JP2689143B2 - 魚肉の消臭、脱色加工方法 - Google Patents
魚肉の消臭、脱色加工方法Info
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- JP2689143B2 JP2689143B2 JP63225862A JP22586288A JP2689143B2 JP 2689143 B2 JP2689143 B2 JP 2689143B2 JP 63225862 A JP63225862 A JP 63225862A JP 22586288 A JP22586288 A JP 22586288A JP 2689143 B2 JP2689143 B2 JP 2689143B2
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- fish
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、魚肉の切身または摺身の消臭、脱色加工方
法に関するものである。
法に関するものである。
魚肉または摺身を用いた代表的な加工食品には魚肉ハ
ム、魚肉ソーセージ、ナルト、カマボコなどの練製品が
ある。これらの食品は調味、加工、保存のために熱を利
用しているものがほとんどで、加熱による特有の魚臭や
化学反応による異臭を発生し、また褐変反応による着色
が起こっている。このようなことから特有の魚臭に対し
ては香辛料などのマスキング剤が添加されたり、また着
色に対しては原料魚肉の水さらし、漂白等の処理が行わ
れている。
ム、魚肉ソーセージ、ナルト、カマボコなどの練製品が
ある。これらの食品は調味、加工、保存のために熱を利
用しているものがほとんどで、加熱による特有の魚臭や
化学反応による異臭を発生し、また褐変反応による着色
が起こっている。このようなことから特有の魚臭に対し
ては香辛料などのマスキング剤が添加されたり、また着
色に対しては原料魚肉の水さらし、漂白等の処理が行わ
れている。
しかし、このような処理では、魚肉本来の臭や味が失
われてしまうことになる。
われてしまうことになる。
本発明は上記、魚肉加工の有する消臭、脱色の問題点
を解決し、これらの好ましくない魚臭、異臭を除去し、
かつ魚肉を脱色加工する方法を提供することを目的とす
るものである。
を解決し、これらの好ましくない魚臭、異臭を除去し、
かつ魚肉を脱色加工する方法を提供することを目的とす
るものである。
上記のような状況に鑑み、本発明者らは、魚肉の消
臭、脱色加工方法を種々検討した結果、魚肉を静水圧加
圧下で処理することにより、好ましくない魚臭を消臭
し、かつ魚肉が脱色加工されることを見出し本発明を完
成した。
臭、脱色加工方法を種々検討した結果、魚肉を静水圧加
圧下で処理することにより、好ましくない魚臭を消臭
し、かつ魚肉が脱色加工されることを見出し本発明を完
成した。
即ち、本発明は魚肉の切身または摺身を脱気包装後、
2000kg/cm2以上の静水圧で加圧処理することを特徴とす
る魚肉の消臭、脱色加工方法である。静水圧加圧とは、
水のような流体を密閉系で加圧することで、流体の各部
は一様にその等しい加圧力を受けるという特性を持ち、
最近その高圧を利用し、金属、セラミック成型さらには
食品分野への応用研究が行われ始めた技術である。食品
においては、蛋白質、澱粉等を高圧処理し、これら高分
子物質の非共有結合を物理化学的に変化させ、成分の化
学的変化を伴うことなく、ゲル化させることが可能で、
例えば、卵、大豆蛋白、畜肉、魚肉等、加圧によって生
の風味を保ったままゲル化させることができるという報
告がある。本発明で使用する魚肉は、グチ、エソ、タ
ラ、ホッケ等の白身魚やマグロ、カツオ、イワシ、サバ
等の赤身魚等が挙げられる。魚肉は、切身または摺身を
用いることができるが、魚肉の種類に関係なく、これら
の混合物であってもよく、また魚肉に各種調味量等を添
加してもよい。
2000kg/cm2以上の静水圧で加圧処理することを特徴とす
る魚肉の消臭、脱色加工方法である。静水圧加圧とは、
水のような流体を密閉系で加圧することで、流体の各部
は一様にその等しい加圧力を受けるという特性を持ち、
最近その高圧を利用し、金属、セラミック成型さらには
食品分野への応用研究が行われ始めた技術である。食品
においては、蛋白質、澱粉等を高圧処理し、これら高分
子物質の非共有結合を物理化学的に変化させ、成分の化
学的変化を伴うことなく、ゲル化させることが可能で、
