.5cmとし、これを90℃の湯浴中にゆっくりと落としこみ、煮熟を行った。20分後、ゆっくりこれを取り出し、風冷後焙乾庫へ入れ、焙乾を行った。90〜100℃で10番火まで薫乾した後、これを粉砕した。この粉末を用いて比較例1と同様に出し汁を調製した。
3枚におろした鰹生肉100重量部および鶏肉20重量部を、小骨、皮を取り除かずにフードカッターにてミンチ状とした。ここへ海老エキス1重量部、酵母エキス0.2重量部、砂糖1重量部、みりん0.2重量部、グルタミン酸カリウム0.1重量部、卵10重量部、醤油0.2重量部を加え、これを再度フードカッターにて均質に混合し成型した。これを105℃で6分間過熱水蒸気処理した。この過程で、原料の芯温は60℃に到達した。これを焙乾庫へ移動し、90〜100℃にて10番火まで焙乾を行ったのち粉砕した。この粉末を用いて比較例1と同様に出し汁を調製した。
比較例7と実施例7で作成した出し汁を官能評価したところ、よく訓練された評価者8名のうち8名が、実施例7のだし汁の呈味および風味が強く好ましいと評価した。すなわち、鰹生肉をミンチ状とし添加物を含有したものについても、過熱水蒸気処理したもののほうが風味成分の残存が高く風味豊かな練り節ができる。

Claims (6)

  1. 魚節類の製造工程において、煮熟工程に過熱水蒸気を使用することを特徴とする魚節類製造方法。
  2. 原料魚が冷凍魚であることを特徴とする請求項1記載の魚節製造方法。
  3. 過熱水蒸気処理温度を100℃を超えた温度から300℃までとすることを特徴とする請求項1又は2記載の魚節類製造方法。
  4. 原料魚をスライスしてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の魚節類製造方法。
  5. 原料魚をミンチ状にする工程を含むことを特徴とする請求項1、2又は3記載の魚節類製造方法。
  6. 食品、食品添加物、調味料、酵素類あるいは酵素製剤、結着剤、香辛料のうち、少なくとも1種を含有させてなることを特徴とする請求項5記載の魚節類製造方法。

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JP2013545436A (ja) * 2010-12-16 2013-12-26 株式会社にんべん 鮭荒節及び鮭削り節の製造方法

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