例えば、卵、大豆蛋白、畜肉、魚肉等、加圧によって生
の風味を保ったままゲル化させることができるという報
告がある。本発明で使用する魚肉は、グチ、エソ、タ
ラ、ホッケ等の白身魚やマグロ、カツオ、イワシ、サバ
等の赤身魚等が挙げられる。魚肉は、切身または摺身を
用いることができるが、魚肉の種類に関係なく、これら
の混合物であってもよく、また魚肉に各種調味量等を添
加してもよい。
静水圧加圧加工処理に際しては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、塩化ビニリデン等のプラスチック製フィル
ムの希望する型のケーシングに魚肉を詰め、充分脱気を
行い包装することが好ましい。充分脱気を行わないと、
魚肉表面に小さな発泡体が形成され外観上好ましくな
い。
プロピレン、塩化ビニリデン等のプラスチック製フィル
ムの希望する型のケーシングに魚肉を詰め、充分脱気を
行い包装することが好ましい。充分脱気を行わないと、
魚肉表面に小さな発泡体が形成され外観上好ましくな
い。
静水圧加圧装置としては、油圧ポンプを用いて高圧発
生装置を組み立てることもできるが、金属、セラミック
の粉末加工に用いられている市販のCIP装置(Cold Isos
tatic Press)を使用すれば容易に目的を達成すること
ができる。
生装置を組み立てることもできるが、金属、セラミック
の粉末加工に用いられている市販のCIP装置(Cold Isos
tatic Press)を使用すれば容易に目的を達成すること
ができる。
加圧は室温で行うことができ、加圧圧力は2000kg/cm2
以上あればよいが、好ましくは4000kg/cm2以上で、加圧
時間は20分位行えば充分である。加圧した後、魚肉はケ
ーシングの型のまま凝固するので容易に取出すことがで
きる。加工した魚肉は、生魚特有の生臭さは全く消失し
ており、また加熱加工臭も当然のことながら発生してい
ない非常に優れたものである。さらに、色調も赤身魚に
おいては非常に淡い色調となり、白身魚はさらに白色化
する傾向にあり、魚肉の脱色が行われる。
以上あればよいが、好ましくは4000kg/cm2以上で、加圧
時間は20分位行えば充分である。加圧した後、魚肉はケ
ーシングの型のまま凝固するので容易に取出すことがで
きる。加工した魚肉は、生魚特有の生臭さは全く消失し
ており、また加熱加工臭も当然のことながら発生してい
ない非常に優れたものである。さらに、色調も赤身魚に
おいては非常に淡い色調となり、白身魚はさらに白色化
する傾向にあり、魚肉の脱色が行われる。
このようにして消臭、脱色された魚肉は、ハム様の食
感を持ち、生の魚肉とは全く異なる外観風味を有し、ス
ライス等の加工も簡単に行えるので、そのまま食品とし
て利用することができる。
感を持ち、生の魚肉とは全く異なる外観風味を有し、ス
ライス等の加工も簡単に行えるので、そのまま食品とし
て利用することができる。
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例 1. イワシ摺身300gに、食塩6g、砂糖15gを加え充分混合
した。この混合物をポリエチレン製の袋に入れ、減圧で
充分脱気後密封した。
した。この混合物をポリエチレン製の袋に入れ、減圧で
充分脱気後密封した。
このイワシ摺身の入った袋を、そのままCIP装置の加
工容器に入れ、室温下4000kg/cm2の圧力で20分間加工処
理を行った。加圧処理後、加圧容器から袋を取り出し、
本発明による消臭、脱色加工された魚肉を得た。
工容器に入れ、室温下4000kg/cm2の圧力で20分間加工処
理を行った。加圧処理後、加圧容器から袋を取り出し、
本発明による消臭、脱色加工された魚肉を得た。
上記で得られた魚肉は、加圧加工処理前の魚肉を対照
として、10名のパネラーによる官能評価を行った。その
結果を第1表に示す。
として、10名のパネラーによる官能評価を行った。その
結果を第1表に示す。
また、90℃で20分間加熱処理した魚肉を対照とした官
能評価も同様に行った。その結果を第2表に示す。
能評価も同様に行った。その結果を第2表に示す。
実施例 2. カツオ生肉400gを2×2×5(cm)ぐらいのブロック
状に切断し、この切身を適当にポリエチレン袋に入れ、
減圧で充分脱気後密封した。
状に切断し、この切身を適当にポリエチレン袋に入れ、
減圧で充分脱気後密封した。
以下、実施例1.と同様な操作を行った。
実施例 3. カツオ摺身300gに、食塩9g、砂糖30g、グルタミン酸
ナトリウム0.3g、澱粉9gを加え充分混合した。この混合
物をポリエチレン製の袋に入れ、減圧で充分脱気後密封
した。
ナトリウム0.3g、澱粉9gを加え充分混合した。この混合
物をポリエチレン製の袋に入れ、減圧で充分脱気後密封
した。
以下、実施例1.と同様な操作を行った。
実施例 4. スケトウ摺身300gをポリエチレン製の袋に入れ、減圧
で充分脱気後密封した。
で充分脱気後密封した。
以下、実施例1.と同様な操作を行った。
〔発明の効果〕 本発明によれば、魚肉原料に由来する生臭みや色調あ
るいは魚肉の加熱加工によって発生する好ましくない臭
いや色調が改善された魚肉加工品を製造することができ
る。
るいは魚肉の加熱加工によって発生する好ましくない臭
いや色調が改善された魚肉加工品を製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 食品と開発、22[7](1987)p.55 −62 化学と生物、25[11](1987)p. 703−705
Claims (1)
- 【請求項1】魚肉の切身または摺身を脱気包装後、2000
kg/cm2以上の静水圧で加圧処理することを特徴とする魚
肉の消臭、脱色加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63225862A JP2689143B2 (ja) | 1988-09-09 | 1988-09-09 | 魚肉の消臭、脱色加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63225862A JP2689143B2 (ja) | 1988-09-09 | 1988-09-09 | 魚肉の消臭、脱色加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0272844A JPH0272844A (ja) | 1990-03-13 |
JP2689143B2 true JP2689143B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=16836012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63225862A Expired - Fee Related JP2689143B2 (ja) | 1988-09-09 | 1988-09-09 | 魚肉の消臭、脱色加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2689143B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02177875A (ja) * | 1988-12-28 | 1990-07-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 生の風味を有する練製品の製造方法 |
JPH06181719A (ja) * | 1992-12-18 | 1994-07-05 | Yui Kanzumeshiyo:Kk | 魚肉又は魚卵の加工食品製造方法及び該製造方法で得られる魚肉のハム様加工食品並びに魚卵の加工食品 |
KR101390478B1 (ko) * | 2012-11-28 | 2014-04-29 | 부경대학교 산학협력단 | 초정수압 처리에 의한 고등어 내 히스타민 생성 억제 방법 |
KR102405534B1 (ko) * | 2020-04-03 | 2022-06-03 | 부경대학교 산학협력단 | 초정수압 처리에 의한 생선의 리페이즈 억제 및 비린내 억제 방법 |
-
1988
- 1988-09-09 JP JP63225862A patent/JP2689143B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
化学と生物、25[11](1987)p.703−705 |
食品と開発、22[7](1987)p.55−62 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0272844A (ja) | 1990-03-13 |
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